○片島
委員 いや、組合をそういうふうにして金を貸す
対象としたようなことでやっておられるので、
一つの手段でなくてそれだけが手段であって、ほかにはあまり手段が見当らぬように私
たちは
考える。
中小企業が経営を安定していくということについては、今まで一番大きな問題は、たとえば現在日本に家内工業というものが非常にはびこっておる、根強く残っておるという問題、それから今輸出組合というようなことを言われたが、対外的に輸出を振興していく場合にはやはり技術がりっぱにならなければいかないし、品物もりっぱにできていかなければならぬ。ところが
中小企業というものはややともすればしろうとにもできるのだ。そういう感じでやっておる日本の今日の
中小企業というものは、金を
貸してやったくらいでは、あるいは税金をまけたくらいではどうにもならぬのじゃないか。石橋通産大臣も、あなたに十年間大臣を絶対にやらせるからということになりますと、大きな手が打てるかもしれませんが、どうもお座なりでそのときばかりで幾らか金を貸すようなことをやればいいんじゃないか。私
たちは
中小企業問題につきまして非常に関心を持ちまして、大学の教授あたりを呼んでいろいろとヒヤリングをやろうと思って物色をしてみましたけれども、どこにも
中小企業について詳しい教授もだれもおらぬ。これは日本では
中小企業というものが政治の面からも教育の面からもすっかり見捨てられておる。ところがドイツあたりに行くと、
中小企業についての単科大学があるということを聞いておる。どういうふうにやったらいいか、技術を向上させ、経営を合理化させていく根本的な手を打たなければ——またこの経営についてどうやっていくか、技術をどう向上していくのかという
中小企業についての何らの指導方針もなければ、これに対する専門家も養成しないというようなことで、
中小企業をその場当りのまま子扱いにしておると言われても仕方がないのではないか。やはりそういう技術の指導とかいうことを、ただ講習会をやる程度でなくて、もっと本腰を入れて
中小企業の安定というような問題については、私
たちがどういうふうにしたならばいいかということを聞く場合にも、金を
貸してやったらいいだろう、税金をまけてやったらいいだろうという、子供の言うようなことでなくて、もっと根本的な、大
企業に対抗していける、しかも救済するために悪い品物を
中小企業から買うというのでなくて、
中小企業から買えば大
企業に負けないりっぱなものがあるのだというところまで向上させていくためには、ただ金を貸すだけでなくて、もっとほかに根本的な施策がなければならぬというふうに
考えておるわけであります。それで当の責任大臣であります石橋さんには、私
たちは非常な期待を持っておりますから、そういう基本的な——大臣が閣議などでは、金がかかるからといって、怒られるといかぬと思って出さないあなたの腹の中にある大きな
中小企業対策をここで承わりたいと思います。