○
八木(
一男)
委員 私は
政府提出の
日雇労働者健康保険法の一部を
改正する
法律案に対する
日本民主党・自由党・社会党両派並びに小会派クラブの各派共同
提出の修正案の趣旨を述べさせていただきたいと存じます。
まず修正案を朗読いたします。
日雇労働者健康保険法の一部を
改正する
法律案に対する修正案
日雇労働者健康保険法の一部を
改正する
法律案の一部を次のように修正する。
第十条第三項、第十六条の二第三項、第十七条の三第二項及び第十七条の三第二項の
改正規定中「通算して二十八日分」を「通算して二十八日分以上又は当該月の前六箇月間中に通算して七十八日分」に改める。
附則第一項中「
昭和三十年七月一日」を「公布の日」に改める。
以上でございますが、この
内容並びに
理由について
説明をさせていただきます。
まずこの修正案の
内容には二点ございまして、第一点は、療養の給付とか埋葬料の支給並びに家族埋葬料の支給、配偶者分べん費の支給につきまして、現行法並びに
政府提出の
改正案においては、その事故の発生前二ヵ月間に二十八日分の保険料を納入していることを要件といたしておりますけれ
ども、その二十八日分に加えまして、六ヵ月間に通算して七十八日分の保険料を納めること、この二つのうち、いずれか一方の要件を満たすことによりまして、保険給付を受けられるようにいたしたいというのが第一項の修正の
内容でございます。
もう
一つ、第二項に関しましては、
政府提出の
改正案は、七月一日から施行ということになっておりましたが、御
承知の通り現在七月一日を
経過いたしまして、いまだ本
改正案が成立しておりませんので、公布の日からこれを施行することに改めるのが第二点でございます。
この修正の
理由につきまして、ごく簡単に申し述べさせていただきたいと存じます。
まず
日雇労働者健康保険法につきましては、健康保険
制度の適用を最も必要とする人々に対しまして、この
法律が
昭和二十八年に成立いたしまして、この健康保険
制度が均器せしめられましたことは、非常に喜ばしいものとして、各方面で歓迎されておったものでございます。しかし、その
内容においてまだ乏しい点がございますので、国庫負担の増額によりまして、給付
内容の改善とか、あるいはまた通用要件の緩和、適用範囲の拡大というようなととが至急に行われることを期待されておったのでございます。その間において、一部
改正によりまして、
内容の前進を見たわけでございますが、本年
政府がさらに一歩前進した
改正案を出されたわけでございます。その
内容は、御
承知の通り療養の給付期間の延長、あるいはまた埋葬料、家族埋葬料、分べん費、配偶者分べん費の新しい項目の創設、歯科補綴ができるようにする等、一歩前進でございますけれ
ども、その中におきまして、適用要件につきまして考慮が払われておらない点は、不十分な状態にあるわけでございます。現在二カ月二十八日の要件になっておるのでございますが、場所により季節によりまして、この要件では保険料を納めておりながら、そして保険の適用を熱望しておりながら、保険事故が起ったときに、その適用を見ないような不幸な被保険者があり得るわけでございまして、統計によりましても八六・六%の適用しかなく、十三・四%が、いろいろなそういう
理由、その他の
理由によりまして適用を受けておらないようなことは、はなはだ遺憾なわけでございます。
このようなことの原因は、場所により季節によるもののほかに、まだ二つ原因があると
考えられておるのでございます。と申しますのは、就労平均は、全国平均二十一日でございますから、当然二カ月、二十八日ならば適用を見るではないかということも、形式的にはいえるのでございますけれ
ども、
病気の前にからだの悪くなるのは当然のことでございまして、たとい仕事があっても、非常にからだが疲れておるというようなことのために、自発的に休業をするようなことを
考えますと、
病気の前には特に就労日数が少く、保険料納入が少くなるために、以前においてはずっと保険適用の要件を備えておりながら、直前の状態によって要件を備えるに至りませんで、保険給付を受けられないというような不幸な事態を方々に見ているわけでございます。また
病気にかかりまして、その
病気のために休業を余儀なくせしめられました
患者が、他の
病気を併発いたしましたときに、その前の
病気で休んでおりますために保険要件を喪失いたしまして、第二病に対しては保険給付を受けられないというような不幸な事態も起っているのでございます。この点に関して二カ月、二十八日の要件のほか、六カ月間という長期間における要件を定めて、そのいずれか一方によって適用を見るようにした方がいいのじゃないかという
考え方が起ってきたわけでございます。社会保障
制度審議会におきましても、そのような要件を定めてこの
制度の改善をはかることが必要である、本年度において特にこれを実施せしめる必要があるという答申を見ているわけでありまして、各党派においても、この点についていろいろとお
考えになりまして、六カ月の要件を定めることは必要だという
意見の一致を見たわけでございます。ただ、六ヵ月間に何日の要件にするかにつきましては、いろいろと各党において御
意見があったわけでございますが、慎重協議をいたしました結果、今日においては七十八日の要件といたしまして、二カ月、二十八日の要件と相待って、そのいずれか一方において保険給付の適用を見るようにすることが最も適切であるという結論に達しまして、各派共同のこの修正案が出されたわけでございます。
どうか各位におかれましては、この趣旨に御賛同いただき、満場一致御可決あらんことを心からお願い申し上げ、以上をもって提案
説明を終らせていただきます。