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多賀谷委員 では、
労政局長がお見えになりましたので、
お尋ね——
お尋ねというよりも、要望しておきたいのですが、実は福岡県鞍手郡の室井
炭鉱というのがあるわけです。これは元の日満鉱業株式会社新目尾
炭鉱というのがございまして、それが日満鉱業の閉鎖によってつぶれました。その後室井孝という人が買収をいたしまして始まった
炭鉱でございます。ところが、その
炭鉱は
従業員が大体三百名
程度と思いますが、その
従業員が集まって、組合を結成しようではないかというので、四月十日、組合の結成にかかったわけであります。トラック二台からなる会社側の暴力団らしき者が来て、かなり威圧を加えましたけれ
ども、とにかく大会は行われ、組合が結成されました。その後組合長、副組合長、書記長が突然
解雇をされた。そうして現在福岡の地方労働
委員会に、不当労働行為の救済の申し立てをしておる。ところが、組合長でありましたか、書記長でありましたか、そのうちの一人が会社をやめました。みずから首を切られたのですが、やめる手続をとりまして、そうして今度は会社側の証人として出てきておる、こういうような実情であります。もう一人の方は逃亡いたしまして、どこかへ逃げてしまった、こういう
状態です。そこで組合長だけが残りまして、孤軍奮闘しておりましたところが、その組合長が離職上のことで会社の事務所に行きましたところが、鉄棒でぶんなぐられまして、かなりの打撲を受けて新入
炭鉱の労働組合に救援を求めて
保護に来てくれというわけで、
保護を願って、新入
炭鉱労働組合の事務所に行っておる、こういうような実情でございます。これは私も地方の
炭鉱、ことに中小
炭鉱の労働組合をいろいろ扱いまして、経験のないことではございませんが、
事件が起きますと、必ずそこの
事件の当該者が買収その他によっていなくなる。これは中小
炭鉱の労働組合の不当労働行為の通例になっておる。これはきわめておかしなことですが、組合幹部が首を切られる、そこで不当労働行為の救済の申し立てをする、そこでいつの間にか切られた連中が承諾をする、そうして今度は反対の審問に立つ、こういう例は幾つもあるわけです。そこで私は、この問題は、かなり大きな問題であると
考えて、今までも証人の証言の証憑力について、いろいろ申し述べたこともあるわけですが、この
事件について、
一つ徹底的に
調査をしてもらいたい。それは不当労働行為の救済の申し立てをしておるからいいじゃないかということにならない。と申しますのは、その
解雇された連中が、すでに会社側に立っておる、あるいはまた残った連中は暴力に会っておる、こういう
状態でありますので、単に組合幹部の
首切りだけではなくて、組合そのものが壊滅の
状態になっておるわけです。ですから、この問題について
一つ至急
調査をしていただいて、後日の
委員会で報告していただきたい、かように
考えております。