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1955-09-21 第22回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年九月二十一日(水曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 高木 松吉君    理事 佐々木秀世君 理事 濱野 清吾君    理事 南  好雄君 理事 山田 長司君    理事 神田 大作君       草野一郎平君    志賀健次郎君       牧野 良三君    松岡 松平君       三田村武夫君    山本 猛夫君       米田 吉盛君    加藤 精三君       塚原 俊郎君    井手 以誠君       高津 正遊君    辻原 弘市君       西村 力弥君    田中 利勝君       小林 信一君  委員外出席者         証     人         (二葉株式会社         取締役秘書役) 樋口  悦君         証     人         (福島学校生         活協同組合理事         長福島教員組         合中央執行委員         長)      野口 忠夫君     ――――――――――――― 九月二十一日  委員中曽根康弘辞任につき、その補欠として  志賀健次郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  小、中学校における教科書関係事件     ―――――――――――――
  2. 高木松吉

    高木委員長代理 これより会議を開きます。  篠田委員長所用のため私が暫時委員長職務を行いますので、御了承願います。  前会に引き続き小、中学校における教科書関係事件について調査を進めます。直ちに証人より証言を求めることにいたします。  ただいまお見えになっておられる方は樋口悦さんですか。
  3. 樋口悦

    樋口証人 はい。
  4. 高木松吉

    高木委員長代理 あらかじめ文書をもって御承知通り、正式に証人として証言を求めることになりましたから、御了承願います。  この際証人に一言申し上げます。現在わが国における小、中学校における教科書は多極多様にわたり、大小出版業者が乱立の結果、これが検定並ひに採択等に関しとかくの風評を生じ、これらが学童並びに父兄に及ぼす影響等を懸念し世上大いに関心を抱いている向きもありますので、義務教育の本旨にかんがみ、これが真相を明らかにすることはきわめて意義のあることと考え、本委員会は本件の調査に差手した次第であります。証人におかれましては率直なる証書をお願いいたします。  それでは、ただいまより小、中学校における教科書関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院にわける証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または、一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した、証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。   〔証人樋口悦朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、宣誓書署名捺印して下さい。   〔証人宣誓書署名捺印
  6. 高木松吉

    高木委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはそのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長より概括的に証言を求め、次に各委員から証言を求めることになりますから、御下城下さい。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴は前回同様ですか。
  7. 樋口悦

    樋口証人 同様であります。
  8. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは省略いたしまして、証人会社においては、昭和二十六年度来、福島学校生活協同組合発行する夏・冬休み学習帳印刷を引き受けているが、右のうも昭和二十八年度以降の印刷部数印刷単価について年度別にお述べになって下さい。
  9. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。福島学校生活協同組合から「夏休みの友」「冬休みの友」の印刷加工注文を受けましたのば昭和二十六年十一月でありますが、委員長からのお話で、昭和二十八年以降今日に至るまでの注文部数単価金額を申し上げます。  昭和二十八年の十月に、「冬休みの友」小学二年、二万四千二百冊、単価十円四十銭、金額二十五万一千六百八十円、同じく「冬休みの友」中学一年、二万七千三百冊、単価五円三十五銭、金額十四万六千五十五円、二十九年六月、「夏休みの友」小学二年、四万二千七百冊、単価十円、金額四十二万七千円、二十九年十一月、「冬休みの友」中学一年、三万七百冊、単価六円、金額十八万八千四百円、三十年六月、「夏休みの友」中学一年、三万九千三百冊、単価六円三十五銭、金額二十四万九千五百五十円、同じく「夏休みの友」中学二年、四万一千三百冊、単価六円三十五銭、金額二十六万二千二百五十五円、以上であります。
  10. 高木松吉

    高木委員長代理 その単価というのは生活協同組合に納める単価ですね。
  11. 樋口悦

    樋口証人 単価と申しますのは、私の方が学生協に納めまして、その相当金額をもらう金額であります。
  12. 高木松吉

    高木委員長代理 原価計算はどういうことになりますか。
  13. 樋口悦

    樋口証人 二十八年の十月、最初に申し上げました「冬休みの友」小学二年、二万四千二百冊の原価と申しますか、単価の……。
  14. 高木松吉

    高木委員長代理 樋口君、一冊についての原価を述べて下さい。その方がわかりやすい。総数はわかっていますから、一冊についてどうなっているかという原価計算を言って下さい。
  15. 樋口悦

    樋口証人 十円四十銭の単価構成を申し上げます。私の方の製版代が四円二十銭、平版の印刷代が四円四十銭、製本代が一円、梱包その他の雑費が八十銭、計十円四十銭。
  16. 高木松吉

    高木委員長代理 そうすると、これは二十八年から四回やっていますから、四回の一冊の原価計算を全部明らかにするように願いたいと思います。
  17. 樋口悦

    樋口証人 今申し上げたのが最初の十円四十銭の単価でございます。その次に、「冬休みの友」中学一年の五円三十五銭の分を申し上げます。製版代が一円五十三銭、印刷代が二円四十二銭、製本代が一円三十銭、雑費が十銭。次に、二十九年の六月の「夏休みの友」小学二年、十円の分を申し上げます。製版代が二円四十銭、印刷代が五円三十銭、製本代が一円二十銭、荷作り、運賃その他が一円十銭。次は二十九年十一月、「冬休みの友」中学一年、六円の分でございます。製版代が一円六十五銭、印刷代が二円二銭、製本代が一円三十銭、運賃その他が九十銭で、このときには特に紙を一部持ったものがありまして、その紙代が十三銭というふうに計上されております。
  18. 高木松吉

    高木委員長代理 二十八年の夏の販売定価幾らです。
  19. 樋口悦

    樋口証人 全部二十五円と記憶しております。
  20. 高木松吉

    高木委員長代理 昭和二十七年度以前は用紙会社側で調弁していたようであるが、その当時の用紙込み印刷単価並びに発行部数について年度別にお述べになっていただきます。
  21. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。二十七年の六月に私の方が紙を持ちまして印刷製本してお送りした分は、「夏休みの友」小学一年が、三万二千五百冊、単価が十四円五十銭、全額が四十七万一千二百五十円。それから、同じく「夏休みの友」中学三年、三万六千五百冊、単価が十円五十銭、金額三十八万三千二百五十円。以上でございます。
  22. 高木松吉

    高木委員長代理 二十七年以降はどうなりますか。
  23. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。以上申し上げました二十七年六月までが当社といたしまして紙を持ちまして印刷した分でございまして、二十八年の五月以降から今日に至るまでは、紙は学校生活協同組合が持ちまして、私の方が印刷加工製本して納めておるという状態であります。
  24. 高木松吉

    高木委員長代理 そうすると、今の説明の中の方は紙だけ学生協から出ておるわけですね。
  25. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。二十八年五月以降は、学校生活協同組合の方で紙を持って、私の方で印刷しただけであります。紙は向う持ちでございます。先方紙と申します。
  26. 高木松吉

    高木委員長代理 そこで、問題なのですが、その紙ですね。一冊について幾らくらいにあなたは業者として見積られますか。その大体の見積りを年度別に出していただくわけにいきませんか。
  27. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。二十七年の六月の紙代は、私の方で持ちましたからここではっきり申し上げますが、二十八年以降は先方さんが紙をお持ちになったのでありますし、紙というものは需要供給関係値段が違うものですから、今ここで幾らということは言えませんけれども、二十七年六月は私の力で持った分ですから、その分ははっきり申し上げます。その以降につきましては、二十五年のたしか十月から紙の統制がとれたわけですから、そのときの相場においてこれくらいということは言えますけれども、はっきりしたことは申し上げられません。
  28. 高木松吉

    高木委員長代理 あなたの方で作っているのは直接紙質や何かがわかるわけです。あなたの方で商売ですから。大体の値段を、想像でよろしゅうございますが、できたらお述べになっていただけませんか。
  29. 樋口悦

    樋口証人 委員長お話に従いまして、概略お答えいたします。二十七年の六月に私の方が紙を持ってやったと申し上げました。その紙は、大体表紙本文ということになりますが、私の方で見積ったのは、表紙になる紙、すなわち上質の紙が六万七千八十円、本文になるざら紙が十三万八千円でございますから、これを冊数で割りますと、一冊の用紙代が六円四十銭ということで、私の方は先方へ請求しております。今申し上げましたのは小学一年の分でございますから、お断わりします。なお、紙を持ってやりました中学三年の分を申し上げます。これは、表紙になるべき上質の紙が七万四千八百八十円、本文が十七万円でございますから、これを一冊に割りますと、紙代が六円八十銭でございます。以下二十八年の正月から先方様の紙でありますから、私の方では、どういう買い方をなさったかわかりませんから、高くお買いになったか安くお買いになったかわかりませんが、そのときの相場から考えまして申し上げます。二十八年の五月の「夏休みの友」の小学二年、これは表紙本文込めまして六円から七円くらいの間じゃないかと考えます。それから、同じく二十八年の五月の「夏休みの友」の中学一年、これは七円から七円五十銭くらいではなかったかと思われます。二十八年の十月、「冬休みの友」の小学二年、これも込みで六円から七円くらいじゃないかと考えております。同じく二十八年の「冬休みの友」中学一年も、六円から七円くらいではなかったかと考えます。二十九年の「夏休みの友」の小学二年、これは六円五十銭から七円五十銭くらいじゃなかったかと考えます。二十九年の十一月の「冬休みの友」の中学一年、これは六円五十銭からやはり七円五十銭ぐらいじゃないかと考えます。三十年六月の「夏休みの友」中学一年、これは七円から八円くらいじゃないかと考えます。三十年六月の「夏休みの友」中学二年、これも七円五十銭から八円くらいじゃないかと考えます。先ほど申し上げました通り、紙というものは時期によっていろいろ値段が違いますし、賢い方が非常にさまざまでありますから、私の申し上げたのは、私としての一つの想像でございますから、どうぞ。
  30. 高木松吉

    高木委員長代理 これらの印刷物の引き渡し場所はどこでした。
  31. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。引き渡し場所は、私の方で作りましたものを梱包にして、貨車または自動車で福島県へ送ります。駅どめでございます。
  32. 高木松吉

    高木委員長代理 福島市の駅どめになるわけですか。
  33. 樋口悦

    樋口証人 そうでございます。
  34. 高木松吉

    高木委員長代理 校正などはどういうふうにして行われたのですか。
  35. 樋口悦

    樋口証人 私の方の出しました校正先方郵便物で送りまして、そして校正してもらう場合もありますし、私の方で下校正をいたす場合もございます。
  36. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、元福島教員組合中央執行委員長佐久間利秋君という人のあったことを知っておりますか。
  37. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。佐久間利秋というのは、元私の方の駐在員をやっておりました。昭和二十六年の五月十五日に私の方の駐在員となりまして、三十年の四月の二十五日、県会議員当選とともに辞任をしていただいた次第であります。
  38. 高木松吉

    高木委員長代理 この佐久間君をあなたの方の駐在員にしたのは、県の教組から推薦でもされてやったのですか。どういう事情ですか。
  39. 樋口悦

    樋口証人 佐久間さんは二十五年まで教組委員長をやっておられました。私の方が駐在員を選択いたします場合には、重役並びに教科書部の者と打ち合せをいたして決定したのでございます。
  40. 高木松吉

    高木委員長代理 いま少し就任の事情を詳細に述べてもらえませんか。
  41. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。私の方が駐在員を設置いたします場合には、その土地事情並びに教育事情に詳しい人ということでございまして、原則といたしまして教員実績のある方を目星をつけて選択をするのであります。従って、私の方が福島県の佐久間氏を選ぶにつきましても、どういう人がいいかということで、現地の評判その他を聞いて決定した次第でございます。
  42. 高木松吉

    高木委員長代理 だれか佐久間君のところへ話しかけていく人があるだろうし、ぽかんと佐久間君がいいからといってあなたの方も行くわけじゃないだろうと思います。その橋渡しの事情や何かあるじゃないでしょうか。
  43. 樋口悦

    樋口証人 私は、昭和二十五年の八月に二葉へ入りましたもので、その以前の事情をあまり深く聞いておりませんから、ここでお答えすることはできませんが、現在やっております私の方のやり方から考えて、もちろん現地へ行きましていろいろな方と御相談したとは思いますが、特に推薦を受けたというような記憶は持っておりません。
  44. 高木松吉

    高木委員長代理 佐久間君が駐在員になることによってどの程度採択効果があったのですか。効果がありましたか、なかったですか、どうです。
  45. 樋口悦

    樋口証人 福島県における私の方の採択部数を御参考に申し上げてから御説明いたします。二十六年度が三十三万、二十七年度が八十七万四千、二十八年度が六十四万一千、二十九年度が七十七万二千、三十年度が六十八万、こういう状況にたっております。従いまして、福島県について、二十六年に佐久間氏が就任し、直ちに二十七年に八十七万四千ということで、疑惑の眼を持たれるかもしれませんけれども、私の方は、二十六年と二十七年とを比較しますと、約倍、二十七年度に二千万に増加しておりますし、そのときの発行点数が非常にふえたものですから、全国的にふえている形勢でございます。その後は減ったりふえたりして、今日六十八万という状態になっておりますから、私の方が特に佐久間氏をわずらわしてふやしたというふうなことはございませんで、駐在員を置きまして全国的にふやそうとするのは私の方の会社の意図でございますから、これはあに福島のみに限ったことではございません。
  46. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、証人にお尋ねしますが、福島県下の証人会社特約業務昭和二十六年新たにできた特約店福島教科書販売株式会社というものに移した事情はどういうわけですか、詳細にお述べになって下さい。
  47. 樋口悦

    樋口証人 私の方はただいまは教科書一般印刷をやっておりますが、昭和二十三年、四年、五年ごろまでには小学一年、二年、小学六年までの雑誌発行をしておりました。その雑誌を私の方で福島市にございます岩瀬書店を通じて福島販売してもらっておったわけなんであります。それで、検定制度ができましてから教科書販売福島県にございます特約に頼んでおったのでありますけれども、片方雑誌をやっておりまして、新たなる特約を作ったので、この方へ取り扱わしてくれないかという話がございましたので、この方へ回したわけでございます。従って、昭和二十五年からたしか片方の新特約の方に頼んでおります。
  48. 高木松吉

    高木委員長代理 この岩瀬書店と県の教組との関係とか、それから佐久間君との関係などは、あなたは承知しておりませんか。
  49. 樋口悦

    樋口証人 県教組関係というようなことは私は存じませんが、岩瀬良一、これはこの土地における大きな本屋でございまして、この人の話で、佐久間さんという人がいるということは聞いております。
  50. 高木松吉

    高木委員長代理 委員長よりの尋問は一応終了いたしました。  これより委員諸君発言を許可いたします。昨日同様三十分以内にお願いいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、通告順に許すことにいたします。米田吉盛君。
  52. 米田吉盛

    米田委員 お尋ねいたします。二葉の方の重役株主、そういうような方の中で佐賀県御出身の方、あるいは佐賀県と深い関係の方はございませんか。
  53. 樋口悦

    樋口証人 私の方の重役は、取締役四名、監査役一名の構成でございます。株主は八十五名、そのうち佐賀関係者は一人もございません。
  54. 米田吉盛

    米田委員 先ほど承わりますれば、各府県にいろいろな販売対策をお立てになっておるようでありますが、佐賀県については具体的にどういうような対策でお臨みになっておりましょうか。たとえば、駐在員などお置きになるとすれば、その駐在員の閲歴など承わりたいと思います。
  55. 樋口悦

    樋口証人 私の方は全国的に駐在を置いておりますけれども、佐貫県と愛媛県につきましては、私の方は固定的に駐在員は置いておりません。
  56. 米田吉盛

    米田委員 そうすると、そこだけ駐在員を置かれないわけをお伺いしたい。
  57. 樋口悦

    樋口証人 私の方が駐在員を置きます場合に、佐賀県に置くということでなくて、全部に置いてみようという考えを持っておったのでありますけれども、佐賀県に関しましては、先ほど申し上げましたように、本社直接においてやってみたい、というのは、あそこはその当時におきましては学校生活協同組合なるものが教科書の取扱いをしておりました関係上、他の県と違うケースでございますから、私の方は、そこは固定的な駐在員置冊かないで本社でやってみようという社議をもって販売政策をやっておりますから、置いていないわけであります。
  58. 米田吉盛

    米田委員 そうしますと、今は会社になっておりましょうが、学生協であった販売会社、これの方にあなたの方の株を持たしてあるとか、あるいはあなたの方が逆に株を持っておられるとか、そういうような経済関係はいかがでございましょうか。大ざっぱでけっこうでございます。
  59. 樋口悦

    樋口証人 私の方の会社の株は、佐賀では持っておりません。それから、私の方が佐賀県の株を持っておるかというお話ですが、会社ができますときに、満額にならなければ困るから、そのときは持ってくれというので、私の方で一時持ったのでありますが、何か出合いがあったらば引き揚げてくれという話で、現在は株を持っておりません。
  60. 米田吉盛

    米田委員 実は、こういうことをお尋ねしますのは、特に佐賀県であなたの方の図書が格段の売れ行きをしておるのであります。それで、最近二、三年間の統計を調べましたら、二十八年度は、たしか小学校の分だと思いますが、これが佐賀採用の中に六〇・八%ほかの九州地区で、あなたの方がこれに近い程度まででも販売せられているかと調べてみますと、ほかは、福岡県が一一・六%、鹿児島が五・三%、長崎が一九・五%、宮崎が一二・一%、こういうような程度で、ございます。それから、二十九年度を見ましても、やはり同様にあなたの方が佐賀県だけで七〇%を小学校で占めておられる。その他の九州の県であなたの方の売れ行きを見ると、二十八年度の程度に若干出入りはありますが、大差はない状況である。三十年度について見ましても五八%というようなことで、この佐賀県のみが、今おっしゃったように直接販売をしておられるという関係か、大へん目ざましい進出なんです。それで、大手筋図書会社などを見ますと、ほかの県とこことはまるで違うわけです。何かこれはあなたの方で特別なお薬、麻薬と言いますか販売術と言いますか、これは確かにおやりになっているんじゃないかという疑いがここに起ってくるわけであります。私の方にいろいろな投書をする者もありますし、いろいろありますが、教育界の非常に有力な人を担当者になさっていられる、――これは直接であるかあるいは今の学生恊を元とする図書会社であるかは判然といたしませんが、非常に有力な教育界の方が二、三名おられて担当しておられるというような投書もあるので、私どもは投書などはあまり問題にはいたしませんが、販売政策の上で、ここだけ特筆してこういう成績の上る理由が私実は承わりたいのであります。もちろん、いい本と信ずれば、どれをとろうと自由でありますが、どうも他の府県はそれほど成績が上らぬが、ここだけ直接おやりになって大へん成績が上っておる。この原因を実はつきとめたい。
  61. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。今お話しの通り、私の方は、佐賀県は三十年度におきまして八十七万六千五百十一冊ございます。去年よりは今年、一昨年よりは今年と、多小減っておるのでありますが、九州におきましてはおそらく一位だろうと考えております。特に販売政策について疑惑があるようなお話でありますが、私の方は採択実績の増加ということをこいねがいますけれども、採択する方は採択者側の御自由な採択であろうと考えます。従って、私の方が特に有力者を頼んでと、こういうことは毛頭ございません。
  62. 米田吉盛

    米田委員 これは実は風説で聞いたのですが、大へん有力な人を二、三人連絡に持っておられる、――これははなはだ失礼な聞き方でありますが、ざっくばらんに国家の立場から申し上げることをお許し願いたいと思いますが、その人の正面の名前でなくて、奥さん名前でいろいろ関係しているとか、私があちらに行ったときにいろいろなことを言う人があるのであります。それで、そうかなと思って、今あなたの方の販売数を見てみますと、驚くべき数字です。こんな例はあまりほかの会社にないと思うのです。あなたの会社としてもこれほど成績の上っている県はないはずであります。それで、常識から言うと、何が薬というか麻薬というか、何か知らぬが、とにかく、あなたの方の本がそれほどよければ、ほかの府県でも認められなければならない。ほかの県はめくらばかりいるか、こう私は疑うわけであります。その意味において、佐賀県においてそれだけ採用率の高いものならば、あなたの方の本がそれほどいいものならば、私もある意味においては蒙を開かなければならないという考えを持っているわけでありますから、どういうわけでこんなに行くのか。聞くところによると、有力な人の奥さん名前で連結しているとか言う人もあるが、これはおそらく責任のないものでありますので、私は取り上げておりませんが、現在ないといたしましても、かつて三、四年前にそういうような関係があったか、そういうことをちょっと聞けば、われわれ大へん参考になると思うのです。
  63. 樋口悦

    樋口証人 申し上げます。今有力者の方を二、三名、あるいは奥様というお話でございますけれども、私は、最初ここで宣誓をいたしましたから、そういうことは絶対にない、宣誓に基いてお答えいたします。佐賀が特に多いというお話でありますけれども、私の方は、埼玉が百十二万五千、千葉が百十五万七千、東京が二百万というようなところで、ずいぶん多いところ少いところとございますが、佐賀県が特に多いというので疑惑の眼を持たれているようなお話でありますけれども、私は絶対そういうことはない。佐賀においては私の方の本が特に愛されているのではないかと考えております。
  64. 高木松吉

    高木委員長代理 濱野清吾君。
  65. 濱野清吾

    ○濱野委員 ちょっとお尋ねしますが、二十七年度の小学校の「夏休みの友」の紙代が六円四十銭、中学三年の「夏休みの友」が六円八十銭、これは統制時代の紙の値段でございますか。
  66. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。用紙は二十五年の十月三十一日に統制が撤廃になっております。それで、二十七年の六月は統制撤廃後の紙であります。ですから、その後は一般価格できめております。
  67. 濱野清吾

    ○濱野委員 そこでお尋ねいたします。二十七年度の二葉紙代を持っての単価が、小学校の場合十四円五十銭になっているようでありますが、先ほどの組み代、刷り代、製本代梱包発送代、これを一つお述へ願いたいと思います。
  68. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。二十七年の六月、「夏休みの友」小学一年、用紙が今申し上げました通り六円四十銭、製版代が二円十八銭、印刷代が四円四十銭、製本代が六十銭、運賃その他九十二銭、計十四円五十銭であります。次の同じく二十七年六月、「夏休みの友」中学三年が十円五十銭、これは前回申し上げました通り用紙が六円八十銭、製版代が一円十三銭、印刷代が一円六十銭、製本代が六十四銭、その他三十三銭、こういうことになっております。
  69. 濱野清吾

    ○濱野委員 この紙支給の場合と紙を会社が持っておる場合と、だいぶ違ってくるように思うのでありますが、これは、普通こうしたものを印刷するような場合に、学生協などが紙を支給するというようなことが業界には再々あり得るのでしょうか。
  70. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。それは私は存じませんが、この場合学校生活協同組合の方から紙屋を通じて私の方へ紙を運搬されるのです。ですから、それが支給されたのであるか、買ったのであるか、そういうことは私はわからない。おそらく、学校生活協同組合が紙屋に金を払って、買って私どもの方に送ってきたのだろうと思います。
  71. 濱野清吾

    ○濱野委員 そうしますと、福島学生協福島の紙屋から運賃をかけて運んでくるのではないかと思いますが、相当の紙数ですが、大体東京のどこからこの用紙が入ったか、お述べ願いたいと存じます。
  72. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。今のお話はごもっともなのでありますが、何も先方から汽車で紙を持ってくるわけでございませんで、福島市にある紙屋が東京の代理店へ頼みまして、その代理店が福島の紙屋の紹介において私の方へ送ってくるのでありますから、東京にある紙が私どもに入るわけであります。そういうふうになっております。
  73. 濱野清吾

    ○濱野委員 それはわかるのです。ただ、どの店から大体入るかという具体的なことを拝承したい。
  74. 樋口悦

    樋口証人 私の方へ入りました紙は、福島市の三和紙店、というところが東京の中井商店に頼んで、中井商店の紙が入っております。つまり中井は三和紙店の紹介で私の方へ送ってくるということでございます。
  75. 濱野清吾

    ○濱野委員 そうすると、二十八年度以降三十年度まで中井商店から紙が入れられた、こういうことでございますか。
  76. 樋口悦

    樋口証人 さようでございます。
  77. 濱野清吾

    ○濱野委員 追加分があるようですが、追加分の刷り代、版代、その他の問題についてば、数字上の違いはございませんか。
  78. 樋口悦

    樋口証人 昭和三十年の四月に、「夏休みの友」中学一年が四千三百、同じく中学の二年が四千三百追加になっておりますが、私は便宜上この追加を本注文と一緒にして割り算してさっき申し上げた次第でございます。
  79. 濱野清吾

    ○濱野委員 大体福島学生協のお使いになった紙はどの程度の紙ですか。本文は何斤くらいで、どういう紙ですか。
  80. 樋口悦

    樋口証人 ざっと申し上げまして、表紙の方は上質百二十斤、本文の方はざらの五十斤、こういうふうになっております。
  81. 高木松吉

  82. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 おくれて参りましたので、先ほど各委員の御質問がどういう点にあったか、よく聞いておりませんので、もし重複したら、御溶赦願いたい。  まず一点だけお聞きしたいと思いますが、先ほど佐賀県の販売部数につきまして米田委員から御質問がありました。それに対して特に疑惑を持つというほどではございませんが、私たちはこう考えております。文部省の方針といたしましても、いわゆる編集、出版と採択というもの、本を作る方と使う方というものは厳然として区別されなくちゃならぬ、この方針は証人もおわかりのことと存じます。そこで、先ほど米田委員からの御質問に対しまして、佐賀県の学校生活協同組合が本をいわゆる販売いたしますときに、あなたの会社に相談がありまして、もし株が足りない場合は持ってもいい、あるいは持ってもらいたいというような話し合いがあったかのように私は承わったんですが、それはどの程度お話でございましたか、その点を承わりたいと思います。
  83. 樋口悦

    樋口証人 佐々木先生の御質問は佐賀販売会社ができたときの株のお話と思いますが、会社ができましたときに、二十八年の一月だと思いますが、四百株、二十万円私の方が出資いたしまして、二十九年の二月に倍額増資で二十万円、四十万円持っておりました。これは、先ほど申し上げました通り、二十九年の十月に私の方で売却済みであります。
  84. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それではお尋ねいたしますが、教科書を扱っている会社として、採択と編集と一緒であってはならないのだが、しかし、学生生活協同組合というものはその会員が採択の立場にある学校の教員の方々によって組織されているものということはおわかりのはずだと思いますが、それをわかってこの株をお持ちになったのかどうか承わりたい。
  85. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。佐賀県の特約が成立いたしましたときに、学生協から発展したものでありますから、今お話のような疑問を十分に持たれるかと思いまして、私の方は、株を持つときにも末端の教員以外の人に十分持ってもらうようにということを言いまして、向うもそれを了承しております。しかしながら、その株を、株式会社を作りますときに直ちに全部の教員関係の株式を除外することもできない。徐々に今日まで非常に努力をいたしましてその株の名義人を変えております。私の方も、持ちますときにも十分その話はいたしました。と申しますのは、昭和二十八年にできましたときには、二十七年の公取の警告もありまして、採択と供給の分離というようなことを私どもも十分承知しておりましたし、会社の成立につきましても、先方も知っておりまして、その点は十分に話し合っております。ですから、はたから見ましてあるいはそういうふうにお考えになっておるかもしれませんけれども、現在は徐々に株の構成も直ってきていると思います。これは前回の証言におきまして佐賀特約の方がその説明をしたことと思います。
  86. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 販売に対しては公正妥当にやっている、決してやましいことはない、ここで宣誓をして証言をしたのであるからという御答弁でございましたので、私たちも一応それを信用するのでありますが、しかし、ただいまお話のありましたように、採択を担当する学校の先生たちが生活協同組合を組織して供給をやった、公正取引委員会から忠告があって初めて今度は株式会社に変った、しかもその株式の内容は、学生協という名前は変りましたけれども、ほとんどがやはり本を作るあなたたちが株主である、あるいはそれを採択する学校の先生が株主であるということになれば、学生生活協同組合という名称は変りましたけれども、その実体というものは採択の部面で何ら変っていないと断定せざるを得ないのであります。そういう点に対して、あなたの会社が株を持つというところまで行って、採択を担当する人たちとの綿密な連絡があればこそかように佐賀県の成績が上っている、私はこう考えておるのであります。ことに、二葉の書籍が佐賀県において愛されているから売れるのであろうという御答弁でございましたけれども、私は、ただ単にそんなものではないと思う。先ほどの委員お話の中にも、それほどいい本ならば全国的に売れるはずだと申されていましたが、そういう点もこのいわゆる採択と供給の部面に疑惑が持たれるからじゃないかと私は思いますが、その当時こういう株を持ってもなおかつ自分の会社販売網を広げるという点に至っては、はなはだこれは正当なやり方じゃないと私は考えますが、あなたはどうお考えになりますか、あなたのお考えを一つ承わりたいと思います。
  87. 樋口悦

    樋口証人 多年取引をして参りました佐賀県の学生協が、公取の警告に基きまして、営利会社として再出発をするというときに、私の方に株を持て、満額にならなくては困るから持てということは、私、平素の取引から言ってむべなるかなと思っております。従って私の方でもそういった株を持つことについて援助したということでございます。これが直ちに採択と供給とをごっちゃにして、株を持ったから私の方がその代償として採択をふやさすというような意図は全くございません。御承知願いたいと思います。
  88. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それは、あなたの主観としては、あなたの考え方としてはそうかもしれません。しかし、その株主の実体というものを調査いたしますと、必ずしもそうだけは受け取れないのであり、なす。あなたも株主でありますから、今は現在そうでなくても、当時株主でありますから、株主がどういう形態で株を持たれておるかということは御存じのはずであろうと思いますから承わるのでありますが、その当時株主の人数がどのくらいであったか、あるいはその中に学校の先生方、現職にあられる方がどのくらいの人が株を持っていたかということを、御存じでありましたならばお話し願いたいと思います。
  89. 樋口悦

    樋口証人 はっきりした数字は存じませんが、たしか株主が三千人くらいおるのじゃないかと思います。そのうち、これは問題になりましてから私が聞きましたのでは、教員の数が五百人くらいまだあるのじゃないかということを聞きました。しかし、これに対しましては、出合い次第、これを教員から取り上げて、そうじゃない方へ譲渡したいということを言っております。私、その数字は記憶でございますから、間違いましたらお許し願いたいと思います。
  90. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私の方の調査によりましても、大体三千人というくらいな調査でございますが、その三千人のほとんどが学校の先生じゃなかったのですか。五百人というのは学校の先生の名前を直接出しておるのが五百人で、その学校の先生の奥さんとか親戚とか兄弟とか、こういう人の名前を連ねて、三千人というもののほとんど大部分が学校の先生の関係者であったということをわれわれ聞いておるのでありますが、そういう点に対しては御存じございませんですか。
  91. 樋口悦

    樋口証人 株主の職業内容がどうであるかということは、私、存じておりません。従って、もしもそういう事実があるとするならば、私の方の取引関係もございますので、十分に聞いてみたいと思いますが、やはり行監でも前に何かそういう質問がありまして、私がその後会いましたのでは、なるべく早い機会に疑いを持たれない形に直したいということを言っておりましたから、よくなるのじゃないかと考えております。
  92. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 佐賀県では、供給をやっておるのは、この学生協から発展しました供給株式会社と、もう一個所あるのじゃないですか。
  93. 樋口悦

    樋口証人 お話通り、もう一軒特約がございます。
  94. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 ただいま、株を持つ場合には学生協と長い取引であったから頼まれたのでその株を持たざるを得なかったというお話でありましたが、学生生活協同組合が本の供給をやるようになったのは何年からでございますか。
  95. 樋口悦

    樋口証人 佐賀県教育図書株式会社の前身である生協との取引は昭和二十五年からでございます。
  96. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうしますと、その前は他の供給所との取引でございましょう。そうすれば、長い取引というよりも、あなたの方では、やはり従来の供給所を相手としておるよりも学校の先生たちで組織されておるいわゆる学生協と取っ組んだ方が販売能率が上るというお考えが多分にあったのじゃないですか。
  97. 樋口悦

    樋口証人 検定制度というものは昭和二十三年から発足いたしまして、実際に本が出たのは昭和二十四年。従って、あくる年に私の方では生協とあれしたという形になっております。その前にもう一つの特約取引があったのに、生協の方と取引した方が有利だから変ったのじゃないかという御質問でございますが、これは、ほかの方が前に証言されたと思いますけれども、佐賀県における完全供給という面から言って、佐賀は遺憾ながら末端における完全供給というものができておりません。そこで、教員みずからの下によって供給をしようということにおいて学校生活協同組合教科書を取り扱ったわけです。私ども発行会社といたしましては、末端までも完全供給義務を負担しておりますものですから、生協に頼みまして完全な供給義務を果したいという意図のもとに移ったわけです。
  98. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それは、あなた方の考えはそういうようにお答えになるかもしれませんが、要は、あなたの会社としては自分たちの本をたくさん売ればいいということは、私が本屋であっても、当然だろうと思います。だから、学生協と取っ組んだ方が、供給というよりも、たくさん本を買ってもらえるというような率直な考え方じゃなかったかということを私は承わりたい。もちろんそれは完全供給ということは必要でございますが、たまたまたくさん売りたいという行為がいろいろな問題を起しておりますので、そういう点に対してもわれわれは十分検討をしたい。そして、作る方はたくさん売りたいという気持はわかるのです。だけれども、そういう点において学生協などがやってはならない営利事業までもやるということにおいていろいろな問題が出て参るのだ、こういうふうに考えます。しかも学校の先生という立場の人は自分の使う本の営利事業などには携わってはいけないというのがわれわれの考えなのです。だから、そういう点に対しては、将来こういう学生協から発展した供給所なるものをどう取り扱うべきかということなどは、私どもの研究の参考にいたしたいと思いますので、その点に対しましては率直に ――もう過ぎ去ったことですから、今どうこうするのではありません。だから、学校の先生の立場を十分こういうふうに活用した方が本の売れ行きがいいということであれば、そういう点でけっこうですし、そういう点に対しては包み隠さず思った通りお話し願いたいと思うのです。
  99. 樋口悦

    樋口証人 私の方が教科書会社といたしまして佐賀ばかりじゃなくあらゆる県に自分の本をたくさん売りたいというのは当然のことでございまして、私も現在そう考えております。しかしながら、佐賀の場合に、特約である場合、その特約の義務といたしましては、完全供給であるとか、あるいは需給の調節、それから金融の円滑というような三つの条件があるわけでありますが、検定制度ができました当時における佐賀県の状態は遺憾ながらあまりよくなかったということでございまして、私の方が生協に移った。その当時それでは大変な部数が佐賀から取れたかというと、そうではなくて、私の方は当時教科書をわずか八点しか出しておらなかった次第であります。ですから、今になってみれば佐賀の生協に移ってずいぶん獲得したじゃないかと申されるかもしれませんけれども、その当時においてはわずか八点で、そう部数も多くなかったというときに移動しているわけでありますことを御承知願いたいと思います。
  100. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 資金の部面なんかはかえって学生協の方が融通がつかないのじゃないかとわれわれは考えるのですが、その点はどうなのですか。従来の配給料、供給所の方がかえって商売をやっている関係上銀行の取引とかその他の信用があると思います。かえって先生方の集まりの学生協の方が資金的にも円滑にいくというのはどういう点でございますか、一つお教え願いたいと思います。
  101. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。日本中にあります特約が全部金融が円滑であるとか不円滑であるということはございません。やはりその土地々々の信用、資産その他によりまして地方銀行の信用を得ていると思います。従って、学生協が全然金融機関の信用を得ていないと言うことも妥当ではございません。全然金融機関から相手にされない学生協もあるだろうと思います。しかし、佐賀の場合におきましては、私の方の実績から考えまして、金融は非常に円滑にいっているのじゃないか、こう考えております。
  102. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私のお聞きしたいのは、全国的なものではなくして、佐賀県の場合、従来あった供給所と学生協とが資金の部面に――資金の部面というお話があなたから出たものですから、円滑にいくという話でしたから、その学生協が特に佐賀県の場合従来の配給所よりも円滑にいくというその具体的な例を申し述べていただきたい、こういう意味です。
  103. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。円滑にいくということは物を売って金が入るということではございませんで、教科書というものは、実際、来年の四月に生徒が使います本はもう現在私の方でも製造に入っております。来年の一月の末までには全部発送してしまわなくちゃならぬ。それにつきましては、私の方の製造資金は金融機関から得なければならない。しかしながら、地元金融機関が私の方が思うほど十分の資金を貸してくれません。それで、佐賀の場合におきましては、佐賀県教育図書株式会社というものが、私の方の発送証明書その他によりまして、金融機関から、まだ生徒から金が入らないにもかかわらず、十一月、十二月というような時期に金を送ってもらっております。そういうことが円滑にいっているということであります。
  104. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、学生協ではありませんが、学生協から発展した会社の方が佐賀県においては当時銀行からの信用かあった、――これだけの取扱いをしておれば逐次信用が増して参りますから、それはわかりますけれども、初めて取引する当時、従来の配給所よりも学生協の方が銀行との話し合いがうまくいって金が円滑におたくの方に流れてきた、こういうように受け取ってよろしいのですか。
  105. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。それは、片方特約さんの方を私が云々いたしましてはまことに申しわけないから、その当時の信用がどうということは申し上げられませんけれども、私が当社に入りました昭和二十五年以来の実績から考えますと、どうも佐賀県教育図書株式会社の方がそういった面はすぐれているのじゃないか。
  106. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私ほこう聞いているのです。これはまた疑いかもしれませんが、あなたの方では学生協から出発した配給会社を育ててやろうというので、二葉がこっちの方の配給所に応援をしたというようなことを聞いているのですが、そういうので銀行の信用が厚くなったというようなことはございませんか。
  107. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。私の方が佐賀県教育図書株式会社の地元銀行に対して……。
  108. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 地元銀行というのじゃないのです。要するに全般の金融関係です。私らが納得できないのは、――学生協というのは学校の先生たちの集まりでしょう。それは株式でもない。資本金でもない。生活協同組合というのは資金がないのです。ほんとうの先生方で出し合う会費ぐらいなものです。だから資金というものは全然ないのです。資金というものが全然ないいわゆる事業会社です。学生協といえども事業をしているのですから、会社ではないのですが事業団体であります。それが金融的な信用を得るということについては、われわれはどうも納得いかない。やはり金融というものは、いろいろ担保物件とか、あるいはまた信用とか、その他取扱いのいわゆる実績とかいうものがあって初めて銀行の信用というものは得られるというのが社会通念だろうと思う。はなはだ失礼ですが、学校の先生をそう財力的に貧乏な人ばかりと言うのじゃございませんが、通例われわれの考えるのでは、一つの担保もなければ、あるいは先生方においては個人の財産はあるかもしれませんが事業形態におけるところのいわゆる資金というものはないわけであります。そういうものが資金が円滑にいって、従来何年もやってきている会社が資金的な面において円滑でないということがちょっとわからない。しかも、そのことについては、あなたの会社佐賀県に特に力を入れているようでありますし、さらにまた株まで持とうというのでありますから、もう一体になっているわけです。そういう点について、私の納得のいく、金融に関する、資金面の回転に関する御説明が承わりたいのです。
  109. 樋口悦

    樋口証人 これは佐賀県の学生協ばかりでございませんで、私の方自体が、検定教科書を扱いました当時におきましては銀行からなかなか金が借りられなかったわけであります。しかしながら、教科書というものの公共性というものを日銀総裁、大蔵大臣から各金融機関に通知を発してもらいました関係で、その後は銀行の方でも優遇していただきまして、もちろん担保物件などはございませんけれども、教科書というものは必ず需要者がきまればそれだけ作らなければならぬものですから、必ず末端からも吸い上げができるという特殊の資金形態でございますので、私の方もその後金融機関の援助を受けておると同じように、佐賀県の教育図書におきましても、私の方から本を発送いたします発送証明書を送れということで、私の方で発送したということの証明書を出してやります。それを金融機関に持って参りまして、これだけ発送になったのだからこれだけは出してくれということで、確かにこれは借りております。
  110. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それは同じことだと思うのです。あなたの方からこれだけ発送したと言えば、学校の生徒で本の代金の末回収というものはほとんどないのですから、それならば従来の取引店にあなたの方から先逃しても銀行は同じように信用して金を出してくれると思います。それはなぜかというと、教科書そのものの信用なんであります。それが学生協と従来の取引店とのいわゆる経済の問題について従来の方が学生協よりも資金の部面が円滑でなかったという理由には、私は必ずしもならないと思います。その点がまだ納得がいきません。ですから、私はちょっとしつこく聞いているのです。私の申し上げるのは、出版会社が売りさえすればいいという考え方で、こういう先生かまでも利用して、しかもいわゆる供給と採択というものは別個でなければならないというものを、そういう規定を乗り越えてまでも販売するという方法が行われるならば、教科書のいわゆる採択、供給、編集というものが混乱するから、私は申し上げているのであります。学校の先生が本を販売してはいけないということは、あなた方もすでに知っているはずであります。知っていながらそれらと取り組んでいくから、いろいろな疑惑が生まれるのではないか。そこで、あなたの言葉の中に、資金は学生協の方が円滑にいりたというようなことをお聞きしますと、やはり納得のいくまでお附きしなければ、われわれは了解に苦しむものです。それだから申し上げているのですから、お答え願いたいのですが、今のようなお話ですと、学生協がやっても従来の取引所がやっても同じことだろうと思います。その点はどうでございますか。あなたの方でたとえば五十万部佐賀県に送った、それが学生協に送ったのと従来の取引所に送ったのとでは、学生協に送った方が銀行は率直に金を出してくれるのが、従来の取引所に送った場合は銀行は金を融資をしてくれないのかどうか。その点がわかれば私は納得するのですが、その点を水わりたい。それとも、取引店がそういう集めた金を使い込んだとか、あるいは何かの方に流用したというようなことで資金の部面がうまくいかなかったのか、どうか。その点を承わりたい。
  111. 樋口悦

    樋口証人 お答えいたします。物的裏づけのもとに金が出て、甲乙丙丁何ら区別なく金融機関が援助するものではないと私は考えます。物的裏づけがありましても、個々の人柄、勤務ぶり、あらゆる面を調査いたしまして金融の可否を決定するのが金融機関の常道であろうと思います。従って、ただここに五十万の本の発送証明があったら、どここに出しても同じであろうというわけにはいかないだろうと考えます。従って、旧特約の方の内部の資金状態がどうなっておったかということは、私は存じません。おそらく、同じ条件であるならば、金融機関は同じような処置をするであろうと思いますけれども、その当時どう金融機関が判断いたしましたか、私はわかりません。ここでは申し上げかねるのであります。
  112. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 すると、あなたの先ほどおっしゃった、学生恊に行った方が金融がうまくいくという証言は、内容をわからぬで申されたことですから、根拠のないことでございますね。
  113. 樋口悦

    樋口証人 佐賀における学生協佐賀においてどういう金融機関の信用を、得ているのか、どういう工作をされているのか、それはわかりませんけれども、実際に出てきた金の面から言って、学生協が――つまり先ほどお話のように、ゼロのところに金が出ている、おかしいじゃないかとおっしゃいますけれども、これは、地方におきましての、佐賀県教育図書、前の学校生活協同組合がどうこれを説明し、物的人的にどういう信用を得ているのか、私にはわかりませんが、実績から申し上げて、そういうことが言えるんじゃないかと思います。
  114. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私のお尋ねしているのは、従来の取次所、供給所、これがどうして銀行から信用がなかったかということを聞いているんです。金融の部面にはいろいろあります。本を送っただけではありません。先ほど申します通り、人の問題もあります。抵当物件もございます。取引の実績もございます。それはよくわかっておる。ただ、それがあなたの言葉の中に出たものですから、これをはっきりしておかなければ私は納得しないです。やはり従来の収次店はこういう点が悪かったので銀行の信用がゼロだった、だから学生協と取り組んで金融の部面がうまくいったのだ、これだけはっきりしてくれればいい。ただ総括的なお話でなく率直に言っていただきたい。どっちも一緒だったろうと思うというなら、それでもいいです。それを承わりたい、こう申し上げているんです。
  115. 樋口悦

    樋口証人 ずいぶんむずかしい御質問でございまして、相手方の資金内容その他がどうであったかということを私に御質問なんですけれども、まことに私には苦しいお答えでありまして、ここで、こうであったろうか、ああであったろうとか、事信用に関しますもので、お許し願いたいと思います。
  116. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 信用に関することをあなたは証言しているんです。金融の部面が学生協と取引した方が円滑にいったという先ほどの証言があったから、私たちほどういう理由で、従来供給所があるのに学生協というような営利事業をやってならないところにあなた方が取り組むか、その原因を究明したいのです。それでいろいろお聞きするのです。それを言ってもらうと、従来の取引店にはこういう欠陥があったのだ、それでこっちに変ったのだなという納得がいくのです。先ほど完全供給ということも承わりました。しかし、そのほかに金融ということがあなたの言葉から出たものですから、従来の取引店はこういう点でいかぬので、こっちに肩がわりしたのだ、それであなたの方が好成績をあげたんだ、こう順序を追うて調査したいと思うので申し上げたのです。資金の部面は納得いかないですから、あなたは答弁が苦しいとおっしゃるけれども、苦しいとおっしゃる前に資金の部面が出たわけですから、それは当然おわかりになっているものと思ってお聞きしているわけでありますが、いかがでございますか。
  117. 樋口悦

    樋口証人 相手様のふところの話になりますので、どういうような資金繰りをされておったのか、毎度の御質問ですけれども、私はそれにつきましてはお答えできません。
  118. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 しからば私は申し上げます。それ以上しつこく聞いてもいけませんから、相手様のふところの状態は信用に関係いたしますということは納得いたしますが、それでは、先ほどの資金面がどうということはお取り消しになったらどうですか。やはりお取り消しにならないと、その言葉を究明したくなります。そうでないと、われわれはどうしてこういう形に変っていくのかということだ探求できないわけです。その言葉が残っている以上は、やはりどうしてもこういう点であったということをお聞きしなければ、調査にならないです。その点はいかがですか。
  119. 樋口悦

    樋口証人 お答えします。私が金融面のことを申し上げまして、はしなくもこういうふうになりました。まことに申しわけありません。従って、特約の生命である完全供給、需給調節ということで、金融の問題について私が触れたことほここで取り消しさしていただきたいと思います。
  120. 高木松吉

    高木委員長代理 樋口証人に申し上げますが、従来の扱いで、証昔を取り消すことはできません。そこで、訂正願いたいのですが、訂正の方でお答えを願いたいと思います。
  121. 樋口悦

    樋口証人 法規を知りませんので、失礼いたしました。特約の使命であります完全供給、需給調節という面から、当時の佐賀の実況を私どもは考えまして、当時の学校生活協同組合に取引をいたしましたということに訂正さしていただきます。
  122. 高木松吉

    高木委員長代理 他に御発言はありませんか。 なければ、樋口証人に対する尋問はこれで終了いたしました。  証人には御苦労さまでありました。  午前の会議はこの程度とし、午後一時半より再開いたします。  暫時休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      ――――◇―――――    午後一時四十九分開議
  123. 高木松吉

    高木委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに証人より証言を求めることといたします。  ただい、まお見えになっておられる方は野口忠夫さんですか。
  124. 野口忠夫

    ○野口証人 はい。
  125. 高木松吉

    高木委員長代理 あらかじめ文書をもって御承知通り、正式に証人として証言を求めることになりましたから、御了承を願います。  この際証人に一言申し上げます。現在わが国において小・中学校における教科書は多種多様にわたり、大小出版業者が乱立の結果、これが検定並びに採択等に関しとかくの風評を生じ、これらが学童並びに父兄に及ぼす影響等を懸念し世上大いに関心を抱く向きがありますので、義務教育の本旨にかんがみ、これが真相を明らかにすることはきわめて意義のあることと考え、本委画会は本件の調査に着手いたした次第であります。証人におかれましては率直なる証言をお願いいたします。  それでは、ただいまより小、中学校における教科書関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人またば証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、、医師歯科医師、薬剤師、薬極商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて軒間を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。   〔証人野口忠夫君朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  126. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、宣誓書署名捺印して下さい。   〔証人宣誓書署名捺印
  127. 高木松吉

    高木委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはそのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長より概括的に証言を求め、次に各委員から証書を求めることになりますから、御了承下さい。なお、こちらから質問をいたしておるときはおかけになっておってよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の経歴をお述べになっていただきます。
  128. 野口忠夫

    ○野口証人 私の経歴を申し上げます。明治四十四年の三月二十五日に生まれまして、昭和四年福島県師範学校を卒業いたしました。現在の奉職校は田村郡三春町小学校に奉職しておりまして、昭和二十七年に福島教員組合の中央副執行委員長に出まして、自来県教員組合の中央執行委員長を歴任いたしております。それと兼ねて福島学校生活協同組合理事長もいたしております。
  129. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、福島学校生活協同組合について左の諸点を一つお尋ねいたします。まず第一に創立までの沿革、二に事業目的、三に組合員の構成、四に現在行なっている事業、五に年間総取扱い金額等について詳細にお述べになっていただきます。
  130. 野口忠夫

    ○野口証人 学校生活協同組合は、消費生活協同組合法によって法人として昭和二十五年の十二月に認可され、法に基く定款によって運営されて参りました。それ以前は学校購買組合という任意団体を持っておりましたが、法が定められて、消費生活協同組合に変ったわけでございます。  生活協同組合の運営でございますが、法第四十七条によりまして、定数百四名の総代会をもって決議機関といたしまして、理事二十七名を選挙するとともに、五名の監事を選んで監査機関といたしております。選ばれました理事は、互選によりまして理事長一名、副理事長二名、専務理事一名をきめ、合議執行に当っております。なお、以内二十二の郡市には出張所を置きまして、理事のおりまする学校を出張所と呼んでおります。  事業内容は、法に定められました組合員の福利厚生の事業のために教職員の経済的な事業について営んで参ったわけでございます。  なお、学校生活協同組合における全体の総計でございますが、ここに持って参りました資料では全部今までの分を申し上げるわけにはいきませんが、昭和二十九年度においては、概略金銭的に見まして二千万軽度の事業を運営して参りました。  以上であります。
  131. 高木松吉

    高木委員長代理 ただいまお述べになうた総代の数はわかりましたが、組合員の数はどうなっているのですか。
  132. 野口忠夫

    ○野口証人 組合員の数は一万三千名ございます。
  133. 高木松吉

    高木委員長代理 現在行なっておるおもなる事業というものはどういうものですか。
  134. 野口忠夫

    ○野口証人 昭和二十九年度に取り扱いました品物を申し上げますと、教職員の衣類、教職員が学校生活に必要とするもの、家庭において必要とするもの、それらのものを理事会において採用を相談して、その上でこれを扱ってきたということで、こまかい品物を一々仁よっと記憶がございませんので……。
  135. 高木松吉

    高木委員長代理 ほかに小・中学校の児童の夏休み冬休みの学習帳というようなものを取り扱っておるのじゃありませんか。
  136. 野口忠夫

    ○野口証人 申しおくれました。その通りでございます。
  137. 高木松吉

    高木委員長代理 そこで、先ほど年間総取扱い金額はお述べになりましたけれども、これは二十九年度の分でございますね。
  138. 野口忠夫

    ○野口証人 二十九年度でございます。
  139. 高木松吉

    高木委員長代理 その前の分はどうなっておりますか。
  140. 野口忠夫

    ○野口証人 その前の分につきましては、ここに資料を持って参らないわけでございますが、これは、昭和二十八年の一月五日に福島県の教育会館が焼失したのでございますが、当時教員組合と学生協とはここに部屋を別にして入っておったのでございますが、焼失の結果、書類等については焼失をした部分があるわけなのでございます。それで、二十八年以前にわけるものは持ち寄りの文書等も見たのでございますけれども、理事の持っている印刷物の中などを見てみたのですけれども、現在私としましてはここで数を明瞭に申し上げることはできないわけでございます。
  141. 高木松吉

    高木委員長代理 ちょっとただいま聞き落しましたが、教育会館が焼けたのは二十八年の何月何日ですか。
  142. 野口忠夫

    ○野口証人 一月九日でございます。
  143. 高木松吉

    高木委員長代理 焼けた後の書類はおありになりますか。
  144. 野口忠夫

    ○野口証人 ございます。
  145. 高木松吉

    高木委員長代理 それによると二十八年度の年間総取扱い金額というのは幾らになっておりますか。
  146. 野口忠夫

    ○野口証人 それ、ちょっと調べてきませんでした。大体二十九年度を中心としてやってきたものですから。
  147. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、あなたの手元にわかっておりますね。
  148. 野口忠夫

    ○野口証人 二十八年度はわかっております。
  149. 高木松吉

    高木委員長代理 あとで知らしてもらうことができますか。
  150. 野口忠夫

    ○野口証人 できます。
  151. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、そういうふうに願います。これから福島学生協を単に学生協と呼びますから、そうのみ込んで一つお答えを願いたいと思います。  学生協発行している小・中学校生徒児童の夏休み学習帳の各年度発行部数並びに売上金額に対して詳細にお述べ願いたいと思います。
  152. 野口忠夫

    ○野口証人 各年度の発行部数、それからそれの会計の報告なのでございますが、私先ほど申し上げましたように、現在においては各年度のものはわからないのでございます。いろいろ調査等がありました場合に、あらちこちら持っている書類等を、印刷物になっておりましたのを見せていただいたりして、一部申し上げるようなことができるものもあるのでございますけれども、ここでは、私としましては、正確なものでございませんので、申し上げないでおきたいと思うわけでございます。
  153. 高木松吉

    高木委員長代理 各年度にわたらなくてもよろしいが、あなたの手元でおわかりの年度はいつといつとですか。
  154. 野口忠夫

    ○野口証人 正確にここに持って参りましたのは、二十九年度について正確に持って参りました。
  155. 高木松吉

    高木委員長代理 三十年度の関係はわかりますか。
  156. 野口忠夫

    ○野口証人 三十年度における学習帳の総締めくくりはまだできておらないのでございまして、現在それの集計中でありますので、現在わかりません。
  157. 高木松吉

    高木委員長代理 これらの編集は県の教員組合であるが、教員組合は編集費として幾らくらい受領していますか、また受領いたしました金をどういうふうに使っておるか、お述べになっていただきます。
  158. 野口忠夫

    ○野口証人 編集費について申し上げます。私としましては、この前現地調査を受けました場合に、私が証人参考意見を聞かれるという立場で喚問されたのでございましたが、私は、このときに、福島県の教科書採択というようなことで、限定採択というような問題の中で教職員が非常に意欲を欠いておったり、何かその中でやるよりな感じの中にありましたものですから、そのことの行政委員会における調査に対する参考意見を十分に述べたいというようなことでございましたが、たまたま学習帳問題についての参考意見を徴せられたわけでございまして、あのときにも実は意見を述べる者の立場からは、まことに相済まないわけでございますけれども不十分であった、不正確だ、こういうことを申し上げておりましたので、私としては理事長としてはなはだ申しわけないわけでございますけれども、突然に聞かれてあのとき御報告申し上げました中には不十分な点があったわけでございます。説明において不十分な点もありまして、本日はその点をつけ加えてお話し申し上げたいと思います。
  159. 高木松吉

    高木委員長代理 とにかく、私から問いますから、その問いに答えていただけばけっこうですしその間において、もしこの前と違うところがあるならば、違うところがあることをお述べになっていただきます。  そこで、ただいまあなたにお尋ねいたしましたのは、教員組合で編集されてわったというが、その編集費を受領しているかどうか、そうして、受秘しておるとすれば、どういうふうに使っておられるか、この問いに対して、その範囲でお答えを願いたいと思います。
  160. 野口忠夫

    ○野口証人 学習帳の編集につきましては、教員組合の中に学習帳編集委員会を設けてやっておりますが、この編集実費につきましては、これは学生協がその支払いの主体となって、編集委員会の方でかかった経費について支払ってわります。学生協では編集実費に要しました金額が三円十八銭の一冊あての単価になるわけでございますが、この中に、教員組合という立場で編集についていろいろ会合を持っていただいたり、研究をしていただいたりするようなことがございますので、編集の手数料として一冊につき一円を予算化しておりました。教員組合にこの一円を差し上げることになったのでございますが、教員組合の方でも、学童のために学習帳を編集している立場で金を教員組合がいただくということはどうもますいので、この金については児童のために還元されねばならないというような意見が述べられまして、学校生活協同組合教員組合でこのことを協議をし、なお会議を開いてお話し合いをしたのでございますが、そのときに、福島県というところは非常に僻地の学校がありまして、小さな学校が点々として文化に恵まれない土地に点在しているわけでありますが、これら僻地の子供たちに文化の贈りものをしたいということになりまして、児童向きの映画を製作することになったわけでございます。
  161. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、ちょっとあなたに申し上げますが、編集費を幾らとったかということを年度別お話しになって下さい。そして今の話は使途の分に入ったときにお話し願いたいと思います。
  162. 野口忠夫

    ○野口証人 私の申し上げましたことは昭和二十九年度についてのことでございますが、これ以前においては、こういう金は学生協から教員組合に現金として参ったことはないわけでございます。それで、二十九年度になりまして、このようなことが考えられてきたわけでございますが、これが、学生協側から申し上げますと、編集のお世話になった手数料というような意味で、諸会議費に利用していただくために出したかったのでございますけれども、今申し上げましたような理由で、文化事業に一つこれを使おう、結果的にはそのようになっておるわけでございます。   〔「委員長、しっかり聞きたまえ」「事実を答えたらどうだ」と呼ぶ者あり〕
  163. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、私の言うことを聞きませんか。いわゆる編集費の総額を年間何ぼとったかということをはっきりさせて、それから使途について説明して下さいということを申し上げたのだから、その線に沿ってお答え願いたいと思います。
  164. 野口忠夫

    ○野口証人 先ほど一冊についての編集手数料を一円と申し上げたわけであります。
  165. 高木松吉

    高木委員長代理 総額を言って下さい。
  166. 野口忠夫

    ○野口証人 総額は六十六万円になっております。
  167. 高木松吉

    高木委員長代理 それは二十九年度ですか。
  168. 野口忠夫

    ○野口証人 二十九年度だけであって、二十八年度以前においては、そういう金が学生恊から来ておりません。なお、六十六万円の総トータルというのは、夏・冬学習帳合せての一年間の数でございます。
  169. 高木松吉

    高木委員長代理 その六十六万円の使途はどうなっておりますか。
  170. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいま申し上げましたように、くどくなりましたが、これを文化事業費に使うということになりまして、農村の児童向きの映画製作をしたわけでございます。
  171. 高木松吉

    高木委員長代理 編集費でないのですか。編集費としてとって、編集の方に充てた金ではないのですか。
  172. 野口忠夫

    ○野口証人 学生協としては、教員組合に対する編集の手数料としてこれを予算化しておったわけでございます。これを教員組合に差し上げようとするときに、文化事業の話が出まして、お互いに話し合いのしで文化事業費としてこれを使ったわけでございます。
  173. 高木松吉

    高木委員長代理 学習帳の一冊当りの原価幾らですか、またどのように原価構成されているか、一つ説明していただきたい。
  174. 野口忠夫

    ○野口証人 学習帳の定価は二十五円でございます。
  175. 高木松吉

    高木委員長代理 ちょっとお待ち下さい。あなたがこの前われわれにお話しになったのは、十九円五十銭というのですが、この点ばどうなっておりますか。
  176. 野口忠夫

    ○野口証人 定価が二十五円なのでございます。私の方で二十五円の定価から――この前の私の報告の中で、学校に五十銭の金を出しているということを申し上げたわけでございますが、これは……
  177. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、ちょっと私の言うのをよく聞いて、その意味を理解してお話しになっていただきたい。
  178. 野口忠夫

    ○野口証人 そこだけちょっと申し上げたい。
  179. 高木松吉

    高木委員長代理 ちょっとお待ち下さい。私の聞いているのは、学習帳一冊当りの原価幾らかと聞いているのです。これを幾らと答えてもらいたい。それから、その原価構成内容を説明してもらいたい。こう二つを言っているのだから、まず第一の、一冊に対する原価幾らとあなたはお言いになるのか、その点を聞きたい。
  180. 野口忠夫

    ○野口証人 その原価の説明をするために……
  181. 高木松吉

    高木委員長代理 いや、原価構成はあとで聞きますから、よく私の言うことを聞いて回答してもらわぬと、混線して困ります。
  182. 野口忠夫

    ○野口証人 わかりました。それで、原価の算定でございますが……
  183. 高木松吉

    高木委員長代理 いや、算定ではなく、二十円とか十九円とか言えばいいのです。そういうふうに理解して答えないと困りますよ。長くなるばかりです。
  184. 野口忠夫

    ○野口証人 この前にも申し上げましたように、十九円五十銭という原価は、私どもとしてはいろいろな面を除いておりまして、ここで諸経費を含めて二十二円五十一銭という経費……
  185. 高木松吉

    高木委員長代理 ちょっと野口君に申し上げますが、この前の十九円五十銭というのは間違いで、今言う二十二円五十一銭というのが原価であるという説明ですね。そうすると、この前あなたの述べたのは間違いだったのだね。
  186. 野口忠夫

    ○野口証人 間違いというのではないのですが……。
  187. 高木松吉

    高木委員長代理 それはどういうことですか。
  188. 野口忠夫

    ○野口証人 十九円五十銭というのは、原価決定に当ってあるところで切った値段でありますが、私たちといたしましては、二十二円五十一銭が経費としてかかっている、このように申し上げたのであります。
  189. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、とにかく、二十二円五十一銭の原価構成を説明して下さい。
  190. 野口忠夫

    ○野口証人 それでは二十二円五十一銭の御説明を申し上げたいと思います。二十二円五十一銭の経費でございますが、材料費といたしましては、紙代は七円十六銭八厘になっております。これは二十九年の夏・冬友で申し上げております。年間です。それから、印刷費につきましては七円五十九銭二厘を要しております。編集費につきましては三円十八銭六厘を要しております。労務費は一円三十二銭八厘、販売営業費が一円九十三銭五厘、発送費としまして一円三十銭一厘、計二十二円五十一銭の値段になります。   〔「ずいぶん高い原価だな」と呼び、その他発言する者あり〕
  191. 高木松吉

    高木委員長代理 静粛に願います。そうしますと、学習帳を発行して、学生協の方に余剰金というものはあるのですかないのですか。
  192. 野口忠夫

    ○野口証人 申し上げます。それで参りますと九十九銭の余剰が出るわけでございますが、これは、初め定価を算定いたしますときに、返本代とかロス、そういう経費を見込んでおりましたが、返本あるいは貸し倒れというようなことがございませんで、予算から見ますと、最終的に締めてみまして、これらの見込み額より少かったので、余剰金が出たことになります。これが一冊に当てて九十九銭という計算になりました。ただ、このことは、生活協同組合の包括的な計算の中から、このたびの証言を申し上げるために学習帳だけを分離しておりますので、この点を申し上げておきてたいと思うのであります。
  193. 高木松吉

    高木委員長代理 そう、しますと、こう承わっていいのですか。一冊から九十九銭という余剰が出て、それは学生協の会計の中に入っておる……。
  194. 野口忠夫

    ○野口証人 この九十銭は学生協の会計の中で考えられるわけでございますが、なお、生活協同組合全体の計算の中から学帽帳だけをとってきてこの問題を考えておりますので、その点、最終的な決算の……
  195. 高木松吉

    高木委員長代理 何か野口君、私の問うことをはっきりと理解しないで答弁してしまうのではないか。心の中に何かを抱いて答弁しておるのではありませんか。
  196. 野口忠夫

    ○野口証人 そんなことはございません。
  197. 高木松吉

    高木委員長代理 そうですか。それならば、私の問いをよく理解して、それに合うような答え方をしていただきたいと思います。先ほど注意したように、いわゆる発言は私の問いの範囲内において発言してもらいたいということをお断わりしているのだから、その線を堅持していただきたいと思います。
  198. 野口忠夫

    ○野口証人 この九十九銭という計算は……
  199. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、それでは、あなたの答弁しやすいようにこういうふうに聞きましょう。私どもは学生協のほかの問題を聞いているのではありません。今の私の問いは、一冊から九十九銭という余剰が出るから、それは学生協の会計の中に入っているか入っていないか、イエスかノーを言えばいい。
  200. 野口忠夫

    ○野口証人 学生協の会計の中に入っております。
  201. 高木松吉

    高木委員長代理 そうすると、全部の金額として何ぼ入った計算になりますか。一冊九十九銭として、全部の総額は幾らになりますか。
  202. 野口忠夫

    ○野口証人 ちょっとここでは……。
  203. 高木松吉

    高木委員長代理 総数をかけてみればすぐわかるのではないですか。
  204. 野口忠夫

    ○野口証人 ここではちょっと……。(「帳簿があるだろう」と呼ぶ者あり)その帳簿がありませんので……。総冊数が六十六万冊出ておりますので、約五十万円程度になると思います。
  205. 高木松吉

    高木委員長代理 福島県の学生協はその事業に関しいかなる税を課せられているか、その税目並びに金額等についてお述べになっていただきたい。
  206. 野口忠夫

    ○野口証人 二十九年度の税及びその税の対象となったものにつきましては、資料をちょっと持っておりませんで、今ここで申し上げることができません。
  207. 高木松吉

    高木委員長代理 学生協は税金を納めていますか、いないか、その点についてお述べになって下さい。
  208. 野口忠夫

    ○野口証人 二十九年度税金を納めております。
  209. 高木松吉

    高木委員長代理 幾ら納めていますか。
  210. 野口忠夫

    ○野口証人 ちょっとその点についてはここで……。
  211. 高木松吉

    高木委員長代理 失礼ですが、あなたは理事長でしょう。そうすると、大体その経理ぐらいはわからなくてはならぬと思いますが、わかりませんか。そう何もかもわからないのでは、われわれが真実を発見することがなかなかむずかしくなります。一つ、思い起して、わかることならばお述べになって、下さい。納めている事実がわかっている以上は、大体の金額くらいはわかりそうなものだと思います。どうぞ一つそういうふうにお願いします。
  212. 野口忠夫

    ○野口証人 ここでは、正確な数字をつかんでおりませんので、申し上げることができてないわけであります。
  213. 高木松吉

    高木委員長代理 わからなければ仕方ありません。  組合は学習帳の発行についてその収支を、明らかにして報告した事実がありますか。
  214. 野口忠夫

    ○野口証人 毎年度このことはやっております。
  215. 高木松吉

    高木委員長代理 その詳細をお述べになっていただきます。
  216. 野口忠夫

    ○野口証人 その報告の計数的な詳しいことについては、ここでは記憶がありませんので申し上げられません。
  217. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、そういう面についての資料を持ってきておりませんか。
  218. 野口忠夫

    ○野口証人 これを明らかにするところの資料については持ってきていないわけであります。
  219. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、資料があるのですか、ないのですか。
  220. 野口忠夫

    ○野口証人 資料はあります。
  221. 高木松吉

    高木委員長代理 お持らになった方がよかったと思うのですが、どうですか。  福島県当局は消費生活協同組合法に基いて組合の監査を行い、またはその報告を徴したことがあるか、ないかどうですか。
  222. 野口忠夫

    ○野口証人 年間二月に一ぺんずつ監査を受けまして、この監査の報告を受け、年度末には決算の報告を受けております。
  223. 高木松吉

    高木委員長代理 あなたは学生協理事長として、学生協は消費生活協同締合法に基いてできているわけだが、同法の規定に照らして、現在おやりになっていることが差しつかえないとお考えですかどうですか。
  224. 野口忠夫

    ○野口証人 この役員の選挙でございますが、これは理事会の互選によって行われるわけでございますが、この役員に選ばれますまでには、一応経済事業というようなことと関係することから、その選挙については年度末の早いころから行われ、相当の批判もあって話し合いが進められているわけでございますが、その中で、私といたしましては、過去に学生協の経験を持っておりますし、教員組合というものも対象が教員であり、福利厚生の問題と共通する問題を持っているので、運営上都合がよいだろうというわけで理事長になったような次第で、自由な意思で選挙する理事会の選挙によって選ばれてきていて、このことは過去において教員組合の委員長理事長でないときもありましたが、私としましては、兼ねていることも……   〔「委員長しっかりしろ」と呼ぶ者あり〕
  225. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君、私の問うておる趣旨がわかっておりますか。要するに、あなた方の事業がこの法律に反しておりませんかということだ。
  226. 野口忠夫

    ○野口証人 事業は反しておりません。
  227. 高木松吉

    高木委員長代理 福島県の教員組合は本委員人会の教科書問題の調査について著して本委員会調査を曲解し誹謗した文書を各学校に配布したが、これに対してその後いかなる処置をとっているか、詳細に述べて下さい。
  228. 野口忠夫

    ○野口証人 この前の現地調査の際に、各委員の方々から行政監察委員会の真意というようなことについてお話がありまして、私としても、その点について、前の前文にありましたよらな点から遺憾の意を持ちまして、これを各支部長を通じて各学校に文書をもってこの状況の報告とともに真意のあるところを伝えたわけでございます。なお、その前文についてのある部分は訂正を申し上げる通知をしております。
  229. 高木松吉

    高木委員長代理 その通知を朗読していただきたいと思います。あなたお持ちのようですから。
  230. 野口忠夫

    ○野口証人 各支部長、学校長にあてて出した文書でございます。「昭和三十年六月十六日付福教組発第六七号文書の訂正について」と題しまして、「八月十六日、衆議院行政監察委員会特別委員会教科書問題を中心に現地調査に来福するに当り、われわれは教科書制度に対する現下の政治情勢がその国定化を意図し、教育の民主化をはばむがような状態が伝えられ、特に本県においての教科書採択方法が限定採択であり、現場教師の不満と秘密主義による徒らな不安感の助長をもたらしてきた事情等により、この機会に抜本的解決のみられるような公平にして徹底的調査をのぞんできたものである。教育の民主化と教科書の民主的採択とを熱望するわれわれにとって重大な関心事であり、八月十七日行政監察委員会特別委員会に大県代表として証人に出席し、二時間にわたる教科書の民主的採択を熱望する私の証言に対して、出府委員の各位から「教科書国定化への意図などは委員自身には全くなく、尚行政監察委員会が超党派的機関であって、常に公平に運営されている」こと等が明らかにされ、来県以前にわれわれの危惧した政治的意図の下に調査をする等の事実の全くないことが逆に確認され、昭和三十年六月十六日付福教組発第六七号記載の文書中委員会が国定化を意図し特別の利益云々等の表現は行監委員会の真意を曲解させる趣きも察せられるので、ここに再度文書をもって情況報告を兼ね訂正方御通知申上げます。  尚右の文書改訂について、速やかに各学校職員に通知方を取計らうとともに、行政監察委員、会は国定復活の意図はまったくないと云う真意を伝え、特別委員会が今後も厳正公平に且教師と子どもの願いが正しく貫かれるよう委員各位の御努力を要請し、各学校の事情等を添え文書請願等をとるようお願いいたします。以上であります。
  231. 高木松吉

    高木委員長代理 最後に一点、先ほど問題になった点ですが、私どもが調査に行ったときに、学習帳一冊は十九円五十銭であるとあなたははっきりお答えになった。しかるに、今日ここにおいでになって二十二円五十一銭だと御主張になるが、その根拠を明らかにしていただくと同時に、あの私どもの調査の際に十九円五十銭とはっきりあなたがお話しになった事実を確認していただきたいと思います。
  232. 野口忠夫

    ○野口証人 あの当時十九円五十銭と申し上げましたのは、大体印刷代、材料費、それから紙代、それに編集費、発送費を含めておりますところの値段が十九円五十銭という数字で現わされたのでございますが、本日申し上げました二十二円五十一銭の中には、この学習帳を作るための労務費や販売営業費等を含めて二十二円五十一銭という値段が出ているわけでございます。
  233. 高木松吉

    高木委員長代理 委員長よりの尋問は一応終了いたしました。  これより委員諸君発言を許可いたしますが、三十分程度にお願いいたします。佐々木秀世君。
  234. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 野口証人にお尋ねいたしますが、先ほど来委員長のいろいろな御質問に対しまして、あなたの証言現地調査のときの証言とだいぶ食い違っているようでありますが、あなたの証言が変ってきたというそのことについては、その間何らか他の方からの御注意か何かあったのではございませんか。
  235. 野口忠夫

    ○野口証人 このことは、当時も申し上げたのですけれども、にわかのものであったものですから、あの現地調査での証言は非常に不備なものであったわけであります。なお、この十九円五十銭という値段を基礎といたしまして、福島県の新聞においては、何か非常にたくさんの利益をとっているのではないかというような発表をもとにした大きな広げ方でもって新聞発表になりました。私どもとしては、十九円五十銭だけであって、あとは経費は全然なくて、そのほかの方は全部利益になっているのだ、こういうことでは私たちとしては不承知なのであります。それで、十九円五十銭を今ここで二十二円五十一銭に直しますけれども、十九円五十銭というものは、その間における途中の原価として正しくわかるわけでありますけれども、それに諸経費を含めて二十二円五十一銭の金が出てきた、こういうふうに申し上げているわけであります。
  236. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは、私の方から申し上げますが、九月の十三、十四日、長瀞におきまして日教組の全国書記長会議があったということを御存じでありますか。
  237. 野口忠夫

    ○野口証人 知っております。
  238. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは、そのときの決議されました全文を朗読いたしまして、それに基いて質問をいたしたいと存じます。  日教組が長瀞におきまして全国の書記長会議を九月十三、十四日の二日間行いました。それで、協議されました事項を以下朗読いたします。「(イ)九月十日に開催された講師団との連絡会議に、講師団より出された案が、ほとんど全面的に取り入れら、れている。(ロ)決議の重点、その目的。1、パンフレット第一集の宣伝価値及び影響力を減殺する。そのため次の方法をとる。a、文部省への抗議、b、パンフレットの内容への反論、c、講師団による各種文化機関団体への働きかけ、特に言論機関を重視する、d、民主党の国定案を暴露し、大衆反感を高める、この際オネスト・ジョン、砂川放言、海外派兵問題と結びつけ、その一環として教科書国定化を説明する、e、第一集の読者へ働きかける、そのため配布実務者を各県で告訴することを打ち出す。2、第二集、第三集の発行を阻止する。そのために次のことを行う。a、民主党を告訴する、b、偏向については、文部大臣の責任を論じ、党内分裂をはかる、c、各都道府県教委、特に教組勢力の確かなところから、教委会をしての反論を出させ、偏向でないことを認めさせ、これを公表させる、d、配布実務者も告訴することの用意あることを宣伝し、もし第二集、三集が発行された場合でも、その効果を減殺させる、配布実務者とは、各都道府県で配布のあっせん、仲介等の行為のあった者を言う、たとえば、これを十部引き受けて配布した校長があれば、その校長を告訴する意味と解する、3、当面の闘争方法。a、十月六、七日の中央委員会(伊香保)で、以上の書記長会議の決定を再確認させ、これを全国的闘争に持ち込む、b、総評の国民文化会議に持ち込み、他労組との共闘態勢を立てる、他労組には、機関紙を通じて、毎号これを報道し、時期に応じて、その特集号を作らせる、c、講師団は著者を中心として、民主主義科学者協会その他文化団体に働きかけて、言論弾圧の問題として、この事件を取り上げさせる、共闘態勢がここにも展開される、このため、新たに教科書を守る会を、全国的に組織する、この際、特に日共との共闘を排する、d、両派社会党には、この問題を国会で取りしげさせるよう働きかける、この際、行監よりも文部委員会を重視し、場合によっては、法務委員会でも取り上げさせる、e、夏休み学手習帳については」――ここから聞いていただきたいと思います。「夏休み学習帳については、各県は次の方法をとる。1、組合員に原価計算を報告する。この際、もうけていないことを明らかにして納得させる。2、税務署では、すでに実施している通りで了解工作をする。3、早急に帳簿整理をする。この際、組合本部の会計との完全な分離をする。4、関係方面との帳簿照合を完全にしておくこと。参考。1、日教組は、今回の民主党の行為を、教育二法律違反行為としていること。つまり、この行為は特定の政党を支持しまたは反対する政治活動に該当し、もし教職員が、このパンフレットの配布に関係した場合は、彼は教員公務員法違反となる。これは教職員を威嚇する効果がある。なぜなら、教職員はこれを持つことをすらおそれるからだ。2、また、配布者が、学校その他教職員団体を利用した場合、彼は中止違反となる。それを強調することによって、配布の範囲を限定し、少くとも教職員の目にはとまらなくすることができる。」、以上であります。これが九月十三、十四日長瀞の書記長会議で決議されたものであります。そうすると、あなたのいわゆる夏休み学習帳に対する証言、あるいは先般来札幌の書記長あるいは北教組の書記長がおいでになりましたが、ことごとく証言が一致しているのであります。その一致している点はどこにあるかというと、昭和二十六年以来の帳面というものは全部ないということ、わからないということ。あなた方が昭和二十六年ないし二十七年からずっとこの夏休み学習帳あるいは「夏休みの友」を全国的に学校生活協同組合あるいは北海道においては北教組文化部等において製作しているのであります。毎年毎年やっていることが全国一律に二十六年度以降の記録がないということは、いかにもこの指令に基いて行われ、た行為であるとしかわれわれには受け取れないのであります。帳面がないということはないのであります。たとえば、あなたのところはちょうど二十八年に焼けたといたしましても、何部発行してどれだけの利益があって、どれだけの経費がかかった、ということは、これは記録として残しておかなければなりません。その点がわからないというようなことで、われわれ調査する者といたしましてはそのままこれを認めるわけには参らないのであります。やはり真実を調査するには、どこまでもわれわれはその資料に基いて、しかもかかった原価なら、原価というものを認めて、またそれによる利益は幾らあるかを認めて、真相というものを確かめなければならないのであります。  そこで、いろいろなことをお聞きする前に、こういう長瀞できめられたことがあなた方のお耳に入っておるかどうか、長瀞でどういうことをきめたか全然おわかりにならないのであるか、その点から一つ承わってみたいと思います。
  239. 野口忠夫

    ○野口証人 長瀞の書記長会の模様について詳しくお話があったわけでございますが、私は業務上の出張の関係でまだ書紀長と会っていないわけであります。つまり、長瀞会議には私が出席いたしませんで、書記長の方が出席したわけでございますが、会っておりませんので、そのようなことがあったというようなことはまだ聞いていないわけであります。  それから、その書記長会によってなされたのではないかというお話でございますけれども、私のここで申し上げましたことは、そのようなことによって故意にまげたということではないわけでありまして、いろいろ不備があって、なれない私の答弁のまずさからいろいろな点が出たかもしれませんけれども、福島学校生活協同組合の事実がそのようであるわけではございますから、申し上げておるわけであります。
  240. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 書記長ばどこの方でいらっしゃいますか。それとともに、あなたの生活協同組合とそれから教職員組員の事務所は大体一緒ではないんですか。
  241. 野口忠夫

    ○野口証人 建物は二つに分れておりますが、近くにおります。
  242. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたは生活協同組合理事長であられると同時に福島県の教職員組合の執行委員長であります。執行委員長が、九月十三、十四日といえばだいぶ日にもが立っておりますし、しかも全国会議でございますから、相当重要な会議であるということは御認識と存じますが、書記長が帰られてから一回も会っていないということでございますか。
  243. 野口忠夫

    ○野口証人 全国書記長会より帰ってきてから会ってはおりますが、しかし、このような問題については、やはり僕らとしても十分検討をせねばならないわけでございますので、そういう検討の機会は持っておらないわけであります。
  244. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたの証言は偽証になりますよ。先ほどの証言では一回も会っていない、今は合っていると言う。すでに違っているじゃありませんか。私はこれを検証したかどうかを聞いているのではございません。書記長会議においてこういう決議が行われたのであるが、そのことをお聞きになりましたかと言いましたところが、会っていないというお答えであります。ただいまは、ほんとうに会っていないかと言ったら、会っていると言う。まさにそれは偽証じゃありませんか。話があったのではございませんか。検討は別です。こういうことがきめられたということを、書記長として出席した者が執行委員長のあなたに報告がないなどということは、常識的に考えてもあり得ない。検討は別です。このよしあしはまた別です。しかし、こういう会議があったということもあなたは御存じであります。会議に出席して帰られてから、あなたは会われているのであります。会われたのなら、長瀞でどういう会議があったかくらいのことはお聞きになるのが当然ではないでしょうか。具体的に全部知っておるかということではございません。こういう話し合いがあったかどうかということだけはお聞きだろうと思いますが、いかがですか。
  245. 野口忠夫

    ○野口証人 私の申し上げましたのが偽証になるというので、先ほどの会わなかったという点については訂正いたします。実は、私は、重要な会議がございまして、その方に出かけておりました。これは県内でございますけれども、出かけておって、留守をしていたわけでございます。そして帰って、夜でございましたが、そこで書記長と会いまして、一応夕食を食べて、そのままそのあくる日にまた出かけてしまったのであります。このような重要な御題でありますので、その点についての話が、私にはあとで話そうと思っていたかと思うのですけれども、全くこれはなかったわけでございます。
  246. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたの言葉は、管外に、もうすでに会って内容を聞いているという言葉を出していると同じであります。なぜならば、重要、だという言葉を使っております。このような重要な問題と言っております。内容を知らなかったら、重要であるか重要でないかということはわかるはずがございません。このような重要な問題ということでありますから、すでにその概要だけでも御報告があったろうと思うのであります。それだからこそ、あなたの言葉からすでに重要だという意味が出るのでありますが、全部の報告はなかったにしても、こういう会議であったという報告があったのじゃございませんか。
  247. 高木松吉

    高木委員長代理 野口証人に申し上げますが、先ほどから聞いておると、落ちつかれておらぬようです。前書を訂正してみたり何かしている。ここで証言したことは責任がありますから、よく落ちついて証言して下さい。
  248. 野口忠夫

    ○野口証人 重要だと私が判断しておりますのは、今の情勢の中であの長瀞の書記長会議が童画、でもろうということについては私はわかっております。しかし、長瀞の会議のことについてお前は書記、長から聞いたかどうかと言われますと、まだ聞いておりませんので、いないと言うほかはないわけであります。
  249. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは、あなたは留守しておったと申しますが、何日から何日の間、どういう旅行か、それから、会われた時間が何時から何時で、たった一回かどうか、それをお聞きしたいと思います。
  250. 野口忠夫

    ○野口証人 はっきりとここで申し上げるわけにいかないのですけれども、私としましては、県内の各学校にいろいろな問題がございまして、人事問題があったわけでございますが、この問題等について出かけておりました。それで、書記長、が長瀞の会議に出席しておりまして、帰って参ったのもこちらの方の用事があって少々おくれているわけであります。私もそので、今ここでその日にちが何日であったかについては、ちょっと記憶に今出てこないわけであります。
  251. 高木松吉

    高木委員長代理 何か記帳したものはありませんか。あなたの持っているもので、日記帳とか何かそういうものはありませんか。
  252. 野口忠夫

    ○野口証人 ここには持っておりません。
  253. 高木松吉

    高木委員長代理 ないのですか、あるのですか。
  254. 野口忠夫

    ○野口証人 記帳する帳面ですか。
  255. 高木松吉

    高木委員長代理 そうです。
  256. 野口忠夫

    ○野口証人 それはありますけれども、今ここには持っておりません。
  257. 高木松吉

    高木委員長代理 どうもあなたの証言が信憑力を欠くのです。いろいろな点で訂正したり、あるべきものがなかったり、――日記帳というものはたいがいの人は持って歩くものだ。それがないと言ったり、とうもおかしいのですが、一つ真実を述べて下さい。
  258. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 もう三月前とか半年前とか去年のこといえば、確かに記憶はないと言われてもこれはやむ得ません。しかし、九月の十三日、十四日の両日の大会でございます。それが終ってから帰られているのですから、また数日、せいぜい十日とたっていないのです。その間の書記長と会われた日にちもおわかりにならないのですか。――それじゃ、何曜日だかおわかりでしょう。学校の先生ですから、土曜日であったか日曜日であったか月曜日であったかということくらいはおわかりだろうと思います。日にちはわからないにしても、少くとも何曜日であったか。しかも一緒に食事されというのですから、食事をされた会い方であれば、すれ違った会い方じゃないのであります。話をされているわけであります。それが大何日であったか、何日がわからなかったら何曜日であったか、一つお答え願いたい。
  259. 野口忠夫

    ○野口証人 正確にその日を、今ここで大体この辺であろうというようなことで申し上げるわけにはいきませんので、明瞭でございません。
  260. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは、十四日以降でございますから、十四日以降県内の用事のために出張されたというお話でございましたけれども、その日にちはいつからいつまででございますか。大体でよろしゅうございます。
  261. 野口忠夫

    ○野口証人 十六日の日から出かけておりますので、その前の晩であったか、そのあくる日であったか、記憶がないわけでございます。
  262. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 十六日から何日間出歩きなされましたか。
  263. 野口忠夫

    ○野口証人 十九日まで出ました。
  264. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これは、あなたの方では、やはり執行書起長ですから、出張簿というのはあるはずでございましょうが、それは出ておりますか。それはどこにありますか。
  265. 野口忠夫

    ○野口証人 これは教員組合にございます。
  266. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 教員組合ですか。これは後ほど電話ででも聞けばわかりますか。
  267. 野口忠夫

    ○野口証人 わかると思います。
  268. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 だれに聞いたらわかりますか。
  269. 野口忠夫

    ○野口証人 十九日から引き続きこちらの方に私が参っておるわけでございます。それで、実際のところは福島にはいないわけでございます。
  270. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それではだいぶ詰まって参りました。十六日から十九日まで出張、十九日からは東京にいられる。そうすると、長瀞の会議の終ったのは十四日。十五日に会っておるのじゃないですか。それしかないです。日にちは。
  271. 野口忠夫

    ○野口証人 どうもたたみかけてお話しになられますが、その点で、私その日にちをはっきり申し上げられないのですけれども、私が会いましたのは夜なんです。
  272. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これははっきりしているのです。あなたは十六日から十九日まで出張でしょう。そうして十九日から今東京にいるとおっしゃった。そうすると、長瀞の会議が終ったのは十四日です。十四日に会うわけはありません。だから十五日でしょう。十六日から出張ですから。たたみかけるとおっしゃいますけれども、こういう点をわれわれは明らかにしなければ、ちょうど先ほどから私が一つの疑惑を持っておるように、札幌の教職員の方々もあなたと同じような証言をされておりまするし、原価のことにいたしましても、そのようなお話でございますし、この中には、いわゆる原価にしましても、十九円五十銭のものを二十二円に直したということも、もうかっておるということを直せという、それから帳簿は整理するという、それから他の組合との帳簿の照し合せをするという、それが偶然にも一致しているじゃないですか。しかも十六日から十九日まで出張で、あと東京にいて、長瀞の会議が十四日に終って、中あるのはたった十五日じゃないですか。その十王日に会ったか会わないかもわからないというようなことでは、これは証書を拒否しておるとしか思われません。一日のことがどうしてわからないのですか。出張した日にちがはっきりわかっているじゃないですか。十六日ということが。
  273. 野口忠夫

    ○野口証人 私の出かけました出張の日は、十六日の日にはまだそこに行っておりません。十六日の夕方私は立っているわけです。ですから、会ったのが十五日の夜か十六日の夜か、それが明瞭でございません。
  274. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 十六日には夕方立たれているのでしょう。夕食というものは晩にされるのです。そうしたら、その間の夕食というものは十五日の晩しかございません。昼は昼食です。晩飯を一緒にしたというのですから、十五日の晩しかないじゃないですか。
  275. 野口忠夫

    ○野口証人 書記長に会っているのは、ほんとうにわずかの時間会っているわけです。そのときに御飯を食べて別れているわけです。ですから、会った時間について明瞭ではございませんけれども、そのお話を聞いていないということについては事実でございます。
  276. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたか聞いている聞いていないといことを私は今聞いて、いるのじゃないのです。要するに、会われたのが何日で、それから、その次にお聞きしようと思ったのは、その会われた時間がどのくらいかということを聞きたいと思っているのです。こういうことが一つの真相をつかむための重大な証言でございますから、一つ冷静にお考え下さいまして、はっきりとお答え願いたいと思います。しかも、もうこれまで切り詰めていけば、日にちが十五日以外にないのです。十六日の夕方あなたが立たれるのですから、十六日夕食を早めにして立たれたというならこれはまた別です。しかし、十六日すでに出張されたというのですから、十五日の晩以外にはございません。それがどうしておわかりにならないのですか。
  277. 野口忠夫

    ○野口証人 私の申し上げることが、時間で切ってくると非常にむずかしくなってしまいましたが、私は十六日の夕方、八時の汽車で立っておりますので、その点で、そのとき会った時間というのはいつであったかについては明らかでないわけです。
  278. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 十六日の夕方立たれたという先ほどの証言でございました。今になってくると十六日の八時の汽車だと言う。八時ということはすでに夜です。われわれの常識では、もう八時というのは夕方と解釈いたしません。八時何分でどちらにお立ちになりましたか。どこの駅からどうお乗りになりましたか。
  279. 野口忠夫

    ○野口証人 自分の家に行ったわけでございます。八時三十分の汽車が最終にございまして、それで参ったわけでございます。先ほど夕食と言いましたのは、それまでの間に私としても夕食を食べております。
  280. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 十六日の汽車に乗る前の夕食はあなた一人で召し上りましたか。それくらいはおわかりでしょう。
  281. 野口忠夫

    ○野口証人 十六日に、実はあのときには非常に込み入った会議等がございまして、その間において会って、御飯のところで一緒になったので、それが前の日とあとの日と続いておりますし、僕はそのときにどこでどの時間に会ったか明瞭でないのです。
  282. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あとの日と前の日と言って何回も食事をされたのですか。そういうようなごまかしのような答弁では困ります。少くとも、この教科書問題は、先ほど委員長が読まれましたように重大な問題でありますので、われわれとしても真剣にこを調査しているわけであります。しかも、十六日の八時の汽車に乗られた。ところが、どこで一人で夕食されたかどうかが、あっちにもこっちにもだったからわからないというようなことで、そうですがと言ってわれわれがそんな不徹底な調査で国民の前に相済みますでしょうか。あなたも教員であります。われわれもまたこのいわゆる重大な問題を調査する責任を負わされているわけであります。お互いにこのことは謙虚な気持で真剣に一つお答え願いたいと思います。決して私はあなたの行動を責めているのではないのです。こういう重大決議が行われているのでありますから、それがあなたの耳に入ったかということはいずれまた聞きますけれども、この重大な会議に臨まれた書記長が帰られているのは十五日にきまっているのですから、あなたの証言は全部冷静に考えると偽証になりますよ。先ほど会われたと言うでしょう。十四日に終っているのですから、大がいは十五日にやっと帰ってきて間に合うのです。あなたと会う時間。さっき、おくれて帰ってきたということでしたから、私の想像では、書紀長はおそらく十七日か十八日に帰ってきているのじゃないか、こう思ったのです。この会議からすぐ帰ってきたのじゃなかったのでしょう。この会議が終ってもうちの書記長はだいぶおくれて帰ってきましたということでしょう。そうすると、あなたと会うひまがないはずです十六日からあなたはいないのですから。終ってすぐ帰ってくればこそ会えるのです。一日でもおくれて帰っていれば、あなたと会う日にちがないのです。いない人に会えるはずがありません。それらを総合すると、あなたの言っているのは、あとも先もめちゃくちゃで、この委員会において真実を申していないという証拠になるわけです。どちらがほんとうですか。それとも、先ほど申した、書記長はこの会議が終ってずっとおくれて帰ってきたということはどういうことなのですか。その点からずっと述べていただきたい。終ってすぐ帰ってこなければ、長瀞と福島の間をまさか一時間か二時間で帰れないのです。この長瀞の会議が何時に終ったかは調査すればすぐわかるのです。どちらがほんとうなんですか。
  283. 野口忠夫

    ○野口証人 先ほど申し上げましたように、会った時間についての記憶はございません。何日に会ったかということは明瞭に言うことはできないわけでございます。それで、私が一応出張しましたのは十六日の八時半から出ているということは事実でございます。
  284. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私は人の言葉を卒直に受け取るのです。あなたは八時の汽車でうちに帰られたとさっき言われたでしょう。今言うと十六日から出張だという。どちらがほんとうなんです。
  285. 野口忠夫

    ○野口証人 十六日からうちに帰って、その晩泊りまして、そのあくる日から出張に出ているわけでございます。事実を申し上げているわけでございます。
  286. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私が順序を追って質問すると、そのつどそのつど変ってくる。そうしたら、十七日からの出張でしょう。十六日でなくて、十六日の晩はお宅にお泊りになっているのじゃないのですか。
  287. 野口忠夫

    ○野口証人 そうです。
  288. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは先ほどのはまた違ってくるでしょう。どうなんですか。冷静に考えて順序を追って最初から説明して下さい。私が長瀞の会議が終って書記長と会われましたかと言う、その順序からお話しを願いたいと存じます。私、こちらで判断します。
  289. 野口忠夫

    ○野口証人 日にちが明瞭でなくなっているわけでございますが、十六日から――十七日から出張のわけになりますが、出張をするということで十六日の日はうちに帰って泊まって、十七日から出張に出ているわけであります。その間において書記長と、いろいろな会議の席上で、会議がたくさん前の日も二、三日続いておりましたものですから、その中で、御飯を食べているところで会いました。そうして、御苦労さんでしたという言葉で実はねぎらったわけですが、それだけで、あとは何にもまだ話を聞いていないのであります。
  290. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたは先ほど、出張する前に会ったと言ったでしょう。出張してからは会っていないということです。
  291. 野口忠夫

    ○野口証人 そうです。
  292. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 今のお話では、十六日の晩泊って十七日に出張して、それからどっかで食事をして会ったという今のお話。どちらがほんとうですか。(「そんなことは言ってない」と呼ぶ者あり)それでなかったら、あなたは一番はっきりするのです。十五日の晩しかないので、すから、はっきりするのですよ。途中で会ったなら、何日間かありますから、忘れたということになばりますが、どちらがほんとうです。
  293. 野口忠夫

    ○野口証人 十六日以前において会っているわけです。
  294. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすれば十五日ですね。夕食ですから、
  295. 野口忠夫

    ○野口証人 にわかのところで会っておりまして……。
  296. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 はなはだ残念でありますが、野口証人証言を拒否しているのじゃございませんか。
  297. 野口忠夫

    ○野口証人 証言は拒否してはいないのです。ただ、わからないところをわからないと申し上げ、わかっているところをわかっていると、こう申し上げているわけでございますから。今の日にちの点についではどうも明瞭でないわけです。
  298. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 しかし、私としては、これは最も重大な、これがはっきりしなければ以下の質問ができないわけです。それがためにこの日教組のいわゆる書記長会議の内容まで私は朗読した。それから逐次お尋ねするのです。全然会ってないということであれば、これはやむを得ません。私としては、全然会っていないということを、これも知っているかあれも知っているかということは申し上げられませんが、少くとも長瀞の会議が終ってからたとい十分でも十五分でも――しかるに証人お話では食事まで一緒にしたと言うんですから、会ったという事実をつかんだ以上は、そ真相を明らかにして、具体的な問題に入りたいと思うのであります。あなたも人に教える教職員の立場です。しかも私がこれほど日にちをずっと縮めていって、――十四日までは書記長が行っていたんです。帰ってきたのは、すぐ帰ってきても十五日です。十六日にはすでにあなたはお宅にお帰りになっているのですから、十五日の晩にお会いになったのではないかとわ聞きしているのです。それで、記憶を呼び戻すということは、順序を追ってお尋ねすれば大がいわかるのです。しかも、一年前二年前のことならばいざ知らず、つい何日か前のことを、この宣誓した証人としてそういうようなあいまいなお答えでは、納得しかねるのでありします。もう一度、重大な問題ですから、冷静にお考え願いたいと思います。
  299. 野口忠夫

    ○野口証人 私の申し上げますことについて、ほんとうに何か他意を含んでいるのじゃないか、こういうふうに見られるかもしれませんですけれども、私といたしましては、その瞬間が、明確に今ここで十五日と十六日のどっちであったかについては、ほんとうに今のところでは、忙しい中で会ってきておりますので明瞭でないわけであります。それで申し上げられないということと、それから、ほんとうに聞いてないのです。それで先ほどから証言として申し上げているわけでありますが……。
  300. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これはどうしても、私としては、本人がどっちにしても、十五日か十六日の間しかないわけであります。それで、質実を確かめる上におきてまして、何かの形で書記長との連絡方法を調査員の方にお願いしておきますが、これ以上うやむやな答弁を継続することはかえって時間を延ばすことになりすますので、この会った会わないの問題はこの程度にしておきます。  しからば次の問題に移りますが……
  301. 高木松吉

    高木委員長代理 佐々木君、時間が迫っておりますから……。
  302. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 時間はちょっと迫っておりますけれども、皆さん御了承願いたいと思います。証人がこの通りでありまして、ただ一つも答えられないで、時間で攻められて、しまったのでは、何らの調査もできないわけです。ある程度時間をいただきたいと思います。
  303. 高木松吉

    高木委員長代理 考えておりますから、適当におやり願います。(「時間は過ぎている」と呼ぶ者あり)まだ時間はあります。
  304. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 夏・冬休みの友につきましてお尋ねいたしますが、あなたが十九円五十銭という、原価をたとい間違ったといたしましても一応現地調査に行かれた方にお示しになったのでございます。その十九円五十銭とお示しになりましたときの紙、印刷等の原価をお示し願いたいと思います。
  305. 野口忠夫

    ○野口証人 十九円五十銭という原価でございますが、これは間違っていたというわけではございません。内容を申し上げます。
  306. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 内容をお聞かせ願います。
  307. 野口忠夫

    ○野口証人 先ほど申し上げました紙代、印刷費、編集費……。
  308. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 いや、それを別々に申して下さい。
  309. 野口忠夫

    ○野口証人 材料費として七円十六銭八厘かかりました。紙代でございます。印刷費として七円五十九銭二厘、編集費としまして、三円十八銭六厘、それから発送費一円三十銭一厘、以上がその当時申し上げました十九円五十銭に対する内容であったのでございます。
  310. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これは十九円五十銭になりませんね。
  311. 野口忠夫

    ○野口証人 その総計が正確に十九円五十銭になっていないと思うのでございますが、これは、その当時も申し上げたのですけれども、こうした学習帳に関しての金銭的なものは明瞭に私は答えることができない旨を申して実は発言しておったわけでございましたが、それで、現在私が申し上げましたのが、その当時十九円五十銭として申し上げておきました値段なのでございます。
  312. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 委員長にお尋ねいたしますが、現地調査のときに十九円五十銭という原価が、こういう具体的の内容にわたって調査いたしますと数字が全然合わないのですが、こういうような現地報告であったのでしょうか。それとも、数字が合わなくても今のようなことを、ある程度了承しての御調査でありましたのでしょうか。その点承りたいと思います。
  313. 高木松吉

    高木委員長代理 ただいまのようなこまかいことを言わずに、単に十九円五十銭と聞き及んでいるように思います。
  314. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 こういう点を野口証人に申し上げますが、六十万部、七十万部と出すんですよ。――夏・冬合せて、あなたの方では。一円違っても六十万円、七十万円と金額が違うんですよ。こまかいことはと言うけれども、十九円五十銭のあの数字を出すに当っては、相当微細にわたっての原価計算があったからこそ、十九円五十銭という数字をあげたと私は思います。その後これに加算するものがこれこれのものができたから二十二円五十一銭になったという御証言であれば、われわれは納得することができるのであります。しかし、二十二円五十一銭の内容と十九円五十銭の内容とを承わりますと、そこで数字が全然合わない。これはどういうことでございますか、一つ御説明願いたいと思います。
  315. 野口忠夫

    ○野口証人 大体私が事務の者から聞いたりしておりました原価につきましては、十九円五十銭という値段に記憶しておりましたものですから、かようなことを申し上げたのですけれども、実は、それが非常に不確実な数字であって、もっと詳しい資料をもって発言すべきであったのですけれども、その発言をあやふやにしてしまいまして、はなはだいけなかったと思います
  316. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これは、あなた方がにわかに作ったんじゃないですか。うっかり私に聞かれたから言ってしまって、言ってしまった数字が会わぬですよ、これは。あなたのところには、幾らかかったという原本があるのですよ。それを今言ってしまった。そうして、たまたま私が計算したところが合っていない。これは因ったというところから、これは十九円五十銭というものを報告を受けていたからと言うのじゃないかと思います。しかもあなたは責任者です。生活協同組合のいわゆる理事長です。それが、ただ報告を受けて十九円五十銭と言うなら、この紙代幾ら幾らということは御存じのはずがないです。これを今証言されたということは、内容をあなたが知ってるから証言されたのじゃないですか。まだ突っ込んでお話を承わりたいんですが、紙代にしろ、印刷代にしろ、あなたの方のおさらい帳を拝見いたしましたが、非常にりっぱです。全国のものから比較いたしまして相当りっぱなものです。しかし、紙質、枚数から見まして、この紙代の七円十六銭などというものは相当高いものであります。――ほかのベージ数のものから見ましても。しかし、こういうものまで一々突っ込もうとはいたしません。しかし、少くとも児童の使うおさらい帳を作るというからには、原価計算というものをはっきりして、そうして、かかる経費をこれにかけて、一円でも安いもので、いいものを児童に配るという精神がなければいけないと私は思うのであります。そこまでやれと言うのじゃございません。しかし、紙代から印刷代から発送費まで計算すると、まだまだ安くなる計算に、他に比較して私の方ではなりますが、それはさておきましても、今だた単にお聞きしたことだけでも、すでに一円だの一円何十銭も違ってくるということは、あまりにもルーズ過ぎるじゃないでしょうか。一円違っても何十万円という金が違うんですよ。しかも、あなたの方で編集費が三円十八銭かかってると言うが、編集費というものは職員組合の方に一冊に対して一円という編集費を出してるじゃないですか。それとどうなってるんでございましょうか。
  317. 野口忠夫

    ○野口証人 編集費につきてましては、当初私どもの考えたのは、あくまでも教員組合としての編集の手数料という考え方を持っておったわけでございます、それで編集費としてこれにあげておったのですが、これか話し合いのところで文化事業の映画の製作に変った。
  318. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私はそういうことを聞いているのではないのです。あなたが先ほど、委員長の御質問に対しまして、編集費は幾らかかっているかということに対して、編集費というのは学習帳一冊について一円ずつ教員組合の方に差し上げている-。その六十万円の使い方に対してはあなたはいろいろ言っておりました。映画を製作した、これはりっぱなことです。しかし、その使い道はどうでもいいのです。私はそれを聞いているのではない。一円編集費を使っているのに、今お尋ねすると、また三円十八銭六厘という編集費がここに原価として加算されているわけであります。この一円と三円十八銭六厘というのはどういうふうになっておりますかということを私はお聞きしているのです。
  319. 野口忠夫

    ○野口証人 三円十八銭六厘の中にその一円が入っておるわけであります。
  320. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすれば、三円十八銭六厘というのはどういう編集費でございますか。
  321. 野口忠夫

    ○野口証人 編集費の内訳は、本部の方でやりましたもの、それから、これが下の方に帰って、下のほうでも編集の会議を持ち反省会等を持ちますので、支部に対する経費合せまして二円十八銭何厘かの金が編集実費としてかかっておったわけであります。
  322. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 二円十八銭ということになれば百二十万の金ですよ。この編集費は教員組合にやっているのだとはっきり証書なさっているのじゃないですか。百二十万という金が編集のできたものに対してまたかかるのですか。しからば、それはどういう人たちでお使いになりますか、その担当者名前をおあげ願います。
  323. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいまの御質問、ちょっと意味がとれなかったのですけわども……。
  324. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あらためて申しあげます。あなた方の原価の中に、先ほど聞きましたところが、紙代が七円十六銭八厘、印刷代が七円五十九銭二厘、編集費が三円十八銭六厘、発送費が一円三十銭二厘、こういう数字があります。そうすれば、編集費というものが、二円十八銭六厘かかっております。先ほどの御証言では、編集費が一冊に対して一円すでに編集を依頼している教員組合にあなたの方で出しているということでございました。それが六十万円だということでございました。そうすれば、三円十八銭六厘から一円引きますと残るのが二円十八銭六厘であります。それが夏・冬合せまして大体百二十万以上の金になるのでありましよう。もう編集のできているものをまた編集するということは私はなかろうかと思います。批判する程度のことはござい庫しょうが、そういう程度のものに百二十万以上の命をお使いになるということは、どういう形でお使いになられるのか。しかも、この編集川当者というものは、教員組合のほかに、あなたの生活協同組合の中に何か部門があるはずです。なければ使うわけはないでしょう。ただでたらめに使ったといっても、百二十万という金は莫大な金ですから、使うはずはありません。だから、その担当をしている教員組合以外の、あなたの生活協同組合の方でこの編集を担当をしている方のお名前をお聞かせ願いたいということです。
  325. 野口忠夫

    ○野口証人 学生協において編集の係は事務員であります。
  326. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私は事務員のことを聞いているのではございません。担当している人の名前、それから人数をお尋ねいたします。事務員は全部で何人おられますか。それからお聞きいたします。
  327. 野口忠夫

    ○野口証人 学生協の事務員は六人おります。
  328. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 六人が全部編集に携わったといたしましても、六人で百二十万円お使いになるのですか。
  329. 野口忠夫

    ○野口証人 この編集に携わる学生協の立場は、編集に要した費用を学生協で支払っておりますが、その編集の事務は教員組合の中にできた学習帳編集委員会がその仕事をやっていくわけであります。
  330. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 教員組合には、あなたの方で先ほどはっきてり一冊に対して一円という証書なされているのじゃないですか。教員組合が延べ人員どれだけの人をお使いになりましようとも、一冊で一円いう契約をなさっている以上は、本ができるまでの編集というものは教員組合が責任を持たなければなりません。先ほど承わりますと、一円は教員組合で使って、他の二円十八銭何がしは生活協同組合の事務員がそれをやってということじゃございませんでしたか。事務員という言葉が出たのでしょう。だから、私は、事務員が何人いますかと言ったところが、六人で、六人で十万円使いますかと言ったところが、また証言が変ってきたじゃないですか。
  331. 野口忠夫

    ○野口証人 編集委員会が編集事務に携わっておるわけでございますが、つまり「夏休みの友」が始められてそれができ上るまでに、特別学習帳の編集委員があるわけでございます。その編集委員の方々が企画し、それを名出張所におろし、また各出張所からそのものをまとめてきて、そして編集の一切の仕事を通じてかかりました費用が二円十八銭でございまして、教員組合に対する編集手数料というのは、「夏休のみ友」の編集委員会が実務に使った以外に、教員組合自体として学習帳のためにいろいろなお世話をいただくことになりますので、ここで教員組合に対する手数料を出しておるわけでありす。
  332. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 今承わりますと、教員組合に出しているのはお世話になる礼金ですね。実際に編集しているというのじゃないですね。どういうのですか。それをはっきりして下さい。
  333. 野口忠夫

    ○野口証人 教員組合の中にできております編集委員会というものは、教員組合も入っております。教員組合の代表の者を送ってやっておりますので、その中で編集もしていきまずから、その編纂に当っての面において、いろいろな会合、文書の発送等において、その面についての意見を徴したり、最もよい学習帳ができるために教員組合もこれに参画するようになりますので、編集手数料として組合に出しております。
  334. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、あとの二円十河銭はどこに出しておりますか。
  335. 野口忠夫

    ○野口証人 それは編集委員会で実際に編集ができ上る実費について、これを支給しておるわけでございます。
  336. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それはおかしいですね。編集を依願すれば、本ができ上りますまでの編集が編集ですよ。そのほかにいろいろな仕事ということはないはずです。別な形で支出しているなたこれは別です。ちょうど、この問題が起きてから、そこでこの書記長会議の問題が出てくるのです。あなた方の数字を合せるために、北海道と同じような作り方をしているのです。だから、十九円五十銭が聞いてみれば数字が会わなくなったり、あるいは今度は現地調査したときの十九円五十銭をあなたは心ならずもここにきて二十二円五十一銭に訂正しなければならないつらい立場に、追いやられているのです。だから、一つ一つの問題、たとえば編集費一つ聞いたところで、あんたは明瞭に答えられない。まことにお気の毒だとは思いますが、こういう点で三円だ、二円だという金をおろそかにすることは、全国で莫大な金になるのですよ。何千万じゃないのです。おそらく過去何カ年かの総計をすれば何億になるのじゃないでしょうか、これはそういう重大な問題なんです。北海道だけでもそうですよ。夏・冬だけでも一冊に八円あるとすると、一年間に千二百万です。五年間やったとすれば五千万、六千万になるでしょう。全国で何億という数字は何もふしぎじゃないのです。それほどの膨大な金になるのです。それだからこそ私たちはたとい二円の行く先でも承わっているのです。かかるだけの経費はこれはやむを得ません。そういう大きな問題でございますから、どうかあなたもほんとうに真剣にお答え願いたい。編集費は一本にならなくちゃならないのです。北海道の場合でも一冊に五円という編集費をとっていると、こう言っている。いろいろ使ったと言っておる。そのほかに会社を調べれば、また一冊に対して一円七十二銭の編集費があるのです。それが二百三十八万になっている。どこの職員組合の証言を聞きましても、みんなこの編集費が二つになっているのです。編集費で落すことが一番教科書がもうからないという事実を作り上げるために便利だからやっていると、私はこういうように疑わざるを得ません。そうでなかったら、営利会社でさえも、北海教育評論社の一冊の夏休み帳の編集費が一円七十二銭ですよ。あなたのところのは三円何がし。しかし、そのまま認めてよろしいでしょう。私としては行き先さえはっきりすればいい。しかし、先ほど委員長尋問に対する答えには一円だと言っておきながら、今三円幾らになるでしょう。だから、その行き先がどうなっているかということだけは、ここではっきり出してい九だきたいと思います。一円職員組合に出したのは、それはそれでよろしいでしょう。あとの二円何がしはどこに、どういうグルーブに、どういう名前の方々にお出しになったか、それを承わりたいと思います。
  337. 野口忠夫

    ○野口証人 これも概括的なことになってしまうのですが、編集のための諸経費でございますが、一円は教員組合の手数料として出た、このことは今お認めいただいたとして、その他の二円十八銭の編集実費の内訳でございますが、一冊ついての経費を出しておりませんので、トータルで申し上げることになりますが、選稿資料費として三十九万九千八百九十円払っております。会議費として十四万二千四百八円、旅費、交通費として九万九千九十円、通信費として七万一千四百八十八円、雑費として三万一千七百十円出ております。消耗品費として四万四千九百二十九円出ておりまして……。
  338. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 途中ですが、あなたはどこで使った金を説明しているのですか。
  339. 野口忠夫

    ○野口証人 これは昭和二十九年度の夏・冬友の編集委員会が編集を完了するまでに要した経費でございます。
  340. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 編集委員会というのは、何人で、どういう形でやっておりますか。
  341. 野口忠夫

    ○野口証人 編集委員会構成は、地方から選出されてきた先生方が二十七名、付属の小・中学校の先生方に十名入ってもらいます。大学の各科の担任教授の先生方に九名入ってもらいまして、四十六名入っております。
  342. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 その方々はどういう編集をするのですか。それは職員組合の関係で作っている顔ぶれではないのですか。職員組合とは別個ですか
  343. 野口忠夫

    ○野口証人 別個というても、教員ですから、現場の教員の中から選んでくるわけです。この選び方につきましては……。
  344. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 先ほど教職員組合に一円ずつ出しているというのも現場の教員でしょう。その方々で編集しているのでしょう。そうしたら、、あなた方は編集を二重に依頼しているのですか。どちらですか。
  345. 野口忠夫

    ○野口証人 教員組合の機関に対して、――機関が編集のためにいろいろな協力をしているわけであります。その協力に対して……。
  346. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 わかりました。そうしたら、実際に編集しているのはただいま述べられました人たちでやっているのでしょう。そうして職員組合というものはその機関ですね。今のお言葉によると機関ですから、その機関に対してあなた方は一円ずつ謝礼をやっている、そうですね。
  347. 野口忠夫

    ○野口証人 編集のための手数料を……。
  348. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 手数料にしろ何にしろ、実際の編集はその人たちでやっている。大学の先生と、現場の先生方と、今お話のあった二十数名と、そのほかの何名かの人たちで実際の編集をやっている。教職員組合というのは一つの機関だ、それに対して一円ずつやっている、こういうようにとってよろしいですか。
  349. 野口忠夫

    ○野口証人 教員組合の機関に出しているものであります。
  350. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、その一円というのはリベートですね。編集はちゃんとグループがいて編集しているのに、機関が何もやっていないのに、やはりこれは買ってもらうためにあなた方がいろいろ世話になるから謝礼するという一つのリベートです。そうでないならば、私の納得する説明をして下さい。それがなければ、残念ながらそう解釈するよりいたし方ないのです。
  351. 野口忠夫

    ○野口証人 私ども学生恊としまして、夏友学習帳を編集して製品を販売するわけでございますが、学習帳そのものに対して、やはり出てくるものは教師の考え方なわけであります。学習帳というものを生んできたものは、やはり子供を考える教師の立場から生まれてきているわけであります。そのような教師が共同編集、共同購入をしよう、こういう立場で出てきた学校生活協同組合取扱いの学習帳なのでございますが、その学習帳に教職員組合がやはり多分の協力をしているわけであります。これは実際的にも協力しております。そういう面があるわけでございます。その編集のために協力していただいている教職員組合に、川ずつ手数料を嬉し上げておった、こういうわけでございます。
  352. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 編集のためというと、私はどこまでもはっきりさせたくなるのです。そうでしょう。編集する人がいるのですから。ただお世話になるから一円ずつお世話料として差し上げているというなら、私は納得いたします。
  353. 野口忠夫

    ○野口証人 編集のことで話が出ているわけですが、編集の順序寺について申し上げないと、どうしてこの一冊の学習帳が出てきたかということが明瞭でなくなると思うのですが……。
  354. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私はそれはわかります。どんなにか苦労なさっていることもわかります。りっぱなものを作られているのですから、それはいいのです。ただ、編集が二重になっているという点に、われわれはがてんがいかないのです。それほど学校の先生たちのお世話になるのでしたら、何も一円だの二円何ぼと分けないで、最初から三円十何銭そっくり編集の方に、学校の先生にみなお世話になるのですから、差し上げてもいいのです。高い安いを言っているのではない。北海道なんかもっと使っているのです。あなたの方は北海道よりはりっぱなものを作っているのだから、そんなことは何もびっくりすることはない。三円や四円使ってもかまわない。ただ、その使い道がはっきりしないから、こうして承わっているのであって、学校の先生方に、二十何名の先生のほかに、いろいろお世話になるから、三円何がしは編集費として全部向うにおあげしているのだ、こういうお答えであれば、けっこうです。しかし、先ほどあなたは、いろいろ私が問い詰めていくと、これは生活協同組合の事務員でやっているんだということだったでしょう。そうして、事務員が何人いるかと聞いたところが、びっくりした。六人しかいない。六人で百二十万使うのか言ったところが、今度別な編集者が現われてきたでしょう。だから、そこのところのお答えは一貫性がないのであります。はなはだ私としては残念でありますが、その他これは一々、あなたば非常にお答えが困るのじゃないかと思うのですが、たとえば発送費の問題もございます。あるいはその以下に、一円三十二銭八厘、一円九十一銭五厘、その数字がずっと出ておりますが、それを私は全部お尋ねいたしますが、詳細に、今のようなことでなくお答えできますか。
  355. 野口忠夫

    ○野口証人 できるだけお答えしたいと思います。
  356. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 できるだけでなくです。しからば輸送費から聞いて参りたいと思いますが、ただいまの……。
  357. 高木松吉

    高木委員長代理 佐々木君に申し上げますが、時間が過ぎておりますから、簡略に願います。
  358. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは一つ、そのほか、重要な問題があるのですけれども、輸送費が一冊に対して一円三十銭一厘ですね。これはどういう輸送をやっておりますか。
  359. 野口忠夫

    ○野口証人 発送費につきましては、夏・冬友を各学校に配達するまでに要する費用であります。それには各学年の分類をするための費用、数量を点検する費用、中締めあるいは発送の通知等、労務費も入っているわけです。作業員の賃金も入っております。それから鉄道運賃福島県は先ほど言ったように僻地が多いものですから、自動車輸送の面があるわけです。冬季間にたりますと小包料が非常にふえて参ります。そういうものを含めた輸送費になっております。
  360. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 この点も私納得しかねますが、北海道あたりと比較してあなたの方は大きいです。北海道あたりはもっと広いですよ。こんなものは、一々郵便で送るなら一冊一円幾らかかりますけれども、学校にまとめて特っていくのですから、そんなにかからないと思います。しかし、これもそれで了承いたしましょう。これ以上こまかいことをお尋ねしたところで仕方がありませんから。  それから、お尋ねいたしたいことは、労務費というのがありましたね。
  361. 野口忠夫

    ○野口証人 ありました。
  362. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 一円三十二銭八厘ですか。今お尋ねしますと、この労務費というのはどういうのにかかっているのかわからないのです。私が先ほどお尋ねしたときには、一円三十銭一厘の発送費の中で、いろいろな労務費がかかるものですから、その労務費と解釈していたのですが、ところが、訂正なさって二十二円五十一銭に原価が変ってから労務費という項目がまた出ているのですが、これはどういうものが労務費でございましょうか。
  363. 野口忠夫

    ○野口証人 労務費は生活協同組合の人件費の一部を負担したわけであります。これは生活協同組合の総人件費の六六%に当っております。なお、生活協同組合における全部の売り上げと学習帳との間の、パーセントを見ますと、全部の七五%を占あておるわけであります。
  364. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、この労務費というのは学生協同組合の人件費も中に加わっているのですね。そう解釈してよろしいですね。
  365. 野口忠夫

    ○野口証人 人件費を考えております。
  366. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、これだけで上る金が一年間に大体百四、五十万円ございますが、あなたの方の事務員は六人でございますが、どれだけの給料を渡しているでしょうか。これだけで、一円ですから約七十何万です。一円三十二銭八厘ですから、そうでしょう。
  367. 野口忠夫

    ○野口証人 そうです。
  368. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 一冊一円三十二銭八厘の中から給料を出しているのですか。引き続いてお尋ねいたしますが、そのほかに合計いたしまして、二千万円の取引をやっておりますが、その方の利潤はどのくらいでございますか。その方と合せてどれだけの利潤でどれだけの俸給を出しているかということを一つ承わりたいと思います。
  369. 野口忠夫

    ○野口証人 生活協同組合の総売り上げ、総販売が二千百万円でございます。そのうち学習帳の総売りしげは千五百万。これで大体七五%に学習帳がなっておるわけであります。それで、これだけの事業をやっていくために六人の事務員の総人件費が百三十二万円出ているわけです。そのうちの大体六六%、八十八万円を持っているわけであります。
  370. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると、この学習帳を出して余剰というものを考えないで、俸給も何も全部これに加算していると解釈してよろしゅうございますか、定価の中に。
  371. 野口忠夫

    ○野口証人 労務費として定価の中に入れてあるわけであります。
  372. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 その下の一円九十三銭五厘というのは宣伝費ですか。労務費が一円三十二銭八厘でしょう。その下に一円九十三銭五厘というのがありますね。これは何ですか。
  373. 野口忠夫

    ○野口証人 これは、学校生活協同組合の全体の総経費、総管理費と申しましようか、一般管理費の四百五十三万円に対する学習帳の負担分になりますが、これが二八・四%計ししてあるわけであります。
  374. 高木松吉

    高木委員長代理 佐々木君、簡単に願います。
  375. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これまで価格の中へ入れてしまうのですか。一円九十何銭というと、これがまた九十万ぐらいになるのですけれども。
  376. 高木松吉

    高木委員長代理 野口証人に申し上げますが、よく落ちついて考えて言って下さい。
  377. 野口忠夫

    ○野口証人 それで、この全体の経費の中でのパーセントを申し上げましたが、学校生活協同組合の中での学習帳という仕事は、一年間を通じて夏冬とも交互にやってくるものでありますから、全体の学校生活協同組合の中における労力並びに経費に対する比重も強まってくるわけであります。それを大体、売り上げにおいて七五%なんでありますけれども、一応二八%と六六%、このように見たわけでございます。
  378. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 どうもおかしいですね。労務費が一円三十何銭というと、大体これが八十万ばかりですね。今の一円九十何銭ですから、これが約百万以上ありますね。それから今度そのほかに九十九銭という先ほどの余剰分が出てくるわけですね。ざっとしろうと計算しても三百万近くの金が浮いてくるわけです。そうして、十九円五十銭という原価を、しゃにむに、こういうものを入れて二十二円五十一銭としているのではないか。これはどっちにしてもあなた方があとから作ったんだろうと思いますが、こういうものが定価の中に入れられて、そうして児童に販売して、そのようなものに使うということが学校生活協同組合としての事業として生徒の前に出して決して恥ずるところがないと、あなた方はお考えですか。
  379. 野口忠夫

    ○野口証人 学校生活協同組合が学習帳を作り出すためには、学校生活協同組合自身がそれだけかけていかなければならないわけです。もしこれを独立採算制をとってきたとすれば、やはりそれだけのものが必要なのであり、もっと周くなるのではないかというふうにも考えられるわけです。学校生活協同組合が学習帳を福島県の千余の学校の五十万の生徒にこたえるためにやる事業としては、学校生活協同組合がそのような事業に対してこのような費用を見なければ、学習帳を生み出すだけの費用にならないわけです。
  380. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたは、いわゆる生活協同組合、消費組合の法律に基いて、先ほど恥ずるところがないということでございましたが、消費生活協同組合法の第九条には、「組合は、その行う事業によって、その組合員及び会員(以下組合員と総称する。)に最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行ってはならない。」と、はっきり書いてあるのですよ。しかるに、今お尋ねいたしますと、いろいろな経費――あなた方がほかの仕事を行うことや、あるいはその他無料配付をするということもいいことですが、これも一つの仕事なんです。そういうことは営利があがらなければできないでしょう。しかも、生活協同組合というのは、組会員の生活に  必要なものを扱うべきであって、学校の生徒というものは組合員でないはずです。その学校の生徒から営利を得て他のことをやるということは、営利を目的としてその事業を行なってはならないという、この第九条に違反しているとお思いになりませんか。
  381. 野口忠夫

    ○野口証人 私どもとしましては、今まで申し上げましたケースの中で営利のために使用したというケースはないと思っております。
  382. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたは営利ではないと考えても、現に行う事業が原価を上回る金が入ってくるということは、確かにこれは事業の営利であります。その営利の得るところの対象が、あなた方組合員の中から入る余剰金であれは何も申し上げません。組合員ではない他のいわゆる児童からそれを収益するということは、この第九条に違反していると私は考えますが、どうでしょうか。それは、営利でなくても何でもいいのです。営利と考えなくても、行う事業から上る金銭と解釈して、もよろしゅうございます。要するに、生活協同組合というのは、あなた方組合員のいわゆる消費組合でしよう。組合員の中で行うものがたとい損があろうと営利があっても、それはよろしいわけです。対象は、あなた方が売るということは組合員にじゃないわけです。学校の学童なんです。それに対してはどういう御解釈でございますか。
  383. 野口忠夫

    ○野口証人 私たちは子供の対象となる学習帳を出したわけでございますが、私から考えて、学校生活協同組合として、先ほどから申し上げましたものは学校生活協同組合という組合員であるところの教員が、その組合を利用し、そして教師自身がやろうとしている仕事を頼まれてやっている場合、僕らはそれを引き受けてやっているという立場でいく場合は、利益というものはやはりこれら事業費にかかった経費の一切を抜いたほかに出てくるものが利益であろう、そういうものについては、先ほどの九十九銭のとき申し上げませんでしたけれども、これについても総括的な計算の中で考えまして、そして、これがもし余剰金として出るようであったら、何らかの方法で子供たちに返すような方法を理事会に提案して考えていきたいと思っているわけであります。でありますので、組合員が利用してここに頼まれてきたこの仕事を、生活協同組合教員のそういう組合員の意思に従ってやっていく、僕らの方で学習帳を作って売り出したということではなくて、下の先生方が子供たちのために作りたいのだ、この歴史は大正十五年ごろから始まっているわけです。そしてマッカーサーの指令で教育会が解散しまして、教員組合に引き継がれまして、学校生活協同組合にきたのであって、教師としての立場でいくと、子供にこれを与えていくということは、そこで営利を目的としているというようには考えません。
  384. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それは解釈の相違です。私から申し上げれば完全な営利です。なぜならば、生活協同組合というものは、あなた方組合賃の生活に必要な物資を扱うべきものであって、いわゆるこのおさらい帳というものは児童が使うものです。その児童の使うものから、たとい余剰金が九十九銭にしろ、そのほかあなた方のいる経費というのは、全部この定価の中に盛られている。たとえば労務費にしても給料にしてもそうでしょう。そういうものがみんな扱われているということは、余剰が出たからこそあなた方の給料にみな払われているのです。それはいけないのです。それはあなた方の組合の中で行う商品の、いわゆる販売、購買によって生まれるものでまかなわなければならないのです。それを児童に売っている。先ほどから、労務費とかあるいはあなた方の給料とか、その他私が計算しただけでも三百数十万というものが出てくる。あなた方は金が残らなければ利潤にはならないと考えるかもしれないが、これを販売する行為によってすでに利潤というものはあがっているのです。だから、それはどう解釈なされても、私は、やはり営利事業だ、こういうふうに断定せざるを得ないのであります。先ほども委員長から時間がないという催促でありますので、だいぶおそくなって申しわけありませんが、まだ判然といたしませんので、あなたに対して資料を要求したいと思いますが、帰られて、先ほどのいつ会われたかということを一つはっきりしてもらいたいのと、それからまた、生活協同組合で、二十八年一月何日ですか、焼けたということでございますが、前からの帳簿はあるはずでございます。全国一律にどこも二十八年以前の帳面がないということは不思議でありますから、前任者もいることでございますから、この夏休み帳を扱ってからの経理の内容を委員長のもとにまで書類をもって御提出願いたいと存じますが、いかがですか。
  385. 野口忠夫

    ○野口証人 二十九年度きりないということになって、皆が話がそろっているように思われているようでございますが、ほんとうに福島県といたしましてはまるきり焼けてし在った。
  386. 高木松吉

    高木委員長代理 二十八年一月以降のものがなければならぬ。
  387. 野口忠夫

    ○野口証人 二十八年度以降のものならばあるわけですけれども、それ以前については困るわけであります。
  388. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それでは、以前のことは大体でよろしゅうございます。生徒児童数が一わかりますから、発行部数くらいはわかるでしょう。二十八年焼ける前のものは大体でよろしゅうございますから御提出を願いたいと存じます。これだけを一つお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  389. 高木松吉

    高木委員長代理 ただいまの佐々木君の資料提出の件について、皆さん御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  390. 高木松吉

    高木委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。それでは、野口君、その資料を提出して下さい。  濱野清吾君。
  391. 濱野清吾

    ○濱野委員 証人に変なことをお尋ねするのですが、私は過般福島県の調査の場合に出張して証人にお会いしたのでありますが、私を御承知でしょうね。
  392. 野口忠夫

    ○野口証人 知っております。
  393. 濱野清吾

    ○濱野委員 そこで、お尋ねするのでありますが、二十八年度以前の書類は一切わかりませんか。
  394. 野口忠夫

    ○野口証人 二十八年度以前の件数についてはわかりません。わかるのには、だれか持っている資料等を見てやるほかないということになります。
  395. 濱野清吾

    ○濱野委員 私はあまり意見を述べずに質問の要綱だけを述べますから、あなたも御説明なさらずにその要綱をつかんでお答え下さればけっこうです。ついでのことですからお尋ねいたしますが、ただいま同僚の佐々木君が、あなたの方の学生協は消費生活協同組合法に違反している、こういう理由でその説明をしたのでありますが、それでもあなたは違反してないとお考えですか。
  396. 野口忠夫

    ○野口証人 私たちの立場では、この学生協のやっておりますのは、先ほどの佐々木委員のような意味においての違反は全然ないと思っております。
  397. 濱野清吾

    ○濱野委員 それでは、もう一点お尋ねしておきますが、あなたの方の立場は、教職員組合の方々がその職業の立場から学習帳というものをお作りになっておるのですから、それはりっぱです。しかし、日本の法律の命ずるところによりますと、そういう場合は行政庁の認可が必要であると法律は規定しておりますが、認可がございますか。
  398. 野口忠夫

    ○野口証人 この問題について、今まで私どもがやってきましたものが、何か教職員の慣行の中で行われて参りましたし、しかも教員が組合を利用するという立場に立っての問題でございましたので、教員を通じて行われる学習帳というような問題に解釈いたしまして、これについてはそうした疑義を持たないで過して参ったわけでございます。
  399. 濱野清吾

    ○濱野委員 私は、私どもの子供たちを育て、あるいはまた育成して下さる教職員には敬意を表します。しかし、そうした特殊な立場にある人々が、今までの慣例だといい、教職員がやるのだから許されるであろうという考え方は、少し甘い考え方であるか、あるいはまたのぼせた考え方であるか、その二つの一つにすぎないと思うのであります。一体教職員組合かもしくは学生協ならば日本の法律に違反してもいいという特権がどこにあるのですか、どういうことでしょう。
  400. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいま申し上げましたように、学習帳を作るというそのことが、そもそも教師が子供に長期の休業中における学習指導と生活指導をしたいというところから、戦前の先生が始められたものが続いてきているわけでございます。しかも七生活協同組合にこれが移される場合は、やはり組合員である教師が、自分の労力を省いて、そしてなるべく安くよいものを作ろう、こういう立場で共同職人、共同編集をしてきた立場をそのまま引き継いでいるわけでございまして、僕らとしては、あくまでも、法を犯してこの問題が行われている、こういうようには思わなかった。
  401. 濱野清吾

    ○濱野委員 そうしますと、福島県の執行委員長であり、学生協理事長である野口さんが、その目的が善でありその手続が徳であったならば、日本の法律をじゅうりんしてもよろしいと言うのですか。
  402. 野口忠夫

    ○野口証人 法をじゅうりんすることについては、私はいけないことだと思います。ただ、学生協のこの問題が、私が先ほどから申し上げましたような理由で、私どもが取り扱って参りましたその立場は法を犯しているものだというようには、私たちは考えてこなかったわけであります。
  403. 濱野清吾

    ○濱野委員 これは明らかに法文に示す通り犯しているのです。もしあなたが行政庁の特別の認可を得るならばそれはよろしい。そしてそれを法文は明記しておるのであります。先ほど同僚の佐々木君がるるその内容の説明をいたしておりますが、今日ただいまこの場においても違反しないとおっしゃいますか。
  404. 野口忠夫

    ○野口証人 法的立場に立っての問題になりますと、私としましても、この問題がどのように検討されるかについては、ここではっきりとしたことは申し上げられないわけでございますけれども、私たち学生協の立場からは、あくまでも教員が自己の学校生活の教育的な能率の向上のためにこれを共同購入、共同編集したという立場を私たちとしては考えて参ったわけであります。
  405. 濱野清吾

    ○濱野委員 よく先生方の目的はわかります。また動機もよくわかります。やっていることは私どもありがたく感じています。しかし、その事実が日本の法律に違反するとするならば、どういうことにお考えになりましょうか。また現在の学生協をどうしようとしなさるのか。この点をお伺いいたします。
  406. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君に申し上げますが、そこにせっかく提示している法律がありますから、それを読んでみて考えてごらんなさい。
  407. 野口忠夫

    ○野口証人 現在の私たちの立場では、先ほどから申し上げましたような立場で、法に反するというような考え方ではやって参っておらないわけでございますけれども、教師の立場からはこのようなことが行われ得るであろうという“場で考えておるわけであります。
  408. 濱野清吾

    ○濱野委員 それは大へんな間違いです。教師の立場だけが日本の法律を犯す特権はございません。そういう考え方が間違いを引き起すものであります。私はこの機会で法理論をやろうとは思いません。しかし、これは十分お考えになるがよかろうと思います。  証人にお尋ねいたしますが、福島県のあなたのただいま違法ではないとおっしゃる学生協について、先ほど委員長からの質問のうちに、福島県当局は消費生活協同組合法に基き組合の監査を行い、また報告を徴したことがあるか、こういう質問に対して、証人は二月に一回あて監査をされ、かつまた年度末にはその報告前に監査がある、こういうお答えをしておりますが、あなたはうそをついておりませんか。
  409. 野口忠夫

    ○野口証人 非常にあわてておって、委員長の質問を明瞭にしなかったように思います。これは福島県の監査を受けたことがあるか一。僕は学生恊内においての監査はどのように行われておるか……。
  410. 高木松吉

    高木委員長代理 野口君に申し上げますが、私はうろたえておりません。ちゃんとはっきり申し上げたのです。そういうことを言われては迷惑ですから、よく考えてものを一言って下さい。
  411. 野口忠夫

    ○野口証人 訂正したいと思いますが、福島県から監査を受けたことはございません。先ほど申し上げましたのは誤りでありました。
  412. 濱野清吾

    ○濱野委員 誤まりだというのでありますから、また御訂正されたのですから、私はこの質問は継続しませんが、委員長の第七項の質問中、福島学生協はその事業に関しいかなる税を課せられているか、その税目並びに金額について述べよというときに、それは全然わからないというお話でありましたが、実際わからないのですか。
  413. 野口忠夫

    ○野口証人 資料に基いて御報告申し上げたいと思いますが、資料を持ってきておりませんので、ここではお答えできないわけであります。
  414. 濱野清吾

    ○濱野委員 恐縮でありますが、この機会にお諮りおきを願いたいと思います。それらの資料をすみやかに提出されるようお願いいたします。
  415. 高木松吉

    高木委員長代理 ただいま濱野君から申し出のあった資料を提出するに差しつかえありませんか。
  416. 野口忠夫

    ○野口証人 差しつかえありません。
  417. 高木松吉

    高木委員長代理 それでは、皆さんにお諮りいたしますが、濱野君から提出を申し入れたものを証人から提出せしむるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  418. 高木松吉

    高木委員長代理 さよう決定いたします。  野口君、その書類を提出して下さい。
  419. 野口忠夫

    ○野口証人 この資料の提出については、努力をいたしまして、集計して出したいと思います。出したいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、ないもの、があるわけなのであります。それについては、やはり、二十八年以降とか、二十九年だけでよいとか、そこのところを明瞭にお示し願いたいと思います。
  420. 高木松吉

    高木委員長代理 あなたのお持ちになっておるものを全部出しなさい。決して二十七年とか二十六年とか二十八年とか区分いたしません。お持ちにたっておるものを全部出すことにしていただきたいと思います。
  421. 濱野清吾

    ○濱野委員 第八項、委員長の質問した中でありますが、学習長の発行についてその収支を明らかにして報告したことがあるかという問いに対して、わからないということでございますが、わからないということはどういことでございますか、詳細にご説明を願います。
  422. 野口忠夫

    ○野口証人 収支を明らかにしました資料をやはりここに持ってきておりません。学校生活協同組合の全体収支についての明らかなものを持っておりませんので、それで申し上げることはできないというわけです。
  423. 濱野清吾

    ○濱野委員 二十九年度のものにつきましてもわかりませんか。
  424. 野口忠夫

    ○野口証人 今の二十九年度の学生協の全体経費ですが、これは総トータルで申し上げただけでございまして、内容については、ここで記憶している品物等についてはぼつほつは言われますけれども、確実な資料についての数字的な報告はできません。
  425. 濱野清吾

    ○濱野委員 二十八年度のはお出し願えますか。
  426. 野口忠夫

    ○野口証人 二十八年度、二十九年度については帳簿がございますので、出すことができるわけであります。
  427. 濱野清吾

    ○濱野委員 二十七年度のものは全く焼けてない、これはその通りでございますか。
  428. 野口忠夫

    ○野口証人 全く焼けてしまって、これはないわけでございます。
  429. 濱野清吾

    ○濱野委員 それではお尋ねいたします。先般福島に私どもが調査に参りましたときに、野口委員長さんはきわめて明快に、昭和二十三年から夏・冬の出版部数を、しかも何冊まで、私どもに資料をもって答えておりますが、こういうこまかい資料はどうして手に残っておったのでございましょうか。
  430. 野口忠夫

    ○野口証人 重要な部面についてはなくなってしまっているわけでございますが、冊数等についても重要書類でございますが、一応学習帳の御質問があるだろうと思いまして、その冊数について各先生方の持っていらっしゃる印刷物のようなものから、集め得るところは集めたわけであります。それでもわからないところはわからない、それから金額等についても明瞭でない、こういうふうになっているだろうと思うのでございますが、冊数等についてはわかっておったわけであります。
  431. 濱野清吾

    ○濱野委員 冊数も重要であるが、学童に売りさばいてもうかった金の出入り帳は重要ではございませんか。
  432. 野口忠夫

    ○野口証人 重要だと思います。
  433. 濱野清吾

    ○濱野委員 これらの点についてわからぬというのはおかしいじゃありませんか。すなわち、わからないところもありわかるところもあるというお答えですが、あなたはきわめて克明に、われわれが出張したときには計数をお述べになっております。しかも、昭和二十三年学生協という時代以前のものまで明細に説明をしておるのでございますが、この点はどういうわけでございますか。
  434. 野口忠夫

    ○野口証人 この販売冊数についての帳面が、一応事務員の手によって私どもこれを見つけることができまして、これはおいでになるために一生懸命調べようと思って調べたわけであります。そしていろいろな印刷物の通知の中になどありましたものから事情がわかってきたものですから、その当時はできるだけお答えしょうとしてそうした資料を持ったわけでございますが、それに対する本帳簿等はないわけでございます。
  435. 濱野清吾

    ○濱野委員 それでは、これらの書数についてはけっこうでございますが、都合のいいことだけ認めて、あなたに都合の悪いことはすべて隠秘し忌避するというような態度がありますと大へんでございます。ですから、次に私費聞いたしますが、あなたは、こうした数字を私どもにお述べになったときに、大体夏・冬のこれらの原価、すなわちでき上りの単価は一体どれだけかかっているか、こう申し上げましたときに、十九円、五十銭、少々高いようではあるけれどもかかっております。こういうことをきわめて明快に答弁しております。同時に、印税並びに編集費等につきましてはどうなっているかと御質問を申し上げましたところ、証人は、これは子供のことでもありますから、印税、編集費とも合せて一冊について一円五十銭だけちょうだいすることにきまっております。そういうことでほかに経費は別にかかっておりませんという、大へんに尊敬すべきりっぱなお言葉があったのでありますが、これは大へんな間違いであったのですか。
  436. 野口忠夫

    ○野口証人 十九円五十銭の値段につきましては、十九円五十銭ぽっきりということにはなっていなかりたのでございますが、先ほど申し上げました費用によってそれが算出されておったものを、僕としては十九円五十銭と記憶していたままお答え申し上げたわけでございますが、残りの一円五十銭につきましては、一応一円は映画に使われている、あとの五十銭は学級衣として学校に渡るということを申し上げましたが、これが夏休みの展示会の賞品代筆に使われております。それから、帰って聞きましたところが、そのほかに貧困児に無償として一円出とる、現在ではこの一円だけでとどめるわけにいかなくて、五十銭の方もそちらに使っている、こういうような状態であるという結果であったのでありますが、これについては、実は、今度だいぶ新聞に出まして、もうけているというようなことになったものですから、学校から大へん――大へんではなく、一通だけ来ていますが……
  437. 濱野清吾

    ○濱野委員 それはいいです。私はこの問題をあなたに再三お尋ねして、あなたは、私が質問を間違えておっても、その当時お答えしたことをはっきり私にお答えすることが今できております。すなわち、印税、編集費等一円、五十銭学校のリベート、こうあなたはおっしゃっておりますが、そういうようなことを私よりもはっきりあなたはおっしゃっているのです。今日この行監であなたのお言葉を開いておりますと、今度は別に編集費が出てきている。それが先ほどおっしゃっている佐々木さんのあの三円何がしかの編集費なのです。ちょうど北海道の札幌の書記長さんのお言葉によく似ている。二十七年以前のことは記録はすでにない。あなたの方は火事があったというから、まさか、ほんとうだろうと思いますが、二十七年以前のことはすべてわからない。そして、われわれが、不当な収益をしているというそろばん勘定の数字がちゃんと出ているにかかわらず、しかもそれも認めながら、すべて編集費にこれを使っていると、変った伝票を、伝票を振りかえて、そして帳簿を合せているとわれわれは見ているのであります。しかも、私は、あなたがただいま証言下すったように、あなたと十分懇談の上に、すなわち十九円五十銭の原価であるということをあなたは私どもにお告げ下さったので、この点、もう少し、ほかのことを考えずに、ほんとうのことをおっしゃってくれませんか。
  438. 野口忠夫

    ○野口証人 先ほども申し上げましたが、十九円五十銭という原価を出すための材料費、印刷費、編集費、発送費というようなものを、一応十九円五十銭で押さえておったわけでございますが、その十九円五十銭という原価計算につきましては、そこまでの問題については僕としてはあやまちはなかったと思っているわけです。ところが、実際にこまかく資料に当ってみましたら、その上に、先ほど言ったように学生協のそうしたような負担すべきものが出てきて、大体二十二円玉十銭の値段が出て参ったわけでございます。なお、これは、全体包括計算の中にある学生協の中から夏友、冬友だけを取り出して言いますので、やはりこうしたような結果になってくると私は思うわけなんです。なお、真友の一円五十銭の問題がございますが、この五十銭は、夏休みの展示会賞品として出されて、今まで慣例としてあったものですから、僕としても、五十銭は夏休みが終ってから各学校の展示会をするときの賞品として出るものだ、あるいは子供たちの学級費に還元されるものだというように考えておったのですけれども、実は、そういうことも含めて、他に一円貧困児の無償費というのが出ておったのを私はあとから知って、学校渡し価格が二十三円五十銭になって、二十四円五十銭でなかった。二十三円五十銭で学校渡しになっていたわけです。このことを訂正しなけれげならぬと思ったのですが、ああした際に申し上げて、今ここで申し上げることは非情に心苦しいのでしすけれども、学校渡しの価格は二十三円五十銭であったわけです。
  439. 濱野清吾

    ○濱野委員 心苦しければほんとうのことをおっしゃった方がいいのですよ。その方が善なんです。私はこの機会に再び確かめておきます。行監でありますから、端数は申し上げませんが、あなたのおっしゃったことを私が申し上げまして速記にとどめる必要がございますから。二十三年の夏学習帳が三十七万冊、冬が二十七万冊、二十四年の夏が三十七万冊、冬が二十七万冊、二十五年の夏が三十八万冊、冬が三十一万冊、二十六年の夏が三十九万冊、冬が二十八万冊、二十七年の夏が三十八万冊、冬が二十八万冊、二十八年の夏が三十八万冊、冬が二十八万冊、二十九年の夏が三十七万冊、冬が二十七万冊三十年の夏、すなわち本年の夏が二十五万冊、あなたの説明でありますが、これは認めますか。
  440. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいまの冊数につきましては、それに関する帳簿があったものですから、――この帳簿は本帳簿ではなくて、その冊数についてわかるものがありまして、継ぎ合せて調べて参ったものでございます。    〔高木委員長代理退席、佐々木(秀)    委員長代理着席〕
  441. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 濱野委員に申し上げますが、関連質問があると言っているのですが、どうですか。では西村君。
  442. 西村力弥

    ○西村(力)委員 今の演野委員の質問の記録が僕と違うのです。僕のは、二十三年が夏が三十七万、冬が二十七万、二十四年夏冬とも不明、二十五年が夏三十八万、冬三十一万、二十六年が夏が三十九万、冬二十八万、二十七年が夏が三十八万、冬不明、二十八年は夏が三十六万、冬二十七万、二十九年が三十七万の二十七万、こういう工合に、不明の個所がちょくちょくあったということ、私の記録はそうなっておるのです。これはどちらが耳が正しいかなんということは別として、私の記録はこうなっておるということだけを申し述べておきます。
  443. 濱野清吾

    ○濱野委員 これは特に注意いたしまして、私のノートではございません。公平に作られた事務局の報告書をもととしてこの場合は朗読しているのでありますから、その点御了承願います。  そこで、一つお尋ねいたしますが、先ほど編集費の問題につきましても二本建の御説明があった。そこで、行監の事務局が調査の結果を参考資料として報告されておりますが、これらの膨大なる出版物についてあなたの学生協で一切取扱いを行なっているようでありまして、従いまして、これの収益については相当関心を持っているわけであります。これらの収益がやはり子供たちの使っていく学習帳の定価に影響してくるものですから、その点からも私どもは重要視しているわけであります。そこで、行監の事務局の調査報告によりますと、印刷費のほか直接経費として編集費一円、梱包運賃一円と推定し、教師の手引その他宣伝物作成に五十銭と推定、学校無償配付等一円――全発行部数の約四%に当る額、展示会賞品用五十銭の経費が支出されているという。ただし昭和二十八年度以前の編集費は支出されていない、こういうような大体の費目を推定し、あるいは算定して、そうして学生協の出版しております、原価計算その他をしたわけなんです。しかも、この事務局の推定はわれわれの専門的知識から言えば非常に甘い点が多いのです。すなわち、あなたが紙代七円十六銭八厘というような数字を出しているのでありますが、行監の事務局は七円八十銭という見積りをしているのであります。これをおしなべて、大負けに負けて、相当原価がかかるであろうというあらゆる計数を入れてみましても、あなたの方では相当の収益があるわけで、あります。そういう方式のもとに計算いたしましても、、二十年度の「夏休みの友」で二百十五万四千四百十五円、二十九年度の「夏休みの友」だけで二百四十万円、二十九年度の「冬休みの友」で百六十七万円の収益があるわけであります。二十八年に参りますと、こうした計算方式、すなわち甘い推定計数をもってしましても、二十八年の「夏休みの友」で二百九十九万五千七百三円の収益がある一わけであります。さらにまた「冬休み」に参りますと二百十万二千二百二十五円の収益、があるわけであります。すなわち、三十年度の夏、二十九年度の夏衣、二十八年度の夏・冬等合算してその収益を見ますと、千百二十二千六千三百五十八円という膨大な数字が学生協に入っているわけであります。こうした収益が出るということは、あなたの先ほど来の説明を聞いておりますと不自然な数字ではございません。すなわち、二千万か幾らかのうり上げの中に、その七〇%以上がこうした子供の学習帳を販売することによってほとんどまかないがついているという御説明がございました。一体、こういうことによって、学校の先生たちの生活の向上やあるいはその維持等に必要な事業が、しかも七十数パーセントの子供の学習帳の売り上げによって維持されるというようなことが失当性を持っているかどうか。この点は非常に重要だと思いますが、理事長はどういうふうにお考えでしょうか。
  444. 野口忠夫

    ○野口証人 学校生活協同組合の総体的な運営の、あるいは実績の問題でございますが、一般の消費に対しましては思うような実績が出ませんで、全体的に言えばもっと上るべきですけれども、それが上っていないで、七、五%が学習帳になっているわけですが、私どもとしましては、学習帳を一生懸命にやっていくということになりますと、   〔佐々木(秀)委員長代理退席、高木委員長代理着席〕 どうしてもやはりいろいろな面で非常な労力と経費とがかかっておるわけでございますので、七〇%台の仕事になっていってしまうということで、私たもとしてはもっと学校生活協同組合が他の面で十分な活動をして行かねばならないのだと考えざるを得ないわけでございます。また、事務員としましては一応六人現在使っておるわけでございますが、それが現在働いてやっている。学校生活協同組合は以上のような状態に現在置かれております。
  445. 濱野清吾

    ○濱野委員 私、もっと簡単にあなたにお尋ねいたします。たとえば、あなたの方の学生協の維持はどういう仕事の内容か、あなた御説明になっておりませんけれども、学生協の売り上げというものは、その七〇%以上がこの学習帳の売り上げで、この仕事にほとんど主力が注がれているという計数が見えてきているわけです。そうすれば、別な角度からこれを説明すれば、あなたの方の学生協という、先生たちの生活に必要なあるいは生活を向上し生活を改善する、そうした目的を持った団体が、手習い帳の売り上げを土台にして経済活動をしているということになるのでありますが、この点をあなたは労組の委員長としてどうお影身になり、さらにまた消費組合の理事長としてどうお考えになるか、こういうことです。
  446. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいまのお話でいきますと、何か学習帳というものだけでまかなっておるというように受け取られておるかと思うのですが、総売上高においてはこれだけのものが上って、そのうちの七五%を占めているということは事実でございまして、それを学校生活協同組合全体の運営の中で見ますと、学校生活協同組合に対する学研帳の比重は非常に多いわけでございますが、全体のうちで人件費においては大体六十何パーセント、一般の販売手数料、販売の方については二八%、――七五%の比重ではありますけれどもそれを二八%に見て、決して学校生活協同組合のすべての経費が学習帳にばかりよっているということではないわけでご、さいまして、それほどの学御帳をやっておりますので、一部をやはり持っていただく、こういうようなことになってくるわけでございます。だから、子供に対する学制帳は、ぼくらの考え方では、最低の経費でこれを上げることができた、学校生活協同組合がやることによって多くの人の編集を経て安くできておる、これは入札の状況などについて申し上げましても……。
  447. 濱野清吾

    ○濱野委員 そんな必要ばない。要点だけ答えて下さいよ。あなたはのみ込めないと思うのだ。もうけているもうげていないは別ですよ。しかし、私どもの計算では、先ほど申しましたような昭和二十八年から二十九年、三十年、それだけでも、事務局の推定しました計数は、原価計算ば甘いけれども、それでもあなたの方の学生協のふところに入っておりますのは一千百三十二万六千三百五十八円、二年半でこういう金が入っているということなんです。そこで、あなたがもっとはっきり隠さないように説明してくれれば、もっと早くわかるのでありますが、あなたはわかったようなわからないようなことを言いますので、私の方も困っているのですが、あなたが今おっしゃった学生協という事業を維持するために人間を六名使っているとか、あるいは将来電話もあるかもしれません、あるいはまた家賃もかかるかもしれない、そういうような将来の間接費を計算に入れましても、実は経営維持の面から見ますならは、子供に売っている学生協の売り上げの収益、すなわち学習帳の収益であなたの方の組合がほとんど維持されているという計数になるのです。そういうような学生協の経常の方式がいいか悪いか、もっと端的に言えば、学習帳を作り、学習帳を高く売わりけて、その収益が二年半のうちに一千幾らという甘い数字ではあるけれども、その経費で先生方の学生協が維持され経営されるということはどういうことなんだ、私の質問はこういうことなんです。これはいいと思いますか。こういう経営のやり方は、もっとはっきり言えば、子供たちを対象とする学習帳で、先生たちは、まるっきてりではないが、大体学生協というものの事業を行うている、数字から見るとこういう結果になるのです。これは一体いいのか悪いのか、日ごろ先生とあがめられるあなた方の仲間として考えて、また良心的に反省して、こういう事業のやり方が一体いいのか悪いのかという見解を聞きたいのであります。
  448. 野口忠夫

    ○野口証人 いいとか悪いとかになりますと、これはやはり、学習帳自体が、私たちがそれによって――そちらでおっしゃった数字については不明確でありますが、学習帳を中心にして学生協が動いているのではないか、それにばかりおぶさっているのではないかという感じを持たれますけれども、そうでなくて、僕らとしては、やはり、先生方が作って与えたいという気持、それをやるのにも、こうしてこれを作ってやりたいという気持、これは子供たちの絵なんでありますけれども、そういうことにまで気を配ってやっていくということでありますが、子供を通じて教師としての立場としてはやはり当然のことだと思うのです。
  449. 濱野清吾

    ○濱野委員 学校の先生ですから、私はこういうことは大きい声を出したくないのでありますが、あなた方のそういう気持はよくわかっているのです。しかし、あなたの学生協というようなものが、もし夏・冬の要するにあなたの売り上げの七五%という膨大な売り上げと収益がなければ、あとの二五%でこの事業が維持できますかと言うのです。私は計数から見ているのです。あなたに説明をしているのだ。この計数から見て、あなたの学生協というものが維持できないではありませんか。わずか二五%ではありませんか。かりにあなた方の洋服にしましても、その他事業をやっているでしょう。しかし、売り上げがわずかに二五%の二割をかりにもうけても、あなたの事務所は維持できません。そろばんずくの問題ですから、簡単です。六人もかかえて、間接税、電話、家賃、公租公課を払って、できるわけがないではありませんか。こういう計数をこまかにはじいて参りますと、――私はあなた方の学生協というものがいいの悪いのと言うのではありません。ほんとうに先生方としては考えていただかなければならぬことではないか。学習帳という事業がなければ、あなた方の自分たちの利益のための消費組合というものが維持できない状況になっている。これは私は計数から見ている。ですから、これはちょっと反省する余地があるのではないかと思うのですが、どういうことですか。
  450. 野口忠夫

    ○野口証人 学校生活協同組合が、これがなければ成り立たないのではないかということですが、今までの学生協の立場では、これがないということは考えていなかったわけです。それで、それを包括しての上で経営が行われて参っておりますので、それを今のような立場で解釈して参りますと、ないときにはどうなるかと言えば、それでやっていくだけに考えていくことになりますけれども、組合の教職員が一応利用しようとするこの学習帳の問題を私たちとしてはやっていくという建前をとって考えてきたわけであります。
  451. 濱野清吾

    ○濱野委員 それであなたはやっと本音を吐いたことになるのでありますけれども、ほんとうのことを言うに至ったのでありますけれども、そうしますと、最初から子供たちの学習帳でこの学生協は維持していこう、そうして、ほとんどそのかたわら、先生たちの利害関係、すなわちこの組合の事業をやっていこう、こういう意図が私はよくないと言うのです。世間から見ると、子供を食いものにすると言うのです。世間から見ると、父兄のふところをねらっているということになるわけです。学習帳が高くなるということなのです。その言葉だけであなたがほんとうのことを初めて言った、こう私は考えて、この問題はこれで打ち切ります。  そこで、私は、方向を変えてお尋ねします。私どもが過般福島県に参ったときに、証人は依頼アンケートをすばらしい前文を入れておとりになった。そのときに談合の結果、委員長としてその取り消しをした。先ほど文章は私ども拝聴いたしました。そういうことをやっておって、その後九月七日付で福島教組の情宣部で何かまた変な通信を先生たちにお出しになったことがございませんか。
  452. 野口忠夫

    ○野口証人 どんなことであったか、記憶にございません。
  453. 濱野清吾

    ○濱野委員 私の手元にあるのがすなわち出した葉書であります。「速報短信」というカッコ付の文書で、ナンバ一八、七月七日福教組情悟宣部と書いてありまして、大切な記事です。全員必ず読んで下さい、こういう見出しで、しかもこれは四号ゴシックで、おかど違いの調査報告、夏・冬友にゆえなき誹謗、こういう見出しで誹謗をした文章が書いてあるのです。それから、後段の方には、やはり四号のゴシックの活字を使って、組織弾圧の手先行監の権威全く失う、と書いてある。これはあなたの方で出した文書ではございませんか。   〔証人に文書を示す〕
  454. 野口忠夫

    ○野口証人 私、ちょっと記憶がございません。
  455. 高木松吉

    高木委員長代理 出さないというのですか。記憶がないというのですか。
  456. 野口忠夫

    ○野口証人 記憶がないのです。
  457. 高木松吉

    高木委員長代理 記憶がないというのは、どういうことですか。
  458. 野口忠夫

    ○野口証人 出しているかどうかについて判定するだけの記憶を持っていないということです。
  459. 高木松吉

    高木委員長代理 あなた自身はこの問題にタッチしなたことはありませんか。
  460. 野口忠夫

    ○野口証人 私が出かけておったあとでいろいろ話が出ることはありますから、私がタッチしないからといって、その責任のがれをするわけでありません。
  461. 高木松吉

    高木委員長代理 責任のがれの問題を聞いているのではありません。あなたがタッチしているかいないかです。
  462. 野口忠夫

    ○野口証人 はっきり記憶にありません。あのような文書が私のいないときに刷られて全体の会議できまれば、出ることがありますから。
  463. 高木松吉

    高木委員長代理 あなたの答えはいつもははずしてしまうのだが、あの葉書の文章に対して、あなたは直接関係したかしないかを聞いているのです。責任の有無の問題は別です。関係したかしないかを聞いているのだから、あなた自身のことなのです。
  464. 濱野清吾

    ○濱野委員 あなたが福島でやったことを聞いているわけです。それは書記長や宣伝部長がやっているのではない……。
  465. 野口忠夫

    ○野口証人 出しているものかどうかについては記憶がありません。
  466. 高木松吉

    高木委員長代理 出す出さないという問題を聞いているのじゃありません。あなたがその文書に関係しているか関係していないか、それだけを聞いているのに、記憶があるとかないとかいう問題じゃない。
  467. 野口忠夫

    ○野口証人 直接関係はしてはおりません。
  468. 濱野清吾

    ○濱野委員 間接にはどうですか。会議に出たとか、報告を受け取りますとか。
  469. 野口忠夫

    ○野口証人 もしそれが事実であるとすれば、――また委員長にしかられるかもしれませんが、事実であるとすれば、組合の会議というものは私一人いなくとも多数で相談し合ってきめておりますから、委員長関係しなかったから委員長関係ないんだということではないのでございまして、私としては、面接的にこれに関係しなかったけれども、間接的にどうだということになりますと、出したものだとすれば、ほくは関係していると言わざるを得ない。
  470. 濱野清吾

    ○濱野委員 あなたの責任を問うておるのではありません。あなたは報告を受けたか、あるいは会議に出席して協議をともにしたか、あるいはあなたが発意してこういう文書を出させたか、情宣部長の稟議を受けてこれに署名したか、いずれにしても、どういうふうに関係したか、こういうことなんです。出したとすれば、あなたの方で出しているに違いないんですよ。それをあなたごらんなさい。
  471. 野口忠夫

    ○野口証人 あて名もないし……。
  472. 濱野清吾

    ○濱野委員 そんなことはどうでもよろしい。
  473. 野口忠夫

    ○野口証人 私としては直接この文書を見ておりませんので、ここではっきりと私どもの出したことであるとは申されませんけれども、この内容を見ると、私どもがやっておったことを相当詳しく書いてありますので、私の方で出したものであるかとも思われるわけです。思われることでありまして、これは私が合そうだということを断定するだけのことはないわけです。
  474. 濱野清吾

    ○濱野委員 重ねて聞きますが、あなたはこういうものを出すという報告を聞いたことはございませんか。
  475. 野口忠夫

    ○野口証人 今のところございません。
  476. 濱野清吾

    ○濱野委員 そういう相談にあずかったこともございませんか。
  477. 野口忠夫

    ○野口証人 文章ですが、こういうことを相談したことはあるわけです。ですから、その内容的なことは、ぼくが知っているばかりでなく、みんながそれについて知っているわけです。
  478. 濱野清吾

    ○濱野委員 そういうことを聞いているのではありません。そういうものが印刷に付されて、そうして出すとか出さぬとかというような相談にあずかったことがあるでしょう。
  479. 野口忠夫

    ○野口証人 その相談にはあずかっておりません。
  480. 濱野清吾

    ○濱野委員 それでは、何か稟議書のようなものが来ておりませんか。
  481. 野口忠夫

    ○野口証人 来ておりません。
  482. 高木松吉

    高木委員長代理 濱野君に申し上げますが、時間が経過しておりますから、簡単に結論を結んで下さい。
  483. 濱野清吾

    ○濱野委員 どうも証人は、前言を飜したり、あるいあは書類なきを理由として答弁を拒否したり、あるいはまた、まずくなるとこれを訂正したり、どうもこの行監に呼んで証言をいただこうとしても取れない状態であります。将来、この証人に対しましては、あらためて適当な機会に理事会なりあるいは委員会に諮って、どうすれば真実を聞くことができるかということについて御審議を願いたいと思います。その後私は適当な、方法でこの真実を発見したいと存じております。
  484. 高木松吉

    高木委員長代理 濱野君の申し出を次会の理事会に諮ることに決定いたします。  他に御発言はございませんか。西村君。
  485. 西村力弥

    ○西村(力)委員 濱野委員あるいは佐々木委員のいろいろな意見、考え方、そういうことに私は抗弁しようと思うのじゃございませんが、どうも証人とこちらの人々との立場が平行しているような部面が一つあると、こう思われるのです。それは、学校生活協同組合がおさらい帳を発行する、こういう業務は、これは消費生活協同組合法の違反だとこっちば断定しますが、そちらは違反で、ないと言う。こういうことは、現在、厚生省の生活課ですか、そういう立場の方面においてもまだ最後的な結論には行っていない。こちらは厳密な法解釈で違反だと言うのでしょうし、証人の方では、教育者の良心と善意、そういうものが先行してもこれはそう考えないというように、平行するわけですが、これは今後の国会の問題として処理せらるべきものであろうというように考え証人が法解釈に対して無知である、あるいは知りながら強弁しているのだ、こういう解釈は成り立たないだろうも私は現在の監督官庁の行き方からいいましてそう考えざるを得ない。そうしますと、かりにただいままでそういう工合に完全に否定されないとするならば、証人がこの業務を生活協同組合の業務としてやるのだということも認めらるべきことになってくるのではないか。そうしますと、生活協同組合の運営の多くの比重が、これで二千百万円のうち千五百万円以上のものを扱っているとなりますと、一般の会社経理ですと、やはりその中に労務費、もそれだけの比率を占めて単価も計算されていく、あるいは販売経費、そういうものも取扱い総額が七〇%ならば経費としてそのおさらい帳に七〇%を見込んで単価をはじく、こういうことになってくるだろうと思うのです。しかし、一般会社はそういう工合に経理するでございましょうが、あなたの方では、労務費との関係では、総取扱い金額ではおさらい帳が七五%を占めているのだ、しかるに労務費の単価をはじく場合には六六%にそれを切り下げておる、あるいは販売経費においては二八%に切り下げて単価をはじいておる、こういうことになっておるのでございまして、私は、先ほどの消費生活協同組合法の違反である違反でないという論争をたな上げにして、現在認められておるものとするならば、むしろその単価のはじき方に、おさらい帳に見込む労務費、販売経費というものは今少な目に見積もられているのだが、こういう御努力が将来ますます大きくなって、労務費なんかも五〇%、三〇%切り下げていって、そういう経費はゼロまでにしていく、あるいは販売経費などおさらい帳には一文も見込まないようにしていく、こういう努力が必要であるだろうと思うのです。また、そうしてそういう努力の一端がすでに現れているのではないか。あなたは相当興奮をされておりますか何ですか、答弁がいろいろ行き違って、各委員の心証を害したり、さまざまいたしましたけれども、私たちから見ますると、そういう行き方の一端がそう現われているのじゃないかと、かように思うのです。そういう意図をもって労務費あるいは販売経費を算定しているのでばございませんか。私は、助け舟みたいな質問になりますけれども、そういう工合に考えるのでございますが、どうでございますか。
  486. 野口忠夫

    ○野口証人 ただいまの西村委員のあれですが、法理論的には、法的な見解についてはいろいろ出てくるだろうとは思うのでございますけれども、先ほどから申し上げましたように、学校生活協同組合それ自体が、組合員である教師が学習帳を作ってくれという姿においてこれを引き受けてやっておるという立場から、学習帳が学校生活恊同組合の一つの事業として取り上げられておりまして、その取り上げられた事業の中で、一応学校生活協同組合の教師の依頼としての事業の中から生まれてくるその学習帳にかかる経費は、やはり生活協同組合の一般的な句括計算の中でそうせざるを得なくなってくる、このように思うて、パーセンテージでは七五%のあれでご上ざいましたけれども、むしろ二八%の状態でこれを抑えておったのでございます。そういうふうな建前でやっております。
  487. 西村力弥

    ○西村(力)委員 これらは法律上の論争ですから……。それで、この事務員にしましても、経費にしましても、それを扱うから出てくるわけなんです。事務員も、おさらい帳を全部切れば、うんと減らすことはできるのでしょうが、それを扱っているから、――扱うことの法違反であるか違反でたいいか、現状は認められているか認あられていないか、こういう論争はたな上げしまして、そうして教員の福利厚生の事業だけに限局した場合には労務費なんかはずっと下げられる。ところが、おさらい帳をやっているためにやはり書記なんかもよけいにしなければならぬ、こういう関係になってくるだろうと思うのです。しかし、よけいにしても、その費用をゼロの方向に向けていこうという努力がやはりなされているのだろう、私はさように考えるわけなんです。その私の解釈云々はとにかくとしまして、とにかく、そういう経費、労務費とか何とかというものはだんだんと少な目にしていこうという意図だけは十分に持っていらっしゃる、その意図はおありだと、こういうぐあいにお考えだろうと思うのです。違いますか。
  488. 野口忠夫

    ○野口証人 このことは当然のことでありまして、私どもとしましても、営業成績をもっと上げて、こうしたような負担は少くしていくことが至当であろうと思われるのであります。ただ、そこまでに至らないで、現在のところでは生活協同組合の全体の運営としてはそのような経理をしていかなければならなくなっているという現状でありまして、将来についてはそうあるべきだと思っております。
  489. 濱野清吾

    ○濱野委員 関連質問。こういうことなんです。夏・冬の学習帳をあなたのおっしゃるような運賃をかけて発送したり梱包したり、それからそれらの人々が、あなたの方の事務員が六名かりにいるとするならば、その人々の純粋な労働はおよそ三カ月あれば、…カ月岡みっちりやった労働時間を計算すれば、この仕事は可能だ。しかるに、実際学生協というものは三カ月だけ店を開いてあとの九カ月は店をしまうというものじゃありません。やはり継続してやっている。ですから、六人の学生協の職員は三カ月だけは完全にかりに発送その他の仕事で学生協発行する学習帳の仕手をするかもしれぬが、あとの九カ月の仕事はだれの仕事をしているか。それは先先たち自体の福利厚生のための仕事をなさっている。いわば、学習帳を売った利潤で、三カ月間だけはそれに働くが、あとの九カ月岡の仕事はほとんど先生方の福利厚生のための仕事になるのです。これを逆に言えば、子供に売ったその収益で九カ月六人の職員を雇っていかなくちゃならぬということになるのですから、すなわち、あの福島県の学生協は子供の背中におんぶして一カ年のうちの九カ月は経営されているということになるのです。ですから、それが子供たちの師表である先生たちの事業としてふさわしいかふさわしくないかということを私は先ほどから聞いているのです。あなたはその計算を把握することができなくて適当なる答弁ができないわけです。ですから、私は実はそのままにしているわけですが、この点は行監における尋問とか証言とかいうことでなしに、十分に一つ先生方のためにお考えおきがあってしかるべきだと私は考えております。法律上の問題は小さい問題だと思うから、そう取るに足りる問題じゃないと思う。しかし、弁護人のような形で西村君がおっしゃるが、これは一つ十分に翫味すべき問題であると思います。
  490. 野口忠夫

    ○野口証人 今おっしゃいました中に、三カ月だけ使っておればあとは全体の事業になるのだ、給料について言えばそうなるとおっしゃいましたけれども、私ども学生協をやっておりまして、大体給料は六六%で、半年ぐらいの負担になるわけです。しかし、これは夏と冬と二回ございまして、どうしても三月づつ、――仰せの通りのような勘定をして、大体三カ月はこれに専念する、またあとの三カ月専念するというので、人件費については六六%という半年分の見込みをしているわけでございますが、それだけで七〇%の計算をあげているものが、二八%の一般営業費だけで、あとは全体としてやっているということは、子供の学習帳にばかり負っていくというような行ぎ方ではなくして、その他の私たちの仕事の中から経費を生んでいる、そういう努力をしていることだけはおわかり願えると思うわけでございます。
  491. 濱野清吾

    ○濱野委員 これは予算経理の問題ですから、あなたが何も言葉の上でやりとりする必要はないのです。あの発送が三月もかかった、あの梱包が三月もかかったというならば、夏休み冬休みになってしまう。これは私どもがよく承知していることなんでありますが、そういう計算をして参りますと、どうしても、予算経理上あるいは労働時間あるいは効率等から考えて、これはやはり私どもは三カ月間の純労働力がこの発送、梱包その他について使われる、六人の人たちが働いてくれる、こう見ることが予算経理上正しいと思うのであります。ですから、あとの九カ月のあなたの学生協の経営はすなわち子供の背中に相当たくさんおんぶしているということは数字上明らかになってきている、そういう意味です。これ以上は申しません。
  492. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そういう責任のある立場を十分認めていらっしゃる濱野さんの言でありますので、私ども傾聴したいと思いますが、一方、私どもは、夏・冬通しての業務は間断なく行われるというようなこと、あるいは販売経費の中の金利の問題とか、そういう問題については膨大な金を借りざるを得ない、大した金にもならないかもしれませんが、そんなことやら、さまざま拠りまして、ただ簡単にというか、他の営業とそのままの考え方ではじかれることはどうかと思う点もありますので、私はそういう点から先ほどのような考え方を申し上げたのでございますが、これ以上論議をする必要もないと思いますので、これで私の質問を終りたいと思います。
  493. 高木松吉

    高木委員長代理 答弁の必要はありませんね。――他に発言はございませんか。――ございませんければ、野口証人に対する尋問はこれで終了いたしました。  証人には長時間にわたって御苦労でありました。この際証人に申し上げますが、理事会等の協議の結果、再び証人として出願を求めることがあるかもしれませんから、その点御了承願っておきます。  明二十二日は午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会