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1955-06-14 第22回国会 衆議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十四日(火曜日)     午前十一時二十九分開議  出席委員    委員長 内海 安吉君    理事 荻野 豊平君 理事 高木 松吉君    理事 山口 好一君 理事 瀬戸山三男君    理事 西村 力弥君 理事 今村  等君       伊東 隆治君    大高 康治君       薩摩 雄次君    志賀健次郎君       田中 彰治君    中山 榮一君       廣瀬 正雄君    松澤 雄藏君       久野 忠治君    仲川房次郎君       二階堂 進君    小松  幹君       三鍋 義三君    中島  巖君       松尾トシ子君    石野 久男君  出席国務大臣         建 設 大 臣 竹山祐太郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤枝 泉介君         建設政務次官  今井  耕君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正次君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 六月十日  委員有馬輝武君辞任につき、その補欠として赤  路友藏君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月十日  積雪寒冷地帯公共事業関係予算に関する請願  (愛知揆一君紹介)(第二一二五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  水防法の一部を改正する法律案内閣提出第一  二六号)     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長 これより会議を開きます。  水防法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を行います。西村君。
  3. 西村力弥

    西村(力)委員 この間資料をお願いしたのを作っていただきましたが、これはダム関係のだけでございますが、このほかにロボット雨量観測施設というものがあるはずだと思うのですが、この調査はできていないのですか。
  4. 米田正次

    米田政府委員 このほかに、現在政府としてやっておりますのは、気象台関係のものがあります。これは資料はできておりますので、今日印刷に間に合いませんでしたけれども、すぐ差し上げます。
  5. 西村力弥

    西村(力)委員 それではこの資料は、この法案が通ったあとでもけっこうでございますから、ちょうだいしたいと思います。
  6. 内海安吉

    内海委員長 米田河川局長より、竣工せる多目的ダムロボット観測所の問題について御説明があるそうであります。
  7. 米田正次

    米田政府委員 せんだっての委員会で御要求のありました観測所一覧表を差し上げたのですが、これは実は建設省で設置したものだけを書いてございます。このほかに、中央気象台で全国に設置しておるものがあります。これは雨量だけの観測施設でございます。それはあとですぐお届けいたします。ここで言っておりますロボット観測所というのは、実は俗語でございまして、正式には遠隔操作装置という方が正権でございます。遠いところで、上流で降った雨の量及び上流の川の水位が、ダム地点に早く到達する施設でございます。これは雨が降りますと、一ミリふえるごとに、自動的に電話線を伝わりまして、それがダム地点まで来る施設でございます。これが一般建設省でとっておる現在の方法でございます。  しかし、ごく最近の新しいものとしては、木曽川の水系丸山ダムでは、電線を引かないで、その観測施設無電装置をいたしまして、それで一ミリごとに短波が出てくるようにいたしまして、ダムの加点でそれを受けて、磁気的にペンでその水位を書いていくようになっております。そういう施設がございますが、これは日本ではまだ初めての試みでございまして、今後これが成功いたしますと、非常に発達をし、普及をすると思っております。従来の、たとえば猿ヶ石のような施設は、これはアメリカ式のものでありまして、アメリカから輸入をした機械でございますが、ごく最近の丸山ダム施設無電になっておって、非常に精度もいい国産でございます。これを今後は普及したい考えを持っております。  そういうわけでございますから、一口にロボット無電装置と言いますけれども、途中は電話線で来るものと無電で来るのと二通りございます。そういう区分けをこの表ではしてございます。いずれにしても、無人で、人がだれも観測施設につかないで、ある定点まで速報をしてくるという施設でございます。建設省では、お手元に差し上げましたように、水位観測所が有線、無線合せまして十四、雨量観測所が十、そういう数字になっております。  以上でございます。
  8. 内海安吉

    内海委員長 大臣がお見えになりましたので、水防法り一部を改正する法律案について、通告順により発言を許します。小林幹君。
  9. 小松幹

    小松委員 大臣にお尋ねしますが、先般、河川局長には一応お伺いしたのであります。しかし、事務的な範囲の御答弁でありました。これ以上は、あるいは政治的な線もなくては解決できないのではないかと思います。というのは、中心点は、水防法は、災害補償とか水防警報問題等を含めて、一本でやっております。ところが、水防組織は、末端の方へいくと消防組織に乗っかっておる。もちろん、水防組合等がございまして、水防団とはっきり銘を打って出ておりますが、全体として消防団に乗っておる。ところが、消防団組織というものは、消防組織法で、はっきりと全国的に中央から地方末端に至るまで確立しているわけであります。水防法の場合は、横合いから入っていって、末端で両わきに利用されている。その末端が一本化になることはいいのです。ところが上の方が、消防の方ははっきり組織立っている、水防の方は建設大臣がこれをやるという程度のところで、あとははっきりしていない。ところが、実際の被害の状況を見たときに、全国的に、一府県をあけて火災になったという例はいまだない。水防の場合は、一県はおろか、全九州にわたってあちらの河川もこちらの河川水害のるつぼにたたき込まれる。海では高潮、あすこのダム、ここの池ははんらんして、池の土手はくずれるという状態になったときは、まさにこれは火災現場以上の混乱を呈すると思うのです。そういうところから考えたときに、はっきり各県にわたっての水防網というか、水防組織というものを、平生からかちっと確立しておかなければならない。今までは、何か事が起ると、そらっというわけで、災害対策本部を設ける、国会の衆参両院災害特別委員会を設ける、いわゆるどろぼうを見てなわをなうような格好であった。それで、やはり水防組織というものを、特に日本の場合においては、はっきりしておく必要があるのじゃないか。消防においても、国家消防本部というものがあって、それぞれの関係者が寄って、定時にそういう問題について、科学的にも、組織的にも、復旧の上からも検討を加えておるがごとく、水防においても、それを完全にやらなければならないのじゃないかという段階がきておると私は考える。そういうところから考えると、この水防法の一部改正は、このことのみは反対ではございません、このことは賛成でありますが、それよりまだ積極的なものを持っているのではないかということを大臣にお聞きするとともに、最近水害期に入りましたので、自衛隊を加えて警察庁、海上保安庁、消防水防管理団体、それから気象庁も加えて、打って一丸とした水害対策本部をこしらえて、実験段階に入ろうということを聞きました。なるほど、時期が来たからけっこうでございますが、それならば、そういうことを思いつきばったりで大臣はやられておるのかどうか。あるいは警察庁イニシアルをとってやっておるのかどうか。おそらく私は警察庁がこの場合はイニシアをとってやっているのじゃないかと思う。あるいは大臣イニシアをとってやるならば、やはり思いつき、あるいは梅雨になったからという当て込みでそういうことをやるか。はっきり国家水院本部というものを建設省内にこしらえて、大臣なり、あるいはそれに関係する者、河川局長ももちろんですが、気象台関係者、あるいは自衛隊関係者、あるいは鉄道運輸関係する者、こういういわゆる一貫した水防対策というものが常住ぴしゃっと、できておったならば、何も梅雨に入ったからというわけで、あわてて水防対策を作らないでもいいのじゃないかと考えますがゆえに、そういうことは現実に今どういうふうにやられておるか。やられていることはいいのですが、もしやられているとすれば、どういうところでイニシアをとって、自衛隊あたりをどういう格好で動かして水防対策研究しておるのか。以上一点ことを、これは法案に直接というよりも、政治的に将来この水防法改正の下討論にもなると思いますので、そういう意味でお伺いしたい。
  10. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 実はお話のようなことをわれわれは進めていくために、今回の水防法改正をお願いいたしまして、これを基礎といたしまして、具体的な処理については、今お話のありましたようなことについて、それぞれ適切な措置を講じて参りたい。なお、しかし長い歴史のある消防団のようなものにするということは、一挙にできるものではないと思いますが、私はこの法案を基盤といたしまして、お話のような水防団体整備をすみやかに進めて、十分この法案の期待する効果を上げたいという考えでおります。  第二点については、いろいろ個々の問題で、それぞれ計画地方的にいたしておりますが、なお必要とあらば、河川局長からお答えいしたます。
  11. 小松幹

    小松委員 大臣は、その方には割と不勉強のように感じますが、 わかっていただけばいいので、答弁はその程度でいいでしょうが、実は大臣水防実態、あるいは組織法実態というものを、まだはっきりおつかみになっていないから、ああいうおざなりな答弁に接したのだろうと思うのです。河川局長は、今の東京なりあるいは利根川水系でやられておる、自衛隊まで動かし、警察庁あたりが一緒になってやるという、そういうことを具体的に知っているならば伺いたい。
  12. 米田正次

    米田政府委員 実際活動につきましての一般的な現在の活動方針は、水防計画のもとに府県及び指定管理団体中心になられまして、それぞれ水防協議会というものを持っておりまして、それが雨季になりますと自動的に活動いたしております。そこで、従来は市町村が固有の事務としてこれが活動の母体となっておりましたが、主管大臣としては、これに指示をしたりする権限が何もうたわれておりませんでした。そこで、今のお話のように、地方だけにまかせておくということでは適当でない、今後大きい水防活動を全国的に展開をしていく必要があるというために、今回の改正大臣指示権勧告権というものを規定したわけでございます。そこで今後の行き方としては、全国的に見た必要な勧告指示という制度をとって活用をしていきたい、こういう考え方をしております。もちろん、これには関係のものを全部含めた形で協力も求め、意見も求めて、間違いのない水防指導をやっていきたい、こういうような考え方一般的にはしております。  そこで、なお具体的な問題といたしましては、たとえば利根川の例をとりますと、利根川については、かねてから建設省中央気象台、都道府県、それから関係有識者等を含めました水防協議会というものを作っております。これが雨季前から準備態勢に入りまして、これも水防計画の定めるところによって活動をいたすように、万全の策を打ち合せしながら進んでおります。この法難一の中にもございますが、指定管理団体水防訓練をしなければならないという一項目がございます。これらの観点から、利根川については、近くいわゆる水防演習を実施する予定でございます。これには、自衛隊等要請をいたしております。というのは、実は自衛隊については、災害復旧応援はもちろんでありますが、水防についての応援もすることになりまして、建設省自衛隊との協定ができております。水防関係については、協力をするという建前となっているのであります。そういう協定の線から、今度は自衛隊にも水防活動演習協力を願うという予定になっております。
  13. 小松幹

    小松委員 そういう協議会対策式な運営でいいかどうかということを私はお尋ねするわけです。特に今までは地方団体水防組合にまかせきりで、今度初めて大臣指揮系統の上に入ったというならば、国家的な一つ組織というものが確立せない限りは、水防組織というものは、どこに災害補償や、そういう警報、予報などという一つ法的措置がくるのでしょうか。それならば、水防組織というものが確立して、責任範囲をぴしゃっとしておかなければならぬ。ただ単に協議会式、あるいは水防警報をやるものというようなところの、各個ばらばらな格好水防組織では、責任というものがはっきりしてこないと思う。はっきりしてくるためには、やはり建設大臣水防責任者であると同時に、いつもあと河川局長にまかせきりだということでは、水防組織にならない。建設大臣が一国の水防責任者であるということになれば、少くとも建設省の一角に、常住に、あるいは定例に、水防研究し、その全責任を負うところの一つのセクションというか、あるいは責任者というものがついておらない限りは、大臣だけが日本国中の水防責任を一人でとる、あと府県まかせということになる。そういう水防の、いわゆる組織立たないところの責任だけを大臣に持たせるような水防組織というものは、片手落ちであり、これは水防組織のほんとうにちんばなものである。水防法ができたときには、ほんの河川を利用する水防態勢であった、そうして河川修理と、暴風雨になったときに提防が切れぬ程度水防組織で発足している。ところが、累次にわたる台風害から、全地域にわたっての水防というものは、河川も、あるいはダムも、砂防も、高潮も、提防もという多角形的な水防組織研究せねばならぬ段階になったから、これはというわけで、地方団体から上に吹き通って大臣にまで責任がきたというならば、をの大臣責任を満足させ、しかも責任を遂行させるためには、水防国家組織というものが確立せない限りは、私はできるものではないと思う。だれの命令訓練があって、だれがけがをしたかということになった場合には、あや、ふやなもんだ。そういうことで国家補償をしていこうという、そういうことは——私は、国家補償はいい。いいけれども、そういうあやふやな、ただ単に水防責任大臣にありますということだけで、国家補償災害補償というものを積み上げていこうという考え方は、非常に未熟であると思う。少くともこの段階までくるならば、建設省国家水防本部なり組織なりを——それは新たな人員を要するというわけではないでしょう、河川局長をもって水防本部本部長なり、兼任なら兼任でいい。何かを置いて、常住そういう水防研究をし、あるいは自衛隊連絡をとる、あるいは警察庁なりあるいは運輸大臣とも連繋をとらなければならぬ。しかも、水害になったときは、この河川が閉鎖されたならばこの鉄道を通ってこういうふうに輸送する、この川が閉鎖されてこの橋が落ちたら、輸送は全部こっちでする。そのときにはこういう組織をもって貨物の運送はこりやる、こういういわゆる多角形的な研究なりを、もう組織立ってやらなければならぬ。そのとき、そのときの鼻薬みたいな対策——協議会というものが、一体それなんです。私はそういう意味から、もう少し——今度は、今さらそうできないとすれば、仕方がない。近い将来にもう一回水防組織というものを根本的に考え直して、大臣水防組織責任者である。少くとも大臣は、ただ建設大臣の職だけでなく、日本国中の、北は北海道から南は九州の果てまでの水防責任者であるという前提のもとに、水防組織をはっきりさせていただかなければ、私は今後の水防活動というものは全面的に成長をしてこない、こういうような考え方にあるわけであります。この点について、大臣の御所見と申しますか、考え方をお伺いしたい。
  14. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 実は私の申しようが足りなかったのでありますが、今、河川局長の申したのは、現在までの状況こ御報告を申し上げたわけでありまして、この法案の御決定をいただけば、今御注意を受けたような線につきまして、万般の努力をいたして整備をいたす考えでおります。もちろん、省内におきまして、現在の機構においてなお一そう検討を要する点は、御注意の点はよく守りますが、私は、今御注意のような点を予想して今回の法案提出をいたしたようなわけで、今後におきましても、これをますます完備いたすことにやぶさかではありません、そういう点に最善の努力をいたすつもりであります。
  15. 小松幹

    小松委員 それでは建設大臣防衛庁のいわゆる訓練動員ですか、あるいは警戒動員というものの協定といいますか、どういう格好自衛隊の線を動かすのか、その見立てをちょっと伺いたい。
  16. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 これは私も防衛庁長官とはよく話をしておりますし、事務的な連絡もいたしておりますから、何ら実は支障になるような問題はございません。具体的にそれぞれの地方的に計画を立てて進むつもりであります。
  17. 小松幹

    小松委員 その打ち合せば済んだと思うのですけれども、今までの自衛隊動き方というのは、噛まれたから動く。何ぼか自衛隊人気取り一つ入っていこうというような格好で動いておるけれども、それが警防団とか水防団とかあるいは消防団との権限範囲とか、そういうところが末端に行くと混線してくるののです。そうして消防団警戒の手を引いてくるわけです。自衛隊が入ってくれば、それにまかせてしまう、そうして警防団自衛隊が使われるか、警防団が使われるか、どっちかになる。そうすると、いなかのほおかむりをしたおじさんや消防団の人から自衛隊があっちに行け、こっちに行けと使われておる。それはまあそれでもいい。そういうことの指揮系統というものがはっきりしていないから、末端警防団が動かしたり、自衛隊が入り込んだときの態勢というものがあやふやであるために、いいときにはいいんですけれども、何かかっちりしたものができていないわけですね。その辺はどういうことになっておるか、ただ雇われたからというて、どさくさに加勢するという程度かどうか。
  18. 米田正次

    米田政府委員 自衛隊との協定については、建設省自衛隊とが、水防及び災害についての出動に関する協定をいたしておりますが、生命財産の保護の見地から水防出動要請いたしまして、自衛隊は、自衛隊法第八十三条の規定で災害派遣がなされる、こういう艇前になっております。そうして自衛隊要請に応じて出動してくるのでございますが、指揮命令としては、現地では水防管理者、いわゆる市町村長あるいは市町村水害予防組合組合長管理者、そういう人がいわゆる現地最高指揮権を持っておりまして、派遣されてきた自衛隊員は、事実上市町村長指揮下に入るのでございます。それで指揮命令系統は、そこではっきりしておると思います。ただ知事等は、緊急のときにこれの指導指揮をすることはできますが、建前としては、緊急事態でございますので、市町村長がすべて命令権を持っておることになっております。
  19. 小松幹

    小松委員 まだいろいろありますけれども、これで一応私の質問を終ります。
  20. 内海安吉

    内海委員長 中山榮一君に申し上げますが、あなたが要求されました大蔵政務次官は、ただいま参議院において、秘密会に出席せられて答弁中なそうでございます。どうしますか。
  21. 中山榮一

    中山(榮)委員 いつごろ来られますか。
  22. 内海安吉

    内海委員長 それはわかりません。もう討論、採決に入りたいと思うのですが、もしあれでしたら、建設大臣がお見えになっておりますから——あなたは御要望のようでしたね。
  23. 中山榮一

    中山(榮)委員 ええ、要望です。だれかありましたら……。
  24. 西村力弥

    西村(力)委員 関連して。ただいま小松委員質問に対して大臣は、水防団を現在の消防団のような組織にして今後をやっていきたい、かような御答弁でございましたが、この前河川局長意見としては、水防は時期的なものであって、これを恒常的な消防団のような工合組織づけるということに対しては異論がある、こういう答弁であったのでございます。恒常的な消防組織と同じような工合にするということは、水防団をどんな組織にしていくのか、私としては、その構想の概略だけでも今お聞かせ願えれば仕合せだと思うわけです。
  25. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 私の申し上げた意味は、この水防法に予期するような水防計画が迅速にできますような機構組織整備をいたしたいということでありまして、地方の実情に沿うように進めて参りたいと考えております。
  26. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは、せっかく大原がお見えになっておりますので、建設行政一般のことについて、住宅関係で、ちょっとあとに残しておいた点をお尋ねしたいと思うのです。住宅公団家賃は、収入の大体一〇%を見込んでおる、こういうことでございましたが、そういうことでは、決して低額所御者は入れないということであろうと私は申し上げておったわけでございます。本年の二月総理府で調査した調査表都市別世帯平均一カ月消費支出金額調べというのを見ますと、全都市にしましては家賃地代、これは二・〇%しか支出していない。東京都にしますと、消費支出総額が二万二千八百十円で、家賃地代には四百十六円しか支出していない、こういうことになっておる。横浜市では支出総額が二万六百八十円で家賃地代には三百九十五円しか支出していない。東京都ではそのパーセンテージは一・八%ですが、横浜では一・九%、こういうぐあいに出ておるのです。これが勤労者の生活の実態である、こうはっきり資料は示しておるものだと思うのです。それでありますので、家賃を一〇%に踏んで住宅を建てることは、決して勤労者対象とした住宅建設ではないという結論が、こういう具体的な資料からどうしても出てくるのではないか、かように考えられるわけです一住宅公団住宅建設は、勤労者対象とするのだと大臣はるる説明せられ、それを強調せられておるわけでございますけれども、こういう資料の前において、大臣は御意見をいききか変更なさる余地はないものかどうか、やはり住宅公団というものか一般勤労者対象こするのだ、かようにお考えですか。
  27. 内海安吉

    内海委員長 西村さん、せっかくのところですが、今水防法をやっておりまして、ちょうど大蔵政務次官見えましたので、中山さんから御直間があることになっておりますから、しばらくあとの機会にやっていただきたいと思います。
  28. 西村力弥

    西村(力)委員 これはそれ一点ですから、答弁を願いたい。あとはやめます。
  29. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 家賃の問題については、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、今われわれとしては、現在のなし得る最低の努力をいたして、なるべく安い家賃に持っていこうとしておりますので、御意見等は十分に今後も検討をいたすつもりであります。
  30. 内海安吉

    内海委員長 中山榮一君。なるべく簡単にお願いいたします。
  31. 中山榮一

    中山(榮)委員 それではきわめて簡単に御要望申し上げておきたいと思います。  水防法改正ですが、水防法改正につきましては、建設当局が非常な熱意を持っておやりになったことを、私はよく知っております。面目を改めて、大へんいい水防法になりましたことを喜んで非常に敬意を表しておるものでありますが、まだわれわれから申しますと、これで完全だということは言えないのでございます。それは水防団体です。五千の水防団体が、水防のときには一斉に出まして、風水害と戦って、最小限度災害を食いとめておるのでございますが、何にいたしましても、水防団体そのものの力というものは、これが非常に貧弱なものでありますから、水防合理化科学化機械化というものが、どうも完成しない。水防態勢の完璧を急いでおるのでございますが、そういうわけで力がないのでできない。それを国が見ていただかないと、いつも竹やり戦術で、水防しておる。これでは困るのであります。これはやはり国土防衛でありますから、国土防衛意味をもって、国がその水防団体の費用の一部を当然負担すべきものだとわれわれは思っております。そしてまた、これを出していただきませんと、この水防態勢の完璧が期せられない。そうすると、完全水防ができない、こういうことになるのでございまして、今度の改正法にも、こういうことをぜひつけ加えていただきたかったのでございます。  もう一つは、犠牲者に対する補償、これは当該水防団体、それから水防団体のないところは市町村でこれをまかなえということがあります。これを法律化したことは、一つの進歩でございますが、これはやはり国土防衛の点から申しまして、国が補償をしていただかなければいけないと思うのです。こういうことを水防団体におきましては強く要望をいたしておったのでございますが、今回の改正法案にはこれが載っておりません。これは非常に残念なことでございます。  簡単に言えという御要求でございますから、まことに簡単で要を得ませんが、要するに、完全水防のために資材、器材に対して国が金を負担する、そてから水防による犠牲者、けが人や死人が出ます、これに対しては国土防衛意味から、当然国が補償をすべき筋合いのものであるから、近き将来いにおいてこの法案改正されるであろうと思いますので、そのときには資材、器材の国家負担、犠牲者に対する国家の補償、この二点を必ず加えていただきたい。これは、私は質問ではございません、要望を申し上げるわけでございますが、これに対しまして、大蔵省の当局から一言お考えを伺いたいと思います。
  32. 藤枝泉介

    ○藤枝政府委員 水防の必要性については、お言葉の通りでありまして、ことに器材整備並びに水防による犠牲者に対する補償の問題等につきましては、十分考慮いたしたのでありまして、報賞というような制度を設けていただくことによって、一応国の気持も表わしたつもりであります。ただ、水防の必要性から考えまして、将来どうするかという御要望を兼ねてのお尋ねてございますが、その点につきましては、財政ともにらみ合せて十分研究いたしたいと考えておる次第でございます。
  33. 内海安吉

    内海委員長 他に御質疑はありませんか。
  34. 西村力弥

    西村(力)委員 運輸省所轄のロボット雨量計、水位計設置状況一覧表をいただきましたが、これは二十九年度末だけでございまして、この範囲は関東の利根川、那珂川、これ以外はほとんど関西、中国、四国、九州、こういうことになっておりますが、この施設は全国的な将来の計画を持つ必要があると思うのです。この計画について、本年度の計画におありでござていますか。それと、もう一つは、将来年次的にこれを全国的に整備していくという計画があったら、お知らせ願いたいと思います。
  35. 米田正次

    米田政府委員 今お手元に配りましたものは、二十九年度末現在における名河川雨量計のロボット施訓でございますが、これは気象台が実施をしているものが大部分でございます。河川関係としましては、予算といたしまして本年慶予算を要求いたしましたけれども、この点が話し合いがつかずに、来年度実施をしようということになりまして、この水防法改正によりまして、これを建設省中央気象台と共同してやるという建前で、来年度から実施するつもりでそういう計画をいたした。本年度は一般の普通の水位計、雨量計を設置いたしまして、ロボット式のものは来年度から実施しようということになっております。
  36. 石野久男

    ○石野委員 大臣にお尋ねしますが、先ほど中山委員から要望のありました件についての、水防に関する資材関係及び機械関係に対しての問題は、この改正法案の中では一つも触れられていないし、今大蔵関係からの案では、予算的措置考えたいということでございましたが、水防法改正についての大臣のこの問題に対する考え方と、早急にどういうふうな処置をしようかということについての所見を、この際聞かせてもらいたい。
  37. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 これは臨時的に起る問題でありますから、そのつど考える性質のものもあります。また一般的な年次的な予算に計上するものもありますので、法律の建前を基礎にして今後進めて参りたいと、話し合いは進めている次第でありますから、私としても最善の努力をいたすつもりであります。
  38. 石野久男

    ○石野委員 非常に予測外に出てくるものであるからということは、もちろんそうでありますが、しかし水防の必要とされる諸般の事情が、あまりにも広範囲にわたるために、これを防衛するための処置としての機械的な、あるいは資材的な処置が非常に重大であるので、最低限の処置をぜひ必要とすると思われるけれども、それならば従来十全、に整えられているのであるか、その点についての意見大臣に伺いたい。
  39. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 できるだけのことはいたしているつもりでございますが、どこが十全かということは、これはなかなか、自然が相手のことでございますから、私もきわめて満足だと申すことはでき、ないかもしれませんが、できるだけのことはいたしているつもりでございます。
  40. 内海安吉

    内海委員長 ほかに御質疑はございませんか——別にないようですから、本案に関しまする質疑はこれにて終了いたします。  ただいまより本案を討論に付します。討論通告順によってこれを許します。二階堂進君。
  41. 二階堂進

    ○二階堂委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となっております水防法の一部を改正する法律案に関し、討論を行うものであります。  今回、政府は、水防法の一部を改正されまして、特に水防施設に対する国庫補助の制度を明確にいたされました点等は、一歩前進したものであると私は認めるものでありますが、水防用の資材器具に要する経費並びに水防活動による災害補償に対する国庫補助の道を開く等、水防に関する国の積極的方策に欠けていることは、まことに遺憾に存じますので、政府はこれらに関する制度を一そう明確にするため、次期国会に所要の改正案を提出することを強く要望いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。
  42. 内海安吉

    内海委員長 小松幹君。
  43. 小松幹

    小松委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております水防法の一部を改正する法律案に賛意を表します。  しかしながら、その賛成というのは、改正案に盛られているところの水防法の幾分の前進を見たからでございして、現在の水防法並びに現在政府が用意しているところの改正案は、いまだ未熟なる水防、不完全なる水防態勢法律案でありまして、このことは、現在の日本水防という高度な科学的な立体的な水防計画に対して、真に建設省なり建設大臣、これに関連する者が御認識が乏しい。かるがゆえに、同じ水防法改正を提示しても、かようなこそく的な水防改正法しか提示できない。というところに、水防の概念のつかみ方の狭さと、その熱意の欠如とを見るわけであります。その例をあげるならば、水防組織というものが明確に確立していないことがある。水防組織は、消防組織以上に拡大し、科学化しまた組織化されなければ、現在の日本水防活動ということは不可能に近い。屡次の台風被害を顧みたときに、その場限りの水害対策を糊塗して、災害復旧災害復旧という名のもとに、多くの資材と財力とを投じげていることを考えたときに、事前に水防をするという態勢が一日も早く確立しない限りは、これはさいの川原の小石積みてありて、幾ら言うても日本災害復旧というものは、成り立たない。このことを考えるならば、一日も早い水防態勢の確立が先決である。そのためには、水防組織の確立、そうして科学的に一切のものを結集して水防態勢を一整えるために、金的動員をはかるということが大事であると思います。そのためには、現在作られつつある自衛隊なるものを高度に活用して、自衛隊がこの水防活動の前面に出てくることもまた必要であると私は痛感するものであります。そのことが、やがて自衛隊を、軍国自衛隊でなくして、治山治水あるいは災害防除のためのいわゆるほんとうの国土防衛隊の前進になり、歩み寄りになると考えるがゆえであります。  さらに、先ほどからも他の委員から説明されたように、水防の器材がほしい、その器材を集めるために金がほしいという要望が多々ございます。しかしながら、法律が不完備であり、態勢ができていないところに、どうして予算が盛られるか。今の水防活動に予算を盛られるのは、今度初めて災害対策とさらに費用の補助が出た程度であって、根拠とする補助の法律がないのである。態勢が整っていないところに金を持ってきてくれる道理がないとするならば、資材の金をくれ、水防の金がほしいという前に、国家水防態勢というものをはっきり確立して、責任範囲とその仕事の量と、何をなさんとするかという、その科学的な検討をした後に、初めてそれに伴うところの予算なり、資材なりというものが多く投入されてしかるべきだと考えるならば、今後政府はこの水防活動態勢強化に全面的な努力をして、一日も早く災害なき国次を確立することを、私は強く要望したいのであります。このことにおいて、責任ある水防態勢の強化、それに伴う科学的検討、それに伴う国家予算の投入等を条件に付して、この水防法の一部を改正する法律案に賛成いたします。政府は、私の要望するところ、警告するところを十二分に聞いて、次の国会、あるいは今国会でもかまいませんが、おそらく来国会等に
  44. 内海安吉

    内海委員長 次に中島巖君。
  45. 中島巖

    ○中島(巖)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、水防法の一部を改正する法律案に賛成をいたすものであります。  その理由といたしましては旧水防法より、今回政府が提案されました水防法の一部を改正する法律案は、一歩前進しておるということでありますが、ただし、考えてみますと、年々の災害は非常に莫大なものでありまして、従いまして、この防災をいかにするかということが、非常に重要な問題だと思うのであります。さらに、本案においては明確になっておりますけれども、災害対策災害予防の二つの方法によってになわねばならぬ、かように私考えるのであります。従いまして、災害対策の面におきましては、先ほどより各委員から要望がありましたように、保安隊などを大規模に動員するような組織が必要ではないかと考え、従いまして、本法案は絶えず一歩前進せねばならぬというように感ずるのであります。  第二といたしまして、防災の立場による災害予防であります。この点は、私かって長く県会の土木委員長などをしておりました体験から考えまして、非常な大工事は別といたしまして、普通の災害におきましては、わずかのじゃかごの準備があるために、数百万もしくは数千万を要するような災害の防御ができた例がたくさんあるのであります。従いまして、政府は予算措置を講じまして、そしてこれらの大災害を未然に防止するために、水防小量であるとか、あるいはじゃかごであるとかいうものに対しまして、一部補助を講ずる措置をこの法案の中に盛り込まねばならないと、かように痛感するのであります。本法案は、旧法より一部前進いたしてはおりますけれども、災害予防に対するところの、すなわち防災に対するところの考え方が基本的におくれておるというような、かような感じがいたしますので、政府は一段と万全の御研究を願いまして、次期国会には実態に即するような法案提出されんことを希望いたしまして、本法案に賛成いたすものでございます。(拍手)
  46. 内海安吉

    内海委員長 次に石野久男君。
  47. 石野久男

    ○石野委員 私は労農党を代表しまして、この法案に賛成をいたします。  この法案が、現在の水防法よりも、部分的ではありますが、前進しておるという意味において、賛成するのでございます。しかしながら、水防の問題は、ひとり水防法だけでその目的を達せられるものではないので、当然これは治山治水の問題や、あるいはすでに行われておる災害対策等に対する手当との関連の中で、水防法が完璧を期されなければならないのだと思います。しかるに、政府の本年度の予算等における措置を見ますると、治山治水専一に対するる経費はむしろ減っている。また災害対策についても、それだけ積極的な打ち出し方が出ていない。従って、この法律案の意図は、幾らかのより進んだものはあったといたしましても、本質的には水防を完璧にすることはでき得ないということの憂いを残しておると思います。われわれはこういうような法案を提示される前に、少くともそのもとに帰った治山治水、あるいはまた災害復旧等に対するもっと積極的な態度が、政府の中からこの方面に対する誠意として出てくることを、より一そう期待したいのでございますが、そういう点に欠点があるということを指摘しなければならないと思います。  また水防法改正に当って、先ほど来各委員からも指摘されておるように、この法律案は、この水防に対する資材あるいは資金等、そういう面での対策が非常に不備であります。むしろ水防を、人海戦術において防ぎとめようとする全く幼稚な観点に立った改正であります。こういうような改正は、決して本質的なこの法律の改正にならないということを指摘しなければいけないとこういうように存じます。政府は、累年にわたるところの災害によく心していただいて、そうして水防に対る考え方についても、もっと科学的に、もっと組織的な面での充実がはかれるようにしてもらわなければいけないと思います。私どもは、そういう観点に立ちまして、この法案に不備な点があることを十分承知しながらも、なお現在の法律よりも一歩前進しておるということの観点に立って、この水防法に関する一部改正案に対して、賛成の点を表するものであります。
  48. 内海安吉

    内海委員長 これにて討論は終結いたしました。  水防法の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。本案を原案の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  49. 内海安吉

    内海委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。本案に関しまする委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 内海安吉

    内海委員長 御異議なしと認め、さように取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午後零時二十九分散会      ————◇—————