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1955-06-24 第22回国会 衆議院 決算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十四日(金曜日)     午前十一時三十三分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 赤澤 正道君 理事 椎名悦三郎君    理事 山本 正一君 理事 徳安 實藏君    理事 山中 貞則君 理事 山田 長司君    理事 吉田 賢一君       床次 徳二君    本名  武君       關谷 勝利君    三鍋 義三君       細田 綱吉君  出席政府委員         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         国税庁長官   平田敬一郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (国税庁長官官         房会計課長)  喜田村健三君         大蔵事務官         (国税庁税部         長)      村山 達雄君         大蔵事務官         (国税庁徴収部         長)      中西 泰男君         大蔵事務官         (関東財務局         長)      渡辺 逸亀君         日本電信電話公         社総裁     梶井  剛君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  秋草 篤二君         日本電信電話公         社参事         (経理局会計課         長)      山本 正司君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      保岡  豊君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 六月二十三日  委員生田宏一辞任につき、その補欠として太  田正孝君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員太田正孝辞任につき、その補欠として生  田宏一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人招致の件  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十八年度政府関係機関決算報告書     —————————————
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  前会に引き続き、昭和二十八年度決算大蔵省所管について審査を進めます。それでは昭和二十八年度決算検査報告九十五ページより百二十七ページに至る報告番号五四ないし八三三を一括議題とし、そのうち審査促進のため昨日同様重点事項中心審査を進めます。質疑通告がありますので、これを許します。  なお本日はいろいろな事情がございまして、定刻より遅れましたことを御了承願います。なお本日は午後も質疑を続行する予定でございましたが、先ほどの理事会の申し合せによりまして、午前中で本日の質疑を終了いたしたいと思いますので御了承願いますと同時に、委員各位の御協力をお願い申し上げます。  なお政府側出席者を申し上げますと、大蔵省窪谷管財局長国税庁からは平田国税庁長官村上直税部長中西徴収部長、喜田村会計課長渡辺関東財務局長電電公社梶井総裁靱副総裁秋草経理局長会計検査院からは保岡検査第一課長が出席しております。  それでは質疑に入ります。吉田賢一君。
  3. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 まず百十三ページの報告番号一〇四、国有財産巴冷蔵株式会社に売却しました案件でありますが、昨日の委員会におきまして御説明があったようでありますけれども、非常に重大な疑点がありますので伺ってみたいのであります。財務局長に伺いますが、あなたの方で昭和二十五年十二月に土地及び工作物巴冷蔵株式会社に総計四百九十六万余円で売り渡しているのでございます。私ども調査によりますと、これは築地の五丁目でありまして東京中央に位する非常に経済的に重要な個所であります。ところがこれが二十五年の十二月に四百九十万円で売却せられて、二十六年の十一月には農林中金で二千万円の担保権設定している。それからさらに翌年の二十七年の七月に水産加工業協同組合債権者としまして二番抵当に二千百八十五万円設定している。それからさらに同年の九月十七日には三菱電機会社債権者といたしまして千五百万円の三番抵当設定している。それから翌年二十八年七月には水産加工業協同組合債権者といたしまして九百五十九万余円の四番担当設定して、合計六千六百三十九万円の抵当権を二、一年の間に設定している。国は四百九十万円で売り渡したものが二、三年の間に六千数百万円の抵当権設定せられているのであります。これは実に不思議であります。もし四百九十万円、五百万円が妥当な売り渡し価格であって妥当な時価であったとするならば、国の金を使っております農林中金が二千万円の抵当権設定したということも実に不思議であります。こういうふうに私ども調査はなっているのであります。この事実に間違いがないのかどうか、一つ財務局長の御答弁を願います。
  4. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 お答えいたします。ただいま御指摘の事実については間違いございません。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういたしますと、四百九十六万円の価格で売却されたものが、二、三年分うちに六千数百万円の抵当権設定されるということは実に不思議に思う。これに対してどう考えるか。
  6. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 抵当権設定は行われましたけれども、それはその土地だけでもってそれだけの金額抵当権設定されたわけでなくて、他の物件とともに抵当権設定されておりまするで、その抵当権価格当該土地価格にすぐ見合うということにはならないかと存じます。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからば他の抵当物件はどのくらいの価格のあるどういう物件になっておりますか。
  8. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 他の物件と申しますのは、この会社北海道の函館市において水産物加工工場を作ったのでございまして、それが一緒に抵当権設定されたというふうに聞いておりますが、その価格幾らであるかということは、ただいまちょっと手元に資料を持っておりませんので、はっきりした御答弁を申し上げられないのであります。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 北海道抵当物件幾ら価格であるか、どういう内容物件であるかわからぬというのでは答弁にならぬ。あなたはここへ来るのについて、この問題については用意はして来なかったのですか。また関東財務局といたしましては、会計検査院の注意を受けて昭和二十九年十二月に契約を解除したということが、この検査院報告書に載っておる。こういうような事項になっておる以上は、すでに経過内容財産の種類等々について詳細な調査書類ができておらなければならぬと思うのですが、それがないのですか。
  10. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 私が現在まで調査し、また聞いておりますところでは、北海道水産物加工工場を作るために、農林中金を通じて二千万円金を借りて作ったということに聞いておりますので、おそらくその額が他の物件の額であろうというふうに考えております。調査不十分の点は一つ……。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それを聞いておるのではなしに、あなたの方では、会計検査院批難事項になり、契約を解除しておるというようなこういう事態になっておりますので、詳細な調査書類を作成しておるのではないか、こういうのです。
  12. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 もちろん私の方としても抵当権設定幾らであるかというようなことは調査いたしましたが、御指摘のことについてのこまかいデータをただいま持っておりません。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 管財局長に伺いますが、あなたの方でこういうような会計検査院批難事項になったようなものを、当該財務局長の下で詳細な調査書類報告書類なんかを作成するということにはしないのですね。
  14. 窪谷直光

    窪谷政府委員 これはもちろん当該財務局において詳細な調査をいたしました上で、善後処置をすみやかにとるべきものでございますが、おそらくこの件につきましては財産所在地北海道でありますために、北海道財務部の方に調査を依嘱したりいたしておりました関係上、まだ的確な調査ができてないのかというふうに想像いたしております。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 本財産所在地東京中央区の築地なんです。今お述べになりました他の財産北海道にあるにすぎないのです。でありますから、関東財務局において東京の資産を中心にいたしまして、詳細な書類報告書ができておらなければならぬと思うのですが、現在の段階はこれはどうなっておるのですか。
  16. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 現在の段階は、昨年の七月二十六日に当該築地土地が競売執行されたという報告を受けたのでございます。これは用途指定違反になっておりますので、ただちに用途指定違反理由による契約解除を、本省の承認を得た上で十月一日に通告いたしました。現場の返還またはそれができない場合は損害賠償を請求するという通告をいたしました。引き続き原状回復にかわるべき損害賠償額を算定いたしまして、これを大臣の承認を得まして求償額四千百万三千円を先方に要求いたしました。また同時に法務省へ連絡いたしまして、本件損害賠償請求訴訟を提起することを依頼いたしました。また同時に財産の散逸を防ぐ目的で破産申請をいたすことにいたしまして、これも法務省に依頼いたしましたが、法務省の方において現池北海道の方を調査いたしました結果、破産申立処理をしても実益がないということが判明いたしまして、破産申請の申し立てをすることは打ち切るという通知がございましたが、現在では訴訟の手続を依頼いたしておりますので、訴訟の手段によってその損害を請求いたす段階になっております。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今の御説明を聞きますと、巴冷蔵破産申請をしたけれども破産の結果は価値がないので、それを取りやめにした、こういうことになるようであります。そういたしますと、これは全く国は莫大な損害をかけられて、その回収すら今日は見通しがつかぬというふうに考えられる。管財局長に伺いますが、二十五年に破産をするような、当時の経済状況は存じませんが、そのような信用のできない会社に約五百万円で売ったものが、その後地のものに四千万円以上で売られておる。抵当権設定も、ほかの財産がどれほどあったか存じませんけれども、どうせ破産しても価値のないようなものを持っておる会社財産ですから、大したものでないと私は推定いたします。そういうようなので六千万円の抵当権設定されておる。どこから考えましてもやはりこの物件は非常に不当に格安に売却されたものでないかということが容易に想像されるのです。こういうことにつきましてあなたの方で御検討になったかどうか、はっきりしておいてもらいたい。
  18. 窪谷直光

    窪谷政府委員 私の方で検討いたしました結果は、二十五年の五月にちょうど隣接の土地でありますが、約五千五百万円という売買実例がございました。なお当時財務局から精通者意見として東京信託銀行の鑑定と申しますか、評価を求めておるのでありますが、それが六千円ということに出ております。この土地は戦災を受けまして地上にいろいろな残骸があったというふうな状況でございましたので、その整地費として地価の百分の二を控除いたしまして、坪当り四千八百三十円ということで契約をいたしております。当時より土地の値上りが非常に急激でありましたために、その後だんだんと地価が上って参ったのでありますが、まあ当時の状況としてはこの程度価格でやむを得なかったのではなかろうかというふうに考えられる次第であります。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方の調査はどうも十分でなさそうであります。第一、約五百万円で売ったものが二、三年の間に約六千万円以上の抵当権がつくということは、これは不思議にお思いにならぬでしょうか。北海道所在財産が何ほどあったか、これは今のところわかりませんけれども破産会社が持っておるものだから大したものでないということは容易に想像されるのだが、そういうことはよく御検討にならなかったのであろうか。これはやむを得ませんから、関東財務局長それから管財局長責任で、一つ詳細な経過それから抵当物件の一切の内容、そういうものを一つ至急に本委員会資料として出していただきたいと思います。そういうふうにお計らい願います。どうぞ委員長お願い申し上げます。
  20. 上林與市郎

    上林委員長 今の資料は提出願えますか。——それじゃ了承いたしました。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それら国税庁に伺いますが、昨日の委員会におきましてお尋ねいたしておりました、五千万円以上の大口滞納の問題であります。この問題につきまして、一つはっきりしておきたいと思いますのは、石綿パイプ製造業の問題でありますが、これは五千六百万円の滞納であります。この会社はその後、滞納いたしました後に相当額増資をしておるという事実も聞き及ぶのですが、そういうことはあるのですか。
  22. 平田敬一郎

    平田政府委員 御指摘通り増資をやっておるようであります。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつ、何ほど、どういう方法増資をやったか、説明して下さい。
  24. 平田敬一郎

    平田政府委員 今その日付と具体的な金額は明確でございませんが、私の方の調査では、最近滞納期間中に増資をやりまして、そのために無理な配当をし、また利益も若干無理な利益を計上していたという事実は明らかでございます。いつ幾日、幾ら増資したかということは、後ほど……。
  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私が不思議に思いますのは、この五千六百万円の税金滞納して、そして増資をして、株式の配当を一割もして、そしてこれはまだ処理ができない、こういうようなことは、これはやはり国税庁といたしまして、こういう大口滞納に対する管理方策というものが、適切でないことに由来するものでないかと思うのであります。増資がどういう理由でなされ、またどういう内容増資になるか存じませんけれども、このような増資をする場合には、やはり税金を先に支払うとか——ただし、税金を支払うために増資をすると、なかなか増資も困難でないかと思いますが、あるいはこれがどこかの債権者に払い込んだ分が取られてしまったのか、何か増資をし配当をするというような場合には、もう少し滞納整理が適切に行くのじゃないであろうか。やはりこれは管理措置がよろしきを得ないということではないかということをどうも疑うのでありますが、その辺どうお考えになりますか。
  26. 平田敬一郎

    平田政府委員 お話のような頭で考えて対処することは、私どもも同感でございます。本件は、昨年の四月末に一億三百万円ほどの滞納でございましたのが、その後減りまして五千六百万になっておるわけでありまして、もちろんお話のような趣旨でできるだけ納税促進をはかったことは明らかでございます。それにいたしましても、そういう機会に全額徴収すべきではないかという御意見も、これも一つの御意見と思いますが、なお当会社につきましては、昨日来の当委員会のあれもございましたので、目下さらに東京局納税者との間に話し合いを進めさせまして、近く結論をつけまして、はっきりしたことを当委員会でお答えするつもりで、今そういうことで進めておりまして、そう遠くないと思いますので、その際に最後のお答えをさていただきたいと思う次第でございます。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの資料番号の十でありますが、パルプ製造及び紙製造製紙業の分であります。この分につきましても、やはり差し押えがあって、二割の配当をしておるということでありますが、この差し押えというのは一番の差し押えになっておるのかどうか。あなたの方からは、五億円以上の財産差し押えてある、こういうふうな御説明がありましたが、その点も少しふに落ちない感じがするのです。これは一番の差し押えになっておるのかどうか。一体実価どれほどのものが優先的にあなたの方で取れる見込みがあるのか、一つその点の説明を願います。
  28. 平田敬一郎

    平田政府委員 国税が優先するのは三千二百万円程度ございますが、五億円というのは簿価でありますので、実価から考えると、なお国税収入には差しつかえないと認められる差し押えはいたしておるという状況でございます。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 五億円以上の財産差し押えて、三千数百万円しか優先的に配当を受けられないというのであるならば、かなり不良な状態である。そういうような場合になお二割の配当を黙認するというのはいかがかと思う。それはもっと積極的に管理するということが適当ではないかと思うのであります。要するにこれらの問題につきましては、全部こちらでわかっておりますけれども、一々名前をあげることはこの際は差し控えておきますけれども、五千万円以上の数十会社、個人の特殊なこういう案件でありますから、やはり国税庁といたしまして、もっと系統立った管理方策というものをがっしりと立てられて、そうしてなお、たとえば銀行債権者として会社経営に関与するがごとくに、ある程度もっと密接な関係を持ってこの管理方策立てるというくらいにしなければ、こういうものはできないのじゃないか、どうもそう思うのであります。今の実例によっても、二割配当して、五億円の物件が三千万円しか優先配当を受けられないというような、そんなだらしのないような、しりにくっついたもので——五億の物件を競売いたしまして三千万円といったら約二十分の一です。そういうものは取れるか取れないかわかりません。物価の変動いかんによりましては取れないかもわからぬ。そういうものに二割の配当を黙認して、七千万円の税金を取らずにじっと見ておるということは、私は適当じゃないと思う。そういたしますと、要するにこういうような重要な大口滞納に対しましては、もっと積極的に根本的に管理方策立てることがこの際一つ案件じゃないかと思う。これについてあなたはどうなさるおつもりですか。
  30. 平田敬一郎

    平田政府委員 私の説明が少し正確を欠いたかと思いますが、三千二百万円は、国税が優先する金額が三千二百万円でありまして、残余の分は、担保債権の次に国税がきております。工場財団であります関係上全体を通じて差し押えておる。五億くらいのものを差し押えて、国税が優先して取られる分が三千二百万円でありますが、これは簿価でありますので、実価から考えてみると、差し押え自体に関する徴収上の不安は本件に関する限りはないものと思っております。ただお話通り、一方で配当をしているくらいなら、もうちょっと促進策をはかって早く完結すべきではないか、こういう点につきましては、私どもできるだけそういう頭でやっておりますので、本件につきましても、さらに先ほどお答えいたしました通り、もう一ぺん今の状況納税者につきまして再検討して、できる限りお話のような趣旨納税促進をはかるように努めて参りたい。それもいずれ近く結論を出しまして、その機会に重ねてはっきりした結論を申し上げさせていただきたい、こういうふうに考えております。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は一刻も早くお取りなさいとは必ずしも申さぬ。それはやはりできるだけ納税者の立場も考慮せられて、そうして殺してしまうことのないような措置が一番いいのじゃないかと思いますので、ただちに必ずしも殺してしまってお取りなさいとは申し上げません。ただしかし特殊なこういう案件でありますから、もっと経営に密着せられて適切な管理方策をお立てになるのでないといかぬのじゃないか、こう申し上げるのです。これとても数年経過しているのじゃないでしょうか。これらのたくさんの二十数件の五千万以上の滞納というものが相当だらだらと長らく経過しているように思われまするので、やはりこれはもう少し積極的に、繰り返すようですけれども銀行が営業に関与するごとく、こまかい点まで注意なさっていくのがほんとうじゃないかと思います。でありますから、これにつきましては、全体といたしまして一つさらに方針をお立てになるのでないといかぬのじゃないかと思われます。ことにまた差し押えにつきましては、どういうような標準で三千数百万と言っておられるか知りませんけれども、これがもし帳簿価格ということでありましたら、その価格ほんとうやらうそやらわかりませんから、時価なり相当な評価をするということを適切におやりにならないといかぬと思います。一体三千万円とか五億円とかいうのは、価格の基礎は何によって計算されたのでありますか。
  32. 平田敬一郎

    平田政府委員 大口滞納者管理についての御意見は非常にごもっともでございます。実は私どものところも各国税局に徴収官という少し上級の官吏を配属しておりまして、大きな滞納につきましては一件々々責任者をきめまして、その責任者お話のような趣旨で、お話のような頭で滞納整理に当るように、従来も努めておるのでございますが、今後ともなお一そうその態勢をますます強化いたしまして、遺憾のないように措置いたしたいと考えております。  それからなお三千二百万というのは優先する国税金額であります。五億と申しますのは工場財団簿価であります。この五億の価格が、いざ売却する場合には幾らになるか、その辺のところは相当な増減があろうかと思います。しかし約五千万円の滞納に対しまする担保価格でございますから、今のところ不十分だとは考えられません。ただしかしそれはそれといたしまして別途にいろいろな方法を講じまして、増資もやっているし、配当もやっているほどでございますから、できるだけただいまのお話内容に一そう立ち入って調査いたしまして、早く処理できないかどうかということを至急検討いたしまして御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 七千万円とか、一億五千五百万円、一億五千六百万円、こういうような滞納額は、加算税とか利子税とかいうようなものの計算は別なものですか。
  34. 平田敬一郎

    平田政府委員 一部入っている建前で調査いたしておりますので、入っておると思います。なお本件は昨年の四月末が九千九百万円の滞納でございましたが、ことしの三月末で七千万円になっている状況でございます。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから資料番号十四の石綿パイプ製造業でありますが、これはあなたの方は三月末現在になっておりますが、最近七千万円をこえるのじゃないでしょうか。
  36. 平田敬一郎

    平田政府委員 その後ふえておりません。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではこれは一つ国税庁長官に御希望を申し上げておきます。ほんとうをいえば一々について全部ここで直接にわれわれも審査してみたいのでありますけれども、これらの人々がそれぞれ営業しておられますから、そういうことも考慮いたしまして、私どもといたしましては、この際は希望だけにとどめておきますが、やはり積極的な特にそれぞれ堪能な担当者をおきめになっておるようでありますけれども、そういうこと以外にいろろの角度からい配当が批判されるようなことのないように、一つ管理方策を新たにするという意気込みで方針をお立てになり、適当な機会にその業績を当委員会に御報告願う。こういうふうにいたしたいと思いますから、お願い申し上げておきます。
  38. 平田敬一郎

    平田政府委員 了承いたしました。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 関東財務局長日本電電公社代表者はだれが来ておられますか。
  40. 上林與市郎

    上林委員長 きのう各委員会からいろいろ出席要求がありました。その中で政府関係機関だけは呼んでおります。電電公社総裁、副総裁経理局長が出席しております。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは電電公社代表者にお尋ねいたします。この検査院報告番号一一六、百十五ページ、東京都の元陸軍少年通信兵学校でありました土地及び建物土地が二万六千四百五十二坪、建物四千九百五十五坪、約五千坪であります。このものはこの使用料が三十七年四月から二十九年三月までの分が百三十五万円余り、これがまだ支払われていないようでありますが、これはどういう理由に基くものでありますか。支払わぬでもよい正当な理由があるので、これは支払っておらぬのであるかどうか、一つ説明を願いたい。
  42. 梶井剛

    梶井説明員 この土地建物昭和二十一年から当時の逓信省で拝借しておりまして、そうして通信学園に使って、従業員の再養成をしてきておったのであります。それが二十六年に学園が他に移転いたしました。ところがこの建物の中には学園の教職員並びに学生が寄宿いたしております。新しい学園においてはかような住宅がなかったために、従来通りそこに居住いたしておりまして、新しい学園へ通っておったのであります。従ってこのことにつきましては大蔵省の方へ私どもとしましては従来通り住宅としてこれを拝借したいということをお願いしておったのでありますけれども、この土地建物につきましては、さらに他の用途に使うというような意図がありましたので、その交渉がはかばかしく進行いたしません。そうしてその後だんだんいろいろの経緯を経まして、つい最近になりまして大蔵省との話し合いがつきまして、住宅として借用願えることに相なっております。でありますから、近くその目的で契約が結ばれるはずでありますから、契約が結ばれますれば徴収令書が大蔵省から出されまして、私どもは過去にさかのぼってお払いしなければならないというふうに考えておる次第でございます。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ごく最近に話がついたのなら、何も大蔵省との間に契約書をこれから取りかわし、これから使用料をきめる、そういうことはなかろうと思います。話がついた場合に契約書ができ使用料もきめ、支払うべきものは支払うようにすべきだと思うのですが、関東財務局長はどうなんですか。
  44. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 最近話し合いがついたわけでございますが……。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとお待ち下さい。ここでは最近とかそういう抽象的なことでなしに、何年何月にどういう方式でどういう趣旨契約ができたとかいうように——相当時間も制約されて進んでおりますから、同じところを繰り返しの質問をしないでいいように、時間とか場所とかあるいは方式とか金額、そういうものを一々の際におっしゃつておいてほしいと思います。ぜひ一つお願い申し上げます。
  46. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 話し合いは本年の五月三十一日にまとまりましたが、ただいま実測中でありまして、実測ができますと契約にいたす予定にいたしておりす。それまでなお過去の使用料の問題につきましては、どの部分を電電公社にお貸しするかという範囲が確定いたしておりませんでしたので、できるだけ早く範囲を確定して、確定次第過去の分についても使用料を納めていただくという方針で今日まで参っておりましたか、話がつきましたからできるだけ早く納めていただくつもりでおります。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはすでに二十八年度の検査院報告によって批難されておる事項であります。話がついてから実測するというそんな手間ひまをかけなければならぬものなのでありましょうか。交渉の過程においてどれだけ貸すとか貸さないとか、目的とか金額とか、そういうことははっきりすべきではないでしょうか。これは二十八年度の検査院報告なんであります。もうすでに長らくになるのでありますから、今日なおそういう段階にあるというのはどういうことなんですか。もう少しそういうことをてきぱきと進めることはできないのでしょうか。
  48. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 おくれたことはまことに遺憾でございますが、ここにあげてございます面積は、中間において電電公社と折衝したときの面積でございまして、その後最終的にきまりました面積は違っておりますので、金額で納入していただくということはまたあとで訂正しなければなりませんから納入の告知書を出しておらなかったわけであります。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば検査院に伺います。検査院では二十七年の四月から二十九年の三月まで使用料を百三十五万七千四百円というふうに判定しておられるのでありますが、この期間に支払うべき相当使用料はこれだけである、これは間違いない御判定なんでありましょうか。
  50. 保岡豊

    保岡会計検査院説明員 お答え申し上げます。全面積八万三千四百四十四坪、建物九千百十七坪、これを検査に行きましたときに使っておりましたので、われわれの照会はそれをもって照会したわけであります。その照会のときは二十九年の四月であります。ところがその回答は二十九年の十一月二十二日、その訂正として十二月の十一日に参りました。それでその回答といたしまして、こちらから一方的ではあるが、使用認可を相手方電電公社にしたものは二万六千坪、建物四千九百坪である、使用料は今おっしゃいました百三十五万七千四百円であるから、これで徴収決定したい、しかしまだ徴収決定はしていないという回答を受け取りました。それでさきに現地で見たところと違いますけれども、内輪に見ましてこれを掲げ、ここに報告申し上げたわけであります。従って最後の備考をごらんいただきますと、(ア)におきまして「なお、数量は貸付期間中の最終のものを示す。」(イ)において「徴収決定していないものについては当局者計算の見込額を掲げてある。」と断わってある次第でございます。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると財務局長に伺いますが、昨年四月照会を受けて十一月に回答しておられる、徴収決定をすればできるはずで、せなければならぬものと思うのです。今日なおしておられない、さきに述べました二万六千何がしの土地と約五千坪の建物、こういうものに対する徴収決定をすればでき得べきはずだと思うのですが、どうしてしなかったのですか。
  52. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 検査院と重複いたしましたが、この金額及び坪数につきましては、一応の試算として検査院には御回答申し上げたのでありまして、局としてこれだけの金額を決定すべしという意思決定は、当時まだいたしておらなかったわけでございます。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 意思決定をなぜしなかったかと伺っておるのです。
  54. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 ここにあげてある坪数面積につきましては、最初関東財務局から電電公社にお示しした区画が、その後折衝の過程においてこわれてしまったわけで、また新たな見地からどの区画をお貸しするかということを再検討いたしておったためにおくれておったわけであります。
  55. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いずれにいたしましても、あなたがもし個人で土地を所有し、建物を所有しておる場合に、たとい相手がだれであろうと——ことに日本電信電話公社なんだから、つぶれてしまうような会社ではないことはもちろんなのであります。支払い能力も十分にあるのだから、ある期間、この期間は摘記してあるものによると、二十七年の四月からということになっておるのだが、一定期間というものはとにかく請求権もあるはずであります。しからば概算でもなぜとらない、そうして最終的に取捨しあるいは過不足があるならば清算すればいいのであります。それを今日までなおしない、大体の話がついて、なお実測中でも使用料もとらない、こういうようなことで国の財産というものの管理を適切にやったものと言えるでしょうか、これは金額は小さいからいいけれども、大きな財産をこういうような状態で管理になりましたならば、使用料なんかもろくにとらずに使われるというような事態も私は生ずるものであると思うの、ずいぶんたくさんにありますから、全部に当って一々われわれは審査しようとしておるのじゃない、でありますけれども、国の重大な財産の中の一部であるけれども、一部は全部に通ずる事由があるからあなたの方に尋ねるのです。どうしてこれは概算でもとらなかったのか、同時にまた電電公社代表者の方においてもそうだ、どうして一体概算でも国に対して使用料をお払いにならぬ、精密な金額はいずれにしても、過不足はあとで清算するにしましても、少しぐらいはお払いになってもいいじゃないですか。
  56. 渡辺逸亀

    渡辺説明員 一般的な扱いといたしまして、概算でとるということはいたしておりませんので、この場合も概算でとらなかったわけでございます。もちろんそれは漫然ととらないというのではなくて、早く地区を確定してその際一挙に納めてもらおう、そのつもりでおくれて参りました。
  57. 秋草篤二

    秋草説明員 吉田先生の御質問につきまして、電電公社側としても責任がございますのでお答え申し上げます。この問題が非常におくれて、関東財務局にも非常に御迷惑をかけましたことは、私どもにも一半の責任があろうと思うのでございます。しかしその間の事情は、漫然と財務局も、私どもも、これをすっぽかしてきたのではなくて、やむにやまれない事情もあったのであります。と申しますのは、先ほど総裁から申し上げましたように、昭和二十一年から国有財産として拝借しておりましたが、それ以後昭和二十六年まではちゃんと毎年家賃、地代というものをお払いしておりました。ところが、私どもの学園が新しく北多摩郡の神代に移ることになりまして、その跡の村山のこの学園の跡を、続いて私ども従業員の宿舎に拝借したいということになったのでありますが、当時の大蔵省との約束では、これはお前の方に学園として貸したのであって、宿舎ししてはちょっと因るという財務局からのお話があるのでありまして、そこに私どもの少し無理な注文が出たわけであります。そうして財務局に非常に私どもは嘆願しまして、どうしても——大体そこにもうすでに学園の従業員とか教師とかあるいは雑役夫、中には学生の一部というものが八十人ほど宿舎として根がはえてしまったのであります。それにつきまして、私どもの特に中央電話局でありますが、この従業員の宿舎が非常に悲惨でありまして、この従業員の宿舎を救済すべく、非常に大きな建物でありますので、居住条件としては非常に悪いのでありますが、ここへ仮の宿をとにかくやらせてくれということを再三お願いしましたが、財務局としましては宿舎としては困る。一方、聞き及びましたところによりますと、非現業共済組合の結核病院などを建てるというもくろみもあったようで、大蔵省としても非常に考えておられたのであります。一方また地元ではこの病院の建設に対しても反対されるというので、財務局でも非常に苦慮に立ったのでありますが、私どもも、もう住む場所もないから何とかここを拝借したいということで再三再四お願いして、今日まできてようやく、先ほど関東財務局長さんのお話のように、ごく最近よかろう、二百四十世帯だけ宿舎として住めるように、一つ前の広い敷地を区切って貸して上げようというありがたい御承認の内諾があったわけであります。しかしながら、今度はこれを正確に家賃、地代を幾らにするかということになりますと、正確に測量もし坪数もはからなければなりません。そういう点で早急にこの処置をしなければいかぬと思いますが、概算の点につきましては、これは私から申し上げるのはおかしいのでありますが、官庁のならわしとしまして、歳入の調定ということも概算ということも許されておりませんし、また一度歳入調定することは非常に厳正な決定になりまして、これを概算できめてあとで清算するというようなことは、官庁の会計ではなかなかやらない建前から、ついごく商取引的な経理はやらずに今日まで過ぎてしまった、こういう事情でございまして、電電公社としましても、財務局にも非常に無理なお願いを続けて参りましたために、一方検査院から歳入調定の遅延を指摘されて、私どもとしても大へん申しわけないと思っておりますが、その間の事情は、漫然とおくらせてきたのではないということを釈明申し上げ、私ども今後十分こういう点は事務処理を早くやるようにやっていきたいということをおわびかたがた申し上げる次第であります。
  58. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、これはあなたの方が悪いと思う。これはやはり関東財務局におきまして概算をとらなかったことが正当だと思います。そこでしからばあなたの方としては、やはり土地を無償で使用する何らの理由がないのでありますから、二十六年度までは地代、家賃を月々支払っておったというのであるならば、その後はやはり月々の損害は何らかの方法で、供託するとかなんとかすべきであると思う。概算の支払いができなければ、あなたの方としては無償で使用する何らの理由がないのでありますから、自分が適当と思う額を供託するとかなんとかの方法をすべきであったと思います。それをせずに今日まで漫然と経過しておる、こういうことは、やはり国の財産を使用する上においては適当でないと思う。大体あなたの方は政府関係機関なんです。まだほかにも電電公社といたしまして、当委員会におきまして審査しなければならぬ問題がたくさんにあるわけなんですが、国の財産を使用する上におきましてそういうようなだらしない状態でいいのだろうか。こういう場合はお互いに迷惑する。無理を頼むということは、これはいいかもしれませんが、それでも国に損害をかけないようにするということが、電信電話公社の私は建前だと思う。何もあなたの方の個人の財産でも何でもないのであります。でありますから、こういうような場合にこの建物使用料を支払うことなくして今日まで経過せられるということは、これはよくないと思うのです。概算払いの方式がなければないで、適当と思う額を見積りて、国に損害をかけないように何らかの方法で供託する道もあるだろうと思う。額がちゃんと決定したならばとっていただく、少くとも契約趣旨に反するならば、損害賠償ということもあるだろうと思う。正当な使用料というものが決定すれば使用料でもいいのでありますけれども、そういう処置をなぜとらなかったか。会計検査院指摘するまでもなく、あなたの方で進んでそれはせなければならぬ問題だ。総裁、どうお思いになるのですか。
  59. 梶井剛

    梶井説明員 まことにこの点につきましては私ども大蔵省に御迷惑をかけております。しかし一般の場合と違いまして、私どもは供託金を出しませんでも、必ず払うという誠意は持っております。従って、契約ができまして借用料がきまりましたならば、大蔵省の決定されたようにわれわれは支払いまして、大蔵省に損害を与えないようにしたいという考えでおります。
  60. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは根本的にあなたと考えが違うのです。そうすると、話がきまるまでは無償で使用してもいいということになる。あなたの方は支払い能力がないとか、支払うべき終局において誠意がないとか、そういうことを言っているのであります。やはり一ヵ月も使い、何年も使うという以上は、国の財産を使用するのだから、支払いをしなかったならば相当額は国が損害を生ずるのであります。だから支払うべき誠意がある、きまったならば支払うべき力がある、そういう問題ではないのであります。ともかく時を移さず相当額使用料を国に支払うという態度をとってもらわなければいかぬと申し上げているのです。だから誠意があるとかなんとかという問題ではないのであります。きまったならば払います、こういうような問題ではないのであります。どうしてそれをしなかったか、その根本的な態度は私はあなたの方が間違っているのではないかと思いますが、どうですか。
  61. 梶井剛

    梶井説明員 先ほどお答えいたしましたように、大蔵省に御迷惑にならぬように、借用料がきまりましたならば、過去にさかのぼって大蔵省に支払うというふうに考えております。
  62. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかしながら、だんだんお話の経緯を聞いてみますと、借用料がきまる、きまらぬの問題の場合に、使用目的について大蔵省との間に相当な懸隔があったわけであります。そういうわけでありますから、借用料の大小、未定という問題だけではないのであります。こういうようなのでありますから、だんだんこの経過にかんがみてみましても、やはりあなたの方としては、もっとすみやかに使用料相当額は何らかの方法で政府に向って提供するということが当然の義務であろうと思うのであります。どうもあなたの御答弁は私は納得ができません。それ以上御答弁にならなければ、もうそれでいいと思いますが……。
  63. 梶井剛

    梶井説明員 先ほど経理局長から申しましたように、概算払いということもできませんので、やむを得ずお支払いをすることができなかったわけでありまして、決定いたしましたらば過去にさかのぼって支払いをいたしまして、御迷惑をかけないようにしたい、こういう考えでおります。
  64. 上林與市郎

    上林委員長 次に細田委員
  65. 細田綱吉

    ○細田委員 管財局長に伺いたいのですが、このほかにもずいぶん会計検査院から指摘されておりますが、非常に国有財産の払下価格が総体的に安いのです。特にまだ売ったわけではないですが、四日市の旧海軍施設なんかに至っては、初めに聞く呼び値や、大蔵省の当時払い下げると称した価格及び市場価格というのはまるでけたが違う。私は三十億くらいの払下価格だと思っていたが、当時の投下資本その他現在の現有価値というものは一千億にもなんなんとする、これはちょっとでかいかもしれませんが、少くとも数百億する。幸いにしてこれはまだ食いとめておりますが、旧軍工廠等の一括転用による処分についてというような問題でも、非常に会計検査院から指摘を受けておる。なおその他ずっとずいぶん安く払い下げておる物件指摘されておりますが、どういうところにこういう欠陥があったと思っておられるか、その点をお伺いいたします。
  66. 窪谷直光

    窪谷政府委員 国有財産の処分をいたします場合に、その価格は適正でなければならぬことはもちろんでございますから、それを期します方法といたしまして、類似の建物あるいはまた土地等につきましては、売買実例を調べるのであります。なお精通者意見を聴取するということもやっております。さらに一般的な趨勢を把握いたしますために、いろいろな指数を利用いたしまして価格の適正を期しておるのでありますが、それが間々こういうふうに安く払い下げたのではないかというようなことが出て参りますのは、その辺の調査がどうも不十分であったというふうなところに原因があろうかと存じます。
  67. 細田綱吉

    ○細田委員 調査が不十分だったとしては件数が多い。それから旧軍工廠のほとんどではなかろうかとすら思われるようにたくさんある。従ってただ調査が不十分だというのだったら、こんなに件数が出てこない。さらに御意見を伺いたい。
  68. 窪谷直光

    窪谷政府委員 売り渡し価格が低過ぎたという御批難ですが、この検査報告書の百十ページの一〇二号と一〇三号でございます。一〇二号の方は検査院のいわれますように、調査の不十分ということが原因をいたしておりまして、これは一応有効に契約は成立いたしておるのでございますが、その後さらに買受人と折衝いたしまして契約の更改をいたしまして、安過ぎた価格を追徴いたす交渉をいたしまして、これは幸いに成功をいたしたのでございますが、その次の件は、これは計算からいたしますと安過ぎはしないかというふうな結論も出るのでありますが、その後同様の物件の入札をいたしたのでありますが、その入札の価格を見ますと、大多喜天然瓦斯に売りました価格よりもさらに下回っておるというふうな状況でございまして、どうもこういうふうな古いものを売り払います場合には、こういうふうな単純な計算だけでは出てこない要素があるのではなかろうかというふうに考えられるのでございます。一〇三号につきましては、そういうふうな状況でございますので、どうも是正の措置をとることがいかがかというふうに考えられる次第でございます。  なお初めの方に出ております多数の軍工廠の一括転用のものにつきましては、目下検査院の方で検査を続行中であるということの御報告が出ておるのでありましてまだ必ずしも最後的にどういうふうな判定をすべきかという結論は、出ておらないというふうに承知いたしております。
  69. 細田綱吉

    ○細田委員 管財局長のところでは、こういうものがまだ相当あるということですが、将来の調査について再びこういうような過誤を繰り返さないために、調査の基準か何かを改められた点があるかないか、その点をお伺いいたします。
  70. 窪谷直光

    窪谷政府委員 これはその後検査院から実は二十六年度でございましたか、機械器具の払い下げ価格が非常に低過ぎるというような御批判がございまして、それは指数計算の活用といいますか、利用いたしておったのですが、その指数の作成の仕方に誤謬があったということから、それを再検討いたしまして、実は昨年の秋その指数を改訂いたしたのであります。一応理屈は通っておるようですが、これをいたしてみますと、ことに中小企業向けではぱったり交換等がとまってしまった。と申しますのは、どうもそういう理屈だけではいけない、あるいはまた理屈の立て方にどうも不備があるというふうなことから、さらに今私どもがやっておりまする考え方は、少し実情にそぐわないという面が出ておるような状況であります。絶えず検査院からこういうふうにして御批判をいただきますと、そのつどできる限りの将来に対する改善措置は研究し、実施に移してやっていきたいということで、従来もやっておったのですが、その考え方は将来ともに続けていきたいと思っております。
  71. 細田綱吉

    ○細田委員 不当に安い払い下げというのは、この年の決算報告だけではない。少くとも私の拝見しておるところでは、二十六年も七年もある。ですからあなたの方のその程度の心かまえでは、おそらく二十九年も三十年も出るのではないか。しかもそれが三割安いとか、五割安いとかいうのなら別です。ここにも指摘されておるようにずいぶん安いものがある。ですからこの点一つ急速にあなたの方で払い下げ価格の基準あるいは調査方法を具体的に立てないと、再びこういうことが繰り返されるのではないかと思うのですが、この点に対してお伺いいたしたい。
  72. 窪谷直光

    窪谷政府委員 私どもの部内におきましても、やはりそういうふうな調査の基準的なものはいろいろ立てております。大体それを業務の指針といたしまして仕事をやっておるのですが、何分多数の職員が仕事をやっておりますために、多くの件数の中になおこういうふうな事態が出て参って、まことに恐縮に存じておる次第です。私どもの仕事の方針といたしましては、こういうことがないようにということで努力はいたしておるのでございます。この点御了承賜わりたいと思います。
  73. 細田綱吉

    ○細田委員 会計検査院から指摘された是正を要するもので、なお手をつけていないのは、この報告の中でどれとどれですか、お伺いします。
  74. 窪谷直光

    窪谷政府委員 これは今是正の道がないものもございますが、是正の方途の残されておるものにつきましては、それぞれ担当財務局におきましてやっておるわけです。昨日も実はその辺の善後処置について、仕事のしぶりがあまり緩慢に過ぎるという御批判をいただきまして、私どもその点につきましては十分に反省をいたしまして、将来におきましてはさらにそれらの善後措置をすみやかにやるように心がけたいというふうに考えておる次第であります。
  75. 細田綱吉

    ○細田委員 会計検査院に伺いたいのですが、この報告の九十八ページの旧造兵廠、工廠なんか、なお検査を続行しておるということですが、その後どの程度に進んでおるか。なおあなたの方は払い下げ価格は大体どのくらい安いと思っておるのですか。現在の調査程度はどの程度か伺いたいと思います。
  76. 保岡豊

    保岡会計検査院説明員 この件につきましてはたとえば二番目の枚方につきまして、土地の問題が相当広いということで減額しております。その減額の率が多いのじゃないか、機械の方も少し安いのじゃないかということを考えまして検討したのでありますが、何しろ大きいものを一括して売り渡すものでありますから、相手方がすでに通産省なんかのアドヴァイスによりましてきまっているものでありますので、やはり国が適当に使っていたものを一会社——適当な大きな会社でありますけれども、そういう一会社がやるときにはどうも持ち扱うという場合があるので減額の多寡については多少疑問があるので、非常に検討したわけでございます。そこでこの検査報告までには遺憾ながら結論が出なかったのでありますが、その後折に触れて検討中でありまして、ただいま御質問のように幾らということをただいま申し上げかねるのでありますが、お許し願いたいと思うのであります。
  77. 細田綱吉

    ○細田委員 大きい会社ではあるが、特定の会社であったから減額されたと言われておりますが、これは管財局で時価から一定のパーセンテージをかけて減額して払い下げているのですか、その点を一つ……。
  78. 窪谷直光

    窪谷政府委員 時価から減額をして払い下げているというのではございません。時価の見方につきまして、そういうふうに土地が整地を要します場合には、一応整地された価格を基準に取りまして、それから整地するために要する費用を控除してやるというふうなやり方をやっているのであります。時価から減額するという考え方はいたしません。
  79. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 来週の火曜日に参考人がたくさん見える予定でありますので、報告番号一〇五、一〇六、一〇七、一〇八につきまして、並びにきょう質問いたしました一〇四につきまして、政府当局からこの契約その他の趣旨経過がわかるような文書資料を至急に提出するようにおはからい願いたいと思います。  それからなお印刷局の特別会計及び資金運用部資金の特別会計について若干質問したい点があるのですが、これは保留しておきます。
  80. 上林與市郎

    上林委員長 他に御質疑はないようですから本日はこの程度にとどめたいと思います。     —————————————
  81. 上林與市郎

    上林委員長 なおこの際参考人の出頭要求の件についてお諮りいたします。前回の委員会におきまして各委員より御要求のありました参考人に関する件につきましては、本日理事会におきまして協議をいたしました結果、検査報告番号一〇五関係の河田母子厚生会及び松竹株式会社検査報告番号一〇六ないし一〇八関係の萱場工業株式会社、株式会社倉田商店、日本産業株式会社東京築地青果株式会社、以上の各代表者を参考人として本委員会に出頭を求めることとし、その出頭の日時は追って委員長理事会にはかって決定することとし、なお大口滞納者関係につきましては一応留保することとなりましたが、以上理事会の申し合せの通り決するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会