○
中村委員長 池田君の御
発言に関して、それでは私から一応
経過の御
報告かたがたお答えをいたしたいと思います。
なるほど、何か本
委員会が不当な
要求でもしておるかのような
印象を与える
新聞報道がございましたことは、まことに遺憾でございます。これは事実とはだいぶ相違がございますので、
委員長としてありのままの
実情をこの
機会に申し上げたいと思います。ことに
理事以外の
委員の
方々は全然関知していらっしゃらない事柄でございますから、この
機会に私から
経過の御
説明を申し上げたいと思います。ただし、私の記憶に基いて申し上げますから、間違った点あるいは足りない点があるかと思いますが、その点は
一つ他の
理事の
方々ができましたら
補足をしていただきたい、あるいは訂正をしていただきたい、かように存じます。
実は、しばらく前の
理事会の席上におきまして、
理事の
方々からこういう問題が出ました。
各党の
党内に次のような二、三の点について
意見があるが、どう取り扱うかという話が出たのであります。それは、第一点は、
戦前戦後を通じて、
政党の
党活動用として
所属国会議員何名について一枚という工合に
無料の
乗車券が
政党に交付されております。ところが、
占領中、
占領軍の
司令部から
無料乗車券というものは全廃すべきであるという意向が伝えられまして、そのときに、
政党に交付されておりました
無料の
乗車券も、また
国会議員の
乗車券も、全部一斉に
廃止になった時代があったのであります。その後
国会法の
規定に基きまして、
国会議員には
無料乗車券が交付されておりますが、
政党に対する
乗車券は
廃止のままになっております。そこで、近代の
政党活動には、どうしても
戦前及び戦後のある時期にあったこういうものが必要ではないか、こういう議論が
各党の
党内にある。これは
所属議員何十人について一枚というような適当の標準で交付されてしかるべきではないかという
意見があるが、これをどう取り扱うかということが第一点であります。
第二点としましては、
国会議員がいろいろの
政治活動をいたします場合に、
普通急行の場合には
急行券がなくても
乗車できておりますが、
東海道の
特別急行に乗る場合は、
一般乗客と同じように
急行券を買わなければ乗れない。ところが、これは、
座席があいていても、いろいろな
都合で売り切れというようなことで、
乗車のできない場合がある。もちろん
座席があいていない場合は仕方がないけれ
ども、あいている場合には、
乗車ができなければ非常に不便があるから、この点を何とか
鉄道当局で考慮してもらう余地はないだろうか。こういう問題があるが、これをどういうふうに取り扱うか。
もう
一つの点は、
日航の
飛行機が、どうも、見ていると、特殊の一部の人には
割引をしたりあるいは
無料で
飛行機に乗せている。具体的に話が出来ましたのは、私はこれはそのまま申し上げた方がいいと思いますから申し上げますが、
航空議員連盟というような団体の役員には
無料で乗せたり、あるいは特別の
割引をしたりしている。あるいは
監督官庁の
人たちが乗るような場合でも、これは
公務ならば別だけれ
ども、
公務以外の場合においても
無料で
飛行機に乗せておる実例があるようだ。こういうようなことは、
国庫補助をしておる
会社の事業としては穏当でないのでないか。するならば平等に取り扱うべきであって、人によって扱いが違うということは感心しない。だから、平等に
割引をするならば
割引をするような
処置にして、それらができるのかできないのか、
日航の
会社なり、あるいはそれを監督する
当局なりに話をしてみたらどうだろうか。こういう
意見が
党内にも言われておるが、それを
議運としてどう取り扱うか。
この三点について、
理事会の席上で
意見が出ました。
そこで、協議をいたしました結果、
議運としてこれを正式に取り上げるということはいかがなものだろうか、むしろこれは、
議運として正式に取り上げるよりは、
議運には
庶務小委員会という
委員会があるから、
庶務小委員長に委託をして、
庶務小委員長から
当局に内面折衝して、
当局の
都合なり
意見もあるだろうから、
意見を確かめてみたらどうか、こういう
結論になりました。そこで
庶務小委員長の
椎熊君をわずらわして、その
処置について
お願い申し上げたわけであります。その結果、
庶務小委員長の
椎熊君は、爾来
運輸大臣あるいは
運輸政務次官等にその
意見を伝えまして、
当局の
意見を確かめておったわけで、しばしば
椎熊君は、折衝と申しますか、話をされたそうであります。しかし、いまだもって
結論が出ていない。そこで、そのときの話に基きまして、他の
理事の
諸君からは、小
委員長、あれはどうなったかということを質問されるけれ
ども、いまだもってこれができないで困っているということであります。そこで、一昨日の
理事会の席上で、それならば、
皆さんのいらっしゃる前で、
運輸大臣に
出席を求めて、どういう
都合になっておるか、
意見を明確に
一つ承わってみようじゃないかということで、
運輸大臣の御
出席をわずらわして
庶務小委員長の
椎熊君から、今私が申し上げたような
趣旨のことを
運輸大臣に申し上げて、今までに
椎熊君としてはたびたび言っていらっしゃることでしょうが、それを
理事会の席上で
運輸大臣に申し上げた。ところが、
運輸大臣は、いろいろ
庶務小委員長の
椎熊君から話を聞いておりましたが、まだ
結論を得ておりません、ここでこの点についてはどうする、あるいはどういう
事情でこれはできないということははっきり申し上げかねる、こういう
結論でございました。そこで、最後の
結論は、
運輸大臣としても適当の時期までに御
返事を明確にいたしましょう、こういうことでした。そこで、適当の時期でも困るから、いつごろまでにできるかと言ったら、今週中は無理ですから、来週中には明確な
お答えを申し上げることにいたしましょう、こういうことであったわけであります。なお、
理事の
諸君の
意見は、その席上におきましても、また従前からいたしましても、
党内にそういう
意見を持っておる者があるから、
議運として放任するわけにも行かないので、
庶務小委員長をわずらわしておるのだから、できることはできる、できないことはこういう
事情でできないということさえ明確になれば、党に帰ってその
説明をして同僚の了解を得るから、とにかくはっきりさえしてもらえばよろしいんだ、こういうことであったわけであります。ところが、今
朝来の
新聞などを見ますと、だいぶそれが違った筋で報道されておるようであります。なお、
新聞によりましては、
議運の方で何か
日航の
飛行機にただ乗せろというような
要求をしておるかのような
記事を書いた
新聞もございます。しかし、
飛行機にただ乗せろといたたようなことを言った人は、先刻来話の出ました
理事会の席上におきましても、
理事個人々々にいたしましても、私の
承知している範囲では全然一人ございません。ただ、
日航に関しては、先刻申し上げましたように、人によって特殊の
取扱いをしているということは穏当でないから、そういうことをするくらいならば、たとい二割、三割の
割引であっても、平等にすべきではないか、こういう
意見があっただけでございます。現在の
運営そのものが、公平を欠いていると申しますか、穏当でないようなやり方をしておるということが、非難といいましょうか、その言われる的であったわけなのであります。
これが大体私の記憶しておりますこの問題がずっとしばらく前の
理事会に出まして以来の総合した
経過でございます。どうぞ
一つ、
理事の
方々はこの
経過は十分御
承知でございますが、
理事以外の各
委員の
方々は御
承知ない方が相当ございまして、けさの
新聞をごらんになって非常にびっくりされて、何が何やらおわかりにならなかったかと思いますが、以上のような次第でございますから、お含みを願いたいと思います。
なお、
理事の
方々から私が申し上げたことで足りない点がございましたら、
一つ補足を
お願いしたいと思います。