○夏堀
委員 大蔵
大臣は財政面を担当なさっておるからいろいろ御苦労なことでもありましょう。
日本の現在の予算面において、あれもやる、これもやるということは非常に困難なことであります。開発もしたいのだ。国内開発もやっていかなければならぬし、海外の開発もやらなければならぬ。そこで実際の現状を一
通り申し上げたいと思うのであります。
海外の方は、先ほど申し上げたように、たとえばボリビアの一例をもっても非常に地下資源が多い、開拓地が多い、人口はわずかに三百万人しかないのであります。そこでどうしても
日本人と提携しようとあちらの農林
大臣が閣議を休んでまでも私に話をして、
日本と一緒にやろうじゃないかといって立ち上って私に非常な熱意を示したのであります。そういう状態が
日本の経済にどれほど大きな影響を及ぼすかということは先ほど申し上げた
通りであります。そしてかりにこれを漁業にたとえてみますと、私が行ったときには
日本の国旗を立ててやろうじゃないか、いろいろな設備を作ることもどんどん開放しようじゃないか、全然未調査のところはたくさんある――その
通りであります。けれ
どもあららはそういう技術を持っておりませんので
日本に頼むと言っておる。しかも国連の連中がこの
会議に出席して、ぜひ
日本でも協力してもらいたいということになったのであります。これは
政府に長女電報、
書面によって私はちゃんと報告してあります。そういう状態で、あちらの方では
日本人と提携したいがために、
政府出資もしくは
政府の指定する団体を作って、
日本の進出を待っておるということをはっきり申しておるのであります。その場合に
日本の移民が一人々々行ってもたよるところもないからいわゆる棄民になってしまうのだ。それは
日本の移民政策を誤ったのだということで、今この
法案が通ったならば、よほど
政府が本腰を入れてやらなければ、やはりこの
法案が一片の作文に終って全然移民ができないということになることをおそれる、こう私は申したいのであります。
そこで時期の問題であります。最近入った情報によりますと、もうノルウェーあるいはドイツ、イタリーはどんどん進出体制を作ってやっているということであります。
日本だけぼんやりしておりますと、
永久に四つの島に閉じこもった
国民は一体どこへ行こうとするのであるか、経済の行き詰まり、その摩擦を受けてどうにもならぬ。その打開策はいつ求めることができるか、できないじゃないか、一番すみやかに進出しなければならぬということで、結局時期の問題として検討しなければならぬと思います。一年おくれると十年のおくれをとる。一日おくれると一年のおくれをとる、こう私は申さざるを得ないのであります。
そこで北海道の開発問題、これも総務会で大分活発な
意見がありましたが、大へんけっこうなことである。非常によろしいことである。私
どもも賛成いたします。しかしこれは国内の、いわゆる
日本の北海道である。これはどこへも行かぬのである。本年やるか明年やるか明後年やるか、その時期は
日本の開発であるから適当にこの方法に対しては御研究願ってもどこへも逃げはしないのである。ただ海外ということになりますと、せっかく
日本人を待っておる。あちらの
政府は非常な熱意を持って、一代議士に対して、絶対にこれを
国会及び
政府に進言して目的を達するようにして下さいということを、熱意を込めて私に申し入れたのであります。そうしたような機会をのがしてそうしてとうとうろくな進出の体制も作れない。たまにちょっと出たかと思えば一億円の会社で、大体一億円という金でどの程度の運営ができるか、一年の人件費と調査費で完全になくなってしまう。一年で一億円という金がなくなることはわかっておるのであります。そうすると他の金融機関、社債の発行がどうこうといったって、これはもうどうにもならぬのであって、信用のない会社に転落してしまう。いわゆる国策会社といっても
永久的に国辱的な、国の恥となるようなものに転落しなければいいがということさえ私は
考えておるのであります。国策であったならばなぜ国策らしくしないのか。そこで財政面を担当しておるあなたが相当な決意を持って、ほんとうに
日本の死活問題であるから、ここで一つやっていかなければならぬというのであったならば、事務当局も非常に緻密なりっぱな頭ではありますけれ
ども、国策の線と事務当局の
考えとは違うだろうと思いますので、私は国策の線をもっと強く、
日本の今後のあり方をこの移民政策に最重点を置いて――経済の自立発展はこの移民政策にある。しかしこれは人口問題であって、経済のはね返りであり現金送金である、こういうことにあるじゃないか。しかし現金の送金はできないじゃないかということでありますが、これは協定によってできるのではないか。またできる国もあるのであります。よってこの問題は国として強く取り上げて、たとえば漁業の場合、農業の場合というようにこれを業種別に分けて、
政府として各国との協定の線に進めて、資金面についてその線に沿うた計画を立てなければならない。この
法案ではどこをどう探したところで計画がない。各議員から計画書を出せと言っておるようでありますけれ
ども、恥かしくて計画の立てようがない、こう
考えております。大へん抽象的な御
答弁でありますが、しかしその
通りでありましよう。
責任のある大蔵
大臣としてはあまりはっきりした
答弁のできないことはわかっておりますけれ
ども、こういう事情を申し上げて――もっと手っとり早く申し上げますと、私は前に自由党におった際に、自由党の総理からの内意を受けて行ってきたのでありますが、
外務省がちゃんと公
文書で通達してありましたので、非常に便宜をはかって下さいまして、あちらの
政府が完全に
日本と提携しよう、こういう段階に達しておりますので、どうしてもこれをまとめて早く返事をしなければならぬ。返事がおくれると各国がどんどん入っていって、そういう各国と提携するという段階に入るから、私は特にこういうことを申し上げるのであります。もしこのようなことがよろしいということであったならば、はっきりした御
答弁を願うことはあるいは無理かもしれませんけれ
ども、私の今申し上げたことがその
通りであるならば、これにふさわしい御
答弁をお願いしたいと思います。