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穗積委員 トルコ協定に見られるものは、実は非常にばく然といたしましたあいまいなものになっております。従って
日本政府はあのようなものでなくて、もっと明確なものを幾条かに
——条の数は多くなりましても、それをはっきりさせた本協定を結ぶ、そうでなければこれを結ばないというお考えであるとわれわれは理解いたしますが、そのように一つ努力していただきたいと思うのです。
それからあと時間を
委員長から御催促でございますから、高碕長官にこの際一括して二、三の点について簡単に結論的に
お答えをいただきたいと思うのです。
もし
受け入れました場合には一体これをどこの管理にお置きになるつもりであるか。国営でおやりになるつもりなのか、あるいは大学の研究室にお移しになるつもりなのか、あるいはまた官民合同のようなものでいくのか、あるいは完全な
民間団体の所管にお移しになるつもりであるのか、それについて長官のお考えを伺っておきたいのでございます。これが一点でございます。それから第二には、この前も私のお尋ねに対しまして、広く世界からこの日進月歩の技術と品物は
受け入れたい、従って
アメリカ一国に拘束されるような協定は結ばないつもりであるとおっしゃいました。特に平和利用につきましては
アメリカ必ずしも世界の最高レベルではないのであって、英国その他においてもこの研究は行われておる。同時に今ロンドンにおきまして
松本大使が
ソ連との
交渉に移っておるわけですが、この場合にも漁業であるとか、あるいは経済並びに文化交流の問題も
提案される
方針を
政府は明らかにされておりますから、その文化交流の中において
ソ連側のウラニウムの
受け入れについてお話し合いをされるつもりはないかどうか。イギリスについても同様でございます。逆に引っ返していえば、イギリスまたは
ソ連から
アメリカの条件よりより有利な条件において
日本に貸与の申し出があった場合には、これをお受けになる用意があるかどうか、その点をお尋ねしたい。これが第二点でございます。
最後にもう一点、一緒にお尋ねしておきますのは、今まで
政府の御用を勤めておって、この問題に対しても熱心にやっておる唯一の学者といわれた藤岡博士、原子力調査会の
委員でもありますし、学術
会議の小
委員長でありますが、この方が先般の本
委員会に参考人としてお見えになりまして、総括的に見て八月にジュネーヴにおきまして原子力問題に対しまする国際
会議が行われる。そこで
アメリカのみならず、
ソ連、イギリスの発表もある。続いてここにおいて各種の展示会もある。ですからこれを見た上で
日本の
方針を決定しても決しておそくはない。その方がより正しい
受け入れ方であると思うという証言をなさいました。藤岡博士にしてかくのごときでございますから、他の権威ある
日本の物理学者全部それ以上でございます。従って今度の
交渉に当りまして、今指摘されておりますように九条等も問題になっておりますので、すべて総合的な判断の上で
——アメリカに対して拒絶するというようなかたくななことは申しませんが、少くとも八月以後国際情勢や各国の態度あるいは研究を見た上で、
政府はこの問題に対して取っ組む。今の長官の御所信によれば、
日本の自主的な計画も秋までには大体御
方針が御決定になるようですから、時期としてもそれからでおそくはない。スタート・ラインをそこにお引きになるつもりはないかどうか。これはわれわれとしても国のために切に希望するわけです。あまりおとらわれにならないで、特に良心的な長官は将来のことを考えて、そういう再
検討をされるだけの余裕はお持ちにならないかどうか、この三点について一括して
お答えをいただきたいと思います。