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山下(春)
委員 時間がないだろうと思いますが、そこで、私は、今度はこの
法律から離れまして、
援護局長ではちょっとお門違いかと思いますが、私
どももきょうまでいろいろ
遺族の問題、
留守家族の問題に
関係をいたして参ったのでありますが、どう考えましても
法律では明確に線を引くことのできない
ような諸般のいろいろ気の毒な情勢があります。今
ソ連の場合も中共の場合もそうでありますが、
留守家族といわれておるいわゆる消息不明の方方の大多数の方は、近い将来にやはり未亡人、母子家庭になる運命を持っておる人と思うのであります。今回のこの三十年度の
予算をきめられるに当りまして、私
どもは、近い将来
遺家族等で相当母子家庭になられる方があるであろうことを勘案しつつ、ぜひともこの
予算の面にこういった
ようなものを盛り込んでもらいたいと、実に熱心に
予算折衝に当る省の人々に陳情をしたのでありますが、これも、声が細く力が足らなくて、ついに今回は
増額を見るに至らなかったのみならず、母子福祉資金貸付等の資金におきましては、本年度七千万円削られた、たださえ少かった資金でありましたが、七千万円削られたという
ような、はなはだ残念な事態が起ったのでありますが、諸般の国の
援護がありましても、
留守家族であった者が
遺家族になって母子家庭になりますれば、何かと生活に非常に困窮するであろうと思います。それらの子弟は、何かやはり別な、学校にやれる、あるいは生活のできる方法がなければ、うまくいかないと思います。何でもそういう者は全部
生活保護法に追い込めばよいというものではございませんので、あとう限り
遺家族の
意思を尊重した社会政策があってよろしいと思うのでありますが、そういう意味から言うと、この母子福祉資金貸付等の
法律などは、この際、この三十年度ごろからは、なおさらもって拡大強化されるべきであったのですが、どう考えましても、
予算の面から見ると少し縮小されておるのです。資金が五億円ありますけれ
ども、この五億円も、今日の地方財政の全く逼迫しておる状況下にありましては、地方がこれに半分足さなければ貸し付けられないという状況に置いたのでは、地方財政はやはり声なきこういう
予算を一番あとに回す。年末になってとうとう貸し付けないで
政府に返還してしまうという
ような不届きな実績も起っておる今日でございますので、これも、私
どもは、今度
予算が決定する前に、せめてこれを国が八割持って、地方のこれに足す金を二割くらいにして、八対二くらいにして流してくれれば、何とかこれがほんとうにフルに活用されると念願して、こういう点も
予算折衝に当って私
どもは力一ぱい陳情したのでありますが、でき上らなかった。また、こういった
ような問題の中で一番大切なのは就学資金であります。この母子福祉法ができるときに、これは
厚生省もよく御承知の
通り、
厚生省あるいは労働省等が、後家の子は使わないという
ような社会情勢を何とかこの
法律によって助けてやろうという意味で、貸し付けた金を返してもらうという意味からも、優先的に職業をあっせんしてもらうという
ようなことを、あのとき
厚生省も労働省も約束してくれておったのであります。その後このことは多少は
援護してもらっておる
ようでありますが、これらの資金が今の程度で——
田邊さんが十年も扱ってこられたが、どうにも
法律でこれを
規定することができない、しかし何とかしなければならないという
援護の手がこういう
法律だと思いますが、これくらいの資金でもって事足りるとお思いでございましょうか。