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説明員(
原田伝君) ただいまの
お話の点でございますが、結局これは最近の
乳価の市場をどういうふうに改善して行くか、
乳価維持をどうするかという問題になると存じます。この
乳価の下落の傾向が昨年の七月以降急激に現われて参りまして、そのために御指摘のように、せっかく伸びはじめた
酪農というものがまたつき戻されるというようなおそれが多分に出て参りましたので、私
どもといたしましては、至急これに対する緊急対策のあらすじというものを考えまして、目下その線に沿いまして逐次
措置を講じつつある、こういう
状態でございます。まず、そのうち
消費の点でございますが、生産が急ピッチに上った、それに対して
消費が追いついていない、こういう点につきまして二、三考えて手を打って見ているわけであります。そのうちの第一の点が、ただいま申し上げましたように
高温殺菌という方法を、従来よりもスムースに急速にふやして行くということによりましても、
消費の増進を図って参るという点でございます。また、その次といたしましては、
乳価に対する大きな影響を及ぼすものといたしまして、なまの牛乳のみならず、乳製品というものが滞貨して参りますると、これがやはり
乳価を圧迫する、
一つの原因になる、かように考えられますので、この乳製品のうち特に荷動きの活発でない加糖練乳、こういうものが相当これはストックができておりますので、こういうものにつきまして何とか
消費の増大策を考えたいという見地から、さしあたり、まず、学校給食というものにこれを結びつけまして学校給食にそれを振向ける、そういうことによって乳製品のストックが相当減少する、それだけ
乳価に対する圧迫が減るという
考え方からいたしまして、そういう方向に向っていろいろと具体的な話合いを進めている次第でございます。この問題につきましては、まあ文部省ともいろいろ相談をしなければなりませんし、また学校給食に向きますような
価格の低廉化をはかるために適当な
措置をとらなければならん。こういう点につきまして具体的な今
折衝を進めているという
状態でございます。また、そのほかといたしましては、一般的に牛乳なり、乳製品なりの
消費の増大をはかるためには、やはり何と申しましても経済的な値段の問題がつきまとっては参りますが、他方
関係の団体なり、あるいは都道府県なりというものと
協力いたしまして、一種の啓蒙宣伝運動というような
措置も講じなければならず、かように考えまして、そういう問題につきましては、これからの問題にはなりますが、三十年度予算におきましても、そういうものについて予算を要求したい、こういう考えを持っている次第でございます。それから一般に
乳価の取引の方法、その他取引の公正化という問題につきまして現在の
状態を考えてみますると、
農協の製造する乳製品というものは、非常にいろいろな
地方に規模の割合い小さい工場を
農協が持っておって、それぞれの品質、それぞれの銘柄というものを打出して市販に出している、こうなりますると、やはり非常に大量に、また均一な
規格をもって銘柄等もいわゆる名の売れたというような状況で販売するものと競合いたしました場合には、どうしてもこの製品の販売が不利になり、これが直ちに
農協の取り扱いまする原料乳に響いて参る、この点を何とか改善すべきじゃなかろうかと考えている次第でございますが、幸いと申しますか、
農協等の
関係者側におきましても、同じような問題につきましていろいろ研究が進められておりまして、さような問題につきましては、これは品質を均一にする、そうして銘柄をできるだけ統一するという
趣旨で一種の共販体制のようなものを作るべきではないかという
考え方が民間におきまして相当動いておりますので、こういう動きに対しまして適切な指導を加えて参りたい、かように考えている次第でございます。その他一般的に、
酪農振興法の適正な運用によりましてこの
酪農業というものの合理化をはかって参る、その他行政面におきましても、予算
措置等におきましても、この
価格の
適正維持ということについて今後できるだけの
努力をいたして参りたい、かように考えている次第でございます。