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1954-12-21 第21回国会 参議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十二月二十一日(火曜 日)    午前十一時十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中田 吉雄君    理事            伊能 芳雄君    委員            伊能繁次郎君            松岡 平市君            片柳 眞吉君            加瀬  完君            若木 勝藏君            寺本 広作君            松浦 定義君   委員外議員    松澤 兼人君   国務大臣    国 務 大 臣 西田 隆男君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁選挙部長 兼子 秀夫君    自治庁財政部長 後藤  博君    運輸省自動車局    長       眞田  登君    建設省道路局長 富樫 凱一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (自動車税並びに道路運送に関する  件)  (地方選挙の期日に関する件)  (地方公務員期末手当に関する  件)   —————————————
  2. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) では委員会を開会いたします。  自動車税並びに道路運送に関する件をお諮りいたします。ちよつと申上げますが、建設省のほうから富樫道路局長運輸省のほうから眞田自動車局長が御出席です。
  3. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 道路車両制限の問題につきまして、同僚委員小林武治君が運輸省建設省の方々にお尋ねをしたいということで昨日おいでを願う予定でありましたところ、お役所のほうの御都合で昨日お見えがございませんでしたので、小林委員は公務で出かけられましたので、私、意を受けまして代つてお尋ねをいたしたいと思つております。先般来政府部内でいろいろと施策が御考慮になられておるうち、建設省運輸省関係で最近の交通事故なかんずく自動車交通事故頻発に鑑みられまして、道路車両制限に関する政令を御公布になろうというような御計画があるやに伺つておるのでございます。私も一、二関係の向きからお話伺い、大体の政令案内容についてもお伺いをしたのでありまするが、現実日本自動車交通実態と、今回の道路に関する車両制限政令とが非常に調和しにくいかけ離れたような形と言いますか、非常に理想的なお考えを盛られた政令案のように伺つておりまするので、それでは現実自動車交通というものに重大な支障を生じはしないかということを私ども心配をいたしておるものでございます。殊に当初の建設省政府の案によりますると、日本国道府県道町村道、現在バスもしくは、トラツク通行しておる道路の八二%が今回の政令案で引つかかつて自動車が通れないというようなことになるようなお話伺い、その後政府部内におかれても逐次調整の御計画もあるやに伺つておりまするが、現在の道路交通と申しますか、自動車交通現状は申上げるまでもなく鉄道が逐次自動車変つて自動車が殆んど国民の足といつても差支えない現状まで参つておる。現に旅客面においても全体の国有鉄道、あるいは私鉄を合せた旅客交通量の七割程度まですでに自動車交通が行つておる。これはバス交通だけで、それにタクシーハイヤー等を加えれば、恐らく貨物と同様に鉄道交通を上廻るような交通量に相なつておる。それだけの現実基礎として考えてみました際に、バス交通が八二%、あるいはトラツク交通についてどの程度支障を生ずるか、これ又バス交通に劣らないような交通量があり、従つて今回の政令案について大きな貨物輸送日本経済再建基礎となるべき交通の上にも障害が生ずるのではないかという点が非常に必配でありまするし、又現在の特殊事情として、トラツク方面においては十トンもしくはそれ以上の重量車、あるいはキヤタピラ付きの特殊な車等も、又保安庁関係の自衛隊の特殊な車等各地を走るという点から、道路車両制限に関する政令案については特段な現実的な御配慮を願わないと、実際に政令お作りになつても運用ができないじやないか。形式的な何と申しますか、取締りに墜してしまつて現実政令が行われないじやないかというような心配もいたされまするし、又本委員会においても曾つて座談として問題になつておりまする自動交通に対する警察取締りの問題、そういうにも重大な問題が更に起りはしないかというような点も懸念されまするので、そういう点について、政府の今回の道路車両制限に関する政令案の基本的な考え、又将来道路の問題と自動車交通の問題とを道路整備五カ年計画、更にその後の道路整備計画等と睨み合せてどういうような方向路面交通というものを計画されておるのかどうかという点も併せてお伺いをいたしたい。  更に、又今回の道路に対する車両制限政令案等が出ますると、最近年々自動車税というような税金地方税として増徴いたしておりまするが、これは車両が大きくなればなるほどその負担を余計税金にかけるというようなことで、各県においてもすでに四十人以上の定員の車には幾ら、五十人以上の定員の車には磯ら、六十人以上の定員の車には幾らというよな税金の具体的なかけ方まで法律できまつておる。そして現実は二十人以上とか三十人以上の車というものは非常に少くなつておる。そういう点からも地方団体の徴税上からも附帯的に大きな支障が生じはせんかというようなこともいろいろ論議の対象になつておりまするようで、本日は建設省から富樫道路局長さんがお見えになつておりますので、道路に対する車両制限の基本的な政令の御趣旨、並びに今後の路面交通との調整等についてどういうお考えを持つておるか、とくとお伺いをいたしたい。かような趣旨で伺つておるわけであります。
  4. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 道路との関係における通行車両制限に関する政令案建設省で立案いたしまして、運輸省と御協議申上げたのであります。すでに三回に亘りまして御協議申上げておりますが、只今までのところではだんだんに両者の間の意見の懸隔が少くなつておりまして、一、二点問題が残つておるのでございますが、これが今後の折衝になるわけでございます。お話のように、自動車陸上交通における役割が非常に大きくなつて参りまして、今後更にこれが発展するであろうと考えられるのでございます。それに比べまして、道路整備が遅れておりまして、現在自動車が大きくなつて来ておりますが、その大きな自動車を自由に通し得ない現在の道路状況であり、しかもその道路が急速には整備されがたいと思うのであります。そこで、道路法の四十七条に基きまして、道路の保全と交通危険防止の上からこの政令案只今用意いたしておるわけでございますが、この政令案内容といたしますものは、車両幅員制限車両重量制限と、橋梁の通過等制限その他でございますが、一番問題になりますのは、車両幅員制限であります。先ほどお話のございましたように、今の政令案を適用いたしますと、現在バス路線の八二%はこの二つの車が自由に通れるという道路ではないのでございます。併し、この八二%は二台が自由には通れませんが、適当に退避所を設け、又は一方交通の整理をすることによりまして、これは二メートル半の自動車通行はできるのでございまして、これが全く通れなくなるという考え方ではございません。併しこのように政令を適用いたすことになりますと、現在のバス路線については、自動車の幅に制限が働いて参りますので、従来よりは不便になるということは明らかであります。而も只今つております政令案では、旧道路法によるものはそのままにいたしておりますが、新道路法によるものはこの政令を適用したいという考え方でございますので、その点に関しましては相当の支障を生じてくることは我我承知いたしておるのであります。この点につきましては、運輸省協議を進めておるのでございまして、それぞれ緩和する案を用意いたしておるのでございますが、何と申しましても、道路は主として自動車を通すためにつけられる現状でございます。道路を早く直すということが根本的な解決策でありまするので、その道路を直すということに我々専心いたしたいと考えておるのでございまして、なおその上に、現在通つておるバス路線なり、トラック路線なりを早く整備して円滑な運行に資したいと考えておるわけであります。道路整備は五カ年計画というものを立てまして、この五カ年計画によつて道路整備を実行いたしておりまするが、これも五カ年過ぎましても、日本幹線道路に対しては約十五%程度の進捗しか示さないわけでありまして、この整備計画を推し進めることでも自動車の発達には到底及ばない状況であります。そこでこの五カ年計画以外に現在通つておりますトラツク路線なりバス路線を急速に退避所等を設置して、二車両を通し得るようにしたいという考えは持つております。併してこれは新たな財源を必要といたしますので、なお問題があろうかと存ぜられますが、五カ年計画でやつております道路の改良というとこのほかに、退避所を設置して行くということも今後併せて考えて行かなければならんと思つておるわけでございます。それでこの政令実施いたします事につきまして、現実と余りにかけ離れておる、ただこういうものをこしらえても実行できんではないかというお話でございましたが、その点はなるほどあるのでございます。併しこういう制限をするということにいたしますと、一定の基準を初めにきめておかなければならないわけでございまして、その政令を引用する段になりますれば、これらの制限実施できるような準備をしまして、その準備のできたところから実施をして行くというようなことになるのではないかと思いますが、とにかく制限基準というものはきめておかなければならんというふうに考えておるわけでございます。いろいろお話のような問題がございますので、今後運輸省その他関係各省と折衝いたしまして、実施できる制限案にいたしたいと考えているわけでございます。
  5. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 只今御答弁ありましたうちに、旧道路法と新道路法との関係で、昭和二十七年の何月でしたか、三月か四月でしたかを限界として適用をするしないの問題をおきめになつておられますが、御承知のように自動車大型化いたしましたのは台湾であるとか、東南方方面への日本バス輸出の問題、その他国内バス事業近代化と申しますか、経営の合理化というような点から、これは通産省自体政府部内において大型化を奨励して、自動車技術工業会その他で大型化政府が奨励してああいう形になつて行つた点もあるわけで、それが二十七年以降急速にそういう形になつてつたものを、あの新道路法と旧道路法という形式的な一つの区切りだけで適用するしないをおきめになられた理由がどうも私ちよつと納得がいかないのですが、あの点について何か実質的な差別をする理由がおありになるのかどうか、その点も伺つておきたいと思います。
  6. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 私どもの初めの案では、理想的に考えまして、道路の狭いところには大きな車を入れないという考え方であつたわけであります。従つて道路法時代免許されたものも入れたいわけでございましたが、旧道路法時代のものは、これは法律によつて免許されておりますのでそこまでは及ばない。できるだけこの趣旨によつて制限をしたい考え方がございましたので、若し及ばないところは止むを得んという考え方でそうしているわけでございます。併しお話のように国が奨励して大型化したという点がございますので、この点はよく研究をいたしたいと考えております。
  7. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 それから最近の改正案を拝見いたしましても、路線バス路線トラック、即ち汽車と同じように定路線の上を定時刻で走つているものは或る程度緩和規定を設けるが、いわゆる区域トラツク或いは観光バスというような定路線定時刻を限らないで運行をしている自動車に対しては非常に厳しい制限になる、かようなことになりますと、これは日本観光事業振興観点からも、又経済復興再建の上からも貨物輸送については重いトラツク、主として区域トラツク区域事業トラツク路線でない。定路線トラツクは御承知のように小口の積合せのものですから、自動車の大きさも重さも比較的はつきりすると思うのですが、どこへでもお客の注文に応じて荷物を運ぶという区域トラツクについては重量も非常に大きいし、発地と着地が不特定だという特異性をもつており、又観光バスのごとく学校の修学旅行、或いはその他のリクリエーシヨンの問題等各地観光地域でこの頃のように盛んに行来するというものについては、定路線バスが通れる場所も観光バスなるが故に通れない。区域トラツクなるが故に、区間トラツクであれば同じ重量であろうと通れるものがそうでない、免許が違うから通れないというとは、それは警察取締りでどういうようにおやりになるか、その辺のところもちよつと現実の問題として大きな支障が生ずると思うのですが、私の希望としては一応現在以上の大きな車を、これは通産省と御相談を願つて、これ以上大きな車を作られるということは、私自身も政府としてお考えになる余地があろうかと思う。道路整備と睨み合せて今後大型車両というものを作つて行く、この点については私ども極めて妥当だと思いますが、少くとも現在の車というものはバスと言わず、タクシーと言わず、すでに国際規格まで上つてつて、あの規格でもつて外国と貿易の競争をやつているという状況でございます。それを一概にもういけないのだということになると、日本輸出振興上にも大きな支障があり、国内で使えないものを輸出だけに向けるということは生産上も非常な損失を招くという点から、一応現在の運行状況というものを先ず基準に置いて、現在の運行については一応これを認める、率直に申しますと、既得の権益といいますか、既成の事実というものを基礎に置いて政令案お作りになるということが妥当じやないかとどうも私ども考えるのでございますが、その点について局長の御意見如何でございましようか。
  8. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 路線バス路線トラツクにつきましては、これは既免許のものについてはそのまま認めることにいたしております。併しその他のものについてはこの政令制限が働くことになつておりますが、これは言われるようなその当の車自体からみれば言い分があるわけでございますが、我々はもともと、狹い道路に大きい車はいかんということを考えての政令案でございますので、この政令案既免許のものにまで及ぼすのはどうかという観点から、そういうように考えているわけなのでございます。自動車の現在の大きさというものが国際水準に達しているということは私どももよく承知いたしておりますが、これ以上大きくなるということに対しましては、これは通産省とも又関係各省とも御協議申上げて、どの程度で止めたいという考えはあるわけでございます。現在道路運送車両法の中できめられているあの制限は、これ以上大きくするということはどうかと思われるのでございます。又実際に取締る面でございますが、これは取締る段になりますと、それぞれの施設をいたしまして、その準備をしなければ取締りできないわけでございます。これにつきましては、この制限案によりまして基準をきめて、それによつて制限ができる施設を持ちまして、それによつて取締りを実行して行きたいという考えでございます。
  9. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 最後の問題の御回答は甚だ抽象的で残念なんでございますが、現実の問題としては、観光バス、殊に重量のある区域トラツク、この問題をどういうように規制なすつて行こうということは私どもとしても非常に大きな問題であり、又これは経済上も重大な支障を及ぼす虞れがあると思うのですが、今のお話では客観的にも事情がすつかり整い、施設整つた上でなければ制限はしないのだというふうにも拝聴したのでございますが、そうすると、そういつたものを警察取締りか、或いはどういう方法でなさるかは私存じませんが、そういつたことができるようになる、取締ることができるようになるという時期については、そうするとどういうお見通しを持つておられますか、その点もお伺いしておきたい。
  10. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 三十年度予算にそれらの施設を用意する予算要求を現在いたしてございますが、併しこれは来年度予算で要求通り通りますかどうかわかりません。通るということになりますと、来年度中にこの制限のできる施設国道についてはやれるという考えを持つておるのでございます。
  11. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 私ども建設省道路整備に御苦心をなされ、又最近着々道路を立派にしようとして努力して下さることについては、恐らくこれは交通に携わつておる者はまあ非常に感謝をしており、又それに対する協力も恐らく惜しまないだろうと思つております。殊に例の目的税として日本初めて創設されたガソリン税、それによつて日本道路をよくしようということについてのこれは自動車業界を挙げての協力、この点も御理解頂けると思うのでありすが、現実に今走つておる、でこれを制限する場合に通つちやいけないという制限ではなくて、どういう通し方をするか、例えばとの時間とこの時間は、こういう時間を切つてワン・ウエイにするとか、或いはこういう所については退避所を急速に整備をして、現在のものを一方交通にして、時間的に一方交通にして通すとかいうことの何らかの調整案ができることが一番望ましいので、絶対にここはもう通つちやいけないということにするということには非常に大きな問題が起りやせんかと思いますが、その辺についての具体的な調整のお考えについてもう一度お伺いいたしたい。
  12. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この点につきましてはお話通りでございまして、我々のほうもこの政令案をこしらえて絶対に通れないようにしようという考えはないわけでございます。一方交通処置を講ずるとか、或いは待避所を急速に設置して、できるだけこの制限を働かないようにしたいという考えでおります。この点につきましては、来年度におきましても今の五カ年計画のほかに新しい予算を要求いたしたいと考えておるわけでございます。
  13. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 そういたしますと、大変内容が明確になつて参りましたが、差当り現状については来年度一ぱいで国道が今御指摘のような格好になると、国道についても既存の車が全然通れないというようなことはない。或いは待避所、或いは一方交通等の措置によつてともかく制限は加えるが、現在の車は一応通れるのだと、かように理解をして差支えございませんでしようか。
  14. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この待避所設置等につきましては、只今予算を要求しておる段階でございまして、この予算行方如何によつては又変つてくるのでございますが仮に通つてといたしますと、国道についてはそれぞれの処置退避所を作りますとか、一方交通に準ずる処置を講ずるとかいたしまして、既存の車は支障なく通れるということにいたしたい考えでございます。
  15. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 そういたしますと、国道以外の点については最前お話のようにそういつた予算措置、或いは客観的な施設ができるまでは一応現状をできるだけ尊重しようというお考えでございましようか。
  16. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) さようでございます。国道ができましたら、次に主要地方道に及ぼすという考えでおるわけでございます。その間におきましても、道路管理者考え方でこの所は制限しなければならんというふうなことがございましたら、それは国道以外でも道路管理者においてそれぞれの施設をして制限をするということはできるわけでございます。
  17. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 そうしますと、重大な問題が起ると思うのでございます。これは地方的に私は大きな問題が起つて来やしないかということを私ども心配するわけです。従来車が通れたものがその車が通れない。そうすると既存トラツク会社バス会社で急に車を新らしく買うというわけにも行きませんし、その結果が輸送力が激減する、そうして朝晩の通勤通学お客さん、学生その他も非常な支障を生ずるというような事態が、今のお話ですと起らないとは到底保証できないと思うのでございますが、その辺についてのお考えは如何でございますか。
  18. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 道路管理者考えでということを申上げたわけでございますが、その点について只今お尋ね考えます。併し道路管理者といたしましても、この自動車交通については十分な関心を持つており、むしろ狹い道路に大きなバスを通すことを今までも道路管理者としても賛成しておつたところでございますので、御心配になるような考え方道路管理者は恐らく持たないであろうと私は確信いたしております。
  19. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 只今お話伺いますと、何か安心してもいいような感じもいたすのでありまするが、道路管理者地方自治団体にとつては、地方民交通というものはこれは極めて重大な問題なんで、恐らくさような局長お話のような方向でお考えが願えれば非常にこれにこしたことはないのでありますが、必ずしもそうでない場合も従来においてもないとも言えませんし、この辺のととろについては、いずれ政令案その他現実に私どもまだ最後案を拝見いたしておりませんので、いずれできましたら拝見をして、とくとその内容についてもなおお伺いしたい点もたくさんありますので、別の機会最後政令案ができましたら一度是非説明を頂きたいと思うのでございます。  それから運輸省自動車局長お願いを申上げておきたいことは、只今私が富樫道路局長さんに御質問をした点については一応お聞きとり頂いたことと存じますので、最前道路局長さんのお話のように、本件については建設省運輸省両省間において協議をして、交通支障のないようなお話合いを遂げた上で実施するというようなお話合いもございましたので、交通行政を御担当の、殊に道路交通行政を担当しておられる自動車局長さんにおかれましては、現実日本における自動車交通事態というものについてはこれは一番よく御存じのはずでございますので、どうか政府部内におかれまして、現実自動車交通支障を生じて、それによつて経済円滑に阻害を来すことないように願うことは勿論、又一般地方自動車交通等に重大な、急激な支障が起つて、そのために地方民が重大な迷惑をし、延いては日常の経済活動にも支障を及ぼすというようなことのないように、是非一つ現実交通実態というものをよく洞察せられまして、この政令案実施について慎重にお取計いを願いたいということをこの機会お願いをいたしまして、私の質問を終ります。
  20. 松岡平市

    松岡平市君 私は途中から入つたのでよくわからないんだが、この問題をこの委員会で取上げた主たる理由はどういうことでございましようか。委員長から聞かして頂きたいと思います。只今質疑応答等を聞いておつて地方行政委員会で取上げられたという理由はどいうわけでしようか。
  21. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) これは松岡さんがまだ国会に出ておられませんときに、この道路運送法ができましたときに、実は地方行政と重大な関係があるというので、合同委員会を開いた、私もおりまして開いたこともございます。先に富樫局長が申されたように、道路管理をする知事等にそういう権限を持たせる、更に自動車税というものに対しても地方税として非常に関係があるというようなことで希望がありましたので、昨日委員会にお諮りいたしまして了解を得た次第でございます。御了解頂きたいと思います。
  22. 松岡平市

    松岡平市君 私がお尋ねをすることは、ここでやられて、結構な理由があつてつておられると思うけれども、一番主たる点は今言うように地方税金の問題ですか、それとも地方の、地方というか一般交通治安の問題ですか、主たる目的は何でございましようか。ここで取上げられた主たる目的は。
  23. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それはやはりいろいろ含まれているでしよう。交通事故の問題もあるでしようし、道路がいためばその県費の負担の問題もあるでしようし、重点ということは昨日は出ませんでした。はつきり申上げておきます。
  24. 松岡平市

    松岡平市君 今私は運輸問題については全然のしろうとでございますけれども、ともかく今日非常に狭い道を非常に大きなバス通つてつて自動車に乗つておるもの以外のものがこれに非常な危険を感じておる。それから又非常に他の交通を、自動車交通はそれ自体はできてもほかの小さな自転車なり、或いは歩行なりというものに非常な困難を生ぜしめておるという事実は万人の認めるところであると思います。いろいろな問題も私がそういう観点からも検討して頂かなければ、一概に自動車産業、或いはバスの経営ということだけで議論を進めるわけにはいかないと思います。私はしろうとでわかりませんが、幸い自動車局長が来ておられるようですからお尋ねしたいが、バス路線を許可するときには道路幅員関係なしに、幅員は顧慮せずにどういうバスを通してもいいように許可しておられるのか。それとも幅員の狭いところには現在なおそこへ通すバスの大きさは一定の制限を加えておられるのか、先ずお聞きしたい。
  25. 眞田登

    説明員眞田登君) 今バス免許に際して道路関係なしに免許をしておるかという御質問でございましたが、我々のほうでは免許基準に適合するか否かを調べましたほかに、道路管理者にこの道は現在こういうバス通つてもよろしいかということを照会いたします。そういたしますと、道路管理者がこの道は適当な個所に待避個所を設けたほうがいいだろう、或いは砂利をどの程度入れれば安全である、或いはこの橋を補強すればよろしい、そういつた意見をつけて差支えないという返事をもらうわけであります。それに従いまして、我々は免許いたします際には道路整備を行なつてから運行を開始すること、こういうふうな指令をいたしております。
  26. 松岡平市

    松岡平市君 そうすると、少くとも現在許可しておられる路線道路管理者の同意を得ておられる、こういうことでございますね。そういたしますと、私は道路局長のほうにお聞きいたしたいのだが、少くとも現在は先ほど問題になつ道路管理者の利害の問題が、この委員会が取上げておるということについては道路管理者は同意をしておる。従来そういうところに大型バスを通しては困るという点は、少くとも道路管理者は同意しているということであつて、先ほど来伊能議員と道路局長の間のいろんな問題については、少くとも今まで同意されているととろにはそういうバスを通して、少くとも定期の路線はまあ通つてもいいという同意を与えているわけです。そうするとそういう一つの大型バス幅員のきまつた大型バス通り得るということは始めからきまつている。そうすればその他のバス等についてもそれを超さないものがそこを通行することについて私は別に道路管理者が反対する理由はないだろうと思うし、従つて私は政令内容について詳らかにしませんけれども、先ほど来何かそういうものを今後は制限するようなふうの質疑応答でありますが、そういうことは起こつてこないと思うのですか、これはどうでしようか、道路局長にお聞きしたい。
  27. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 先ほど自動車局長お話になりました通り路線免許されますときは、道路管理者の意見を聴されます。道路管理者道路に関してそれぞれ意見を附して陸運局に申すわけでございますから、事前に免許を受けた路線につきましては道路管理者も同意しているわけでございます。又初めに免許を受けたときの条件、自動車の大きさ等が変ります場合にも道路管理者は意見を聴されるわけでございまして、それについても道路管理者の意見によつて運輸省のほうできめられるわけでございますから、それ以上大きな車は通さないわけであります。併しだんだんにこの自動車が大きくなつて参りまして、結局交通量が増して来ている。その交通量の大部分が大型になつて来ているというようなことで、交通量とも関係するわけでございます。大きな車が一日に一回や二回通るんでは差支えなかつたわけでありますが、これがしよつちゆう通るというようなことになりますと、又これは状態が違つてくるわけでございます。そこでこの政令は従来きめておりました企画よりも多少増しているわけでございますが、それは自動車の幅が大きくなつて来ているという点で増しているわけでございますが、免許線につきましては、お話通りこの道路管理者も同意いたしているわけでございますが、それ以外のバスなりトラツクなり、これらについては特に免許を要しませんので、そこが道路に大きな車が入つて来ることがあるわけでございます。それらのものを制限いたしたいというふうに考えているわけでございます。
  28. 松岡平市

    松岡平市君 そうすると、道路局長のほうのお考えというのは免許された路線については免許された会社のバスだけは通してやると、大型バスそのほかのものは通してやらんと、そうして道路の困難を緩和すると、こういうことになるわけですか。
  29. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 既免許線についてはこの政令でもそのまま認めているわけでございますので、お話のようになるわけでございます。それから新らしく免許します路線につきましては、この政令での制限を受けることになるわけでございます。
  30. 松岡平市

    松岡平市君 そうすると、これはちつともわからなくなつて来たのですが、伊能君がその点を……。私政令内容を知りません、率直に申上げますと。ただここで質疑応答のことを聞いて、奇異の感じに打たれて質問したわけですが、すでに免許された幅員バストラツク通つてよろしいと、それからそこはそういう車が通り得るというので免許されているんだから、免許された会社の車以外の車も通つてよろしい、そういうものが通り得ないところが、道路管理者が同意することはないと思います。そしてAの会社が持つておる幅員の大きな車が通り得る、支障なく通り得るところであれば、そのほかのものの持つておる、つまり免許された路線を持つておる会社以外の車が通つて通り得るはずなんです。通り得ると思う。そうしたらばそれを私は制限する理由はない、何かそれは別に制限なさりそうな口ぶりでもあり、なさらなさそうな口ぶりでもあり、はつきりせんが、これは私は当然一つ幅員の車がある、私の持つておる車ならば通れる、併し伊能君の持つておる車は通れないという理由は成り立たないと思う、これはいずれも通り得ると思う、今言うように……。それから今後免許されるものについては、それは私は今いろいろ交通量の問題なんかから考えても、道路管理者が同意を与えなければ許可にならない。私は政令というものはその道路管理者が同意を与えるについての一つ基準を与えるに過ぎない、こう考えていいと思う。従つて大きな問題にはならんと思うのだが、なぜ伊能君とあなたの間に非常に重大な問題が残るように言われるのか、その点が明らかでないので、一つ素人に教えて頂きたい。
  31. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 既免許線につきましては、無理をして通しておるのです。と申しますのは道路の側から申しますと、道路の両端五十糎程度道路の構造を保全するために設けておるわけでございます。でこれも止むを得ず使うということにしますと、大型も入るわけでございます。入りますが、それは道路の構造の保全上望ましくないことでございますので、この政令案ではそういう両側は通らないようにきめてあるのでございます。併し従来免許せられておりますのは、そういうところも無理に通つて現実には使つておるわけでございます。そこでその免許されたものはこれは止むを得ないが、その免許されておらんものはそれは大きなものは困るという考え方にしておるわけでございます。
  32. 松岡平市

    松岡平市君 ちよつと、もう一言だけ……。そうするというと結局あなたの話だというと、既免許のもの、すでに免許されたものも、それは道路管理者の同意が必ずしも適当でなかつたんだ、こういうふうに了解してよろしゆうございますね。
  33. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 必ずしも適当でなかつたわけでございます。
  34. 松岡平市

    松岡平市君 それでは自動車局長に私はまあ一言私の意見を申上げますけれども、先ほど冒頭に申上げましたように、今日非常に大きな自動車が狭い道を通つてつて交通上非常に迷惑をしておるということは、これはもう誰でも認める。今道路局長の話によると、どういう事情か知りませんが、内輪の事情は知りませんが、道路管理者が非常に不適当な同意を与えておる。こういうことを道路局長がここで公言しておられる。私は一つ路線を通す場合に、これはもう又自動車路線を通じてもらいたいということは、非常に大きなほうぼうの希望であろうと思う。従つて成るべく路線を通ずるようにしてもらいたい。併しその場合には車の幅員等について相当な考慮を加えて頂くということについては、やはり運輸省の側でも特段の御注意を加えて頂かなければいけないんじやないか。伊能君は先ほど自動車の外国輸出のために、大型のものを輸出すると、そうすると国内規格もそれに従つて大きくしなければ、自動車の製造上非常に困難だというようなことから、まあ大型を走らせることも止むを得ないというような議論をしておられるけれども、それは外国人のを輸入する洋服は大きいから、日本人は大きいものを、大きな洋服を着ることは止むを得ないという議論に私は非常に近づいて来るんだと思う。どうも日本人が小さければ、外国人に着せる洋服は大きくても、日本人はやはり小さな洋服を特別に誂らえて着なければこれは恰好がつかんと思う。何らかの方法で……。少くとも昔は小さな自動車もあつたわけです、バスでも。そしてこれは私も一遍運輸委員会自動車局長ちよつとお話したことがあるけれども、例えば折角ああして無理して許可して頂く、これは知つております。佐賀県の嬉野町のバスの事故でございます。狭い所を地方民の要望に応えて下すつて、そしてあすこにバスを通した。これは地方民は非常に感謝している我々も感謝しているが、これはそこを通るバスが小型であれば、ああいう大きな事故は起らなかつたのじやないか。ところがとああいう狭い道で大型であつたために、思いもかけぬ事故が起きている。被害をこうむる者はもとより、運輸省としても不測の損害をこうむつておられる。こういう事態もあちこちに起きつつあるのでございますので、私は素人ですけれども、これは一概に大型バスを必ず通せという議論も酷であろうし、それから又今通つておるものを、もう通れなくしてしまうということも、少し無理であろうと思うし、これは余りここで私はそう議論せずに、一つ事務当局で現実を見て、余りこういう議論をせないでもいいように片付けて頂きたい、こう思います。
  35. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) ちよつとお尋ねいたしますが、道路法ができて四十七条に政令に譲つておるのですが、長い間政令を出されなかつたのをこのたび準備されましたが、よほどいろいろな調査をされたと思うのですが、この交通事故の問題それから道路の損傷の問題、そしてこの政令によつて交通事故がどれくらい減り、それから道路の損傷がどのくらい軽減でき、そして輸送量にどういう影響を与えたか、更に伊能君が質問されたように車両幅員重量制限されるために、自動車工業に新たな資本を投下してやらねばならないが、そういうことに対する影響というような広汎な調査ができておると思うが、そういう関係について少しお話ができましたら……。それで交通事故の年次別の変化、例えば道路損傷のその補修の費用の年次別と車両との関係というような問題、そしてこれを政令の原案のようなものにすると、交通事故がどれだけ少くなり、道路の損傷がどれくらい軽減でき、輸送力にどれくらい影響する自動車工業の新たな資本投下にどういう経費が要るというような調査がなされていると思うのですがそういうことについてわかりましたら……。
  36. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) お尋ねの点でございますが、事故等の総計はございます。それからこのためにこの政令実施することによつて、どれだけ道路の損傷が減るかというようなことは、これはこの道路の維持費に現われて来ることと思うのでございますが、これらのことはまだ金に換算して出してはおりませんが、後ほど調べましてお答えいたしたいと存じます。  それから自動車工業との関係でございますが、この政令を施行したために、どれだけ自動車工業に影響を与えるかというようなことでございますが、これは只今通産省のほうにお願いして、それらの資料を用意することにいたしております。
  37. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) この政令によります幅員や、重量制限等は、まあ一つの立法措置にも匹敵するほど重大ないろいろな影響を及ぼすと思うのですが、これができましたら一つ、国会に諮るという法的ななにはないのですが、一応関係委員会等にも諮つて頂いて、あとで余り問題のないようにして頂くような配慮はできないものか、その点……。
  38. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) それはお話通りにいたしたいと考えます。
  39. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それでは私申しました交通事故の年次別の、それから道路の維持費と、通ります自動車の数との関係というような相関関係が出ると思うのですがね、それと制限されることによる輸送量に及ぼす影響というようなものを、一つあとで結構ですから、できましたらお願いしておきます。
  40. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 さいぜん委員長から車両の生産の問題がありましたが、現状をお認めくだされば、車両工業には大した影響はないです。ただ、今後これ以上多くするかどうかという問題は、これは私ども建設省の御意意見通りに従いたいと思つているのですが、一応現状を認めて頂くという程度、これであれば自動車工業には大した影響がない。ただ使つておるトラツク業者、バス業者には、今使つておる車が使えなくなるということで重大な支障が起る。この点はありますが、生産工業には支障はないように私は自動車メーカーから聞いております。
  41. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) 奥野税務局部が御出席ですが、自動車税のこと何かありましたら……。ありませんか。自動車税並びに道路運送に関しましてほかに御質問ありませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それではこの問題はこれで終りたいと思います。  西田長官は今衆議院の予算委員会に御出席でして、午後一時半ごろまでお手がすかないのでございますが、それから午後二時から閣議が予定されているわけですが、如何いたしましよう、選挙期日の問題なんですが、兼子部長はお出でです。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  43. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) 速記を始めて。それでは一時から開きまして、選挙期日に関する件を先ず選挙部長等から承わり、その間手がすきましたら大臣に出てもらつて続行するというふうにいたしたいと思います。それではこれで休憩いたします。    午後零時十五分休憩    —————・—————    午後一時五十一分開会
  44. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それでは休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。  地方選挙の期日に関する件をお諮りいたします。
  45. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 次長でも選挙部長でもいいですが、この前総選挙の期日の問題がここで議題になつて、来春の国会明けに法案を出したいというお話つたけれども、来春の国会明けでは実際落ち着いて審議できるかどうかわからない。だから成るべく年末のうちに間に合わせろと言つたけれども、とうとう間に合わなかつた。どういうふうに取扱われる考えで、そしてどういうような内容を持つものにしたいということに決定されたか、伺いたい。
  46. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 明春行われます地方選挙の期日をいつに統一的に定めるかということにつきましては、自治庁といたしましてもいろいろまあ研究いたしておりまするし、又過般の当委員会の御要望の趣旨もございまして、できるだけ早くきめるべくいろいろ検討を加えておるのでございますが、何分これは関係するところが大でございまするし、又すでに出て参つておりまする意見の中に、やはりこの都道府県側を代表しまする意見と、市町村側を代表しまする意見との間に大分開きがございますので、それらのまあ調整考えたいと思つておりまするし、又、近く二十四、五日に選挙管理委員長の会議をいたすことにも相成つておりまするので、それらの選挙管理機関の立場から見まして、どういうふうに考えておるかというようなことも一つとくと、単なる陳情書というようなことでなくて、まあとくと検討をしたい。その上で一つ慎重に決定をしたいということで、実は遺憾ながらまだ政府といたしまして、最終的な結論に到達していないのでございます。ただ、二十二年の選挙、二十六年の選挙と来年の選挙とこういう三つの選挙の関連から申しますると、二十二年には御案内のように執行機関と議決機関、別々に選挙いたしたわけでございますが、又二十六年の選挙の際におきましては、そういう過去の先例からやはり議決機関を先にやり、執行機関をあとにやるというような形の案を政府原案として提案をいたし、衆議院におきましてはそれがそのまま通過いたしたのでございますが、当院の御修正がございまして、両院協議会になり、ご案内のような市区町村の選挙を先にする、都道府県の選挙をあとにする、而も機関別ではなく団体別にやる、こういうことになりましたのでございまして、これがまあいわばそういう経緯から徴しまして一番近い例でございまするし、従つて今日までのところといたしまして、やはり前回とられましたところの方式によりまして三十年の選挙もこれを行うほうが、まあ自然の道行きであるというふうに考えておりまするが、併し今日の情勢といたしまして、これを変更すべき積極的な理由がございますならば、これはその変更ということもまあ考えられるわけであります。只今のところ、その辺の事情を先ほど申上げましたような選挙管理委員長会議等におきましても、一つとくと相談をしてみた上で最終的な結論を得たいとこういうことに考えておりまして、只今までのところ、こうするという最終的な結論に達していない次第でございます。
  47. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 今のその期日について都道府県側と市町村側とによつて意見の食い違いがあるというお話ですが、その同じ団体の中で、又今度は機関別によつて又意見が違つておるということが又あるのじやないのですか、どうですか。わかつたですかな。
  48. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これは私も実はまだ、特に私の手許まで陳情書が出て参つたり、又陳情書にお見えなつた方々の意見を承知しておるだけでございまして、そういうところによりますと、都道府県側では、県知事からそういう趣旨の、例えば都道府県議会の議員の選挙を先にやつてもらいたい、こういう話は積極的にはまだ聞いておりませんが、都道府県の議長会のほうからはその意向を強く聞いておりまして、これがまあ一番強いようであります。市町村の側では、大体これは只今手許に持つておりますが、市長会、町村長会或いは市議長会、町村議長会というようなところからやはり市町村の選挙を先にやつてもらいたい、こういう要望が出ておるのでございます。
  49. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 こうなつて来ると、いよいよ法律では間に合わないという公算が非常に大きくなつたと思うのですが、どういうふうに取扱われることになりますか。
  50. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 国会の自然休会との関係もございまするので、この自然休会前にこの措置を立法化して頂くということは困難かと存じますが、再開国会の劈頭に政府としては案を用意いたしまして、御議決を願うように一つ是非お願いをいたしたいという考え方でおる次第でございます。
  51. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) 只今松澤兼人君から委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それではこれを許可いたします。
  53. 松澤兼人

    委員外議員(松澤兼人君) 僕は委員外議員ですが、ちよつと……。この前に特にお話申上げましたように、これを9回明け早々に出すということであれば、相当に政治的に衆議院なり、或るいは参議院の議運なり、或るいはそれぞれの党派に連絡しなければむずかしいだろうということを申上げましたが、その点長官は何か民主党なり或いは又衆参の議運なりにお話合いをなすつたということがございますか。
  54. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) まだ話合いをしたことはございません。
  55. 松澤兼人

    委員外議員(松澤兼人君) これはまあ民主党自身でも国会対策委員長などが、二十一日かまあ二十二日に再開して、開会式をやつて、それから総理大臣なり或いは大蔵大臣の施政方針、財政演説をやつて、それから代表質問をやつて予算がそれまでに出たとしても、予算の実質審議に入らないで、そこで解散だということを言つておるのですが、実際上間に合いますかどうですか、その辺のお見通しはどうですか。
  56. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) まだ内閣としまして、いつ解散をするかということは、日取りその他ははつきりきめておりません。併し今おつしやつたように総理大臣の施政方針の演説があつて、衆参両院の各党の質問を一応受けて、その後解散することが適当でなかろうかという議論は内閣でもされております。従つて私の見通しでは、休会明けからまあ少くとも四、五日間の期間はあるであろう、その間に例えば劈頭に政府としまして法律案を提案しまして、四、五日間のうちに両院ともあげて頂くように、法案の整備ができましたら各党に交渉いたしたい、かように考えております。
  57. 松澤兼人

    委員外議員(松澤兼人君) 先ほどまあ年内に法律案を出して頂きたいということに対する要望に副いかねる御説明を頂いたのですが、我々もできるだけ経費を節約いたしたいということを考えておるしするから、そういうふうにしてもらいたいということをお願いしておいたわけですが、併し先ほど次長のお話を聞きますと、いろいろ陳情なり意見なりがあるから決しかねているというお話であります。私は技術的に考えてみて、二十六年の選挙をやつた方針で案をお出しになればそれでよさそうに思うのですけれども、それが、国会がそれもいけない、この前は市町村グループが先にやつたから、今度は国会グループが先にやるのだという、国会の意思がそういうところにあれば修正したらいいので、それを自治庁自身でああだ、こうだということを考えていらつしやるならば、いつまでたつてもその結論が出ないのではないかと、こう思うのですが、選挙管理委員会の会合で意見を聞いて、そうしますと案のまとまる時期はいつ頃、年内にその案がまとまりますか。この点は如何ですか。
  58. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 一応この前の国会に政府が提案したものが、衆議院を通つて参議院で修正されておりますので、その決定に対して変えるということの理論的な問題もありますし、又選管委等の意見もまだまとまつて聞いておりませんので、そういう意見を聞きました上で、遅くとも来週の金曜の閣議では案を確定してかけたい、そういう段取りで進みたいと考えておりますから、年内に法案が整備できるということは間違いないと考えております。
  59. 松澤兼人

    委員外議員(松澤兼人君) 事務的にやれば、二十六年の選挙の通りに法律案をお出しになればいいのに、それを強いて現在まで遅れているということは、何か上のほうで二十六年の選挙の通りに法令案をお出しになるということを阻止しているというか、或いは異見を唱えているという、そういう自治庁内部の意見調整ということにひまどつて、現在まで立案ができない、そういうことがあるのじやないですか。
  60. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) さような事実はありません。
  61. 松澤兼人

    委員外議員(松澤兼人君) それでしたら非常に簡単で、それに対する、例えばここにも府県会議長の陳情がありますが、或いは市町村会或いは市町村長などの意見も又別に来ていると思います。国会としてその意見を決定するということは、これは又別の問題ですからして、お出しになれば、現状通りならお出しになれるように思うのですが、それができないということは、どうも私どもには納得が行かないのです。それに対してどういう事情か、更に御説明頂ければ結構だと思いますが、若し万一国会において予定された行事が一ぱいあつて、この地方行政でその法律案を審議するいとまがないという、こういうことになればこれは大変なことだと思いますし、それに対してはどういう措置で対処なさるお考えでありますか、併せてこの点も承わりたい。
  62. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) この前の参議院の当委員会におきまして、二十日頃までに何とか出すようにせよという意味の勧告を受けておりました。私としてはできるだけ早く結論を出して、明日まで国会がありますのですから出したいと思つておりましたが、何しろ私自身地方行政どころか、選挙などについては、自分も選挙をやつた経験は持つておりますが、非常に不馴れなものですから、いろいろ御意見を承わつて、最終的に結論を得たいということで、実は先週の金曜の閣議にかけたいとまで考えておりましたけれども、今日まで差控えておつたようなわけで、甚だ申訳ないと思いますが、早急に結論を出して一つ開会明け国会には提案をいたしたい。  第二の御質問の、できなかつたらどうするかという御意見でありますが、いろいろ国会としては、勿論政府の施政方針その他に対する質問演説等、非常に大きな問題を控えておりますが、解散が絶対に避けられない事実であるという建前から考えまして、国会自体としても、若し提案をしました場合におきましては早急に御審議を煩わして、選挙に支障のないようにいたしたい、かように考えております。
  63. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 もう一つ念のため伺つておきますが、選挙費用、つまり選挙事務費ですが、機関別にやつても団体別にやつても大体同じである、こういうふうに理解していいですか。選挙部長に……。
  64. 兼子秀夫

    説明員(兼子秀夫君) 地方選挙の執行を団体別にやるか、機関別にやるかによつて経費がどう違うかという問題でございますが、本来四つの選挙があるわけでございます。知事と市町村長と県会議員と市町村会議員、四つの選挙を同時にやることはできませんし、経費の面からこれをくくるということになりますと、団体別にやりますと、団体としては、これは経費が一つの選挙になるわけでございます。それを機関別にくくりますと、府県は長の選挙と議員の選挙と二度やる。それから市町村のほうにおきましても、長の選挙と議員の選挙と二度やる。従つて機関別の方式をとりますと、四つの選挙が形式的には二つの選挙になりますが、形式的には二つの選挙になりますが、中で経費の面から見ますと、やはり四つということに相成るわけでございます。でありますので、機関別のほうが経費は多額を要するということが言えると思います。
  65. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 理論上はそうですけれども、実際は機関別にやつても、議員なら議員を市町村会議員と県会議員と一緒にやつても、この費用は実際事務を一緒にやつているから、費用負担はお互いに県の側と市町村の側と半分出し合うでしよう。半分というか、一定の割合で出し合うでしよう。長の選挙に当つて、県の知事の場合と市町村長の場合と一緒に選挙をやつてしまつて、同時選挙をやつて負担し合うから、そんなに四つの選挙をやるのだというような簡単なものではないので、実際そうでなければ同時選挙は意味はないのだ。だから僕は同じくらいになるのではないかと言つたのです。
  66. 兼子秀夫

    説明員(兼子秀夫君) 機関別にやりますと多額を要すると申上げましたのは、例えば選挙会にいたしましても別にやらなければならん。それから投票箱の装置にいたしましても、そういうものも別に経費を要する。ただ一番選挙で以て金を食います管理事務の経費、そういうものはおつしやる通り、同時選挙でありますから、その点はいずれの方式をとるにいたしましても節約ができる。でありますからどのくらい余計かかるかということは、まだ計算はいたしておりませんが、若干機関別のほうが余計になるということは言えると思います。
  67. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 それはこの次に法案を出すときまでに、そういう費用のかかり方をよくはつきりさしておいて下さい。
  68. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) ほかにありませんか。それでは自治庁の長官にお願いしておきますが、再開国会で解散必至の情勢ですから、いろいろ事情はあると思いますが、できるだけ立法措置によつてつて頂くように御努力して頂きたいと思います。なおそれができない場合、やはり衆参両院の委員会等には了解を得て頂くような御配慮をお願いしておきたいと思います。   —————————————
  69. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それでは次に地方公務員期末手当に関する件をお諮りいたします。
  70. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 公員務の期末手当に関しましては、昨日の衆議院の人事委員会におきまして熱心に討議されまして、政府の所管関係方面からも非常に熱意のある御答弁があつて、この点については敬意を表しておるのであります。そこで大体昨日の委員会におけるところの質問応答から、こういう点がはつきりなつたと思うのであります。国家公務員に対しては一・二五カ月分のほかに超勤とか或いに日宿直手当の繰上げ支給、地方公務員もこれに準ずる、こういうふうなことがはつきりしたと思うのであります。なおこれにつきましては、西田長官は昨日おいでにならなかつたのでありますが、午後の委員会において、文部大臣から特に地方教職員の分についてはつきりと言明があつたようであります。つまり年末手当のプラス・アルフアは支給はしない。但しその助けとするための超勤手当の繰上げ支給を行う。が、実質的にはアルフア支給と同じである。地方もこれに準ずるよう指令する。教職員には勤務手当はないが、差別待遇は許せぬ。そのため宿日直手当の繰上げ支給を国家公務員と同様の支給をすることを、先ほど次官会議で決定したと、こう言明されておる。でなおこの点については、まあ今朝のラヂオあたりで文部大臣が一・二五カ月に対して千円をプラスするというようなことが、これは報道ですから……、報道されておつた。そういうことが、昨日の委員会を通してはつきりしたことになるのでありますが、この文部大臣の言明に対しては、勿論私は西田長官とこつちの方面との政府としての連絡があるものと思うのでありますが、その点如何ですか。
  71. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 文部大臣からその問題については特別の連絡はありませんでしたが、閣議の席等において、私も地方公務員並びに教職員の諸君の不均衡を是正するというために強力な発言もいたしましたし、必ずしも私の考えておつたほどのことにはなつていないようにも考えますけれども、まあ今までの不均衡を或る程度是正できたという点で、今回はやむを得ないものとして、私も文部大臣が昨日の委員会で言われたことを了承をいたしております。
  72. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 その点で、長官のほうにおかれてもその点は十分了解されておるということがはつきりいたしました。そこで私の伺いたい点は、いわゆる地方公務員に対して一・二五ヶ月分と給与の改善措置とを合せまして、大体率にしたならばどのくらいのところが一体見当になつておるか、合せましてですね。或いは又新聞報道などで見ますというと、一般の公労協あたりは一・三五というようなことがきまつたというように出ております。この点はどの程度にやるものか伺いたいと思います。
  73. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 私は詳細な金額はどういうことになるか実際承知いたしておりません。又教職員の宿日直手当とか或いは夜勤手当とか研究費等々が地方財政の、各都道府県の予算の中にどの程度組まれておるかということは実際は承知いたしておりません。私の考え方としては、大体〇・一くらいはということで努力してみたわけでございますけれども、結果としてそういうものははつきりしたものが生れないで、御承知のような結果になつたわけでございまして、金額等につきましては、あなたがおつしやつたように千円というものが果してやれるかどうかという点については、しつかりした私は数字の確信も今のところ持つておりません。たださつきも申しましたように、今までもらえなかつた人々に、その不均衡を今回是正し得たという点と、それからできるだけ余計にやりたいという気持に変りはございませんけれども、さつき申しましたようにはつきりした数字は私承知いたしておりません。
  74. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 大臣の御意向はよくわかりました。まあ〇・一くらいのところというようなところをお考えになつておるのであつたとすれば、私はそれ以上に大臣として今後地方長官あたりに対しまして、十分支給されるよう御努力を願いたい、こう考えております。  そこで更に私は昨日の衆議院の人事委員会におけるところの質疑応答から考えまして伺いたいのでありまするが、それは昨日のこの委員会におきましては、とにかく地方長官に対して自治庁としても通達を出す、財源措置等、或いは今の期末手当の取扱いにつきまして、そういうふうなことを次長さんがここにおられますが、言明されておるのであります。そこでどういうふうないわゆる通達が用意されておるか。先ほど何でも出されたという話も聞いておるのでありますが、その内容について伺いたいと思います。
  75. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 御承知のように自治庁と都道府県、市町村との関係は、私が申すまでもなく御承知のことと思つております。従つて自治庁としてやれる最大限度の努力もしたわけでございますが、内容を今ここで読上げてみます。    超過勤務手当等の支給の特例について、   今回国家公務員の十二月分の超過勤務手当、夜勤手当及び宿日直手当の支給について、別紙のとおり人事院指令が発せられ、一般職員については超過職務手当及び夜勤手当を、教職員についてはこれと均衡を保つ意味において宿日直手当を繰上げ支給する扱いとなつたから、地方公務員の十二月分の超過職務手当、夜勤手当及び宿日直手当の支給についても参考とされたい。   右に伴い、都道府県において教職員について繰上げ支給を行う場合における資金措置として義務教育費国庫負担金の第四・四半期分のうち宿日直手当に係るものの一部を繰上げ、現在までの負担金の未払分と併せて総額三億円を年内に概算交付する予定である。   なお、本件については、特別の財源補てん措置は講ぜられないから念のため。   本件については、文部省とも協議済みであるから申添える。 こういうふうな意味合いの通達を出しております。
  76. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 大体それで内容はわかつたのでございますが、この内容につきまして、私は昨日の質疑応答の方面からだんだん考えまして一つ疑問が起るのであります。といいますのは、今のお読みになつた通達の最後のところに「本件については、特別の財源補てん措置は講ぜられないから念のため」と、ここが非常に私は問題があるところでないかと思うのであります。というのは、昨日の衆議院におけるところのこの質問に対して、次長さんはいろいろお答えされておつた。併し私はその点について明確を欠くところがあるのじやないかということを非常に心配しておつたのでありますが、今の通達を見まして一層その点がはつきり疑問として浮んで来たのであります。というのは、昨日の次長さんの答弁では、とにかくまあ地方財政計画については、一応の三月までの年度としての見通しがついておる。だからしてそれによつて特別な財源措置というものは要らないはずである。ただどうしても困るというふうなところに対してはあるかも知れないから、それについては、郵政省とか或いは大蔵省との方面と折衝して何か融資の途でも考えてやりたい。こういうふうな御答弁があつたように思うのであります。ところがこの今お読みになつたところの通達では、大体総額で三億円ぐらいは、これは国から交付すると、併し本件については特別の補填の措置はとらないから念のためというようなことがあるのでありまして、この辺が私にははつきりわからない。これはまあ次長さんのほうからでも一つ御答弁を願いたいと思います。
  77. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 今回の年末給与の措置につきましては、只今大臣がお読みになりましたような通知を出しております。その財源措置はどうかということでございますが、これは実態は先ほど来お話のございましたように、過去の超過職務手当の支払をとめておりましたようなものがございますならば、それをこの際一緒にし、それから又この十二月分の超過勤務の実績に応じまするところの支払というものは、本来の給与の原則から申しますと、翌月の俸給の支払日にこれを支払う、こういうことになつておるわけでございますから、それを今回人事院指令によつて、必ずしも翌月の俸給支払日でなく、その前に、十二月中に払つてよろしい、こういうことになつたわけで、地方といたしましても、そういうような規則を同様に変更しまして、その部分にその日に支払うべきものを本年末に支払う、従つて過去のいわばとめ置かれましたものと、そういうふうな十二月中の超過勤務に対応する手当、二通りのものをこの際払う、こういうような結果になろうかと思うのでございます。で、一体その支払い財源措置はどうかと申しますと、この財源措置は一般職員と国庫負担金のございます義務教育職員、この二つに分けて考えなければならんということになりますが、一般職員につきましては……。
  78. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) ちよつと鈴木さん待つて下さい。閣議が始つておるということでございますが……。
  79. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私はこの点は次長さんにおいて明らかになればそれでよろしいです。
  80. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それじやどうも失礼いたしました。それじやどうぞ……。
  81. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 一般職員の分、これは高等学校の先生或いは警察職員というものも含めました一般職員でございますが、この分は、実は普通交付税の算定の基礎に全部入つておるわけでございまして、普通交付税の交付は、御承知のように十一月の初めにこれは本年度のものは全部完了しております。言い換えれば来年の三月三十一日までの給与費も全部見込みまして、そして足らないところを普通交付税という形でこれはもうすでに出しておるわけでございます。ところが義務教育職員の財源のほうはどうであるかと申しますと、これは十二月末までの、要するに第一、第二、第三・四半期までの分は、これは文部省からすでに払つておるわけでございますが、第四・四半期分、即ち一月から三月末までの分がまだ全然出ていないわけでございます。ところが今回のこの措置によりまして、十二月の超過勤務手当てに対応する超過勤務手当の支給は、本来ならば第四・四半期に支払うことになつておりますから、金が行つていないわけで、そこでその分は第四・四半期の支払い計画を立てて、今度三億円だけ出すと、こういうことであります。従つて財源措置の点から申しますと、義務教育職員についてだけそういうようなことをやらなければ、財源措置、財源措置と言つてはおかしいのですが、資金措置はないのでございますけれども、その他のものは、一般職員につきましては、財源措置はもとより、資金の手当も全部行つているわけなんでございます。そこでこれは各都道府県、市町村といたしましては、こういうことをやりますためには、特別の財源は勿論要らんわけでございますが、ただ金繰りの上で非常にいろいろ窮屈であるというならば、それは先ほど来お話の出ましたように、資金を、関係官庁にこれをお願いして話合いをしてみよう、こういうことを昨日申したわけでございますが、併し何分額といたしましては、普通の俸給と違つて、こういう特殊なものでございますから、それらに比べれば少額のものでございますし、又年末に際しましては相当に起債の前借り、或いは一時借入金という形で資金が行つておりますので、そういうもので又やれるだろう。それから又府県なり市町村から申しますと一月にはどうしてもこれは払わなければならんものでございますから、仮にここで借りましても、大体二週間かそこらのまあ先借りということにむしろなるわけでございますので、余りこの手数に比しまして実益のないものであると思うのであります。併しそういうことで、恐らくそう多くの府県でこのために特別の資金需要を要するということはないと私は考えておるのであります。
  82. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) 長官はお急ぎのようですから、できましたら簡単に……。
  83. 加瀬完

    ○加瀬完君 長官にお尋ねをいたしますが、年末手当については、法律通り一・二五カ月分を支給する、但し国家公務員については、諸般の事情を考慮して超過勤務手当等による給与の改善措置を行つた、なお地方公務員には教職員も含みまして、国家公務員との不均衡が生じないような措置をとつた、今度の政府の年末手当等に関する給与の措置についてはこのように了解してよろしうございますか。
  84. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 今改善というお言葉を使われたのでございますけれども、結果的に改善ということになつているかどうか私は存じません。併しさつきから申上げますように、昨年までは教職員は期末手当は一・二五カ月分以外はもらつておりませんので、それを国家公務員、地方公務員と同じような考え方で教職員諸君にも是非やらなければいかんという意味合いにおける不均衡をまあ是正するということで、本年度の期末手当について、私はさように考えているわけでございます。
  85. 加瀬完

    ○加瀬完君 すると、国家公務員、地方公務員を含めまして、前吉田内閣のときよりも給与が増額されたと見てよろしいのですか。
  86. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) それは実体が給与増額になるかどうか私にははつきりわかりませんが、ただ期末手当として一時的に支給するものについて、今まで不均衡であつたものをこの際是正しようという考え方でございまして、給与が上つたというふうには私は考えておりません。
  87. 加瀬完

    ○加瀬完君 給与ということはちよつと大げさに聞こえる虞れがありますので、年末手当等に関する給与が、吉田内閣のときよりも鳩山内閣になりまして、或る程度改善されたものだ、こう認めてよろしゆうございますか。
  88. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 改善したいという考え方で今回の措置をとりました。
  89. 加瀬完

    ○加瀬完君 改善したいという御意思が、具体的にどんな予算的な措置或いはその他の方法で現われておりましようか、その具体的な措置について。
  90. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 予算的な措置とか財政的な措置とかいうことは、実のところできない実情にありますので、法律改正をしなければ、あなたのおつしやることはちよつとできません。従つて法律改正をしないで済む範囲内において、今まで年末に国家公務員なり地方公務員の諸君が年末を過ごすについて入手されておつたと同様の処置を教職員諸君にもどるべきであるという考え方で今回の措置をとつたわけでございます。
  91. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうすると、それは結局予算の上その他財政の上では何らの措置も講ぜられておらないということになりますと、前内閣のときと一向変りはない、そういうことになりませんか。
  92. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) そういう意味にはならないと思います。
  93. 加瀬完

    ○加瀬完君 只今次長さんのお話によりましても、今まで未払い分のものをこの際整理して支払をする、翌月支払うものを今月先に支払をする、こういうことであるならば、これは当然自分の手に入るものである。はいるべきものである。それ以外にこれらの財源的措置というものをあとで埋めるということでなければ、何もこれは実質的な政府説明のようなプラス・アルファということにはならないと思う、去年のときと一向変りはないというふうに考えられる。意思としては何か給与の改善をしようという御意思があつたことは認められる。併し具体的には去年と少しも変りがないということに了解されるのですが、そうではないということの具体的なお話を承わりたい。
  94. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 根本的な問題としては或いはあなたのおつしやつておる通りであるかもわからないと思います。併しながらこの期末に際して、今まで如何なることであろうとももらえなかつた人たちは或る金額が余計にもらえるということであれば、あなたのおつしやるような実質的な給与の改善ということにならないまでも、今まで均衡を欠いておつたものの均衡をとることになつたと私は考えております。
  95. 加瀬完

    ○加瀬完君 その御意思はよくわかるのです。併しながらすでにもらうべきものを今もらう、或いは更にもらうべきものをただ前払いをしてもらう、それだけでありましては、これはただ前払いをしてもらつた、支払時期が延びておるものを先にもらつたというだけでありまして、別に非常に実質的な政府説明するようなアルファがついたということにはなりかねるのじやないか、こういうふう思われます。
  96. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) お説はあなたの通りかもわかりません。併しさつきから申しますように、今まではどんなことであろうとももらつていなかつたものが今度はもらえる。もらわせるようにしなくちやいかん。そうしてせめて期末手当だけでも均衡を図つたという意味合いからお考えになりましたら、今後鳩山内閣がどんなことを考えてやつて行くかということも、大よそ御推測ができると思います。併しこれを又理論的にはつきりさせるということは無理かと思いますが、その程度で御了承願いたいと思います。
  97. 加瀬完

    ○加瀬完君 それはよくわかる。そのお含みはよくわかりますが、そうするとそれは先払い或いは滞つておるものを現在支払つたものは、将来の宿直、日直手当或いは超勤手当の支給にこと欠くようなことがないというふうに了言していいのですか。
  98. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 若しそういう支障があるというような事情があつたときには、私がさつき申上げました融資等の方法を講じたいと考えております。
  99. 加瀬完

    ○加瀬完君 この前、後藤財政部長の御説明によりますと、現在不足している分と現金高との差引きが二百五十五億くらい、いろいろな関係で前借り、その他の方法で埋めてやらなければならないものが地方にある。而も町村関係まで入れますと、これは自治庁としては三百億くらい考えてやらなければならないことになるだろうと、こういう御説明があられたわけであります。今度の御説明の措置を通しまして、さつき若木委員が御指摘になりましたように、財源的な措置というものは政府のほうとしては考えてやらないということになりますと、自治庁が一番心配しておられました町村公務員に至るまで、この政府考える配慮というものは届いて参りまするか。届かないような御心配は全然ないのでございまするか。又それらに対して特別な措置を講じなくても心配はないのか。この点について。
  100. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 今まで自治庁からこういうふうに通達を出した場合に、そういう支障がおきておりませんので、今回に限り特にそういう支障が起きるということも考えられませんし、特に教職員諸君につきましては、初めて期末手当をこういうふうに繰上げ支給をするというふうに決定をしたのでありますから、地方としても十分に考慮してやるから、決してそういう心配はないと、かように考えております。
  101. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうすると今の御説明と先の私の質問を併せまして二つの点確認をいたしたいと思うのでありまするが、財源措置は特別講じなくても市町村の末端に至るまで、この政府の方針というものは心配なく行届くはずだと、逆に言うならば、町村の公務員に至るまで政府の発表されましたこの方針によつて恩典に浴するものだと、こう認めてよろしいか。もう一つは、教職員の問題でありますが、宿日直手当というものは、実質的なアルフアの意味として支給をしたものだ、こういうふうに解釈してよろしいか。
  102. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 第一の御質問は、自治庁は御承知のように各地方自治体に対して、こういう問題についての命令権を持つておりません。従つて初めて今回教職員諸君に対するこういう通達を出しました以上、私といたしましては、末端に至るまで一つもやれないことのないように是非つてもらうことを期待しております。  それから第二の御質問の点でございますが、さつきから申しますように、私自身はプラス・アルファとして、はつきりした姿でそういうものをやりたいという考えを持つております。併しこういうことになつたわけでありますが、これは果たして実質的なプラス・アルファであるかどうかということをここで言明するには、私自身はよくわかりませんので、自治庁次長から一つお聞き取り願います。
  103. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それでは、長官にありますか。
  104. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 今長官は、今まで一・二五以外はもらえなかつたのが、どういう形ででももらえるようになつたというので、非常にいいことをやつたというふうなお話ですが、そんなことは今までもどこでもやつていることなのです。毎年これは繰上げ支給というのは殆んどやつている。ですからこれはプラス・アルファでも何でもない。まあ強いて言えば、即金ですか何ですか、三億を早く渡してやつたということが精一ぱいだと思うのです。何もそういうことにはなつておりませんので、その点余りやつたつたということにはならんのですから、その点はつきり御認識を願つておきたいと思います。
  105. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 私はさつきから申しておりますのは、プラス・アルファというものをやつていることを言つておるのじやないので、私はそういう気持でありましたけれども、結果としてこういうことになりましたので、それで結果がどういうことであろうとも、幾らか年末に教職員諸君に金が入るということだけは、これは今までより存外いいことになつております。この点御了解願いたい、かように申しておるわけでございますから、どうぞ御了承を願います。
  106. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 それが、それさえも毎年これはやつていることなのです。それを今年もやつたので特別なものではないので、超勤の繰上げ支給、或いは日直、宿直手当の繰上げ支給、どちらも繰上げなのでしよう。これは毎年やつていることで、一つも新味も何もないということになると思います。
  107. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) 私不敏にして教職員の諸君に超勤手当を繰上げ支給したということを聞いておりません。私はそういうことは初めてできた、こういうふうに考えておりますが……。
  108. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 自治庁、どうですか、その点……。
  109. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 大臣の御答弁になつ通りに私は考えております。
  110. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 それはどこまでも繰上げなのでしよう。繰上げとすればそれは別に自治庁がそういう措置をとらなくてもやれるのじやないですか。どうですか、その点は。
  111. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これは各団体としましては、御指摘のようにやろうと思えばできると思います。これはそれぞれその団体が規則を作つておるのですから、できるわけでございますが、ただこういうふうに全国的に一つ基準を以て、国家公務員についてやつたと同じようなことを一つ参考として考えてもらいたい、こういう通牒を出したことは、宿直、日直手当の繰上げ支給については初めてであります。
  112. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) ちよつと、長官はお忙しいようでありますから、長官にありますか。
  113. 加瀬完

    ○加瀬完君 一つ
  114. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) では簡単にやつて下さい。
  115. 加瀬完

    ○加瀬完君 長官の御説明をいろいろ承わつてよくわかりまして、かように了解をいたして、私は長官に対する質問を打切りたいと思います。年末手当については〇・一くらいをプラス・アルファとして措置をしたいという努力をしたけれども、そういう法律改正などの手続もありますので、実質的にはそれができなかつた。併しその精神で特に今まで一斉にそういう支給が行われなかつた地方教職員諸君に対しても、宿日直手当の支払いという方法をとつたのである。この先払いという方法は先にいつた〇・一くらいのプラス・アルファをつけたいという御精神の現われとしてこういう方法をとつたのだ、こう了解をいたしまして質問を打切ります。
  116. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) あなたがさように御解釈になればそれでもいいと思いますが、私は内閣の閣僚の一人だけでございまして、私の言つたことが必ず閣議で決定するということにはきまつておりませんので、併し私自身はさように努力いたしましたということで御了承願いたいと思います。
  117. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 さつきの話を継続しますが、どうも私は特別の財源補填の処置をしないから念のために、ということにはこれは問題があると思うのです。これはこの前に奈良の例がある。五十億の起債を認めて、そうして奈良県には県として四千万円とか、或いは市町村として三千何百万円というのがあるにかかわらず、これをあのときはたしか〇・二五か、そういう方面に廻さないでほかに使つてしまつている、こういう例さえあるのです。ところが現在においてはもう地方団体のいわゆる言いわけというか或いは理由というか、そういう方面から考えてみて、赤字でどうにもならない、そういうことから、必ずこういう県をくつつけたなら、これをよいことにしてやろうとしないことは明らかなんです。そういう事情にあるときに、なぜわざわざこういうところの一行を加えたか、この点が私にはわからない点なんです。そこでそれらの地方知事あたりのその言い分を更に考慮してみると、こういうことが又考えられる。今年の地方交付税ですか、この交付税が今の地方基準財政需要額に比べて、基準財政収入と交付税とを合わせたものが需要額に満たないということはしばしばこれは知事会議あたりで言つて来たことなんです。私の記憶では、その差額が、不足額が九十二億くらいになつてつたように思うのであります。そういうふうなことに対して、これは自治庁としては必ず九十二億に対する調整をやつて落とすに違いない。そういうやさきに、更にこういう補填の措置を講じないというふうなことになれば、いよいよ彼らは逃げ道が出て来る。こういう状態だから自分の県としてはこれは到底いわゆるプラス・アルフアなるものはやれない、財源がない、こういうことを言うに違いない。そこで私は次長さんが先ほど来これは十分やれるのだ、財源的に処置できるはずだ、こういうことを繰返して言われておるのであるが、果たして一体そういうふうになつているものかどうか、具体的に数字を挙げてこれお答え願いたい、こう思います。確信あるところを一つ述べてもらいたい。
  118. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これは先ほど来申上げますように、義務教育職員とその他の職員と二通り関係として分けて考えるわけでございますが、義務教育職員分の半額が国庫負担になりますから、その残りの半分はこれは地方一般負担でございますが、その義務教育職員の給与半分と、その他の職員の給与関係の経費の全部というものは今いろいろ御指摘がございましたが、普通の交付税算定の際に基準財政需要額というものの中にはこれは全部入つておるわけであつて、そうして基準財政収入額から差引いた残りの足らん分は普通交付税という形で財源の補填ができておる。その際に御指摘のように本年度は調整率が非常に昨年に比べますと高くなつておりますけれども、とにかくそういうことで三月分までの給与に対する所要の財源並びに資金というものは、いずれもこれは措置済みでございます。ただ義務教育の職員の半額分だけが、これは財源的には国の予算に年間分が義務教育国庫負担として計上されておるわけでございますから財源措置はございますけれども、資金の措置ができていない。即ち第三四半期分までしか実際には金が渡つていない。そこで第四四半期分の宿日直手当の支給に必要な分だけを、これをこの際第三四半期の未払い分と合わせて文部省から三億円交付する、慨算交付する。こういうわけでございまして、従つてこれは財源措置は全部どの部分もみなできておりますし、資金措置超のでき得なかつた義務教職員の国庫負担金の分もこれでできる。従つて今回のこの繰り上げ支給の措置というものはすべて財源並びに資金手当ができている、こういうふうに私どものほうとしては考えております。
  119. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 どうもそこの財源措置ができておるというところが、私はあなたの財政計画上からも、いわゆる何といいますか、机上で考えたことというか、筋というか、それはその通りだろうと思う。ところがその中に大きなところの調整をやるということになれば、地方の財源は非常にそのために苦しくなつて来ることはこれは明らかでありませんか。そうなつて来ると、あなたは一応財源の措置をしたということを言うけれども、実体の金は地方にはない。苦しい。そこから地方ではこういうプラス・アルフアならアルフアの分は出ない、こういう理由が出て来るんじやありませんか。そこなんです、私の聞きたいのは。その点をはつきりしてもらいたい。
  120. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これはだんだん話が詰まつておりますと詰まつたことを申上げることになりますが、私ども考え方といたしましては先ほど来申上げまするように、今まで支給してない分並びに将来支給すべき分、而もこれはそれぞれ財政計画もきまつており、義務教育費の国庫負担金の算定上きまつておりますものを前提として考えておるわけでございますから、従、このために財源補填という見地から申せば特別の措置はない。御指摘のようにそういう問題を離れまして地方財政全般が非常に窮乏であるということになつて参りますと、これはもう我々もそういう点は十分認めておりますし、決して如何なる支払いといえども楽に支払えるというものは一つもないと思うのでございます。併し、これは新たにこの際特別なものを、今まで財政計画上予定してないものを支払えというのならば、これは我々も絶対に黙つてはおることができないので、必ずこれはそれに即応する財政措置がなければならんということは、これは自治庁としては全力を挙げて突つ張るつもりでありますし、そういう考え方で今回来たのでありますが、今回きまりましたところは先ほど若木委員も仰せになりましたように、安藤国務大臣から昨日衆議院の人事委員会で申上げましたことは、プラス・アルフアということは今回考えていない、但し、というような意味で言われたのでありまして、私どもも今回は財源的な意味でプラス・アルフアになる意味のプラス・アルフアというものはないのだ、こういうことを明らかに確認をいたしたのであります。さればこそ従つて財源補填措置というものは特別に考えないと、こういうふうに申上げた次第であります。
  121. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そこで、あなたの言うのは筋が通るように私は思うのです。そこで今度は金繰りの方面で非常に困る場合にはこれは融資の道を図つてやるということをなぜ一体ここに付けなかつたか、そこなんです。必ずそういう面が出て来るだろうと思う、地方のほうで。その点は如何ですか。来ないという確信があるのですか。
  122. 後藤博

    説明員(後藤博君) 資金の問題でありますが、私ども現在の年末の資金繰りの経過を見ておりますと、私どもが予想しておりましたよりも資金は非常にたくさん出て来ておるわけであります。特に府県が、こういう場合に問題でありますが、府県の場合起債前借りが私どもが予定したよりも多く出ております。数字で申上げますと、府県と五大市を合わせまして前借りが百三十六億前借りをいたしております。それから今月及び来月に払わなければならないもので前借りに振替えたものが六十三億であります。合わせて大体二百億くらいのものが起債前借りの恰好になつております。これは簡保の関係であります。それから大蔵省の関係、つまり預金部資金の関係を見ますと、四十億だけ地方に出ております。中央で前借りとそれから特殊なほうに対して大体六十億くらいの借前りの振替えがあるのであります。そういたしますと、大体三百億くらいのものが現在出ております。これもまだ交渉中でもございますので、三百億以上になつて参りますので、私どもが当初見ておりました額より相当上廻つておるようであります。従つて勿論困つたところには資金措置をしなければならんのでありますが、現在のところでは額も大した額ではございませんし、資金措置の中に、もうすでに来月の超過勤務手当等の支払、これは上旬でありまするので十分入つておると思います。従つて教職員関係のものだけが、これは予定してないものがあるかも知れませんけれども、全体としてまあ数億のものであります。各団体に割つて参りますと非常に少額になつておる。従つて非常に困るところは、次長も申されましたように資金の斡旋をしなければならんと思いますが、全体として資金の斡旋をするほどのことはないんじやないか、困るところは当然言つて参りますから、そのときに資金措置をしたらいいじやないか、こういうふうに考えて、この中には載せなかつた次第であります。
  123. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それでほぼ明らかになつて来たのでありますが、一体これは次長さんも御承知通り、こ間京都からも陳情があつた、俸給も払えないような状態であるから、何とかして短期融資の途を開いてくれ、ああいう状態なんです。そこで今財政部長さんからのお話にあつたのでありますが、そういうところが出て来たならばこれは斡旋の途を開いてもいい、こういうお話でありまするが、必ず斡施できるという確信があるかどうか、この点を伺います。
  124. 後藤博

    説明員(後藤博君) 私ども考えでは各府県に割つて参りますと、先ほど申上げましたように超過勤務の関係は来月の上旬に払うものでありまして、年の当初かち借金に歩く団体もないわけでありますが、従つて年末の資金繰りの中にすでに入つておると考えております。教職員の関係だけ、宿日直の関係だけが私は入つていないかといえば入つていないかも知れませんが、その額は非常に少くて五百万円程度、府県に割つても五百万前後の県が相当あるんじやないか、それ以下の県も相当あるのじやないか、これは一カ月分といたしましてその程度のものでありまして、大体宿日直に当るものが私どもは大体二、三億じやないか、財源措置を要するものはその又何割じやないか。そうすると府県に割ると、まあ五百万円以下じやないか、大した額でなくて、その程度のものであれば資金繰が府県で大体できるんじやないか。それが超えるような府県があるかも知れませんが、それは個々の問題として大した額でありませんし、やり得るのじやないか、こういうふうに私どもはこう全体的に考えたわけであります。京都のような問題は、これは勿論別な問題がありますので、これももう今日、明日ぐらいにきまると思います。これをこういうものを含めた数字に直して頂いて話しなければならんと思いますけれども、全体としてどうも大した資金需要というものは出て来ないんじやないか、こういうふうに私は考えております。
  125. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 大変確信のあるようなお答えですが、それでいいのですか、地方にこの問題が起つて来た場合に、自治省としては今のお答えで以つて十分……、いわゆるプラス・アルフアなるものが出ないというふうな、プラス・アルフアを出せないところがないというふうなことが、今の御答弁から私は見取られるのでありますが、それで差支えありませんか。自信あるのですか。
  126. 後藤博

    説明員(後藤博君) 勿論先ほど大臣からも申上げましたように、出すか出さないかということは自治団体がきめるわけであります。その額も大体自治団体がきめるのであります。従いまして私は出すことは期待しておりますけれども、出す出さないの決定は自治団体でありますから、その額が非常に多くなれば資金措置をしなければならん、これは先ほど次長もおつしやいましたようなふうに考えております。併し全体として私は、どうも見通しの問題ですけれども、そう大きな資金需要というものは出てこないのじやないか、こういうふうに考えておるのであります。
  127. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 しつこいようですが、最後にもう一つ伺いたい。今の御答弁で、出すか出さんかは地方公共団体の自主性にある、これはいつも自治庁側の言うことなんです。ところがそれを出すことを期待するということもあなたがたの言われるととろなんです。ところが不幸にして出さないところは、資金繰りができなかつたとか、そういうことを理由にして必ずやるに違いない、ところが今のお話では十分資金繰りという方面については額も大きくないのだ、若しそういう場合で困るときには自治庁としては十分面倒を見てやることができるというのならば、そういう資金繰りができないためにプラス・アルフアを出すことができないということは、地方公共団体としては言い得ないことになる。そこで私は先ほど来しつこいようであるけれども、その点自治庁として十分斡旋できるのかできないのかということを聞いているのであります。まあ今のあなたの御答弁ではできるというようなことでありますから、私はこれで質問を打切ります。
  128. 加瀬完

    ○加瀬完君 さつき長官からの御答弁ではこの点がまだ明瞭になつておらないのでありますが、次長さん並びに財政部長さん御説明によりますと、資金繰りも心配ない、それから財政計画の上にも齟齬はないという御説明でありますが、それは結局いわゆるアルファを付けたと言われておる超勤或は宿日直手当の先払いというものは飽くまでも先払いだと見ての御見解がそういう結論を生むと思いますが、事務当局はさように見ておるのでありますか。
  129. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 先ほど来申上げましたように、今回の繰上支給の範囲が、従来不均衡であつた教職員につきましても宿日直の手当の繰上げ支給という形で行われたという点が従来と違うつておる点でございまして、超勤の繰上げ支給ということにつきましては前年も行われたことでありますので、その点については……、ただ全体の財源問題として何かそれに特別のことを要求することになつておるかというと、これは国も既定予算の範囲内においてこれを処理する、地方も既定財政計画の範囲内においてこれを処理するのでありまして、こういう意味において特別な財源措置は要しない、資金的にもそれぞれの措置ができる、こういうことを申上げたわけであります。
  130. 加瀬完

    ○加瀬完君 これは文部大臣の言明を自治庁の皆さんに質問することは当を得ないことでありますが、結局は地方公務員という関係で引つかかりができて来るわけでありますので、お伺いをするわけでありますが、プラス・アルフアをつけない、ただ実質的にプラス・アルフア支給と同じである、こういうふうに文部大臣が昨日衆議院の人事委員会で答えた。実質的にプラス・アルフア支給と同じであるということであるならば、今まで次長さんの御答弁になられたような、ただ給与の先払いであるということでは実質的においては一つもプラス・アルフアではない。閣僚としての文部大臣の発言は、将来いろいろと地方の財政計画の上にも問題を引き起して来ると思うのでありますが、又西田長官の御言明でも、そういう考慮があるような含みにも聞かれるわけです。これらの点はどういうように次官会議などでは御了解になつておられるのであるか。
  131. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 私が先刻来御答弁申上げましたことは、いずれも次官会議において決定をされました、その筋をその通りに申上げておるのでございまして、それをプラス・アルフア、こういうことでお読みになることは、それは一つの御表現と思いますが、併し昨日安藤国務大臣も衆議院の人事委員会におきましても、いわゆるプラス・アルフアというものはない、但し、というようなことで言われておつたように私は記憶しております。私の申上げましたことは、安藤国務大臣の言われましたことと何ら齟齬はないと考えております。
  132. 加瀬完

    ○加瀬完君 私の聞きました範囲においては大いに違つておるのです。というのは、プラス・アルフアは付けない、これだけならばはつきりしておる。併し実質的にプラス・アルフアと同じである、こう言つておる宿日直の先払いは実質的にプラス・アルフアと同じであるということは、どこかでそれが埋められるとか、どこかでそれが又別な形で支給されるということでなければ実質的にプラス・アルフアにならない。文部大臣がそう考えておるとすれば、今の資金繰りで解決がついても、財政計画の上で変更がなければ文部大臣のいつた裏付はできないわけであります。この点どうなんですか。
  133. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 現行の給与制度というのは何ら今回の措置におきましては変更を見ておりません。給与のうち超勤、夜勤、宿日直手当の支給期日を十二月に限つて変更できるという点が制度上変つて来ただけでございます。従つてこれらの手当は実際現実にそのような行為に対する手当でございますから、その点をはずしては勿論考えられない、併し又全体の地方財政計画としても、そういう前提で考え、資金計画のほうもそれに応ずる資金計画を樹立する、こういうように考えておるわけであります。
  134. 加瀬完

    ○加瀬完君 それならば実質的にプラス・アルフアの支給と同じであるといつたような、如何にもプラス・アルフアを出すがごとき解釈のされるような発言を閣僚がされることは、大いに実質的に行われる超勤、宿日直の年度末繰上支給ということとは違つて来るわけです。これらの問題について次官会議ではそういう政府が、巷間伝えられておるような声明と三好給与担当の大臣もこういうことをいつておる、新聞にもこれは出ておる、それを受取る地方は非常に迷惑をする、これらについて次官会議では何か問題は出なかつたのでございますか。
  135. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) 次官会議におきましては、今申上げましたように人事院指令について話をいたし、又それに対応するいろいろな問題について話合いをいたしましたけれども、先刻来から申上げておる以上のことは何もないと思うのであります。ただ昨日の衆議院の人事委員会におきましてはこういうことがありましたから付加えておきますが、これは義務教育国庫負担金が昨年二十八年度の実支出額が概算交付いたしました負担金と比較いたしましてそれを上廻つておるので、その上廻つた分は昨年八億で、今回八億を補正予算の際に穴埋的な措置をいたしたわけでございますが、それと同じような意味において、若しもすべて宿日直手当が現実に特別に行つたということであつて、それは負担の枠の中に当然入つて来る面が若しあるならば、それは本年八億の穴埋措置ができましたと同じような意味において半額の穴埋措置は将来できるかも知れません。併しこれは何も宿日直手当だけの問題だけではなしに、義務教育全体について当然国が負担するものについて当初予算に見込んだものより実支出額が上廻つたという点については、これは当然補填措置が行われなければならない。従つて、特に本件のために特別の財政措置があるということについては非常に誤解を産むわけであります。そういうつもりは私どもはない。
  136. 加瀬完

    ○加瀬完君 地方教職員の宿日直手当の将来のことについてはそういう方法があるという御言明があつたということはわかつたのでありますが、それならば地方公務員に対しての超勤の先払いというものはこれは飽くまでも先払いで、そのための将来の財源措置というものは政府としては何も考えておらないと了解してよろしいのですね。
  137. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これは地方交付税制下における問題でございますから、国が法令等によつて負担を強制するような問題とは違いますので、やはり給与自主決定の原則に基くものであります。それから先ほど来何回も申しておりますように理論的に何らこれによつて特別な負担を生ずるものではないのでありますから、財源措置という問題はそもそも起らないというふうに考えざるを得ませんし、一応地方交付税の建前としては仮にそれによつて余計経費が出たとしても、それは自己の財政負担の責任において解決して行くべきだというふうに考えております。
  138. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうだといたしますと、累次に亘つて新聞に大臣の談話として発表されておりますいわゆるプラス・アルフアを加えて支給するがごとき、何といいましようか、大臣の御言明は、地方行政の御担当の立場ではどうお考えになりますか。大臣の御言明に対してどうお考えになりますか。
  139. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これはどういうことをプラス・アルフアと言うかということになるのだううと思うのであります。それは国家公務員の場合を考えてみましても、例えば夏季手当をもらいましてから後に超過勤務手当については各省、各庁におきましては或る程度超過勤務の実績があるのにもかかわらずその支払いを差しとめている場合があるわけであります。それを今回やはり未払い分として払う、それに十二月の実績によりますものを一月払うのを繰上げて払う、そういうものが現実に若干の額のものはそれぞれ各省、各庁の職員に今回渡されると思いますが、それと同じような措置が各地方において行われると思うのであります。地方におきましては何といいましても第一線の実際の行政を担当する機関が多いわけでございますから、災害等におきましても超過勤務手当等の実績に対する措置というようなものは団体によりましては相当多額なものが出る、到底中央の公務員の比ではないというようなところもあるように私どもは聞いております。これらはいずれそういう実際の勤務実績を前提にして考えなければならんのでありまして、一律に〇・一とか〇・五とかいつたような前提の中央の各省にもあるわけじやございません。ただ余り負担が不均衡になつては困るという心配はあるのでありますが、それは飽くまでもそういう実績に対応するものでありますから、そういうものが、併しこの年末において出るということは、それは出ることは一つの……あるということは、成るほど普通の月では予想されないものでありますから、そういう意味では成るほどアルフアと考えられます。
  140. 加瀬完

    ○加瀬完君 その御説明内容はわかるのですよ、あなたのお話として受取るときには。但し、実質的にはプラス・アルフアだという触れ込みで新聞にも報道されるし、いろいろ巷間伝えられている。実質的には何らのプラス・アルフアでもない、例年やつてつたことをただそのままやつたに過ぎないということなんです。但しこれを受取る地方としては、実質的にプラス・アルフアの支給だということで受取るといろいろ困る問題が当然起る。こういうことが当然起ると予想されるのに、それは而も実質的には去年と何も変りないような状態を政府が軽々しく発表いたしまして、それで地方自治体としては将来財政上或いは職員と団体理事者側にいろいろのトラブルを起すような因が作られたのじやないかと思われるような、こういう報道についてどうお考えになりますか。
  141. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) まあ批判ということは私の立場としてはできませんので、その点は御了承を願いたいと思いますが、先ほど来大臣が申しておりますように、この際期末手当を改善したいというお気特は非常に強かつたようでありますが、併しこれには先ず一・二五というこの法律を改正し、国も補正予算をこれを更に出さなければなりませんし、又私ども地方財政を守る立場といたしましては、こういうような措置が行われます場合には、それは地方交付税の割合といいますか、そういうものを当然同時に考えてもらわなければならん。こういうことでやはりそれらの措置が相伴いませんというと、本当に実質的な給与改善の措置というものが行われがたいと思うのでありまして、飽くまでも現行の体系の中でどういう可能な措置があるのかということを研究いたしました結果が、意図は意図であつたわけでありますが、今申上げましたような結果になつて繰上げ支給の範囲が拡充された、こういうことに形式的には、体系としては成つております。
  142. 加瀬完

    ○加瀬完君 それはよくわかりました。それで、結局そういうことであるといたしますと、地方団体によりましては将来超勤を支払わなければならないものであるし、将来宿日直手当は当然支払わなければならないものであるし、それを今支払うということがプラス・アルファということにとられると問題が残るのじやないか。そこでこの際は政府の国家公務員に対する措置と異にして、超勤は超勤で現行通り支払いをしよう、或いは宿日直手当は当然支払いを受けられる時期になつてから支払いをしようという方法をとる団体も或いはあるのじやないかということが心配されるのであります。そういう方法ではなくて、今次長さんのおつしやられるように、支払いの先払いとして、この際年末であるから、確実に支払わせようといたしますと、なにかこのままでは国家公務員と同じように地方公務員が全部先払いを受けられるということには或いはならないかも知れないが、これらの点について国家公務員と不均衡にならないために、自治庁としては何らかの、地方に対する行政上の御措置がございますか。
  143. 鈴木俊一

    説明員(鈴木俊一君) これはまあ現在の地方公務員法の建前といたしましては、給与については各地方団体が生計費を考え、又国の公務員、他の地方団体の公務員というものとの権衡を失しないように自主的に決定をする、こういうのが原則でございますから、そういう原則を大前提といたしまして、今回は国の公務員についてこういう措置が行われたから、十二月分の地方公務員の超勤や宿日直手当の支給についてもこれを参考とせられたいと、こういうふうに言つておりますので、均衡の見地から地方公務員についても同じように各団体がするということを我々は深く期待をしておるわけでございまして、それ以上大臣が先に申上げましたように、命令するということはできないと思つておるのであります。
  144. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 二十三日かに知事会議が開かれるということが新聞に出ておりましたが、自治庁としてはこの通達に基いて、或いは長官から一応の知事に対する話合いがあるんじやないかと思うのでありますが、その際に自治庁としては今の加瀬君の質問は非常に私は重大だと思うのです。そのときに払えばいいじやないかといつて繰上げしない向きも出て来るんじやないか、そういう点も十分考えまして、地方知事との連絡を十分保つてもらいたい、こういうことを希望しておきます。
  145. 中田吉雄

    委員長中田吉雄君) それでは本日はこれを以て散会します。    午後三時十三分散会