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1955-01-24 第21回国会 参議院 水産委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年一月二十四日(月曜日)    午後三時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 孝平君    理 事            青山 正一君            千田  正君    委 員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            島村 軍次君            野田 俊作君            森崎  隆君            東   隆君            有馬 英二君   政府委員     農林政務次官 内藤 友明君   事務局側       常任委員       会専門員 林  達磨君   説明員      水産庁次長 岡井 正男君    水産庁生産部長 増田  盛君      通商産業省      通商局次長 大堀  弘君   —————————————   本日の会議に付した事件水産政策に関する調査の件  (北洋漁業に関する件)  (韓国ノリ輸入に関する件)   —————————————
  2. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ただいまより水産委員会を開会いたします。  最初に北洋漁業に関する件を議題に供します。  まず、水産庁岡井次長より北洋漁業に関する件を御説明を願いたいと思います。
  3. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 昭和三十年度北洋鮭鱒カニ許可方針決定経緯につきまして御説明を申し上げたいと思います。  昭和三十年度鮭鱒許可方針につきましては、慎重に検討を続けました結果、昨年末にようやくこれを決定の上発表いたした次第でございます。その決定に至りまする経緯といたしましては、まず第一に、北洋をめぐる国際情勢の若干の変化並びに過去の操業の結果を勘案いたしまして、漁区についてソ連領土との距岸距離につきまして、従来の距岸三十海里のを十海里程度縮めたということにいたしますとともに、一面オホーツク海にも試験操業のための漁区を設定することといたしたのでございます。しこうしてこの漁区について、ベーリング海区においては過去三カ年にわたる操業並びに調査の結果に立脚いたしまして、技術的立場から独航船の総隻数を二百八十四と決定いたすとともに、オホーツク海区における試験操業のため、五十そう程度出漁を認めることが適当と判断いたした次第でございます。  次に、この独航船隻数を基礎といたしますベーリング海区における船団数、すなわち母船の数はおおむね十一程度オホーツク海区においては二船団、すなわち二母船程度を適当と認めまして、このワクのうちにおいて許可すべき会社選定を行なった次第でございます。この場合前年度に許可せられました日魯日水大洋北海道漁業大洋冷凍母船の五社、独航船につきましてこれをそのまま認めることとし、昨年度共同出願しました二社の取扱い及び新たに許可すべき母船選定につきましては、戦前戦後の経営実態新規業者希望地方的依存度特殊性などを総合的に判断いたしまして、極洋捕鯨函館公海及び大洋宝幸及び報国、日魯日水、別にオホーツク海において、北海道漁業公社日魯というように決定いたした次第でございます。  カニにつきましても、試験操業建前上二船団程度を妥当と考えましたが、これを許可する会社選定に当りましては、戦前戦後の経営実態、本漁業国際的特殊性をもあわせて考えてみまして、日水日魯で二船団大洋北洋会社で一船団、かように決定した次第でございます。  次に、母船式鮭鱒漁業の繰業区域につきましては、その西側におきまして若干の変更を行なったほかは、現在通りといたしましたことは、半面五十一度までの漁区拡張を要望せられておったいわゆる四十七度以南鮭鱒漁業者の主張は認めがたいという結果と相なっているわけでございます。政府といたしましては、これらの人々の御要求については、十分慎重に検討をいたしたのでございまするが、何分にもこれらの人々が欲する漁区は、カムチャッカ南端から北千島列島にわたる海域に連なる漁区であり、かつかりに一部の漁区を分割するといたしましても、その漁区に殺到する船の数は、おびただしい数に上ると予想せられますし、また公海操業上の安全も考えてみる必要があるし、国際紛争を防止する立場からいたしまして、操業秩序維持の面にはるかに統制の容易な母船式漁業漁区を現在通りといたしておくことが適当と考えた次第でございます。しかしながら他面過剰状態にあるこの四十七度以南鮭鱒漁業者の現状を少しでも打開するため、アリューシャン及びオホーツクに増大せられました独航船を消化し得る道を開くとともに、四十七度以南においても合併による大型化の方策を講ずることによりまして、この経営の自主的な改善を期待することといたした次第であります。  以上簡単でございまするが、従来の経緯を申し上げました。
  4. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちょっと速記をとめて。
  5. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記を始めて。
  6. 千田正

    千田正君 お尋ねいたしたいのですが、今の問題で、これは昨年の末の委員会におきまして、前の長官がかわる前に、北洋漁業に関する問題の割当等に対しては、決定する前に当委員会に一応事情を話してもらいたい、こういうことは強く委員会から申し入れてあったはずでございます。ということは、四十七度線以南の零細な鮭鱒漁業人たち陳情も、当委員会としてはしばしば聞いておるわけです。それからこの四十七度線以上に行くところのいわゆる資本漁業といいますか、船団を組んで行くところの母船式漁業に対する割当も、昨年等における割当については、われわれはいろいろちまたのうわさを聞いておるので、明朗なるところの漁政をやっていただきたいという意味から、この割当等に関する態度決定したならば、一応当委員会に御報告を願って、そうして委員——国会の注文を一つ聞いてもらいたいということは、速記録にも載っておると思いますが、当委員会としては再三長官に対して申し入れてあったはずでございますが、決定するに際しては、何らわれわれはあずかり知らないところであります。さらに今日に至っては、四十七度線以南の問題について相当研究しておるし、また国会の本会議等におきまして、この船団決定するに当って、母船式の問題に対しては、一会社に対して重点的に割り当てた等の、あるいは再び汚職事件萠芽になりやしないかなどという問題なども危惧の念を持って国民から見られておる今日でありますので、この点はおそらく新しい長官就任に際しては引き継いでおると思いますが、きょうは長官お見えになっておりませんが、水産庁としては、一体われわれの申し入れに対しては、どういうふうにお考えになっておりますか、その点を一応ちょっと伺っておきたい。あとは各委員から御質問があると思います。
  7. 青山正一

    青山正一君 ちょっと千田さんの質問に関連いたしまして、一緒だからお伺いいたしたい。これは千田さんのおっしゃったことには全面的に私もこれは賛成するわけですが、確かにそういった申し入れ水産長官に三回にわたって申し入れておるはずです。その長官がかわってからどういう引き継ぎをなすったかそれはわかりませんが、この母船式漁業とか、あるいは四十七度線のこの漁業、こういった問題についていろいろ紛糾の種になるわけだから、一応この発表の前に一つ相談して、相談するというよりも、示してもらいたいというよう意見を申し述べたわけなんです。どういう引き継ぎになっておるか、その結果は得られなかったわけなんです。  それからもう一つ、これは昨日森崎さんの本会議質問、あるいはただいま千田さんのお話にもあったわけなんですが、ただ私ども水産に多少関連のある者として、常識的にうなずかれる発表ならばこれはいいわけなんですが、確かにこの母船式のころいった関係は、これはおそらく水産へ縁故のある者は、これは日魯がどうとか、日水がどうだとか、或いは大洋がどうだということは私は申しません。私どもはこれは戦前関係もよく知っております。どういう内容でどういうふうに進んでいっているかということもよく知っております。日魯も非常な不遇な目に遭遇しておるという面もよく知っております。しかしたとえ戦前、戦後の経営の実体、こういうものを考えたといたしましても、やはり一つ常識で見る目というものは、各人各様同じよるなものだろうと私はそう思っています。ところがあまりに極端な結果としてこれは現われておる。岡井次長からでも、これは部長からでも、政府建前だからして、そういうことは絶対にないと、こういうふうにおっしゃるかもしれませんけれども水産人とすればこれは常識的に考えるべき筋合いというものがちゃんときまっておるわけです。ところがその常識と極端にこれは違った結果に現われておる発表がある。これは何か新聞——何か裁判沙汰になっておるというようなことも承わっているわけなんですが、その点もうなずかれるわけですし、森崎さんの昨日の質問、あるいはただいまの千田さんの御質問、これはおそらくここにおる水産委員が全部その疑問とするところだろうと思います。その点についてこれは速記を中止してもかまわんと思うから、一体これは上の圧力があったのかどうか、そういう点も一つやっぱり忌憚のないところをお示し願いたいと思うのです。そうしなければこの問題に関する限り、どうもこれは納得がいかない点が非常に多いと思うんです。現に衆議院の本会議の席上においてもこれが相当問題になっておる。おそらく各党の——どの党首からかしりませんが、やはりそういった問題を取り上げて出しておる。こういうわけなんでして、どうもそれは水産にかかわりある者として、どうもみな意外に思っておることだろうと思いますからして、その点を一つ速記を中止してもかまわんからして御説明願いたいと思います。
  8. 森崎隆

    森崎隆君 関連して。水産庁ばかりで農林大臣は無理かと思うんですが、政務次官をお呼びしたらどうですか。  次長さんにお尋ねするんだが、十二月に私帰省するときに、この問題はいつ決定するかと、休み中にはいたしませんと言っておる。一月に再開のころにはきめますが必ず、さっき千田委員の申された通り意見は聞きますということになっておるんですよ。私はそれを聞いて安心して国へ帰って、国で仕事をしたわけなんです。来てみると——くる前にも新聞決定発表といるものをじゃんじゃんやっておる。一体どういうような経過でこういうふうに始めたのか。従来官庁が国会の休会、閉会等を利用して、そそくさと物事をきめてしまって、既成事実を作っていくという風習もあったんですが、水産庁に限ってはそういうことはなかったと思うんですが、今度のやり方は非常に私は解せない。ですからここで、さめるのに早急にこうして繰り上げ決定をするに至った経過を、これは千田委員の御質問青山委員の御質問と同じことになりますが、これをはっきりしてもらいたい。  それから政務次官をすぐ一つ引っぱり出してもらいたい。
  9. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 今政務次官出席を求めております。
  10. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 先ほど先生方お三人さんから、それぞれ別の角度から、究極は同一のようなお答えを要求されているようにも思われますが、第一点、上の圧力があって事務当局考えのズレがあったやつを押えつけられたんじゃないかという御質問ですが、そういうことはございません。こういうような大きな問題ですから、長官を通じて事務当局意見は十二分に上達するように仕組んでおりまするし、大臣長官で御決定になる場合にも事務当局の意のあるところは十分織り込むようにやっておりますので、そういったことはございませんが、森崎先生の方の御質問の一月になるだろうというのを十二月の休み中にやったのはおかしいじゃないかという御質問でございまするが、私の方も軽い意味で、プライベートでそういうことを申し上げたような気もしますが、あの当時といたしましては、一月に入るだろうという公算が非常に多かったのであります。しかし内心は、できれば御用初め前に決定しなければ事務作業として、非常に主としてキャッチャーが迷惑をするという点がございまするので、きればそうしたいというのですが、間に合うまいという気持を、最悪の場合を考えて時間的には一月に入るでしょう、というようなことを申し上げたと思いまするが、その点は私の見通しの悪かった点を一つ個人的にここでつつしんでおわび申し上げます。決して他意があってそういうことを申し上げたのではございません。それから昨年も同様なつもりで、前年度におきましても、できる限りというのが結局たしか十二月三十一日になって、作業でわれわれも出て正月も無休でやったように記憶いたしておりますが、大体そういうことでございまして、他意があったわけではございません。
  11. 千田正

    千田正君 岡井次長の御答弁はそれは他意がないでしょうが、われわれは気をつけて水産庁長官に対して再三ここの委員会申し入れておるのであります。この点は事務的に年末にさしかかって、十二分に連絡がとれなかったということかもしれませんが、委員長に聞きたいと思うのですが、委員長あてにそれならばこういうように決定するとか、決定したとかいう公式な何か御通知を長官からもらっておられますか、どうですか。
  12. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 私はいただいておりません。
  13. 千田正

    千田正君 そうしますというと、結局水産庁は忘却したのか、あるいは委員会を全然念頭におかないで考えたのか、あるいは委員会にこういうことを諮れば紛糾するおそれがあるからというので、執行機関で独自の立場でやったと、こういうふうにしかとれないのであります。われわれは何もそれに対して抗議を申し込むとか、あるいはじゃまするとかいうのじゃなくて、公平な明朗な政治をやってもらいたいという意味から、当委員会として決定する前に一応やってもらいたいということを特に委員会申し入れとして言ってあるはずであります。この点について岡井次長は当時御出席になっておらなかったかもしれませんが、長官同士の間で引き継ぎがあったかどうかという点もここでは明確にできるかどうかわかりませんけれども、その点の事情はお聞きになっておりませんかどうか、一応お聞きしておきたい。
  14. 岡井正男

    説明員岡井正男君) その間の事情は承わっておりません。しかしさりとて前長官にいたしましても、おそらく委員会を無視するというような悪いお気特ではなくて、おそらく受け取り方といたしまして事務当局は、いつでも事務当局の線で受け取りまするから、おそらくはたとえば四十七度線の問題にしても、いろいろ委員さんの方から御質問があるまにまに事務当局の意のあるところは十二分に御答弁申し上げておりまするし、その他具体的にたとえば出願が相当出ておりますとかいうような、抽象的なお答えはしたはずと思いますが、どこどこが出て、どういうようなところへ許可をするような気持だとか何とかいう、あまりこまかしい事務内容にわたるようなところはおそらく長官もまだ判断はできない時期でもあったでしょうし、そういうことを申し上げることがどうかなと思われてあるいはなにしたのじゃあるまいか。一つそういう点は、決して委員会をなめたとか、ないがしろにするという気持はなかったということだけは私ははっきり申し上げることができると思いますのですが、まあ将来ともに長いつきあいのことでございますので、事務当局といたしましてもおつきあいをしていただく以上はお力添えもいただかなければいけませんから、事務当局として漏らし得る程度のことはあらかじめ内々御相談するような行き方にいたしておりますが、今までのところは何分あしからず御了承いただきたいと思います。
  15. 島村軍次

    島村軍次君 結果的にそういうことになったことに対して、次長はどう考えますか。
  16. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 島村先生から痛いところを言われるのですが、事実は先ほど私御説明申し上げたようるに、実際船の検査なんかに回るのが、予算と人員の関係を非常に節約されているので、そのスタッフを、キャッチャーを二百八十四特っておりますが、これらに対して逐一検査をして回るのに班を分けましても相当な時間がかかるわけです。従ってできれば一日でも二日でも早くそれをきめなければならん、キャッチャーがきまりますと母船とその数とかっこうはととのいますから、そのキャッチャーの方を主にして事務当局が非常に急ぎました結果、結果論としてちょうど先生方のお留守をねらって決定したのだというふうに誤解を受けるようなことに相なりまして、この点は誠に言いわけをいたしましても、その言いわけはどうも釈然とせんと言われれば不徳のいたすところで、これは何とも申し上げようはないわけでありますが、実はそういうことで、ちょうどあの時期にああいう工合に決定したわけであります。決して他意はございません。
  17. 島村軍次

    島村軍次君 私はこの問題を次長にかれこれ申し上げることはこの程度にしておきますが、水産庁長官がおかわりになって、こんどの長官は御出席がないようですが、何か理由があるのですか。
  18. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 今さっそく私の方で連絡いたしておりますが、そのうち見えると思いますが、大蔵省の方に急いで打ち合せることがありまして、そちらへ回っております。こちらへ回るといる約束で行っておりますから、やがて参上いたすつもりでおります。
  19. 島村軍次

    島村軍次君 一言希望を申し上げておきます。水産庁長官がかわられてからは、私の出席している間にほとんどこの席においでになったことはない。先の清井長官はずっと続けて万障繰り合せて出ておられる。こんどの水産庁長官水産委員会には全く——少くとも私が出席したときには出て来られない。こんどは委員会農林委員会と合わさるということになるだろうと思いますが、その点は局長と同一な資格というか、政府委員としておいでになるのが建前です。これは私からでなしに、皆さんの御希望だろうと思いますから、その点は将来のために一つあなたから十分お伝え願いたい。
  20. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 申し上げます。一度も水産庁長官就任以来水産委員会には出席いたしません。
  21. 青山正一

    青山正一君 ちょっと次長さんにお伺いしたいのですが、これは内藤さんが来てからさらにお聞きしようと思っているわけですが、私の地元石川県でありますが、こんどの母船式には大体五隻の割当を受けたわけであります、新規に。そのろちの特定の人に、これは民主党本吉漁業部と言うておりますが、富山県の、かつては民主党幹事長であった松村さん、及び政務次官である内藤さんが、石川県庁相当圧力を加えておる。あるいは、あなたの方の水産庁の某係官圧力を加えている。そうして長崎県の丸一漁業部という船を、これは長崎県から移動して来た船です。その船に一つ許可を与えよう、つまり本吉という漁業部に二隻の権利を与えようということで、相当圧力を加えておる。ところが賢明なる水産庁の某係官はそれをけったようでありますが、石川県庁にこの松村氏なり、あるいは内藤政務次官から相当圧力を加えて、何とかして許可を与えるようにというような、相当の力強い申し入れがあるわけです。この本吉漁業部相当の、これは札つきの漁業部である。そういった漁業部に対して、自分の党派に関係しておるからというようなことで、その地元の大森元代議士、こういったものの依頼を受けて、そういった許可を与えようとする、もちろん独航船の「いわゆる底びき船の権利というものは、これは船体じゃないのです、ただ権利だけですが、一トン当りこれは十万円から八万円で売買されておる。もしかりに、こいつが七十トンあるとすれば、七百万円である。これはいろいろその間にうがった問題も出てくるわけですが、そういったものに圧力を加えてやるということは、これはいけないと思うのです。先ほどお話のあった母船も、これは同様だと思う。そういう点について、その問題を次長はお知りになっておるかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。たしか知っておるだろうと思いますが。
  22. 岡井正男

    説明員岡井正男君) くろうとである青山先生御承知であろうと思います。府県に全部われわれの方から、二百八十四の数をきめましたら、それを十一県と一道とに、従来の実績あるいはその他のいろいろなファクターで、まあ早く言いますと、筋の立った割当を一応いたしますれば、その割当を受けた府県において、適格船と思われるようなものについては、まあ公平妥当な割り振りをやることは、県へ全部あげて一任してあります。従いまして不幸にして、そういうことはないと信じておりますが、私の方の職員で、要らざるそういう誤解を受けるような言葉をロばしった者がありとすれば、調べまして十分私はたしなめたい。かように考えておりますが、あげて府県へおまかせしてありますので、府県内の事情につきましては、どういうようなところからどういうようなことが言われましても、府県におまかせしてあるということで、私の方では取り合わないことにしておりますので、今のお話も、そういうことはあるかもしれませんが、私は不幸にして、詳細承わっておりません。
  23. 青山正一

    青山正一君 これは誤解してもらっては困るのですよ。あなたの方の係官が、そう言うておったのじゃないのですよ。あなたの方の係官は、これは正々堂々たる態度です。はっきり申し上げます。これは府県の方から聞いた話です。相当圧力がかかっておる。そうしてその二隻どろしても持たせるというふうなことで、相当圧力を加えて来ておるわけです。この点を申し上げておるわけであって、係官がこうだとか、ああだとか言うのじゃない。むしろあなたの方の係官は、りっぱな態度でした。その場に私はおったわけですから。そうして次長に話してあるというようなことでしょう、恐らく。次長はそんな話は聞きませんでしたか。
  24. 岡井正男

    説明員岡井正男君) よくダシに使われまして、私の方へは顔出しはされたが、お話なくして、そうして一方では、こういうようなことを次長の方へ了解を得ておるというような手を、お使いになる陳情団の方も間々あるのです。
  25. 青山正一

    青山正一君 陳情団じゃない、政務次官です。
  26. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 今の政務次官の話というのは、私の方は総体的にまあ間違いのない範囲内で、まあ公平妥当にふやしてくれというような、抽象的な御要望はあったように長官から聞いておりますが、ここのケースではございません。
  27. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今の問題に関連するのですが、独航船許可をなさる場合に、数だけ各県に割り当てるのですが、各県からずいぶん申請があったと思いますが、その中にこれこれこれというような指示はないのですか。
  28. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 数を割り当てますと、府県の方ではその数を持ち帰りまして、そうしてその数に適応しただけの耳をそろえて、そうしてあらためて府県が持って参ります。それを私の方では検査をいたしまして、適船である限りは、県の順位通りに大体許可をするという建前をとっております。不幸にして、それが北洋出漁に不適格のものであるとか、あるいはまた、整備が整っていないというようなものにつきましては、補欠といいますか、繰り上げるというようなこともあり得るのであります。
  29. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今回の北洋に持っていく漁船は、大体底びき等の、いわゆる漁業調整上の問題が、相当含まれておると思いますが、そういう点は加味されておりますか、されておりませんか。
  30. 岡井正男

    説明員岡井正男君) ただいま秋山先生の御質問ですが、漁業調整上の配慮を加えて各県の割当をしておるかということですが、これは主としていろいろな点できめるのでございまするが、従来の依存度、特に北洋依存度という点、並びに選ぶ船といたしましては、いわゆる以東底びきが過剰である、従って以東底びきを廃業するというようなものをやはり取り上げるということで、ちょうど以東底びきの整理方針とからみ合わしまして、キャッチャーの選考をいたしております。こういうことであります。
  31. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほど青山委員から御質問がありましたこととよく似たケースが、秋田県にも行われておる。これは非常に業者が迷惑しておるようであって、私どもその実情を伺って、あまりにも現在の政府が無理をしておるのじゃないかという感じを強くするものでございますが、水産庁はそういう点について、最も公正妥当な処置をしていただきたい。このことを要望しておきます。
  32. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ただいま内藤政務次官がお見えになりましたので御質問をしていただくわけでありますが、内藤政務次官にちょっと申し上げますが、只今北洋漁業に関する件を議題に供しておりまして、今般政府発表いたしました許可方針は、暮から新年にかけ国会休会中であり、また非常に早々の間にこれが突如決定を見たので、内容的にもまた時期的にもきわめて不明朗であるという意見が今各委員から出ているわけです。それでこれについて政府考え方の御説明を願いたいと思います。
  33. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) ただいま委員長からのお尋ねでございますが、実は私暮の二十五日の日に郷里に帰りまして一月の十日にこちらへ出て来ましたのでございますが、それで行きまする前に、この問題が事務的にお進めになっておるということは実は聞いて参りました。休み中にそういうことを取りきめしたということはまことにこれはまあ不明朗の感がないこともないかと思うのでございますがですね、しかしこれは私どもいろいろ注文つけるわけのことでもなく、やはり事務的に公正にいった方がいいと思いまして、ただそういうことをやっておられると聞いて実は帰ったのでございますが、いろいろ次長からもお話し申したと思うのでありますが、決して巷間伝えられるようないろいろなことは私はないと信じておりますので、時期的に少し悪かったかもしれませんが、その点は一つ御了解いただきたい。
  34. 千田正

    千田正君 今の政務次官の御説明はただちょっとお聞きになった場合にはそういうお答えでいいのですが、水産委員会といたしましては、旧臘以来この問題についていろいろ過去の問題が相当ちまたに流布されているので、万一そのようなことがあってはいかんから取りきめを発表する前に当委員会、あるいは委員会が休会中には委員長あてにこういうような経緯であるということを、一応当委員会か、あるいは委員長に対し決定前に通知してもらいたいということを再三速記をつけて申し入れてあるわけです。それが何らなされていなかったのじゃないか、こういうので今ただしておるわけであります。その点……。
  35. 森崎隆

    森崎隆君 政務次官とそれから次長さんにちょっとお聞きしますが、まあきのうも申しましたのですが、今の内閣はとにかく選挙管理が中心の目的になっている、使命になっている。その間に選挙がすんで再信任を得た場合はこれはあなた方の政策にのっとってあらゆることをやっていただいていいと思うろのだが、農林省の人事異動も年度半ばの一番大切なときに行われておる、しかも北洋関係の人事が動かされておる。それからもう一つは出て来た案というものが時期的に繰り上って出ておる。出て来たものは非常にわれわれが常識的に考えてみて、あなたはしろうとかもしれないが、私もしろろとの一人でございますが、納得できないものが出て来ておる。  それで次長さんにお聞きしますが、これは今政府としては当然事務的に水産庁で案を作成して、それにめくら判を当然押すべきなのだ、今度はいい悪いは別として上からとやかく言うべきものではないのです。こんどはすなわち大きな政策を短期間に強行することになるわけですから、これは私好ましくないと思うのです。それでこの四十七度以南の件は以前から全鮭連より要求、陳情してこの問題の緯度繰り上げの問題、母船式決定なり独航船の配分の問題、この問題は水産庁で自主的に案を作成してですよ、そうしてあとから大臣なり次官のめくら判をもらったものか、あるいは水産庁で作った案が何かの形で最高権者の手で修正を受けて、そうしてそれが最終的決定を見たものか、これは非常に大切な問題だと私は思うわけです。その点の経過速記をとめてもいいですからどちらか……、私は当然水産庁の案がそのままそれでよろしい、選挙前だからよろしいというのでめくら判を押すべきだと思うのですが、そういうふうにでき上って固まったものであるか、案を出したものが、いやそれは何とかということで、最高権者の方から別案なり、あるいは大幅な修正案が出されて、それが逆にまい戻って来て、あとから水産庁長官なり、次長なり、部長なり、課長が大臣よりあとから判をつく、形式は別として実質的にはあとから判をつかざるを得ないような羽目になったものかどうか、その点を私は一点伺いたいと思うのです。
  36. 岡井正男

    説明員岡井正男君) ただいま森崎先生の御説明でありますと上からきめられたようでありますが、決してそうでなくて、事務当局といたしましては随時大臣と緊密に連絡をとりつつ結論を得たものでありまして、別に大臣の方からの御意見事務当局としてゆがめられてかく決定したというようなことはありません。
  37. 森崎隆

    森崎隆君 それでは次長さんの方では、決定した案は最も妥当な案だという自信を持っていらっしゃるのですか。
  38. 岡井正男

    説明員岡井正男君) それは見解の相違もありますし、また見方もありますが、われわれとしては従来の先ほど御説明申し上げたように戦前、戦後の実態に即し、諸種の点を勘案いたしましてかかる結論が出たことは妥当と判断いたしておるのであります。
  39. 青山正一

    青山正一君 ただいま森崎さんのお話について申し上げますが、私は先ほど申し上げました通り岡井さんは、次長さんという官吏の立場からしてお話しになったわけなんでしょうけれども、これはここに内藤さんもお見えになっておりますが、内藤さんは私と非常に親しい間柄でこういうことを言うのはどうかと思いますが、水産人の誰一人としてこれは納得がいかないと思う。心から誰が見てもこれは納得がいかないと思う。そういうふうにどうして変ったかというところに非常に不可思議な原因があると思うのです。内藤さんは水産の方に関係はないとは言え、やはり地元のほうは水産王国の所ですから、これは水産人が誰一人、ああこれは当然だろうと……これは見解の相違と次長さんは言われたが、これは官吏の立場から言われたことであって、おそらく岡井さんが元の兵庫県の水産部長であれば、ああ何とひどいことをやったものだろうと、こういうことを言うに違いない、私はそう思う。そういう点がどうも私どもは納得がいかないのです。  それからこれは森崎さんの問題に関連はしませんけれども、ついでだから内藤さんにこういうことを僕がお聞きするのは非常に心苦しい。ことに漁場的な立場から私もあなたの方の町から相当の支持を受けておるから、こういうことを言うのはどうかと思いますが、結局はっきりしておいた方がよかろうかと思いますからお聞きしますが、内藤政務次官は大森玉木という代議士を知っておりますか、どうですか。
  40. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) よく存じております。
  41. 青山正一

    青山正一君 その大森玉木から本吉漁業部の問題について何か御依頼があったか、ざっくばらんにこれはここだけの問題で、あとの方は僕は余り追及をしませんけれども、そういうふうな御依頼を受けたことがありますか、どうですか。
  42. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) 大森さんから御依頼を受けたことはございません。
  43. 青山正一

    青山正一君 そうですか。
  44. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) ただこういうことだけが実はあるのですが、実はそれは昨年の年の暮の二十八日であったと思うのですが、あるいは二十七日であったかもしれませんが、ちょっと記憶が薄れておりますが、長崎の方で……。
  45. 青山正一

    青山正一君 丸一ですね。
  46. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) 丸一がわざわざ新港の自宅まで、夜でしたか来られまして、実は私その方が……、二十七日でありました、二十八日金沢へ行ったのですから。そのときに本吉さんの底びき三ばいをつぶして、そうして独航船にしたい、何とかならないだろうかという御相談を受けまして、それを私いろいる考えてみ、その晩県の水産課長にも打合わしまして、それは当初富山県の分として願えないだろうかという頼みでありました。
  47. 青山正一

    青山正一君 なかなか率直でよろしい。
  48. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) そこで私は水産課長に御相談しましたら、それは富山県ではない、石川県にお頼みになったらよかろうというお話でありまして、二十八日、一番最後の日でしたが、金沢に行きましたついでに柴野さんのところへ寄りまして、こういうことにならぬだろうかと申しましたら、それはだめだ、大体これは評判がよくないぞということで一言のもとにそれが御相談にならず私はそのまま引き下ったのであります。ところがその長崎の方がそのまま東京に来られてずっと滞在しておられたといることを聞きました。その中に一人私の町の、私の近くの者が関係いたしておりまして、しきりに私のところに来るのであります。そこで私はそれはどうしてもいかない、どうしても入れるのならば、これは石川県の分として頼んだ方がよかろうということになって、まあせがまれまして、実は柴野さんに電報で石川割当の分にこういうのも申し出があるが何とかならぬだろうかといる電報を打ちました。ところが断わりの電報が来ました。その話はそのままになっております。そこでその人たちはどこでどう聞きましたか、何か調査船という形のものがあるという、それを私聞きまして、実は私も初耳でありまして、そういうものもあるのかなということになりました。それからいろいろ水産庁で聞いてみましたが、いやそれはだめだ、それはその形にはいかんということになりまして、それきりに断わって、その後どうなりましたか、一向その後は私は知りません。
  49. 青山正一

    青山正一君 非常に率直でよろしい。
  50. 内藤友明

    政府委員内藤友明君) 大体そういうようなこと、しかしこれは大森さんの言葉ではないのであります、正直に申しますと。
  51. 青山正一

    青山正一君 そうですか。ただ内藤さんに特に御注意申し上げることは、母船の問題でも相当これはやかましく、相当はっきり申し上げますと、独航船一隻は大体五十トン以上から七十トンくらいあるのです。一隻のこの一トン当りの権利だけです。船体は別ですよ。権利だけでこれは十万円に取引しておるわけです。そうすると、七十トンになれば七百万円ですよ。そうすれば礼金とすれば一割くらい出しても百万円くらいでこれは選挙費くらいはいつでも出るわけであります。だからこれは日魯母船が急にこうやった。僕は日魯がどうやった、日水がどうやった、大洋がどうやった、こういうことば申しません。ただ万人が見てこれは納得のいくものだ、これはまあ北洋のこの四十七度の問題もそうなんです。水産長官にも会うた。あるいは衆議院の鈴木君、あるいは千田君あたりといろいろこの問題について長官にも話し、それから次長にも話した。次長もある意味合いではそれも一つの案だろうから、一つ下の係の人に話してくれ、こういうわけなんです。長官もそれも考えなければならんなと、こういうふうなことで、たとえば五十一度の三角地帯まではいかんにしましても、五十度の三角地帯まで一つ認めたらどうや、そのかわり罰則でもって、ここを越えたものはこれは必ず罰しちゃって漁業権の取り消しをやる、そこまで話合いもできておって、だいぶ了解を求めたというような形になっておったのが、いつのまにやら水産長官が消えてなくなってしまって、新たなる水産長官が出て来た。その水産長官は何にもわかりませんからして、これはおそらく上の命令によってどうなったのか、そいつは私はわかりませんけれども、その案というものは消えてなくなっておる。だからこれはみなびっくりしておるわけなんです。だからそういう点がどうも母船許可方針、あるいは独航船の問題も、なにも内藤さんが石川県の知事とかなんとか言わなくても、隣りに次長がおるのだから、次長に話せば、長崎県の船籍の船を石川県の船籍にすると、そんなことができる道理がないということは、これはわかっておるわけです。たとえば底びきを整理してしまって北洋に行くという建前になっておるのだから、他府県の船を持って来てやるということは、これは理屈に合わんことだから、れはあなたこの方の岡井次長に聞おきするなり、あるいは長官にお聞きすれば、すぐこれは様子はわかるわけなんです。ところがその本吉というのは、たとえば県信連のうちの七割かの金を使い込んでいる。あるいは去年カツオ、マグロの権利を得たときに、そのわざわざもらった権利をほかの人にそのまま譲っているというような、札つきの人なんです。そういう札つきの人が大森さんからこれが頼まれたわけでもないでしょうけれども、あなたの方に来た。私の考えた範囲内では、あなたの方の松村さんも骨を折っていると、こういうわけなんです。これは石川県に行けばすぐわかりますですけれども。だからそういうふうなことをやりますと、何かそのうしろにたとえば昨日森崎さんが質問なすったあの母船の問題と同じような母船の問題は、これはどうか私知りませんよ。知りませんけれども、ただ水産人とすれば納得がいかないわけなんだ。だから納得のいくような行き方で進んでいっていただきたいということを私は望むわけなんです。そういった問題について、この北洋の保護関係のサケ、マスも、四十七度のこれに対して次長はあの決定通りにやるわけなんですか。何かもう少し愛護の手が必要だろうと思いますが、そういう手配というものはないものですか、どうですか。その点をお伺いしたいと思います。
  52. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちょっと……、答弁求めたわけですね。
  53. 青山正一

    青山正一君 まあ、それはいいです。
  54. 小林孝平

    委員長小林孝平君) じゃ、速記をとめて。
  55. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記を始めて下さい。  この北洋漁業に関する許可方針につきましては先ほど申し上げましたように、時期的にもその内容的にもきわめて不明朗であり、かつ遺憾な点が多いのでありますけれども、各委員が御指摘になりました通り、この最終的の責任者は農林大臣でありまして、特に今回のこの決定の仕方については農林大臣の意向が多分に強いのでありますので、農林大臣出席を求めてこれを審議しなければならんわけでありますが、農林大臣は本会議に行っていますので、またあらためてこの問題は追及いたしたいと存じます。そこでただいま残った問題はこの四十七度以南の問題でありまして、これに関係の漁民が非常に窮迫した状態になっておりますから、こういう決定を農林当局はやられましたに当ってこれらの漁民及び漁業についてどういう方針をとってこの漁民の要望にこたえられるかということをこの際御答弁を求めます。
  56. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 四十七度以南の問題につきましては業者の切実なる御要望並びに委員会でもしばしば御同情のある発言を頂いておりますので、われわれとしてもできる限り御要望にこたえたいとは思いましたが、遺憾ながら結果といたしましては、四十七度は動かさないといる結論を得た次第でございます。その四十七度を動かし得ないというのは、さっきも申し上げましたように非常に多い数でございまして、若干漁場をいじりましても到底包容し切れるものではございません。一応国際的な色合いの強い漁場におきましてははっきりと規律のある操業をさしまして、将来そういう国との漁業折衝の過程におきましても遅れをとるということも考えましたし、それから数多い漁船のうちでかりに漁場を五十度まで延ばしたと仮定いたしましてもそこに現実に行き得る数というのは非常にある部分にしかすぎないという現状でございます。しかし他面過剰状態にあるのをそのままほうっておくというわけではございませんので、西カムの方はもちろんのこと、アリューシャンの方へも出ると、こういうふうにすれば出るというまあ袋の口を一部あけております。また北海道で昨年操業中に不幸な遭難者が非常に多かったようなこともございますので、安全操業立場からもいたしまして、型の小さいものが相談し合って、あるいはまたワク内において作業をいたしまして大型化するというような点につきましても私の方はこれはけっこうだという方針をとっておる次第でございます。
  57. 千田正

    千田正君 その今の岡井次長お答えの中にワクの小さい漁船をある程度統合さして、そうしてこれを育成強化していく……、具体的にはどういう案を持っておられるのですか。
  58. 岡井正男

    説明員岡井正男君) これは生産部長から……。
  59. 増田盛

    説明員(増田盛君) 四十七度以南のうち、特に今お尋ねの焦点になっております零細な漁船に対する措置でございますが、結論を先に申しあげますと、非常に重要な問題でありますので、最も本問題に関しまして関連のあります北海道庁との間に慎重に、意見を聞きまして案を練らせております。従いましてまだ水産庁意見としまして決定事項として御発表できるまでに至らないのでございますが、大体三十トン以下の船がただいま通知事の許可になっているわけでありますが、その大半のものに関しましては、もし次のような措置が講ぜられますならば大臣許可に繰り上げることができる。すなわち小さな船を集め、権利といいますか、そういうものを集めて参りまして、新しく漁船を新造するとか、あるいは新たに漁船を取得する、しかもなおかつ許可船の許可トン数が補充せられる、こういう場合におきましてはできるだけやかましい隻数等の制限を設けることなしに、実情に即応しまして認めていきたい、かように考えております。  ただ、ただいま申し上げました点に触れまして、実はこの北海道知事の許可の船舶は約千七百隻くらいあるのでございまして、この中には非常に小さい、中でも非常に小さくて、元来はサケ、マスを目的とするものじゃなしに、いそ漁業を中心にしております非常に小さいものがございます。これの取扱い方に関しまして、これを全部金さえあれば全部かき集めてトン数を寄せるということになりますと、いろいろ弊害が出てくるのじゃないかというような道側の御意見もありまして、この点をどう取扱いますか、今後研究を要する問題であると思うのであります。そういう一定の部分に関しましてもやはり、しかし漁業協同組合、あるいは生産組合等の沿岸漁民が力を結集しまして、金持がこのトン数を買い集めるのではなしに、自分たちが持っているものを寄せ集めまして共同組織としてやはり大臣許可の方面に発展すると、ころいう場合はやっぱりこれは認めなきゃならんじゃないか、そういう点も十分考慮しながら研究いたしたような次第であります。
  60. 青山正一

    青山正一君 その今の発表というのは、ただその船を大きくするというだけのことであって、たとえばその根本の問題の、漁区を拡張するとか、あるいはどうしてもこれは生活上先ほど千田さんのおっしゃったように、生活上これはどうしても食っていかれない、何か救済の道、その救済の道という点から考えて、どういう施策を講じたかという点なんですな、私の聞かんとするところは。たとえば漁区の拡張をどの程度までするのか、あるいはあのままに野放しにほうっておくのか、たとえば独航船関係は、もうできるだけふやしておると、二百八十四隻ですか、一方においては零細な漁業者の方は、昨年と同じようなわけだと、期限も全然延ばすというようなこともうたってないわけなんです。肝心なそういった点を何かもう一度これは考え決定し直す必要があるのじゃないかと思うのですが、千田さんなり、森崎さんなり、私らが考えている点は、その点にあるわけなんですが、その点に一つ触れていただきたいと思うのですが、肝心なそんな点に触れずに、ただ船を大型にするとか、どうだこうだと言っても、それは二の次の問題であって、もう少しやはりそういう点に、僕らの考え方はそういう点をもう少し考える余地があるかどうかという問題なんです。千田さん、そうなんでしょう。
  61. 岡井正男

    説明員岡井正男君) お言葉を返すようですが、もともと以東中型底びきを整理転換さして、優先的に鮭鱒流しの方へやろう、しかも国が金をかけないでそういうことをやっているのですが、ずるいようにも見えますが、しかし考え方によりますと、そのもとをなすものは従来一番困っているという沿岸の零細漁業者から熾烈な要望がある。まあ先生方にも過去においてはひしひしと来たわけですが、それは底びきを整理することにおいて、沿岸の零細な漁業者の資源の確保ができるから、それを政府国会でも優先的にとらせるべきじゃないかという声が非常に盛んに起りまして、それで大蔵省ともいろいろ折衝したが、意にまかせませんような、財源ももらえなかったというようなことで苦心を重ねた結果、幸いにして危険は若干あるにしても、北洋鮭鱒流しというものが比較的試験の結果、採算がとりやすい、従って向うのほうへ出すと、そのかわりに、底びきを廃業するということで向うへ押し出していこうという線をとったわけです。従いましてこれらの方へ行く業者は、全然自分の従来やっておった底びきという一定の漁区をてて、そうして向うへ出向いておる。一方四十七度以南漁業者は兼業自由的自在でございまするから、サケ、マスをとるということを、一年中それをのみ生計の主たるものにしておられる方があるかもしれませんが、建前といたしましてはサケ、マスもとり、場合によればサンマをおやりになってもよろしい、ほかの漁業をおやりになってもよろしいという兼業形態は自由でございまして、われわれの方から、条件、制限をもってやめて行けというような結びつきはいたしておりません。従いまして、鮭鱒流しで四十七度線が特に最近困るというような御陳情でもございまするが、また一面内地側の方の府県の部課長会議なんかの意向によりますると、少くとも内地側の方におきましては、現在底びきをやっているものと、それから四十七度以南のサケ、マスへ行くものとの比較検討、いわゆる経営的な比較検討をとればむしろ底びきの方でもう少し悲惨なようなものの方が相当ある。従って四十七度で今後ストップするという線については、むしろストップせずに——われわれは漁区を拡大してもらわなくてもまだ四十七度で働かしてもらいたいのだという希望相当あるというように、過般の部課長会議でも相当熾烈な意見があったぐらいでございまして、それは四十七度には、そうでないという反論は相当出ましょうが。出ましょうが、見方はいろいろありまして、四十七度線を、生活をより楽にするために強引な手を打てと言われますが、そう強引の手という名案もなく、私の方は勿論二階から目薬みたいだと言われるかもしれませんが、さっき申し上げたように逐次何ぼかずつ——大きいので理屈のつく範囲で向うへ出してあげよう、一応四十七度線は引いありますが、その中で何ぼかずつ出していこうということを考えたわけであります。
  62. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちょっと岡井次長に申し上げます。先ほど鮭、鱒漁業許可方針について御説明がありましたが、カニ漁業についてのあれが落ちておりましたから。
  63. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 森崎先生の御質問で答弁漏れがございました。カニ漁業についての許可として事務当局考え方はどういうのでああいうふうに二母船にきめたかというお尋ねでございましたが、これは現在想定せられるのは、ソ連の方からも五船団ぐらい出しているんじゃあるまいかという情報があります。従いましてカニについては、まあ従来技術経験、あるいは実績を持っているとかというようなところのうちから選んだということで、二母船ときめてしまったのも、希望はたしか十船団ぐらいあったと思いますが、カニ資源については国際情勢もまだはっきりした見通しはありませんから、まず大事をとって二母船程度でとどめたい、かように思いまして二母船許可したわけであります。
  64. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 政務次官は衆議院の本会議が始まって先ほどから向うに来いといぅことなんですけれども、いかがでしょうか。
  65. 青山正一

    青山正一君 政務次官の立つ前にちょっと。
  66. 森崎隆

    森崎隆君 今の問題で。それでは三十年度ではカニ母船の方は二船団以上には絶対にふやさないんですね。大臣がどんなにむちゃを言ってもあなたの方でふやさないんですね。責任を持った御答弁を願いたいと思います。これも怪しいと困るから念のために。
  67. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 私事務当局としては今のところふやさないというつもりでおります。
  68. 青山正一

    青山正一君 政務次官にちょっと。ただいまの四十七度線の——これはあなたの方の富山県にも相当関係があるんですが、御注意までに申し上げておきたいと思いますが、その自由党の内閣のときには、これは五十度なり、あるいは五十一度まではいかなくても、五十度までは何か考えていこうというふうなことで、相当その鮭鱒流しの問題は進展していきつつあったわけなんです。ところが河野さんになってからころっと予想が変ってしまって、今こうしてたくさん陳情に来ておられるわけなんですが、まるっきり意思とは相違ったものが決定づけられたわけなんです。その点一つ念頭においていただいて、この次の選挙もあることですからして、特に御注意までに申し上げておきます。
  69. 森崎隆

    森崎隆君 次長にもう一点だけ。さっきの底びき転換の問題でございますが、底びき許可の放棄の場合七百万円ほど、それから大臣許可の場合の放棄も二百万円、これが実際できる漁船は四十七度以南でどれくらいあると思いますか。これは何か調査してお調べになっておりましょうか。
  70. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 的確な数は申し上げられませんが、大体希望するようなものはおそらく並行的に資本協力するようなものとやはりタイアップするか何かして、出たいものは出るようにしているようでございます。数のほどはまだはっきりいたしておりません。希望は全然ないとは思いません。相当あるのじゃないか、かように考えます。
  71. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 本件はこの程度でよろしゅうございますか。
  72. 島村軍次

    島村軍次君 ただいま部長お話によりますと、私は実は、すぐ委員長しかられたけれども、それを聞きたかったんで、小さいものを集めて新たに作る共同組織によるものについては、という方針について聞きたかったので、この説明は従前なかったはずですが、それはまあそれだけ委員長に申し上げておきますが、そこで北海道の許可の問題について、北海道との間に打ち合せ中ということですが、それじゃまだ許可の方針はおきめになっているが、実際の許可はお出しになっていないということじゃないですか。
  73. 増田盛

    説明員(増田盛君) 実際の許可はこれからやるわけでございます。これは独航船の方に関しましてもただいま各道県から書類を提出中でございます。  それから四十七度以南の、先ほど私から申し上げました点に関しましては、具体的な方針をきめて、それからさらに大臣許可の申請があるのでございますから、その上で正式にそれぞれの規則に従いまして許可と、こういう運びになるわけであります。
  74. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと独航船についてもまだ未決定だ、それから四十七度線以下のいわゆる小さい漁船についても北海道庁との間に打ち合せ中であるからまだ未決定だと、こういうことですね。
  75. 増田盛

    説明員(増田盛君) ただいまの御質問でありますが、これは未決定という点は具体的な船に関しましては御指摘の通り決定でございます。と申し上げますのは、それぞれの規則によりまして、許可をする場合にはこれは具体的な人、船、これに対して許可をするわけであります。そういう一定の手続を経なければ正式に許可としての効力が発生しないわけでございます。ただし先ほど次長より申し上げております通り、行政的な方針、行政上の方針、これはすでにもう決定されておるわけでございます。ただその四十七度以南のいろいろこまかい実施の要領に関しましては、これはまだ未決定、ただいま慎重に審議をしておると、かような段階でございます。
  76. 島村軍次

    島村軍次君 ずいぶん御発表に御苦心のようですから、私はこれ以上は申し上げませんが、そこで水産委員会としては、全体についてあらかじめ内示してあるということに対する、さっきも御質疑があったようですから、そういう点は——これからは私の意見ですが、ずいぶんこれはむずかしい問題だと思いますし、四十七度線以下の小さい船についても、これはわれわれの県から言っても個々について非常な競争があるわけです。そういう問題については一般方針をおきめになったら早く御決定になって、一日も早く業者の方にどちらかというと知らしてやられる必要があると思う。それには北海道庁との関係があるからずいぶんむずかしいだろろと思いますけれども、そこで私はこの委員会としては府県知事の率直な意見を十分尊重されて、そうして不公平のないような措置をやっていただきたい。従来は私の耳に入っているところでは、運動のあったところの府県については相当許可が下りている。しかし運動のなかった府県については同じような程度のものでも許可がないというふうなことさえ入っているわけです。そこで府県知事の意見とあなた方の意見と個々についての意見もはっきりして、業者の納得のいくような線で許可をすみやかに御決定になることを希望いたしまして打ち切ります。
  77. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記をとめて。
  78. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記を始めて。  北洋漁業の問題につきましては一応これで打ち切りまして、また後刻ノリの問題を終りましてから継続いたしたいと思います。  それでは次は韓国ノリ輸入に関する件を議題に供します。御出席の方は大堀通商局次長でございます。
  79. 森崎隆

    森崎隆君 韓国ノリの輸入の問題は、昨年いろいろお騒がせいたしまして、一応百万ドルのノリのワクがきまりまして、これもうまくいっているのだろうと思いますけれども、それは私わからないのですが、そのときの趣旨から当然今生産期に入っておりますから、輸入は停止状態だろうと思っているのですが、最近何かこれがまた再開され、ワクを拡大していこうというような運動が非常にあるように私聞いておりますのですが、まさか通産省でそういうことはお許しにならんと思いますが、念のためにこの問題について今どういうように措置されているので、そういう運動があったかないか、あった場合にはその圧力のもとでおききになるおつもりかどうか。また最初の基本方針通り通産省としては責任持ってがんばってやっていただけるものかどうか、この点をはっきりお知らせ願いたいと思います。
  80. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) 韓国ノリの輸入の問題についてお尋ねがございましたが、この問題につきまして、通商局としての立場を若干述べることを許さしていただきます。  韓国との貿易関係は、御承知のように日本から出るものは相当ございますのですが、買うものがない。現在四千七百万ドル以上の債権が累積しておるわけです。私ども立場から言いますと、できるだけ向うのものをとりまして、この累積債権を回収いたしたいという考え方をとっておるのであります。ノリの問題につきましては、国内の需給関係は必ずしも十分ではなく、かなり値段も高い。消費者方面の立場考えますと、私どもは昨年来これは若干入れるべきものではないかと実は考えて、通商局としても考えておったのでありますが、問題がもちろん国内のノリの生産事業に対する影響ということもわれわれとして十分考えなければならないことでありますので、昨年夏以来、関係方面といろいろ御相談いたしまして、百万ドル程度のものを輸入決定いたしましたのですが、それはその後輸入の際に、若干輸入業者の手続の齟齬がございまして、その三割程度のものが税関に滞貨として積まれておりますが、七割程度は入った。しかしてまあ最近になりまして、御承知のようにノリの生産期に入っておりますし、私どもといたしましては、ノリの輸入の全体の問題についての方針は、やはり国内の生産事業に対する影響を考慮して、三月ないし四月以降、生産時期の終った時分に、この問題を決定するのが適当だと考えております。ただ問題点といたしまして、先ほど申し上げました、昨年百万ドル、それは数量で申しますと、百万束でございますが、百万束入れるようにいたしました際に、通関の関係で三十万ドル滞貨でございます。これは国内の生産にもし重大な影響がないということでありましたならば、これだけくらいまあ輸入してあげるのが適当ではないか、と実は考えまして、研究はいたしております。しかしながら、これは量は少くとも相当重大な影響があるという判断になりますれば、これは入れるわけに相ならんかとも思いますが、そういう趣旨におきまして研究いたしております。私どもといたしましては、あくまで生産事業に対する関係で、水産庁の方なり、農林省の御意見を十分伺いまして、輸入についてはあやまちなきを期したいと考えております。
  81. 森崎隆

    森崎隆君 早急にワクを増大するというようなことは、今のところ全然考えていないととっていいですか。
  82. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) ノリの輸入の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、全体で幾ら要るかというような問題は、これは四月以降、それ以後にきめたいと考えております。今問題になりました多分お尋ねの点は、若干検討されておるようなことではないかと考えます。検討されております対象になりますならば、昨年入れます予定の、入れるべきものが滞貨になりましたので、そのものだけをどう扱うかということを事務局で研究いたしています。
  83. 森崎隆

    森崎隆君 それで韓国からノリを若干入れまして、日本の消費者関係、大衆に安く供給するということ、これは私はいいことだと思うのですが、実際上輸入したノリが、どの程度でさばけておるかということが問題であると思うのです。それで輸入価路が大体どのくらいになったか、これが輸入された後に、小売価格が一体どの程度になっておるかわかりましたら大体のところを説明してもらいたいと思います。
  84. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) 大へん申しわけありませんが、ちょっと私今手元に資料ございませんので、申し上げられませんが、昨年の入れます際に、百万束で百万ドル、これは大体シフの仕切り値段で私ども考えておったのでありますが、相当大部分の方が委託販売の形でやっておられます。それがおそらく輸入といいますか、シフ予定価格より相当高かったと考えております。約三割くらい食い違いがあったのですが、おそらく三割くらいじゃないかと思います。ちょっと詳細な数字持ち合せませんので、あとで何でございましたら調査して御報告いたします。
  85. 森崎隆

    森崎隆君 そのノリの取扱いは、これはいろいろ聞きましても旧態依然たるもので、まあ価格を高くしている原因の一つでもあり、この取扱いの方法がこの原因になっていると思うのですが、ノリのまあ中央市場のよるな何か合理的な流通機構というものが生産者と問屋との間に作られたらいいと思うのですが、通産省ではこれはどんなように考えておるのですか。私ども寡聞にして知らないのですが、そういうものがあるかないか、なければこういうものを積極的に育成して行くというようなお気特があられるかどうか。非常に立ちおくれておると思うのですが。ですからもうけるところでは非常にもうけるというようなばかな感じが出ておる。
  86. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) ただいまお尋ねの問題につきましては、昨年の夏、入れます際に実は私どもの方で農林省と御相談いたしまして、ノリの生産業者、配給業者——問屋でございますが、問屋とインポーター、三者の集まりでありますノリの需給調整協議会というものを作られまして、三者よく御相談いただいて、取引関係その他円滑にいきますように、私どもも協議会と、十分御意見を伺いながらやって参っております。
  87. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 簡単なのでございますが、先ほどもちょっとお話のうちに韓国との貿易の上においていわゆる未回収金と出しますか、四千七百万ドルあるとおっしゃいましたが、昨年この問題を扱った当時においてもやはり四千七百万ドルであった。その後一つもこれは動かずに四千七百万ドルになっておりますか。今後ノリを入れても、かりに百万ドル入れれば百万ドル減るというようなものではないのか、あるいはもっとふえるような情勢にあるのか、その点を伺っておきたい。
  88. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) これは実は四千七百万ドルたまりました際にですね、先方からドルで決済をしなければならぬはずでございますが、先方は決済をしないわけであります。それでこれを買いまして、その後韓国側において日本からの輸人物資を制限しておるわけでございます。現在はどうであるかと申しますと、大体月にまあ二、三十万ドル程度こちらが出超になるような貿易を先方でやっておるわけでございます。従いましてちょっと私概略四千七百万ドルと申しましたが、その後百万ドルか百五十万ドルかふえておるかと思います。  今後私どもとしましてはやはりできるだけ物を買いましてですね、このたまっておるものを逐次減らしていくという方向に持っていきたいと考えております。
  89. 青山正一

    青山正一君 簡単に御質問ないし私の意見を述べたいと思うのですが、つまり国策として輸入が必要ならば、生産側以外を選んでほしいという方針で、この水産委員会は決議したわけですから、そういうような意味合いで多少認めようということで、生産者の納得する方法でということで決議したわけですが、それに対する気持はどうですか。それをはっきりしておいてもらわんと困るのですよ。これはまあ途中でこいつをどうするとか、ああするとかいうことでは困るのですよ。
  90. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記をとめて。
  91. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記を始めて。
  92. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) 私どもといたしましてはノリの生産期に韓国ノリのその年の輸入の大方針をきめる考えはございません。
  93. 青山正一

    青山正一君 この今残っておる三割ですか、三〇%ですか、それをやはり生産期以外にやってほしいということを参議院の水産委員会では、この決議にもそういう気持を盛り込んでおるわけですから、それを忘れないで下さい。
  94. 森崎隆

    森崎隆君 今の青山委員お話、さっきの続きで非常にだめを押されたのですがね。この三千万枚を輸入する場合には、輸入の価格が最初の予定より少し高くなっているでしょう。ですから全体で一億万枚ですが、一億万枚入れるためには、百万ドルでは足りないことになるというのでしょうね。その差額の分ですね、そのワクはまた出すつもりですか。すなわち一億万枚という枚数を中心にして考えるのか、割当のドルの百万ドルというものを中心にして考えるのか。
  95. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) これは実は前回許可いたしましたときは、百万ドル、こういうことで許可いたしまして、実は私はそのきめましたときの私の了解は、価格が一割ぐらい違っても、これはもうやむを得ないのじゃないか、その際はむろん許可を変更いたしましてやるつもりでおりましたのですが、実は問題が起きましたとき、ちょうど私、外国に出張しておりましたので、詳細のことはちょっとわかりかねるのですが、若干価格の開き方が大きかったということで、現在三割残っておるわけですが、また今後これをかりに処置いたします場合に、どういう方法をとりますかということは、実はまだ事務的に問題をきめてございません。私どもとしましては、これは先ほど来申しましたように、非常に影響があるのでございましたら、これは入れるわけには参らぬと思いますが、これだけはまあ別問題として、大した影響ないのだという結論が出ますれば、この取扱いについては、何か事務的な方法を講じたいと思います。あるいは金額を変更いたさなければならぬか、あるいは前回の輸入の取扱いを変更いたしますか、その辺については、なお研究いたしておりますが、何ら結論は出ておりません。
  96. 青山正一

    青山正一君 やはり生産者の納得する方法で考えてもらわぬことには、たとえば今現物がここにあるからといって、それを始末してもらっては困るわけです。それからこれは先ほど母船の問題でも、いろいろあったわけですが、ノリの問題でも、相当政治的の圧力のもとに、一部の業者に輸入許可を与えようという風評が非常に飛んでおるわけです。それはわが党の内閣のときからも、そういうふうな問題があったのですが、今度の内閣にも相当そういうふうな風評が飛んでいる。これは一、二の特定の業者でやろう、これは名前はここで発表しません。しかし、出たら私は相当問題にしようと思いますが、名前は発表しません。そういうふうな問題が出ておるわけですから、せっかく先ほど次長さんからもお話のあったように、参議院の水産委員会の決議によって、生産者なり、あるいは卸売業者なり、あるいは輸入業者、この三者が一体になって協議会というものを作ったわけですから、そういった協議会の調整協議会の意見を尊重して、一つ特に措置していだきたいと思うのですが、それに対する御意見はどうですか。
  97. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) 御趣旨ごもっともだと考えます。私どもといたしましては、実は需給調整協議会が昨年できます際に、私はそれが一番いい方法だと考えましたので、そのように努力いたしたいと考えます。なお御趣旨の点はよく了解いたしました。上司とも相談いたしまして処置いたしたいと思います。
  98. 青山正一

    青山正一君 最近偽わりのライセンス、つまり外貨の割当証明書いうものが出ておる。これは私も聞いておるわけです。それについて、何かあなたの方でもお聞きなさいませんですか。こういった偽わりの、ノリに対する偽造の外貨割当、それを聞きませんですか、どうですか。
  99. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) それは、ただいま初耳でございまして、伺っておりません。
  100. 青山正一

    青山正一君 そんなこともございますので、その点も御注意願っておきたいと思います。
  101. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ノリの問題は昨年から特に問題になって参りましたが、私は朝鮮のノリというものは、もともと日本人が朝鮮におります時分に、あれの養殖を始めて、非常に発展したわけであります。今どれだけできますか、四億枚以上のものができるはずですが、この消費はほとんど日本人です。朝鮮人はあまり食べません。いわんや外国人はほとん利用しないのです。そうしますと、あそこの生産が続く限り、この問題は、どうしても日本人に売り込むよりほかに持って行き先がないのであって、日本の販売業者、それから向うの生産業者との間の取引は、非常に接近しやすい。そこへ持ってきて、日本のノリがだんだんと増殖が重なって参りますと、しょっちゅうこの問題が起こってくるわけですから、この問題は通産省としては、根本的に一つ考えてもらわなければいかぬのじゃないか。ただ、帯貨があるから入れないとか、なくなったら入れるとか言っても、向うの方では、できたら始末がつかない。そういうところの調整については、根本的に考えておかないと向うが幾ら困ったって、こっちは必要のないときは入れないのだというかたい決意のもとにやられれば、非常にいいと思います。どうも向うにどんどんできると自然こっちの方へ流れようとする気配が出てきます。そこにいろいろな、場合によっては不祥事件が起るかもしれない。この点については通産省としては、特にその根本をお考えになって、今後の対策を考えていただきたい。そのつど、いろいろなことでごちゃごちゃするようじゃ困る。日本の生産は漸次増加してくると思いますから、それに対応して、朝鮮のノリは、もう引き合わなければやめてしまうよりほか仕方がないが、相変らずやっておると、日本の業者との間のトラブルが必ず起る。その点を十分御注意いただきたいということを要望いたしまして終ります。
  102. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ほかにございませんか。——それならば、これで暫時休憩いたします。  再開後、北洋漁業の問題をやります。    午後四時四十七分休憩    —————・—————    午後五時三十五分開会
  103. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 再開いたします。   休憩前に引き続きまして北洋漁業に関する件を議題に供します。本件につきましてはなお幾多の質疑が残っておりまして、水産庁当局並びに農林大臣に十分聞きたださなければならんことがありますけれども、時間の関係がありますので、特に四十七度線以南の問題につきましてさらに明日水産庁当局といろいろ懇談の形式で打ち合せをいたしたいと存じます。それで委員各位の御都合もございますので、この水産庁当局との打ち合せは委員長及び千田青山両理事におまかせを願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  104. 千田正

    千田正君 その前に、さっきの休憩前の委員会におきまして前谷水産庁長官の本委員会出席を要求しておりましたところ、次長からのお答えでは、大蔵当局に打ち合せに行っておるために多少おくれるかもしれないが出席する意向である、こういうことでありましたので、われわれも期待しておったのでありますが、お見えにならない。それで水産当局との、長官との打ち合せ等は明日やるといたしましても、私はこれはむしろ長官が出向いて来て当然自分の責任の管轄にある問題であるからわれわれと打ち合せるのが至当であると思うのであります。私は懇談などというなまぬるい形式でやることは納得するわけにいきません。水産庁当局の立場からいっても当然長官が来てこうした重大な問題について打ち合せするのが至当だと思いまするので、この際次長申し入れておきますが、委員長において時間を決定されたならば、万障繰り合せまして明日の懇談会には必ず出席するように鞭撻していただきたいと思います。申し入れておきます。
  105. 岡井正男

    説明員岡井正男君) 承知しました。
  106. 小林孝平

    委員長小林孝平君) それならば、いずれ時間、場所——場所は国会内の適当な場所を選んでいたしたいと思いますが、時間、場所を決定いたしましたら御通告いたしますから、御参集願いましてただいま申し上げましたような意味合いにおいて協議をいたしたいと存じます。  なお委員長、理事のほか委員の各位のうち御都合のできる方は御参加願いたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十分散会