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1955-01-24 第21回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年一月二十四日(月曜日)    午後二時五十三分開会   —————————————   委員の異動 一月二十三日委員秋山長造君辞任につ き、その補欠として若木勝藏君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀木 鎌三君    理事            石井  桂君            三浦 辰雄君    委員            鹿島守之助君            赤木 正雄君            北 勝太郎君            若木 勝藏君            田中  一君            白川 一雄君            市川 房枝君   国務大臣    建 設 大 臣 竹山祐太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件   —————————————
  2. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) ただいまから委員会を開きます。  まず、社会党第四控室から若木君が委員におなりになりましたから、御紹介申し上げておきます。  今日は建設行政一般に関する質疑を議題としておるわけでございますが、建設大臣はもうじきお見えになると思っておりますが、政府委員官房長河川局長住宅局長道路局長計画局長とおりますから、政府委員に対する御質疑がありましたら、それから始めていただきたいと思います。
  3. 田中一

    田中一君 政府委員は、新しい政府から命令されて作文を作った作業員でありますから、この際大臣が来れば大臣には質問をしたいことがありますが、私は政府委員に対しては、何らほかの局部課長に対しては、質問はありません。私は大臣に対して質問いたしたいと思います。
  4. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは建設大臣がお見えになりましたが、御質問ありますか。
  5. 田中一

    田中一君 今まで、先般の総理大臣施政方針演説並びに大蔵大臣演説がありましたけれども、おそらくあの中には竹山建設大臣意図が盛り込まれて説明されたと思うのです。で、もう閣議なり、あるいは衆議院も本会議が開かれると存じますから、要点だけ二、三伺いたいのです。  一萬田大蔵大臣は三十年度に四十二万戸の住宅建設をするということを説明しておりますけれども、これは内容は、個人が建てようとする見込み幾ら、それから住宅金融公庫並びに公営住宅、その他どういう内容を持っておるのか、先ず第一にその点を伺いたいと思います。内容を伺いたいと思います。
  6. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 先般、参議院公邸の節、ごあいさつを申し上げましたので、重ねてのごあいさつを省略をさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。  今度の問題については、今私の意見が織り込まれてというふうに、大へん御丁重なごあいさつでありますが、率直に申すと、これは党、また内閣全体の政策という意味において、住宅あるいは就労対策というものを考えて参りましたようなわけで、もっぱら建設省の事務的な案ではございません。政治的にさようないきさつできめたようなわけでありますので、事務的には率直に申すと甚だおくれております。これはもう御了承いただけると思いますが、解散を前にして、事務的な予算の編成は事務当局自身はやってはおりますものの、新しい政府がこれを取り上げてまとめ上げる時間的余裕がありません。この点はおしかりをいただくかもしりませんが、事実がさようなわけでありますので、もっぱら政治的に方針を決定をいたしておるということでありまして、今後選挙の間といえども、建設省としては事務的に、この政治的な方向に向って総合的な計画を、各省と一致して作っていかなければならぬ。もちろん、お話通り、何にも根拠なく大蔵大臣発言をしておるのではないのでありまして、しかし、その根拠たるや、今申すような政治的な見解できめたようなわけでありますので、これを事務的に今お話のように公営が何戸、何が何戸というのは、私自身もそらでは申し上げかねるようなことでありまして、このことはいずれ十分綿密に、民間資金財政資金、あるいは予算措置、あらゆるものをしっかりと組み立てまして申し上げることのほうが、御審議の上にむだがないと考えますので、どうか、今日のところはさよう一つ了承をいただいて、なお一つ、いろいろ従来からも熱心に建設省政策について御支援、御鞭撻をいただいて参りました本委員会でありますから、どうか私のようなしろうとの者に対して、いろいろお教えをいただいて、まあ率直に申すと、もう建設省の仕事は政党政派によってそう違うとは私は考えておりません。でありますから、あくまで私の良心でまじめに一つ、今後実行の面においてはやって参りたい。ただ政治的には新しい内閣のことでありますから、大きく打ち出して、それを私の責任においてまた各省と一緒にまとめ上げてやっていこうという段階であることだけを、一つ了承をいただきたいと思います。
  7. 田中一

    田中一君 今建設大臣の御発言、まあその程度考えております。しかしながら、この御説明のうちの政治的、事務的にという二つの考え方を述べていらっしゃいますが、じゃ私、政治的な意味における発言だというならば、政治的というのは、内容は、来たるべき衆議院の総選挙において政治的に有利に、自分のほうに、民主党のほうに勝ちをかち取ろうという意味から、内容は事務的に何ら検討されていない。ただ大きなふろしきを広げて一網をかけるのだというのが、政治的という意味であると解釈してよろしうございますか。
  8. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) それははなはだ迷惑でありまして、そういう意味で申したのではないので、政党政治の本筋から言いまして、党の政務調査会内閣とが話し合いをいたしましてきめた、これを政治的と申したわけであります。従来の事務的に役所の者が組み立てた予算の大綱ではありません。従って、勿論選挙の前に出したのですから、政治的な意味がないと申したって、そう御了承はいただけますまいけれども、私の気持は決してさような意味ではなくて、党の政務調査会内閣のきめたこのことは、内閣の共同の責任内閣当然の責任であり、また建設省担当部分としては当然これに合う事務的な案を作る、またそれを実行するということは当然のことと考えておりますから、どうかその点は誤解のないように、私の発言がもしさような点で不十分でありましたら、これの訂正追加をお許しいただきたいと思います。
  9. 田中一

    田中一君 私はこの事務的な責任も——まあ鳩山さんもこの内閣選挙管理内閣ではない、こういうような自信をお持ちになって本会議では答弁されております。しかしながら、われわれ並びに国民大衆は、この内閣は必ず総選挙を約束され、新しい多数党の政府を作るのだという前提の下に成立した内閣考えておるのです。また、われわれの鳩山内閣に一票を投じたという責任も、あるいは一票の行使の考え方も、すべてそこにあるのです。従って、この現在の鳩山内閣は事務的に政策を整理し組み立てるという必要のない内閣であると見るのです。従って、事務的な時間がないから云々でなくて、当然再開後の国会の一番早い機会に解散をするのだという約束のもとにやられているものですから、事務的なものはなくていいのです。従って、政治的な意味を含めてやったということは、今建設大臣もはなはだ説明に苦しむと思いますが、まあ一応竹山さんは非常にまじめな方であって、うそを言わないかたのように私は承知しております。従って、それはそれとして受け取ります。  お言葉を受け取りますが、まあ少くとも私は、この委員会におきまして竹山建設大臣が言われたこと、選挙を有利にするための政策ではないと一応一歩退いて考えても、吉田内閣六年間において、御承知のように、衆議院並び参議院国会において承認を求められた三カ年十八万戸計画というものすら、五万戸というものを実行せずして、ほおかぶりしておるという現状から見て、どのような魔術をお使いになるか。あるいは五百億の減税とか、あるいは防衛分担金負担を少くするとかというように、新聞紙上でいろいろ伝えられておりますその内容から見ても、四十二万戸の住宅建設が可能であるかどうか。また一面において、一兆円内において三十年度予算考えておるのだというような発言から見ても、この大衆に対しておそるべき、非常に過重なる負担をかけるというような税制措置を含んだところの一萬田さんの発言だと思うのです。従って、内容も何もない、から念仏である。従って、今まで六年間の吉田内閣のやった事績から見ても、四十二万戸の住宅建設というものが絶対に不可能であるということだけは、言い切れるのです。これは、われわれ五年間この建設委員会委員としてここに参っておりまして、これはもう常識から見て言えるのです。従って、これはあえて竹山建設大臣意図のもとに発表されたものでない、民主党選挙対策の放言であるということを、私はここで確認していただきたい。
  10. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 非常に迷惑なことでありまして、確認はおろか、これは政治的な立場において絶対にさようなことは考えておりません。先ほども繰り返して申し上げたように、われわれは党及び内閣責任において天下に公表をいたしたわけでありますから、これは選挙目当て政策でないことだけは確かであります。ただ、私が事務的に十分の資料皆さんにお示しをして、説明をする今日の場合でないので、まあ事務当局をかばってそう申したようなことが多少誤解を生んだとすれば、先ほど申したように訂正をいたしたい。もちろん出しました根拠については、われわれ政治的には確信を持っておる次第であります。  しかし、今お話通り予算案を出しませんので、その一々の数字について説明をするということは、建設委員会だけでは許されません事情を御了承をいただきたいということと、それから事務的にできないから当然今の内閣選挙管理内閣だと、こういう御主張に対しても、これは少々理解を、そのまま承知をいたすわけには参りませんのは、われわれは憲法上新しい内閣として当然、建設省についていえばその担当しておる方面についての政治責任を果さなきゃならないと思いますので、前内閣の跡始末でもありますが、今日の当面の就労対策についても努力をいたしておりますし、また先般も水道の問題を解決したり、いろいろできるだけの努力をいたしておるつもりであります。ただ、三十年度予算というものについては正式に提案をいたしませんから、その考え方を述べておるというのでありまして、これは三十年度予算が、出しても、総理が申すように、御審議をいただけない政治情勢でありますから、申しておるということでありまして、従って、私は今度の住宅計画その他の問題が、決して建設省として何もそれについて十分なる検討をしていないと申すのではないので、着々とこれについては事務的にあの方針に従って、いずれは提出されるであろう予算の問題、あるいは関連する法律の問題、あるいは民間資金の集中のための必要な措置、いろいろもう、実は必要な手を打ちつつあるようなわけであります。その点だけは一つ了承をいただけたらと思う次第であります。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 大臣はやはり、衆議院の本会議でもただいまいろいろとありますから、私はこの委員会で長くここへ引きとめてお尋ねしようとは思いません。今の問題に関しまして、私は政治的といいますか、何と申しますか、今日の情勢として非常に住宅が不足しておるから、これを何とか満たしたい。まあ先ほど本会議でもたびたびあったように、あれくらいの計画でやっていきたいという、こういう意図を持っていらっしゃると了解して、それ以上私は政治的とかなんとかなく、もう一つ言うなれば、この前の内閣で十八万戸できなかったから今後もできないということは、それは私は考えておりません。それは内閣がかわればまたどういう方針でなさるかしれませんので、これは私としては今三十年度の予算も具体的にできていませんから、これ以上聞きません。それで大臣のお考えは、私としてはとにかくいいことなら何をやってもいいであろうと、これだけのお考えと私は了承しております。それ以上に私は考えていません。それで、私の考え方で差しつかえがあるかないかだけを承わります。
  12. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 全くそういう気持でおるわけでありまして、これは私はやはり、前内閣も当然努力をしたであろうかもしれぬけれども、不十分であったという御意見もよくわかります。しかし、今度の内閣はこれを重点的にやろうという内閣全体の決意でかかっておるわけでありますから、どうか、決して私は、予算の額だけでできるとかできぬとかという問題以上に、大きな問題だと考えておりますので、建設省、私の力だけでこの大問題が解決せられるなどと、うぬぼれた考えを持っておりません。これは総理以下、大蔵大臣も当然の大きな責任であり、その他関係閣僚はこの政策に全面的な協力を私はしてくれている現状のもとにおいては、今御意見通り、前内閣ができなかったのだから、現内閣ができないんだというような、そういう考え方は私も持っておりません。しかし、政治的な微妙なときに、責任者たる私が、あまり自慢話的なことを申すことは差し控えたいと思いますので、ごくじみに、私は、責任を痛感をして努力をせよという御意見に基いて、全力をあげて御期待に沿うべく努力するというのが、私の現状の心境であります。
  13. 石井桂

    石井桂君 ただいま大臣からの御説明ありましたのですけれども、私も一言住宅政策について御質問したいと思うのです。今、田中議員からもお話ありましたように、二十九年度までは第一期公営住宅計画、三カ年で十八万戸計画だったのです。これが実際努力してもできなかったという話は、その通りなんです。そこで、そのうちでまあ六万戸、年間六万戸公営住宅を建てる。それから金融公庫住宅を六万戸建てるというような計画で進んでおって、大体六万戸に対しては二百四十億くらいな金を公営住宅を建てる補助金としているわけでございますね。そうすると、まあ四十二万戸というものが、もし民間の持ち家、自分で建てるもの、あるいは貸し家でない、国庫補助なり組合の資金を貸し付ける計画が全部あるとすれば、おそろしく膨大な予算になるわけです。それをまあ、かりに六万戸を十二万戸にしても、公営住宅十二万戸だとしても、五百億くらいかかる。もっとかかる。そこで、それを一兆円の予算の中にどういうふうにまあ一応計画なすったか。つまり、もう少し端的に言うと、さっき田中さんが聞いたように、四十二万戸のうちに民間が三十五万戸であるのか、四十万戸であるのか、その辺が、御計画に何かないでございましょうか。私はこれを質問するのは、今度の計画は超党派的に、何となくわれわれにとっては非常に希望を与えているわけです。私自身もずいぶん努力したのですが、なかなかできなかった。それを内閣がかわって、まあこんなに大きな計画ができるとすれば、われわれのできないことをやっていただくのですから、非常にうれしいと思うんです、その点だけは。そこで実際に地についた計画がなされているかどうかをお聞きしたいわけで、それがないからといって、私はそれをもって選挙演説にぶちまけるつもりも何もないので、ただ明るい気持国民がなっているのですから、少しでも実現の希望が持てるような御答弁がいただければ、世の中、ことに都市方面は明るいと思うのですが、その点いかがでございましょうか。
  14. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) まことに御親切な御鞭撻をいただいて、感謝をいたします。われわれもそういう気持で、一つ思い切って、この内閣の第一重要政策に取り上げてもらったわけですから、この内容について絶対な確信を持っていることは、重ねて申し上げると同時に、今お話のように、資料を伴って御説明を申し上げるほうが、専門家の皆様でありますから、私もよく、二度手間にならぬと考えるので、どうかそれを了と……。申上げた点について重ねて申すことは、はなはだ失礼と思いますけれども、今の御要求はよくわかりますけれども、今日の場合は一つ、時間的にも全部の説明を申上げるいとまも、実は衆議院の本会議が今開会中を、委員長からの御注意で抜けて参ったような次第でありますので、本日の場合は一つ、お許しを頂きたいと思います。
  15. 石井桂

    石井桂君 委員長、もう一つ簡単ですが……。都市防火構築の問題なんですが、一萬田大蔵大臣は、ビルディングを建てることは非常にぜいたくなような御発言があるのです。この点はよくお考え下さらぬと、住宅のようなものでも防火建築をしようと、こういう時代に、私は待合やなんかは、そんなものはいいと思いますが、普通の事務所の建築やなんかは決してぜいたくなものではない。都市防火構築については大臣はどういうふうにお考えかということを、お漏らし願えれば仕合せなんです。
  16. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) その点も、今、いろいろ研究をいたしております。これを何かいわゆる事務的な規制をするか、あるいは金融処置で自然にできないようにするかというような点についても、これはなかなか、事経済の問題でありますから、ただ役所が手続きを繁雑にして国民に全体的に迷惑をかけるといったようなことはどうかというふうに、私の気持はいたしておる。そうかといって、今までのように勝手にできっぱなしになっておったのでは、これはまあ一方からいえば、お話のように、住宅はできませんから、そういう点で一つ、いろいろお知恵を拝借をして、実際の経済に即して、しかもこれは政治でありますから、あくまで住宅資金が集中するように持っていきたいという点で、大蔵大臣も非常に心配をしておってくれます。そこで、近く保険会社あるいは銀行、いろいろな金融機関とも懇談をして、話し合いで、できるなら、そういうふうに持っていきたい。しかし、どうしても話し合いじゃいけないということになれば、これはある程度の制限をしなければならぬと思います。これは相手のあることでありますから、あらかじめ私が規制をするとか、何と何を法律でやめるとか、なるべくならばそういうことをしたくない。しかし大きな目的のためには、これは一つ思い切ったことをやらなければ、これは、いいわいいわでやっておったら、できないということであります。  委員長にお願いをいたしますが、でき得れば一つこの程度で、今日私だけは……。事務当局は残しておきますが……。
  17. 石井桂

    石井桂君 ちょっと大臣、いらっしゃる間に、御参考に申し上げますけれども、東京都で終戦後、昨年ごろまで十年間に作られたビルの坪数は、約三十万坪です。これを一坪十万円にしても、わずかに三百億ぐらいなんですね、十年間に。ですから、大臣がお考えになったような巨額な金を使って、セメントといえども、一坪一トンとしても、三十万トンしか使っていない。鉄を一トンとしても、三十万トンしか使っていない。資材からいっても、労力からいっても、金からいっても、皆さんがびっくりするほど、金も使っていないのです。それらをただ、いなかの人が都会に出て来てびっくりするような目で、大蔵大臣ともあろうものが、また建設大臣ともあろうものが、影の形におびえるがごとくにして判断を誤まらないようにしていただきたいと、一つお願いいたします。
  18. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) お諮りいたしますが、実は建設大臣、本会議の途中から引っぱり上げたのですが、ようございますか。それじゃ……。  なお、大臣以外にはあまり御質疑がないようにお見受けしますので、建設委員会はこの程度で散会いたしてよろしうございますか。
  19. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それじゃ、散会いたします。    午後三時二十五分散会