○松野
委員 これは行政的におやりになるのでどうかと思いますけれ
ども、それならば
高温殺菌もあわせて許して、
栄養上差があるならば、その差において
価格を操作するとか、あるいは
低温殺菌が十円の場合は
高温殺菌は最高八円にするというように、
栄養上差があるならば差をつけてやれば、
衛生上必ずしも解決できない問題ではない。また
厚生省としては設備まで言う必要はないじやないか、有害か無害かを判定すればいいじやないかと
川俣さんは盛んにおつしやいましたけれ
ども、これは私は必ずしも
賛成できない。なぜならば、御
承知のように料理飲食店に対して、環境
衛生部で害があるなしにかかわらず設備の監督もしておる。あわせて設備の監督をしておるのは
厚生省所管にたくさんあるので、
牛乳もその一つの例だ。無害か有害かということだけを
厚生省が判定をすれば、設備のことまで言うべきじやないという
意見は、私は必ずしも
厚生行政上
賛成いたしかねる。当然必要なんです。そこまで監督しなければ
——現在小さい例でもあります。掘り井戸ですが、台所から便所まで近くてはいけない。近くた
つて害がなければいいじやないかといいますけれ
ども、現在の
衛生法では料飲店を業として
衛生をつかさどるところは、便所と台所を離せという規則があるのは当然のことです。またはえが来た
つて害がなければいいじやないか、はえが入らないように金網を張れという
規定もある。床屋だ
つてそうだから、まして飲食店がやることは当然です。私は必ずしもそういうふうに簡単には行かない点もあることは
承知しておりますが、そうな
つて来ると設備制限というものは必要なのです。しかしながら御
承知のような状況で、
衛生上ある程度害がないということがわかれば、これを販売の用に供して多少営業価値が落ちてもその点だけを認めてやるならば、これはあえてそうむずかしく
厚生委員会でも言わないのじやないか、
厚生委員会で言うのは、露骨に言うならば
衛生の後退だということだと私は思う。せつかく
低温殺菌で世界のレベルに達したのに、
高温殺菌を許せば
衛生上の後退だ、
栄養上の後退だ、こういうことが
厚生委員会の党派をあげての声だと私は
考えます。これも一つのりくつです。しかしながらそれを認めながらだんだん将来
低温殺菌に進めるという方向をくずしさえしなければ、
高温殺菌を過渡的に認めるということはマイナスじやなしにプラスに近づくのじやないか。
従つて問題は、
高温殺菌もあわせて認めて、ただどこのかみ合せをするか、地域によ
つて認めるかあるいは何かによ
つて認めるか、かみ合せの問題です。おそらく私は、省内ではどつちかといえば
高温殺菌に
賛成の
意見があると思う。しかしながら
厚生省の省議になると必ずしもその
意見が出ていないから、あなたの苦しみもよくわかりますが、結局私が
考えてみるに、行政的に見るならば、
低温殺菌に近づく過渡的なものとしては、
高温殺菌でもとにかく
衛生上害がないというならば、私はその辺もかみ合せておやりになることもいいのじやないかと思います。
農林委員会もその点ならば認めると思う。要はかみ合せの問題で、これは大臣に質問するのも
政務次官に質問するのも無理な話ですから、そういう点を進めるなら、将来適当な早い時期に省議でお諮りにな
つて、この
委員会で望むのだから、早急にそういうふうな方向であとは
事務的にかみ合せをお急ぎになればいい。せつかくこの問題を進めようというときに、漫然とここにひつかか
つていることは、行政上どつちにしてもプラスじやないということで、その点もひとつ
農林委員会の
意見として省議にお諮りにな
つて、かみ合せをや
つて、
衛生上において退歩しないように
高温殺菌をある程度認める。実際を言うと、
低温殺菌で成功しているところもなきにしもあらず、需給バランスと設備とうまくマツチしているところでは、
低温殺菌で円満に行
つているところもあります。それを乱せというのじやない。逆に、
低温殺菌がないために乳価が下り、畜産が非常に阻害されている例もあるのですから、これを両方お
考えにな
つて、適当な早い時期に、少くとも今年中にや
つていただければや
つていただきたい、こういう希望
意見を申し上げて、あわせて
楠本部長の御
意見があるならば拝聴したいと思います。