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春日委員 これは非常にデリケートで、かつ重大な
事柄であろうと思うのであります。もとより大臣は
金融行政のオーソリテイであることはわれわれもよく認めております。けれ
どもそういうことはここでは
関係ない。あなたがどんな学識が深く経験にお富みにな
つてお
つたとしても、われわれはそういうものは認めない。結局
政治は
国会が議決したところによ
つて執行してもらう、あるいは
国会の意思に
従つて政治を行
つて行くのであ
つて、
国会がどう議決しようと、おれはこう
考えておるのたからおれはこういうふうにやるのた、こういうことはもうフアツシヨなのです。指導理念に固執するのあまりそういう
機関決定を認めないとか、あるいは
機関決定の意思に相反する
執行をされるということは、結果的に見てあなたのおつしや
つたことが正しいといたしましても、それは
制度上、形式上
民主政治の形態に相反するものである。従いましてあなたが
国会に議席を得られて、そういうような誤てる
決定が行われるならばその理論を正すことのためにいろいろな努力をされることはけつこうでありますけれ
ども、少くとも本
会議において満場一致で
決定されたこの
事柄を、あなたが自分の見識に照らして自分の意思に沿わない、自分の
見解と相反するからとい
つて、あなたが独断的にそういう
執行をされぬとか、あるいはこれは
新規預託をあくまでやらぬということは、現在の
議会政治の
権威というものを汚し、乱して行く形に相なると思うのであります。どうかそういう
意味であなたが十分
国会の意思を尊重してその
決定したところを
執行する、そうしてあなたの意思に沿わないような
決定や意思が表明されたならば、そういう
決定や意思をさらにかえることのための院内の努力をされ、そうして
決定されたところは誠実に従順に
執行に移していた、たく、こういうのでなければわれわれ
国会例といたしましては承認できないということをひとつ十分御理解を願
つておきたいと思うのであります。
なお今大臣から
指定預金というものの性格について批判的な御
意見の開陳がありましたけれ
ども、もとより
中小企業金融がコマーシヤル・ベースによ
つてそれぞれ解決できるということであるならば、もう何もそういう政策融資を必要としないのであります。またそういうような方式によ
つて解決がはかられることが最も望ましいことは、われわれも十分
検討いたしております。すなわち国民
金融公庫に対する
政府出資にしろ、あるいは
中小企業金融公庫あるいは商工組合中央金庫、こういうような
中小企業金融機関として政策的に設定されておりまする
機関に対する
政府の出資が
資金需要をまかなうに足るほどの潤沢なものが支出をされるということであるならば、こういうような便宜な方法をとらなくてもあるいはよろしいかもしれない。けれ
ども御承知の
通り、一兆円予算のわく内において抑えて行くというような機械的な操作から、結局
中小企業金融公庫に対する出資も中金に対する
政府の投融資も、さらには国民
金融公庫に対する出資も、それは
国会側の要望、さらに国民の側の要望の何分の一ぐらいというようなものしか支出されておりません。それはどうして支出ができないかというと、一般行財政の全般的な権衡からそこへそれだけの十分なものが出し得ないという現実の上に立
つて、結局さらに何らかの行政
措置によ
つてこの
中小企業の資金源をまかなわなければならぬ、こういう必要悪でありましようが、いずれにしてもその必要に基いて過去五箇年間にわた
つてこういう
措置がとられて参
つたのであります。このことはずつとあなたが
日本銀行総裁としてそういう方面にも一半の
責任を担
つていらつしや
つたわけでありますが、多いときには六百億を越えるような
指定預金も行われておる。そういうときには一応これは必要なことだということでその
制度が尊重され、それが本日わずか六、七十億を余すばかりとなりまして、そうしてこういうような
制度は好ましくないとにわかに言い出されてみても、これは非常に困ると思うのです。それがいけないならばその出発の当初において、それにかわるところの何らかの強い財政
措置がとられておるというのならばけつこうでありまするけれ
ども、そういうことなくして本日に
至つてさらに
中小企業の
金融が困難の度を加えて参る、そしてここで今にわかに
新規預託をやらぬというようなことを言われましても、因る者はただ中小商工業者ばかりである。結局国民
金融公庫にしろ、あるいは
中小企業金融公庫にしろ、これは設備資金、長期資金という形に相な
つておりますので、
従つて受取り手形を割るとか、あるいは短期運転賞金とか、こういうようなものは何らかの政策融資によ
つてその業者がこれを調速、弁じて行かなければならぬ。そういう資金源がやはり政策的に配慮されるということは必要欠くべからざることであり、しこうしてその必要に基いてこの五箇年間そういう
方針がとられて参り、あなたもそれに協力をされて参
つたわけであります。
そこで結論として申し述べたいことは、
国会が本
会議で議決をしておるということ、さらには本
委員会が深き
検討の結果本日ここに
委員会の決議を行
つておるということ、従いましてあなたの御
検討がいかがあらんとも結局この
国会の
決定するところに
従つて御
執行を願う、こういうことで、
一つはあなたの与党からもそういう正式のお申出もあることでありますから、どうかひとつ
中小企業のこの年末の
資金難を緩和することのために、さらに一段と御努力を願いたいと思うのであります。申し上げるまでもありませんけれ
ども、
金詰まりが一層ひどく相な
つて参つておりまして、東京手形交換所の不渡り件数なんかも十一月には千五百九十七件と申しますか、これはずつと昨年の九月からだんだんと悪化の一途をたどりまして、この六月の記録を除いては手形交換所始ま
つて以来の最悪のレコードと相な
つております。すなわち
中小企業の
金融難は何ら緩和されてはいない、
指定預金を廃止してもいいという
条件は客観的に何らここに成立してはいない。従いまして
国会の議決した
通りのことを大臣にや
つてもらいたい。それがいやならばひとつ大臣をやめてもらいたい、こういうことでありますから、どうか私の
意見を十分御
検討願いまして、民主的な
責任政治——
民主政治は
責任政治で、政党も
国会も同じ結論に到達をして——そのことを強く要望いたしておきますから、十分御
検討あ
つて慎重なる処理をされることを強く要早いたしまして私の質問を終ります。