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猪俣委員 あなたの
説明はさっぱりわけがわからぬ。私の三点につきまして何も答弁なさっておらぬ。はなはだ遺憾であります。ことにかんじんな
労働争議の点なんかにつきましては、あのくらいあなたは私
どもと約束されたのです。それは今
小木専門員が育ったようにあなた方から十四だか十五の項目が出て来た際、中に正当な
労働争議なんかには
関係しない、これを弾圧するというようなことは絶対にないというような項目があったのを、こんなことはとんでもないことで、こんなことを書くことは頭の中に
労働争議弾圧の頭があるからこんな項目を書いて来るのでとんでもないことだ、こんなものは当然過ぎるほど当然のことだということで
委員会で削除してしまった。その当時
労働争議に
公安官が出て来るなんということは想像もしなかった。その点はそれではっきりわかっておるのだが、今それに対して何をおっしゃっているのだかさっぱりわからぬ。しかしあなたの立場もありますので、今その
地位にあらざるあなたに対しまして過去のことをどうだこうだといって責めましても罪なことだと存じますが、由来
役人とかあるいは
鉄道職員とかいう方々の言うことはどうも信用がならぬ。われわれとあれだけ約束したことが今日あなたは証言さえできない。弱い立場に
おいでになるかも存じませんが、はなはだ遺憾に存じます。しかしこれ以上あなたに言うてもむだだと思いますけれ
ども、当時
公安官制度を設けまするについてどんなに
鉄道公安官というものは特殊な
犯罪だけに限るものであるかを力説したか、あなたは良心に手をあててみればよくわかるはずである。そうして
警察との調和をはかり、なお進駐軍から
一般警察官の脱法的な増員ではないかということに対しても弁解をし、ほんとうの特殊のものだということになっていた。それを
労働争議に対して
一般の
司法警察官さえ遠慮しておる今日、かかる特殊な内容を持ちます
公安官が
ピケの先頭に立つとは何事だ。いわんや鶴見において行われたごとく、
鉄道公女官が
労組の先まわりをして
ピケを張つている。そういうような行動をやるなんということは想像もしなかったことです。またそういうことをやれば、
鉄道公安官なる特殊な制度を設けたことは、
趣旨の大半がなくなる。先ほど言ったように、特殊の技能があるということと、いわゆる現場に働く
人たちの
協力を得るということ、その
精神に基いて、
協力を得るという
意味において、
鉄道の
職員から
司法警察権を持つ者を出した方が、
犯罪の
捜査には有利であるという見解だった。しかるにその
協力を得べき
鉄道労組員と敵味方になるというようなことになりましたならば、これはこの
法律を設けましたる大半の特色は失われたことでありまするがゆえに、われわれはこの廃止の
法律を考えなければならぬ。もう
意味がなくなって来る。そうしてその同じ
仲間から出た
公安官と
労組員とが、現場において血みどろの対立をするようなことに相なった際にどういうことになるか。これは想像するだにたいへんだ。かようなことがあってはいけないから、念には念を入れたはずなんだ。そんなことは
一般の
司法警察官にまかすべきだ。
一般の司法
警察でも、この
労働組合の
ピケなんというものに対しては、今までおっかなびっくりであった。今度労働大臣の通牒が出て大いに勢い込んで来ております。しかしこれさえ私
どもは違法なことだと考える。いわんや
鉄道公安官がこういう方向に興味を持つなんということはとんでもない。おそらく
鉄道犯罪なんというものは非常に減ったのではないかと私は思う。そこでエネルギーが過剰になって、こういう労働運動なんというものに顔を出して来たのじゃないかと思います。この統計からいうと相当にあるように出ておる。またこれが相当出ておることが事実だとするならば、ほかの方に手出しするひまがない。もっと一生懸命に本来の商売をやるべきだ。いずれにしてもひまがあるか、またひまがないほど件数が多いならば、なぜそんなおせっかいをするか。同じ
仲間の
ピケ張つているなんということにおせっかいを出さぬ方がいい。出した結果は
捜査の方面を渋滞せしめるのみならず、これは
鉄道構内の治安維持上非常にまずいことに相なります。これはあなた方よくお考えになればわかることだ。同じ
仲間から出た
公安官と
労組というものが対立したら一体どういうことになりますか。これはお考えになればわかるはずだ。しかしこれ以上あなたを責めても答弁ができないと思います。
そこで私は今度は指揮命令系統につきまして、運輸省及び法務省、
警察庁長官等にお尋ねいたします。この
鉄道公安官の指揮権は一体だれが持っておるのですそれを御
説明願いたい。これは運輸省の局長、あなたから御
説明願いたい。