○中澤
委員 資金源の問題ですが、これは実際たいへんなんですよ。この前小笠原大蔵大臣が来たときにぼくはここでよく言
つておいたのです。たとえば今年の
災害地において、宮崎県の場合を見ても、九月末現在の貸出しが十五億九百万円あるのですね。そのうち借入金でまか
なつておる額が八億七千六百万円、貯金が七億四千四百万円。農民貯蓄を食い込んでみんな貸し出しておるのですよ。それから青森の場合なんかでもそうなんですね。信連の貸出しが二十二億二千万円、借入れが十八億五千万円、貯金が二億しかないのです。これはとんとんで、農民貯金の二億をみんな食
つておる。岩手の場合においても、今度の
冷害地を見てみれば、二十二億の貸出しをや
つておる。借入れが十八億、貯金が四億、貯金を全部食い込んでおる。今の宮崎の場合を見ても、農民貯金の七億四千四百万というものをみんな貸出しに使
つてしま
つておる。これは大蔵大臣にもこの前の
委員会でぼくは言
つたのですが、
一つの信連が貯金をこれだけ食い込んでしま
つて支払い停止が起れば、全国の農民
金融体系にパニツクが起きて来ます。この現実を忘れてはいけない。こういう私の
質問に対して大蔵大臣は、農林
当局とよく打合せをして善処すると言
つておるのです。なるほど現在は米代が入
つて来ておりますから、今売りオペレーシヨンの問題も出て来ておるのです。インフレーシヨン抑止のための売りオペレーシヨンということは
原則的に反対じやないのですが、その
資金源を
政府が去年の四百八十億——実際の貸出しは四百十一億です。本
委員会で百億の決議をしたとき、中金に三日間行
つて資金源についていろいろ相談したのですよ。ところが本年は
償還分が八十億あるということです。そのうちどうしても支払い不能のものが二十億あると見なければならない。私はこれを十五億くらいに見ておるのですが、そうするとここで六十億全部を出しても、またここでも
つて営農
資金を百億と決議されれば、具体的な数字で四十億というもののアンバランスが出て来るわけです。そのほか去年の長期
資金のアンバランスを調べてみると、約百六億ある。これがまた問題なんです。これを
政府はただ予算の方にさえ響かなければいいじやないかという調子で、何でも農民は貯金の銭があるからというふうなやり方でやるのは非常に困るのです。これはパニツクの危機があるのです。農民
金融体系全体の崩壊の危機が今出ているのです。これに対して小笠原大蔵大臣は、とにかく農林
当局と相談して、そういう実情なら善処するという
答弁をここでしている。だからこれに対して
政務次官は、——今の川俣
委員の言うことも実際そうなんです。農民
資金だから預金をする農民には貸し付けるが、預金のできない
零細農には協同組合は貸さないということに
なつている。そこで私はこの
補償の問題を引上ぐべきだと思うのです。今四割の
補償に
なつているから
零細農には貸せないので、これを
政府補償六割にするならばいいわけです。それでもあるいは若干だめになるかもしれませんが、六割にすれば農協の
貸付というものはもつと活発に行くと私は思う。だからそういう点について
政務次官並びに経済局長は、一体どうお
考えかということが一点と、それからこの前の
委員会で私の
質問に対して、飯米の分納について、小笠原大蔵大臣はこういう
答弁をしておる。実はその問題は
延納をある
程度認めようという打合せをしておる。今それで案を練
つておるからしばらくお待ちを願いたい、こういう
答弁をしておる。ところが今度の
冷害処置に対して、飯米の
延納措置というものは全然
考えられていない。だから、これに対して大蔵大臣がこういう
答弁をしておる以上、農林
当局と大蔵
事務当局との打合せがあ
つたと私は思う。現在日歩四銭でどんどんと取上げられておるが、あれもやはり金を貸したものと同じで、これは
一つの矛盾があると思うのです。要するに国が県知事の責任において貸し付け、県知事が村長の責任において貸し付けたという形に
なつているのだから、現在村長がもし去年の飯米
貸付代金を返さなければ、日歩四銭出せとい
つて、末端の農民の中では非常な問題を起しているのですよ。それに対して
政務次官や
官房長や
小倉経済局長は、大蔵
当局とどういう話合いをしたのか。そしてそれはものになるかならぬかという経過と、農林
資金全体が非常に困難な情勢をどうするつもりかを御
答弁願いたい。