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杉山委員 厚生年金と
生活扶助との
関係について実は質問いたしたいのですが、その
実例を申し上げて
——これはたくさんあることだと思いますので、本来ならば大きな問題ですから
大臣から
お答えをいただきたいのですが、今
大臣がお見えにならぬので、ぜひお聞き取りを
願つて後刻
大臣から御答弁を願いたいと思うのであります。
その
実例の
一つでありますが、朝鮮から戦時中に
徴用工としてつれて来られた方でありまして、現在横浜市鶴見区馬場町というところに住んでいる金山万鎮という方でありますが、この人が
日本鋼管で働いているうちに、
ちようど鋲打ちをしておりました日がたいへん寒い雪の降
つた日でありまして、誤
つて落ちまして、そして両足が折れた。こういうことでいろいろ長い
間治療をいたしまして、六年間経過いたしているような
状態でありまして、
厚生年金をいただいておりましたが、一年わずか三千六百円でございます。それでは
生活ができないから、
民生委員の方から
生活扶助として月々三千二百八十円をいただいている。これでようやく
生活をしてお
つたのでありますが、五月から御
承知のように
厚生年金の改正によ
つて厚生年金を一箇年に二万七千六百円をいただくように
なつた。これはたいへん
けつこうなんですが、そういうようにふえたことによりまして、
生活扶助の方が今度の例では減らされまして、月にようやく八百八十円をいただく。こういうことに
なつたので、
厚生年金は増加するけれども
生活扶助が減らされたので、差引いたしますと、月に前よりも約千円ほど減る、こういうことに相なるのであります。そういうようになりますと、せつかく
厚生年金を増加していただいても何の役にも立たないばかりでなしに、かえ
つてこの人の迷惑に
なつた、こういうことなんであります。おそらくこの方ばかりでなしにそういう方がたくさんあろうかと思いますので、私はこういう
人たちに対してはせめて従来いただいた額くらい何とかならないかという問題をぜひひとつ
政府の方で考えていただきたい。また多少この
人たちが働いて行くような場合に従来
生活扶助からすぐ引かれましたけれども、そういうことでは怠けな人間をこしらえることになりますので、自分である
程度もうけた場合には、
生活扶助の方をすぐに減らさないで行くことが国家のためにまた
国民のためにいいのじやないか。特にこの方の
願つているのは、
厚生年金を三箇月々々々でいただくのでそれでは
生活ができないということなんです。やはり毎月々々にそれを割
つていただけるような
方法はできないものか。こういうことがこの人の言うて来ている点でございます。この問題はこの人ばかりではないと思いますので、よく
厚生省でお考え願いたい。これは小さいようで大きな問題ですから、
大臣の御
出席があ
つたら御答弁いただきたいと思いますが、ぜひこれについての
政府の
方向をお示しいただければありがたいと思います。