○中山福藏君 とにもかくにも武力という字が憲法第九条に使
つてあるのでございまするから、それと今の自衛隊設置法案とをよく御対照になりまして善処せられんことを私は心からお願いしてやまないのでございます。
それから第二点でございますが、今回この自衛隊設置法案並びに防衛庁設置法案でございますか、この法律案につきましては、首相は陸海空の自衛隊長として統帥権を持たれるということにな
つておるのであります。この統帥権を持たれるということは、これは木村さんが出ておられないと
ちよつと困るんですがね、首相に
お尋ねするのは
ちよつと無理だと思うんです。(笑声)法律問題にな
つて来ますからお気の毒でありますから、長官の出席を至急
要求をして頂きたい。
それでは木村長官がおいでになりますまで、ほかの点について首相にお質し申上げます。首相を初めとして蔵相は、国民に対して
耐乏生活というものを非常に強要せられておりますが、私ども国民といたしまして昨年十二月初めに明白になりました国際収支の急悪化、即ち本年度の実質的な赤字約三億ドルを
考えると、いやしくも常識ある限り
政府の狙
つておりまする緊縮
予算というものの
編成は当然であると
考えるのであります。併し同時に国民に対する
耐乏生活というものを
政府が
施政方針演説の中に織込んで、そうしていろいろと国民に要望されたのでございますが、私は昨日もいろいろ
質疑応答を聞いておりますると、私的生活に関しては
答弁の限りでないというのでございましたが、この際私はお願いがあるのです。それは各省の大臣には、首相もそうでありますが、公邸というもの、官邸というものが附いておるのであります。公邸維持費、最高裁判所の長官の公舎、これらをいろいろと
研究してみますると、その維持費が合計三千四百十五万九千七百四十円ということにな
つておるのです。これは維持費ですが、公邸の賃借料といたしまして
衆議院議長の分が年額百五十三万円、参議院議長の分が三百万円、外務大臣の分が二百六十万円、官
房長官の分が百七十万円、合計九百八十三万一千円、こうなるのです。公邸備品費として外務大臣公邸に年額百二十五万三千円、厚生大臣公邸の分が十万六千円、合計百三十五万九千円ということにな
つております。このほかにこれらの公邸に使
つておりまするいわゆる使用人の人件費としてどれくらいかか
つておるかと申しますると、各公邸の事務に従事しておりまする人を十級職一人、五級職十五人といたしまして、一公邸の人件費というものは八十三万三千円ということになるのです。全公邸の所要額というものは一千六百六十六万円ということになる、公邸維持費と公邸賃借料と公邸備品費の総額というものは四千八百四十一万八千七百四十円ということになるのであります。この計算には会計検査院長とか、両議院の副議長とか、検事総長とか、両院事務総長とか、宮内庁長官とか、最高裁判所の判事とか、公安
委員長などの
経費は入
つておりません。私は別に事を好んでこういう計数を
総理大臣のお耳に入れてかれこれ非難をしようという気分はございませんが、
耐乏生活ということは、私はこういう公邸費というものを時節柄御
節約に
なつたらどうか。勿論私ども諸
外国を廻りまして、公邸が各大臣に附いておるということはこれは当り前のことであるとも
考えておりますが、事いやしくも
総理及び
小笠原大蔵大臣の口から
耐乏生活を要望せられます以上、これらの約二億円、いろいろ計算してみますると約二億円になんなんとするのであります。昨日も問題になりました
原子炉の二億三千五百万円についてすらも、これは議会で議論が起
つているのです。こういうものと比較対照して、先ず向う五カ年くらい公邸というようなものは一応廃止するということにして、赤坂離宮のようなところを共同に、賓客を迎える場合に御使用にな
つては如何なものかと
考えております。私の
只今まで申上げた中には
総理大臣官邸は入
つていないのです。ああいう立派な庁舎もあるのでありまするから、ああいうところで
一つの共同の事務をとるということに
なつたら大変に国民も満足することでしよう。殊に血税を払
つてその使途に多大の関心を持
つているのでありますから、御考慮を煩わしたい。さすれば非常に国民の喜びも大きいだろうと思うのみならず、
内閣を信頼する気分も、いやが上に増して来ると思うのでありますが、
総理大臣如何でございますか、こういう点をお
考え下す
つては。