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1954-04-30 第19回国会 参議院 郵政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月三十日(金曜日)    午後一時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    池田宇右衞門君    理事            瀧井治三郎君            柏木 庫治君    委員            村上 義一君            永岡 光治君            三木 治朗君   政府委員    郵政政務次官  飯塚 定輔君    郵政省貯金局長 小野 吉郎君    郵政省簡易保険    局長      白根 玉喜君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○軍事郵便貯金等特別処理法案内閣  送付) ○郵政事業運営実情に関する調査の  件  (簡易生命保険及び郵便年金積立  金の運用に関する件)   —————————————
  2. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 只今より郵政委員会を開会いたします。  御報告申上げますが、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について内閣委員会連合を申入れましたが、内閣委員会では連合を受けるとのことでございます。連合の日取りについては追つて御通知申上げることにいたします。  本日の、審議は公報を以て御通知申上げてありますが、軍事郵便貯金等特別処理法案に対する質疑簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する調査及び請願陳情の審査を行いたいと思います。  軍事郵便貯金等特別処理法案は本月二十四日当委員会に付託になりまして、本日がこれに関する審議の最初の委員会でありますので、先ず提案理由説明を求めます。大臣が見えないので、飯塚政務次官説明に当らせることにいたします。
  3. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 只今議題となりました軍事郵便貯金等特別処理法案につきまして、提案理由を私から御説明申上げます。  この法律案は、旧野戦郵便局又は旧海軍軍用郵便所取扱われた軍事郵便貯金及び軍事郵便為替並びに旧外地等にあつた郵便局取扱われた外地郵便貯金外地郵便為替及び外地郵便振替貯金について、貯金通帳等に表示されている金額を一定の換算率により換算して支払うと共に、軍事郵便貯金及び外地郵便貯金貯金通帳と引換えに新たに通常郵便貯金通帳を交付し、又、預金者等を保護するため、払戻し証書等有効期間について特例を設けようとするものでございます。  これら、為替貯金等支払に関し、現在までとつて参りました措置について申上げますと、軍事郵便貯金につきましては、昭和二十年八月十六日以後の預入金のうち一千五百円を超える部分外地郵便貯金及び外地郵便振替貯金につきましては同年十月一日以後の預入金及び払込金全額についてそれぞれ支払を留保し、又、軍事郵便為替及び外地郵便為替につきましては、同年九月二十三日以前に本邦に到着したものの千円を超える部分及び同年九月二十四日以後本邦に到着したものの全額について支払を留保して参つたのでありますが、この支払制限につきましては、従来、預金者受取人等からその解除方を強く要望されていたところであります。  ところが今回、軍事郵便貯金等と同様に、その支払が停止されておりました一般在外金融機関取扱に係る送金為替及び預貯金について支払措置がとられることとなりましたので、軍事郵便貯金等につきましても、これと共に支払措置を講ずることが必要であると考えまして在外財産問題調査会に諮問いたしましてその答申に基いて支払制限を撤廃しようとするものでありますが、その預入金等終戦後の価値の下落した現地通貨等によつて受け入れられている事情を考慮いたしまして、表示金額のままで支払をすることは適当でないと考えられますので、この点につきましても、右調査会答申に基きましてその取扱機関及び表示金額に応じ、一般金融機関の未払送金為替又は在外預金支払の際の換算率適用して、その金額換算して支払をいたそうとするものであります。  次に、貯金通帳の引換についてでありますが、只今申上げましたように、軍事郵便貯金等金額換算して支払われることとなりますので、取扱を整一にし、事務取扱の上に混乱を起さないようにするため、この際、その貯金通帳一般通常郵便貯金通帳と引換えることにいたしまして処理の促進を図り、軍事郵便貯金及び外地郵便貯金貯金通帳外地郵便貯金定額貯金証書により窓口における即時払ゆ一部払戻し等取扱制限しようとするものであります。  次に、払戻し証書等有効期間特例についてでありますが、貯金払戻し証書為替証書及び振替貯金払出証書には、それぞれ有効期間が設けられておりまして、その期間が経過した後なお三年間証書の再交付の請求をしないでおりますと、払戻し金等を受取る権利が消滅することになつております。ところが終戦当時旧外地等におりまして混乱した状況の下に権利を行使する機会が与えられないまま期間が経過して権利が消滅してしまつたものにつきましては、特例を設けて、これを救済することが妥当であると考えられますので、昭和二十年八月十六日以後、有効期間が経過し、または権利が消滅したものについては、この法律の施行の日にその払戻し証書等が発行されたものとみなして権利の存続を図ろうとするものであります。  以上でこの法律案の概要につきまして説明申上げましたが、何とぞ十分御審議の上、速かに御可決下さいますようお願いする次第であります。
  4. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 順序として御質疑を願うことにいたすのが、進行次第でございますが、大臣も見えておりませんから、若し大臣が見えてから御質疑ということになれば、次の問題に入りたいと思いますが、併し質疑がございましたら順次質疑を行うことにいたしたいと思います。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 これを実施いたしますと、概算郵政当局でどの程度金額になるとお考えでありますか、支払金額について。
  6. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) お答え申上げます。ざつと四億二、三千万円、こういつた見当でございます。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 これはこの説明によりますと、野戦郵便局及び海軍郵便所のみならず、旧外地にあつて郵便局取扱われた貯金貯金為替等がこの適用を受けることになりますが、その際にこれはすべてに亘ることでありましようが、通帳がないと実際にその証明ができないということになる虞れがあると思うのです。この条文によりますと、たまたま通帳を持つて帰れた人はいいのでありますが、若し通帳のない人で、何か特別な証明方法を講じた場合には、それについて同じく通帳を持つたものとみなして支払措置を講じておるのでありますか、どうでしようか。
  8. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 今回の支払対象になります郵便貯金につきましては、大部分終戦後のことでございます。そういつた関係で、内地原簿が全然存在しないような状況になつております。自然通帳を持つておれば問題ないのでありますが、通帳がないとそれを証明する手段と申しましても、これはちよつと考えられないのじやないかと思います。いろいろ内地郵便貯金につきまして通帳をなくしましても、申出或いは証拠書類等によりまして確認措置をいたしております。これはやはり原簿内地ちやんとあるからでございまして原簿に基いて確認をいたし、大体申出に相違がない、こういうことが証明できるが故に確認措置がとられるわけであります。そういつた原簿を全然持ちませんので、実際問題といたしましては、通帳がないと如何ともしがたいという結果になろうと思います。先ほどお答えいたしました四億二、三千万円の所要資金、これは一応原簿がありませんので、各郵便局通帳を呈示してもらつて、我々のほうで集計いたしました額が大体そのくらいに当るわけでございまして、勿論今まで数回に亘るお勧めにもかかわらず、通帳を持つておりながら呈示しないおかたもあろうかと思います。こういう人は通帳を持つておられるので問題はないと思いますが、仮にそういうものが出るといたしますと、先ほど申上げました四億二、三千万円ははつきりその通帳によつて集計いたしました額でありますので、多少所要資金が膨らむ、こういうことはあり得ようかと思います。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、この四億三千万円の所要予算はどういう方法で出されるのですか、そしてこれは二十九年度予算で一応組まれておりますか、どうでしようか。
  10. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) この所要資金につきましては別段に予算措置は講じおりません。もともとこの関係資金はすべて外地に止まつておりまして、郵便貯金本来の流れに従つて資金の回送が全然ないのであります。従いましていずれこの措置は終局的にはこれをどこで負担するか、こういう問題が起きております。軍事郵便貯金等につきましては臨軍会計に入つておりますので、臨軍会計最終処理を以て初めてそれを一般会計へ肩代りするかどうか、こういう問題が起きるわけでありますから、そういつた点はまだ今日の段階では請算の域に達しておりません。なお、相当時日を要するわけでありますので、今回の支払資金につきましても、直ちにこれを一般会計で使う或いはどこで使うといつたことで区分できない結果、いわゆる資金のやり繰りによるほかはないので、資金流用措置によつて賄うわけでございます。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 これはおよその見通しで結構でございますが、これを実施されて一人の個人についてですが、最高どの程度くらい大体支払うことになりましようか。
  12. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 大体十万円以内のものが大部分であります。多少それをオーバーするものがありますが、これは極く微々たる例外でありますので、まあ最高が十万円、ところがその最高十万円もパーセンテージとしては非常に少いのでありまして外地郵便貯金に、これは野戦郵便海軍軍用郵便所預入せられたものではなく、一般軍人軍属以外の同胞郵便局に預けたものでありますが、これについて申しますと、大体今回の案で五千円まではパーで払われるような状況になつておりますが、それで行きますと、全体の約八割はこれで済むわけであります。八割ちよつと上廻りますが、そのくらいは大体額面通りパ一でもらえるというような計算であります。それを超えるものが何がしかの換算を受けるわけでありますが、これはまあ最高にいたしまして仮に十万円の貯金を持つておると仮定いたしますと、外地貯金につきましては関東州が一円六十銭を一円に換算し、その他の地域は一円五十銭を一円、樺太はパーで行きますから、そういう関係で行きますと、仮にまあ一円五十銭を一円で行けば三分の一であります。五千円まではパーであります。残り九万五千円が三分の二になるわけであります。そういつた状況でありますので、さしたる犠牲を預入者にかけないで済むのじやないか、かように考えます。軍事貯金につきましては中国関係預入が非常に多いのであります。北支、中支、南支が、これが全体の約九四%ばかりを占めております。而もその中で今回の換算率で行きますと、換算率の一番高いものと申しますか、中支地域でありますが、まあ二千四百分の一になるわけであります。尤も郵便貯金終戦当時のレート円表示になつておりますので、当時の百元を十八円に換算して通帳に記載してあります。そういつた関係で、通帳面で言えば二千四百分の一になるわけじやなく四百三十二分の一になるわけであります。これは丁度もとのものが二千四百分の一に換算される、このような結果になるわけでありますが、そういつた面で、中支方面の関係におきましては、かなり換算率によつて支払い金額は少くなりますが、これは儲備券が非常に下落をした、こういう実情に対応するものでありまして従つて仮に十万円の貯金を持つておりましても、額は非常に少くなるというような計算になるわけであります。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 これで救済される人はおよそどの程度になりますか。何万人くらい……。
  14. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 総体で口座の数にいたしまして軍事郵便貯金外地郵便貯金軍事為替外地振替貯金、全部を含めまして七十四万五千、こういうことになつております。従つて一人が一冊しか持つておらないとすれば、七十四万五千人の人が支払対象になるというような結果になります。
  15. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 何か質問ありますか。  では、私から聞きますが、若しこの法案が両院を通過した何月後から支払いに着手いたしますか、直ちにいたしますか。恩給方面その他から見ても、どうも手続きに非常な難関と申しますか、面倒で、一年も一年半もかかるというようなことが、今日の悩みの種となつておりますが、少くとも郵政当局においては、その煩雑を避けて、直ちに七十四万五千人のうち今年に少くとも完了するような方法をおとり下さることであろうと思うが、この点は如何ですか。
  16. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 法案通過を見ますれば、直ちに支払を開始したいと思います。ただお断りしておかなければなりませんのは、いろいろ換算措置等もしなければなりません。それと、この貯金がそういつた特殊な状況にありますので、支払につきましても全払によりますか、或いは通帳を新しい通帳と書替えなければなりません。お金の欲しい人は一部を払戻すわけに行かないのでありまして、全部を払戻さなければなりません。又ずつと預けておきたい人は、その通帳では預払いができませんので、新しい内地郵便通帳に替えなければなりません。金をお支払いする場合におきましても、通帳面におきまして金額段階別換算等処理いたさなければなりませんので、郵便局窓口ですぐ間に合うわけに参りません。関係のこの原簿を持つております支局に一旦行つて、そこで計算されて全払い支払証書が行くわけでありますので、そ、のための多少の時日は必要でありますが、この支払につきましては、法案が成立いたしますれば、早急に開始したいと思つております。又その準備もできておるような状況でございます。而もこの処理が完了いたしますことは、我々といたしましては、できるだけ速かにやることが希望でございますので、通帳が呈示されれば、本年一杯とは限らず、できるだけ早く措置を完了したい、かように希望しておる次第であります。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、まあ私たちもそれを非常に心配しておるのですが、遅くも年度内でなく、今年の十二月までにやろうというお話でありますが、承れば、これは予算的措置が講じてないというのでありますが、七十四万五千口座というものを処理するということになると、当然定員措置が必要だと思いますが、これはどういうふうに措置されるお考えでありますか。
  18. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 現在地方貯金局としましては、山形の地方貯金局において一括こういつた関係処理いたしております。軍事貯金通帳につきましては熊本の地方貯金局が持つておりますが、すでにそういつた定員配当済みでありますから、まあ換算等で多少の仕事はあろうかとも思いますが、口数も非常に僅かでありますし、特に定員を更に殖やさなければできなれこういつたものとは考えておらない次第でございます。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 措置を講ずればいいのですが、七十四万五千となりますと、そう私は簡単なものではないと思うのですが、これだけは何ですか、使用原資は、つまり支払いに要する支払原資は、特別な予算的措置を講じてないけれども、定員だけ特別措置を講じたというのは何か矛盾しているような気がするんですが。
  20. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、この仕事につきましては全然内地原簿を持つておりません。従つてどのくらい一体この関係口数があるか、又金額はどのようになつておるか、こういつた面は、今回の支払を開始するまでもなく、すでに定員配置いたしまして通帳を呈示してもらつて通帳面における原簿を実は作つておるようなわけでございます。それを引続き処理する要員関係局配置してありまして、少くとも今日まで全然これは支払を全面的に留保したものではありません。銀行預金等とは違いまして、数回に亘りまして制限をぼつぼつ解除しながら、一部支払措置は今までやつて来ておるわけであります。従つてその所要人員は、今回の全面的解決を待つまでもなく、必要人員配置済みになつております。ただこれを現在少しずつ制限を緩和して参りまして、只今それを全面的に解こうとするわけでありますが、これに要する資金につきましては、先ほど申上げましたように、関係資金の持つ会計を根本的にまだきめかねる時期でもありますので、とりあえず資金流用によるわけであります。この資金軍事郵便貯金等てつきまして、一部制限を設けながらも支払いをすでにいたしておるわけでありますが、そのときに所要資金どいたしまして、すでに資金流用によつて資金運用部には当時の想定に基く必要な金が入つておるわけであります。これが多少想定よりも上廻つておりますので、今回程度所要資金でありまするならば、すでに資金運用部流用預入済であります金の中で処弁できる関係であります。あとはそれを一般会計が持つかどうかは、臨軍会計の整理その他を待つて、きめられることになるわけであります。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 措置を講ぜられたというお話ですが、何名増員されたのですか。それは定員法定員として、つまり正定員で採用されているのですか。
  22. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 人数が何名という資料只今つておりませんが、これはすでに現在定員法内の定員に基きまして配置したものもありますし、又臨時の仕事につきましては賃金要員によつて処弁するものもありましよう。大部分定員の枠の中で、関係局のこの処理を捌くだけに必要な人員はすでに配置をしておるというような状況であります。
  23. 村上義一

    村上義一君 只今支払額の予想は四億二、三千万円というお話を承わりましたが表示金額総額はどのくらいになつておりましようか。
  24. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 総額約二十六億くらいになつております。野戦郵便局並びに海軍軍用郵便所を利用いたしました軍人軍属貯金が二十三億、これが大きいわけであります。一般外地におりました引揚げ同胞の預けました分はざつと一億四千万円見当考えられます。又軍人軍属の利用いたしました郵便為替が一億見当でございます。外地郵便為替外地郵便振替貯金等につきましては、大体推定でございますが、一億に足らない金額ではあるまいかと想像されます。
  25. 村上義一

    村上義一君 各地域によつて、それぞれ又各種別によつて非常な差異があるようでありますが、総額二十六億に対して四億二、三千万円、約六分の一に相当すると思うのですが、只今提案理由説明の中には、この別表については特別な御説明は承わることができなかつたのですが、この別表地域別になつてそれぞれ甲乙丙、これは金額によつて区別されておるようでありますが、この区分について大体は只今局長の御説明付度はできるのでありますが、各地域別一つ基礎を承わりたいと思うのであります。若し何かデーターによつて知ることが簡便であるというならば、御提出を願いたいと思うのでありますが……。
  26. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 郵政大臣といたしましては、こういつた換算の率を独自にきめる権限を持つておりません。従いましてこういつたレート日本の国としてとりました何かの基準を援用するよりほかないわけでありますが、この率はここ二年ばかり前でありましたが、在外公館借入金等返済の際に、各地域貨幣価値日本のそれと比較いたしましてきめましたレートであります。それを一応そのまま適用レートとしてとつたわけでありまして、今回、過般衆議院を通過しました閉鎖機関指定銀行、又そうでない一般銀行預金についてもそうでありますが、この支払いにつきましても、これと同様な換算の率をとつておるのであります。ただちよつと付け加えて申上げますと、銀行預金につきましては、今まで全然支払をいたしておらないのでありまして、全額支払を今日まで保留して参つたのであります。郵便貯金参考資料に載つております通り軍事郵便貯金につきましては、すでに昭和二十一年に終戦後の貯金といえども一人千円まではパー支払をいたしております。又昭和二十三年にはその制限を緩和いたしまして一人千五百円までは終戦後の預金にかかわるものにつきましても。パーですでに支払済みでございます。外地郵便貯金につきましては、終戦時二十年の八月十五日でなく九月三十日までのものは全額支払い得る状況に相成つているわけでございます。この点が銀行と非常に違うわけでございます。今回の措置におきましても、そういつた面銀行面よりも有利になつておりますし、それのみならず、当時郵便貯金預入限度が五千円ということになつております。今日はこれは十万円ということになつておりますが、郵便貯金最高預入限度が五千円ということになつておりまして、その五千円までのものにつきましては、今回の案におきましても、銀行預金支払関係よりも非常に有利な状況になつておりまして、在外公館借入金返済の場合は取られたレート数を五千円までについては取つておらないような状況でございます。従いまして、このレート自体につきましては、今のような郵便貯金零細貯金であるが故に取られた優遇措置にもかかわらず、全面的にそういつた優遇考えることは、郵便貯金限度考えられておつた趣旨並びにその後の預入実情、更には在外公館借入金並びに銀行預金支払等とも全然均衡を破つていいものでもありませんし、少額貯金優遇の面はでき得る限り見つつ、又銀行なり、在外公館借入金支払について或る程度均衡を取らなければならないということで、他の例において援用されましたレートをそのままここに持つて来たというような関係になつております。
  27. 村上義一

    村上義一君 もう一点、これは金利については全然触れていないようでありますが、これは付けないという趣旨だろうと付度しますが、若しそうならば理由を一応御説明願いたいと思います。
  28. 小野吉郎

    政府委員小野吉郎君) 利子は付くわけでございます。と申しますのは郵便貯金につきましては毎年年一回利子を付けまして、それを残金に組入れております。その額は先ほど申上げました額になるわけでございますので、利子ちやんと付くというような状況でございます。
  29. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 他に御質疑がなければ次の問題に移りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  30. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 次に簡易生命保険及び郵便年金積立金運用の問題について調査を行います。本件について質疑の通告がございます。御質疑を願います。
  31. 柏木庫治

    柏木庫治君 郵便年金簡易保険積立金運用についてでありますが、私からば二度、他の委員からも強い要望がなされておるのでありますが、今の貸付金をする枠を拡げる要望が、実際中小企業に携つておる多くの被保険者にあることは、各地を調査いたしまして十分おわかりのことと思うのあります。大企業はともかく十分の力を持つておりますし、それから勤労者組織労働者は団結の力を持つて生活権の向上と申しますか、確保に向つてなされておりますが、最も健全でありたく思います中小企業者が何らのそうした力を持つておらず、世の荒浪で困つて、おることは誰もが知ることであります。そ、こで中小企業者に潤いますよう中小企業金融公庫あたりに相当まとまつたこの積立金を預託いたしまして、これらを通してこの層に資金の円滑を図るようたびたび申したのであります。保険局長は非常に善意を以て考慮又努力と思われるお答えがあつたのでありますが、どういう実際面の措置をお考えになつておるかということが一つ。それから事は私は早急に運びたいと思いますので、今の法律ではこれが能わないと思いますから、この点をできるよう処置いたさんければならんのでありますが、承わりますと、郵政省大蔵省地方自治庁でこれは円滑に相談の上運用されておると思いますので、この三者がよく話合いますならば、大蔵省から廻す分、郵政省から廻す分を、地方公共事業体に対して何とかそこに融通をして相当のものを中小企業のほうに廻すような方法はないのかどうかということを、先ず承わりたいのであります。
  32. 白根玉喜

    政府委員(白根玉喜君) 中小企業に対しまして、簡易保険の金を運用したら如何なものであるかという御意見は、当委員会におきましても他の方々からもお話があつたわけでございます。現実、本年度におきましては中小企業に対しまして一般会計から二十五億円、資金運用部から百五億円融資する方針になつておりまして計百三十億円が一般会計並びに資金運用部資金から融資する建前になつておるわけでございますが併し、本年度におきましては、簡易保険及び郵便年金積立金資金の面から融資する建前になつてないというわけでございます。と申しますのは、簡易保険運用再開のときに、資金の融資の対象の中心を、先ず第一段階におきましては、市町村の貸付に重点をおきたいという地方還元の意味からいたしまして、そういう趣旨から御承知のようにこの法律が制定されてれ只今法律の建前から申上げますと、地方公共団体に対する貸付だけに限定されておるわけでございます。併しながら簡易保険の金の流れが、地方公共団体だけに流れるのが正当であるかどうかという問題につきましては、我々はまだ幅を拡げて行かなければならないという考え方を持つておつたわけでございます。併し法律の制定、現在の法律が地方公共団体に対する貸付に重点をおくという建前でもございますし、又簡易保険の地方公共団体に対する所要資金のせめて半分以上程度簡易保険の金で流したいと、こういう気持がありましたので、本年度におきましては、そこまで法律を改正して手を伸ばすというところまで実は行きかねたわけでございますが、幸いに本年度の積立金も四百六十億程度になりまして、地方公共団体に対する貸付の約五二%程度になつておるわけでございます。そういたしますと、地方公共団体に対する運用以外に、なおそれに類似の、有利であり確実であり、而も加入者の階層に接着した方面に資金の枠を拡げるということも必要ではないかと考えておるわけでございます。その枠を拡げる際におきまして、お話中小企業公庫のごときは、先ず第一段階に枠を拡げる対象の大きな一つの重点ではないかと思うわけでございます。従いまして本年度におきましては、地方公共団体におきましても、過年度災害の金とかいろいろの関係資金の需要も多くて、供給面においても十分な資金もなかつたので、差向きの二十九年度の財政投融資計画では、資金運用部並びに一般会計からの金では中小企業公庫べ貸す計画でございましてれ簡易保険からは貸さない計画になつておるのでございますが、先ほども申上げましたように、すでにもう地方公共団体の事業に対して五二%程度を確保できる段階になりましたので、地方公共団体以外の面につきましても、それに投資すると同じ程度の重要性、重要性と申上げますのは、加入者の利益に還元するような意味において重要性のあるグループにつきまして枠を拡げて法律の改正をお願いしようということで、私ども只今研究しておるところでございまして、できるだけ早くその機会ができるように大蔵省並びに関係方面とも折衝いたしまして、できるだけ早くそういう措置ができるように努力いたしたいとかように存じておる次第であります。
  33. 柏木庫治

    柏木庫治君 今の説明で当局の心持はよくわかりました。そういうほうに枠が拡げられまするよう、今国会中か或いは来るべき臨時国会と申しますか、最も近い機会においてそれをなし得られる見込がありますか。
  34. 白根玉喜

    政府委員(白根玉喜君) 実は気持といたしましては御質問されたような気持と同じでございますし、本年度の計画は一応決定しておるわけでございますし、これを更に改訂するといたしますと予算の補正とかいう問題もございます。従いまして少くとも来年度予算のからむときまでには無論努力いたしまして出したいとは考えておりますが、その前の臨時国会等が若しありといたしますれば、その際においても関係方面と了解が早くつけば、それは無論又補正予算の機会等もございますれば、その際にも目安としてはそういう目安にしたいとは思うのでございますけれども、何しろ資金の融資計画を年度の途中で改訂するということになりますと、補正予算等の状況考えなければならないので、できるだけ近い機会に、少くとも次の通常国会の際までには関係方面と折衝をつけたいような気持でおる次第でございます。
  35. 柏木庫治

    柏木庫治君 議員提出という方法もありますので、国会議員の中にはこの問題につきましては多くの者が切実な思いをいたしておりますので、本年度のうちにでも何とかと考えておるのでありますが、法案だけは臨時国会でも実際はできるのでありますから、少くともただ実施のときを最も早い適当なときに定めるような方法で、この問題は解決のできる見込にあると私は今の御答弁でそう信じたいのでありますが、当局においては、そういうふうに努力をやるという、本当に熱心に努力するということに承知して誤りないでしようか。
  36. 白根玉喜

    政府委員(白根玉喜君) 気持におきましてはおつしやる通りでございます。ただ、相手のあることでございますし、まあ相手がありましても、そういう気持で行くことはおつしやる通りでございます。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 今のに関連するわけですが、私も一つこれはもう御答弁は結構でありまして、要望だけしたいと思つております。かねてから懸案でありまして、只今柏木委員から出ました中小企業に対する融資の問題、これは勿論大きな対象一つ考えられるべきでありましようし、更に農村関係特に農協でございますか、ああいう方面に対する貸付、融資、これも一つ対象考えて頂かなければなりませんし、又局舎の整備改善という問題についても、これも一つ考慮して頂きたいということをかねぞれ申しておるのでありますが、そういう意味で、私も今会期中に、これは法律案は、会期の延長も相当長引こうという見通しもあるのでありますから、恐らく今の段階で先ず来月一ぱいは会期延長されるものと見なければならないのでありますが、そういたしますと、当然私は法律案でも間に合うと思うのでありますが、何とか一つそういう方法を是非政府提案の形でして頂きたい。このことを一つお願いいたします。若し政府提案で非常に困難だということになれば、これは柏木委員からも言われましたように、議員立法という方法考えられるのであります。いずれにいたしましても、今国会中に何らかのめどをつけるように是非一つして頂きたいと思つております。要望だけをいたしておきます。
  38. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 滝井さんは何か御要望がございますか。
  39. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 別に。
  40. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 村上先生は……。  では、白根保険局長のほうにおいて、只今委員が皆同じような要望であり、中小企業者の金融の行詰りを打開し、中小企業振興の資金に融通する方途を講ぜよという強い要望に基いてれできるだけ大臣、次官と共に、これが立案の実現するようなことを一つ考慮してもらいたいと思います。何か白根保険局長御意見がありますか。
  41. 白根玉喜

    政府委員(白根玉喜君) 別に意見はございませんが、先ほど永岡委員から今国会中というお話でありましたが、実は今年度の大体資金運用部の金の出すのと、こちらの出すのと、事項別に話合がついておるあとでございますし、これも相手のあることでございますし、従いましてできるだけ早くという御趣旨は頂戴いたしますけれども、この国会中というのだけはこれは一つ場合によつては勘弁して頂きたいと思います。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 大体私もそういうお気持はわからんわけでもないのですが、すでに二十九年度第一次補正予算すらもこの会期中に出ておる。出ておりますから、何とかして補正ぐらいできないわけでもない。同じ金額の中をいじるだけですから、是非そういう一つ考えをして頂きたいし、更にこの直接簡易保険積立金郵政省で所管するものの中から、若しそういう方法が時期的に講ぜられないというものがあれば、資金運用部のほうで運用されておるその中からも何とか方法を講じてもらうような、これは政府の方針で私はできそと思うのですが、是非そういうふうに特別にお願いいたしたいと考えております。
  43. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止]
  44. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記をつけて。
  45. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 只今委員各位の御質疑に対しましては、これは前の簡易保険最高制限額を引上げました際、御協力によりましてこれが引上げられたのでありますけれども、その御審議の中にも、参議院及び衆議院両院共に、そのような御意見もありましたので、実は保険局長はどういうことをその点についてお答え申上げたかわかりませんが、将来におきましても、その点に関していろいろどういうふうにすればよいかということを、実はいろいろ相談しておる次第であります。従いまして只今の御意見に対しましては、大臣ともよく協計をいたしまして、できるだけ当局間の了解を得て御期待に副う時期の早からんことを念願して相談することといたします。
  46. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) お諮り申上げますが、柏木委員の御質疑と各委員の皆さんから発言があつて只今次官から答弁いたしました問題でありますが、何か質疑があれば続行いたしたいと思います。
  47. 柏木庫治

    柏木庫治君 重ねて意見を申上げますが、これは実際被保険者というものは、殆んど四割くらいが中小企業に携つておる者だということを私は各地を調査いたしと知ることができたので、それでこれが一つと、いま一つは、大資本家は一人歩きができますし、勤労者は組織労働組合の団結の力でみずからを守つて行く、事実がこれを物語つておるのでありますが、ひとり中小企業者においてはそういう大きな資本力もなく、団結の力もないのであります。併し国家の上から考えてみますと、こういう中小企業者が健全である間が国家が健全であるのでありますから、その一番健全であらねばならない中小企業者が窮境に立つているという事実は、これはもう何人も認めるところであります。そこで中小企業金融公庫を通しまして、万遍なくこういうかたがたの突つばりになつて行くということが、私は十五万円に引上げた理由でもあり、又この積立金運用の最も輝かしいあり方と思いますので、事は急を要する。この急を要するということをよく当局は胸において頂いてあらゆる方法で手を打つてもらいたい。もうすでに二十九年度予算云々ということも承わつたのでありますが、そこらは又一段と努力をすることによつて、何とか融通の途もありそうなものだと思いますので、最善の努力をいたされたいと思います。そこで私どもの決意といたしましても、議員立法によつてでもこれを至急にやりたいという熱意があるのだということを十分御了解願つてこちらの本当の肚を申しますと、議員立法によるよりも、当局から立案されたほうがスムースに行きますし、私どもは好ましいと考えておるのでありますが、それが余りにもたびたび熱望いたしておりますのに、社会情勢が迫つて参りましたから、議員立法にでもよらなければならんかとまで切迫した気持を持つて、この実現を要望しておることを特に胸にして頂きたいと思うのであります。
  48. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 只今柏木先生の御意見は私たちも同感でございます。従いましてこの運用に関する問題は郵政省単独でも決定はでき得ないのでありますから、関係当局は関係当局として協議を促進させるように我々も努力をいたします。なお、大臣にも只今の御意見を十分お伝えするようにいたしたいと思います。
  49. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記をとめて下さい。    午後二時四十八分速記中止    —————・—————    午後三時三十九分速記開始
  50. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十分散会