運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-09-07 第19回国会 参議院 郵政委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月七日(火曜日)    午後一時二十七分開会   —————————————   委員の異動 六月十一日委員深水六郎辞任した。 六月十四日委員大野木秀次郎辞任に つき、その補欠として深水六郎君を議 長において指名した。 六月十五日委員池田宇右衞門君及び村 上義一辞任につき、その補欠として 上原正吉君及び廣瀬久忠君を議長にお いて指名した。   委員長補欠 六月十五日池田宇右衞門委員長辞任 につき、その補欠として上原正吉君を 議長において委員長に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上原 正吉君    理事            瀧井治三郎君            柏木 庫治君    委員            深水 六郎君            永岡 光治君            三木 治朗君            最上 英子君   説明員    郵政政務次官  松井 豊吉君    郵政事務次官  中村 俊一君    郵政大臣官房人    事部長     宮本 武夫君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省簡易保険    局長      白根 玉喜君    郵政省経理局主    計課長     長田 裕二君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告郵政事業運営実情に関する調査の  件(昭和三十年度郵政省関係予算編  成状況に関する件)   —————————————
  2. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 只今より委員会を開きます。  本日の議事に入る前に一言挨拶を申上げさせて頂きます。私、今度郵政委員長を勤めさせて頂くことになりましたが、何分にも未熟且つ不馴れでございまして、郵政委員すら勤めたことがないという者でございますので、さだめし不手際なことが続出することと思いますが、どうか一つ皆さんの御寛恕を得まして、任期中無事に過すことができますように、偏に御助力のほどをお願い申上げる次第であります。一言挨拶を申上げます。(拍手)  ではこれから派遣議員報告を議題といたします。先ず第一班から御報告をお願いいたします。
  3. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 一班の御報告を申上げます。  本員は去る七月六日より十日までの五日間、広島郵政局及び郵政監察局管内における郵政事業運営状況に関する実地調査を行いました。その概況を御報告いたします。  先ず第一、簡易保険募集状況でありますが、去る四月一日より保険金最高制限額が十五万円に引上げられたので、募集環境がかなり好転したため、募集計画も順調に進んでおり、一応七月十日現在において、当管内目標額保険料九千六百万円に対しその九割四分を、保険金百四十四億円に対しその八割八分を、郵便年金においては、その目標額三千五百五十万円に対し七割を達成しておりまして、この状況で推移すれば、保険においては八月中に、年金においては十月中に完全達成の見込であるということでありました。又一件当りの保険金額引上前の平均五万一千円に対し、引上後は七万三百円程度に上昇し、簡易保険の効用をいささかながら向上したというべきでありましよう。保険金十万円以上の契約件数は、四月一日以降募集件数七万余件の二割五分、即ち一万七千六百八十件、その保険料は三千三百十七万円の三割九分、即ち一千二百九十一万円、その保険金は四十九億六千七百万円の四割二分五厘、即ち二十一億一千二百万円となつておりまして、保険金引上契約の質をも向上していることを認めたのであります。保険金引上従業員諸氏の不断の努力によつて、かように上半期までは募集の進度は順調でありますが、政府緊縮財政計画の影響が深刻化するにつれ、当局の予定している三割五分の余裕募集の成功には相当の苦心のあることと考えられるのであります。  第二、簡易保険積立金に関する調査であります。昭和二十八年度における政府財政投融資計画による地方債総額八百七十五億円のうち簡保は百九十億を分担し、当管内は二十億二千万円でありました。その貸付先は県に対し二十口、三億四千六百万円、市に対し二百九十七口、八億九千七百五十万円、町村に対し五百四十五口、七億七千七百五十万円となつております。本年度における当管内長期融資計画はまた呉休止しておりませんか、各地方公共団体とも空前の赤字決算をしているので、短期融資の需要が盛んでありまして、七月一日現在において二十八億二千四百万円の申込に対し十三億五千三百九十万円を融通いたしているというのであります。政府金融引締によつて政府機関民間金融機関を問わず貸出抑制をしているが、特に低利な政府資金貸出抑制のため、はけ口を民間金融機関に求めていることが窺われ、この面からする産業、なかんずく中小企業金融に対する圧迫は強くなつていると考えられ、積立金運用の範囲を拡大する必要を痛感するのであります。  第三は、郵便貯金及び郵便振替貯金について申上げます。本年三月末郵便貯金現在高は二百五十五億七千七百万円でありまして、本年度における当管内郵便貯金増加目標は五十六億三千万円でありまして、大月末現在においてその二割一分、即ち十一億九千万円を達成いたしまして順調な成績を挙げております。郵便振替貯金利用は次第に普及して、口座数四万、受入金額百十三億円、払出九十四億一千万円となつている。振替貯金料金は本年四月一日から平均六割四分の引上げを実施したのであるが、二十八年の六百万円に比べ本年同期一千万円であつて、約七割、即ち四百万円の増収となつているのであります。  第四は、定員関係に関するものであります。本年六月十七日施行せられた行政機関職員定員法改正によつて郵便局関係において、二百五十八名、監察局関係において五名、広島、岡山両地方貯金局において四十六名の減員になつたのでありますが、視察各局において、業務の運行に困難を来たす面もあるので、従事員能率向上内務事務について管理者一般事務応援等によつて現行施設を確保することに努めているということでありました。  第五は、町村合併郵便局調整関係についてであります。昭和二十七年十一月一日から本年四月一日までにおける当管内合併町村数は二百三十八カ町村であります。このために一町村に少くとも、郵便局が二局、1多いものは七局存在することになつたものがありまして、当然整理統合を要するものがあるのでありますが、集配、逓送、局舎の位置、職員の配置転換等十分に勘案して、実情に即応した処置をとらねばなりませんのと、予算関係もあり、只今研究立案を急いでいる段階であるということでありました。かように同一町村内に数局が併存するため、郵便物の誤送も頻発しているので、少くとも施設の改善は急ぎ行わねばならぬと認めたのであります。  最後に、地方貯金局における原簿の保管施設を完備する必要を痛感しました。全国二十八の地方貯金局のうち完全な保管設備を持つものは数局に過ぎないのでありまして、誠に寒心に堪えません。経費の調達に困難があることでしようが、完備のため最善の努力をいたすべきものと考えます。  右御報告いたします。
  4. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 次に第二班の報告を願います。
  5. 深水六郎

    深水六郎君 七月十二日から十六日までの五日間、宮城県及び秋田県に出張し、この間仙台郵政局仙台郵政監察局仙台郵便局秋田地方貯金局及び秋田郵便局に臨局し、郵政事業運営実状について調査を行なつたのでありますが、その結果は次の通りであります。  第一に保険金引上げ後における簡易保険募集実情について調べたのでありますが、仙台郵政局における本年の募集状況は、管内一致努力によりまして、三月十七日全国第一位を以て郵便年金目標額三千四百万円を達成し、六月十一日、これも全国第一位を以て保険料による簡易保険目標額九千万円を違反し、続いて六月二十八日保険金目標額百三十五億円を全国第二位で達成し、輝かしい成績を示しております。これは郵政局における計画指導の近切であつたことと、全従業員努力の結果であることは勿論でありますが、保険金最高制限額引上げの影響するところも少くなかつたものと認められるのであります。四月中における八万円以上の保険募集件数は、総募集件数二万四千二百九十六件に対し八千五百五十六件の三五・二%、五月中は総募集件数二万九百六十八件に対し七千四百四十九件の三五・五%、又六月中は、総募集件数一万七千八百四十八件に対し九千三百八十二件で五二・六%でありまして、漸次八万円以上の契約率は上昇しております。このことは事業のため誠に喜ばしい傾向と存ずる次第であります。  第二に、積立金運用状況について申上げますと、昭和二十八年四月一日簡易保険及び郵便年金積立金運用関係法令の発効に伴い、昨年四月二十八日から短期融資を実施し、本年三月十九日に打切つたのでありますが、その取扱件数は四百二十六件、金額十七億二千六百一万円余りでありまして、関係の向より非常に感謝されておる趣きであります。又長期融資は、本年三月十六日から五月三十一日までの期間に率いて、許可件数が一千百十四件、二十一億六千百四十万円であります。この金額は、総運用額二百億六千七百万円の一〇%強に相当しております。この長期融資は、県に対しては二十五件、五億四千九百万円、市町村に対しては一千九十件、十六億一千二百四十万円でありまして、これら事業内容は、義務教育関係が四百十八件、住宅関係二百十六件、道路橋梁関係が九十二件、病院、診療所関係が八十六件、簡易水道が六十二件、消防四十三件等がその主なものと確定しております。  第三に、振替貯金料金引上げ利用状況に如何に影響したかということにづいて調べたのでありますが、仙台郵政局管内口座数は四月末で二万七千四百九十九口、金額二億四千五百万円であり、少しずつ増加傾向を辿つておりますが、本年四月及び五月の受払状況は昨年に比し、四月二万三千件増、五月一万六千件増、率にして約九%強の増加を示し、又払出においても四月、五月ともおのおの三千件増、率にして約十三%の増加を示しており、又その取扱い金額も昨年に比して増加を示しておりまして、懸念せられた料金引上げによる利用減は見られなかつたのであります。なお改正法律附帯決議の趣旨に鑑み、払込書口座所管庁宛の送達について、最先便発送励行方各局に督励しておりまして、取扱い日数は従前に比し著しく短縮せられておりました。  次に、最近における郵便物増加定員配置との関係についてでありますが、仙台管内における通信量は戦後一時停滞を示していましたが、最近漸く増加傾向を示しており、特に郵便に対する一般大衆信用回復と相待つて郵便事業は日に月に繁忙を来たしておる実状であります。今管内普通局六十二局について郵便取扱数量定員との関係を見ますと、昭和二十六年度郵便取扱数量を一〇〇とした場合に、二十七年度は一〇二、二十八年度は一一二の指数を示し、十二%増となつており、逐年増加傾向を辿つておりますが、一方定員はこれとは逆に過去二回の行政整理及び今回の整理により、二十六年度に比し二%の減となつておる状態であります。郵便定員増員については格別の配意を願いたい旨各局とも希望しておりました。  第五に、郵政職員勤務条件について見たのでありますが、勤務時間のほかに若干の居残り勤務を常態としております。仙台郵便局管内の調べによりますと、実際の超過勤務時間二十六時間に対して十二時間の超過勤務手当支給している実状であり、仙台郵便局の実績は二十一時間の超過勤務に対しその五七%に相当する十一時間の手当支給しているに過ぎず、各局は一様に手当原資の増額を要望しておりました。この超過勤務手当支給制度は、高能率の者、非能率の者、勤勉なる者、然らざる者を一様に取扱つている不合理があり、又低給者は居残りを喜ばず、高給者が居残りを希望するような現象を呈しております。本制度については根本的に研究を要する時期に来ておるのではないかと感じたのであります。  最後仙台郵政局要望事項として、第一に、東北は気候の関係から結核核患者を相当擁しているのに結核療養所がないから設置方考慮せられたいということでありました。第二に、管内職員は、冬期間採暖用燃料費多額の出費を要するので薪炭手当のごときものを支給せられたい、この二項目については特に熱心な希望が開陳されたのであります。  甚だ簡単でございますけれども、以上を以て一応御報告といたします。
  6. 上原正吉

    委員長上原正吉君) これにて派遣議員報告は終りました。酷暑炎熱の折から職務に精励せられました一班、二班の議員の方に深甚の謝意を表します。  この際、松井政務次官から発言を求められておりますからこれを許可いたします。
  7. 松井豊吉

    説明員松井豊吉君) 私政務次官松井でございます。一言挨拶さして頂きます。  私今回測らずも郵政政務次官を発令されました。偏に皆様の厚き御後援の賜でありまして、厚くお礼を申上げる次第であります。もとより浅学非才で、郵政事務関係未経験でありますが、各位のお力添えを頂きまして、我が国郵政行政のために全力を傾注し、職責遂行にできる限りの努力をいたして参りたいと信じております。委員長殿初め委員各位の絶大なる御指導と御鞭撻を賜らんことをお願いする次第であります。  甚だ簡単でありますが一言申上げて御挨拶に代える次第であります。(拍手
  8. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 次に政府当局が出席されておりますが、何か御質疑のある方は御発言を願います。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 ちよつとお願いしたいことがあるのですが、それはもう各官庁ともそれぞれ予算編成期に入つておりまして、先般の九月三日の新聞では、すでに厚生省では厚生省内部の省議を決定して予算編成終つたようでありますが、従来から郵政委員会では予算編成については非常な関心を持つているわけでありまして、何回かに亘る委員会において問題になりました。すでに予算も決定していることであるから非常に困難だという答弁の下に国民意向がしばしば容れられない経験があつたわけでありますが、幸いにして予算編成中でありますから、そういうようなことのないように十分に国民意向を容れてもらいたい、こういう意味で、今日郵政当局はどのような予算編成を進めているか、その大綱でもわかつてつたならば一応伺つておきたいと思います。重点的で結構でありますから一つお願いいたしたいと思います。
  10. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 昭和三十年度予算編成につきましては、編成方針の大要につきまして八月中に閣議決定を見まして、現在郵政省におきましては、殊に郵政省特別会計におきましては、歳入の見通しの取りまとめ中でございます。それから歳出の各項目につきましては、それぞれ主管の向き検討を一応終えまして、それの取りまとめ整理にかからんとしている段階でございます。さような段階でございます。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 目下大体近いうちに編成を終る方針でございますので、二、三私はこういう問題はどのように処理されておるかということについてお尋ねしたいと思うのですが、それは地方を廻れば廻るほど、最近の局舎の問題が大きくとり上げられております。これは普通局特定局を問わずであります。最近私が地方に参りましても、ここに写真等の資料を持つておりますが、実にひどい局舎であります。これは回覧をしてもらつて結構でありますが、局舎というには余りにもひどい、壁は落ちておるし、これは一つ回覧してもらいたいと思うのでありますが、すでに何十年かを、八十年或いは七十年、六十年というふうに長い経過年数を経ておる局舎がたくさんあるわけでありますが、而もこの並月通局修理費は比較的直轄経由で渡されるわけでありますが、なかなか特定局修理費は思うように渡せない。とりわけそれが借上げという名目の下に思うように渡されていない現状のようであります。そういう関係で非常に不遇な立場に置かれておるし、局舎のひどいのは目に余るものがありますが、前からの郵政委員会でもしばしば主張しておるところでありますが、ここ数年のうちに、一万数千からなる局が、目下一斉に何らかの措置を講じなければならない重大なる難局に、段階に達して来るのであります。そうなつて来ると、一気に一万数千の局を—まあそれは大半でありますが、大半の局を改築するということもできないでありましようし、そういう意味で、ここで何カ年か計画を立ててやらなければ、何を申上げましても、これは政府の一機関じやないのであります。市民郵便局でありますから、当然市民が使いやすいように信頼のおけるように……。最近においては局舎の不備から、いろいろと盗難の事故やその他の国民に迷惑を及ぼすような事故も起きておる状況であります。そういう関係もありますし、又火災も漸次起つておるような状況でありますので、局舎解決策ということは、何をおいても、これは大きな多額予算を要する問題でありますので、是非とも来年度予算で或る一定の計画の下に遂行されなければならんと思つておるのでありますが、そのような計画を立てて要求しようとしているかどうか、その点が第一点であります。  それからいま一つは、先般の通常国会で問題になりました保険金引上げに伴いまして郵政委員会決議乃至要望として提案されました、そして今度の郵政委員地方の出張における要望にも、只今報告にもありましたように、積立金郵政省運用します対象でございますが、この対象の枠を拡げて欲しい。とりわけ中小企業等の問題も出ております。こういう枠を拡げる方法について、どのような具体的な政策を盛り込もうとしておるか、その点が第二点であります。  それからいま一つは、これも定員状況只今郵政委員報告に出ておりましたが、九月一日には勤務時間の調停案が実は提示されておりまして、従来は七十二時間の勤務時間が実施されておりましたが、それはいけないということで、最高六十時間ですか、一週間六十時間以上は勤務さしてはいけないという、そういう調停案が示されておりまして、当然定員増員も必要になつて参りますし、なお事務量増加等もありましようし、そういう問題について、定員増員についてどのような予算を組もうとしておるか。  それから給与の問題については、しばしば当委員会においても問題になつておりますが、この給与問題についてどのような対策を講じられておるか。とりわけ只今郵政委員報告にありましたように、超過勤務手当は居残りにされた超過勤務時間の完全なる支給がされていないということも言われておりますし、この郵政委員会でしばしば問題になつておりますように、年次休暇が完全にとられていない。一人平均四十八時間は大体残つておるということを郵政大臣みずから答弁しておりますが、その具体的な解決策をどのように郵政当局はされようとしているのか。当然これは私は三十年度予算において解決を見なければならない懸案の問題と思いますが、そういう問題をどうされようとしておるか。  差向きその四点の問題について郵政当局予算編成に当つてのお考え方をお尋ねしたいと思うわけであります。
  12. 松井一郎

    説明員松井一郎君) それでは局舎関係の点について私からお答え申上げます。すでに永岡委員承知のごとく、郵政省局舎問題というものは、今に始まつたことではなく、数年来そのことについての声が各地に上つておるようであります。私ども局舎の現実というものが相当憂慮に堪えない状態に達しておるということについても、かねがねいろいろ考えておつたのでありますが、御承知のごとく、ここ二、三年来、いろいろな政府方針等の結果なかなか我々の計画が思うように参りません。併し来年度予管編成期を迎えまして、もう我々の局舎に対する措置も来年度は本腰を入れてかからなければ、只今永岡委員の御指摘のような将来非常に憂えるべき事態が到来しはせんかという懸念を一つつておりますのと、もう一つは、最近、先ほど委員の方々の御報告の中にもあつたと思いますが、地方における市町村合併の結果、どうしても集配局というものを整理しなければならんといつたような問題がありますが、これにつきましても、やはり先立つのは一つ局舎受入れ状況といつたものが絡んで来る。そうした問題を総合いたしますると、大体我々として、現在緊急を要する局舎と申しますが、内容は大体経年四十年以上たつている木造ですが、それから或いはそうでなくとも、戦災後の急造バラック、或いは都市計画によつてどうしても立ちのきを迫られているといつたものを全国的にとつてみますると、本建築を要するもの並びに木造で済むもの、合せまして大体二百億近くの金が当面要るのではないかということが一応めどとして立つのであります。なお、市町村合併伴つて改築若しくは増築を要するものが大体二十億見当あるのじやないか。両者合せまして二百二十億というものが、当面我我局舎に関する計画として表に浮び上つて来るのであります。この二百二十億の金を一体然らば何年間でやつて行くかということに一つの大きな問題があるわけてあります。この点については現在の建築のいろいろな能力、或いは国の財政面からの方針といつたようなものを勘案して、少くともそれだけのものを消化する第一年度計画といつたようなものは、来年度予算に計上したいというので今いろいろと検討中でございます。
  13. 白根玉喜

    説明員白根玉喜君) 第二の質問点運用の枠を拡げる問題についてでございます。この問題につきましては、先般の国会におきまして、衆議院でも決議がございましたし、参議院におきましても、永岡委員初め、局舎にからんでの御要望があつたわけであります。従いまして、それ以来私どもといたしましては、運用の枠をどの方面に枠を拡げるかについては、その対象をどこに持つて行くかということを研究しておるわけでございます。とにもかくにもその対象を拡げるものの一つといたしまして、郵便局舎に対する資金外部資金といたしまして簡易保険の金も充当し得るような法的措置を講じたい、かような意味只今研究をいたしておるわけでありますが、御承知のように、郵政局舎につきましては、資金運用部関係法律におきまして、国に対する貸付という条項がございまして、それを援用いたしまして、その規定の根拠に基きまして資金運用部から郵政会計運用いたしまして、郵政会計は借入金としてこれを処理いたしておるわけでございます。こういうような方法によりまして、こちらの簡易保険及び郵便年金浬用に関する法律に、どの程度の条文の追加によつて事態が処理できるか、できないかという問題を、只今関係局研究して頂いておるのであります。とにもかぐにも来生度予算編成とうらはらをなす法律といたしまして、簡易保険関係法律におきまして、局舎所要資金に充当する外部資金といたしましての運用簡易保険及び郵便年金積立金の側からもやる措置を講ずべく今準備中でございます。
  14. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 定員とか超過勤務につきましては、実は先ほどお答え申し上げましたように、現在大蔵省に提出いたします概算の取りまとめ整理を開始したばかりでございまして、今後検討を進めて行こうという段階におきまして、事業量に比較しまして、定員法が著しく不足するような結果につきましては、できるだけ定員を獲得するよう、或いは又実際に必要な超過勤務に対しては十分に超過勤務手当が配れますように努力して参りたいと存じております。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 人事部長おい出になるようですが、これは人事部長のほうでは答弁ができないかと思うのですが、今日は大臣がお見えにならないのは何か特別な理由があれば、政務次官でも或いは事務次官でも結構ですが、大臣何か特別な理由はございましようか。
  16. 松井豊吉

    説明員松井豊吉君) ちよつと今日はほかに御用がございまして……。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 それでは政務次官でも事務次官でもどちらでも結構でございますが、すでに九月一日に公共企業体等中央調停委員会から調停案勤務時間について提示をされております。郵政当局はこれについてどういう態度を決定されておりましようか。
  18. 中村俊一

    説明員(中村俊一君) 先ほど永岡委員からおつしやいましたように、従来特定局方面におきまして、七十二時間でしたかの勤務というものが認められておつたのですが、それが六十時間以内という調停案が出たので、この特定局勤務時間につきましては、調停案にもそのほかの項目でいろいろ述べておられるように、勤務状態が御承知のような業務の特殊事情に伴いまして、いろいろ四十八時間という勤務状態、一般の普通局その他の四十八時間という原則によりがたい事情は調停案においても認められているところでございます。で、今回の調停案につきましては、私どももその調停案が出されます過程におきまして、いろいろと私どものほうの事情も申上げ、又調停委員会のほうのお話も承わつておりますので、この調停案が出ました以上は、この趣旨を尊重いたしまして適当に処置をいたしたいと、かように考えている次第であります。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 只今事務次官は、この趣旨を尊重して措置をしたいという御答弁でございまするが、当然これはやはり予算の伴うことだということになると思うのですが、そういたしますと、これは三十年度予算編成に当つて、このことが当然考慮されて来なければならん、こういうことになると思うのですが、そうすると、実施の時期は郵政当局はいつから実施をするというお考でありますか。やつぱり来年四月一日から実施をする、こういう考えでございましようか。
  20. 宮本武夫

    説明員(宮本武夫君) 只今事務次官の御説明に対しまして、私から補足して御説明申上げます。永岡委員からお話の通りに、先般九月一日に中央調停委員会から調停案が出されたわけであります。御来特定局の電話等の業務につきまして、断続勤務が認められることにつきまして、一週七十二時間まで認められておつたのでありますが、今回の調停案によりますと、それが最高六十時間という調停案が出たのであります。只今事務次官からお話申上げました通りに、中央調停委員会調停案に盛られました趣旨或いは考え方ということにつきまして、郵政当局といたしましても勿論十分にこれを尊重いたしまして善処いたしたいというふうには考えております。ただこの調停案自体につきまして、果して郵政としてこれを実施することが可能かどうかというふうなことになりますと、余ほど検討を要しなければならんと思うのでありまして、実は目下その調停案につきまして、関係当局におきましてこれを検討中でございます。調停案自体に対する郵政省の態度といたしましては、まだ未決定ということを申上げなければならんのでございます。ただ若しこれが仮に六十時間という線を実施いたしますとすれば、関係当局調査によりますと約四、五千名の増員が必要ではないだろうかという見込みであります。果してこの程度のものが、本年度或いは来年度の郵政の財政状態からいたしまして、実現できるかどうかという問題も非常に大きな問題として上つて来るわけでございます。只今申上げました通りに、目下その点につきまして鋭意検討中でございます。これもあと四、五日中には態度を決定いたしまして、調停委員会に回答いたすことになつております。御了承を願いたいと思います。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 大変くどいようで恐縮でございますが、この趣旨は尊重するけれども只今人事部長のほうで実施することが可能かどうかということについては、目下検討中だということでありますが、その可能かどうかということについて、若し実施できないとすれば、どういう点が予想される大きな問題か。今言われておる四千名乃至五千名という財政上の問題であるのか。で、財政上の問題であるとすれば、その財政上の問題の対策がなぜ解決できないのか、その点をお尋ねしたいと思います。
  22. 宮本武夫

    説明員(宮本武夫君) 只今のところ私どものほうといたしましては、その増員に要する財源の問題もさることでありますが、調停案に示されました六十時間というものが、郵政、殊に特定局の委託業務につきまして、これが本当に正しいものであるかどうか、或いは現行の七十二時間というものが正しいものかどうか、これは見方によつていろいろ違います。只今のところにおきましては、私どものほうにおきまして、果して六十時間にこれを制限しなければならんものかどうか、これはまあ特定局の業務の実態なり、或いは特定局の局員のいわゆる勤務状況と申しますか、或いは保健衛生、或いは又広くいえば人道的な見地もあるだろうと思いますが、そういう点からしましまして、果して六十時間でこれを切らなければならんかどうかということについて、実は検討いたしておるところでございます。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 いずれまあ、この問題は検討中でありますので、行政権の問題にとやかく立法府として今差出がましいことを申上げることを差控えたいと思います。意見はいろいろ持つておりますが、他日に譲りたいと思つておりますが、併しただ法の建前からいつて、立法府として要望したいことが一つあります。それは調停委員会の、或いは又次に予想されるでありましよう仲裁委員会なりの性格から考えて、できるだけ中央仲裁委員会の手を煩わすことなく、調停委員会段階で両者円満に解決をしてもらいたい、これが国民の代表である立法府としてのお願いであります。このことだけを特に附加えておきたいと思います。  それから先ほど主計課長から御答弁を頂いたわけでありますが、目下この超勤その他の予算について、人件費について計数を整理中で、近くその計数がまとまるという御答弁でございました。そこで私のお尋ねしていることは、とりわけ年次休暇の残余の分、もらつていない分ですね、この分をどのように解決しようとしておるかという方針でございます。その方針によつて計数が出ると思うのでありますが、只今郵政当局としてどのような方針であるかを明確にして欲しいと思うのであります。
  24. 宮本武夫

    説明員(宮本武夫君) 年次休暇について只今お尋ねを受けたのでありますが、年次休暇につきましては、この前の当委員会におきましてもお尋ねを受けまして、御返事申上げたと記憶いたしておるのでありますが、御承知通り年次休暇につきましては相当の日数が残つております。私どものほうの調査によりましても、平均いたしまして四十何日というふうな数字が出ております。で、勿論これは公務員法の適用時代と申しますか、その際のものが約三十何日、公生法か適用になりましてからは約十日ほどと記憶いたしますが、この問題の処理につきましては、これは御承知通りいろいろ問題があるのでありまして、私ども郵政といたしまして、何とかこの問題を解決いたしたいと考えておつたのでございます。御承知通り現在までのところにおきましては、毎年々々の残余日数と申しますか、休暇の日数を、何と申しますか、繰越しと申しますか、まあこれをやつておる状況でございます。或いはこれを買上げすべきでないかというふうな御意見もあるのであります。併しこれは若しそういうことができますれば、勿論それも一つのいい方法でありますが、これは恐ろしく莫大なる経費を必要とすることは御説明申上げるまでもないのであります。ただ私どもがこの点につきまして、何とかいたしましてこのたまつて行く休暇というものを少しでも少くしなければならん。只今永岡委員のお尋ねは、たまつているものを一体どうするかというお尋ねと思うのでありますが、これにつきましては、只今申上げました通りに、これを買上げするといたしましても、そのときに要する経費というものからいたしまして、これは到底なかなか実現に困難だろうと思うのであります。私どもといたしましても、勿論その問題も今後大いに研究いたすつもりでありますが、ともかくも現在与えられている年次休暇というものをできるだけこれを付与いたしまして、この多くなつて行く休暇というものを少くしようというふうに考えざるを得ないのであります。まだこれは全国的にこれを実施しているわけではないのでありますか、私ともの考えといたしまして、これはどうしてもやはり現業の各局に対しまして、計画的に少くとも年二十日全部でなくても、その半分とか、或いは三分の二というものを、やはり年度当初と申しますか、前々から計画的に各職員にこれを付与するというふうに、いわゆる計画的に休暇を付与する、管理者側がこれを付与するというふうな方法をとらざるを得ないだろうというふうに考えておるのであります。実はこの問題につきまして、一昨年でありますか、東京郵政局管内におきまして休暇の付与状況を調べたのであります。大体年に十日程度のものは現実に休暇をとつております。問題はこれはいろいろ御意見があることでありまして、休暇が一〇〇%二十日とれないというのは、或いは定員が足らんせいだろう、或いは仕事が非常に忙しくてできないんだろうというふうな、いろいろな見方があるのであります。確かにそういう一面もあるものと私どもは考えております。併し先般のこの東京郵政局調査によりまして、判明いたしましたことといたしまして、それでは局員が希望した休暇というものに対して、どの程度のものが実際に付与されておるかということを調べて見ますと、普通局特定局におきまして若干違いますが、普通局におきましては約八〇%を上廻るものが本人の希望通りに付与いたしておるのでありますが、特定局になりますと、これが七〇%台に若干落ちております。こういう点からいたしますと、いろいろほかの事情、関係はありますが、やはり本人の申入れだけ、希望だけによつてやるといたしますと、これはどうしても休暇がたまつて行くというのは、これは避け得ない傾向だろうというふうに考えるのでありまして、どうしてもこれは局長なりそう他管理者におきまして、先ほど申上げました通りに、大部分の休暇というものを、あらかじめ計画を立てて、これをとらせるというふうに仕向ける必要があり、又そうしなければならんというふうに考えておる次第であります。ただ、そうやりましても、御承知通り現在におきましても相当の日数がたまつております。これをどうするかというお尋ねと思うのでありますが、只今申上げました通り、これは現在繰越しておるという以外に、恐らく今後も、近い将来にはこれ以上に、甚だこれは何と申しますか、申しわけない次第でありますが、これを一挙に解決するということが非常に困難ではないかというふうに考えておる次第であります。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 今の御説明で、ちよつとこれは私が実情を調べた範囲内で、御答弁の中で若干食い違つておるのではないかと思いますので、申上げるわけでありますが、それは東京管内でいろいろ御調査なつた結果は、付与状況は大体希望の八〇%になつておるという御説明のようでございますが、これはなかなかもらえないから余り希望しないという例がよくあるということを十分一つ考えておいてもらいたいということであります。併しまあとにもかくにも、それにしても残ることは事実でありますから、残つておることを何らかの意味解決したいという欲望は、私たちはその誠意は了解できますが、併し具体的にどうするかということは未だに結論か出ていないわけてすから、而も三十年度予算編成期でございますから、どうかこの次の委員会を開きまするまでは、具体的な結論が出るように是非ともお願いしておきます。  それから局舎関係の御説明を頂きまして、緊急を要するものだけでも約二十億あるということでございます。この資料を御提出願えましようか、一つ是非お願いいたしておきたいと思います。この局舎の問題等は重要な問題でございますので、方法は問いませんが、とにもかくにもいろいろ方法を講じられまして、先ず局舎の問題を解決できるように極力お願いしたいと思つております。質問を終ります。
  26. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 資料はよろしうございますか。ほかに御質疑はございませんですか。ほかにございませんければ、本日はこれで散会いたします。    午後二時二十四分散会