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1954-05-08 第19回国会 参議院 本会議 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月八日(土曜日)    午前十時四十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第四十三号   昭和二十九年五月八日    午前十時開議  第一 国会法第三十九条但書規定による国会議決に関する件(中央建設業審議会委員)  第二 万国農事協会に関する条約失効に関する議定書への加入について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第三 第二次世界大戦影響を受けた工業所有権保護に関する日本国とスウェーデンとの間の協定締結について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第四 日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 物品無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 国の所有に属する自動車交換に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第七 労働基準法の一部を改正する法律案栗山良夫外本名発議)(委員長報告)  第八 事業附属寄宿舎規程第二十七条改正に関する請願委員長報告)  第九 労働者供給事業禁止措置に関する請願委員長報告)  第一〇 事業附属寄宿舎規程中一部改正に関する請願委員長報告)  第一一 失業対策事業費国庫補助増額等に関する請願委員長報告)  第一二 労働基準局等地方移譲反対等に関する請願(三件)(委員長報告)  第一三 労働基準法改正に関する請願委員長報告)  第一四 失業対策事業費増額等に関する請願委員長報告)  第一五 労働基準局等地方移譲反対に関する請願(二件)(委員長報告)  第一六 技能者共同養成費国庫補助継続に関する請願委員長報告)  第一七 けい肺法制定に関する請願委員長報告)  第一八 労働基準行政機構改革等反対に関する請願委員長報告)  第一九 けい肺法制定促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第二〇 映写技術者資格免許制度の万化に関する請願委員長報告)  第二一 傷い軍人の雇用割当に関する請願委員長報告)  第二二 地方労働委員会事務局存置に関する請願委員長報告)  第二三 高等学校卒業者就職促進に関する請願委員長報告)  第二四 地方労働委員会専属事務局存置に関する陳情委員長報告)  第二五 労働基準行政機構に関する陳情委員長報告)  第二六 福井県に労災病院設置陳情委員長報告)  第二七 労働基準局等地方移譲反対に関する陳情(九件)(委員長報告)  第二八 労働基準法中一部改正に関する陳情委員長報告)  第二九 技能者養成費国庫補助増額に関する陳情委員長報告)  第三〇 労働組合自主的団体交渉権確立に関する陳情委員長報告)  第三一 労働基準法改正反対に関する陳情委員長報告)  第三二 公共職業安定所経費増額に関する陳情委員長報告)  第三三 けい肺法制定促進に関する陳情(二件)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。昨七日議長において、左の常任委員
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、国会法第三十九条但書規定による国会議決に関する件(中央建設業審議会委員)を議題といたします。  四月二十三日、内閣総理大臣から、中央建設業審議会委員に本院議員鹿島守之助君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。同君中央建設業審議会委員に就くことに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  4. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本件は、同君中央建設審議会委員に就くことができると議決せられました。      ——————————
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第二、万国農事協会に関する条約失効に関する議定書への加入について承認を求めるの件  日程第三、第二次世界大戦影響を受けた工業所有権保護に関する日本国スウエーデンとの間の協定締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)  以上、両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。    〔佐藤尚武登壇拍手
  7. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 只今議題となりました万国農事協会に関する条約失効に関する議定書への加入について承認を求めるの件について、外務委員会における審議経過と結果を御報告申上げます。  政府説明によりますと、万国農事協会は、一九〇五年六月七日にローマで作成されました万国農事協会に関する条約によつて設立された国際機関でありまして、爾来農業関係の諸情報の収集、研究、刊行等任務を行なつて参りました。然るに、戦後、一九四五年十月十六日に、FAO憲章、即ち国際連合食糧農業機関憲章が作成され、国際連合の傘下の専門機関たるFAOが、万国農事協会任務を含む広汎な諸任務を遂行することとなり、その第一回総会は、万国農事協会を廃止してその任務及び資産をばFAOに移転するための議定書を作成することを勧告する決議を行なつたのであります。本件議定書はこの勧告に応じて作成されたものでありまして、一九四八年一月二十八日に効力を生じ、万国農事協会に関する条約は、同年二月二十七日に同議定書当事国について効力を失い、同協会は同日を以て解散されたのであります。然るに我が国は、法律上は今もなお万国農事協会加盟国でありますので、本件議定書加入することによつてこの不合理を改める必要があるわけであります。なお、本件議定書当事国は、本年二月二日現在で五十九国になつている旨の説明でありました。  委員会においては、別段の質疑もなく、五月七日・採決を行いましたところ、本件承認すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。  以上、御報告いたします。  次に、議題となりました第二次世界大戦影響を受けた工業所有権保護に関する日本国スウエーデンとの間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議経過と結果を御報告いたします。  第二次世界大戦とこれに続く日本連合国による占領のため、約十年間は日本スウエーデン間の通信連絡異常状態に置かれ、その結果工業所有権関係出願書類相手国に郵送したり、又特許料登録料等相手国に送金納付することが極めて困難でありました。更に、連合国占領政策は、一時、日本政府外国人出願を受理したり、又は日本人が外国出願することを禁止いたしておりました。これらの理由により、日本スウエーデン間においては互いに相手国民工業所有権保護するための措置をとることができない状態にあつたのであります。ところが一昨年四月、スウエーデン政府から我がほうに対し、これらの権利を相互的な基礎に立つて救済するための協定締結したい旨の申入があり、東京で交渉を行いましたところ、両国間に意見が完全に一致しましたので、本年三月三十一日に協定に署名を行なつた次第であります。  この協定内容は、第一に、工業所有権特許又は登録のための優先期間延長につき、第二に、消滅した工業所有権回復、又は更新及び無効となつ特許出願、又は登録出願効力回復について規定しておるのでありますが、先に、第十六回特別国会で御承認を得ました我が国ドイツ連邦共和国及びスイス連邦との間の協定並びに今国会において御承認を受けましたデンマークとの間の協定内容と殆んど差異がないのでありまして、この協定締結は、両国間の友好関係及び技術提携関係を増進させるに役立つものと信ずる旨の説明がありました。  委員会は、五月六、七両目審議を行いました。質疑におきましては、本協定が、他の諸国との同種協定と異なる点、工業所有権に関する両国間の状況附属交換公文趣意等についての質問に対し、本協定規定中、他の諸国との同種協定と異なる点は、他の例に見る特許権実用新案権及び意匠権のほかに、特にスウエーデン側より希望があつたため、第五条の商標権に関する規定を設けた点だけである。戦後スウエーデン日本に持つている有効な工業所有権は約三百七十件、このうち本協定によつて効力回復すると思われるものは七十四件であつて、他方、日本スウエーデンに持つている工業所有権は僅か数件に過ぎず、このうち効力回復するものがあるか否かは明らかでない。我が国がこの種の協定を結んでいる国の中で最も関係の深いのはドイツであつて、以下スイススウエーデンデンマークの順となつている。次に、交換公文につきましては、日本といたしましては、中立国にある日本国民資産赤十字国際委員会に引渡すべき旨を定めた対日平和条約第十六条との関係を明らかにしておく必要があり、スウエーデン側としてはすべて国内私有財産は、これを尊重する態度をとつておりまして、この両国の異なつた立場を調整する趣旨公文交換することになつた次第であります。なお、実際上は、スウエーデンにおける日本工業所有権引渡は別段問題とならない模様である旨の政府答弁がありました。  委員会は五月七日質疑を了し、採決に入りましたところ、本件は、承認すべきものと全会一致を以て決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手
  8. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。両件全部を問題に供します。委員長報告通り両件を承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  9. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両件は、全会一致を以て承認することに決しました。      ─────・─────
  10. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第四、日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案  日程第五、物品無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案  日程第六、国の所有に属する自動車交換に関する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。    〔大矢半次郎登壇拍手
  12. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 只今議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず、日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案について申上げます。  本案は、先に今国会において承認せられました日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施されます場合、同協定第六条の関税物品税等免税条項に基きまして、関税法等関係税法所要特例を設けようとするものであります、  以下、本案の主要点を申上げますと、第一点は、本邦政府合衆国政府及び他の被援助国政府以外の者が、協定に基いて関税物品税揮発油税免除を受けて資材等を輸入し、又は製造場保税地域から移出若しくは引取つた場合において、これを原料とした製品一定期間内に引取るべき政府に引渡したことについて所要の証明がなされないときは、当該資材等について関税等免除を受けたものから、特定の場合を品除き、直ちに関税物品祝揮発油税を徴収することとしようとするものであります。第二点は、協定に基きまして関税等免除を受けて輸入され、又は物品祝揮発油税免除を受けて国内で調達された資材等、又は製品等譲受ける場合には、その譲受を輸入、製造場からの移出又は取引とみなして、特定の場合を除き、関税物品税揮発油祝を徴収しようとするものであります。  委員会における本案審議の詳細につきましては、速記録に譲ることを御了承願います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、藤野委員より、「本法施行期日は、附則第一項に、「日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定効力発生の日」となつているが、同協定はすでに本年五月一日に発効しておるので、公布の日とすべきである」との修正意見が述べられ、次いで菊川委員より、「いわゆるMSA協定反対である以上、同協定に基く本法案に対しても根本的に反対である。又免税された而品等が入つて来る場合に、国内産業不当に圧迫することが懸念され、本法のごとき特例を設けるべきではない。考えるので反対する」との意見が述べられました。討論を終り、採決結課藤野委員修正案は多数を以て可広せられ、次いで修正部分を除く原案についても多数を以て可決せられ、本末を修正議決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、物品無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案について申上げます。  本案は、最近における風水害等の発出時における救助状況等に鑑み、災害による被害者その他の者で応急救助を要するものの用に供するため、寝具その他の生活必需品を貸付けるとき、又は災害応急復旧を行う者に、その応急復旧のために必要な機械器具を貸付けるときは無償又は低額ですることができる途を開くこととすると共に、国有林野の所在する地方地方公共団体又は住民が、震災、風水害、火災その他の災害により著しい被害を受けた場合において、当該地方団体に対し、災害救助又は施設応急復旧の用に供けるため、林野の産物又はその加工品低額で譲渡することができることとする等、所要改正を加えようとするものであります。  本案審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て、原案通り可決すベきもの決定いたした次第であります。  次に、国の所有に属する自動車歩換に関する法律案について申上げます。  本案は、国が所有する自動車につき、当分の間、国以外の者が所有する自動車交換することができる途を開き、これが効率的な活用を図ると共に、国の経費節減等にも資することができることとし、交換の場合、その価額が等しくないときは、その差額は金銭で補足することとしようとするものであります。  本案審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入り、菊川委員より、「本案は、その意図するところが国民感情に合致し、又国家財政の見地から言つても至極適当と考える。大蔵当局が熱意と勇気とを持つて率先その実現に努められたい」との希望を付して賛成意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申上げます。(拍手
  13. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  先ず、日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案全部を問題に供します。委員長報告は、修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  14. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  15. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、物品無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案、国の所有に属する自動車交換に関する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  16. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は、全会一致を以て可決せられました。      ─────・─────
  17. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第七、労働基準法の一部を改正する法律案栗山良夫君外十名発議)を議題といたします。  先ず委員長報告を求めます。労働委員長栗山良夫君。    〔栗山良夫登壇拍手
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案に関しまして法案内容及び委員会における審議経過と結果を御報告申上げます。  先ず、法案内容について申上げますと、本法案は、労働基準法第五十二条の改正に関するものであります。即ち現行法規定によりますと、一定事業使用者は、雇入の際及び定期に医師による労働者健康診断を行わなくてはならないことになつておるのでありますが、本法案は、これら事業のうち、命令で定める一定事業については、医師のほか、歯科医師による口腔内の健康診断を行わなくてはならないようにいたそうとするものであります。酸、燐、砒素その他の化学薬品、又は鉛、水銀その他の工業原料を常時多量に使用する作業に従事する労働者は、これらの有害化学薬品又は工業原料を含む蒸気、ガス等によつて歯牙の損傷その他口腔内の疾病を起しやすいので、これらの疾病早期に発見し、且つ早期治療対策を講ずることは、労働者健康保持のため誠に必要なことであります。然るに、現行法では、只今申上げました通り、これら労働者に対し、歯牙等の專門医たる歯科医師による健康診断は必要でないことになつているのでありまして、早期発見早期治療により労働者の健康を保持するという観点から申しますと、十分な立法措置がとられておるというわけには参りません。各会派に属する議員共同によつて提案されましたこの改正法案は、現行法におけるこれらの不備な点を是正し、労働者保護に万全を期そうといたしておるのでありまして、これが本法案提案趣旨であります。  この法律案は、去る四月二十八日労働委員会に付託されたのでありますが、昨七日、提案者を代表し、吉田法晴議員から提案理由を聞き、審議した後、採決した結果、全会一致を以て可決いたした次第でございます。  右、御報告申上げます。(拍手
  19. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  20. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。      ─────・─────
  21. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第八より第二十三までの請願及び日程第二十四より第三十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。労働委員長栗山良夫君。    〔栗山良夫登壇拍手
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今議題となりました請願陳情労働委員会におきまする審議の結果を御報告いたします。  先ず請願七百六号、千三百六十五号、千四百十八号、千五百二十五号、千八百四十号、陳情三百二十四号、三百四十三号、三百五十三号、三百七十五号、三百八十六号、三百九十五号、四百十号、四百三十八号、四百八十七号等請願五件、陳情九件は、いずれも労働基準局地方移譲反対等に関するものであります。次に、請願千五百九号、陳情六十五号は、いずれも労働基準行政機構改革等反対に関するものであります。次に、請願二千二百六十三号、陳情二十五号は、いずれも地方労働委員会専属事務局存置を要請するものであります。次に、陳情四百二十五号は、労働組合自主的団体交渉権確立を要請するものであります。次に、請願五百八十六号、千百九十号は、いずれも失業対策事業費国庫補助増額等を要請するものであります。次に、陳情五百五十七号は、公共職業安定所経費増額を要請するものであります。次に、請願四百七十一号は、労働者供給事業禁止措置を要請するものであります。次に、請願二千二百五十三号は、傷痍軍人の雇用割当制度を要請するものであります。次に、請願五十三号、四百七十二号は、いずれも事業附属寄宿舎規程改正して寄宿舎施設の改善を要請するものであります。次に、陳情二百七十一号は、福井県下に労災病院設置を要請するものであります。次に、請願九百二十六号、陳情三百四十一号は、いずれも労働基準法業種業態に応じて適用するよう要請するものであります。次に、請願二千百四十六号は、映写技術者資格免許制度の一元化を要請するものであります。次に、陳情四百四十四号は、看護婦労働基準法適用除外にせんとすることに反対するものであります。次に、請願千四百十九号、陳情四百二十四号は、技能者共同養成費国庫補助継続を要請するものであります。次に、請願千五百六号、千八百三号、千九百六十一号、陳情六百二十六号、六百三十三号は、いずれもけい肺法制定を要請するものであります。次に、請願二千五百十三号は、高等学校卒業者就職促進を要請するものであります。  以上、請願二十件、陳情十九件は、いずれもその願意おおむね妥当なものと認めて、これを採択し、議院会議に付し、内閣に送付すべきものと決定をいたしました。  以上、御報告申上げます。(拍手
  24. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告通り採択し、内閣に送付するごとに賛成諸君起立を求めます。   [賛成者起立
  25. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    午前十一時十七分休憩      ——————————    午後九時十三分開議
  26. 河井彌八

    議長河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、会期延長の件についてお諮りいたします。  議長は、会期延長の件について議院運営委員会に諮りましたところ、会期を本月二十二日まで十四日間延長すべきであるとの決定がございました。  本件に対し討論の通告がございます。発言を許します。発言時間は、国会法第六十一条の規定により十分以内に制限いたします。田畑金光君。    〔田畑金光登壇拍手
  27. 田畑金光

    田畑金光君 私は日本社会党を代表し、只今議題となりました会期延長に関する件に対し反対意思を表明するものであります。  重要法案が両院に山積し、これが通過を図るため会期延長することでありまするが、御承知の通り、本国会通常国会であり、国会法に基き会期百五十日間の長期に亘る国会であります。その長期国会も本日を以てまさに終ろうといたしておるのであります。然るに、今日なお我が参議院におきましては、百二十数件に上る案件が上程されておるのであります。議案審議の渋滞は何に由来し、何が故にかくのごとき法案の山積を見るに至つておりましようか。言うまでもなく、これは政府の不手際の結果であり、汚職に明け、疑獄に暮れた政府とその与党が法案審議を忘れ、ひたすら疑獄汚職に対する検察庁の追及から如何に彼らの安全を守るかにすべての精力を傾け、(「その通り」と呼ぶ者あり)みずから法案審議促進を蹂躙した結果にほかなりません。(拍手)殊に内閣の首長である吉田総理は、長期国会における登院数僅か二十数日に出でず、神経痛の仮病にかこつけ、野党と世論の追究から逃避して大磯に引きこもり、院の再々の要請にもかかわらず、重要法案答弁に立たず、議会をサボつた彼の怠慢、不遜、傲岸極まる国会軽視が今日の事態を招いたのであり、(拍手)みずから蒔いた種子はみずから刈りとらねばならんと私は感ずるのであります。  第二の反対理由は、現政権はすでに四月二十三日、本院における警告決議案の可決の日を以て実質的にはその存続の基盤を失い、行政府としての機能と役割は、つとに終りを告げておるのであります。従つて国民に見離され汚れきつた政府の下に法案審議することは、国権の最高機関たる国会の権威を失墜し、国民意思を再演する結果にほかなりません。(拍手)思うに長期に亘る第十九通常国会を特色づけておるものは何でありましようか。即ちそれは一面におきましてはMSA予算を根幹とする国家財政経済の再軍備体制への急速な衣換えと反動諸立法を中心とする軍事国家警察国家への移行という逆コースがいよいよ露骨化したということであります。他面におきましては造船疑獄を中心とする政界、官界、財界の腐敗が検察庁のメスによつて全容を白日の下にさらされ、資本主義政党の本性、自由党という名の保守党の持つ恐るべき悪逆無道さが国民の目の前に明らかにされるに至つたということであります。(拍手)民主政治は輿論政治であり、輿論に基き出処進退を明らかにすべきでありますが、吉田内閣は、民主政治のイロハも理解せざるの故か、声なき大衆の厳粛な声に耳を傾けようとしておりません。民主主義政治は民衆のための政治であり、国民の幸福を図ることがすべてでありまするが、吉田内閣は少数独占資本に奉仕することに汲々としておるのであります。最近世上に見まする凶悪犯罪の頻発、テロリズムの横行は、一体何に原因すると見るべきでありましよう。戦慄すべき幼き学童に対する暴行殺人事件、頻々と国民に加えられる殺傷、強盗、或いはすでに吉田総理に加えられようといたしておりまするテロリズムの恐怖すべき動向は、単にヒロポン中毒患者の精神異常の発作として片付けていいものでありましようか。断じてさようではありません。これら一連の社会道義の頽廃、国民道徳の低下こそ、まさに吉田内閣六年に亘る積弊の所産であり、免れて恥なき腐敗政治の落し子と断ぜざるを得ない。(拍手法律に触れさえしなければ如何なる悪事をも憚らぬ社会的反逆者と同一の異常心理こそ現政権の頭脳と申さなければなりません。今日必要なことはただ単に二、三の法 案を通すことではありません。まさに失われんとしている政治への信頼、議会政治の権威を回復することこそ、政府国会挙げての課題であります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)吉田一家の利益を、即ち国家の利益と混同し、与党の利益と国民の利益を混同する現政府の退陣こそ、国家と民族の将来の幸福のためになさねばならん重要な問題であります。  第三の反対理由は、会期延長は党利党略の所産であるのであります。即ち会期中に是が非でも保守新党を作つて世論の反撃から身をかわし、保守政権の土台をゆさぶる危機を乗り切ろうとしております謀略的意図に出ておるのであります。政党は政策を以て立ち、政党政治は主義主張、政策の対決によつて相互切瑳琢磨するものでなければなりません。然るに何らの政策持合せなく、選挙の公約を弊履のごとく脱ぎ捨てながら寄木細工によつてしばしの嵐を避け、雨をよけようとする今回の新党結成の動機こそ、今回の会期延長の大きな原因であるということを考えましたとき、その憐れむべき心情に対しまして、断固我々は糺明せざるを得ないのであります。(拍手)  第四の反対理由は、重要法案審議のためというが、彼らの申す重要法安とは、日本の将来のため、なくもがたの法案であり、民主主義擁護のために断じて葬らねばならん悪法なのであります。今日政府のとつておりまする一連の反動立法は、平和憲法のいわゆる平和主義と民主主義を根底から覆すものであり、基本的人権を文字通り空文化するもののようであります。教育の中立性確保の名の下に、目下採決を迫られておりまする教育二法案は、一体何を物語るのでありましよう。教育を政治権力の下に屈伏せしめ、自主的、批判的、創造的精神を培い、信義と正義に奉仕すべき新しき教育を根本から破壊し去り、よつて以て無知と無批判の上に自由党政権の延命を図る意図以外の何ものでもないのであります。(拍手)教育の中立を云々する前に、民主政治の基盤である三権分立の民主的制度の尊厳を自覚し、司法権の独立、検察権の中立性確保を期することこそ、何よりも増して今日喫緊の課題と申さねばなりません。  最後に、私の反対する理由は、今回の会期延長の衆議院における措置は、国会法、両院規則の精神を蹂躪し、議決されておるということであります。国会法両院規則によれば、国会会期決定、又は会期延長は、両議院一致の議決によるべきであり、両議院一致の議決によらないとき、初めて衆議院議決によるべきであるにかかわらず、今回も又従来と同様、衆議院の一方的意思により決定されたのであります。国会を構成し、国権の最高機関としての参議院の権威を無視するも甚だしいと申さねばなりません。この暴挙こそ、発しては現内閣国会軽視となり、発しては参議院警告決議案を蹂躪する政府の態度にほかなりません。  私はこれらの諸点に基き、会期延長はいわれなきもの、根拠なきものであり、速かに国会を終了せしめていわゆる重要法案を阻止することこそ、国民の輿論に応える途であり、同時に又、本日を以て国会を終了せしむることにより、一日も早く佐藤幹事長、池田政調会長を逮捕せしめ、泥を吐かせることこそ、議会政治の権威を確立する途なりと、私は確信いたしまして会期延長に断固反対意思を明らかにするものであります。(拍手
  28. 河井彌八

    議長河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本件採決をいたします。会期を本月二十二日まで十四日間延長することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  29. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よつて会期は、本月二十二日まで十四日間延長することに決定いたしました。(拍手)  次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後九時二十四分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 国会法第三十九条但書規定による国会議決に関する件(中央建設業審議会委員)  一、日程第二 万国農事協会に関する条約失効に関する議定書への加入について承認を求めるの件  一、日程第三 第二次世界大戦影響を受けた工業所有権保護に関する日本国スウエーデンとの間の協定締結について承認を求めるの件  一、日程第四 日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律案  一、日程第五 物品無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第六国の所有に属する自動車交換に関する法律案  一、日程第七 労働基準法の一部を改正する法律案  一、日程第八乃至第二十三の請願  一、日程第二十四乃至第三十三の陳情  一、会期延長の件