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1954-04-12 第19回国会 参議院 文部委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十二日(月曜日)    午前十時十四分開会   —————————————  出席者は次の通り。    委員長     川村 松助君    理事            剱木 亨弘君            加賀山之雄君            荒木正三郎君            相馬 助治君    委員            雨森 常夫君            木村 守江君            田中 啓一君            高橋  衛君            中川 幸平君            吉田 萬次君            杉山 昌作君            高橋 道男君            岡  三郎君            高田なほ子君            永井純一郎君            長谷部ひろ君            須藤 五郎君            野本 品吉君   国務大臣    文 部 大 臣 大達 茂雄君   政府委員    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工樂 英司君   証人    京都旭丘中学    校P・T・A会    員       水上  毅君    京都旭丘中学    校P・T・A会    員       福田 知子君    京都旭丘中学    校P・T・A補    導部委員    吉田金次郎君    京都旭丘中学    校教頭     北小路 昂君    京都大将軍小    学校前P・T・    A会長     立川 文彦君    京都大将軍小    学校教頭    池田正太郎君    京都大将軍小    学校校外補導委    員長      野路井 孝君    京都教育委員    会委員長    福原 達朗君    滋賀大津市坂    木小学校教諭  森   信君    滋賀大津市    P・T・A副会    長       西村 英一君    滋賀大津市教    育委員会委員  井上 慶造君    滋賀教育委員   会学校教育課長  溝口 成藏君    岐阜恵那郡大    井小県校長   三宅 信市君    岐阜恵那郡地    方教育委員会連    絡協畿会会長  千葉 茂美君    岐阜地方教育    委員会連絡協議    会会長     森  太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○義務教育学校における教育政治  的中立確保に関する法律案内閣  提出衆議院送付) ○教育公務員特例法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今から文部委員会を開合会いたします。  本日は、義務教育学校における教育政治的中立確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正す法律案の両法案について、証人各位から証言を求めることになつております。ついては、先般、本日及び明日の両日に亘り証人三十二名の出頭を求めることを決定いたし、それぞれ議長から出頭を求めたところ、偏向教育事例中、大将軍小学校関係森定春江君、岐阜恵那関係川口半平君及び山口安下庄小中学校関係野口安一君は、それぞれ止むを得ない事情で出頭できないことになりましたから、御了承をお願いいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないと認めます。  次に偏向教育事例中、大将軍小学校関係証人として、大将軍小学校校外補導委員長野路井孝君と、山口安下庄小中学校関係証人として安下庄高校P・T・A会長村上義晴君の両君証人として出頭を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないと認め、両君証人として出頭を求めことに決定いたしました。文部委員一同に代りまして一言本日御出席証人各位に御挨拶を申上げます。目下、当文部委員会におきましては、義務教育学校における教育政所的中立確保に関する法律案及び教育公務員場特例法の一部を改正する法律案の両案を審査中でございますが、この法律案に関連して、文部省当局が当委員会提出した資料偏向教育事例につきまして、その信憑性に関し、証人を喚問してその証言を聴取いたすことに決定いたし、本日各位の御出頭をお願いいたしましたところ、御多忙中のところ遠路わざわざ御出頭下さいまして、厚く御礼を申上げます。只今から証言をお聞きするのでございますが、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律により、証人各位宣誓をお願いいたすことになつております。  宣誓に入ります前に証人に御注意申上げます。若し虚偽の証言を陳述したときは、議院における証人宣誓及びて、三カ月以上十年以下の懲役に処する罰則があり、又、正当の理由なく宣誓苦しくは証言を拒んだときは、同法第七条によりまして、一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつております。この点、御注意を申上げておきます。但し民事訴訟法第二百八十条(第三号の場合を除く。)及び第二百八十一条(第一項第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むことができます。これもあわせて御注意申上げておきます。念のために先ず民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。  第二百八十条 証言カ証人ハ左ニ掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰招ク虞アル事項ニ関スルトキハ証人ハ証言拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱ニ帰スヘキ事項ニ関スルトキ亦同シ   一 証人配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等親族関係アリタル者   二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者  次に民事訴訟法第二百八十一条の該当部分を朗読いたします。  第二群八十一条 左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言拒ムコトヲ得   二 医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教又ハ祷祀ノ職二在ル者ハ此等職ニリタル者カ職務知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問受クルトキ   前項ノ規定ハ証人カ黙秘義務免セラレタル場合ニハ之ヲ適用セス  以上であります。  宣誓の順序はお手許に配付してありまする証人名簿の順にお願いいたします。総員起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人 水上 毅  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人 吉田金次郎  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人 福田 知子  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います     証人 北小路 昂  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人 立川 文彦良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人 野路井 孝  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います     証人 池田 正太郎  宣誓書良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。     証人福原 達朗
  5. 川村松助

    委員長川村松助君) 御着席願います。  証言の内容については、証人各位には、参議院議長からすでに送付してあります証人出頭を求める通知と、それに添付した件、即ち文部省から提出した資料偏向教育事例について御証言をお願いいたします。本日は多数証人の御出頭をお願いいたしておりますので、時間の関係もあり、証言時間は大体お一人八分以内で御証言願います。  なお各委員に申上けますが、証人のかたに対する御質疑は、証人各位証言が全部終りましてからのち、お手許に配付してあります時間の範囲内においてお願いいたします。それでは……。
  6. 須藤五郎

    須藤五郎君 議事進行について……。私はこの際、委員長に一点御配慮なお願いしておきたい点があるのてす。そもそもこの問題は、政府出所を明らかにしないという点から大勢の証人を呼ばなければならない事態に立至つたので、本日遠くからたくさんのかたに来て頂いたわけでありますが、さてこの審議に当りまして、今拝見いたしますと、時間の制限がある、即ち旭丘の問題に関して、又、大将軍の問題に関して、各一件ごと委員に対する割当に約四分から四分半しかないわけです。而もそれは質問と答弁と両方入れた時間でありまして、この四分半ぐらい間に果して審議が十分明らかにされるかということは、これは到底困難なことだと思うんです。そういたしますると、この証人喚問というものが結果的に見ますると、非常に形式的になつて、実際には真実を明らかにすることができないうちにこれが終つてしまうのではないかという懸念があるわけであります。理事会におきまして、こう時間が止むを得ずされたということに対しまして、私は今、因縁をつけたり、横車を押す気持はないのでありますが、併し国民が大きな関心をもつてこの委員会の成果を見ておりまするときに、このような不十分な時間の割当で果して国民自体が承知するかどうかという点、私は大きな疑念を持つのであります。恐らく国民は、国会がこの重大な証人喚問に当つて、僅かの時間しか当てず、而も十分にしないままに終る、このことに関しまして大きな不満を持つたろうということを私は直れるものであります。その点、委員長におきましてもよく留意されまして、午後五時半までときまつておるこの委員会を、九時でも十時でもいいから延長するとか、又、二日間の日にちを四日にするとか、いろいろな方法も今後とられることだと思いますので、その点、一応御配慮を私はお願いし、そうして十分にこれが審議されることを、私は希望するわけであります。なお時間の点におきましても、四分とか四分半というような、そういうせちがらいことを言わず、委員長におきまして十分御配慮下さることを私はこの際お願いいたしておきまして、この時間の割当の一応皆さんの理事合会における御努力に対しまして、一応認めて、そうして、審議に入りたいと思います。
  7. 川村松助

    委員長川村松助君) 水上さん御発言を願います。
  8. 水上毅

    証人水上毅君) 旭丘中学における偏向教育の実態につきましては、旭丘中学における偏向教育は、組織的、計画的に行われております。このことは、同校の山本正行教諭が本年一月下旬、静岡の日教組教育研究大会で「平和教育を守る旭丘中学校の闘い」と、こういう研究書を発表しておるのでありますが、これは旭丘中学校教員組合班員八名によつて作成され、同研究会の第八分科会において発表されたものであります。その報告書の中に明瞭に、旭丘中学では学校階級闘争の場とすると明言し、次のような手段がとられております。   一、「学校組合管理学校とするために校長の職責を否定する」と題して、  『「彼(尖鋭分子T教諭)がやめなければ俺がやめる」とまで言つた校長もついに撤回し、市教委に彼の留任を願い出た。このことは重大な意味を持つている。それは今や完全に「旭丘中学では職制か無意と化し、校長も又自らの階級的立場を自覚しはじめたということである。これは非常な進歩であり、完全に教員に自信をもたらした。以後市教委旭丘を弾圧するときは校長を含めてやるようになり、私たち校長を先頭に闘うようになつたのである。市教委から更に高山・古田につながる反動勢力出先機関である校長という権力は、その後いろいろな変転を見せつつも明らかに崩壊しはじめた。この間における本校校長の苦悩は実に大きいものがあつたと思う。そして今もなお時に反動勢力に引きずられそうにはなるが、そのたびに班員からおごる批判により、校長は今や全市屈指民主的校長と言われるまでに至つたのである。  と、同報告書の九ページから十ぺ一ジにかけて述べております。  従つて校長職員会議において全然発言権を持つておりません。なお職員校長生徒の前で侮辱することを何とも思つておらない、ひげがあるから偉いというようなものではない、というようなことを申しております。そのことは、私が発表したしました旭丘中学教育問題に関する声明書、これは私どもが、この一月二十日に発表しました声明書にも詳しく述べてありますあとでお手許へ差上げます。  この校長が昨年夏辞職しようとしたときに、職員校長退職勧告反対署名運動を行なつております。その実情山本報告書十七ページにかく述べております。   「校長は又健康を害していたし、学校が焼けた責任もあり、教員校長に対する協力も不十分だつたため」云々としておる。  なお次に、第二番目には、「PTAをいわゆる民主勢力で固める。」という題目の下に、報告書ではかく述べております。いわゆる「民主的PTAの誕生、教員努力実を結ぶ。その後PTA役員も初めて立候補制を採用し、民主的な父兄が多数PTA役員となり、ぐんぐん旭丘教育を維持し、積極的に協力しているので、非常に闘いやすくなり、効果も迅速になつたこと事実である。」このPTAとは何ぞ。これは洛北民主協議会というのを、ここに列席の北小路教頭を初めとする旭丘中学におけるいわゆる革新分子なるものが働き、なおここにおいでになる吉田氏が、我々の聞く範囲においては日本共産党洛北細胞における有力メムバーであると承わつております。こういうような方々を動員して、いわゆる民主的なPTAを作成して、そうして職員班員と一体となつて活動を続けて来たのであります。だから昭和二十八年度においては学校側で選定した父兄役員に立候補させ、無競争で当選させております。それ以後急に行動が露骨化しております。併しPTAを民主化したと言つても、実は幹部をその陣営で占めたというに過ぎないのであつて偏向教育が問題化してから学校側は今までの失敗を次のように反省しております。これは山本報告書」三十三ぺ一ジにかく申しております。「PTAを殆んど完全に民主化さしていなから、それで安心してしまつて、下部の父兄大衆を常に啓蒙して行くことを怠つていたことにより父兄に確信を持たせていなかつた随つて現在PTA会長は静観の態度をとつて問題から逃げようとして居り、之に対して父兄一般の要望によるPTA総会をもつ動きが制限されている。」と山本報告書」に載つております。この反省によつて階級闘争指導者を以て任ずる先生たちは、遅れている父兄大衆啓蒙運動に乗出した。PTA協力ということは、旭丘中学先生たちにあつては、父兄をいわゆる民主的方向に啓蒙するということなのであります。  三、学外のいわゆる民主団体と提携して日常闘争努力しております。それは報告書に、次のように述べております。「更に広い父兄との協力の為に「洛北民主協議会」をつくる」「この洛民協の結成が殆んど旭丘民主勢力の積極的な働き」かけで出来たものである事を考えてみる時、まるで雪だるまの様に私達の民主勢力が伸びている事を確認するのである。」「私達はすぐにうまく機会を捉えた。それは反動勢力政治の貧困が引き起した水害である。私達は積極的に地域の諸団体に対し訴え、暫時の間に地域労働組合その他との間に水害救援組織をつくり、すぐに募金運動を行つた。」「旭丘中心とした民主勢力の結集」、広くは労農携帯による平和運動の推進に役立つものである事を確認し、積極的に参加したのである。この救援運動は、更に現在までの、旭丘からは九州、和歌山、南山城にそれぞれ救援隊として参加し、一方、内灘にも参加する者が出る等、実にエネルギツシユな活動を見せたのである。」と同十六ページに述べております。  四、特定の生徒を指導して生徒会をリードさせ、生徒自主的行動なりという美名に隠れて生徒政治活動に導入しております。これも山本報告書に」次のように述べております。「校舎建設対策委員会生徒を参加させ、生徒の口から保安隊の費用で鉄筋コンクリート校舎が幾つも建つと言わせている。この対策委員会構成単位として生徒が対等に認められ、然も生徒こそ最も大きな被害者であり、今後の運動中心となるべき人であるという意味参加者の圧倒的大多数から激しい拍手で以て認められた事は、新らしい教育、更には日本平和教育の前途に輝かしい希望をかかげた事柄であると思う。」と述べております。
  9. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間であります。
  10. 水上毅

    証人水上毅君) 関西平和祭には生徒資金カンパをとつております。生徒新聞班洛北民主協議会に加入しております。などなど、なおその編集なり、旭丘中学新聞なるものがここにありますが、以上のごとく旭丘中学における偏向教育は長期に亘り組織的且つ計画的に行われて現在に及んでいるのでありますが、その何は何であるかといえば、洛北民主協議会日本共産党洛北細胞のメンバーと同一し、更に外郭団体である京教組と結び、総評と結んで、いわゆる政治活動に現在も子供を動員してストに入ろうという形勢にあります。以上のごとくであります。
  11. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に吉田金次郎君にお願いいたします。
  12. 吉田金次郎

    証人吉田金次郎君) 私は旭丘中学PTA企画委員及び補導部委員であります。旭丘中学PTA会員約一千余名でありまして、本問題が起るまでは、至極円満であり、お母さんたちも、ここの役員会は気軽に意見が述べられて気持がいいと進んで出席されておりました。一部父兄二十名の中には、役員も三名おられますが、今までの役員会及び総会において出席されても、今問題にされているようなことは一度も言つておられません。従つてたち新聞の発表により初めて知つたのであります。昨年十三月十四日校長に対する水上氏ら十数名の回答を求めるビラを朝刊折込みで知りまして、当夜体育館に私は行きました。一般父兄も、生徒同伴のかたも入れまして約三百名ほど集まつておられる中で、校長旭丘中学教育の正しさを具体的に説明されました。水上氏は回答後直ちに立たれたので、私はPTA役員として正式に話合いたいと申入れ、又一般父兄のかたも是非話合つて頂きたいと要請されましたが、水上氏は私たち只今皆様とお話する気持はありませんと振り切つて帰られた。残された父兄で討議の結果、この問題はPTAで解決してもらいたいと決定いたしました。  なおPTA動きといたしまして、本校は昨年四月、不幸な火災によりまして八教室を失いました。前PTA会長貝原氏によりまして区民大会が開かれ、大会決議により校舎建設対策委員会を設け、地形上、高地のため風雨が強い、水の便が悪い、寒いのに暖房の設備ができない、以上の理由によりまして鉄筋で十六教室建設を申請いたしました。これは市会文教委員会か認められましたが、予算の都合上二時保留となりました。その後、昨年十月区内市会議員藤井氏、平田氏の斡旋によりまして、福原教育委員長は、本年新学期までに鉄筋で八教室を建てる、たから区民大会陳情等当局を刺激すると校舎は建たないといわれた。その直後に水上氏らの一方的な宣伝が活発に行われました。だがPTAとしては、福原教育委員長言明通り校舎を建ててほしいために、積極的に動くことができなかつた、その校舎鉄筋が木造となり、未だ一本の柱も立つていない現状、あります。現PTA会長沢田清次氏は、旭丘教育問題に関し、私及び副会長河瀬とめ氏に対して、本PTA会員千余名であり、そのうち水上氏ら一部十数名の意見であり、当局としても問題とはならないであろうと言明された。その後二月八日より十一日に亘り水上氏ら十五名のかたと、先生方と、PTA会長対策委員長平井氏、PTA役員赤塚氏、村中氏、西村氏、何上五名のかたが話し合おうとされたが、水上氏らは一方的に拒否されたということを、平井氏、赤塚氏、西村氏より聞いています。ところが本問題が文部省における偏向教育事例として国会提出されたのに対し、私たちは驚いたのであります。早速、市の教育委員会に問いましたころ、市川教育委員、及び市川指導部長は、教育委員会として偏向教育と認めていない以上、資料は出していないと名言されました。それで私たち三名は三月十二日文部省に至り、資料出所につき質問しましたところ、それはわかつているが、言えないと申されました。私はこのような重大なる問題を、資料出所も明らかにせず、実情調査も十分されずに国会提出されることは、非民主的であり、民主教育を尊ぶPTA教育委員会存在価値がなくなるのではないかと思います。  旭丘学区内において三月二十九日夜旭丘問題で区民大会が開かれ、約五百人の父兄区民により旭丘中学教育間違つていないと先生支持決議がなされた。又第二回の区民大会は四月八日に行われ、約八百名の父兄区民が集まり、旭丘中学教育を支持する決議がなされた。又三月二十六日の旭丘中学支持署名は一日で八千四十五名集まつています。  事例のうち平和祭の問題は、PTA補導部夏期行事として海に遠い本校生徒を甲子園浜にて一人でも多く楽しむという目的で計画され、企画委員会及び総会の承認を受けています。勿論、参加者は自由であり、非参加者理由を質したりはいたした事実はありません。従つて参加者は在校生約千五百余名に対し約百九十名程度であります。補導部より一万円を補助しましたが、なお行きたくても行けない生徒のため生徒か自主的にお金を集めたことは聞いています。  又、洛北民主協議会とは区内のあらゆる団体及び個人の連絡機関であります。  以上のごとく事例出所は不明確であり、全く間違つた一方的な資料であると思います。只今水上氏から私と日本共産党関係のあるように申されておりましたが、私はこの場において日本共産党と何の関係もないことをはつきりと明言いたします。
  13. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に福田知子さんにお願いいたします。
  14. 福田知子

    証人福田知子君) 私は旭丘中学で二人子供を卒業させまして、今一年生に一人と、それから来年一人やらなくちやならないのです。旭丘中学校はもう五、六年前からそういうふうな傾向がありましたのです。最初私が役員をした頃からそういう懸念があつて、ずつと続いて参りましたのです。それで私は、水上さんは大体の概要をおつしやいましたから、ここに出ておりますこれについて、はつきりとしたこの事例に対することを細かく申上げたいと思います。時間の許す限り……。  その再軍備反対軍事基地反対というようなことを数学の時間や理科の時間にいろいろ子供にお教えになるのです。  その例としましては、数学の時間に子供はとても気分が乱れておりまして、騒がしいのでそれを抑えるために、軍事基地を考えてみたまえ、もつとうるさいのだ。殊更に数学の時間に軍事基地を持ち出さなくてもほかの例はあると思うのです。  それから子供がよく先生が「アカハタ」という新聞を読んでくれると申しますので、本当かしらんと思つて心配しおりましたところ、たまたま十一月の十四日でしたか、懇談会がございまして、父兄とそれから子供先生と懇談するホームルームのようなものでございましたが、私、行きましたところ議題が黒板にたくさん出ておりまして、その中でクラス会費を集めたいと、子供が言うのです。それで、どうしてクラス会費が、要るのかと言いましたところ、遊ぶ遊具も何もないし、それから体操時間にトレーニングパンツがないと閻魔帳につけられる。忘れた人のために、ない人のためにクラスに二つ、三つ備えておきたい。教室に花も飾りたい。それはいいことだが、お金はどうして集めるかと言いましたら、担任の先生が立ち上つてこの学校義務教育である。義務教育費というのは政府が負担するものである。それにもかかわらず、この学校では百円という諸費をとつている。その上にまた十円、二十円というお金をとるということは、これは明らかに憲法違反であるからといつて、やめさしてしまわれたのです。その時「アカハタ」という新聞に夜学生のことが出ておりまして、その新聞をぎりぎり巻きまして、それを振りながら、夜学生を考えてみろ、昼間働いて夜勉強するんだ、遊ぶ道具なんということは考えられないんだという例をお引きになつた。  それから授業の前後に再軍備反対、再軍備反対というふうに称えさせられました。それは二十七年の一年生の五組でおつしやつたのですけれども、この事件が勃発してから現在の一年五組に、僕はそんなことろ言わないだろうというようなことを言われまして、私たちは二十七年の一年五組のことを言つておりますのに、現在の一年五組の子供に対し、文部委員が来たらそういうふうに答えろ、私は言わないからといつて、現在の一年五組に対してはそういうふうなやり方をなさる。  それから映画では、これは全部文部省から許された映画ではありますけれども、殊更にこういうふうに子供が余り見ても感心しないような映画ばかり集めるということはどうかと思つております。  それから文化祭でも、白鳩劇団というのがありまして、内灘の問題を持出してさせている。その時でも労働歌などか歌つている。これが私たちお腹を痛めて生んだ子供に、こんなまだ未熟なこの子供たちの能力に即応しない教育が行われておると、がつかりいたしました。  それから親への反抗ということですけれども、先生が、親の頭は古い、学校で教わつて来たことを子供が家へ帰つて申します。そうすると親は、何ということを先生言うのだ、親は、先生の言うことは尤もだ、立派なことだといつてやりたいのですけれども、それが親は、何というひどいことを言うのだ、というようなことを教わつて来るわけです。例えばそれはどういうことかといいますと、皇太子は我々の税金で外遊して来た、「すかんとおもわんけ」というようなことを言われた。それから六、七百万円くらいの自動車を買いやがつた、そういうようなことを聞きますと、親は何ということを言うのだと、つい言いたくなる。それから又、時には家庭の団欒を潰して家庭の夫婦喧嘩の因にもなるというような事情なのであります。  それから親はまあ学校に感謝して、信頼して、納得の行く教育をしてほしいのであつて子供に責任を感じておりますのですから……、この旭丘先生は三十年先の子供教育をしているとおつしやる。親は子供を一生死ぬまで考えているつもりなんですけれども、大多数の良識ある父兄が納得して支持する教育をして頂きたいと私たち思うばかりに、この問題を持ち上げまして、学校のほうの校長先生に、静かに、この学校の今の教育間違つていないかと申上げたのですけれども、そうして自重して、ただ校長回答を求めようと思つておりましたにもかかわらず、学校側のほうで、どこから出したのか知りませんが、父兄の一部というような逆効果を狙つたようなビラが出て、その趣旨はさつき申上げたような声明書に出ております。  それから子供水害募金をやらせている。水害は天災ではない、政府の怠慢からだというようなことを言つて、ビラを撒かしている。  それから政府を攻撃することがとても甚だしくて、まだいつの時代でも私は人間を作るということにおいては同じだと思う。人間の道、道徳、人道というものは変りはないと思うのですけれども、子供に、まだ未熟なそういう政府を攻撃するということまで、わからない子供に、東京に修学旅行に行く時なんかは、東京駅の説明を、「珍らしくも封建政治が堂々と行われている日本の心臓部大東京」とか東京中央郵便局、「ここから例のブリゲート艦を貸してもらうために省いた有名な吉田書簡を出されたのであります」、これは東京見物ではありませんが、先生方がバスの中でトンコ節を歌つておる。その文句は吉田首相の雁首を切り落せというのです。これをうちの子供が裏の庭で歌つているのを聞きまして、私はびつくりいたしました。  それから授業なんかよく放棄されまして、疲れているからとか、気が乱れているとか、こう言つて……。水害についても政府は金の使い方が悪いのだというようなことを教えております。京大の荒神橋事件なんか、数学の時間に疲れているからといつて先生が黒板にインターや労働歌というものを書いて、写しなさいと言つて教室の後のほうには、そういう歌を書いたビラが張つてつて、この事件の勃発後、はがされたそうであります。  で、この問題自身は、私たち水上さん以下父兄真実をよく知つておりますし、又学校の一部の備つた方々もよく知つているはずですし、一般の人が言つていらつしやることをそのまま受取つては、これは真実を欠くということを、よく覚えて頂きたいと思います。そうしてどんな圧力がかかろうとも、私たちはこの学校は確かに偏つているということを飽くまでも明言してやみません。
  15. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に北小路君に御証言をお願いいたします。
  16. 北小路昂

    証人北小路昂君) 本校事例を解釈して頂く上に重要な参考として頂きたいと思いますので、最初に本校実情について申述べます。  先ず校舎について。昨年度の初めは教室が足りませんでしたので、三十六学級を三十二学級に減したのでありますが、その後四月二十九日に火災により八学級を失いましたので、更に三十学級に減らされ、学校中の全部の教室を普通教室に転用したのであります。そのために一年生の生徒は一学級平均六十五名を詰め込まれ、全校千七百名の生徒が実験のない理科や、ピアノのない音楽、ミシンのない洋裁、図書館の活用できない自修など、不自由な勉強を続けて、運動場の広さも、必要なる広さの五分の一で、発育盛りの生徒が活濃な運動もできず、昨年九月に体育館が完成するまでは、雨の日には体操もできなかつたのであります。四十八名の教員職員室を生徒に譲り、校長室を休憩室として、廊下に机を並べていましたので、学校では十分な仕事ができなかつたのであります。市の指導主事も、これはひどい、何とかしなくては生徒が可哀そうだと言つていました。教員父兄一体の努力によりまして、七月にやつと八教室建つことになりましたが、本校教育はこの困難せる環境の中で進められて来たものであります。  次に本校教育について申述べます。申すまでもなく、日本国憲法と教育基本法に則つて、どんな戦争も絶対になくて、世界の人々がみんな仲良く、文化的な幸福な生活のできる世の中を作ることに全力を尽す国民に育て上げることに努めて来たのでございます。  昨年十二月、本校教育に偏向問題が起りました際、学校長教育方針の正しいことを声明し、生徒、卒業生も、自分たちが受けた教育間違つていないことを世に訴えました。父兄は挙つて学校を支持して来たのであります。市の教育長や指導部長も、去る三月衆議院文部委員会の現地調査団に対して、本校教育方針は正しいことを言明しております。これよりさき教育長が本校に対して勧告したのでありますが、教育方針は正しいと認めるが、その運営の方法において適切でない点があるから改善するようにということでありました。学校としてはその趣旨を素面に受取り、その後よく研究して、その趣旨に副うように努力いたしております。  次に、本校教育の評価について申述べます。先ほど申述べました本校実情の上に立つて、全般的に広くそして深く長年に亘つてその効果を見て頂きたいのであります。僅か一年か一年半くらいの断片的な不確かな資料の中から、自分たちの意に副うものだけを取集め、これを以て学校教育を全般的に評価し、断定する材料として頂くことは甚だ迷惑であります。昨年十二月初めに、今回の問題が起りましたとき一番心を痛めたことは、子供の将来のこと、差当つて卒業時期を直前に控えた三年生の就職と進学のことでありました。併し輿論は学校を絶対に支持いたしまして、就職は例年より早く完全に採用され、進学希望者はそれぞれ進学できたのでありまして、このことは過去の卒業生が職場において学校において信用を得ておることを本校教育が各方面に正しく評価されておつたことによるものと思うのであります。  次に、偏向事例について申述べます。  二事件の概要の中の「十四日前に……父兄誹謗の態度に出たので」のそこまでについて、父兄に対抗することを指導した事実はありません。又父兄誹謗の態度に出た事実もありません。  再軍備反対軍事基地反対の1について。授業時間に教材に即してこういう話をしたという先生がありましたが、平和運動の話をしたという先生はありません。「アカハタ」を読んで教えたという事実も聞いておりません。授業の前後に再軍備反対を高唱させた事実も聞いておりません。  2について。これらの映画とほかに、「シンデレラ姫」「世紀の祭典」などを鑑賞したことは事実であります。いずれも文部省推薦映画を選んだと聞いております。映画鑑賞は授業の一環として、その前後に指導を行い、ときには感想文を書かせたこともありますが、行かなかつた生徒に書かせたということは聞いておりません。  3について。本校生徒の中に石川県知事の甥がおります。昨年の夏休みに叔父さんから内灘の話を聞いて帰り、これを文化祭の劇として発表したものであります。その主旨は、生活のために大変困つておる村人たちを気の毒に思つて、これに同情したものであります。  皇室誹謗について。そこに言われてあるような意味のことを言つたが、皇室誹謗のつもりでなく、税金がどんなことに使われておるかの一つとして話したということであります。  親への反抗について。こういうことを言つた先生はありません。  政府攻撃について。校長の許可を得て水害見舞に行つた先生が帰つてから、生徒が話して下さいと言つたので、現地の気の毒な様子と治水事業にみなもつと力を入れなければならないということな話したということであります。生徒は災難にかかつた人々を助けようとして、自分たちで相談し、日曜日にビラを作つて街頭募金に出たのであります。  デモ、労働歌のその他について。直接に参加した生徒のあつたこと、賞讃したことは、いずれも聞いておりません。  2について。それは夏の体操の時間のあと、疲れて授業に入れる気分でなかつたので、休憩時間を十分間延長して生徒と一緒にそれらの歌を唱い、気分が落ちついてから授業を開始したというように聞いております。  3について。昨年の亘夏全関西平和祭が大阪で開かれたときに、PTAの主催で希望者約百五十名が、区民と一緒に自由に参加しております。行かなかつた者に理由を質したということは聞いておりません。生徒が資金力ンパを集めたことは聞いておりますが、金を出させたということは、聞いておりません。  4について。洛民協の人から証言があります通りの会合でありまして、決して左翼団体でも何でもありません。生徒会新聞部は取材のためにときどき出席したものであります。  なお、できますれば学校の現地へ来て頂き、実情をよく見て頂いて、その上で更に考えて頂きたいと思います。
  17. 川村松助

    委員長川村松助君) この機会に一言お諮りいたします。水上君から旭丘中学における偏向教育の実態のプリントと旭丘中学教育問題に関する声明書の、パンフレツトを各委員に配付して頂きたいというお申出がございます。これを各委員に配付することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 相馬助治

    ○相馬助治君 勿論それは異議ございませんし、今後にわたつても、責任を以つて証人が配付するようなものはお諮りにならず成るべく早く我々の机上に配つてほしいと思います。付加えて申上げておきます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  19. 高田なほ子

    高田なほ子君 それは結構でありますが、伺つておりますと、やつぱり意見が二つあるようでございますが、一方のほうの資料だけが配られて、一方の資料が、御用意して来られないかたは誠にお気の毒に思いますが、こういうもののお取扱いはどういうふうになさるおつもりでありますか、それを伺いたいと思います。
  20. 須藤五郎

    須藤五郎君 資料をどんどん配布を受けることは一向差支えないと思うのですが、その資料な受けたほうが、信憑性審議する方法をこの四分かそこらの時間で如何にするかという点です。その点が非常に問題になつて来ると思うのです。その辺な委員長はどういうふうにお考えになつておりますか。
  21. 川村松助

    委員長川村松助君) やはり用意して来られたかたのものを配布するのは正しいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  22. 須藤五郎

    須藤五郎君 配付は拒否いたしません。ただそれの信憑性を如何に審議するかという問題です。
  23. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないようでありますから、只今直ちに配付いたします。なお、今後も御用意のかたがあれば全部配付いたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  これを以て旭丘中学校関係証人のかたの証言は終りました。各委員のかたで御質疑のおありのかたは御質疑を願います。なければ証人のほうから発言を求められておりますが、許可して御異議ありませんか……。
  24. 永井純一郎

    永井純一郎君 私はちよつと水上さんと福田さんですか、ちよつとお尋ねしたいのですが、水上さんと福田さんは、福田さんの場合は御主人が、何か政党関係関係がおありなのかということを聞きたいと思います。
  25. 水上毅

    証人水上毅君) 全然ございません。
  26. 永井純一郎

    永井純一郎君 福田さんのほうは御主人が何か政党関係のほうは……。
  27. 福田知子

    証人福田知子君) ございません。
  28. 須藤五郎

    須藤五郎君 水上君にちよつとお伺いしますが、政党関係はない……、あなたは又元小学校長をやつていらして、戦時中翼壮関係の仕事をしていらした。翼壮関係の少壮教授団を組織して、それから徴用工などの教官をして、そのために戦後追放にあつていらしたということが言われているのでございますが、これに事実でございますかどうですか。
  29. 水上毅

    証人水上毅君) お答えいたします。翼壮関係は全然ございません。それから軍需工場に行つてつたこともございません。追放を受けたことは事実でございます。
  30. 須藤五郎

    須藤五郎君 何のために追放を受けたのですか。
  31. 水上毅

    証人水上毅君) 戦前に関係いたしておりましたことを申上げます。青年教師団の委員長をいたしてておりました。京都市の翼賛会協力命の議員をいたしておりました。その理由が、超国家主義的であつたというために追放になりました。以上であります。
  32. 須藤五郎

    須藤五郎君 先ほど水上君の発言を聞いておりますと、それを裏書きするごとき発言が多々なされたと思うのでありますが、平和教育に関する旭丘の闘いということを非常に強く主張されて、何か平和教育というものが偏向教育であるかのごとく説明していらしたと思うのですが、平和教育は憲法においてちやんと明らかにされておる。日本は平和を守らなければならん国であるということが明らかにされている。そうして平和教育をするということは教育基本法の精神でもあると思うんですが、その学校先生だちが児童を戦争にやらないために、再び戦争を起さないために、平和教育をやるということが、どうして偏向教育という認定になるのか、その点を伺いたい。
  33. 水上毅

    証人水上毅君) 只今おつしやる通りでありまして、平和教育そのものについては私どもは全然異論ございませんが、その現われている現われ方が最前申しましたように、政色を帯びた現われ方があるので心配をいたしているのです。
  34. 須藤五郎

    須藤五郎君 私は平和教育に三つはないと思います。平和というのは一つだと思うが、その現われ方という表現をとられておりますが、受取り方ということも考えねばならないのではないか。あなたが戦時中関係していらしつたいろいろなお仕事から、やはり戦後追放されていらしつたような立場から、その学校先生の素直なる平和教育があなたの鏡に照らされて、非常に受取り方がおかしく受取られて、ゆがめられた形で受取られているんではないかというふうに、私たちは凝念を持つのですが、その点如何でございますか、どういうふうに平和教育が二通りあるというようにお考えですか。
  35. 水上毅

    証人水上毅君) 私は今申上げましたように、平和教育そのものについては異論ございません、現われている子供の姿において私どもは心配をいたしました。只今配付いたしましたこれを詳細御覧頂きますれば我々の心配……それ以外は皆さんの御批判に待ちたいと思います。
  36. 須藤五郎

    須藤五郎君 今これを配られたといつても、これを今読んでいるわけに行かない。そうして、後刻読んでみてこれに対する疑念が生じた場合には、再び水上君の出頭を求めてこれに対する質問ができるかどうか。それについて私は先ほどそういう疑念を表明したのですが、そういうことを私たち言われたつて何の役にも立たない。今おつしやつておられる言葉の上で、私はあなたに質問をしているのですが、あなたは平和教育学校先生がした、その結果、こういう形が現われているのですか。その点をもう一点伺いたい。子供がどういうことをしているのですか、平和教育に関して。
  37. 水上毅

    証人水上毅君) その実情につきましては福田さんがよく知つておりますから……。
  38. 須藤五郎

    須藤五郎君 あなたが発言した以上、説明しなければ駄目です、
  39. 水上毅

    証人水上毅君) そういうことが許されるならば……。
  40. 須藤五郎

    須藤五郎君 私はあなたに発言を要求しております。
  41. 水上毅

    証人水上毅君) それではその姿につきまして、生徒が発行いたしております旭丘新聞というのがございます。その中にいろいろと記事が載つておりますが、例えば朝鮮休戦特集号というような、これは七月十五日発行であります。題目だけを申しますと……。
  42. 須藤五郎

    須藤五郎君 時間がないから簡単にやつて下さい。
  43. 水上毅

    証人水上毅君) 「朝鮮の休戦を機に世界平和を!!」或いは「フリゲート艦を見て」「自由と平等を愛し世界平和を」「平和産業にきりかえろ!」「朝鮮の二の舞をふむな!!」「九州の人々を救おう」云々という題目の中に、一つお聞き願いたいと思いますのは、「九州の人々を救おう」という中に「それらは全て政府の責任である。というのは、毎年六月頃にはよく雨が降る。それは自然の現象だから仕方がない。政府はそれら水がでた場合のことなどを考え、そのための対策をねらなければならぬ。」云々、「ですから、政府を責めると共に、一刻も早く、私たちの同胞を救おうではありませんか!」、この事は誠に結構な記事でありますが、但し中学の生徒においてこういうことを教室の場に持つて行かれるようなことが、他においてまだありますが、なお次に……。
  44. 須藤五郎

    須藤五郎君 私の質問はまだありますので、その一例で結構です。
  45. 水上毅

    証人水上毅君) もう一つお聞き下さい。九月十九日に東京旅行をいたしたのでありますが、その新聞が東京旅行へ行く汽車中に生徒に配られました。「東京バス案内」としてこういうような解説があり、一部読まして頂きます。「大根役者の議会座」、「坂を登りますとここが有名な国会議事堂でございます」、「当時軍艦一隻分もの巨費をついやし、一七年がかりで出来上つたものでございまあす」「中味は、田舎廻りの大根役名や博ちうち共が集まつて恥かしいような漫才や茶番劇をやつています。この間座頭が『バカヤロー』とど嶋つたことがもとで、一座は解散しましたが、再び旗上げ興行が行われることになり、この間中の馬鹿囃やふれ太鼓によつて、きまつた一座を以て、相変らずの漫才やストリツプが演ぜられることでございましよう」云々。更に「オリの中で議会」というところを読ませて頂きます。「皆さん、ここが上野公園でございます。」「さつき御案内申上げた国会議事堂に集まる議員さん達を、この動物園のオリの中に全部収容して、皆様方の見物に供しようという国民運動が目下着々と進められ、近くそれの実行委員会が開かれる予定でございますが、自由党鳩山派はイタチのオリ、吉田派がブタのオリ、改進党は熊のオリ、右派社会党はコウモリのオリ、左派は全部猿が島収容、労農党はペンギンのオリ、共産党が北極熊のいるところ、とまあこういつたあんばいでございます。」そうしてずつと書いてあります。
  46. 須藤五郎

    須藤五郎君 わかりましたもうよろしい。
  47. 水上毅

    証人水上毅君) こういうふうな現われ方を私どもは心配いたしております。以上であります。
  48. 須藤五郎

    須藤五郎君 そういう漫談的な冗談音楽のようなものを以つてむきになつて問題にする点もおかしいと思いますが、第一その九州の水害の問題、これは事実です。九州に調査に行けば雨の多いということも事実ですが、併し工事を放つておいたということも事実で、すから、何もそれは政府を誹誇したことでもないだろうし、ただ政治のあり方を批判しているということだけであつて、要するに偏向教育の云々といつて取上げて問題にすべきほどのものでもないと思うのです。やはり私はあなたの取上げ方自体に問題があると思うのです。それは明らかにあなたの経歴が示していると思うのですが……。
  49. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間が経過するとあとに影響されると思いますから……。
  50. 須藤五郎

    須藤五郎君 ですからものを取上げるときには正しく私は取上げて頂きたいと思います。
  51. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 私福田さんに対しまして、お母様にお伺いしたいと思うのですが、私も二人の子を持つた母親でございます。しよつちゆう私も子供にお母さんの頭は古い古いということを絶えず言われるのでございますけれども、これは私世代の相違だと思いまして、やはり十分母親としても考えなければならない大事なところだと思つております。そこで私たちはどうしても過去何十年来かに受けました日本の、本当に悪い意味でのでございますが、  の封建遣制の中に閉込められて受けて来た教育が絶対にいいものとも思つておりませんけれども、そうしたことが根強く骨の髄まで滲通つておりますために、ともすれば今の時代の若い者たちの考えかたとずれを生じて来るということは確かだろうと思つておりまというものの方針についても、その教育の実態についても御不満な点もおありになると思いまして、重々お察しはれどもついでに……。それからこの聴視覚教育ということは非常に大事な問題で、映画でも文部省推薦の「ひめゆりの塔」とか、「ひろしま」とか、「原爆の子」というような、こういつたものを子供に見せることがとやかくという御批判でもございましたけれども、私はこういうような映画こそ子供を初め日本中の人たち、そうして世界中の人に見せなければならない映画だと思つております。又広島、長崎に原爆が落ちましてから丁度七年間くらいの間は私も知りませんでした、日本人の私でさえもそれが長い間知ることができないようにされておりまして、この頃やつとそれが私ども一般に認識することができるようになつたのです。けれどもこのことは日本人だけで、やつと外国の人たちにもビキニの水爆が落ちてから関心を持たれるようになつたのですが、本当のその実態というものはまだ徹底して見てもらつていないように私は思うのです。ですからもう平和を守るためにも、こういつたような映画を十分世界中の人に見せるということが本当に私正しい教育だと思つておるのです。そういうような観点から随分ずれておるように私は思うのですがね。お母さんの率直な御意見をちよつと伺わして頂きたいと思います。
  52. 福田知子

    証人福田知子君) 私たち母親は今の時代に副わない子供に対する観念は持つていないつもりであります。恐らく或る程度の良識を持つた母さんたちでございまして、PTAなども一般の父兄、母親たちPTAに顔をろくに出さないとか何とかおつしやつていらつしやいますけれども、私たちが言いますのは、学校子供たちがどういう教育を受けているかということを見に行くのでありますから、PTA校長先先や先生にお上手をしに行くのではございません。それで子供教育がどういうふうに現われておるか、そうして子供の将来を考えて教育しておるのでございまして、私思いますのに、いつの世の中でも世の中がいろいろとすぐ明日にも変るかも知れません。原子爆弾か落ちて来るかもわからない世の中でございますけれども、いつの世の中でも人の道は変らないと思うのでございます。子供が平和に暮すために、人間の真の平和を守るために、秩序を守るために、その人通とか、道徳とかいりものは、絶対に変るものじやないと思うのであります。それを今の中学校時代の子供には是非教えて頂きたいと思うのです。私自身も女の子を二人持つております。一番上の子は大学にやりましたけれども、やはりお嫁にやるということも考えますし、家庭生活ということも考えます。それに対して旭丘で受けた教育というものはこれは本当に家庭では役に……、それは現在私は京都におりますので、教育がそういうふうに傾いておるのでございます。
  53. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 今お母様のおつしやいましたこともよくわかるのでございますけれども、今の子供たちと私ども母親……。
  54. 川村松助

    委員長川村松助君) 長谷部君、宿題になつておる問題に対しましての御質疑ですから、御意見の交換はあとにして下さい。
  55. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 もう時間がないのですか。
  56. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間はまだあります。
  57. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 で、このいろいろな例を伺わして頂いて、お母様のおつしやるのは私はやはり御自分のお受けになつた時代の教育というものが最上のものであるというような観念に立つて御批判をなさつていらつしやるというように絶えず……。
  58. 福田知子

    証人福田知子君) 絶対にそんなことはございません。
  59. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 絶えず思うのでございますけれども、それではもう一遍お伺いいたしますけれども、先生が親の頭は古いとおつしやいましたときに、お母様はどうお思いになりますか。
  60. 福田知子

    証人福田知子君) それは古い親もあるかも存じませんですけれども、大体そういうふうに先生があの学校では教育していられるのでございます。
  61. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 それでは、私の子供なんですけれども、やはりこの間も寺小屋という劇を見せたのですけれども、ずつと見ておりましたあとで、私が子供に聞きましたときに、あの結果を人権蹟獺だと申したのです。昔の子供には、私どもが子供の時代には大君のために命を捨てるということ、それが最大の愛国心であり、親のために自分の命を捨てるということが最上の親孝行であつたということが、今の子供はやはり人権蹂躙だと思つている……。
  62. 福田知子

    証人福田知子君) そんなことは当り前だと私は思いますけれどもね。その時代々々に教育がされておる。(須藤五郎君「発言をもつと秩序立てて、長谷部君がまだ質問中だから」と述ぶ)
  63. 川村松助

    委員長川村松助君) 長谷部君が発言途中ですから。
  64. 福田知子

    証人福田知子君) 先生方が簡単に割りきつて教えるということが私は恐しいことだと思うのです。
  65. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 それは私は時代の問題だと思うのです。
  66. 福田知子

    証人福田知子君) ですから、こういう世の中ですから中学校程度の生徒のかたに簡単に割りきつてというようなことは……。
  67. 川村松助

    委員長川村松助君) 長谷部君意見の交換はあとにして頂きたい。(須藤五郎君「討論はやめて下さい」と述ぶ。)
  68. 相馬助治

    ○相馬助治君 私は先ず水上さんに三点ほど伺いたいのですが、この山本報告書というのを私初めて見せて頂いたんですか、水上さんば校長に申入れをされたときには、この報告書は当時御存じでいらつしやつたんですか。
  69. 水上毅

    証人水上毅君) 知りません。
  70. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかりました。  次に、お尋ねしたいと思いますが、得てして、こういうことがあつてはならないのですが、報告書の中には山がかかつている場合もあり得るわけでございます。PTAのあなたですから、正確にそこを把握しているかどうかはまあわからないと思いまするが、この山本報告書というものに現われたような、校長の職制を否定するということが書いてあり、歴んど発言権がないのだと、こういうふうなことがこれにありますが、その事実については校長並びにあなたのお知り合いの職員等を通じて、事態をどのように御認識でございますか、現実の問題として。
  71. 水上毅

    証人水上毅君) 校長職員会はすぐに班会議に切替えられて、そうして教育問題が議せられる。これは北小路教頭も御存じの通りでございます。なお、私どもが十二月の五日に私どもの心配を伺いに参りました。校長はそのときは皆さんのおつしやる心配は全部尤もであるが、職員と諮つてそれに対して十分お答えをしましよう、こういうことでありました。十四日に校長室でお答えをするとこう承つてつたのでありますか、十四日の晩は生徒及び区内の大人、保護者とは申しません、大人であります。更に卒業生、学生、そういうもの百五十名の席で、校長から返答されたのでありますが私どもは逃げて帰つたのでも何でもなく、先生と……。
  72. 相馬助治

    ○相馬助治君 簡単にお願いしたいのです。
  73. 水上毅

    証人水上毅君) 我々が話す場合に、生徒に聞かすべきでないと信じて帰りました。そのときの校長は五日申された態度とすつかり変つて本校教育基本の点云々という全然変つた御返答を頂きました。これは校長意見でなくして、班の意思として決定されております。こういう否定があります。  それからなお更に……
  74. 相馬助治

    ○相馬助治君 質問の要点だけ簡単に。
  75. 川村松助

    委員長川村松助君) 申上けます。簡単に骨子だけ。
  76. 水上毅

    証人水上毅君) それから校長は全然あそこにおいて指導力は持つておらないということ、これは偏原委員長もよく御承知の通りであります。我々のほうの保護者か全部そういうふうに申しておりますし、私も向うの職員からも承わつております。以上であります。
  77. 相馬助治

    ○相馬助治君 旭丘中学校保護者有志代表としてのこの資料を頂戴したんでございまするが、概数といたしまして、この有史というものの含んでおる概念について伺いたいのですが、概略どのくらいの数と水上さん御自身は御判断でこれを出されておりますか。又この資料は、代表という意味からは、何かの会議乃至は集りのところにかけて、この信憑性をお確めになつたんですか。あなたの答弁も私の持ち時間なんですか、簡潔にお願いしたい。
  78. 水上毅

    証人水上毅君) 相馬君及び須藤君に関連してお答えしますが……
  79. 相馬助治

    ○相馬助治君 須藤君のことに関連しないで、私の質問だけに答えて下さい。
  80. 水上毅

    証人水上毅君) 水上の名前になつておりますが、私は保護者有志二名の窓口として私の名前が出ておるだけであります。すべてこの決定は二名が慎重審議いたして、その信憑性は全部ここに資料がございます。証拠は幾らもございます。それに則つてされたものであること、なお更に、私はこの問題をそう大きくすべきでないと初め考えたのでありますが、いよいよこれは問題が大きいというので、我々の同意見の人に当りました。百九十七人であります。なお更に、声なき声の保護者を我々見ております、それは全保護者の八割が声なき声として我々のこのあり方を絶対に信頼してくれておるものであることを申添えておきます。
  81. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかりました。正確に云えば二十人、併し百九十七人の同志的な人を持つと、なお声なき声を聞くと八割と推定される意思を代表しておるという御証言で、その点はわかりました。そこで水上さんに伺いたいのですが、これはPTAの正規の機関等に出して、そうしてこういう一つの偏向しておるということを明確にしようとする御意図があつて、そのような手続きなされたかどうか。したけれども蹴飛はされて止むを得ずこういうふうに有志代表ということになつてPTAそのものを真向から名乗ることができなかつたのかどうか、こういうことについて御意見は要らないので、事実を認定したいので簡潔にお願いしたい。
  82. 水上毅

    証人水上毅君) PTAにはかけてありません。全然今日までPTA総会は持たれておりません。持たれておらない理由は必要とあらば申上げます。
  83. 相馬助治

    ○相馬助治君 これに連関して北小路君にお尋ねいたしますが、全く校長水上君が証言通り発言もされない、これはロボツト的な人でございますか。
  84. 北小路昂

    証人北小路昂君) お答えします。私のところの学校校長何事もよく職員に相談して、職員皆の意見をよく取入れてやつてくれています。決して職員会議で黙つておるとか或いはへつこんで力がなくなつておるとか、そういうことはありません。自分の意見は自分の意見として、校長意見校長意見として堂々と述べて、そして皆とよく相談してやつてくれている、民主的な校長であると思つております。
  85. 相馬助治

    ○相馬助治君 その点はわかりましたが、普通民主時代の校長ということになれば、さもあるべきであると思いますけれども、まあ少しこの山本報告書なるものが事実であり、現実をこれがその通り報告し、この結果が出ているとするならば、私はかなり問題であると思うので、この点お尋ねしたわけで、これは別途私は調査をしてみたいと思います。そこで、吉田君にちよつと伺つておきたいのですが、八割の声を代表しておるという水上君の証言が本当なら、あなたの言つておることはでたらめです。それから大部分の人は偏向教育はないと言つておるけれども、本当であるならば、水上証言はでたらめです。水上論にはなるかも知れませんけれども、八割の人の同調を得ているということに対する吉田君の見解を端的に述べて下さい。
  86. 吉田金次郎

    証人吉田金次郎君) PTA総会を開いていないと言つておられますが、昨年度本事件が起るまで二回総会を開いております。事件が起つてからも一度開いております。その中で私たちはいつも民主的にやつているつもりであります。又私たち指示の問題につきましても、これは書面なりその他ではつきりした事案がございます。その点で考えて頂きたいと思います。
  87. 相馬助治

    ○相馬助治君 最後に私は福田さんに二点お尋ねしたいのですが、福田さんがいろいろ御証言下すつたことの内容は極めて貴重だと思います。それはその取材は福田さん御自身が把握されたことでございますか。それとも水上証言に現われているような八割の声なき声をも代表した極めて特殊な事例ではあるけれども、内包性において極めて客観的に証拠のあるものという意味で申して下すつたのでしようか。又本日の証言については、あなた個人の意見でなくて、PTA会員であるという立場から、PTA会員の中のどなたかと相談されて、そういう代表的な意見と、こういう意味ですか。
  88. 福田知子

    証人福田知子君) 勿論代表的という意味でございます。それで私自身認めたこともございます。
  89. 相馬助治

    ○相馬助治君 最後に一点伺いたい。福田さんは御承知かどうかわからないのですが、大達文部大臣そこにいますが、大達さんにこの資料はどこから出たんだと聞いたところが、いろいろ迷惑もあるしするから言いたくないと、こういうことになつているわけなんです。あなたが御記言下さつたことは文部省が報告したこととびしやり合つている。勿論報告してあることにぴしやり合わして証言してくれたのかも知れません。そこでこの出所についてあなた思い当る節でもございますか。
  90. 福田知子

    証人福田知子君) この例は全部証明しろと言つたら、言つた子供なり事実を知つておる方、必ず照会できる、そういうことでない限り私たちは例に挙げておりませんから、あいまいな聞いたことというのは絶対にない。もつとすごいいろいろな例はたくさんあるのですけれども、その中のはつきりしたものしか言つていないのです。それはもう私たちは慎重を期してやつていてもどかしいくらい、もつと例を挙げたいのですけれども、はつきりした証拠がなければ出さないのです、
  91. 相馬助治

    ○相馬助治君 その今の証言も、偶然大達さんの言つていることと一致しているのです。これははつきりしていて、あとはまだ山のようにあるということを文相も申しているのです。
  92. 福田知子

    証人福田知子君) そうです。真実です。
  93. 相馬助治

    ○相馬助治君 それで伺いたいのですが、これらの事実か文部省でこういうふうに把握したことについては、どなたか、あなた乃至はどなたか、積極的に資料を提供されたような事実がございますか。それとも文部省あたりから調査に来たのでそういう資料を持たせて帰したというような事実でございますか。どうしてこれは文部省がつかんだんでしようかということを聞いている。これは嘘か本当かということを私は言つていない。どうしてこういうあなたがおつしやつていることとぴしやり合つている報告書文部省がつかんたのですかということを聞いておる。
  94. 福田知子

    証人福田知子君) それは声明書というものを先に出しておりますから、恐らくそれからだと思います。ここにあります水上さんのそれだと私は思います。
  95. 相馬助治

    ○相馬助治君 そうですが。以上です。
  96. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 私は主として北小路君にお伺いしたいのでございますが、なお今も申します通りに時間がございませんので、私の申しますことに対する的確な事実の御答弁だけを頂けば結構でございます。  それは只今あなたは証言におきまして、市の教育委員会からの勧告書が出た。勧告書は、教育方針については間違いはないが、この具体的な教育の実際について検討した結果、その運営の方法において適切でない点があると認められるのでありますが、この勧告書は衆議院におきまして田中委員から朗読されて、その速記であります。この中をいずれを見ても、市教育委員会教育方針に対して間違いはないと言明されておる点は全然ないのでありますが、それはどういう意味でそういうことが言われたのでありますか、一言御答弁願いたい。
  97. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私のところの学校校長が、衆議院の文部委員の方が現地調査に来られます前日に市のほうへ参りまして、市川指導部長或いはそれから草間指導主事でございますが、会いましたときに、その二人の話によりますと、旭丘教育方針は間違つていないのだ、そういうように思うから調査団が見えた場合にはそういうふうに答えろ、こういうように校長に話しておつたことを、校長が帰つてたちに話してくれたわけであります。
  98. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 実は私はあとの文部委員報告書について、文部委員が行つたときに市教育委員会は何を言つたかということを聞いておるのではございません。この勧告書の中においてそういうことを言われておるというあなたは証言をなさいましたから、それを聞いたのでありますが、その点は一応それでおきます。ただこの勧告書につきましてあなたはこの具体的事実についてそれを認めて、それを着々と改良に努力しておると言われましたが、この勧告書の内容につきましてはもう一遍はつきりお認めになんかどうかを申して頂きたいと思います。
  99. 北小路昂

    証人北小路昂君) その勧告文の中に生徒会新聞部が洛北民主協議会に参加している。それはよろしくないから考えろということがありましたが、そのことは生徒自身が自主的に考えまして、学校に迷惑をかけてはいけないというので、みずからそういうような席に同席しないようにいたしております。それから校舎建設対策委員会生徒が同格の資格を持つてつている。この件につきましては、先ほど吉田さんのほうから証言がありました通りに、建設のための区民大会が開かれたときに、その区民大会において生徒も非常に校舎のことは心配しているのだから入れようではないかということがきまつてつたのでありますが、勧告文の中にそうした大人の問題の中に子供が入ることはどうかと思うかということがありましたので、これも生徒のほうがよく考えて、そういうような見解があるならば学校に迷惑をかけてはいけないから、入らないようにしよう、これはその最初にありました区民大会の折に生徒会の会長のほうからそういうことを申して脱退いたしております。
  100. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 あなたは先ほどこの勧告を受けて、これに従つて努力をしておると概括的に言われましたし、なお又この田中委員報告書には、校長もその事実を認めておるということを書いておりました。私はその内容について今一々の点についてこうだから認めたというような理由を聞こうとは思つておりません。この偏向事例の中にある事例従つて只今福田証人からありましたことについて一応お尋ねしてみたいと思います。  その点は福田証人は「アカハタ」を現実に教室において、使つてつたのを御覧になつたと言つております。ところがあなたは「アカ八タ」を読んで教えておるということは聞いていないという先ほどの御答弁でございます。然るに衆議院の伊藤委員京都に参りました場合に、学校において「アカハタ」を使用しておるということはお認めになつておるということを聞いておりました。なお衆議院報告書の中に野原委員が、この「アカハタ」を授業中読んだのは、京都府のほうの軍事基地反対声明が出ておるからだということを言われております。これは速記録によつて見たのでありますが、これでは明らかに「アカハタ」を教室の中で使用したということはお認めになつている。ただ使用した理由はけかの理由でしたのだということを言つております。ところが教育委員会のほうの勧告文におきましては、この特定の政党又は政治団体の機関紙を使用することについて、はつきりとこれは教育上適当でない、不適当であるということを断定されております。あなたはこの聞いていないということについて、私はあなたの学校は如何にも民主的で、皆さん御相談してやられておるので、恐らくこういうふうに証言をされて、その事実を認めているにもかかわらず、あなたは聞いていないということはあり得ないと私思うのでありますが、前に申されました聞いていないということはどういうことでございましようか、一言……。
  101. 北小路昂

    証人北小路昂君) 学校の諸君の中には勿論思想の自由のために「アカハタ」を読んでいる先生もありますけれども、それを教育のために使つている先生はありません。  それから只今聞いていないというのはどういうことであるかとおつしやいましたが、私は本人から直接それを読んで授業の教材として使つたということは聞いておりません。校長がこの前の調査団にそういう返事をしたということをあとで聞きましたが、校長は自分の順番が済みましてから気が付きまして、そうして調査団の方に、「アカハタ」を教室において使つたということを取消しております。それはどういうことに校長が気が付いたかと申しますと、この事件が起りました当初、市の教育委員会の市川委員さんが学校へお見えになりまして、例えば「アカハタ」を教室で使うというような場合があるとするならば、府の教育委員会が基地撤廃の声明を出したけれども、あの声明書がほかの新聞には載つていなかつた、「アカハタ」だけにしか載つていなかつた、そういう場合に、府の教育委員会が基地撤廃のためにこういう努力をしておるんだということを教えるためには「アカハタ」を使うという場合があるだろうけれども、それはそのときとして万止むを得ないだろうが、それは「アカハタ」そのものを特ち出すのじやなくて、切り抜いて持つてつたほうがいいんじやないかという感想を述べられたものを、校長が事実おつたものと錯覚を起したことがあとでわかつたので、調査団にあとから取消をしておるのでありますけれども、それが速記録に載つていないのであろうかと思うわけであります。
  102. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 只今の点につきましては、福田証人は、これははつきり当分の眼で見たと言われております。又その切り抜いて出せばよかつた校長言つておる半面において、又野原委員が、これは今申しましたようなことで証明されておる以上は、これは一応私どもとしては、現実に教室の中で「アカハタ」を教材に使用すると否とにかかわらず、教室の中で特定政党の機関紙を使用したという事実については、私どもは殆んどこれは疑う余地がないと思います。それを飽くまで聞いていない、又それをそのあとになつて事実を否定したと、こう申されますが、あなたはそれをはつきりと確信を持つて再びイエスかノーか、それだけを申して頂きたいと思います。
  103. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私は直接耳に聞いていないと申したのであります。
  104. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 その判定は私どもがいたすとしまして、次に、映画の問題は一応不当であるという委員会の結論は出ておるのでありまして、少くとも映画を教材として使用する場合において、その選定の方法において適当でなかつたということが勧告に書いてありますが、この点あなたはお認めになりますか。
  105. 北小路昂

    証人北小路昂君) 市の教育委員会の草間指導主事が勧告文を学校へ伝えに参りました節に、教員のほうから質問が出まして、この中に、現在日本として生徒に見せてよいような映画はどんなのがありますかと聞きましたときに、私は映画のことは余り知らんのだということでありまして、それで実際に教育委員会の中で映画のことを専門に研究しておられる方がありますかと質問したわけです。別に市の教育委員会の中で映画を専門に研究している人はないように思うが、そこで教員のほうから、自分たちが考えるのに、今日本の映画の中で本当に安心して生徒に見せてよいような映画はそうないと思う。そういう意味文部省推薦の映画の中から選ぶのがいいと思うので選んだのであるということを話しておつたわけであります。
  106. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 時間がございませんので簡単に申しますが、あなたは文化祭で内灘問題の芝居を生徒にやらしたいということはないので、生徒が自発的にやつたということはあつたということをお認めになつたと思いますが、この教育委員会の勧告書におきまして、如何なる場合といえども、学校内において生徒が自発的にやりましても、その劇とかそういうことにつきましては、これは先生の指導によつて行われるべきものであつて、それを生徒が自発的にやつたからという理由を以て先生の指導に対する責任は逃れられないというようなことが勧告に出ておりますが、あなたはその点どうお考えになりますか。
  107. 北小路昂

    証人北小路昂君) 勿論学校の内部においては、文化祭でやるわけでありますから、生徒が自発的に自分が研究し、出演して自分で練習をやりましても、その前に生徒会の顧問の先生があるわけでありますから、顧問がそういうことをやるということを認めた以上、学校側に責任があるということははつきりしております。
  108. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それでは先ほど水上さんが述べられました山本正行民の静岡の研究大会におきまする発表は、水上民の話によりますと、学校内におきまして八人の委員ができて、これを研究して作つて、そうして静岡において発表されたということを申されましたが、この事実についてあなたはお認めになりますか。
  109. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私は私のところの学校の組合の班といたしましては、班委員会というものがあります。これは班長とか評議員とか、婦人部長、青年部長、文化部長、そういう者で構成しているのでありまして、そこで班会議にかける原案的なものを相談をしておいて班会議にかけるのでありますが、山本先生が日教組へ発表に行く前に、非常に時日が切迫しておりましたので、本当は班会議全部にかけて検討をしなくちやならないのでありますが、そういう関係で班委員会のほうに一任されましたので、班委員会のほうでいろいろ話合いを持つた結果を山本先生が体系付けてこのようにまとめたものであります。
  110. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それではあなたとしてはこの内容につきましては大体お認めになるわけでございますか。
  111. 北小路昂

    証人北小路昂君) 認めます。
  112. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それではあなたは生徒平和祭に参加をしたというのは、水泳とかレクリエーシヨンのために行つたのであつて、たまたま平和祭があつたからそこに寄つたというようなことをおつしやつたと思いますが、山本氏のこれによりますと、はつきりと生徒平和祭に行つたということが、殆んどそれ自体が目的のように掲げてあります。あなたは今平和祭に行かれたというのはレクリエーシヨンのために行つたので、この平和祭に参加のためではないと申されましたが、この山本氏の書かれたものの中には、何ら海水浴に行つたとかそういつたような意味合いのことは書いてありません。私どもはこれを見れば、明らかに平和祭に連れて行つたということが窺われるのでありますが、その点どうお考えになりますか。
  113. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私が申しましたのは、昨年の夏全関西平和祭が大阪で開かれたときに、PTAの主催で希聖者約百五十人が区民と自由に参加しておるということを申したのであります。勿論その催した中に海水浴の行事もありました。或いは又平和祭そのものの会場において歌とか踊りとかそういう余興もありました。で、生徒が海水浴もしたい、或いはそういう歌も聞きたい、踊りも見たいという勿論関心もありましたし、又そういう平和祭であるならば、平和を求める気持から参加したいというので参加しておる気持と、両方あると思います。
  114. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 これはあなたの責任ではございませんが、衆議院におきまする野原氏の報告の中に、平和祭生徒を参加させ、不参加する理由を質し、資金カンパと称して金を出さしたというのは事実無根だとあります。これは恐らく学校がこういうことに参加させたのではなくして、洛北民主協議会の手によつてされた一つの意味ではないかと思いますが、やはり学校がさせなくても洛北民主協議会というものが連れて行つたというふうに私は受取るのでありますが、その民主協議会の主催でありましてもそのときにあなた自身はこのバス七台ですか乗つてつたというときに、あなた自身もそれに同乗されて行つたのでございますかどうでございますか。
  115. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私も同乗して一緒に参りました。
  116. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それでは先ほど福田氏の証言にあつたかと思いますが、その際々トンコ節か炭坑節か何か知りませんが、作り変えたような歌を、バスの中で盛んにそういうことを高唱された先生があられたということはお認めになりますか。
  117. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私はそのとき京教組本部のトラックに乗つておりましたので、たくさん五十何台かのバスが走つてつた中で私の学校がそれを歌つてつたか歌つていなかつたかということは私は知つておりません。
  118. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それでは寺島先生とは御同乗ではございませんでしたか。
  119. 北小路昂

    証人北小路昂君) 寺島先生はその当時どのバスに乗つてつたか記憶がありません。私は京教組のトラツクに乗つておりましたので、私の学校の先年はそれ以外に乗つていなかつたように記憶しております
  120. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それからもう一つこの事例について伺います。京大の荒神橋事件のデモに参加したということがございますか、この京大事件につきましてはこの証書、衆議院報告書等を見ますと、単に生徒は見学に行つただけであつて、この学校からデモに参加、子供がデモに参加したのではないというふう書いてありますがさようでございますか。
  121. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私もたまたまそういうものがあつたということは、見たという生徒は聞いておるのでありますけれども、自分で進んで行つて参加したという子供のあつたことは聞いておりません。
  122. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 あなたは先ほど平和教育ということで、平和を守るために学校でやつているので何が悪いというようなことをおつしやつたのでございますが、その中で例えば平和教育ということのためにアカハタを学校の教材に使つたり、又映画をやります場合においても特殊の教材を集めてそして一定の意図の下にやつておるように思われるような教材を使用いたしましたり、又はこの例がたくさん載せてありますけれども、父兄のかたの言うことを聞いたりいろいろな点から私どもよく調べてみますと、あなたの学校のなかで現実に教育の中にそのような方法において、教育をなされておるものと、私どもはこれは疑い入れないところである。特に又それを外部のPTAも又これを支持し、又この山本報告書にあるようにPTAに向つてそういう働きかけをするという事実もあなたはお認めになつているのでありまして、こういうより大事柄は、あなたといたしましては当然に現在の義務教育において行われていいと確信を持つておられるのでございますか、その点を一つお聞きしたい。
  123. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私は将来戦争のないような仕合せな世の中にしたいとそういう教育的な考えを持つているのでございますけれども、市の教育委員会の勧告にあります通りに方針はそれでいいといたしましても、教育技術面、運営の面において一部父兄のかたから指摘されたような事実もちよいちよいありますが、そういうようなまずい点はやはり上反省しなければいけない、そして堅実な平和教育を進めて行きたい、それが勧告の趣旨に副うて行く学校の行き方ではないか、こういうふうに私は思つております。
  124. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 まだたくさんお聞きしたい点はございますが、時間がございませんので一応私はこの辺で質疑を打切つておきます。
  125. 雨森常夫

    ○雨森常夫君 先ほどお聞きしておりますと、北小路さんのお話によりますと、先生はアカハタを読むことは自由だと、成るほどその通りでございます。併しながら教室内で教えるなり、生徒の前で話をしたことは聞いていないと、こういうお話でございましたが、これは先ほど福田さんがおつしやつたのと大分食違いがあると思いますので、私は福田さんにもう一度繰返すようでございますが、お願いいたしま
  126. 福田知子

    証人福田知子君) それもはつきりした例は校長先生が十四日回答を保護者に出された、このビラに書いてあります。アカハタを読んだのはほかの新聞に出ていないことが出ているから読んだということも出ておりますし、さつきおつしやつておりました軍事基地を取極めようという教育委員会の声明文は、他の新聞に出なかつたのでアカハタを読んでいたのであつたと私たちに申出たときの回答文にこれはちやんと書いてございます。これ証拠品として……。
  127. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに旭丘中学校証人のかたに対する御質疑はございませんか。
  128. 永井純一郎

    永井純一郎君 私は水上さんに一つだけ簡単にお聞きしたいのですが、あなたが超国家主義者として追放になつてつたということは私ども承知しておるのですが、あなたが現在非常に熱心に積極的な再軍備論者であるということを伺つておるわけなんですが、そうであるかどうかという点だけお伺いしたい。
  129. 水上毅

    証人水上毅君) 全然ございません。
  130. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 福田さんの奥さんにお伺いしたいのですが、教育の中で再軍備反対ということケをよく言うということに御不満があるというように承わりましたが、どうしていけないのですか。
  131. 福田知子

    証人福田知子君) 私は再軍備反対ということがいけないのではございませんでして、中等教育の中に、授業の始まるときと終るときに再軍備反対と唱える規則があ乙かということ……。
  132. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 そういうことを事実やつておるのでございますか。
  133. 福田知子

    証人福田知子君) はあ事実やつてつたわけです。現在はどうか知りませんけれども、二十七年一年五組の子供はつきり申しておつたのです。そのことを申上げておるのです。
  134. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は初めに水上さんにお尋ねをしたいと思います。私の記憶ではたしか水上さんは京都教員組合を結成せられるに当つて、その中心的な役割を果しておられんようであると思うのですが、私の記憶に間違いがあるかどうかお答えを願いたいと思います。
  135. 水上毅

    証人水上毅君) 私は中心であつたかどうか知りませんが教員組合に関係しておつたことは事実であります。
  136. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私も今ここにお見えになつて初めて思い出したのですが、私も日教組を作るために努力をいたした一人でありまして、この組合の結成によつて日本教育をよくして行きたい、こういう念願においてその当時あなたとも話合をしたことを覚えております。従つて私はかなり民主主義或いは教育の民主化ということについてはかなり深いい理解を持つておられるようであるというふうに今以て信じておつたのでございますが、その後かなり考え方に違いを来しておるのかという点をお伺いしたいと思うのですが。
  137. 水上毅

    証人水上毅君) 私は名目は超国家主義者という名目で追放を受けましたが私はそういうような人物でないと信じております。再審査も受けませんでしたが、それから教育界を去つて事業界に入つておりましたわけでもあります。なお荒木さんの説明の通り、私は自由的な立ばでものを考えておるつもりでおります。
  138. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そこで先ほど証言になりました事柄につきまして、山本報告書について随分詳しい御説明がござ」いました。で、私は山本報告書につきましては、今日あなたから聞くのは初めてでございます。そこで山本報告書というのは、旭丘中学校の全教官の合意によつてこれが作られたのであるかどうか。更にこれは京都教員組合の承認を得て静岡の教研大会に出されたものであるかどうか、若し御存じでしたら、その点を明らかにして頂きたい。
  139. 水上毅

    証人水上毅君) 私は現在の京都教員組合が、日教組がどうであろうかということは業界におります関係で存じませんが、この山本報告書は今申しましたように旭丘中学校班員八名によつて作成せられたものである。なおこの中に京都教員組合において、一九五三年十一月一日現在の報告をされたものが基礎になつて、これが作成をしたということが書かれてあります。従つて京都京教組と関連の下にこれが作られたものであるという推定が可能であると存じます。
  140. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は静岡の教研大会に、京都から正式なものとして出されているのはこれでなかつたように聞いておるのであります。従つてそういう意味から言つてもこれは京都教員組合の正式な資料でないと、こういうふうに思つてつたので聞いておるのですが、この点北小路さんに念のためお伺いしたいと思います。
  141. 北小路昂

    証人北小路昂君) 自主的に旭丘中学校の者がそのものJを討議して書かれたものであります。教員組合のほうから別にこういうものを書けとか、ああせよとかいう指図を受けたものではありません。又発表につきましても静岡の教研大会にこういうものを発表するからと、こう断つておいて発表しに行つたわけでございます。
  142. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それで私は今聞いただけでこの問題については深く入る資料は持つておりませんが、次にお伺いしたのは、水上さんも現在PTAの会長をしておられるわけでありますが、
  143. 水上毅

    証人水上毅君) 会長ではございません。
  144. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 会長ではないのですか。水上さんは、文部省偏向教育事例としてここに国会に出しました旭丘中学校資料については、この内容はすべてその通りであるというふうにお考えになつているか、或いは中には若干疑問に思う点もあるというふうにお考えになつているのか、この資料について一つ御見解を聞きたいと思います。
  145. 水上毅

    証人水上毅君) 資料について、「一、再軍備反対を高唱させる。一ノ五」これは二十七年度にあつただけであります。事実あつた。それだけと、更に荒神橋事件にデモに参加した、これは全部が参加したのでなくして一部の生徒が参加しておるという事実、そ、のほかは私は全面的にこの文部省資料に対しては全部証拠を持つております。
  146. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでこれはこの事例についてはあなたでも結構ですが、福田さんでも結構ですが、この事例は、あなたがたのほうの手を通じて、文部省のほうへ御相談になつたものでおるかどうか。或いはこういう事例があるので教育委員会を通じて文部省のほうにも御相談になつたのかどうか、そういう点を一つ。
  147. 水上毅

    証人水上毅君) 私どもは偏向教育のために問題を起したのではおりません。我々は一保護者として、私どもの子供が置かれておるあの姿を心配して、学校にお伺いに参り、その回答が我々の意に充たないために市の教育委員会に向つて陳情いたしましたわけでありまして、それがいろいろデモ或いは組織を持つ、圧力的な報導がなされて、世の識者並びに保護者に非常な疑念を抱かせる状態になりましたために、止むを得ず私たちは最配布いたしましたこの声明書を発表しただけでありますが、私どもが発表しました資料は、これと、更に市の教育委員会から勧告書が発せられまして、今後……。
  148. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 結構です。福田さんにもお伺いします。
  149. 福田知子

    証人福田知子君) 私は今水上さんがおつしやるのと同じでございます。その声明書があつちこつちの学校先生校長先生やら主なところに送られたのです。私たちの立場を明らかにしたいばかりに送つたわけです。
  150. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それではこの旭丘中学校に偏向した教育が行われているということを、まあ心配せられたわけですが、それについてはそういう心配をせられれば当然考えられることは、いわゆるPTAの会合等にこの問題を正式に持ち出してそうして、いろいろ御相談される、こういう順序を一応私はとられると思うのです。そういう点については余りお話がございませんでして、いろいろの声明書にしましてもいろいろのその他のものにしましても有志等の名前だけで出しておられる。この点は少し私は了解に非常に苦しむところがあるのですが、そういう点、そういう努力はなぜせられなかつたのか。
  151. 福田知子

    証人福田知子君) それは山本さんのパンフレツトにはつきり出ていると思います。それがために私たちはとても不利な立場、先ほどからも水上さんに対していろいろお話が出ておりますが、私どもとしましては水上さんを代表にしたことが本当にえらい損害だつたと思つているくらいなのです。
  152. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 ちよつと、私の質問だけに答えて下さい。
  153. 福田知子

    証人福田知子君) 個人的にそういうことではなくして、ただ飽くまでも同志として、ただ窓口として水上さんの家庭とかそういうことが都合がいいものですからしただけで、水上さんというかたがほかの意味で、そういうあれがあるのじやないのです。
  154. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それは非常に結構ですが、私はそのことをお尋ねしているのじやなくて、福田さんも水上さんもPTA会員ですか、或いは役員をしておられるかも知れません。従つてこれはPTAの会合に、正式にお話を出すべき筋合のものである。
  155. 福田知子

    証人福田知子君) それですからそれに山本パンフレツトにはつきり現れておりまして、私たちPTAというものそのものが片寄つているからお話ができないというわけです、
  156. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうしますと、この問題については父兄の大多数は大きな異議言つていないということになるわけですか。
  157. 水上毅

    証人水上毅君) お答えいたします。
  158. 荒木正三郎

    荒木正三郎君  いや福田さんに……。
  159. 福田知子

    証人福田知子君) 大多数と言いますけれども、恐らく私たちに八割までは私たちの味方だと思いますけれども、何せ忙しい家庭婦人やらお仕事を持つておりますし、学校に一方的に先生をはじめ今まで、昔なんか余り顔を出さなかつたPTAの保護者のかたが、今PTAを牛耳つていらつしやいますし、そんなことで恐らく八割まては私たちの味方だと思いますけれども、宣伝とか、そういうものは私たちは不得手でございますから、その点を先ほども私申上げましたけれども、本当の真実は私たち父兄にもわかつておりますし、それから先生がた自体もわかつていらつしやいますから世間に現われたことだけでそれを、真実だと思つて頂いたら困るということをさつき申上げました。
  160. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それではその点はこういうふうに了承していいか、とうかですね、PTA役員会とか或いはPTAの会合ではあんたたちの考え方に賛成する人は割合に少い。だからそういう会合に打出しても十分意見が通らないんである。併し実際は相当多数の人があんたの意見に同調しているんだ、こういうふうに了解して差支えございませんか。
  161. 福田知子

    証人福田知子君) さようでございます。私たちが行つても、仲間外れになるわけではありませんけれども、第一PTAの一部のかたたちだけが集まつて、あまり集まらないんです。だからそういう一方的なかただけです。べてがきめられてしまうものですからあほらしうて行かれません。
  162. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私も勿論学校教育において偏向教育が行われているということについてはこれは両さ布ければならんと思うんですが、ただそれが偏向教育であつたかどうかということは、これは軽々には判断ができないというような意味でできるだけ真実を知りたい、こういう意味でお尋ねしているのですから御了承を願いたいと思います。  それでは水上さんはここに挙げられた事例の殆んどすべてについては事実だと思う。こういうお話でございましたが、先ほどアカハタの問題がでました。これについては北小路さんのほうから詳細に亘つて説明があつて、アカハタを教えたということはない、こういうことをおつしやつておるんですがね。ところが水上さんのほうはアカハタを読んで教えているということをお認めになりますか。
  163. 水上毅

    証人水上毅君) アカハタを使用されたということは最前の学校長の正式回答文書でここに現われておりますから読み上げます。
  164. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうするとアカハタを読んで教えたということは学校長回答によつてつた、それだけですね。
  165. 水上毅

    証人水上毅君) ではありません。私ども初めから知つておりました。それを心配して学校に参りました。学校長もこういうふうにして扱いましたという正式回答が出ておるのであります。
  166. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 アカハタを読んで教えたということはその学校の教官がアカハタを読んでいるとか、そういうことは寸つかり私は意味が違うと思うんです。アカハタ教材として使用し、これを生徒に教えたという意味だと思います。それはそういうことであれば私は事実を挙げてもらいたいと思うんです。校長の言ということでありますが、先ほど北小路氏からも述べられたが、校長は或る程度訂正しているわけです。だから来れを肯定する以上ははつきりした事実を出さなければならん。前に福田さんが証言された中にはアカハタを捲いて持つていたということをおつしやつておりました。これは教材として御使用したということにはならない。ですから教材として使用したという事実をやはりはつきりと挙げないとこれは十分証拠立てをすることはできないと思います。
  167. 福田知子

    証人福田知子君) でからさつき申し上げたでしよう。その中にある夜学生の話を時間中に読んで聞かしたのです。それでその夜学生の話をしたのですからはつきりとそうい教材としてやつたわけです。(「そんなことはどこにも出ているのだよ。アカハタばかりじやない」と呼ぶ者あり)
  168. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それから京都府の教育委員会が再軍備問題について声明を発したことは私も知つております。この声明に単にアカハタだけではございません、私もその他の新聞によつて承知いたしております。この声明をアカハタに載つてつたからこれを読んだという事実かあつて、これ偏向教育になるとお考えでございますか。
  169. 水上毅

    証人水上毅君) 私どもはアカハタに載つてつたから、たまたまほかでなくてアカハタに載つてつたから使つた。これは先生の説明であります。先生側の説明であります。併し我々保護者といたしましてはむしろ……。
  170. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 簡単に結論だけおつしやつて下さい。
  171. 水上毅

    証人水上毅君) アカハタに載つてつたから使つたと……。
  172. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは偏向教育になるかどうか、あなたの御見解では……
  173. 水上毅

    証人水上毅君) と解釈して偏向教育になると思います。(笑声)
  174. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 文化祭で内灘問題の芝居をやらした。これについては先ほど詳しい話がございました、内灘問題を劇でやらすということがすぐに偏向教育になるかどうか。私はその内容とそれからその意図、その他十分検討する必要があると思うのですが、福田さんはこれを御覧になりましたか。
  175. 福田知子

    証人福田知子君) これは文化祭のときにやりましたのでして、私はそのとき都合がつかないものですからもう一人の知つておるかたに行つて頂いたのです。そうすると内難の最後には赤い旗がするすると揚る、そうしてその場で労働歌などを歌つたということを詳しく聞いております。
  176. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それに北小路さんにも聞きたいのですが、内灘問題については勿論教官の側から組立てられたものじやないということは明らかですが、どういう考え方をしておりましたか、
  177. 北小路昂

    証人北小路昂君) 教員側ですか。
  178. 荒木正三郎

    荒木正三郎君  はい。
  179. 北小路昂

    証人北小路昂君) 教員側といたしましては、生徒が先ほど申しましたような点でやるならそれによかろうというように顧問が認めたのであろうと思つております。
  180. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 次に皇室誹謗の問題については、前に陳情に見えたときにこれは教えたのでなくて、子供の中に皇太子は我らの税金で外遊せられたのですかという子供側からの質問があつたというふうに陳情を受けたのですが、これについて福田さんは教官のほうからこういうふうに話をしてやつてつたというふうにお考えになつていいるのですか。
  181. 福田知子

    証人福田知子君) お考えではなくて、事実体操の時間に辻先生というかたがそれを先生のはうからおつしやつて……。こんなことは子供が知るわけではございません、まだ中京校ぐらいで……。(笑声)
  182. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これらについては北小路さんは何か知つておりますか。
  183. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私は今荒木さんがおつしやつたように、生徒の質問に応じて生生が話をしたと聞いております。
  184. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 時間の関係もあるので簡略にしたいと思いますが、長後に京大の荒神橋の事件の抗議、デモに参加、した児童を賞賛した。これは北小路へ上んのほうから否定されているわけですが、こういう事実があつたのですか。
  185. 福田知子

    証人福田知子君) まあその賞賛したというところまではつきり私は存じませんけれども、賞賛するとかしないとかの問題じやないと思います。そういうところに自発的に行くとすれば一層私は恐ろしいことだと思います。(笑声)
  186. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この点はどうですか。学校側学校側でこのデモに参加するようにと、こういうことは全然きめていないし、生徒にも言つていないということははつきり言われているわけです。その点はお認めになりますか、福田さんは。
  187. 福田知子

    証人福田知子君) 何のことですか、ちよつとうつかりして、……。
  188. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 学校子供に参加す石ように言つたことはないということはお認めになりますか。
  189. 福田知子

    証人福田知子君) その証言がここにあるのです。読み上げますが「子供が今春来たびたび洛北民主協議会とかに出席しているので聞いたところ先生も一緒とかのこと故、多分放課後先等方に勉強の指導をして頂いているものと思つていたところ、(もとより洛北民主協議会の性格は知りません)たまたま去る荒神橋事件後円山で開かれた蹶起大会に親には行先も言わず夕方出て行き、九時頃帰宅したので問い質してみたところ、大会に参加したが閉会後だつたのでデモに加わり、ジグザグ行進をやつて来たと答えたので、先生も一結かと重ねて問うに、友だち同志で参加したとのことでしたが、年端も行かぬ子供が以上のような会合に出一席してデモに参加することに大変心痛しているとのことでした」というそういうことです。
  190. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それを読むと学校先生が指導されたり或いは勧誘されたりして参加したのではないということははつきりしてるわけです、今の何では。
  191. 福田知子

    証人福田知子君) それに対して私が証明したいのでございますけれども、すベて片寄つた先生がたはそういううふうに抜道がちやんとこしらえてあるのです。(笑声、「その通り」と呼ぶ者あり)
  192. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは私は時間の関係もあるので一応これで打切ります。
  193. 相馬助治

    ○相馬助治君 私は一点伺いたいと思いますのは、この左のほうに偏向しているということが事実か事実でないかは別として、右のほうに偏向した人で面も自我の強い人がこういうものを見る場合は問題が起きがちだとまあ一人で考ております。(笑声)そこで私は水上さんの良識に訴えて一点だけ最後に伺いたいのは、私は、水上さんはこの文部省がこうして偏向教育事例たと言うてあなたの関係しておる学校のことを出して来たのですか、これに対しては総括的に現在迷惑を感じておりますか。水上ざん、文部省のこういう取扱に迷惑を感じておりますか。
  194. 水上毅

    証人水上毅君) 私は文部省がどういうふうにお取上げになろうとこれは自由であります。
  195. 相馬助治

    ○相馬助治君 いや、文部省は自由です。
  196. 水上毅

    証人水上毅君) なおそれに対して私どもはそれほど迷惑ともありがたいとも思つておりません。
  197. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかりました。私はこういう事例が起ると言われることは困つたことだ、併し偏向教育だなどと言うて天下に騒がれるようなこういうことをしてくれる文部省のやり口に、文部省自身は自由だろうが、誠に困つたものだという良識ある方が実はその旭丘中学にも多かろうと、かように思い、而もあなたの証言を聞いてあなた自身もその程度のことをお考えであろうかと思つていて以下二、三点聞きたいと思つたのですが、こういうことで将来子供のことを思い学校の運命を思うときにもいささかも迷惑を感じていないということであれば、以下聞くことは無用すから質問をやめます。(笑声)時間をとられるから、(「要らん」と呼ぶものあり)要りません。
  198. 野本品吉

    ○野本品吉君 吉田さんに一つお伺いいたします。PTA補導部委員というのはPTAにおけるどういう立場におられますか。それからどういうお仕事をなさつておりますか。
  199. 吉田金次郎

    証人吉田金次郎君) 先ず最初に仕事のほうは、私は西陣織物の技術工であります。それから補填部委員、これはPTAの一番末端の役になります。学級委員が九十名おります。その中から、学年委員が一学年三名ですから九名おります。その九十名がその九名のかたを中心にしまして各厚生、文化、補導三部に分れております。その中の委員と学年委員とをやつております。そして企画委員はその学年委員とそれから学校側から三名、それから会長、副会長、書記、会計、この四人、それから校長先生、これを含めて企画部を構成しております。その中の企画委員をやつております。そこで関係は何ですが、先ほど他の質問で出ておりましたアカハタを教材に使つた点、この点は校長先生も錯覚を御したから私は取消しましたということを言われておるとのことを私は聞いております。
  200. 野本品吉

    ○野本品吉君 時間がかかるからほかのことをやつて下さい。只そこでPTAの補導委員がいろいろとPTAのためにお仕事をなさいます場合に補導の基本方針であるとか、それから具体的な事項、そういうようなことはどんな手順でおきめになりますか。又従来そういうことで特にこういう方針でこういうことを主として力を尽したというようなことがありましたら……。
  201. 吉田金次郎

    証人吉田金次郎君) 補導部におきましては、先ず行事を行います。ときには企画委員会なり総会の承諾を得てその中で行います。そして補導の問題につきましては昨年夏生徒会の中央委員懇談会を持ちました。その席上において成る委員のかたこれは十五名の中の人であります。このかたが小学生、中学生は義務教育であるから親の意見に絶対従わなければならないという意見と、生徒側の児童といえども一種の個人の権利はあるというような意見が対立いたしましたので、それでその後九月と思いますが、全三十クラスにおいて、クラス別に父兄と児童との懇談会々催しました。この中で今後補導は生徒と親との話合の上でいろいろ進めて行きたい、その中で結論的にまとめて行きたい。そのためには二度三度とそういうふうな機会を持ちたい。そういうふうに計画しておりましたが、不幸の事件が起りましてから補導部として、何も部会を開いておりません。そして補導部長である森氏はやはり十五名の中の一人であります。
  202. 野本品吉

    ○野本品吉君 それから、先ほど区民大会その他の会合においてあなたがたのお考えを圧倒的に支持されておる、こういうお話がございましたがその区民大会の主催の形式、それからそこへ参加れされました人たち、どういうかたがたが御参加になつたのですか、それをちよつと。
  203. 吉田金次郎

    証人吉田金次郎君) 区民大会はこれは京教組、総評、洛北民主協鷹合、こういうものが主催された区内区民大会でありまして、私は区民の一員として参加したのでありますから詳しいことについては只今資料はありません。
  204. 野本品吉

    ○野本品吉君 それからもう一つ北小路先生にお伺いいたします。平和は京都、平和な旭丘の中学にこういう事態が起りましていろいろと問題になつておるわけですが、平和な学校にこういう事態が起つて来た根本の原因と申しますかよつて来るところにつきまして、学校側といたしましてはどういうふうなお考えをお持ちになつておりますか。
  205. 北小路昂

    証人北小路昂君) お答えいたします。世の中の情勢が世間でいわゆる逆コースになつたと言われておりますが、終戦後の平和を讃歌した時代と比べますと随分変つておるということは誰にもわかるわけであります。そうしたときに或いは政治上の面においても、再軍備という声もだんだん出て来棄ておりますし、国会政府動きなんか見ましてもそのほうへ向いて動いておる。こういうことについては、平和を願うものといたしましては皆非常に憂えておるところだと思うわけであります。特に私ともの学校先生がたは、そういうことについて、自分たちの教え子はどうしても戦争にやりたくないのだ、そうして、平和な戦争のない幸福な社会を作るように更にやりたい、この念願の余りに焦躁感に駆られてつい個人的な行動において授業の面において行過ぎの点がときどき刈つたので、はなかろりか。この点につきましては今後職員が絶えず話合いか、持つてそうして充実した堅実な平和教育を近めで行きたいこのように考えておるわけであります。
  206. 野本品吉

    ○野本品吉君 そこで学校で新らしいと申しますか、従来と違つた教育の方針をとる、具体的にもいろいろなことをやつて行こうとした際に、学校教育方針、それから具体的な教育設計というようなものにつきまして、PTAその他の会合の機会におきまして、あらかじめ学校教育方信はかく価格のものである、こういうふうにやつて行くというようなことについての説明或いは懇談、そういうような機会をお持ちになつたことはございませんか。
  207. 北小路昂

    証人北小路昂君) 学校教育計画を立てます前に、父兄とか、PTAに相談をしたということはありません。計画々立てます際には、常々から父兄並びにPTA会員のかたからいろいろ承わつております意見を参考として立てるわけであります。立てました後は又学級懇談会或いは保護者会、PTA総会、そういうあらゆる折を見まして十分わかつて頂くように説明もし、又更に御意見があれば伺つて修正もしていると、このようにやつて来たわけであります。
  208. 野本品吉

    ○野本品吉君 私は教育の方針の決定、企画等はこれは良識のある学校の責任においてやるべきことであるけれどもPTAというようなものがそもそもできました根本の理由から考えまして、学校教育方針その他について、交兄の理解と協力とを求めるということは当然であろうと思うのであります。そこでそういうことを今まで特に教育方針等について明確な線を打出されました際におやりになつたかどうかということをお伺いしているのです。
  209. 北小路昂

    証人北小路昂君) 今までそういうことはありませんでした。
  210. 野本品吉

    ○野本品吉君 そうしますというと、この事態の発生に対しまし、て、父兄その他に理解を求めることはおやりにならなかつた。そこでこういう事態が起つて来た。私は事態がいい悪いの問題を、今論議するのではないのでありますけれども、学校としても学校の経営上一つの落度であつたというふうなお考えにはなれませんか。
  211. 北小路昂

    証人北小路昂君) 私たちが今おしやいましたように、学校教育計画とか、教育方針について父兄のかたと話合は余り持たれなかつたということについては、反省いたしております。今後我々はこういうことについて十分な話合をして、父兄PTA意見を反映して行きたい、このように思つております。
  212. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに旭丘中学校関係証人のかたに御質疑ありませんか。
  213. 高田なほ子

    高田なほ子君  ちよつと一分間だけ、水上さんに簡単に……。この声明書はいつお出しになりましたか。
  214. 水上毅

    証人水上毅君) 一月の二十一日に……。
  215. 高田なほ子

    高田なほ子君 旭丘中学文部省から調査官が行つたというようなことについて御存じになつておりますか。
  216. 水上毅

    証人水上毅君) 聞いておりません。
  217. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに旭丘中学校関係証人のかたに御質疑ございませんか。    〔須藤五郎君「たくさんあるけれども時間がないのです」と述ぶ〕
  218. 川村松助

    委員長川村松助君) ないようでありますから、これを以て旭丘中学校関係証人のかたに御退席を願います。御苦労さんでした。
  219. 岡三郎

    ○岡三郎君 議事進行について……。とにかくこうなると、答弁を合せて持時間何分、こういうきめ、私はこの点については誠に不可思議でしようがない。あと私らの持時間は六分四十秒ぐらいあるかもわからんけれども、そうなるというと、ここで証人のかたに一つお願いし、もらいたい。問題の質問の焦点をよくお聞取り願つて、そうしてそれに対して冗言を省いて、自分の何と言うか、言いたいことがあるでしようけれども、簡潔に質問に答えてもらうようにお願いしてもらわないと終つてしまう。本日の目的が何にもならんというような傾向がありますが、よろしくお願いします。
  220. 川村松助

    委員長川村松助君) 証人のかたに今の趣旨をよく徹底します。
  221. 相馬助治

    ○相馬助治君 議事進行……。日程に従つて只今から大将軍小学校関係のかたの証言を願うわけですか、時間も十二時を過ぎておりますので、便宜上四君の証言が終つたところで昼食に入り、質疑は午後に廻すということで一つ議事進行されるようお願いしたいと思うのですが、お諮り願いたいと思います。
  222. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今の相馬君の御発言のように取計らつて異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議ないようてありますから、さよう取計らいます。   —————————————
  224. 川村松助

    委員長川村松助君) 大将軍小学校証人のかたがお揃いになりました。立川文彦君から御証言を願います。
  225. 立川文彦

    証人立川文彦君) 御指名によりまして申述べさして頂きます。  京都大将軍小学校は、昭和十八年四月、私の長子が入学さして頂きまして以来、継続いたしまして私の子供がお世話になつている学校でございます。その間私はPTA総会における選挙によりましたところの会長を二回、副会長一回を勤めさして頂いて参りました、本日当委員会証人として出頭いたしますにつきまして、私が承知いたしております事柄について私が真実と信じますことを申述べますことに関しまして、PTA対策委員会による父兄の総意は、正当なる全幅的委託と信頼を寄せております。文部省国会提出したとされる資料に即しまして述べさして頂きます。  最初に、この資料が公表せられますや、学校当局は勿論のこと、当PTAの驚きもすさまじいものがありました。それは不安を伴いました激しい憤りという言葉で表現していいものであろうかと存じます。それは資料として持つておりますPTA意見書、PTA決議文、校長意見書、大将軍職員分会決議等に明らかなことであります。而もそれは単にPTAだけでなくして、広く区民の間に沸き起つた不安と憤りであると言えます。大将軍未亡人会意見書、大将軍婦人民主クラブ意見吾等にこのことは明らかであります。ではなぜそのような不安と憤りとが湧き上つて来たのであるかということについて、関係者の一人といたしまして、資料について吟味して行かなければならないしと存じます。で、資料につきまして第一に気が付きますことは、お手許資料を御覧頂きたいのであります。か、資料の総体は括弧、つまり括弧と申しますのは、この資料に書いてあることな引用いたします場合には括弧をいたします。「左傾的な教育をしている」、これを不満とする「父兄」、資料によりますと、父兄とか、父兄有志正名とか呼ばれておりますが、この「父兄」、資料によりまするというと抗議とか、不満とか、陳情、この不満とか、抗議とか、陳情というものをいわば土台として、或いは基軸として組立てられているように見立ます。教育の現実に関連いたしまして、学校父兄一般の不満を浴びておる、こういうように読めるのであります。ところが事実は全く相違しております。PTAの承知する限り、ここに挙げられているような事実は全く存在しておりません。ここに父兄と呼ばれておりますものは、いずれもPTAの正式な懇談であるとか、会議であるとか、総意とかいうものとは全く関係がございません。大将軍小学校PTAにおきましても、これは又父兄の唯一の組織体でございまして、年を通じてほぼ六百名ぐらいの父兄が当然にさまざまな意見と一見解とを持つておるのでございますが、それらはクラス或いは又学年PTA地域PTA総会などを通じまして、種々交換せられ、必要あるときは多数決によつて総意を持つということになつております。この会議の自主的な規則と民主的な運営は厳重に遵守されて来ておることは、事実によつて証明され得るところでございます。このような父兄の名を正当に称し得る唯一のPTAは、この資料に挙げられておるような父兄と称するものといずれにも関係がございません、特に給食問題につきましては、四十数名からなる父兄が各クラスから選出されまして、全職員父兄と一体となつて組織されまして運ばれたのでありまして、従つて左傾的な性格を持つものとして運ばれたものであると認められなければならなかつたことは全くございません。大将軍小学校教育が「左領的教育」であるという五字は、この文部省資料の第上質の一行目から二行目にあるのでありますが、PTA大将軍小学校教育が左傾的教育でないということを、明確に確認しているばかりでなく、京都市における京都教育の責任者であるところの教育委員会当局におかれましても、京都教育委員五名、但し二名を除くのでありますが、一名は在米田中、一人は教育委員長であります、この二人を除く教育委員三名、不破教育長、市川指導部長、橋本管理部長、豊島教職員課長等がこのことを明確に確認しておられます。あとで触れますが、文部省資料第二頁を御覧頂きますと、第二行目のところに「父兄有志三名が市教委に陳情書を提出善処方を申入れた。」とありますが、私たちの承知しておりますのは、父兄でない人が二人と、父兄一人とが市教育委員の一部の人々に、陳情書でなくて陳情に行つたという事実白川教育委員証言しておられます。それに対して市川教育委員証言しておられます。それにいたしましても市教委が今日に至るも一貫して偏向教育でないということを認めておることは一方において明らかであります。そういたしまするというと、文部省資料にいわゆる陳情書というものは、一体何人の手によつてどのような経路で文部省資料と称するものになり得たのであるか、是非ともこの点を明確にいたしたいというのがPTA今日の絶対的の要請の一つでございます。  第三に、資料第二項に事件の概要として省かれたものについて述べます。資料第二項でございますが、昭和二十八年十一月云々と書き始めて次頁の十二月の十九日善処方申入れるということで終つております。読む人に、事件は二十八年の十一月に給食問題が起つて父兄の不満はこれを契機として爆発し、翌日月の十二月十九日に遂に陳精書となつたような印象を与えるように読めるのであります。併しながら事実は全く相違いたしまして、第一の事実、即ち給食問題はその前の年の二十七年の、二十八年十一月でなくて、二十七年九月のことでありまして、十四カ月前であるということ、それから十二月十九日とあるのは二十八年の十二月十九日であることを御注意願いたい。このことはこの文章が何らかの意図を以て書かれたのではないかということを思わせるのでございます。  次に給食の中止につきましては、文部省資料によりますというと、父兄側は「声明云々」と学校に抗蔵したとありますが、学校に抗議した人は一人もなかつたばかりでなく、PTA総会は中止の処置を承認しておつたのみならず、補助金獲得のために努力学校PTA一体となつて強力に推進することを最正な投票によつて決定しております。従いまして文部省資料にいう「学校父兄の抗議を無視して闘争に入りということは事実無根であるばかりでなく、かかる作文か悪意あるやに思われるものがあります。  次に、「ビラを、町内にはらせた」ということがございますが、これは事実は全くございません。これも証人がございます。次に「共産党云々」がございますか、当時は衆議院議員の選挙運動中ありまして、自由党から共産党に至るまて広汎に給職問題を取扱つたことは知つておりますかPTA関係したことはございません、「党員が学校に入り浸りで云々も勿論事実ございません。次に、「父兄学校に対する不満は、給食問題のみではなく、左傾的な教育のやり方にあり。」とありますがここに言わる父兄は、無論PTAとしての、つまり父兄の総点を出すことのできる父兄でないことは言うまでもありません。ましてその「不満は、給食問題のみでなく左傾的な教育のやり方にあり」という表現文部省資料に使つてありますが、この「左傾的な教育のやり方にあり」と言つておるその主体は、その父兄なのか、その文章の作成意であるのか、甚だあいまいでありまして、むしろ読んだ者の印象から言いますと、左傾的教育の存在は動かすべからざるものであると思えるのであります。これを要するに、第二項につきましても、文部省提出資料が、それが触れようとしている事実について、それを実際知つておるすべての人々によつて反撃されておるばかりでなく、そのような虚構を資料として提出した文部省に対して甚だしい不信と怒りとが示されている事実は、誠に重大であると存ぜられます。殊にそれが教育の場に関連する国家の責任のある部門でありますだけに憂慮に堪えないものがあるということをPTAは断じております。殊にこのことは、PTA決議文に明らかでございます。  最後に、このような誤謬しと歪曲に満ちた資料提出されたということだけで、PTAだけでなく、職員室や生徒の間にも、更に父兄でない広汎な人々の間ですら、丁度死ぬときはこのようなものでないかという不要が瞬時にして満ち溢れたということは、これは教育の自由と思想の自由を基盤にするという国家、民族の将来に対して不吉なきざしを来たしているよりに思われてかなわないのであります。当議事堂における慎重な配慮を切望してやみません。
  226. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に野路井孝君に御証言を願います。
  227. 野路井孝

    証人野路井孝君) 証言に移ります前に、ちよつと刷りものがございますので、一つ御境になつて頂きたいと思います。  先ず私の身分を明らかにいたしたいと思います。私は左派社会党を少くとも指示しておるところの京都総評に繋がる労働組合の組合員であります。そうして又PTAにおきましては、数年前からPTA会員でありますが、特に、昨年は校外補導の副委員長といたしまして、又昨年は校外補導の委員長といたしましてPTAの運営にタツチして参つたものであります。このたび私が立ちました理由は、現在までに一方的な教育をたびたび見聞きいたして参りましたので、その都度機会を得まして申上げておりましたが、大方は葬むり去られております。それは会員おのおのが属しておるところの組織のイデオロギーをPTAに強力に打出すものだからでありまして、私はこうしたやり方は、批判力のない学童に対して組織のイデオロギーを打出して行う行為は子供たちの人格を無視し、又善良な先生会員子供たちにとつては迷惑千万この上もないことと思つております。それで更に新たに声を大にして、絶対に会員のおのおのが属している組織のイデオロギーをPTAに打出してはならないと叫び、同時に組織のイデオロギーを打出す人々に抵抗すべく、子供たちを守る防波堤にならんとの決意を持つて本日ここに参つたような次第であります。先に提出した診断書の通り、森定氏の健康状態が長途の旅に堪えられませんでしたので、私が代りました。森定氏が私と同じ憂を持つておる、そういう間柄でおります。  次に事項の概要の証言に移りたいと思います。先低どおつしやいましたように、給食場中止の月日でございます。これは間違つておりまして、二十七年の九月の八日から二十一日の間でございます。これも発表の方法といたしましては、大阪毎日新聞の二十七年九月五日付の夕刊で以てこれを発表いたしております。給食中止を決定したものは、教組の大将軍分会でございます。三十三名の実数でございますが、これは当時の民生委員のかたより私がお聞きしたのでございますが、二十四、五名ということを私は聞いております。そうしてほかに給食費の実収に当りまして、先主方の不熱意から善意の滞りがあつたのでございました。  次に、先生が金を持つて来るなと、こつそりと言つておるということでございますが、これは事実でございます。そして次においしい給食をたくさん食べてもらえるように協力して下さいというビラを児童に町内に貼らせた。これは学校の備え付けの謄写版を使いまして、六年生の子供がただでおいしい給食をたくさんくれろというビラを書きまして、学校の謄写板を使用してやつております。そうして学校のバケツに糊をたきまして、附近の電柱に貼りに歩きました。それを総会に来る途中父兄が見つけまして中止をさしておりますが、貼つたという事実はございます。その次に共産党代議士で候補者の政見発表会、そのときこれは大将軍の小学校で行われたのでございますが、確か個人の名前を三つも書きまして、給食に反対した売国奴誰々誰々と誰々大将軍小学校より追放せよということを大きくスローガンに掲げてやつておりました。共産党員が学校に入りびたりで活動したという点は、子供にビラを貼らしたり、そうしてトンコ節、あれを書きまして、そうして給食に反対した者たちを誹謗いたしております。そのときにいろいろ学校に出入りいたしておりましたことは事実でございます。次に、十二月十九日の日付の点でございますが、これは先ほどおつしやつたように昨年の十二月十九日でございます。十二月十九日ということは、毎年大将軍学校におきましては十一月の三日に区民運動会を行います。その節に、準備会の折、式次第の手合せのときでございました君が代を唱う唱わない、この件につきまして、君が代を唱つたらどうかという発言に対しまして、学校先生から、君が代は国歌であるかないか知らないという発言がございましたので、区民のかたが立腹いたしまして、学校先生が君が代は国歌であるかないか知らないということでは困るということで、十二月十九日の日にこれは陳情に行つておられるのであります。この給食の問題の件でございますが、二十七年の七月十一日、運営協議会の席上で、職員会議の決定申合せなどはPTAに通知して頂きたいといと申入をしたにもかかわらず、給食中止は保護者に一言の相談もありませんでした。そうして、当局者が教育の一環として給食を行なつているのに、教育委員会にこれを無断で中止いたしております。そうして給食を通じて国家の補助を受けている我々多数の者の権利を一方的な措置によつてこれを剥奪して行われております。その後、PTA総会に諮りました結果、全面的に認める四十八票、そのうち二十一票は先生の票でございます。不満ながら止むを得ない三十九票、絶対反対二十五票、白紙無効十九票でありました。全面的に認める、不満だが止むを得ない、これを足しまして八十七対二十五票で、先生のとつた態度を支持するということに決定いたしておりますが、なおこれを検討いたしますと、絶対賛成四十八、不満だが止むを得ない三十九を入れますと、四十八対不満六十四になります。その不満の声を無視して給食中止は強行されました。当時は衆議院の選挙が始まる折でありましたので、この選挙に利用されているという点の裏付ができると思います。即ち総会前、学級会におきまして説明の折、私たち子供を再び戦場に送らないために、再軍備の費用を教育費のほうへとるためにも、この運動を起すことは意義があると説明しております。再軍備反対の政党支持の手段として用いていたとも解される点でございます。要するに、選挙闘争の一環として打出されたものであると申上げたいと思います。翻えつてこのあたりまでPTAの給食に対する態度は、一回十一円のところ各人が十三円負担して、又PTAから年額二万円の補助をしておりましたが、これは相互扶助の精神でありました。又二十六年七月、関西の水害の折、当学区内におきましても、被害家屋がございました。折悪しく被害を受けた家庭より伊勢への修学旅行に行く児童がおりましたが、学級多数の有志の人々の拠金によりまして、その子供たちは楽しい修学旅行に行けました。この時代はこのように心温まる美わしい隣人愛が見られましたが、越えて翌二十七年には、先に申上げましたように、相互扶助の精神はものの見事に捨てられました。このように僅か一年で考え方が変り、一貫していないことは一党一派に偏した外部からの教唆があつたと考えられる節が大であります。即ち偏向を意味すると私は考えます。
  228. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間です。
  229. 野路井孝

    証人野路井孝君) まだあるのです。
  230. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間です。  次に池田正太郎君に御証言をお願いいたします。
  231. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 一々の事項について申上げます前に、是非申上げなければならない全般的な問題がございます。その第一は、この資料が出された。」とについて、学校PTA教育委員会さへも全く寝耳に水であつたということであります。大将軍小学校ではPTAが非常に活発に活動しておりまして、教育の問題は常に学級会、地域会、教育懇談会総会などで話合い、十分な批判も学校は受け、又学校の事情も説明もし、全く学校PTAが一体となつて教育を進めて参りました。そうした機会会に問題とならないことが忽然として今出て来たのでございますから、驚いたのも無理はございません。そこで早速学校PTAは代表を送つて教育委員会にこの事情をお伺いたしたのであります。すると、指導部超て、指導主事のかたがたは、すべてこういうことについては全く知らない。そういう報告を出したこともないのみならず、従来大将軍校の教・育について偏向があるなどとは全く考えていなかつたから、特別の指導や注意を与えたことさえないではないかというふうに反対に言われたのでございます。又教育長や教育委員のかたにお伺いいたしましたが、どういう結果であつたかということは、先ほどPTAのかたがおつしやつた通りでございます。  第二に、市教委に出された陳情書を元にしてこの報告は書かれていると書いてございますけれども、市教委の書類によりますと、そういう陳情書を受取つた記録はないそうでございます。  第三は、直接現場の事情に明るいPTA意見でございます。歴代のPTA会長を初め、役員は従来大将軍教育が、いわゆる偏向教育と言われるような事実があつたとは考えられないという意見書に揃つて署名していられます。これはお手許資料にございます。現在のPTA総会決議を以て、この資料に対し強い抗議と激しい憤りの意思を表明いたしております。以上の三点からだけでもおおよそこの資料の性質が事実に相違するものであることをお認め頂けるものと存じますが、更に以下逐次項目を追つて申上げます。  二、事件の概要の項について申上げます。これは給食の問題でございますが、その事件があつたということ以外は殆んど大部分誤謬と歪曲であると申して差支えざいません。第一、日が十四カ月間違つているということがその一点でございます。第二、父兄側はこの声明の三十三名について調査した結果、実際に給食費の出せない子供は煙か四、五人程度に過ぎないと抗議したとありますが、これは全く事実に相違いたします。この三十三名のうち、その後学校、民生委員会、民生安定所などが協議して調査いたしました結果、今日までにそのうち二十五名が生活保護法及び法外援助によつて給食費の救済をされております。この事実は明らかに貧困で給食費が出せないということを裏付するものでございます。残りのものもいわゆる救済の限界にあるということは、民生委員長声明書が示す通りでございます。従つて先生が何かの意図で金を持つて来るなと言つたということが全く虚偽であることは明白であります。第三、父兄の抗議を無視して闘争に入りとありますが、この問題は八日に給食を中止する以前、五日に役員会、本給食委員会、六日には保護者大会を開いて事前に相談したのでございますが、その結果PTAでは更に総会を開きまして、六十名ばかりからなる特別対策委員会を作つて対処したのでありますから、事実は全く逆であることが明らかでございます。第四、ビラを児童に貼らせたとありますが、学校が貼らせたのでないことは、PTA総会はつきり他の保護者のかたが証言されて、会員すべて確認しているところでございます。第五、共産党云々以下のことは、学校として全く関知しないところでございまして、そういうことが偏向教育と何の関係があるかと申したいのであります。更に附加えて、この問題が真に教育的立場において起つたものであることについて申上げます。給食費未納の問題は、昭和二十六年頃から起つておりまして、局年中に私の学校では約二万四千八百円の未納金があり、そのうち、市のほうから補助金が七千五百円ありまして、残る一万七千三百円はPTA会費で負担していたのでございます。ところがこういう方法はよくないし、又こういうことがだんだん殖えて行くことはやり切れないから、公費による補助金増額の要求をせよということがPTA総会決議になりまして、昭和二十七年にはPTA予算から未納金のための補助金の予算は削られたのでございます。そこで私どもは校長会を通じ、再三公費による補助金増額の要求を続けて参つたのでございます。ところが昭和二十七年に入りましても、その見通しは全く立たず、校長会でも費用の負担ができない。児童には給食を止めさせるも止むを得ないという空気が出て参つたようでございます。私どもの記録によりますと、校長は四月十七日と五月七日の職員会議でそういう報告をいたしております。そこで私どもは職員会を更に五月九日に開きまして、その対策を協議いたしました結果、費用を出せない子供こそ実は一層給食の必要がある。若し給食を中止すれば欠食するより仕方がないではないか。だからやめるならば全体の子供をやめて、その対策を考えなくてはならない。併し飽くまでやめない方針で補助金増額に努力しようというので、一学期閥はそういう交渉を続けて参つたのであります。ところが二学期の八日から給食を支給せよという通知を受けたのでございますが、その直前に補助金の通知がございました。それによりますと、半年分として四千三百二十円配付するということでございました。当時私の学校では一学期間にすでに一万三千五百円の未納金がございましたので、この状態では、もはやこれ以上給食を続けることはできないというふうな考えを持つたのでございます。そこで近隣の学校はどうであるかということを調査いたしましたところ、貧困にして費用の出せないためすでに給食を受けていない児童が数百名に及んでいる事実を知つたのであります。その後の教員組合の調査によりますと、七万名の児童のうち約二千名が欠食しておつたのでございます。私どもはこの事実を知るに及んで、教師としての良心から激しい積りを感じました。そうして若しそういうかわいそうな子供に中止するよりは、全児童に中止して、この問題の解決に努力しようということで立ち上つたのでございます。  第三、教育実情等の項について、日の丸軽視、皇室侮辱と言います。が、日の丸を軽視したことはございません。現にその教材は遊戯という教材でございまして、日の丸の教材を軽視したのではございません。その反対に、私たち学校では祝日に年々日の丸を校門に掲げておる事実によつてこれが反証されると思います。君が代が出たりラジオのスイツチを切れということなんでありますか、そういう事実はありません。母親が、自分の子はラジオで君が代が鳴つていても平気でラジオを切るということを不審な気持ちで昔つたということは聞いております。天皇巡幸の当時云々という言葉がありますが、これは児意の言つた言葉でございまして、教師がその母親にこういう表現をしてはよくないという注意をした。その注意を受けた母親がそういうことを言つております。皇太子云々の件は全く事実がございません。これは学級を調査いたしましたけれども、父兄も一様にそういうような事実がなかつたことを認めております。親への反抗ということは、学校としてはそういうことは考え得ないことでございます。その他水害地救援に出かけたことは事実でございます。これは他の学校の多くの教師たちと共に水害地の救援に出かけたのでございます。ビラを配つたということも、たまたま父兄会の或る一部の席で水害地の実情を知つて頂く意味で配布したのでございますが、そのビラには再軍備反対政府云云の言葉はございません。PTA会長校長を懲罰にかけると言つたとございますが、会長、校長をも含めて一同大笑いをいたしたような事実がございまして、常識で判断して頂けば、こういうことがあり得るかどうかおわかりであろうと存じます。  以上概略申上げましたように、全く不可思議な資料と申すほかございません。併し重大なことは、この不可解な資料によつて教育の現場が如何に恐るべき影響を受けているかということであります。新聞には片寄つた特別な学校のように書き立てられますし、従つて社会一般もそういう目で見るのは自然の勢いでございますが、これに対しましては、児童も父兄も教師も義憤を抑え得ないのであります。これ以来PTA総会出席者は俄に増加いたしまして、この資料出所を追求せよという意気が高く挙つておりますのは、これを証すると存じます。その事情はお手許決議文によつて御覧頂きたいと存じます。教師の真に正しい教育を求めて努力しているにもかかわらず、こうした不可解な資料によつて圧迫を受け、教育が乱されることについては、何としても承服しがたい感じを持つているものでございます。何とぞ公正な御批判をお願いしたいと存じます。
  232. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に福原達朗君に御証言を願います。
  233. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私京都教育委員会委員長を仰せつかつておりまするので、ものことの事例を右に偏せず、或いは左に偏しないようにと、常に公正に観察するようにと努力して参つておるのであります。で、今日はごの学校給食を中止したという問題が相当大きく取上げられているようでありますので、これを私説明したいと思うのであります。  この学校給食というものは、皆さんも御承知のように、ただ単に子供にお昼に食事を与えるというばかりでなく、そのことばかりでなく、数学或いは国語と同じように、教育の、即ち食事という教育の一つの課程としてこれを取上げまして、カリキュラムの中に入れて教育課程の一環としてこれを実施しておる。これが私たち教育委員の主義なんです。方針なんです。これをこの教育委員会に一言の相談もせず、或いはPTAそのものに対しても相談せず、ただ教組の一方的な考えによつてこれを中止するということは、まさしく教育委員会の方針を無視したものであると断ぜざるを得ないと私は考えます。従つてその中止をするという決議に至りましては相当深刻なる原因があろうと思います。理由もあろうと思うのであります。その理由は、今教頭先生がおつしやられましたごとく、八百五十名の中の三十三名という人が、給食代が払えないから、これが校費で支給せられるまで、その見通しが付くまで中止するというのが大きな原因であろうと思います。併しそののちいろいろ調査いたしまして、又民生委員のお方においても調査いたしてもらいましたところ、その数字において担当誤まりがあるということ、これはわかつております。それからこれ又諸君御承知のように、学校給食は、生活保護法にかかつているところのその家庭の児童に対しては、全額国庫の民生事業として誰つております。併しその五千円以下の収入、五千円以上の収入の、このすれすれの準貧困児童の家庭に対しては何らその政府の補助金がない。即ち準貧困児童というものに対しての給食はどうするかという問題が起つて来た。で、私たちは今二十六年以来、市費を多額にこれを予算化いたしまして、この準貧困児童に対して生活保護法にかからないところの、準貧困児童に対する予算を計上して参つております。従つてこの二十七年の当初予算においても三百万円をここに組みました。この準貧困児童に対する補給金を計上したのであります。そうして二学期からまだ足らんだろうと思いますので、約五百万円という金を第三四半期頃に資金ができるような形式をとつて市長に要求いたしました。市長も大体これを了承しておつたのであります。その矢先に給食中止、こういう全面的な給食はでき得ないから中止するのだということの発表があつた。もう一つ上申上げておきたいことは、この給食費の大部分をなすのは何かというと、小麦粉であります。ハンなのであります。パンの資金は、これは京都府の給食委員会というのがありまして、学校給食会というのがあります。それに対して納一千万円の融資をしております。その金利は京都市長が約一百万円の補助金を与えて金の融資をいたしております。従つて滞納とか、決算期においてどうしても納められない人に向つては、その融資の金を払つて早急に請求しないような態勢になつておる。そのうち教育委員会が、教育委員会の独自の考え方によつて予算を獲得いたしまして、そうしてその補助金によつて決済をしようという考え方を持つておる。然らばなぜもつと早く、当初予算において八百万円とするならば、なぜ八百万円に組まんかと言いますと、御承知のように、給食費を出せるか、出せないかという判定が非常にむずかしい。従つてあの人が出さなかつたから、私も出さなくてよろしいだろうという線が出まして、全学童に若し波及いたしまして出さないという場合には、政府の補助がない以上は、市の財源によつてはどうしても賄うことができない。今日五大市においても京都だけが準貧困児童に向つて補助金を出しておる。でありますので、一学期の早早一万何がしか赤字が出たから、二学期はどうしてもこれはやれないからやめてしまうという、そういう手はないと思うのです。その点は私のほうに粗談して頂きましたら、こういうつもりであるからやつてくれというはずなんであります。それを一方的にはつしとやめてしまつた。そうして近くの学校である仁和校とか、衣笠校に向つて、我々に協力して欲しい、まさしくそれ は給食ストへ持つて行こうという考え方である。こういう点が私は非常に残念と思つている。いい、悪い、偏向しておるかどうか、それは私は知りませんが、こういう点が非常に私は残念だと思う。本当の課程として与えておるところの給食そのものを一方的にこれを中止するということ、この点について私たちは大いに考えてみたいと考えておるわけなんです。時あたかもそれが代議士総選挙に入つておる。従つてこれを取上げて、今言われたように共産党の演説会で追放しようとか、しないとかいうようなことを演説会を開いて問題にしている。又児童がビラを貼つたということは事実なんです。私は貼つている姿を見ておりました。そういう工合に、いたいけな子供々利用してその給食問題をそういうような政治闘争の形に持つて行くということが私はどうかと思うのです。  それはなぜかと申しますると、これはここに衆議院文部委員会提出しましたのがこのパンフレットです。これは京都教員組合から出ておるところのパンフレットです。闘争方針です。その二十一頁に我々の闘争体制を整えるために、強化するために、給食或いは学校の教科書問題を取上げよう、そうして大いに闘おうと、こういうふうに書いておる。従つて、その線に沿つたところの指令通りの方針をとつておられると思う。というのは、あとに日の丸教育がありますが、この日の丸教育も十五頁に書いてあります。日の丸教育、君が代教育、天皇崇拝教育を断固排撃せよと書いてある。(「その通り」と呼ぶ者あり)通りでおりましようが、その線に沿うて行つておる。それから又三十六頁に一切の寄附をとつてくれるな。これはPTAなり或いは個人の発言を非常に強くするから、学校において善処するから一切の寄附を排撃しようじやないかという意味から、当然これはなさなければならない、又して欲しいと思うものでも、これは寄附を排撃しようというところの、無理解に排撃しようとするところ、の相互扶助の精神に反した排撃の仕方であると思う。と言いまするのは、結論を申上げますると、恐らくごの処理方法を見て下さいますとわかると思うのです。この京都教員組合から各分会に出しておるところのこの秘密指令と称するもの、これをお読み下さいましたならば、これはこの線に沿つてすべてが行動せられておると考察できるのです。この一つの事例全部が……。こういう点を一つここに御了解願つて、それは偏向教育であるか、或いは偏向教育でないかということは御判断に任せたい。私はこう考えます。
  234. 川村松助

    委員長川村松助君) これを以て大将軍小学校関係証人の御証言が一応終了いたしました。一時間休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  235. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ二時二十分から再開いたします。    午後一時二十分休憩    —————・—————    午後二時三十一分開会
  236. 川村松助

    委員長川村松助君) 再開いたします。  大将軍小学校関係証人の方に御質疑のある方は御発言願います。
  237. 須藤五郎

    須藤五郎君 時間が足りないので私も簡単に質問しますから、お答えも簡単にお願いしたいと思います。福原さんにお尋ねしますが、あなたは京都における自由党の中心的な方だというふうに伺つておりますが、その点を一点、それからあなたは言つて澤田樓という女郎屋を開業していらしたということを伺うのでありますが、それの真否を一点、それから今日最近まで。パチンコ屋を兼業していらしたということを聞くんでありますが、その真偽の点、常々日頃自分は反共の闘士だというふうに言つていらつしやるということを聞くんでありますが、その点のあなたの答弁を先ず願いたいと思います。
  238. 福原達朗

    証人福原達朗君) 自由党員であることは事実であります。  それから女郎屋云々ということでありますが、私の親戚においてそういう人が約三十年ほど前にやりましたが、それ以上廃業いたしまして、今はよその人がやつております。私は自分の名義とか或いは自分の経営でやつたことはありません。  それからパチンコの問題でありまするが、これは実は私のほうで肉の販売をやりましてそして相当大きな店舗を持つておりますので、この店舗が相当広くありますので空いている場所がありまして、従業員を三十人ばかり使うておりますので、従業員が我々の業務管理の形でやらして欲しいということがありましたので、じやそれをやつてもよろしかろう、こういうことで確かに私の名義でパチンコをやつております。  それから反共の闘士という問題でありますが、私は常に公正な道を履んでおります。これを反共の闘士と言われておるのでありますが、私は右にも左にも偏しておらないということをここで申上げておきます。
  239. 須藤五郎

    須藤五郎君 なお重ねて伺いますが、給食費を出せないほど困つたことがとにかく皆さんの子供にあつたかどうか、皆さんの子供さんは給食費を出せないほど困つたことが曾つてつたか、給食費が払えない子供が別にされて家に帰らされるということが子供に対して、どういう感じを与えるものか、あなたは理解していらつしやるかどうかという一点。それからこの話を伺つていますと、京都大将軍学校先生たちが非常な努力をして、又PTA協力してこの給食の問題が解決したようでありますが、そのことに関しましてあなたはどういうふうに考えていらつしやるか、それが第二点。第三点はPTAのほかに別に何か後援会のようなものを作つてそれに入つていらつしやるのか、それは何人で構成した団体であつてどういう団体であるか、そして又それは何を目的にしておる団体であるか、なぜにPTAの内部で民主的な解決を図ろうとしないでそういう若しも作つたとするならば別の団体を作つたのかという点が第三点。それから第四点は先生教育に生命をかけて熱心に信念をもつて当らねば教育というものはやれないものだと思うのであり手が、いろいろあなたにも御意見があるよりでありますが、これを先生PTAとの間で内部で協議解決されようとしたことがあるのかどうかという点が第四点。それから最後にいわゆる偏向という判断をどのようにして確認されたか、この大将軍の問題は給食費の問題でありますが、この給食費の問題がどうして偏向教育ということにすり替えることができるのかどうか、教育委員会で討論してそれを確認したことがあるのかどうか、又教育長や指導部長に相談したことがあるのか、若し相談したとするならばその相談した結果はどうであつたのか、この五点をお尋ねします。
  240. 福原達朗

    証人福原達朗君) 給食の必要なることは給食をすることによつて各児童がたとえ一食でも同じものを食つて非常に愉快な感じができるという意味から、いろいろなる支障がありまするが、どうしても給食を続行したいという考え方でありますので、勿論給食をでき得ない家庭、又そういうものに対しての十分の理解がありますので、それあるによつてこそ給食の続行を私たちは願つておるわけであります。  それから第二のPTA努力或いは又教員の給食中止することによつて五百万円の補給金が獲得せられたと宣伝せられておりまするが、断じてそういうことはありません。二十六年度においても八百万円の純貧困児童に対する補助金を出しております。数字においていささか間違いあるかもわかりません、はつきりしたことは覚えておりませんが、約八百万円出しております。それから二十七年度においても当初においても前回も証書で申しました通り三百万円を当初予算としてとつております。それから、五百万円を追加要求いたしました。都合八百万円を純貧困児童に対する支給をいたしております。三十八年度においてはこれは民生事業であつて教育委員会は防食或いは救貧事業でありませんから、民生事業に移管いたしました。民生局長が要求いたしまして市長の了解を得、市会の了解を得て、それ相当の補給金をとつております。おそらく八百万円以上超過するのじやなかろうかと考えておる。
  241. 須藤五郎

    須藤五郎君 簡単に願いますよ、時間がないから。
  242. 福原達朗

    証人福原達朗君) 極めて簡単にやつております。  それから先生が生命を賭して教育を守り抜くということ、尤もであります。そうでなければならんと思つております。従つてたち先生と相協力いたしまして、そうしてわが教育の進展に努力いたしております。それであればこそ、大将軍は私の校下であります。私の目と鼻の近い場所に小学校があります。こういう事実あるということを知つておりまするが、これは教育委員長の膝下であつて、そういうことあるということは非常に残念と思いまして、そのうちに何か是正されるものと考えておりまして、一時の熱病が発病したものだと思いまして十分目を張り、あらゆる面からも側面的に私指導に当つてつたのでありまするが、事ここに至つてこれを表明をしたのであります。これが教育長或いは部課長が知らなかつたからといつてこの教育方針が正しいとは断言できない、こういうことを私考えておる。
  243. 須藤五郎

    須藤五郎君 別の後援会を作つておる問題。
  244. 福原達朗

    証人福原達朗君) それからもう一つ、大将軍偏向教育であるということを君が言うんだが、それに対して実証できるかということについて、私も前言申しました通り、こういう事実はこういう組合の指令によつてつておるものだと思うから、偏向であるかないかということは委員会その自体において御判断を願いたい、私はこう考えておる。終り。
  245. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 それに関連いたしましてまだ時間が幾分あると思いますが、先ほど福原さんが教育の課程の一環とした給食をしていらつしやるというお話で、私大変結構だと思つて、本当に教育上給食が非常に重要な要素であることは私も異論ない、勿論そうだと思いますが、そこでこの場合若し少数の者でございましても給食を受けられないといたしましたならば、それは私教育上、殊に義務教育の機会均等というような建前から申しまして、反していると思うのでございますが、福原さんどうお思いになりますか、
  246. 福原達朗

    証人福原達朗君) 給食は全員やるべきものであつて、そこに欠食児童を起したり、又それを拒否すべきものじやないと思つております。従いましてそれであれはこそ、その準貧困児童に対して補給金を無理やりにでも市長に相談して頂いております、  それからもう一つは例えば、五千円以上の月給をもらつて生活保護法にかかつていない家庭においても、若しその家庭の父兄が給食に不熱心である場合に、給食費を持たしてやらない場合がある、こういう場合にその罪は親にあつて子供にはありませんから、こう)いう点は生活保護法の第十条の但書を援用してもらつて、本人の個人給付によつてこれを支給してやつて頂いて欲しいということを前回の労働大臣にも言つておりましたが、我々は民生局長に向つても、或いは市長に向つてもそのケース・ワーカーの調査によつて民生事業の枠がきまつておりますが、その枠を超えて個人給付として国家によつてその準貧困児童を救つて頂きたいと思つております。それでなお且つできない場合には、如何なる努力を払つても私たちの市の力によつて、市の財源によつてこれをやつて行こう、それで欠食は断じて私はいけないと思つております。その努力があればこそ、ここまで来ております。欠食する人があつてもそれでいいということであるならば、こういう給食中止の問題は起きて来ないと、こう思つております。
  247. 須藤五郎

    須藤五郎君 先ほどの答弁に欠けた点がありますが、別の後援会を作つてつていないかという点。  それからもう一点。そういう給食を受ける子供と受けない子供とあると教育上面白くないから、学校先生が全部が給食を受けられないためにこういう運動を起したと、私たちはそう理解するのですが、何十人かの生徒が給食を受けて、そうして又何十人かの生徒が給食を受けられないという状態で学校教育が円滑に行くものであるか、あなたは別の観点に立つているように思うのですが、そういう観点から学校先生がこの学校給食運動を展開したと私は理解するのでありますが、あなたはどういうふうに理解しておりますか。
  248. 福原達朗

    証人福原達朗君) 後援会の問題でありますが、未だ曾つて後援会は作つておりません。併しこの問題が起りまして、そうして事もあろうにPTA学校先生と一緒になつて、そうして教員の除名運動或るいは又いろいろな偏向教育についての意見が述べられました。それが我が子供が可愛さに先生の耳に逆うようなことを言つても我が子供が困るだろう、我が子供の可愛さにほだされて、言いたいことも言えないことがある。従つて大将軍小学校は、必ずしも父兄子供を持つてつても交兄のものではない、小学校というものは区民全体の文化活動のセンターとなすべきものであるから、その学校をいいものにしたい、こういう考えがあるならば、父兄が或いは一般区民が互いに大将軍を守ろうという意見があります。併しそういう後援会を作ろうという意見がありますが、具体的に私は知りません。又会員に入つておりません。又どういう会員であるかということがわかつておればそれを明示してもらいたい。併しこういうことになりますと、後援会を作つてもつと広く一般の意見を集めて、もつと立派なものにしようじやないかということで意見があつたということであります。
  249. 須藤五郎

    須藤五郎君 教育長、指導部長に相談したかということですが。
  250. 福原達朗

    証人福原達朗君) それは今申上げたと思います。指導部長並びに教育長に言うべきことについても自分の地元の学校がそういう問題があるということについて相当私自身も責任を感じているから、成るべく穏便に収めて、その後において或る程度の是正と言うと言い過ぎかも知れませんが、正常な形に入つてもらえるかと思つておりまして、側面から指導に当つておりましたが、だから教育長にはそういう話はしておりません。併ししていないといつてそれが必ずしも正しいとは思つておりません。
  251. 川村松助

    委員長川村松助君) 時間が余り経過しておりますから、(「時間々々」と呼ぶ者あり)これで打切ります。
  252. 高田なほ子

    高田なほ子君 福原さんにお尋ねいたします。PTA決議文が出まして、二十四件の偏向教育事例の中に大将軍が加えられておるということについて正に青天の霹靂として非常に驚いた。この決議文が出まして当然教育を守る立場にあるあなた、教育委員長としての立場においては本問題については十分責任をお感じにならなれなばならない点だと思うが、これについて教育委員長としてどういうような措置をおとりになられましたか、お尋ねいたします。
  253. 福原達朗

    証人福原達朗君) 青天の霹靂で、これが文部省の問題になつておることにつきまして私は責任はございません。それから今なぜ責任をとつてその善処方を望まないかと言われますが、勿論とつております。十分考えて、どうしたらいいかということについては努力いたしております。私はこれで精一杯努力をしておると考えております。
  254. 高田なほ子

    高田なほ子君 具体的におつしやつて下さい。三名の教育委員のかたがやはりこのPTAの考え方に同調して、偏向教育はないと、又事務局も偏向教育はないと言つておるのに、あなた人が偏向教育と考えておりますか。一体どう努力されましたか。
  255. 福原達朗

    証人福原達朗君) だから高田議員はその何か三人の教育委員偏向教育でないという証拠はどこにありますか。私たちは又その会議を開いたことはありません。その論議をしたことはありません。市川委員は組合出身の委員であり、又吉川委員は組合の統一候補によつて出た委員であります。又北村君は、元教員をしておりましたが、併し私はそういうことを言いたくありません。併し須藤さんから、あなたはパチンコをしておつたじやないか、そういう印象を与えるために、そういう言葉がありますから、一応その人の経歴ということを勿論話していいと私は思つております。
  256. 高田なほ子

    高田なほ子君 時間がないから。
  257. 福原達朗

    証人福原達朗君) 質問に対してお答えしましよう。  何も三人が偏向教育でないということをはつきり言つておりません。又私も偏向教育であると断定はしておりま  せん。こういう事実であるということを御批判を願いたいということを率直に申上げておる。(笑声)
  258. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは先ほどから証人のかたからそういう御発言があつたことに基いて今お尋ねをしておるから、冷静にお答え願いたい。
  259. 福原達朗

    証人福原達朗君) 極めて冷静であります。
  260. 高田なほ子

    高田なほ子君 こういうことを話したときは、常識としてやはり教育委員会のようなものが開かれて、どうしたらいいかということは御相談になるべきだと常識的に考えております。これはあなたと私の見解の相違でございますからよろしいです。  その次の問題を質問いたします。実は学童給食の問題でありますが、先ほどあなたの御発言の中で、無断で中止している、非常にこれはけしからん、こういう御発言PTA教育委員会というものを余り無視したじやないかというような御発言つたと思うのですが、この給食を中止したというのは、突如として中止したような印象を受けるわけでございますが、あなたがおつしやるように無断で中止したということは、その証言間違いはございませんか。
  261. 福原達朗

    証人福原達朗君) 無断で中止したことに間違いありません、私はその以前に先手を打つて、そういうことを聞いておるが中止することは大問題であるぞ、教育委員会教育方針に従うのが各学校校長以下のやり方だ、然るにこれを一方的に中止することはけしからん。何かそれに救済方法があるから、中止すること大抜きにして要求は堂々と要求せられたほうがいいじやないかという忠告をいたしております。然るに突如としてそれをやられた、私はあえて突如としてやられたと思つております。  もう一つ、ここへおいでになつておるその当時の会長、立川先生が会長をしておられましたが、そのPTAになぜ相談してやらなかつたか、この点はけしからん、併しやつたことは仕方がない、お前らは本当に生命を賭して闘うならば応援してやろう、なぜ我々に相談してくれなかつたかということを言つております、
  262. 高田なほ子

    高田なほ子君 その点池田さんに、食い違いがもりますから、この点についてだけ。
  263. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) この問題は九月の八日に開始せよというのに従わないで八日に開始しなかつたということが中止ということになつておるわけでございますが、学校長が、はつきり今記憶はございませんが四日か五日にこの給食の直接費任者である市教委の健康教育課長のところに参りまして、この状態では給食を続行することができませんということを申上げた事実がありますが。
  264. 高田なほ子

    高田なほ子君 その次にお尋ねをいたしますが、これはよくわかりました。むしろ私は学童給食の問題については、その中のただ一人の子供は、食べたくとも食べられないという子供に涙する教育者が本当の私は教育者であり、又そのことについて、機関を通して御相談なすつたという態度について池田さんの御発言を私は了といたします。  次にお尋ねいたします。この中に、お手許資料が行つておるわけですが、文部省から出された資料の中に、「十二月十九日、父兄有志三名が市教委に陳情書を提出善処方を申し入れた。」とありますが、教育委員長であられますあなたは、この陳情書をどなたからどういう形式でお受取りになりましたか、お尋ねいたします。福原さんにお尋ねいたします。
  265. 福原達朗

    証人福原達朗君) 少しちよつと翻つて、重大発言がありますから、よろしいですね。
  266. 川村松助

    委員長川村松助君) 今の質問に関する限りだけしか、あとは許しません。
  267. 高田なほ子

    高田なほ子君 私の言うことだけ言うて下さい。つまりその偏向教育を強いられたという陳情があつたかということですが、父兄有志三名から陳情を受けた。
  268. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私はそういう陳情書を受取つたことはありません。そうしてもう一つは……(「それでいいのだ」と呼ぶ者あり)
  269. 高田なほ子

    高田なほ子君 父兄有志五名ということがございますが、あなたお心当りがございませんか。
  270. 福原達朗

    証人福原達朗君) ありません。
  271. 高田なほ子

    高田なほ子君 池田さん、あなた教頭として若しこの父兄有志五名に心当りがあればおつしやつて頂きます。
  272. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 私はその陳情に行かれたという事実を聞いております。その場に居合せたかたからお聞きいたしますと、そのときの一人は父兄であり、他の二人は相当年のいつた区内のかたであるということを聞いております。お名前を申上げてよければ申上げます。
  273. 高田なほ子

    高田なほ子君 個人の氏名はここでは私遠慮いたします。  次にお尋ねをいたしますが、文部省京都市のほうに調査に行つた事実かあるわけです。旭丘の問題で参られたように速記録に残つておりますが、その事実はございませんか。
  274. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私は文部省の事務官には会つておりません。教育長の言によりますと、おいでになつたから一応の概略のアウトラインを説明しておきましたと言つておりました。私は会つておりません。
  275. 高田なほ子

    高田なほ子君 その事務官がお会いになつたのはどういう用件でお会いになりました。
  276. 福原達朗

    証人福原達朗君) それはわかりません。
  277. 高田なほ子

    高田なほ子君 少くとも教育委員長が文部省から調査に来られた者に会つたということを知りながらその内容を質されないということは、あなた教育委員長としてそれで当り前だと思つておりますか。
  278. 福原達朗

    証人福原達朗君) そういうことを一々頭に置いておつた教育委員長勤まりません。  それからもう一つ……
  279. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 議事進行委員の質問に対しては、証言はもう少し誠意を以て(「真面目にやらなければいかんと呼ぶ者あり)十分答弁する必要がある。教育委員長は一々そういうことを頭に置いておつては勤まらん、こういうことは看過できない。私はこの問題について、文部委員会において発議することを留保しておきます。
  280. 高田なほ子

    高田なほ子君 全く同感です。あなたに対する質問を続けします。文部省からは誰がいつ見えましたか。福原さんに伺います。
  281. 福原達朗

    証人福原達朗君) ゆつくりと親切に話をすると長いと言れれますし、簡単に言いますと誠意がないと言われますし、(「態度だよ」と呼ぶ者あり)私自身非常に……十分声を改めて、真面目に、やりましよう。真面目にやつておるつもりであります。いつ何日に誰がどこそこでということは、本当に知りませんから知らないとお答えしておるのです。知つておるならはつきり申上げます。知りませんから知らないと言つているのです。ところが旭丘の状態を調べに来られたのと大将軍の状態を調べに来られたが、大将軍の報告はありませんから、大将軍のほうは報告しておりませんでしたが、旭丘の問題は実際に来られたから。
  282. 高田なほ子

    高田なほ子君 余計なことはいいです、結構です。旭丘のことは結構です。文部省旭丘の問題に関連して、絶対に京都には行つておらない、文部省からは調査に行つておらない、こういうことを言つておるわけですが、実際に行つておる、この問題はあとに保留しますが、こういういんちきが暴露されて来ている。  その次、福原さんにお尋ねいたします。あなたは今市会議員でございますか。そうでございますか。
  283. 福原達朗

    証人福原達朗君) さようでございます。
  284. 高田なほ子

    高田なほ子君 こういう問題の中に政治的な紛争が混つてはいけませんので、私は良識としてお尋ねするのですが、大将軍や、旭丘中学校範囲はあなたの選挙地盤でございますか。
  285. 福原達朗

    証人福原達朗君) 選挙地盤……私は大将軍でありますから、従つて大将軍は選挙地盤と申されるかも知れませんが、選挙地盤ときまつておりません。
  286. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体選挙地盤に入つているのですね、大将軍は。
  287. 福原達朗

    証人福原達朗君) さようでございます。
  288. 高田なほ子

    高田なほ子君 その次お尋ねをいたしますが、福原さんにお尋ねいたします。教育委員の五名の方は、偏向教育について認めないというようなことを言つておられるやに聞いておりますが、あなたは教育委員長として、一名のこのかたがたの御意見をどういうふうに把握しておりますか。
  289. 福原達朗

    証人福原達朗君) 恐らく北村君は偏向教育、一方的に偏しておるというような考え方を持つておると私は考えております。他の三人はわかりません。どう考えておられるかわかりません。併し私は大将軍の声は、どう思うか聞いたことはありません。成るべくそれを未然に防いでうまく持つて行きたいと考えております。だからそういうことについて大将軍の……。
  290. 川村松助

    委員長川村松助君) 福原君質問にだけ答弁して下さい。
  291. 高田なほ子

    高田なほ子君 野路井さんに……あとでやりましよう、これで打切つておきます。
  292. 相馬助治

    ○相馬助治君 野路井さんのほうから私たちに配つて下さつた資料の三頁の中項に、皇室侮辱の前提ということがあつて、「強い流れの思想が窺へる」とありますが、これは具体的に申しますと、どういうことでございますか。
  293. 野路井孝

    証人野路井孝君) これは天皇も橋の下の乞食も、一緒だ……。
  294. 相馬助治

    ○相馬助治君 私の聞いているのは、こういう皇室侮辱の前提となつて、「強い流れの思想」、皇室侮辱の思想というのは、何々主義思想というか、どういうことですか、ということです。この思想というのは、内容を簡単に、どういうことですかというのです。共産主義思想、社会主義思想、自由主義思想とか。
  295. 野路井孝

    証人野路井孝君) そういうことは指しておりませんいいずれかに偏つた考え方があるということです。
  296. 相馬助治

    ○相馬助治君 いずれかに偏つたというのは、何を中心にしてどつちへ偏よつているか。
  297. 野路井孝

    証人野路井孝君) 先ず常識的に判断しまして左ということでございます。
  298. 相馬助治

    ○相馬助治君 分りました。それじや以下二、三点お尋ねしますが、あなたは社会党左派だそうですが、このことを聞くために、私は開かなければならないのですから御答弁願いたいのですが、現在の大まかに言つて再軍備論と再軍備反対論がありますが、どちらを支持されますか。
  299. 野路井孝

    証人野路井孝君) 私は社会党左派の人間ではございません。党籍もありません。どちらを支持するかということでございますが、私は再軍備反対でございます。
  300. 相馬助治

    ○相馬助治君 これはあとで私は速記録を質したいと思うのですが、社会党左派を支持しておると、こういうことでしたね。それでしたから、私は党籍があるのかと思つてお尋ねしたのでして、これは私の聞き方が間違つていたのかも知れませんから、失礼しました。  再軍備反対だということが明確になりまして、そこで共産党関係がいろいろ資料に出て来ますが、これは共産党が勝手にやつたようですね。学校に入りびたつてつたと、これは学校が頼んだのでないのでしよう。それから選挙のときに共産党の候補者が大将軍のことを取上げてやつたと、これも学校が頼んだのではないらしいのですが、こういうのを例として、而もこの学校が一党一派に偏しておるときめつけるためには、先生の中に、それから教育の現象の面に、或いは教育の効果の面に、明確にこの一党一派として、この場合共産党に連関しての何かが現われておりますか、野路井さん。
  301. 野路井孝

    証人野路井孝君) 共産党ということを私は、はつきり申しておりません。再軍備の問題にしろ、水害対策の問題にしろ、給食の問題にしろ、そういつた考え方が左のほうに傾いておるということを指しておるのでございます。
  302. 相馬助治

    ○相馬助治君 故意に質問をそらされるのかどうか知りませんが、先ほどの旭丘の場合には、見解の相違はあるかも知らんが、福田さんの証言水上さんの証言も極めて明快であつたと思うのです。いい悪いは別ですよ。あなたの場合は、この偏向しておるという事例の問題がどうも私どもにはぴたつと来ないのです。なぜ偏向しておるのかということがびたつと来ないのです。  次に私は福原さんにお尋ねいたします。福原さんは今日いらしたかたの中でははつきり公的立場をお持ちになつたかたであります。即ち行政委員会としての教育委員会を主宰されておるかたでありますので、一つその意味で私もお尋ねいたしますから、その意味でお答え願いたい。先ほど陳述された旭丘中学教育内容についても或る程度御存じでいられますか。
  303. 福原達朗

    証人福原達朗君) 知つております或る程度。
  304. 相馬助治

    ○相馬助治君 その或る程度で結構でございますが、旭丘大将軍とを比べてみて、特に大将軍旭丘に比べても偏向しておる事実ありと認定されますか、それとも反対でありますか。
  305. 福原達朗

    証人福原達朗君) 遺憾ながらその比較検討することはできないと思うのです。旭丘大将軍に比べてどうかというのですが、それは私はわかりません。
  306. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかりました。あなたは教育委員会の組織というものはおわかりだと思いますが、教育委員長というのは教育委員会を代表して個人の意見等は吐けないような仕組になつておることは、御承知の通りでありますが、先ほど聞きますというと、委員会に諮らなかつたと、こういうことですが、正式に委員会に諮らないまでも、個人的には、どうも我々の管轄の下にこういうことがあつてつたというようなことは、お茶飲み話か何かで議しられたことはありますか。
  307. 福原達朗

    証人福原達朗君) それがありまするから私は言いまするが、今それを申上げますと、あなたは、勝手に委員会決議なくしてそういう発言はけしからんじやないかと、そういうお話でありますから、私は言つております。だから、あなたはお茶飲み話で言われたことがあるかと言えば言いました。それで、偏向して困るじやないかということは、北村君が言うておる。その二人は、さあどうかなと言うておる。それをはつきり言いますと、お前は……。
  308. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はそれを聞けばいいのです。あなたと議論しようとはいささかも思つておりません。そこで私は、委員長という場合に、当然その事務局を指導監督しなくちやならない公的立場を持つているわけですが、指導課長その他が、教育長が偏向教育事例なしと言明された、而も公的な意味で衆議院文部委員会が質問した折に言われたと、こういうことをあなたは事実としては知つておられますか。
  309. 福原達朗

    証人福原達朗君) そこに大分大きな誤差があると思うのですが、教育委員会或いは委員長というものは、決して教育を指導監督するものではございません。これは教育長の助言と雄鷹によつてその是非を判断して行つたらよい。あらゆる問題について、指填部には指導部長があり、指導課長があり、指導委員があり、人事委員があります、その行政権は全部教育長に任しておる。その間についての若し間違いがありますならば、こういうことがあるという助言なり推薦によつて議することで、私たち学校に直接参つてそういう指導の任に当るということは違法であると、教育委員会は大いに慎まなければならん問題であると私は考えております。
  310. 相馬助治

    ○相馬助治君 アメリカが最初に日本教育委員会を作ろうとするときの希望はそうであつたのです。ところが只今法律では、学校へ行つて口を出せというのではなくて、総括的に教育委員会の任務は法的に明らかでありますから、これは一つお読み下さい。時間がないので議論はいたしません。とにかくあなたは事務局を指導しなければならない、又指導し得る権利と義務とを持つておるということを指摘しておくにとどめておきますが、私の聞いておるのは、教育長なり指導課長なりがそういうことを言つたということを知つているかというのです。偏向教育事例なしということを言つたということを知つておるかというのです。
  311. 福原達朗

    証人福原達朗君) 偏向教育事例なしとは言つておりません。又報告に接しておりません。そういう事態があつてから初めてこういう勧告書が出た。それからもう一つ、大将軍の事態があつて、それを検討して初めて、この間の文部委員の御審問のときにも、はつきりわかつておりませんから調査研究の結果善処いたしましようと約されております。
  312. 相馬助治

    ○相馬助治君 これは重大であつて、そうすると池田証人は虚偽の陳述をしておるということになるので、これは池田君が福原君の責任を国会としては追及しなければならんと思いますが、時間がないから次に行きます。  文部省偏向教育として大将軍を取上げたということに関し、教育委員長として福原さんは広い意味でどのような御見解と将来に対する構想をお持ちですか。
  313. 福原達朗

    証人福原達朗君) 中央の問題になり、自分の土地、而も自分が教育委員長であるということについて、そういう問題が表面化したことについて非常に責任を感じておるので、一日も早く正常な教育に入りたいと、かように考えております。そうして、あらゆる努力を払つて正常な教育に持つて行きたいと、ごう考えております、
  314. 相馬助治

    ○相馬助治君 私は福原さんの本当の御心中をお察しいたすと、どうもこの大将軍の現われて来た事例が仮に全部本当であるとしても、これは非常に困つたことである、こういう事例は好ましくない、併しながら、文部省からこれが偏向教育事例などということが公表され、国会審議にこれが委ねられ、自分も証人に出て来いなどと言われることは、非常に迷惑であるばかりでなくて、学校自身の子供の将来を思うというと、非常にこれは困つたことだと、むしろこれは文部省に恨みを言いたいというくらいにお考えであるか、これは世の中をよくするために、大将軍が犠牲になつても、大いに偏向教育の事実があるということをここで証言して、大将軍はもう偏向教育の最なるものであるという意図を持つてお出掛けになつたか、いろいろなその辺の複雑な御心境があられると思うのです。誠に出過ぎておることですけれども、それらについて、文部省のやることはどうにもならんなどという、そういう事大主義的なことでなくて、十分批判したらよいと思うので、率直な御見解を給わりたいと思うのです。
  315. 福原達朗

    証人福原達朗君) 日本教育を思い、京都教育を思う意味において、たとえ少しの問題でもそれを取上げて善処しようとする努力に向つては、私は賛意を表しまして、若しこの法案がこれによつて通過されるものとするならば、非常に望ましいことはありませんけれども、今日の事態においては私はやむを得ないものと考えておりますので、文部省のこの提案、或いはこういう法案について満腔の賛意を表したいと考えております。
  316. 相馬助治

    ○相馬助治君 最後の御心境でよくわかりました。勿論自由党から出た議員さんであり、そうしてそういう立場を持つのは当然でありましようけれども、教育委員長という立場は又別の意味の、公的な意味を持つておるのであつて、一つこういう事態だけでは、私は野路井君が言つたことから、資料を出したことから、全部本当であると仮定して、立川証言池田証言がたとえ全部嘘であるとしても、私はこの大将軍の場合にはどうも偏向しておるとは思わない。旭丘のときはたびたび私は首を曲げておる。ところがこの場合は偏向しておると思えない。これだけの意見ですが、教育委員長さんとしてこの程度のところが偏向であると言われておることは納得ができないことであつて、御自身どもが立派に職責が果せないからこういうことになるのだということを反省して欲しいと思います。余計なことですから聞く聞かんはそちらの御自由です。
  317. 木村守江

    ○木村守江君 私は間単に数項目を御質問いたしたいと思いますので、どうか間単な答弁を答弁いたします。  先ず第一に編原さんにお尋ねいたしますが、福原さんの答弁によりますと、非常にうまい答弁をしております。私はいろいろな資料を出したが、あとこれが偏向教育であるかどうかということは委員諸君が御判断を願いたい、というようなことを言われたわけでありますが、あなたは京都市の責任ある教育委員長でありますので、あなたの今まで申されましたことが、あなた個人の考えで結構ですが、偏向教育であると認められますか。
  318. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私個人の意見であります。委員会全体の意見じやありません、私個人としては偏向教育ありと考えております。
  319. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと次に野路井さんにお尋ねいたしますが、野路井さんの先ほどの陳述のおしまいのほうに、何か重要な発言をお忘れしたというようなことを言つておられましたが、簡単に御説明を願いたいと思います。
  320. 野路井孝

    証人野路井孝君) 先ほど時間がありませんでしたので、この事例に出ておりますように、天皇も橋の下の乞食も同じ人間だ、そういつた細かい事例でございますが、ラジオも君が代が出れば急いで切れと、そういつたことでございますが、そのように特定のものを否定し去ろうとする、又は無視しようとする、特定のものを誹謗し、特定のものを礼讃しておる。こういつた一連の動きは偏向と言わずに河と言えるだろうかと私は思うのであります。その次に……。
  321. 木村守江

    ○木村守江君 それでいいです。それでは野路井さんはあれですか、文部省提出あのれした編向教育の中にある事別、大体これを承認なされますか、
  322. 野路井孝

    証人野路井孝君) この事例について、月日、人数、そういつた数の点は間違つておりますが、大綱は認めます。
  323. 木村守江

    ○木村守江君 わかりました。  次に立川さんに、お尋ねいたしますが、あなたの職業ですが、あなたは京都大学の法学部の教授ですか、助教授ですか。
  324. 立川文彦

    証人立川文彦君) 法学部の教授でございます。
  325. 木村守江

    ○木村守江君 あなたは京都にありまする縁掛会という会を御存じですか。その性格を簡単に述べて下さい。
  326. 立川文彦

    証人立川文彦君) 存じませんが、会長をしていられるかたがPTA会員におられるということを、承知しております。どういう会であるかは存じません。
  327. 木村守江

    ○木村守江君 先ほど来立川さんの御陳述並びに池田さんの御陳述を聞いておりますと、両方共通した点は、これは不信と怒りというような共産党のいつも使つておるような言葉を申しておれと共通しておる点はありませんか。
  328. 立川文彦

    証人立川文彦君) 私は池田先生と、その怒りという言葉について話合つたことはないのでありますが、長年小学校の問題に関連して一緒に仕事をしていたことからお互いの気持ちは多少とも知つておりますので、こういう今度の場合も、私や又はかのPTAのかたがたが怒りや不安を持つておると、覇断ずることによつて池田先生も同じようなことを認識していらつしやるのでないかということだけはわかるのであります。
  329. 木村守江

    ○木村守江君 私はあなたが京都大学の法学部の教授だという点からあなたに申上げるのですが、あなたの陳述とそれから野路井君と福原君の陳述とが非常に相違しております。あなたはこの証人喚問の一番最初において宣誓した事実を知つておると思うのです。その宣誓に反します場合には偽証舞に問われますよ。それをあなたが大学の教授であるから一言言つておきます。あなたの御陳述はこれは間違いでしよう。(「証人を威嚇するようなことを言うな」「恐喝だよ」と呼ぶ者あり)
  330. 立川文彦

    証人立川文彦君) 今私の申しましたことにつきまして、私の申しましたことと野路井証言福原証言とが違つておるという二つの点を基礎にして、お前は嘘を言つていないかという工合におつしやつたのでありますが、私は最初に宣誓いたしたことにつきまして、今日も今後も責任を持ちます。その代り私が期待いたします点は、若しも私のほうが正しいのであるへらば私と食い違つておるほうの証言に対しても必ず今おつしやいました覚悟でその責任を追及して頂く……。(「その通りだ、全く」と呼ぶ者あり)
  331. 木村守江

    ○木村守江君 只今立川君の言われた通り私も考えております。この際ちよつとお伺いします。立川君でも池田君でもよろしゆうございますが、あなたがたは日の丸というものが日本の国旗であつてそれかも、君が代が日本の国歌であるということは御存じでりますか。(「国歌じやないよ、きめていやしないよ、国で。」と呼ぶ者あり)
  332. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 私は日の丸が国旗であることを知つております。君が代が国歌でないとは考えておりません。併しどういう意味でお尋ねになつたか存じませんが、君が代が戦後、戦前と変つた意味で受取られているということを思つております。
  333. 木村守江

    ○木村守江君 国旗並びに国歌は祝日の際には歌うことが好ましいというような文部省通牒を御存じですか。
  334. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 好ましいということは知つておりますけれども、併し君が代が全面的に今歌うべきであるというふうなことについて、私は教育委員会会の意見を聞きました。指導を求めましたけれども、それについてはまだ確たる返答をすることができない状態であるということを聞いております。
  335. 木村守江

    ○木村守江君 あなたは君が代は必要がないというような新聞記事を書いたことがありますが、今もそういうような考えを持つておりますか。
  336. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) その新聞の記事が誤つておりますから、私はそういうふうには考えておりません。
  337. 木村守江

    ○木村守江君 どういうふうに誤つておりますか。
  338. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 私が申しましたのは区民運動会の開会式に君が代を歌うか歌わないかという討論が行われましたときに、区民大会ですから君が代を無理に歌わないでもよいではないですかということを言つたのでありまして、君が代が国歌であるかないかということを議論したのではありません、
  339. 木村守江

    ○木村守江君 あなたがたは現在の憲法を擁護いたしますか。(「当り前じやないか」と呼ぶ者あり)
  340. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 最も熱心な憲法擁講者であると私は考えております。
  341. 木村守江

    ○木村守江君 憲法の条章に、天皇は国民の象徴であるという言葉がありますが、そういうことを考えましたとき、天皇は橋の下の乞食と同様だというようなことで以て、この憲法を擁護しておることになりますか。(「誰がそんなこと言つたんだ」と呼ぶ者あり)
  342. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) それはどういう根拠を以ておつしやつておいでになるのかわかりませんが、若し私がそういう言葉を申したとすれば、そういうことが成り立つかも知れませんが、私はそういうことは申してはおりません。
  343. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと池田君にお尋ねいたしますが、あなたの学校に田中弘一という人はおりますか。
  344. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) おります。
  345. 木村守江

    ○木村守江君 あなたは今教頭ですね、いつから教頭になられましたか。
  346. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 私は遺憾ながらこの四月一日附を以て、大将軍小学校を意に反して転任を命ぜられておりますので、現在は教頭ではございません、
  347. 木村守江

    ○木村守江君 ああそうですが、それじやちよつとお伺いしますが、先ほどあなたはビラを学校で貼らせたことはないと言いましたが、併し、学校で貼らせたのではないが、実際は児童がビラを貼つてつたという事実を見まして、これでいいと考えますか。
  348. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) ビラを貼つたという事実はございます。併し、それを私たちは不幸にして見なかつたのでございます。ただ貼つてある数枚を見まして、職員がすぐにそれを取つてつて帰りました。併し、子供が自主的に判断をしてやつたのでなくて或る一青年に指導されてやつたのでございますから、その学級担任を通じて、そういう自主的な判断によらないことをやつてはいけないという注意を与えております。
  349. 木村守江

    ○木村守江君 あなた答弁を聞いておりますと、学校に何も関係がないように思われますがね。実際は学校の謄写版を持つてつてそうしてこれでビラを刷りまして、而して学校から糊を作つてつてつてつておるのです。これをどう思います。学校関係ありませんか。
  350. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) そういうことについて考えておりますから、担任を通じて注意をいたしたのでございます。
  351. 木村守江

    ○木村守江君 それでは只今私が言つたことを認めますね、あなたは……。(「何を認めるのか」と呼ぶ者あり)
  352. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) それが全面的にどこまで正しいのであるかということについては、私たちはまだ十分に明らかにすることができませんが、そのビラを貼つたという事実だけははつきりしておりますので、その点について注意をしたのでございます。
  353. 木村守江

    ○木村守江君 それからさつきの陳述に、これは共産党が入りびたりで活動しておるということは、これも学校とは関係がないと言つておりますが、これは学校とは関係ないかも知れませんが、そういう状態が教育に及ぼす影響をどういうふうに考えておりますか。
  354. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 共産党員が入りびたりで活動したという事実を私どもは存じませんですから、そういうものが教育にどういうふうな関係を持つかということについてはお答えすることができません。
  355. 木村守江

    ○木村守江君 給食の問題ですが、この給食はあなたのほうで七百名かの生徒のうちに三十三名かの給食費が納めることができなかつたという場合に、三十三名が例えばあなたの言うように、全部本当に金を納めることができない状態であつたとしても、これは何らかの方法で給食のできるような状態に持つてつてやるのが先生としての温い心ではないかと私は思うのですが、その三十三名が全部納められなかつたからといつて、給食を一万的にやめてしまうということは、これは教職員として、殊にその市の教育委員会にも諮らずにやつたということは、余りこれは一方的な方法ではないかと思うのですが、とうですか。
  356. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 先ほどの初めの陳述、十分その点を申上げたつもりでございますが、三十三名がぽつんと出て来てそれですぐに中止したのではございません。前年から再三再四問題になり、校長会でももう止むを得ないから金を出さない者は中止するより仕方がないという意見になつて来ておるということを知つておりました。而も調査をいたしましたところ、近隣の学校ですでにそういう給食を受けていない子供が数名に及んでいたのでございます。で、そういう状態の中で、これはもうとてもこの給食を続けながら解決する途はない。止むを得ない、もうこのままではできないというので、給食の開始を一応延期したのでございます。
  357. 木村守江

    ○木村守江君 大体あなたば学校に長く勤めているのだからわかるでしようが、各学校の現在の給食の状態は、七百名ぐらいの給食をしていると、三十三名ぐらいの給食費を非常に納めにくい、而もその中には要保護児童が加わつているのはこれは普通です。こういうふうなところからあなたのほうでこの三十三名の給食費を納められないということによつて給食をやめるということは、何かその京教組のこれは闘争方針と図らず、或いは偶然かも知れませんが、一致した点があるのですよ。これはやはり京教組の闘争方針に従つてこういうことをやつていると思う。特に、あなたのほうではほかの、学校に働きかけて、ほかのほうでも給食をやめろというようなことの闘争をやつているのですね。
  358. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 教育委員会教育の一環として給食をやつているとおつしやつておりますが、そういう意味におきまして、私たちはやは教育委員会の責任において、そういう障害を打破して頂くのが当然であると考えております。ところが私どもがごの問題を教育委員会に訴えましたとさに、教育委員会は、京都市内に貧困のために欠食している者は一人もないということをおつしやつたのであります。ということは、当時の京都市の学校給食の異情を御存じなかつたわけであります。ですからこれが一向解決に向つていなかつた。その後教育委員会は再度調査をなさいまして、その実態を明らかにされて補給金の予算を計上されたわけでございます。そういう意味におきしまして、私たちは純粋に教育の立場においてやつているのでございます。先にど教員組合の指導方針にあるからとおつしやいましたが、私たちはその資料は、その教員組合の運動方針は昭和二十八年度の運動方針だと考えておりますか、この給食の問題は二十七年でございますので、その辺御判断をお願いいたしたいと思います。(笑声)
  359. 木村守江

    ○木村守江君 もういろいろな点であなたは野路井君と福原君の陳述と非常に相違した点があると思う。それは非常に否定しているのです。否定しているということは、否定しなければいけないということは、そのままにして置くとこれは全く偏向教育だというふうに言われるにために、口を極めて否定しているようです。(「何を言うか、ごろつきみたいな理窟を言うな」と呼ぶ者あり)
  360. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 只今のお言葉は私はとても困るのですが、偏向教育であるから否定するわけではございません。事実に相違しておりますから、事実を申上げているのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)
  361. 木村守江

    ○木村守江君 これは事実は両方の陳述が全く違うので、これは我々はどちらが事実としていいかわからないような状態に立至つておりますか、併しこれに近いような事実があつたということはあなたも承知している。これに近いような事実があつた、そういう事実というものは全く偏向教育だと、(「誰も言わん」と呼ぶ者あり)それで口を極めて(「何を言つているか」と呼ぶ者あり)これを否定しているわけですね。(「こじつけじやないか」と呼ぶ者あり)  それからあなたは都民運動会の準備会で集まつたことがありますね、
  362. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) ございます。
  363. 木村守江

    ○木村守江君 それに出席いたしましたね。
  364. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) はい。
  365. 木村守江

    ○木村守江君 そのときに式次第をきめるときに、「君が代」を加えるかどうかという問題で相当論議されたことがありますね。
  366. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) あります。
  367. 木村守江

    ○木村守江君 あなたは山田康二という人を知つておりますか。
  368. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 山田康二というかたを存じております。
  369. 木村守江

    ○木村守江君 民生委員の及川……。
  370. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 知つております。
  371. 木村守江

    ○木村守江君 その会合のときに山田君が「君が代」を加えることを提案したときに、あなたはこれに対して、それは国歌であるかないかわからないから、こういうものはやるべきでないと百反対して及川氏にそんなことじやないと言われたことを覚えておりますか。
  372. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 先ほど申上げましたが、式次第は企画部で決定いたしまして、それを承認されておりましたところが、あとから「君が代」がないからこれを入れなくてはならないという御意見が出たのでございます。それに対して一部にも相当反対の声が出ました。そこで討論が行われました。その討論の最後のほうで、私は開会式は大体子供が大勢集まるのでございます、子供は今日「君が代」を余り知りません、それで無理かも知れん、運動会でもあるし「君が代」を歌う必要はないではございしませんかということを申上げたのでございます。
  373. 木村守江

    ○木村守江君 あなたの学校では水害工作隊に出掛けたことがありますか。
  374. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) ございます。
  375. 木村守江

    ○木村守江君 どのくらい行きましたか。どのくらいどこに行きましたか。
  376. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 夏休の期間内に五名が水害救援隊に加わつて参りました。それが帰つて参りまして、どろんこになつて働いて非常に得るところがあつたから、これは是非行つたけうがいいというので、その後二学期が始まりまして後に二名が参加いたしております。
  377. 木村守江

    ○木村守江君 これはあなたは夏休と言つておりますか、これは授業を休んで行つたことはおりませんか、
  378. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) 今申上げた通りてございまして、二学期に入つて二名が参加したのでございます。
  379. 木村守江

    ○木村守江君 授業を休んで行つたことはありませんね。
  380. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) ありません。
  381. 木村守江

    ○木村守江君 あなたのほうの校長が行つたことを認めておりますが、授業を休んで行つたことを、それは夏休ではないでしよう。授業を休んでおるのでしよう。
  382. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 時間がございませから簡単に承わりますが、先ほどあなたは証言で日の丸はいつも、この事例以外のときにはいつも校門にお掲げになつておると承わりましたが、この事件が起る前にもずつと引続いでお掲げになつておりますか。この事実を言つてもらいたい。
  383. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) いつといつに掲げたかというはつきりしたことは覚えておりませんが、祝日には大体掲げております。その最も証拠になりますものは、一昨年卒業しました児童と一緒に私は日の丸の下で正月に写真をとつております。
  384. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 このことの起る前に掲げた、ずつと掲げておつたわけでございますか。
  385. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) その通りでございます。
  386. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 もう一つ承わりますが、あなたは、この三十三名について調査した結果と思うのでありますがそのうちの民生委員等で調査の結果二十四名と、数は聞き違いかも知れませんが、それぐらいが生活保護の対象になつておる人間であつて、このような人数はないというふうに証言を受けたのでございますが、そうでございますか。そうしますと二十四名というのは、生活保護法によつて政府は金を出しておるもるでございますが、これを出さない人数の中に入つておるというふうに申されたのではないでしようか。
  387. 池田正太郎

    証人池田正太郎君) その点は最初の陳述で申上げたつもりでございますが、三十三名の未納者があつたと申しますのは、給食のこの問題が起つたときでございます。それ以後私どもは民生委員会、民生安定所と連絡いたしまして、この三十三名は貧困でございますから救助を願いたいと言つて申請をしたのでございます。その結果、安定所それから委員会、ケース・ワーカーが調査をなされまして、その三十三名のうち二十五名は、すでに今日までに保護の対象になつておるのでございますから、少くとも三十三名のうち二十五名詮は貧困であつたということが証明されておるわけであります。その他の八名につきましても、現在救援の限界児童であるということは、お手許に配りました民生委員長の証書の通りでございます。
  388. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつといま一つ福原さんにお尋ねしますが、先ほどこの日の丸を祝日に門前に立てるという池田君の証言がありましたが、これはこの問題が起こつてからですか、起る前から立てておりましたか。
  389. 福原達朗

    証人福原達朗君) こういう問題が出てから今度の秋季皇霊祭に……春季皇霊祭にも出ておりましたが、それまては恐らく出ておりません。私は毎日、窓口に出ていますから見たらすぐわかるですよ。春季皇霊祭じやありません……。    〔岡三郎君発言の許可を求む〕
  390. 川村松助

    委員長川村松助君) 折角ですけれども、時間が終了しました、これを以て大将軍関係の……。
  391. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、もつと、福原さんにお尋ねしますが、文部省から出した偏向教育事例の項に、大将軍の項で、具体的になつている事例を全部真実とお認めになりますか。簡単に。
  392. 福原達朗

    証人福原達朗君) 給食問題から、それからこの事例ですからこの事例ですか、日の丸の問題。
  393. 岡三郎

    ○岡三郎君 ずつと。
  394. 福原達朗

    証人福原達朗君) 全部私は認めております。私個人として認めております。
  395. 岡三郎

    ○岡三郎君 個人として認めておる。それでは二十七年度の一年生国語教科書に日の丸という教材がありますか。
  396. 福原達朗

    証人福原達朗君) 何ですか。
  397. 岡三郎

    ○岡三郎君 まじめに聞いて下さい、
  398. 川村松助

    委員長川村松助君) 何か今読んでおつたからわからなかつたのでしよう。
  399. 岡三郎

    ○岡三郎君 教科書に日の丸という教材がありますか。
  400. 福原達朗

    証人福原達朗君) これはちよつと説明いたします。
  401. 岡三郎

    ○岡三郎君 簡単に、あるかどうか。
  402. 川村松助

    委員長川村松助君) あるなしだけを答弁して下さい。
  403. 岡三郎

    ○岡三郎君 ありますか、ないのですか。
  404. 福原達朗

    証人福原達朗君) あるでしようね、あるかないか私はつきりわかりません。
  405. 岡三郎

    ○岡三郎君 重要な問題ですよ。  それから第二項、「ラジオで君が代が出たら急いで切れと教えた」、その教えたことを、具体的なことをあなた御存じですか、その点。
  406. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私説明いたします。この日の丸という問題。
  407. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、第二項「ラジオで君が代が出たら急いで切れと教えたので」。
  408. 福原達朗

    証人福原達朗君) そう怒らなくてもいい。私が言つたらあなたが怒るから。
  409. 岡三郎

    ○岡三郎君 一つずつ聞いておるのです。
  410. 福原達朗

    証人福原達朗君) だから……。
  411. 岡三郎

    ○岡三郎君 今聞いておるのは、
  412. 福原達朗

    証人福原達朗君) 今思い出しておるから、日の丸という問題を。
  413. 岡三郎

    ○岡三郎君 それはあとで、順序が狂つてしまう。
  414. 福原達朗

    証人福原達朗君) 一遍に質問されるのですか。
  415. 岡三郎

    ○岡三郎君 第二項の「ラジオで君か代か出たら急いで切れ」と教えたので、子供が家でそれをする。の点に  ついて、具体的にいつどこつたということがおわかりですか。
  416. 福原達朗

    証人福原達朗君) わかつております。
  417. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちよつとそれを言つて下さい。
  418. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは現在の津田会長が五人の児童委員の前で、ラジオの最後に君が代があるが、あれはどうもいかんから消せと言うておるようであるが、これは先生がそういうことを教えておるらしい。
  419. 岡三郎

    ○岡三郎君 らしい。
  420. 福原達朗

    証人福原達朗君) 津田会長ですよ。
  421. 岡三郎

    ○岡三郎君 先生でないのですね。
  422. 福原達朗

    証人福原達朗君) 会長です。
  423. 岡三郎

    ○岡三郎君 「一年生に「皇太子は国民の税金で世界旅行をしやがつて百カ日の自動車を買いやがつて」といつた」これはお認めになりますか。
  424. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは三年の生徒です。一年生じやありません、
  425. 岡三郎

    ○岡三郎君 三年生にそう言つたことをお認めになりますか
  426. 福原達朗

    証人福原達朗君) 私は聞いておりますから、この点だけを一つ聞いておると訂正さして頂きたい。
  427. 岡三郎

    ○岡三郎君 どなたから聞いた。
  428. 福原達朗

    証人福原達朗君) 野路井さんから聞いております
  429. 岡三郎

    ○岡三郎君 野路井さん、その点についてどういうふうにあなたはお調べになりましたか、学校先生がいつこういうことを言つたか、それを言つてもらいたい。
  430. 野路井孝

    証人野路井孝君) 先生個人の名前は私は差控えたいと思います。
  431. 岡三郎

    ○岡三郎君 言つてもかまいません、(「言えないというのはおかしい」と呼ぶ者あり)
  432. 野路井孝

    証人野路井孝君) 或る父兄のかたが見えまして、或る先生がこういうことを言つたということを一言つております。
  433. 岡三郎

    ○岡三郎君 その先生の名前を言つて下さい。
  434. 野路井孝

    証人野路井孝君) その先生の名前は尾仲先生と聞いております。
  435. 岡三郎

    ○岡三郎君 次に、「十八歳までは親は子供を養育する責任がある。しかし子供は親の面倒を見る責任はない。欲しいものがあつたら何でもうんと親にねだること。そして要求が通るまでがんばれ」と教えている。子供はことごとに親に反抗するようになつた。」これはいつ、どこで誰が教えたのか、これは福原さんに。
  436. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは私ははつきりと親への反抗という問題は耳にしておりますので、その材料をはつきりと握つておりませんが、会う人ごとに、つまり大倉君とか或いは又山田君とかに聞きますると、そういうことを言うて非常に困つた……。
  437. 岡三郎

    ○岡三郎君 いつ誰か言つたか、どういう先生が言つたのですか。
  438. 福原達朗

    証人福原達朗君) それは私はそういう問題は余り深く追及をしないという(笑声)考えで持つておりましたから、聞いておりません、
  439. 岡三郎

    ○岡三郎君 「その他父兄が不満とする事実南山城地方の水害地の工作隊に先生が授業放棄して出かけた。」、この点については、先ほど池田証人のほうから証言があつたのですが、この点について校長の許可なり、教育長の許可を得ているということを御存じですか。
  440. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは学校の先輩が他に出張する場合には校長の許可を得ておりますので、委員会がこれにタツチしないことになつておりますが、大体もう少し大きい点から見て京都市の教員が……、
  441. 岡三郎

    ○岡三郎君 時間がありませんか
  442. 福原達朗

    証人福原達朗君) それを言わないと……。
  443. 岡三郎

    ○岡三郎君 校長の許可を得ていることを知つておりますかと聞いているのです。
  444. 福原達朗

    証人福原達朗君) 校長がそれはやつたでしよう。それより前に……。
  445. 川村松助

    委員長川村松助君) 前のほうは要らない。
  446. 岡三郎

    ○岡三郎君 「学校参観日に水害地中和束村のビラと言つて、「再軍備反対水害政府が悪いからだ。云々」と書いたものを父兄に配布した。このビラはこの学校先生がたがやつたものですかどうですか。福原君、誰が作つたものか、学校先生が作つたものかどうか。
  447. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは……
  448. 岡三郎

    ○岡三郎君 福原君に聞いているのだ。([皆認めているのに答弁できないのだ」と呼ぶ者あり)答えないのを時間に数えてもらつては困る。  最後に、「学校の屋外照明が破損していたが、盆踊をやるのに風紀上よろしくないから、消防団とPTAが負担修理、学校に寄附、校長は喜んで受入れた。ところが学校教員融合は校長が寄継を受入たことはよくないとして、PTA会長校長を総合の懲罰委員会にかけると言いふらした。こういうことを知つておりますか。
  449. 福原達朗

    証人福原達朗君) これは私の友人の奥田君がよくそれを立証されますので、奥田者を通じて会長が、そういうことをして寄附を私がもらいますと懲罰委員会にかけられるのじやないかと思うておつたということを聞きました。それからこういう話合いを会長とも話合つたら、それは私は冗談に言つたのだ、こう言つておられました。
  450. 川村松助

    委員長川村松助君) 岡君、時間が参りました。
  451. 岡三郎

    ○岡三郎君 これで終ります。PTA会長校長は組合の懲罰委員会にかけられるものであるか、かけられないもので、あるか、それはどう判断するか。
  452. 福原達朗

    証人福原達朗君) それは校長はかけられるものだと思つておりますが、それは附随的な問題であつて、勿論それに対して掣肘を受けるべきものではないと考えております。校長はかけられるかもわかりませんが、PTAの会長はかけられるものではないと思つております。
  453. 岡三郎

    ○岡三郎君 こういう事例は偏向だと思われますか。
  454. 福原達朗

    証人福原達朗君) それは私こう考えております。寄附一切の行為を拒否するという点が、ここに掲げておるところの教員組合から出している運動方針書の指令に一致す心ものである、だからすべてそういう点において、寄附というものは全部これを拒否すべき性質のものであると考えております。
  455. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は以上の観点から次の点を一点言つて終りますが、以上の証言に基くというと、先ほど福原さんが言つた文部省のいわゆる偏向教育事例出所その地域に不明確である、この不明確なものに対しみんなこれは正しいと言つている。而もあなたの証言は、速記録に載つておるので、事後の処理について責任を持ちますか。
  456. 福原達朗

    証人福原達朗君) はい、責任を持ちます。
  457. 川村松助

    委員長川村松助君) 他に大将軍小学校関係証人のかたに御質疑があるかたはありませんか……。御質疑もないようでございますから、大将軍小学校関係証言はこれを以て終りといたします。  大分予定が遅れましたが、これから午後の部に入りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  458. 川村松助

    委員長川村松助君) 異議がないようでありますから午後の部に入ります。  文部委員一同を代表して、御出席証人各位に一言御挨拶を申上げます。  目下当文部委員会におきましては、義務教育学校における教育政治的中立確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部々改正する法律案の両法案を審議中でございますが、この法律案に関連して、文部省当局が当委員会提出した資料偏向教育事例につきまして、その信憑性に関し証人を喚問してその証言を聴取いたすことに決定し、本日各位の御出頭をお願いいたしましたところ、御多忙中遠路わざわざ御出頭下さいまして有難く御礼を申上げます。  只今から証言をお聞きするのでございますが、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人各位宣誓をお願いすることになつております。  宣誓に入ります。前に証人に御注意申上げます。若し虚偽の証言を陳述いたしたときは、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第六条によりまして、三カ月以上十年以下の懲役に処する罰則があり、又正当な理由がなくて、宣誓若しくは証言を拒んだときは、同法第七条によつて、一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつておりますから、この点御、注意申上げておきます。但し民事訴訟法第二百八十条(第三号の場合を除く。)及び第二百八十一条(第一項第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むことができます。これも併せて御注意申上げておきます。  念のために先ず民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。  第二百八十条 証言カ証人又ハ左二掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰ヲ招ク虞ノル事項ニ関入ルトキハ証人ハ証書ヲ拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱二帰スヘキー事項ニ関スルトキ亦同シ   一 証人配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等親族関係アリタル者   二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者  次に、民事訴訟法第二百八十一条の該当分を朗読いたします。  第二百八十一条左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言拒ムコトヲ得   二 医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教又ハ祷祀ノ職ニル者ハ此等職ニ在タル潜力職務上知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問受クルトキ   前項ノ規定ハ証人カ黙秘義務免セラレタル場合ニハ之ヲ適用セス  以上であります。  宣誓の順序はお手元に配付してあります証人名簿の頃にお願いいたします。  総員起立をお願いいたします。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 井上 慶造    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 森   信    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 溝口 成城    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 西村 英一    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 三宅 信市    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 千葉 茂美    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。          証人 森  太郎
  459. 川村松助

    委員長川村松助君) 御着席を願います。  証言の内容については、証人各位参議院議長からすでに送付してあります証人出頭を求める通知と、それに添付しました、即ち文部省から提出した資料偏向教育事例について御証言をお願いいたします。本日は多数証人の御出頭をお願いしておりますので、時間の関係もあり、証言の時間は大体お一人八分以内において御証言を願います。  なお、各委員に申上げますが、証人に対する御質疑は、証人各位の証吉を全部終りましてから後に、お手元に配付してあります時間の範囲内においてお願いいたします。  それでは井上慶造君から。
  460. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 証言を求められました事案につきまして、殆んどこの「冬の友」に関連性がございますので、一応総括的に経過の説明をさして頂きまして、あとの御質疑に答えたい考えごでざいます。  私が「冬の友」におきまして知りましたのは、昨年の十一月の二十二日であつたのでございます。而も私にこれを提示せられましたのは、県下の教組の組合員である学校職員のかたであつたのでございます。当日はたまたま大津市内の校長会の招集によります緊急校長会議が開催されておりまして、その会議の内容は、冬休み中に生徒に売られました学習用の図書の内容に、教育上好ましくないものや、又一方に片寄つた思想があるというのでこれの処置について協議をされたように聞いておつたのでございます。この二十二日の結果を後に聞いたのでございますが、この二十二日の協議の結果打出されました線では、この「冬の友」のうちの一九五三年さようならの記事と、中共引揚児童の作文の記事について、吟味検対をされた上でありまして、結論といたしまして、このまま子供の家庭学習材として与えることは不適当であると認めると第一項できめられたのであります。なお取扱については、学校長の責任において処理すること、そのような点がきめられましたようでございます。  引続いて、二十三日にも会議が持たれましてこの日はこの「冬の友」の生徒に渡す渡し方についていろいろ検討されましたようでございます。その結果、後日校長さんから御報告があつた内容を伺いますと、第一に、問題の点を消して渡した学校、第二に、これを切取つて渡した学校、又問題点に貼紙をして渡した学校、なお四には、事前に児童をしてを感想出すことをやめさした学校、これらの点がきめられたようでございまして、一応大津市内の学校といたしましては、事前の処置よろしきを得ましたので、大津市の教育委員貝といたしましても、この処置に対しては好意を感じておつたのでございます。  ところが十二月二十五日に、各報道機関が一斉に問題を取上げまして発表するところとなつたのでございます。この報道によりますると、殆んど全県下にそれが問題を取上げましで、各地区から私の手許に問合わせがあり、又一面PTAのかたがたもこれがために御心配に相成つておるということを聞きましたので、地教委としてもこの事態を看過できない状態になつたのであります、その間県の教組の執行委員長であられます館委員長と中村書記長が面会を求められまして、私にその内容についての説明をされたのでございます。その問題の内容は、他の書籍から転載したものであつて他意はないということを述べられたのでございます。併し私といたしましては、実物を見んわけでもございませんし、内容が大部に亘りますので、そう早急に速答もいたしかねましたので、地方教育委員役員会を開きまして役員さんの意見を求めた上で改めて会うことを約束して別れたのでございますが、同時に役員公の招集をいたしまして、二十八日に緊急役員会を開いたのでございますか、そうして県下の状況々総合することができたのでございます。その役員会での発表によりますと大津市、彦根などの都市を初め県下の各郡におきましても、大よそ大津市にやられたような線で、これが配付されておつたのでございます。その席上では、一応そうした事前処置はとれましたが、かかる図書の編纂に当られた点、なおこの内容の取材が偏向的であるというような点につきましては、非常に活発な御意見が出まして、これを非難する声が高かつたのであります。併しそのときすぐ決定を見られるわけでもございません。差当つての処置といたしまして、この「冬の友」の編募の経緯と教組の行き方につきましての話合いは連絡協議会長でありまする私に一任されますると同時に、一方県下に若し知らず知らずにこういうものが流されてあつて、後日問題を起しましてはと思いまして、地教委の会長名を以ちまして各単位の委員長宛にこの「冬の友」の取扱力を通達したのでございます。その内容を一応御披露したいと思います。    冬の友の取扱について   この事については、既に貴委員会並に学校に於て慎重審議の上教育上適切なる処置を講ぜられた事と思いますが、教育の申立性堅持の主旨に艦み万遺憾なきよう、その取扱に留意されるよう念の為め御通知します。  なお参考法律としまして、学校教育法の第二十一条第二項、教育委員会法第四十九条第三項を参考に付けまして送つたような次第でございます。年末年始に、時間がないようでございますが、せいぜい早く読上げます、一月八日に県の組合長とこれが交渉に当つたのでございますが、この際に四囲の事情や県内の状況を見まして、委員長はその取扱つた図書の内応が有益、適切でなかつたという点ははつきりと認めまして、釈然として快く陳謝されたのでございます。但し私のほうとしましては、なおこの問題点になるところの基礎をなすものを十分教組の委員長のほうで御調査の上私のほうへ御報告願い、双方でこれを善処して行きたいということを約して別れたのでございます。その間、一万この内応の検討につきましては、責任がございますし、なお深く今後こうしたことが起ることを恐れまして、研究をするために、たまたま東上の際これを全地教委の一つの研究費料として持つて参りまして、時心たかも文部大臣とお目にかかる機会ができまして、只今申上げたような点と同じことを参考に申上げたようなことに端を発したのでございまして、この問題が大ざくなつたようでございます。但しその後たまたまこの「冬の友」の取扱いにつきまして、これを、是とするよりな意見も起つてつたのでございますが、それは別といたしましては、私どもといたしましては、この「冬の友」が全県下に、地域社会に相容れられなかつたことは、何と申しましても一現実の問題といたしまして、これを一応は私どもは少くとも偏向的な取扱だと断定せざるを得ないのであります。  なお滋賀県内の善良なる多数の先生が、こうした組合発行の編集の図書々、かくも勇敢に処置されましたことに対しましては、県の連絡協議会といたしましては、新たな敬意を表すると共に、今後こうした問題が起らないこと、更に教育が正しく実施されることを念願いたします。そのことが地方教育委員会に課せられました大きな責任だと自覚をいたしまして、その後に処しております次第でございます。  以上を以ちまして、多少省略はいたしましたが、概要を証言いたしたわけでございます、
  461. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に、森信君に御証言を願います。
  462. 森信

    証人(森信君) 証言を求める事項として添付されました資料に基きまして簡潔に証言いたしたいと思います。この資料の中に、概要それから日記の内容の例が載つておるわけたんですが、概瞬の項目の順序を追つて証言いたしたいと思います。  最初に「冬の友」が全県下に配られたというふうに書かれておるわけなんですが、県の教職員組合のほうで編纂の方法を、民生的な方法によつて、即ち各支部から文教部の部長の集合、その集合によつて編纂を進めるという手続を踏み、更にこれがサンプルを各学校に一部ずつ送りまして、その後者学校の希望によつて採用する、こういう形をとつております。従つて使用しておらない学校もあるわけであります。  第二項といたしまして、中共礼讃の作文を掲げておるということがおるわけなんですが、当時中国からの引揚者が帰つて参りましたので、この引揚げて帰つて来た子供たちを温く迎えるために、この子供たちの作文を図書館協会の推薦図書である講談社の「帰つて来た子供瀧」の中から転載したものであるというふうに聞いております。又現場における取扱におきましても、中共礼讃としての取扱をしておらないと考えます。  次に第三項といたしまして、一九五三年を送る文章、この文章は、一九五三年中に主として、問題となつた諸点を客観的に羅列してあるので、一般的な記述形式を以て一方的に断定しておらないというふうに考えます。  次に感想文についてでありますが、感想文を教組の執行部の文化部に送つて下さい。この出版物につきましては、先ほど申しましたように、教組のほうの文化部で出版物を作つておるので、これが取扱つた教師或いはその他の感想を聞いて、反省参考の資料としておるというふうに了解しております。  なお、内容の例の次に附記されております作文を作つた子供の感想については、原文においてこういうふうに作られておりますので、我々はここに書かれてあるような問題にお答えできないと思つております。  次に、山口眞実の名がここに書いてありますが、山口マコトと言いますか真実という名になつているが、山口県の日記は真実だという意味にとられておかしいというのが書かれておりますが、転載いたしました元の書物にその名前がそのまま載つているのでこういう見解は極めて滑稽な感じがいたします。
  463. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に、溝口君に御証言願います。
  464. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 私がこの日記の件を知りましたのは昨年十二月二十四日の午後でありまして、新聞に出る前日でありましたが、小中学校長会で取扱について協議をしたということを聞きました。翌二十五日、新聞記事に出まして、私の方から連絡しようと思つておりましたときに、県の教組の文化部長が参りまして、この日記を、現品を持つて参りました。それを一応見まして、詳細に見ることはできませんでしたが、教材としての取上げ方が適当でないということはすぐわかりましたので、その趣旨を注意いたしました。今後よく指導、助言を受けて発行するようにと申渡しました。同じ日に執行部の者数人が教育長の所に参りまして、教育長から同じくその趣旨の助言、注意があり、今後発刊に際しては、指導宜の指導を受けるようにということを申渡したのであります。  その学校の処置につきましては、先ほど井上証人から、言われましたように、削除して渡した場合、白紙を貼つて渡し場合、或いはそのまま渡した場合いといろいろりますが、その後の県下の教育の現場における状態を眺めておりますのに、この問題を静かに考えながら落着いて授業をしておる状態であります。併しなからこの扱いの不備な点、これらを考えますときに、これの事例を強い偏向事象と見るべきかということにつきましては、強い事象とは考えませんが、この結果を見まして、偏向事象とし、認めざるを得ないと考えております。
  465. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に、西村英一君に御証言を願います。
  466. 西村英一

    証人西村英一君) PTAの立場は、只今証人の申されました後の話でありまして、つまり二十五日の新聞記事以後にPTAで問題になりましたので、PTA自体からその問題を取上げて審議にかけたわけではなかつたのであります。新聞記事を見まして、一応役員間で驚きを同じうしまして、三十七日に緊急の役員会を持ちまして、この問題についてPTAの立場を決定しようといたしましたところが資料が一応不備でありまして、と申しますのは、中学のほうが一応問題になつておらなかつたので、小学校のほうだけである。その内容のどれがいわゆる問題かということでいろいろ話合いをしたわけでしたが、いわゆる政治的偏向というような強い線は出ておるとは思えないけれども、社会の実情の暗い面が多分に編集されておるというきらいはある。それでこれをもうそのときには学校子供の手に渡つておりましたもので、何か適当なPTAとして措置を講じ、学習指導に遺憾のないようにしなければいけないということで、小学校PTAの会長宛に、只今申しました明るい面のあることをも挙げて学校と連絡の上、偏しない家庭指導をされたいという内容のものを小学校の会長宛に送りました。  それと同時に、今後のあり方ということも必要なので、「夏の友」も「冬の友」も家庭、学校教育の密接なる連繋による効果を上げるために、又反面PTAの成人教育の一環ともなるような内容を編集してもらいたい。それからもう一項、校長がそうした刊行物の責任者として、その地域とその時期に適する刊行物を選択されるようにというような、そういうことに会長が協力を惜しまないようにしようというふうなことを申渡しまして、即日会長宛に発送いたしました。その後二、三回役員が集まりまして、いろいろ委員会、地教委、県委員会やなんかでいろいろ話が出ますので、このままではどうも、もう少しはつきりしないから、偏向教育と指摘されておるものを持ち寄つて、親のいわゆる教育という面で、もう三遍しつかり検討して見ようといううことになりました。ところが役員の間でありますので、個人的な意見があります連絡協議会を開く必要があるということになりましたが、一応この問題はこの線で、県内終るであろうというような見通しでお正月を迎えました。ところが正月も過ぎまして、新聞の本紙面で、文部省のほうで問題化されておるというようなことになりましたので、急遽又集まりまして、いろいろと内容を検討いたしましたが、私のその場で申しましたのは、いろいろ指摘されているけれども、こういう世の中に事実があるということが載せられていると、「冬の友」は学校の教科書ではないのだから、家庭と学校とを結ぶ良い学習資料でなければならないが、その中にこういう最近ややともすれば偏向の慮れのある内容を取入れて編集をされているということも、子供中心先生と父母とが話合うよい機会を与えてもらつたと思つてもいいのではないか、十分この問題は慎重に扱わねばならないけれども、このことがあつたがために、そういう問題を学習指導の内容として取上げられたという打合せがあつたと、これが大きく取上げられて子供教育上マイナスになるような事態が発生するのは誠に好ましくない、何とかしてこれをよい意味で活かして使いたいというふうに私申上げました。  時間がありませんので何か筋が通らないことを申上げておるようですが、あとで又陳述の足らないところはお答えしたいと思います。
  467. 川村松助

    委員長川村松助君) これを以て滋賀県「冬の友日記」関係証人のかたの証言は終りました。各委員のかたで御質疑のおありのかたは御発言願います。
  468. 吉田萬次

    吉田萬次君 只今四人のかたの御証言を承わりまして、大体においてこの問題は弱い強いは別として、偏向的のものであるようにこれは承わりましたが、そこで四人のかたに御質問を申上げたいと存じます。  先ず溝口さんにお尋ねをいたしまするが、昨年の十二月二十五日の滋賀新聞によれば、長浜市、東浅井郡では冬の友の一部を切り取つたり、或いは敬遠した学校が相当あるように聞きますが、これは事実ですか、どうですか。
  469. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 数的にはつきりと掴めないことを遺憾と存じますが、そういう扱いをしたことは事実のように聞いております。
  470. 吉田萬次

    吉田萬次君 次に、彦根市では小学校長会を開いて、小学校三年の「合作社への概要」、四年の「中国の先生生徒」、五年の「心の中の日本」、六年の「あのこととこのこと」、の各項に紙を貼つたというようなことがあり、又「一九五三年を送る」という項を全部削除した学校があるとの記事がもりますが、削除された事項は常識的に見ましても、中共礼讃か、又は特定のイデオロギーがはつきり出ておる文章のように考えます。あなたはこの「冬の友」の原文を読んで、これは教育上適当なものであるとお考えになりましたか。どうですか。
  471. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) この教育上適当であるかどうかということをお答えする前に、社会科で扱います扱いは、社会の明るい面、暗い面、両面を教材といたしまして、正しい理解力をつけなくてはなりませんのに、編つた教材面Lを、それが意図的であるかどうかは別といたしまして、取上けたことに対しては適業でないと、こういうふうに考えます。
  472. 吉田萬次

    吉田萬次君 偏つたものであると解釈いたします。  次に第三に、大津市では小学校長会の席上で協議した結果、関係の頁を破つたり抹殺した学校もあるとのことでありますが、現在県の教職員組合がこのように県内に問題を引き起すような学習帳を編集したということについて、あなたは適当であるとお考えになりますかどうですか。
  473. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 両面の資料を、添りべき指導を受けないで、こういう編纂をなされたことは残念であると考えます。
  474. 吉田萬次

    吉田萬次君 これについてあなたはこれは適当であるとお認めになりますかどうですか。その事柄が適当であるとお考えになりますかどうですか。
  475. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) その扱い方は不十分であると考えます。
  476. 吉田萬次

    吉田萬次君 次に森さんにお尋ねいたします。あなたの学校では「冬の友」が問題化した昨年の末、他の学校と同様に問題の個所を破つたり抹殺したりしましたか。或いは「冬の友」についてどういう処置をいたしましたか。
  477. 森信

    証人(森信君) 私の学校ではこの「冬の友」がいわゆる市内の校長会で取扱について論議されたということを聞いたわけなので、このときにこれの取扱を如何にするかということを職員で協議会を持つて検討いたしたわけなんです。ところが結論を申上げますと、削除する必要なし、ただこの文章の出所はつきりさせて使用させております。
  478. 吉田萬次

    吉田萬次君 問題の個所はそのままにして置いたというお説でありまするが、そういたしましたなら、他の学校でこれを抹殺したり、破つたり、紙を貼つたりしたところの学校の処置というものをどうお考えになりますか。
  479. 森信

    証人(森信君) 私の学校の見解を以て申しますたらば、そうした貼紙する、削除する、或いは抹殺するというような措置をとる必要なしと考えておりますが、これは市内の校長会において各学校長独自の行き方をいたしておりますので、それぞれ違つたそれぞれの見解に基いてやつたものとこう考えておりますので、別段取りはずさなければならないというような問題というふうに考えておりません。
  480. 吉田萬次

    吉田萬次君 それではもう一つ伺いますが、小学校の三年から中学の三年までの学習帳の巻末に中共礼讃の作文を一貫して掲げておりますが、この編集態度というものは、あなたは是とお考えになるか否とお考えになるか。
  481. 森信

    証人(森信君) 先ほど証言いたしました通り、いわゆる中共からの引揚の子供たちを温く迎えるという同胞愛で、彼らの生活を紹介した文章が載せてあるということは、いわゆる同胞愛の気持ちからいいことである、適切なことであると考えております。
  482. 吉田萬次

    吉田萬次君 これはずつと一貫しているという、一貫していることがいわゆるどもは中共礼讃のように考えるものでありまして、一つの文章じやなくて、三年からずつと続いて全面的に亘つて巻末において礼讃してあるということについて、あなたはこれをどうお考えになりますか。只今のお説ですと、一部或いは二つの文事ならとにかく、一貫しているところのこの意思というものについてどういうふうにお考えになりますか。
  483. 森信

    証人(森信君) 今申上げました通り、先ほど申しましたような気持を持つて、こうした内容を持つておるものが中共のほうにいわゆる取材されておるということがたまたま起つたわけでありますけれども、我々はこれが殊更意図的にそういうふうなものを取つて来たというのではなくて、むしろ中共の何と申上げますか、最近の新らしく変革されておるよい部面が以て教育の指導になるという見解をとつて来た、先ほど申上げましたその二つの見解を考えておりますので、不適切だとは考えておりません。
  484. 吉田萬次

    吉田萬次君 適切のことだと考えておらんのですか。
  485. 森信

    証人(森信君) 不適切と考えておりません。
  486. 吉田萬次

    吉田萬次君 不適切だと考えておらん……、これ以上は見解の相違になると思います。  それから西村さんにお伺いいたします。この「冬の友」が学習帳として出ましたときに、滋賀県下の各学校に渡つた当時、あなたは自分の職責上といいますか、あなたは教育に非常な御熱心なかたと承わつております。そのためか、とにかくこの編集の内容を重要視せられたのか、一番早くあなたがこの問題をお取上げになつたということですが、さようでございますか。
  487. 西村英一

    証人西村英一君) 先ほど申上げましたように、私存じましたのは新聞記事に出ました以後でして、二十五日なんであります。
  488. 吉田萬次

    吉田萬次君 これについてあなたはどういうふうにお考えになつておりますか。先ほどあなたのお説を承わりますると、これは将来に対する一つの参考資料として、教育上方針を定めて行くに役に立つものではあると考えるけれども、併しながらこれは偏したものであるというようにおつしやいましたが、さようでございいますか。
  489. 西村英一

    証人西村英一君) 偏したという意味がこういう内容ですとはつきり言えないのですが、何に偏しているか、つまり中仙というものが何だという場合に、あの作品が意思表示をしている、それを編集した者も同じく意思表示をしているという工合になりますと、偏しているとこうなりますが還つた子供がこういうことを考えているという事実た取上げて、学習指導の内容としているということになりますと、その取上げた内容の扱い方によつては、決して偏しているということにならないと思うのですが。
  490. 吉田萬次

    吉田萬次君 あなたがこれを一番初めに御覧になりましたときに、これを問題と考えられたというその事柄は、やはりこれは普通のものではない、多少注意すべきものである。かようなものは直接には、子供に多少考えてやらなければならんというようにお考えになりましたことは事実であると思いますが、さよう心得てよろしうございますか。
  491. 西村英一

    証人西村英一君) このまま子供にじかに与えては困るとこう思いました。
  492. 吉田萬次

    吉田萬次君 そこで今度は井上さんにお尋ねしたいと思います。「冬の友」が問題になりました当時、あなたは県の教育委員会の連絡協議会長であり、又深い関心を持つておられまして、大変御心配になつて、東奔西走せられたいうように承わつております。殊にこれにつきまして、たとえて申しますると、あなたはこの友の会合を持つて歩いて、そして二十九年の一月十三日の全国市教委大会で御発表になつておるというように聞いておりまするが、これにつきまして、どういう動機でかようなことをおやりになりましたのか、伺つておきたいと思います。
  493. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私のとりました概要は先ほど申上げました通りでございますが、現地におきましては、私の見た目から、これによつて大きな結果は出ておりませんが、現地において事前処理ができましたということが、それですぐ教育が正しくなつたとは考えられません。それでこの内容の検討につきましては、何を申しましても全幅にこれを判断するだけの余裕を持つておりませんので、全国の連絡協議会へ持つて参りまして、資料とし、又全同の連絡上こうしたことがないようにお互いに連絡の参考資料といたしたいと考えて持つてつたのでございます。そうして発表は公式にいたしておりません。個々に尋ねられるままに現状をお伝えしておりましたが、文部大臣の公舎まで流るるような道程を辿つたわけでございます。それでよろしうございますか。
  494. 吉田萬次

    吉田萬次君 あなたがこれを御発表になつたというその真意は恐らく私が付度する上においては、かような問題が出るというふうなことについて予期しておらなかつた、いわゆる教育委というものが先生というものとの関係上極めて密接なそこに繋りがあるというものであるけれども、併しながらいわゆるそこまで考えておらなかつたというのが、今日はからずもかような問題が起きたということにおいて、あなたが将来各方面でかような問題が起きるといかんという老婆心から持つてつて発表せられたように聞いております。かようなことがどうして趣きたかということにつきまして、あなたがお考えになつておる点について一つ、二つお尋ねしたいと思いますが、小学校の四年、五年の学習帳の中には「一九五三年を送る」という文があります。これは少年期日年鑑の抜率でありまするけれども、殊更にその中の再軍備或いは原始爆弾、賠償、特需、料理屋の宴会、MSA等の素材を引合いに出して、そして編集してあるのであります。これを読んだ後において県の教組の文化部へ送れなどと附記してある。かような学習帳の編纂方針については非常に適当でないというようなことから、あなたがこれを打つて廻られたように聞いておりますが、さようでありますか。
  495. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 大体お説の通りでございまして、全く委員会といたしましては、こうしたことは予期しておらかつたのでございます。たまたま教組のかたがたや父兄の有志によりまして、この問題が不適当であるという声を聞き、即刻にはこの「冬の友」が入手はできなかつたのでございますが、その後全部揃うては手に入りませんでしたが、寄り寄り手に入るのを参考に個々の役員とも協議いたしたのでございます。今お話の通り私どもは中共の生活もソ連ももとより行つたことはないのであります。而も共に全部共産主義の教育であると言われておりますことは聞いて参つておる。而も両方の国におきましての教育は全くこの主義に反することができないということも聞いておるのでございます。然るにこの日記の末尾に三年から中学の三年まで揃つて中共の礼讃、礼讃することは悪いとは考えませんが、余りまだ交渉持たない国の内面が礼讃、されてあるということが一応偏向であるという一つの見方の基礎になつておるのでございます。なおその中に寄り寄り意見としてあちらこちらで聞くんでございますか。
  496. 吉田萬次

    吉田萬次君 十分です。時間の関係がありますから。最後に承わつておきますが、あなたはかような「冬の友」に対しては、これは正常なものでなしに多少偏した学習であるとお考えになつておりますか。かように解釈しましてよろしゆうございますか。
  497. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私は偏向しておるものと考えております。
  498. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 初めに井上さんにお尋ねをいたしたいと思います。井上さんは先ほどからの証言におきまして、この滋賀県の冬の友の日記は政治的に偏向した教育である、こういうふうにおつしやつておるわけでございますが、私はそのことについて非常な疑義を持つておるものでありますので、お尋ねしたいと思うのですが、申すまでもなく、偏向教育というのは教育基本法の第八条に掲げられておるのであります、それによりますと、学校教育において特定の政党を支持し或いはこれに反対するための政治教育である、こういうふうに規定をされておるのでおります。そこで私はこの滋賀県の冬の友日記を見まして、これが果して教育基本法にいう特定の政党を支持したものかどうか、或いは特定の政党に反対するための政治教育のものであるかどうか、誠にこの文章を読みまして、私自身としてはこれに該当しないとかように考えておるのであります。私もこの日記の問題が新聞に出ましたときに大阪で見ました。そのときに驚きました、滋賀県のような非常に穏健な組合が偏向教育をするということはあり得ないことであると思いまして、早速日記を取寄せまして検討したのであります。その結果今日もその考えを変えておりません。一体井上さんはこれを果して特定な政党を支持しておると断定せられるのには、その理由があると思うのです。それを一つ簡単に御説明願いたい。
  499. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 偏向と申上げております中に、政治的な意味も含ませると御解釈されることも尤もだとも思いまするが、ただ我々の見解といたしましては、共産主義を信奉しております中共を礼讃するということ、それに対照的に他の面も取入れてありますことが望ましいことでありますが、それがなしに、三年生から中学の三年生まで通してあるということは、一応我々の考えといたしましてこれを偏向と思わざるを得ないので、今もそれを私は偏向だと考えております。
  500. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、井上さんは今まで使われたこれは政治的に偏向教育であるという意味は、教育基本法にいう特定の政党云々の事項には該当しない、こういうふうにお考えになつておるのですかどうですか、はつきりおつしやつて頂きたい。
  501. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 基本法につきまして云々ということにつきましては、今ここではつきりと私御答弁いたしかねますが、先ほども申しましたような立場におきましての偏向という程度の私の考えでございますことを、お答えが足りないかも知れませんが、御了承を願いたいと存じます、
  502. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そういたしますと、逆に例えば或る日記にアメリカに関する記事が偶然に五つ六つついて載つてつたというふうな場合にも、これは偏向であるというふうにお考えになるわけですか。
  503. 井上慶造

    証人(井上慶造君) その場合は今想像でございましてこの前後なりそうした面に当らない限り私は今お答えいたしかねると思います。(発言する者多し)
  504. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 静かにしなさい。(「静かはそつちだ」と呼ぶ者あり)皆に一言つておるのだ、これは文部省資料によると、これらは中共礼讃の記事だ、こういうふうに言われておりますが、私が読みますと、必ずしもこれは中共礼讃というふうに一言に片付けることはできない、こういうふうに思うのです。特に只今森さんから御説明になつたところによると、これは中国から帰つて来た子供連という本からこの作文を取つた、こういうのでありますから、編集者が中共を礼讃し、中共を称揚する意図を、持つてこういうものを出したというふうなことは到底思われないと思います。もつとすなおに、中共からたくさんの子供が帰つて来るこの機会に、中共から帰つて来た子供たちの作文を載せておくことが温い思いやりである、こういうふうに率直に受取つたほうがすなおでないか。こういうふうに思うのですが、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
  505. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 見解の相違と申しますか、私は今もなお中共礼讃ということか偏向であるという気持には変りはないのでございます。  なお私か地方教育委員といたしまして日頃考えておりますことは、最もその地域社会にふさわしい教育を行うということを大きなモットーにしておりますか、この問題か末梢に捉われるのなしに、地域社会に大きな輿論を起して、これをその子弟に送ることをいろいろな立場で抑制されざるを得ないような内容を持つたものは、一応広い意味の偏向と私は考えております。
  506. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この偏向教育についてはこれは文部省もしばしば説明しておりますように、これは教育基本法第八条を指しておるということは明白であります。従つてこの事例として挙げられておるのはそれに違反する、こういう見解の下に出されておるのであります。これはまあこれ以上私は申上げませんが、そこで私は文部省かこの事例を出して、これが本当に文部省が曲解しておるよい例だと思つておるのです。それは森先生にお伺いしたいのですが、文部省の出した資料の中には、この文章を作つた生徒の名前ですね。名前に山口真実という名前がございます。これは先ほどの説明によると、あの本からとつたのであるということであります。ところが文部省の説明によりますと、これは作者が、言い換えたら編集をした教師か山口日記は真実であるという意味をこめて、そうして作者の名前を借りて書いたのだ、そういうふうに思われる、文部省資料にちやんと書いてある。これほど牽強附会は私はないと思う。そのことについて森さんの重ねての証言をお願いいたします。
  507. 森信

    証人(森信君) 講談社の、先ほど申しました帰つて来た子供達の中に三反、五反というのがありまして、作者十六歳、山口真実というのは、この書物の中にそのまま載つております。
  508. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その他にもこれは文部省がどういう意味偏向教育資料として出したのかは、文部大臣に質疑をしなければわかりませんが、この文章から読むと、中共から帰つた子供の文章を載せているが、それが作り事ではないか、そんなことはとても中共から帰つた子供はこんな文章は作れない、編集者が作つて出したのではないかという意味のことがずつと書かれております。これはそういう意味において偏向教育たというように文部省言つているのかも知れません。私はこの内容を見て、そうして読んでみて、これは政治的偏向を来たしている、一党一派を支持したり反対したりしているものとはどうしても思えない。そういう意意で県の教育指導のに当られておる溝口先生に重ねて所見を伺いたい。
  509. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 県といたしましては、この扱い方が適当でないということにおきまして偏向の資料になつても、これは否むことはできないと認めております。
  510. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 あなたは教育の専門家ですから、この偏向教育というのは教育基本法第八条、これに準拠するよりほかに途がないのです。これに該当しているとお思いになるのですか。なるならその理由も併せておつしやつて頂きたい、
  511. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) この「冬の友」は適当な指導者の下に扱われるのでなくて、家庭の自習書のような形で扱うものでありますので、このままの教材を適当なる指導なくして扱つた場合には、この第八条の精神に触れる虞れがある。従いまして適当でないと判断したのであります。このおかしいということにつきましては、これは原本にありますから、そのことがどうこうということでなくて、生の材料は間違いでなくても、そのものを教材として取上げた場合の取上け方においては、十分注意をしなければならない、その意味から先ほど申しましたように、強い資料というふうには言えないけれども、警戒しなければならんものと考えて、触れるということを判断したわけであります。
  512. 相馬助治

    ○相馬助治君 私は井上さんに二、三点お尋ねしたいと思うのですが、あなたははつきりと同僚荒木委員の質問に対して、これは偏向であるということを重ねて断定しましたが、偏向しているという場合には、そういうふうにきめつける人の立場が明白でないとわかりませんので、ちよつとあなた自身のことについて立場をお尋ねしておきます、あなたは党籍をお持ちでいらつしやいますか。
  513. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 持つております。
  514. 相馬助治

    ○相馬助治君 何党でいらつしやいますか。
  515. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 自由党でございます。
  516. 相馬助治

    ○相馬助治君 そこで、あなたは先ほど荒木君か触れられましたけれども、中共の関係のものばかり盛つたも一については、やはり何人か抗弁しようとも、場合によりそういう誤解は受けるだろうと私は常識的に一応考える場合があるのてす、あなたはそれじやアメリカのもので大変に自動車が発進してなんで、イデオロギーの問題じやなくてあなたの見解を聞けばいいのですが。
  517. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 今の相馬先生にお答えしますが、先ほどお答えした気持に変りはございません。教育に関しての問題につきましては、過去に私は除名されたこともございます。少くとも自分の見解と他の意向を聞きましてこれがいずれによりましります過去の持主であります。一応そうした点も御了承願いたい。
  518. 相馬助治

    ○相馬助治君 私の質問にお答え頂けないのは残念ですが、なぜこういうことを言うかというと、荒木君の質問に答えて、共産党を信奉していも中共のことが書いてあるからいけないとおつしやつたので、それはどのようなことに相成るか、私はお尋ねしたのです、と言うのは、共産党に対しては私自身も見解を持つております。ここで出ているこの記事は中共の事業を事実として報告した。中共でも算術をやつて三足す二となつて五と答えが出るとすると、残念ながらこれは本当なんです。いわゆる心理はどこの国に行つてもこれは否定でき得ない、さようなことからこの日記を読んでみて、あなたは感心しましたか、これは成るほどいいことが書いてあると思いましたか、くだらないことが書いてあると思いましたか。
  519. 井上慶造

    証人(井上慶造君) そうしたことの内容について説明をいたさねならんのでしようか。ここで証言する場合……。
  520. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はこの内容を読んで、これはなかなか感心なことが書いて、あるとお考えになつたか、これはどうもけしからんとお思いになつたかということをお尋ねしたのです。というのは溝口さんの場合には非常に表現に困りながら、虚れあるという表現をとつておる、又誤解されるであろうというような表現をとつておりますが、あなたは偏向しているとこう言うておる。
  521. 井上慶造

    証人(井上慶造君) それじやお答えいたします。私はその内容につきましては、よく書けていると思つております。
  522. 相馬助治

    ○相馬助治君 そこでお尋ねいたします。偏向していると言うてもいろいろあると思うのです。偏向している、誰が何と言つても偏向しているというやつと、どうも偏向しているとまあ言えば言えないこともない、こういう場合とあると思うのですが、どちらですか。
  523. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私のみでなしに一応連絡協議会への役員会のほうで偏向だという意見が多くございまして私個人も総括的にこれは偏向しているものだと、今以て考えておりますことに違いはないのでございます。
  524. 相馬助治

    ○相馬助治君 私どもに連絡協議会というものにとやかく言うことはできませんが、連絡協議会というのは正規の決定権、審議権を持つた機関でないので、而もそこにおける発言乃至は意思というものをどういうふうに把握していいかわからないので、私はあなた自身の見解を尋ねているわけですが、文部省がこれを偏向教育事例として取上げて参つたことに対して、あなたは極めてこれは結構なことである、かように考えておりますか。
  525. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私の意思は先ほどから申上げました通りである限り、文部省の処置を私は支持したいと思います。
  526. 相馬助治

    ○相馬助治君 支持することはわかりましたが、文部省は天下に発表し、国会資料を出すというような気持があつたということまで、そういう気持があるであろうということまで想定されましたか、それとも指導を受けたいという意味であなたは文部省と連絡をとつたのですか、どちらですか。
  527. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 第一番の御質問には、そういうことは毛頭予期しておりませんでしたし、又文部省にこれを持つて行くという予定もつけておりませんでした。何回も申上げるようでございますが、いろいろ私は持つて来たから、問題になつたのではないことを後日知つたのでございますが、それまでにすでに連絡協議会でもこの問題は大きく取上げられておりましたし、又これに関係の各委員がたも、これに対しての御質問もございましたので、お答えしたまででございます。
  528. 相馬助治

    ○相馬助治君 人間が結果的に悪いことをする場合に二種類あります。即ち意識的にそういう結果を引き起こそうと思つてやる場合、やつてしまつた結果がまずいことになつてしまつて、ああ、これは大事したという場合、二つありますが、刈りにあなたが言うように、この「冬の友」が編向していたとて、その場合において、この編纂者は或る、一党一派の宣伝のためにいわば意識的に、計画的にこれをなさつたと井上さんは推定しますか。
  529. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 何回も先ほどから証言いたしておるのでございますが、そうした政治的な意思は最初からはなかつたのでございまし、これが問題になりまして、大津教委に対しての社会からの意見、又は非難もございましたので、結果から、割出されて来た結果から見生して、こうしたことが再度起こらないことに持つて行くことが我我の使命だと考えておりましたので、そうした処置をとつたのでございまして、初めからこれが共産党の動きだとか、又中共の宣伝だとか、そういうことを考えておつたわけではないのでございます。
  530. 相馬助治

    ○相馬助治君 くどくこのことを尋ねますことは、あなたが偏向していると、こういうふうに断定的におつしやるものですから、その辺の連関がどうもぴつたり来るないので、何回かお尋ねしているのですが、井上さん自身は、この日記の分配方法並びに指導方法、分配というか、頒布ですかな。そういうものは詳しく、事後でもよろしいが、お調べになつたはずですね。
  531. 井上慶造

    証人(井上慶造君) そうした点につきまして、館委員長とお話を聞かされたのでございますが、甚だ断片的に聞いておりまするので、はつきりとお答えをする資料を持ち合わせておりません。
  532. 相馬助治

    ○相馬助治君 それでこの日記を申しますときに、成る人はこれを学習帳だという名前で申し、或る者は教材だということを言つて、ここが大分混乱しておるわけです。私どもの見解を以てすれば、それは教材として作つたものであるとは思えないし、又そうでないことは明白でありますが、この問題がここで焦点になつておりますことは、文部省が勇敢にこれを偏向教育事例として取上げておつて、その理由としては、さつき荒木君が申しましたような文部省の見解が附してあるわけです。文部省の見解は溝口さんは妥当であるとお考えでございますか。少くとも個人が言うのではなくて、日本の文教の府である文部省がかような見解をうしろに附してあるということで、特に私はあなたにお尋ねするわけです。
  533. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 概要のところにあります、この文を読んで感じたことを教職員組合文化部に送つて下さい、こういう聞き方は適当でないと考えます。それは簡単な一頁の資料に基いて右か左か、イエスかノーか、はつきり答えさすことは適当ではないと考えるからであります、あとの場合は、資料資料通りを転載したものでありますので、名前はたまたま一致しておりますが、私は転載の結果がいい悪いは別として…
  534. 相馬助治

    ○相馬助治君 文部省の転載の末尾のところをあなたは妥当であると思いますかということを聞いているのです。
  535. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) あとの文はこういうふうに断定するほど適当であると私は考えておりません、
  536. 相馬助治

    ○相馬助治君 そのことは言い返せば適当でないということですか。
  537. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 適当でないと申上げるのと十分でないと申上げる間に……
  538. 相馬助治

    ○相馬助治君 適当でないと思えないということですね。
  539. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) そうです。
  540. 相馬助治

    ○相馬助治君 まあニュアンスの違いでしよう。適当でないと私は聞きました。
  541. 岡三郎

    ○岡三郎君 これは井上さんにお尋ねしますが、従来の滋賀県の学習帳です。ね。夏休み日記、冬休み日記、こういう問題についていろんな問題があつたわけですか。
  542. 井上慶造

    証人(井上慶造君) こうしたものの取扱につきましては、大津市の場合、校長が届出るということになつております。
  543. 岡三郎

    ○岡三郎君 つまり従来出版されたものについて偏向を認めたことがありますか。
  544. 井上慶造

    証人(井上慶造君) そういうことは私の範囲内ではございません。
  545. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、これは先はど森証人が仰せられた通りに、結局中共から子供たちが還つて来る、これを日本子供がやはり温く迎えてやるという心持、これが少しあなた方の判断で言えば逸脱したというふうにとられておりますが、中共から還つた子供を憎む子供はないと思うのです。私はそういう点で、向うの子供がぽつくり日本学校へ来る、そのときにそういう記事が出て、そういう子供の作文を取上げてやるというそういう気持、その気持はわかりますか、井上さん。
  546. 井上慶造

    証人(井上慶造君) ……。
  547. 岡三郎

    ○岡三郎君 つまりね、長い間戦争によつて外地にいた者が……子供の責任ではないわけです。日本の国へ還つて来るでしよう。そのときに、そういう子供たちのいわゆる作文を載せてやるという気持ですね、教師の持つ気持、そういつた気持わかりますか。
  548. 井上慶造

    証人(井上慶造君) そう具体的に専門的に聞かれましても、私今すぐそれにお答えする用意はございません。
  549. 岡三郎

    ○岡三郎君 おかしい、教育委員でそんな不見識なことでは困る。ここで私は更にお聞きしますが、結局今まで、過去においては日記というものはそういうことはなかつた、森さんの言つているように、たまたま中共から多くの今が還つて来る、思想の有無は言わずに、とにかく私は温く迎えてやろう、そういう気持はあるだろうと思う。ただその問題が日本の国内においていろいろ論議されることは自由でしよう。ただ問題は、その温い気持で迎えてやろうという考え方が、あなたの判断で言えば逸脱したということになるわけです。だから僕はたまたま偶発事故だと思いましたので、滋賀県教組そのもりが非常に偏向、従来からやつて来たとか、そういうような観点からあなたはこういう問題を取上げたのですか。
  550. 井上慶造

    証人(井上慶造君) そこのところもう一度。
  551. 岡三郎

    ○岡三郎君 つまり組合の運動そのものが、ふだんから気に食わん、たまたまこの事例を取上げてやつたか、どうかということ。
  552. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 組合の問題として取上げたのではございません。又今お話の、中共の子供に対しての社会としての見方、これには少しも変りないのでございます。なお館委員長とこれのよつて来たところを調査して、そして報告して頂くということと、その意図が正しければ、問題に出なかつたということを、事後において釈然と私自体はいたす予定でおります。但し……。
  553. 岡三郎

    ○岡三郎君 もう時間がないからやめますが、最後に一点ですがね。結局この問題は、私の判断で言えば、たまたま以上のような理由があつて日記帳に載せられたと思うのです。従来そういう傾向は日記帳にはなかつた。今後においていろいろとそういう点について検討されるでしよう。そういうような観点で、井上さんは、この問題がこのような偏向教育の特殊事例として取上げられたことについて、今までの取扱との関係、及び県教組の態度その他から考えて、これはこのままにしておいてもよかつた例であるかどうか、その点のお考えを伺いたいと思う。こういうふうに特殊に取扱つて何か大きく問題にしなくても、県内においてこれは何とかできる問題だと、こういうふうにお考えになつたかどうか。
  554. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私はこうした内容を含んだもので教育的に社会的的に問題を起すようなことが再びないことを念願しておるものでございます。なお教組の取扱いましたことに対しての、過去の……。
  555. 岡三郎

    ○岡三郎君 もういいわ。  溝口さんに聞きますが、文部省がこの偏向教育事例を挙げた以後、あなたは滋賀県においてはかかる事例はないということを文部省に書面を出されたということを聞いておりますが、その点は事実ですか、簡単に一つお願いいたします。
  556. 溝口成藏

    証人(溝口成藏君) 出しておりません。
  557. 須藤五郎

    須藤五郎君 先ほどから論議を聞いておりますと、中共々々という言葉が使われますが、これがそもそもの間違いのもとだと思う。(笑声)中共という国はどこにもないのです。中華人民共和国、中国は十三の政党が集まつて政治を、やつているところで、共産党が政治を、やつているところではない。井上ざんよく聞いていて下さいよ。中共中共と言うが、ここに非常に間違いのもとがあります。そこで井上さんにお伺いするのでありますが、あなたは、この文部省から提出された資料ですね、これをそのまま文部省と同じような気持で受取つておるのですかどうですか、簡単に言つて下さい。
  558. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 私は最初に申上げましたように、総括的な面で、ただ中共の点は勿論のことでございますが(須藤五郎君「中共はないのですよ」……と述ぶ)併し一応中共として御解釈願わんと、中華人民共和国と言つて長く申上げますことは時間をとりますので……。他の点にも教育上好ましくないような点がございますので、全体を総合的に見ましてこれは好ましくないと、こういう工合に見ております。
  559. 須藤五郎

    須藤五郎君 ここに文部省真実山口日記とを比べておりますが、私たちの同僚に赤木さんというかたがおるのです。この赤木さんの息子に赤木英雄というかたがおるとする。そうすると、赤木えいゆうと読めるのですね。そういうふうに、物事というものはそういう馬鹿げた解釈をすべきではないのです。文部省がどういうことをしておるかということを、山口日記が真実を暴露しておる。(「質問をして下さい」と呼ぶ者あり)京都で白嶋劇団というものがあると、これは共産党の劇団だという解釈をするのです。ところが鳩の街というものは、共産党の街ですか、違うでしよう、これはパンパンの街でしよう。すべて鳩というと、共産党と解釈する。文部省真実というものと山口日記帳と比べておる。文部大臣よく聞いていて下さい。こういう馬鹿げた解釈をしては駄目ですよ。このことが如何に非常識な資料であるかということが、よく現われていると思う。私は中国に行つて来ました。中国は実に立派です。これは僕が言うのではない。自由党から共産党まで十三人行つて来たのです。帰つて来て中国を賞めた。自由党の諸君かこれを採用したら、あなたは偏向だと言えますか、言えないでしよう。事実立派なんです。あなたは中国に行つて来ないでしよう。私は中国に行つて来たのです。この文章はどこに非の打ちどころがありますか、どこが偏向ですか、実に中国のあり方をそのままに書いておる。我々はこれを手本にしなければならん。これは文部大臣賞をもらわなければならん文章だと思うのです。(笑声)三反五反の問題でも、実に立派なんです。ところがそういうことを悪く悪くとるのは、あなたたちの自由党的な頭ですよ。ものを摘発しようとするから、こういう結果が来るのです。第一最後のほうにあります誰が迎えに行つても手を叩かなかつたということを中国から帰つた子供が不思議に思つた。これは事実なんです。中国に行くと、皆歓迎するとき手を叩くのです。ところが、私は中国から帰つた人をたびたび舞鶴に迎えに行つてよく知つているのですが、肉親が帰るとき、手など叩いておられないのです。お帰りなさい、お帰りなさいと言つて真実をこめてお迎えしたのです。手など打つている人なんかなかつたのです。それを子供は中国の習慣があるから手を打たないことを不思議に思つたので、肉親がおるからそのようなことは許されないだろうというが、とんでもないことです。私がこれだけ説明しても、あなたはこの文章を正しいとお考えになるか、偏向だとお考えになるか、聞きたい。
  560. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 何遍も申上げる通りでございますが、私の気持が頑固なのかどうか、まだとけ切れんものが残つております。(笑声)但しこれに対しましての希望といたしましては、少くとも教材として取扱われるのなら、中国に対してはあの文章を見ましたら全く礼讃でございますが、これに対照的にもつとほかの表現のいたし方もあつたんじやないかと思います。少くとも客観的な立場でそうした表現のあることが望ましいと、私自体考えております。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  561. 須藤五郎

    須藤五郎君 この中国のことは、あなたは三反五反を知らないのだ。曾つての中国が今新らしく立ち上つておるということは、三反五反運動を通じて民族的な大きな悩みと苦しみを通してやつと中国は立ち上つた。そして今や中国は清潔な、三反五反、いわゆる汚職もありません、贈賄もありません、そういうものは全部三反五反で処断された。そういう立派な、現在の日本と比べて比較にならないほど立派な清潔な中国に生れかわつているのです。だから帰つて来た子供がそれに感激して、中国のいいところをこの汚い状態の日本の人たちに知らせなければならんという熱意を持つて書いたのです。それをこの資料として採用しているに過ぎないのです。何も政治的な偏向を意図してこういうことをやつておるのではないということは、良識を持つた人ならば誰でもわかるのであつて、それを故意に解釈するところのあなたの頭に対して、いささか大きな疑問を持つのです。それが教育委員をやつていらつしやるのかと思つて、少し何だか疑念が起つて来るのですが、こういうことは私人的なことに関するから、余り失礼なことにも亘らないようにしたいと思いますが、どうもそこに問題があると思うのです。だからやはりもつと冷静によく日本の将来を考えて、そういう立場からこれは判断をして行かなければならないと思うのです。  それから森先生に私はちよつとお尋ねしたいと思うのですが、この資料に集めた出所はどういうところから大体出されたのか、いろいろほうぼうから集められておるのですが、その点を一遍伺つておきたいと思います。
  562. 森信

    証人(森信君) 今お聞きになつておりますことは、先ほど証言いたしました取材した書物の名前のほかにですか。
  563. 須藤五郎

    須藤五郎君 今取材した書物のほかに、何かこの日記……、大部分がその中から取られたものですか。
  564. 森信

    証人(森信君) そうです。中学のほうのは、先ほど申しましたように、帰つて来た子供連という講談社の図書館協会の推薦図書でありますし、それから小学校のほうに使われておりますのは、少年朝日年鑑で文部省の推薦図書であります。
  565. 須藤五郎

    須藤五郎君 わかりました。
  566. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 私は中国へ行つたことがございませんからわかりませんけれども、とにかく子供たちというものは非常に純真な気持なんでございますが、井上さん、あなたお子さんお持ちになつたことございますか。
  567. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 只今つております。
  568. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 で、そのお子さんがた作文をいろいろお書きなつたことがあるでしようか。
  569. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 大きうなつておりますので……。
  570. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 私はやはりこういう本当のことを純真な気持で書くというのが子供の本来の性格だと思うのです。それを曲げてとるということは私は大人のよくない考え方だと思います。それをあなたどうお考えになりますか。
  571. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 曲げてとるとおつしやいましたが、これは相互からいう問題でございまして、(「もともと曲つているのだ」と呼ぶ者あり)多数の人たちが、而も現場の先生たちにおきましてもこれは不適当だとおつしやいましたことまで私は曲げておとりになつたことではないと考えておりますので、この点につきましても見解の相違に落ちるのではないかと私考えます。
  572. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 どうか大人の人たち子供真実というものを信じて頂きたいと思うのです。そうして学校では生活の綴り方として本当のことを知らせて、正しくそれを書かせるという習慣をつけているのですから、もう少しどうか、あなたが教育委員さんでいらつしやるならそういうことももう少し考えて頂きたいと思うのです。
  573. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 非常に真剣なお問いでございますので、私はできるだけ簡単にと考えておりましたが、あの子供の五年生の一九五三年の中に娘の身売りということが二回も表現されてあるのでございますが、この点につきましても本当に学椅の先生が教壇から真実を教えるのだと言いつつ、その真実が教えられるかどうかというような点に思い及ぼしまして、十一や二の子供が適当な指導者のない家庭でこれをどういう工合に扱うかという点等につきましては、かなり深い議論もあり、又検討もいたして見たのでございます。そうした片鱗が随所にございまして、これを一々取上げておりますと、主観の相違だというお言葉もあることだと思いますので、差控えますが、必ずしもその中共の面、又一九五三年は代表的に見ておりますが、その中で社会の面におきましてもいろいろ観察しますと、私の観察でございますが、いろいろな面がまだあり得るのでございます。そうした面につきましては今後とも更に考えて見たいと思います。
  574. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 わかりました。
  575. 高橋衛

    高橋衛君 井上さんにお聞きいたしますが、冒頭の証言で一月の八日に県教組の委員長がこの件について陳謝をしたということをたしか言われたように思うのでありますが、なぜ県教組の委員長がこの件について陳謝をされたか、その内容について御説明を願いたいと思います。
  576. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 後日委員長と書記長のかたとお目にかかりまして、この問題を役員会にもかけました上でお話をし合おうという約束に基いて一月の八日に会見したのでございます。長くなりますので、要点だけ申上げて行きたいと思いますが……。
  577. 高橋衛

    高橋衛君 簡単に、内容だけ。
  578. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 教科書の採用規定という中に、学校教育法の二十一条前段におきましては、文部大臣の検定を経た教科書、又は文部大臣において著作権を有するものを使用しなければならないと書いてございます。
  579. 高橋衛

    高橋衛君 ちよつと、その内容が悪いから陳謝したのか、手続が誤つたから陳謝したのか、どちらですか。
  580. 井上慶造

    証人(井上慶造君) もう少し言わせて下さい。第二段で「前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これ々使用することができる。」とありますが、この図書が果して有益適切であつたかどうかということにつきまして、委員長の忌憚ない意見を求めたのでございます。ところがこれだけ県下でお騒がせもし、問題も起したのでございますので、有益であり適切てなかつたということを認められたのであります。この点釈然と、陳謝という言葉はいろいろに使用されておりますが、明らかに私どもにこれは悪かつたということを申されたのであります。(「了解々々」と呼ぶ者あり)
  581. 須藤五郎

    須藤五郎君 もう一点、私確認しておきたいと思うのですが、井上さんはこの日記帳か教育基本法にいうところの政治的偏向を犯しているという観点なのか、ただ漠然とあなたが考えた偏向だというのか、どつちですか。
  582. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 相対的に申上げておりますと、今最後の二回目に申上げたような議論に陥りますが、一応好ましくない偏向と私は思います。
  583. 須藤五郎

    須藤五郎君 好ましくない偏向ということは、教育基本法の政治的偏向ではなく、あなたが好ましくない偏向だということに解釈していいですね。
  584. 井上慶造

    証人(井上慶造君) これは私の意見政治的偏向と見ておりますが、少くとも会長なり教育委員をやつておりますので、その点を一般の偏向と申上げておるのでございます。
  585. 須藤五郎

    須藤五郎君 それじや、政治的偏向なるものを説明して下さい。どこに教育基本法に指定するところの……。
  586. 井上慶造

    証人(井上慶造君) 今申上げましたような立場で中共礼讃の文字なりその他の面で総合的にそう申上げるよりほかないと思います。
  587. 須藤五郎

    須藤五郎君 よその国のいいところを紹介したら政治的偏向だという断定は、あなたの独断に過ぎないですよ。誰もそんなこと考えやしない。そんなものは何も法的な根拠はないです。そんな馬鹿なことは考える必要ない。
  588. 高田なほ子

    高田なほ子君 一問だけ西村さんにお尋ねします。県下のPTAでこのことを問題にしているのはどこもないというお話ですが、如何ですか。県下のPTAでその後この問題について問題にするところはないというように承知しています。井上さんだけが一人大騒ぎして反対しているらしいのですが、簡単にPTAのことだけお答え下さいませ。
  589. 西村英一

    証人西村英一君) お答えします。PTAの立場は非常にむずかしいので、PTAといういわゆる両親と先生の繋がりということにもなりますし、声が上つてないから何も起つておらないということにもなりかねないと言えると思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういう安易な考え方はしておりませんけれども、この取上げられた場合の空気から判断しますと、その人自体が片寄つている場合もあると思うのです。(「そうそう」と呼ぶ者あり)そういう場合もあるのです。それですからそれもそのまま解釈を私いたしておりません。
  590. 高田なほ子

    高田なほ子君 抗議はしてないのでしよう。
  591. 西村英一

    証人西村英一君) 直接PTAに向つて、この問題を取上げないからという抗議は私受けておりません。
  592. 高田なほ子

    高田なほ子君 わかりました。
  593. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御質疑ございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  594. 川村松助

    委員長川村松助君) 他に御質疑がなければ冬の友日記に関する御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  595. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ終了したものと決定いたします。
  596. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に三宅信市さんから御証言願います。
  597. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 岐阜県の恵那郡内の小中学校の件について証言いたします。  昨年岐阜県は水害に襲われ、続いて冷害に見舞われまして、特に私の恵那郡地方は水害というよりもむしろ冷害のほうが多くて、十一月、十二月頃は欠食児童がおいおいと多くなつて来つつあつたというような状態で、これが対策に苦心をしておつたわけであります。又当時ときどき新聞紙上に偏向教育の問題が掲載されておりましたけれども、遠いところの出来事のような感じを持つてつたわけであります。三月四日新聞紙上で発表されました偏向教育資料二十四条のうちに、本郡内の小、中学校事件というようなのがありましたので、足下から烏が飛立つたように驚いたのであります。当日は丁度郡内の教育長、小、中学校長の連合の会を開いておりました。なお片一方では地教委の連絡協議会も開かれておつたのであります。六十校ほどありますが、それぞれの校長に様子を尋ねましたところ全然心当りがないということで、一応それぞれ帰校後もそういうようなことがひよつとして個々の教官についてもこういう間違いの出るような原因はないかというようなことについて調査をして報告してもらうようにし、電話報告やらいろいろ願つたところ、こういうのは一つもなかつたのであります。この資料出所が不思議でならなかつたのであります。それでその当時文部大臣宛に抗議の電報も、電話も出したわけでありますし、それぞれ非常にそこに集まつてつたものは憤激を感じたわけであります。  ちよつとここで御説明を申上げますが、岐阜県は校長は組合のほうに入つておりません。そのために会議は別に持つことが多いのであります。この新聞発表以来PTAのほうからは非常に疑惑の質問を受けたり、学校に攻撃的の言葉が多くなつて来たりというようなことで、各学校とも非常に迷惑をこうむつたので、校長の中には文部省に対して事実でなかつたということを発表してもらいたいというようなことを申出る者もあつたわけであります。一方各校下の地教委PTAのかたがたに対してもこの間違いがどこから出たかわからないので何らか調査をして頂いたらというようなわけでお話いたしたところが、いずこもこの事例はないそういうことがわかりました。文部省の発表はデマが取上げられたのじやないか、信ぜられないものだといつたようなことになつて、郡内では一応騒がれただけだというようなことになつたわけであります。その後おいおい新聞紙上又は議会方面でやかましくなりましたので、地教委PTAなんか、それぞれうちの学校はそういうことはないという釈明書というか、証明書というようなものも出して、それぞれ文部省のほうへ送られたところもあると思います。この事例並びに内容についてはそういうわけでありますが、松川事件の判決の際という言葉がありましたので、その松川事件に関係のあることについていろいろと詮議をしたわけであります。そうすると恐らく十二月下旬だと思つておりましたが、その松川事件について特にやかましかつたのはそういうふうに思つておりましたが、いろいろ調べて見た結果、十二月一日に恵馴郡と、お隣りの中津川市の小中学校校長と、それから教組との共同で農村教育研究会を開いておりました。このときは講師も愛知大学の三好先生の御都合で繰替授業をいたしております。午前中は冷害地の欠食児章対策のために給食の方面だとか、その施設方面だとか、陳情だとかというようなことについて協議を続けて来たわけですが、その後教組のほうとしては教育予算の獲得などについて協議をしたわけであります。正午近くになつて私は他の会のほうから呼びに来られたので会場を出ました。それでその不在中に次のようなことがあつたということを聞いたわけであります。その、次のことというのは、即ち会の終り頃に一教官から今やかましい松川事件について質問が出たそうです。それについて一教組の役員から説明があつたわけでありますが、そのとき他の組合からも公正な裁判を要請しようというようなことを言つておるというようなことで、本会としてもその要請をしたらどうかというような動議が出て、それで賛否を尋ねて見たわけでありますが、その間に時間もおいおい迫つて来るので、支部の書記長が簡単に要請文の案を書いて、こういうのでどうだというようなわけで示したわけであります。その要請文というのは、近頃新聞、雑誌その他でいろいろ問題になつております松川事件の公判について私たちも深い関心を持つております、私たちは各判事のかたがたの良心を信頼して公平なる裁判が行われることを信じておりますが、飽くまで司法権の独立を守り通すため公正な裁判の行われますよう要請いたします。こういうような意味のことな出したということであります、ただ松川事件に際してということに関してであつたので、こういうものを拾い出してこれも何かの間違いではないかという感じを持つたわけであります、十二月一日にあつたこうした或いは冷害地の給食対策に本気になつておる、こんなことが二十四件の中の一つに挙げらたというようなことに対して誠に遺憾なことたと思いますが、そればかりでなしに、学校教育上、非常に不安な感じを持ち恐怖の念を持つておるわけであります。将来間違いの起らないようにこの資料をどこまでも明らかにして頂きたいということを希望して、大要説明を終ります、
  598. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に千葉茂美君から御証言を願います、
  599. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 私は恵那郡及び中津川市の今の偏向教育問題に関しては噂も何も知らなかつたのでございます。突然三月四日の朝、新聞にそのことがでかでかと出ておるのでございます。偏向教育事例の問題が、恵那郡のが真先に目についたのであります。私はかねてからこういう偏向教育について深い関心と注意を払つてつたのであります。こういうことがあつてはならないと常に希つて力を尽しておつたのです。丁度そのときさつきも言われた通り教育長会は別の会場で、大井の小学校でやつた、私たちは地方事務所において図らずも言い合せたわけではなかつたけれどもその際地方教育委員の協議会の代議委員会をやつておりましたものですからこれは丁度いいときであるから、作成しておつた議題を捨ててこの問題を徹底的に話し合おうじやないか、ということに変りまして、予定を変更して、それから直ちに校長会のほうに持出して校長の代表のかたに来てもらい、又地教委の、恵那郡の支部の幹部の参集も頼みまして、調査の目的を兼ねまして皆さんの御意見を聞いたわけでございます。そうしてなお最後にその事実の有無に関して至急調査方を各方方面に依頼しました。その際その教組のかたと話しておるうちにそういこうとをやつたのじやないかどうか、いろいろなことを聞いているうちに、教祖のかたからそう言えばこの松川事件の公判のずつと三週間も前であるが、さつきも言われた農村対策のときに要請書を出したことがあります。それじやないか、それが誤り伝えられたのじやないか、こういうことを教組のほうで言いましたのでありますけれども、そのほかになおほかのことがあるのじやないかと、私思いまして、各学校にお願いしていろいろ学校を休んだということかあるのではないか、ということを調査したのであります。そうして各学校には必ず宿直日誌とか、いろいろな日誌があるわけでありますから、その日誌をことごとく検査してもらいたいということを依頼したのであります。ところがその六十有余の学校でありましたけれども、学校を休んで松川事件に関して話をしたというような学校は認められなかつたのでございます。ただ一校だけ映画をやつたというようなことが、振替えて映画をやつたという報告がありましただけで何らのつかむところがなかつたのであります。特に四年以上休んで何々のことをやつた、松川事件の記事な書いたという報告はないのであります。  なおそういうような事実があつたか、ということついては、いろいろの方面に各委員会、地教委、それから校長さんのほうにもお願いをして調査を進めたのであります。けれどもどうも見付かることがなかつたのであります。私は偏向教育をすることは好まんほうで、中正な教育をやつて頂きたいということは常にモツトーとしております。なおこの教育二法案の通過などは私は特に希うほうでございます。ところが、この文部省から出た松川事件云云の問題に対しては、もう何らのつかむところなくして終つたという状況でございます。ただ遺憾なのは、さつき言つた要請書に関しては何も悪いところな認めない。ただ公正な裁判をしてくれというのでございますから、我々も何ら公正ならばそれに越したことはないのでございます。ただ私が思うのは、要らんことをするな、と思うくらいに感ずるのでございます。先ず大体においてそれだけでございます。
  600. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に森太郎君に御証言を願います。
  601. 森太郎

    証人(森太郎君) 偏向教育に対する参考人として参議院文部委員会出頭せよという四月七日付の電報を受取りまして、私は地方教育委員会連絡協議会会長の立場にありますので、これはかねてから問題になつて、衆議院からお調べにおいでになつ岐阜県下におけるところの偏向教育事例に対し、そういうことがありはしないか調べるということではないか、かように考えまして私は県教育長の川口氏を、更にここにおいでになります恵那郡の連絡協議会長の千葉氏にもお目にかかり、そうしてこの問題、並びにその他の爾後の問題について念擬幾らか私もそういうことの有無を調べたのであります。併し私が連絡協議会長として、この放流問題の二法案が出て参りましたから、特にその前提をなすものは偏向教主骨の有無によつて相当この法案が必要であるかないか論議されておるということなどの観点から、県下におけるところのそういうもののあるなしについては、私は委嘱のあるなしにかかわらず前以て心にはこめており、個々には聞いておりましたが、本日の参考人と申しますか、ここに出頭して、午前中から傍聴いたしますと、これは容易ならざることで、私どもが今まで調べた程度のことや、或いは証拠固めを十分いたさなければ、皆さんから非常なお叱りを、のみならず名誉毀損とかいうようなことで相当の波瀾が起きることが予想されることをはつきり認めましたので、軽々に私が今まで調べた範囲のことですら申上げることは困難であると考えますので、帰りまして、なお、更に十分の資料を得ましたあとには、然るべき手続で参議院議長さんにでもお届けいたしたいと存じます。従いましして本問題の中心をなしておりますところの松川事件というものの問題に対しましては、これに千葉さんにお尋ねをし、川口教育長にお尋ねした範囲のほかは私としてもお答え申上げかねます。信瀬性がないのであります。噂には、新聞に出た当時には、そういうこともあるだろう、恵那郡というところは共産党の活動の激しいところだから、さもあらんということは私は聞いておりましたが、意にも大きくとめないでおりましたが、こういうふうに進展して参りまして、千葉さんにお聞きいたしますと、学校でそういうふうに教育をした事例は残つておらない、従つてお調べになりましてもそういうこともないと学校当局でも否定していられる。従いまして千葉さんに私は別に個人的に一遍噂だけでも輝いて見ようと思つて多治見にお招きをしたところが、当時の郡の教職員組合の委員をしておられた責任の先生と御同伴でありました。従いまして多くを語らないで、お手許に行つておるかどうか知りませんが、先ほどのお話の農村教育研究会開催の内容について承わつた程度でありまして、私かここに参りまして御報告申上げることも、先ほども二氏がおつしやつた松川事件の恵那郡下におけるところの三年生でありますか、四年生以上の子供にそういう教育をした云々という事例に対しましては、私も立証する何物も打たないのであります。なお先ほどからお話を申上げております恵那郡下におけるところのそういう状況については、私の知つておるのでは付知中学の先生が曾つて破防法の違反の問題で山旅案内などを頒布したことについて取調べを受け、その家庭からは違反のその山旅案内の書類が出、来た、或いはその共産党の発行の連報並びに平和と独立のためにというものなどその他のものが出たということは、たしか私は新聞と記憶しておりますが、そういうののでありますが、こういうものの間違いであるとも考えられませんので、これは松川事件の当問題に関しましては私もこれを立証する何物も打つておらないということを御報告申上げる次第であります。ただお許しを願いたいのは、余分のようでありますが、我々教育委員会の立場におきましては、先ほどから委員会の適格者であるかないかの御諮問があるほどの何もありますが、我々地方の教育委員といたしまして教育問題に只今立脚いたしましていろいろこの法案の問題なとその他から非常に振替授業などをして混乱をしております。ことを静かに私どもは左にも偏せず右にも偏せず考えておりまして、日本教育の前途を憂うる一人といたしまして、私もこういう事例がよしありといたしましても、県下に帰りまして私どもが探して歩くと、すぐさま片方の万は思想調査だ、越権だ、圧迫だ、弾圧だとおつしやる、従いましてそういう波紋を起さないでどうかそういう事例かあるならば、極端な事例があるならばおやめ願うような方法を考え、波瀾を起さないでこの県下の円満なる教育の推進を願つておる者の一人であります。余分なことを附加えたのでありますが、私どももいずれにも偏しないで心静かに日本教育の前途を思いまして、どうか立派な、そうして日本の再建のできる国民のできまするようなことを念願してかかる問題に向いましても慎重なる処置をとつて善処し進んで行きたいということか思つておるのであります。失礼いたしました。
  602. 川村松助

    委員長川村松助君) これを以て岐阜恵那関係証人の力の証言を終りました。各委員の方で御質疑のある方は御発言願います。
  603. 須藤五郎

    須藤五郎君 三人の証言を聞いておりますと、三宅さんと千葉さんは、松川事件のこの文部省事例のような事実はないという御証言をしていらつしやる。それから森さんはその立証する何物もないということなので、これはどうもちよつと私たち質問するのに相手がなくなつてしまつたようなことなんですが、笑声)そういうふうに御三人の方に私たちはもうこれは文部省事例のごとき事実はないのだというふうに理解して差支えないのでしようか、如何なものでしようか。御三人の御意見を伺いたいと思います。
  604. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) これは私らの極めた程度ではそれであります。又あるなしは私は名言はできませんが、私は先ずないと認めます。
  605. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 私はないと信じております。それは教組のほうに対して校長会としていろいろ考えておることがありますので、校長会直後いろいろ話合つたり御報告を受けたりしておりますので、こういうような証人として喚問されるなんというような予想をしておりませんでしたので、はつきりないと信じております。
  606. 森太郎

    証人(森太郎君) 私も只今までのところでは、ないと申上けるよりほかに所在がありません。
  607. 相馬助治

    ○相馬助治君 もう事態は明瞭だと思いますから、もうこの件はよろしいと思うのです。ないということになりましたから。
  608. 田中啓一

    ○田中啓一君 私はそう簡単には御意見を伺うことはできません。(「田中検事」と呼ぶ者あり、笑声)先ずお伺いしたいと思いますが、それは三宅さんにお尋ねをいたしたいと思いますが、学校を休まれて振替授業でありますか、会合の行われましたのは同月何日の何時からでありますか
  609. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 十二月の一日の午前十時からであります
  610. 田中啓一

    ○田中啓一君 そこでその日の分はどこで授業をおやりになりましたですか。
  611. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 繰替でありますから授業来はやつておりません。
  612. 田中啓一

    ○田中啓一君 振替というのはその授業をどこかほかの日でやるというのではございませんか。
  613. 三宅信市

    証人(三宅信市君) そういうことであります。
  614. 田中啓一

    ○田中啓一君 それはどこでおやりになりました。つまり十二月一日は平生ならば学校の授業のある日に会合をお催しになつて授業をお休みになる、従つてその授業の分をどこかでおやりになるのか振替かと、私思うのですが、そうなつたのですか。
  615. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 前後に各学校で繰替をしております。
  616. 田中啓一

    ○田中啓一君 一日休みますと四時間なり五時間なりというものをどこかで附加えなきやなりませんね。
  617. 三宅信市

    証人(三宅信市君) そうです。附加えております。
  618. 田中啓一

    ○田中啓一君 どこかで附加えたろうと……。
  619. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 附加えております。
  620. 田中啓一

    ○田中啓一君 それからお集まりになつたのは校長さん力と又そうでない先生方は別々だというお話ですが、そうでございますか。
  621. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 多くの会合がそういうふうに別々に開くのが多いのでありますが、この日は一緒に集まつたわけであります。
  622. 田中啓一

    ○田中啓一君 さようでございますか。  次に大井小学校へ何人くらいお集まりになつたのでございましようか。
  623. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 約九百人が切れると思います
  624. 田中啓一

    ○田中啓一君 大体恵那郡の学校先生がたは殆んど全部になるわけでございます。
  625. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 全部にはなりません。千人ほどおりますので……。
  626. 田中啓一

    ○田中啓一君 そこでその御会合には朝十時から、先ほど午前中というようなお話もありましたし、何時頃までお続けになつたかよくわかりませんでしたが、何時頃までおやりになつたのですか。
  627. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 午前十時から十二時まで午前の会をやつたわけであります。それから午後は一時から四時頃まで開いておつたわけであります。
  628. 田中啓一

    ○田中啓一君 松川事件の御決議をなさいましたのは何時頃でございましたか。
  629. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 十二時以前であります。
  630. 田中啓一

    ○田中啓一君 更にお尋ねしたいのでありますが、そうすると校長さんはその席にはおいでになりましたと思われるのでありますが、そうでございますか。
  631. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 私でありますか。
  632. 田中啓一

    ○田中啓一君 はあ。
  633. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 私は先ほど申上げましたように、ほかの会のほうへ呼ばれましたので、二十分くらい前だと思いますが、よそのほうに出ました。会場を出て行きました。その決議の、要請文の決議をされたときは知らなかつたわけであります。
  634. 田中啓一

    ○田中啓一君 わかりました。そこで今その決議文についてでございますが、千葉教育委員長からもどういうわけでそういう決議を特にやつたものか、司法権が良心に従つて公正に判決を下すことは当然な話で、特にそういうこと々要請し、或いは司法権の独立を強調するというようなことが、強いて申せば決議文の内容かと思うのでありますが、何か当時学校先生がたは、司法権が公正に行われないのではなかろうか、或いは独立が危くなつておるのではないか、こういうようなお考えが非常に彌漫しておつたのでございましようか。
  635. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 私の解釈するところではそういうふりには考えておりません。あの当時いろいろとやかましく言われており、なお若い先生がたでは「改造」だとか或いは「世界」だとかいう雑誌を読んでおる人が相当あつたわけであります。そんなところの記事からいろいろ見たりしておる、他面それぞれの国鉄の労組だとか、そのほかのそういうようなものから出たというような話を聞いたといつたようなことを聞いてみますというと、何と言つてもそれだけの九百名そこそこの人が集まつてつて、やかましく言い出してはこれは議事が延びるというようなことで、書記長がずるずると鉛筆で原稿を書いたと言つておることを私は信じて、若い人たちの質問も尤もだと解釈しましたし、早く済ませたいというので、要請文を読んだ、早く拍手をして賛成をしてお昼を済ませたのじやないかと、そういうふうに善意に私は解釈をしました。
  636. 田中啓一

    ○田中啓一君 わかりました。そこで次に千葉さんにお尋ねしたいのでありますが、千葉さんはこの御会合には御出席にはならなかつたと思うのですが、さようでございますか。
  637. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 私はその会合には出ておりません。知らなかつたのであります。
  638. 田中啓一

    ○田中啓一君 農村教育研究会でございまして、私は教育委員の方々も多大の御関心を持つていらつしやる御会合だと思うのでありますが、そういう場合に、今お話を伺いますと、校長会と教組の恵那郡の支部でございますかが、合同で御開催になつたとのことですが、招待状なり案内状は行きそうなものだと私は思うのですが、それについて何か御感想はございませんか、千葉さんにお尋ねいたします。
  639. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 非常に関心を持つております。私はそういうふうに通知して下さるものと思つてつたが、なかつたものだから知らなかつたのです。私はそういうときに大いにそういうことのないように常に考えておるのです。
  640. 田中啓一

    ○田中啓一君 次に、更に元へ帰つて、三宅さんにお尋ねしたいのでありますが、この日の会合には校長さんと学校先生方だけで、ほかにはそれ以外の顔ぶれは見えませんでございましたか。
  641. 三宅信市

    証人(三宅信市君) ほかには地方事務局にある教育課の指導主事は招待をして来ておられました。
  642. 田中啓一

    ○田中啓一君 それだけでございますか。
  643. 三宅信市

    証人(三宅信市君) それだけでございます。
  644. 田中啓一

    ○田中啓一君 ほかの顔は御覧になつておりませんか。
  645. 三宅信市

    証人(三宅信市君) それのほかに誰も参つておりません。
  646. 田中啓一

    ○田中啓一君 ちよつと、今校長さんはほかの会合とおつしやいましたが、何かほかにも当時会合がございましたか。
  647. 三宅信市

    証人(三宅信市君) ほかの会合といいますのは、校長会の運営のうちで部を分けております。その部に法制部というのがございまして、そのほうへ十名ほど行つております。
  648. 田中啓一

    ○田中啓一君 わかりしました。実は私のところへ地元のほうから入つて来ました情報によりますと、確かにそういつた農村教育研究会をおやりになつたに違いありませんが、何か支部の総蹶起大会をおやりになるとかいうようなことで、例えば郡内の労働団体でありますとか、或いは文化団体でありますとかというようなところに案内状が出ておりまして、而もそのほうには議題として再軍備反対或いは憲法擁護、MSA問題等を議題として支部総蹶起大会をやるというような招待状が出ておつたというようなことを耳にしたのでありますが、さような事実はございませんか。若しお噂をお聞きになつたら千葉さんからも三宅さんと併せてお答えを願いたい。
  649. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 別にそういうことは伺いません。再軍備なんということは私は大賛成のほうです。再び太平洋に旗を翻したいほうです。(笑声)
  650. 田中啓一

    ○田中啓一君 三宅さんにお答え願います。
  651. 三宅信市

    証人(三宅信市君) それはどういうところからそういうお話が出たのか知りませんが、この十二月一日にはそういうことは全然ありません。若しもあるとすれば、教組自体の大会か何かのときではないかと想像されますが、この日には決してありません。
  652. 田中啓一

    ○田中啓一君 それではこれはついでにお伺いするわけでありますが、教組自体の会合はその前後に持たれたことがございますか。世の中はよくものをごつちやにいたしますから、そういうことはあるかも知れませんが……。
  653. 三宅信市

    証人(三宅信市君) その前後の記憶は全然ありません。
  654. 田中啓一

    ○田中啓一君 ああそうですが、わかりました。次に御両氏にやはりお伺いしたいのでありますが、恵那郡では、これはしばしば耳にしたことであります。日本独立後もなかなか国旗を掲げない学校があり、君が代を歌わない学校がある、今以てさようなものがあるのでございますか、最近は歌のようになりましたか。
  655. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 初めにありました。教育委員会ができる前までは君が代をやらなかつたり、それから(「強制的に掲げさしたら駄目だぜ」と呼ぶ者あり)旗を掲げなかつたような状態がありましたが、もう今ではそんなところはないと認めます。
  656. 田中啓一

    ○田中啓一君 実は御承知のように国旗を掲げるな、君が代を歌うな、天皇制の復活に繋がる……こういうようなことを主張するところの団体、又松川事件に対しまして、これが無実の罪だと思うとか、或いはアメリカの謀略であるとかいうようなことを盛んに言われて、そうしてまあ裁判所へはいろいろな要請書その他が山ほど届き、デモが各所に行われて、殊に仙台では極めて熾烈な様相があり、裁判に私は圧迫を加えるものではないかという疑いまで私は持つたのであります。そういう私は出所が同じところから出て来るのであるし、今又森さんの御証言によれば、恵那郡の学校教員が破防法の関係で実宅捜索を受けて、そこから秘密文書が出て来た、こういうようなお話でございます。私も実は耳にしております。生活協同組合の事務所も捜査をされましてやはり秘密文書が出て来た、こういうことを聞いておるのでありますし、更に「アカハタ」を教室に貼つたということも実は聞いておるのであります。さような実は環境の中にありますので、一応三宅さんなり又千葉さんなりは管下から情報をお集めになりまして、どこからもこういつたことはない、まあこういうことをお聞きになつておいでになりましたので、それはその通りに違いないと私は思うのでありますが、どうもそういうことであつてみれば、私は今までのところを聞いておらんが、あるともないともそれは確言はできない。あるという証拠もなければ、今のところないという証拠もない、これが私は事実でなかろうか、こう思うのでありますから、最後に三人の御証人にその辺のところを伺つておきたいと思うのであります。
  657. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 先ほど森さんから恵那郡内に、何か恵那郡内におる先生ということを聞いて私案は意外に思つたわけであります。これは多分益田郡の高校の二十四件のうちの一件に挙げられておるとの誤りではないかというようなことも思つたわけであります。それから今田中先生のほうから生活協同組合のほうを捜査されたというようなお話もありましたが、確かにこれは捜査に来られました。その様子は私は丁度おりましたので見ておりました。生活協同組合へ何か本を送つてよこした形跡があるというので、配達の人や駅の人やいろいろ尋ねて、こういう人が受取つたとか、こういうことであるとかいつて生活協同組合の事務の者を連れて行つて、警察のほうから相当調べられたのであります。その送り先、どこから送られたかというような送状やいろいろあるのだから、それを出せということで、初めのうちは黙つて捜査されておるので何もわからなかつたのですが、だんだん出て来ないので、追々聞いてみるというと、そういうようなお話であります。そこでどこから送られたのかは、これはずつとあとに聞きましたが、益田郡の今の高校の問題から、あちらのほうがわかつてから、あちらから送つたのじやないかという疑いでそういうことをされたというので、非常に生活協同組合の事務員その他非常に憤慨したわけですが、何が何だかさつぱりわからずに捜査されて、その組合の理事長なんかも警察に何時間も引つ張られたり何かして、とうとうそういうことがわからずに、そういうことはない、ところが何月幾日にこうだというので、その毎取つたのが、眼鏡を掛けてこのくらいの年恰好の、こうした服を着ておつたのだということを、配達した人が言つたとかいうので、それは理事長以外にはない、そういうので、その理事長が非常に攻められたわけでしたが、結局理事長の同月幾日というのはどうもはつきりしない。ところが理事長のその日の動きがどうもはつきり覚えがない、自分もそんなものを受取つた覚えもない、そこにおつた覚えもないというので、よく周囲の学校なんか調べておつた場合に、丁度大井小学校の隣の学校ですが、長島小学校というところに行つたわけで、この長島小学校の日誌にそれが載つてつて、警察に行つて、ういう事実があつたので何もなかつたということを一つ書いて出してもらいたいということで、書いて出してもりつて来ております。それで、あつたと今おつしやいましたけれども、これはおかしい話だと今受取つたわけです。
  658. 相馬助治

    ○相馬助治君 ちよつと委員にものを尋ねるのはおかしいようですが、三証人の方がいらつしやるところで尋ねておきたいと思うので、特に発言をお許し願いたいと思います。田中委員にお尋ねしておきたいと思います。  只今の御発言の中で「アカハタ」を教室に貼つてある、これは「アカハタ」は明らかに商業新聞でなくて一政党の機関紙ですから、これを教室に常時貼るなんということになると、これは極めて問題たと思います。そういう話であるというのはどなたから聞き、その当該学校、当該学級をこの際明確にお示し願つておきたいと思います。
  659. 田中啓一

    ○田中啓一君 これは私のところの地元のほうから手紙をよこしたのでありまして、私は学校の名はそれに書いてありましたけれども、それは申上げないほうがいいと思いますし、又私によこしたものの名前を申上げるのは私は差控えたいと思います。(「尋問することはできないぞ」と呼ぶ者あり)
  660. 相馬助治

    ○相馬助治君 尋問することはできません。何ですか、信憑性がないから出せないというのですか。そのままその人に迷惑だから出せないというのですか。
  661. 田中啓一

    ○田中啓一君 私はやはりその人に確めておらんのですから、そういうものが私のところへ言つて来たものがあるというだけで、従つて信憑性も確かでないし、向うの人の名誉と、又迷惑にならないという範囲で差控えたいと思います。
  662. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今日三人の方のおいでを願つて私どもがお聞きしたいと考えておつた問題についてはそれぞれ先ほどお話がございましたので、私としては了承しているわけでございます。  そこで、最後に簡単な言葉で結構ですが、はつきりとおつしやつて頂ぎたいと思います。それは文部省が出しました資料には、松川事件の判決の際、小学校四年生以上の児童に対し授業を休んで松川事件の概要について話をしたと、こういうふうに文部省は私どもに出しておるわけです。そうして内容としては、松川事件の真相は吉田内閣がアメリカの指図によつて無異の死刑を行なつたものである。死刑の判決には反対であると述べた、こういうことを授業を休んで恵那郡の全部の児童に対して話をした。これは先ほど各証人とも否定せられたところであります。そこでこういう事案はなかつたということをはつきり私はおつしつしやつて頂きたいと思います。三宅さんから順次……。
  663. 三宅信市

    証人(三宅信市君) そういう事実は全然ありません。
  664. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それだけでよろしいです。
  665. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) 認められません。
  666. 森太郎

    証人(森太郎君) 今まではそういう資料を得ておりません。
  667. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 ただ一言だけ承わりたいのですが、千葉さんにお伺いしたいのですが、今この三宅さんの証言によりますと、郡内の小中学校連合会が当日行われたと言つておられますが、これは相当公的なものと考えますが、そういうものがあるときに教育委員会には何らの了解もなしに、先に田中氏は招待状が来なかつたと言つたのですが、了解もなしにそういうことが行われたのは不思議でなりませんが、それはどういうことなのでございましようか。
  668. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) それは厚意的に最近は来るようになりました。そのときはどうしたのか、手落か何か、それはわかりません。
  669. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 それでは三宅校長に承わりますが、その会は自由に勝手に行なつたものでございますか。小中学校連絡協議会というのは相当に公的なものでございますか。(「自由党もう時間ないぞ」と呼ぶ者あり)
  670. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 今のお話は十二月一日の会のことですか、三月四日の会のことですか。
  671. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 どちらでもいいです。両方ともそうですか。
  672. 三宅信市

    証人(三宅信市君) 十二月一日の会は、先ほど申上げましたように、県の地方事務局の指導主事に来て頂いてやつております。それからは連合会協議会長さんのほうには案内状を出さなかつたのであります。  三月四日の会は、これは千葉先生ちよつとお間違いだと思いますが、三月四日の会は、これは県の教育委員会の招集でありまして、定員その他のことに関しての伝達やいろいろの会議がありました。
  673. 千葉茂美

    証人(千葉茂美君) ちよつと訂正します。先に言われた私が出なかつたというのは、十二月一日のことであります、来なかつたというのは……。三月四日のは私のほうの校長及び教育長の招集としていろいろの話があつたものだから、私も出席しております、
  674. 川村松助

    委員長川村松助君) 高田君から発言を求められておつたのは……
  675. 高田なほ子

    高田なほ子君 発言を求めましたが、荒木さんがお立ちになつて、本問題の信憑性については全部これは否定されておるのですから、何も発言ございません。もういいです。そのほかのことをだらだらといつまでもやる必要はない。
  676. 野本品吉

    ○野本品吉君 簡単に一つ……。先ほど森さんから何と言いますか、思想調査であるとか干渉であるとか、圧迫であるとか言われておりましたが、どういうことをなし、又なそうとしたときにそういうことを言われるのか、その点だけお伺いしたい。
  677. 森太郎

    証人(森太郎君) 仮にこういう偏向教育と言いますのが、私は基準というものがわからないので、はつきり偏向であるかどうかということは皆様の見解とは違いますが、今、今日までここで論議されたような、黒板に共産党の機関紙の「アカハタ」が貼つてつた。或いは先生が好んで特定な中共礼讃やソ連礼讃のような題材だけを教えて、而も作文に書かせてみたり、その結果そういうものが現われているとか、そういうことが伝わつて来るのであります。従いましてそういうことのいわゆる真実なりや否やということを私どもの教育委員会の立場でお尋ねに参りまいう教組の方から言われるのであります。従いまして私どもがよく注意して参りませんと、これは非常な刺激を起して、教組と私どもは争う気持は持つておりません。任命権者の教育委員会と教組が争うことは今日の日本の悲劇と考えております。飽くまでも手をつないで正しい教育に持つて行くべきだと考えておりますが故に、(「その通り」と呼ぶ者あり)そういう非難の起こるような方法で私どもは参りませんで、なかなか信憑性をここで争うような素材を得るということは困難だということを申上げているのであります。(「名答弁だ」と呼ぶ者あり)
  678. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに岐阜恵那関係証人に御質疑をなさる方はありませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  679. 川村松助

    委員長川村松助君) これを以て岐阜恵那関係の質疑を終了いたします。  本日は誠に御苦労様でございました。    午後六時二十五分散会