○
政府委員(近藤直人君) それでは世田ケ谷都立
学校建築工事につきまして御報告申上げます。
先ず第一に事件の経過でございますが、二十七年度の新築の明正小
学校の塀が倒れましたので、PTAが建築工事に不審を抱きまして、区会議員を通じて工事の再検査を提案させたのでありましたが、これは否決されました。そこでPTAは署名運動を展開して事の実現を図りましたので、ますます事が大きくなりましたのです。そこで昨年の七月二十七日、区の監査
委員は二十七年度工事につきまして東京都建築業
審議会に鑑定を依頼しました。一方区民の監査請求がその後成立しまして、これは十月七日でございますが、区民の監査請求が成立しまして、区の監査
委員は昨年の十月十四日、都の建築業
審議会に二十六年度と二十七年度の建築の鑑定を依頼しました。
そこで建築業
審議会は両年度に建築した
学校から九校を抽出しまして十一月十日から十一月二十五日に亘りまして検査を行いまして、別表に述べますような結果を回答したのでございます。この監査結果は区の監査
委員会から二十九年の二月中旬にこれは公表されました。
そこで公表になりました監定の結果でございますが、これは明正小
学校初め九校でございます。その九校につきまして、一般の構造はどうであるか、階段工事はどうであるか、或いは小屋組みがどうであるか、それにつきまして優良可否とつけたわけでございます。又仕上げにつきましては屋根工事の仕上げがどうであるか、或いは天井工事の仕上げがどうであるかということを調査いたしまして、これも優良可否をつけました。その結果或いは良であるとか或いは可であるとかいうような結果が出たのでございます。
そこで区の監査
委員会の監査公表の結果といたしましてこういうことを報告しております。これらの結果を招来した原因につきましては、各方面から探求する必要があり、今ここに即断を下し得ないところである。区議会並びに理事者に対しては抜本的対策を講ずるよう要望するが、特に下記事項については可及的速かに措置を講ぜられたい。イといたしまして、建築の不良部分に対する措置といたしまして、
審議会監定成績可以下の建築に対しては早急に補修補強などの措置を講ずることは勿論であるが、二十六年度、二十七年度の建築の全面的調査を行い適当な措置を必要とする。
それから口といたしまして機構の改善、
人事の刷新を挙げております。それからハといたしまして、契約事務の改善を挙げております。これが区の監査
委員会監査の公表の概要でございます。
そこで区といたしましては、監査の結果が別表の
通りでありますので、特に明正小
学校と赤堤小
学校ですか、この両校の不良箇所につきましては現在二区で補修実施中であります。又区は十名から成る特別
委員会を構成して対策を決定する
方針であります。
それから建築業者に対する処置といたしましては、出入り禁止或いは弁償などの措置を考慮しておるそうでございます。
それから東京都の措置といたしまして、今回事件の発生に鑑みて、特に二十三区の
教育長に対し、戒告を発し、工事の指導を強化し、今後誤りの生じないよう措置したそうでございます。以上世田ケ谷の区立の
学校建築工事の不正につきましてとられた措置につきまして概略を御報告申上げました。