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1954-06-15 第19回国会 参議院 農林委員会 第54号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月十五日(火曜日)    午前十一時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            森田 豊壽君    委員            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            横川 信夫君            上林 忠次君            森 八三一君            河野 謙三君            松浦 定義君            鈴木 強平君   政府委員    農林政務次官  平野 三郎君    農林大臣官房長 渡部 伍良君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十九年四月及び五月における  凍霜害等被害農家に対する資金の  融通に関する特別措置法の一部を改  正する法律案衆議院提出) ○継続審査要求に関する件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今から委員会開会いたします。  本日は、前回に続きまして昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。御質問のあるかたは御発言を願います。
  3. 松浦定義

    松浦定義君 先日の委員会でも、衆議院のほうから本案についての提案者理由を聞きまして、大体その内容については了承をしておつたのでありますが、その後衆議院の本会議で可決されましたことを見ますると、一部正誤表として送られましたのでありまして、この内容提案者理由を聞きますと、茨城雹害というのが主たる目的であつたようでありますが、一部正誤表から見まするというと、六月の凍霜害を含むというようなことになつて参りましたので、我々参議院農林委員会といたしましては、すでに四月、五月の二カ月に亙る被害のためにきめられました予算が四億五千万、従つて六月に入りましても、法律上から行きますと、四億五千を全然殖えていないというようなことになりますと、非常に提案者が最初説明されておりましたように、四億五千の中で、茨城にだけならば大体恰好が付くだろうというようなお話であつたのと、大分違つて来たということで、どうしてもこの法案をそのまま衆議院決定通りに通すといたしますと、四億五千を全部六月に配分してしまう。大体今日までの、聞くところによりますと、茨城ほか東北、北海道の総額は恐らく三、四十億を超えるだろうというふうに私どもはまあ承知いたしているわけでありますが、そういうような被害をも四億五千万の中に含めてしまうということになりますと、法案全体の趣旨が骨抜きになるばかりでなく、この種の救済対策として非常に我々としても責任があることになりますので、先ほどの懇談会にもいろいろのお話策議院から参られてあつたようでありますが、我々といたしましては、この際政府当局のそれらに対するはつきりした見解を一つ聞かして頂かなければならん、かように考えておるのであります。従つて只今官房長並びに政務次官お出でになりましたので、改めてこの種の問題についてお伺いいたしますが、御承知の通りに本日は会期が終る予定であるようであります。そうしますると、恐らく次に臨時国会というようなお話がありますが、これもまだ私どもは確たる幾日に開けるかということを聞いておりませんが、いずれにいたしましても、この災害に対する処置といたしましては、できるだけ早く臨時国会に当然その予算を伴う法律として我々はこれを確認せなければならん責任があると思うわけでございます。従つて臨時国会が大体いつ頃に開けるであろうかということと、更には又臨時国会政府はどういう処置をとろうとお考えなつておるか。即ち只今申上げましたように、四億五千万の枠を六月も含むことによつて了解しなければならん、私そのことについては御異議はないと思いますが、その額を大体臨時国会が開ける時期までに調査がなされるかどうか。若しなされるとするならば、その額を参議院が今度は一部修正をして衆議院に送つて、それを衆議院に確認してもらいたい。そのことは先ほどの懇談会でも大体衆議院提案者並びに農林委員長等お出でになつてお話合があつたように聞いておりまするから、そのことはできると思うのでありますが、取りあえず、今度の六月を入れられたということについて、政務次官としてはどういうふうに処置をとろうとしておられますか、更に又今日までわかつておる被害状況等一つお知らせ願いたいと思います。
  4. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) 松浦委員の御指摘につきましては、政府といたしましても全く同感に存じておるわけでございます。御審議を頂いておりまするこの法案につきましては、政府といたしましてはやはり確固たる被害実態を掌握いたしまして、これに基いた的確なる予算措置をとるのが適当であるというふうに考えておるのでございます。ただ何分にも本日は会期の最後の日でありまして、農林省といたしましては、鋭意被害調査をいたしておりまするけれども、実は本法案衆議院で提出されましたときは、まだ電報で連絡するといつたような状態でございまして、今日におきましても、まだここで確たる数字を握るということは物理的に不可能な段階にあるわけでございます。従いまして、仮にただ目分量で金額を定めるということは、政府としては好ましくないと思つておるのでございまして、この点は参議院農林委員会の御意見と全く同じ考えを持つておるわけでございます。実は政府といたしまして、臨時国会を近く開くということになつたわけでございますが、併しこれはまだ日取り並びに会期等は本日ここで私から申上げかねることでございますが、併し近く臨時国会があるということになりまするならば、それまでにできるだけ速かに災害実態調査いたしまして、そうして只今申上げました趣旨に基きまして、政府としては責任を以て善処する考えでございます。
  5. 松浦定義

    松浦定義君 只今農林政務次官の御答弁で大体了承したのでありますが、恐らくまあ一週間後には臨時国会が開かれるのじやないかと私どもは予想しておるわけであります。その間にやはり四月、五月に入つていない被害地からいろいろの要求等があると思うのですが、そのことについては十分一つ今までの例にならつて遺憾のないようにして頂く、と同時に、四億五千万というものが最終段階には九月までに資金貸付が完了するわけですから、そういうようなことも含んで一つ十分な措置をとつて頂きたい。これは私ども申上げておるのは、一応継続審議でありますので、衆議院は六月を入れて議決しておりますから、政府として四億五千万で河とかしよう、地方から来られたときには、その四億五千万を使つて衆議院として異議がないのですから、そういうようなことも併せて含んで、臨時国会には必らず六月も十分な措置をするということを御確約願つておるのでありますから、今後の地方災害に対する応急手当のできないようなことのないように一つ是非この際お願いしておいて、今の政務次官の御答弁で了承いたしたいと思います。
  6. 上林忠次

    上林忠次君 災害の今の融資対象になる作物については政令できめるというようなことを要綱か何かで見ておりますが、ああいうようなものをきめられますか。
  7. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 今度は融資対象作物は限定いたしません。
  8. 上林忠次

    上林忠次君 煙草ですが、これは大蔵省所管なつておりますが、これをどうするか、農業経営の中に入つておるもので今度の法案で行きますと、三割以上の被害があるものに対して、而も経営の全収入の一割以上の被害があつたということになりますと、これをどういうふうな工合に考えるか、所管の官庁が違うために、まあ一般会計からは煙草のほうは見られないというような問題もあるかと思いますが、そういうような点はどう考えておりますか。
  9. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 煙草のほうは専売局のほうで特別な処置をする。その処置をした範囲内においてはこの融資対象から外しますけれども処置のできなかつた分は当然この中でやると思います。これは専売局災害の場合に特別な措置をする義務が専売法にありますから、当然相当処置をしなければいかんと思います。
  10. 上林忠次

    上林忠次君 罹災補償という措置がございますが、そのほかに罹災補償でやつても再生産はむずかしい。これはやはり融資によつてやらなければならんということになりますと、向うでは打つ手がないのじやないか。新らしい別な立法言つても、現在の被害は約四億と言われておりますが、全損面積に換算して八百町歩の霜害と、先般の水戸の雹害を入れますと、それくらいになるのです。区域は鹿児島、北陸、茨城県に亙つておりますが、こういうような大蔵省自身としては新らしい立法をしない限りは打つ手がないのじやないか。而も今度の法案で行きますと大体総収入の一割というような限定もありますので、これに入るべきものじやないかと考えますが、まあ農林省でいけなかつたら、大蔵省で又別な措置をとるように農業経営の全体を考え救済措置が講ぜられるように、農林省のほうでも大蔵省と折衝して頂きたいと考えております。それに対してどういうお考えでありますか。
  11. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) お話御尤もと存じますので、専売局のほうと十分打合せをいたすつもりであります。
  12. 森田豊壽

    森田豊壽君 大分凍霜害という寒いほうの又被害が多い所が、作物に対する被害が非常に甚大であるというようなことで、お気の毒だとは存じますけれども、一面におきましては、これから相次いで災害が起ろうとしておる状態にありますときにおきまして、ただ凍霜害だけというような考え方では非常に考え方が、この問題はこの問題として取上げることは結構なんですが、一面におきまして蔬菜その他南のほう、或いは西のほうにおきましては、そういう被害も相次いで起ることが考えられるわけです。こういう問題も現に地方的に言うならば、静岡県あたりでは蔬菜に対しまして相当被害をこうむつておる実情が数カ村あるわけであります。局部的でありますがために、それに対しては余り大きく取上げられておらないわけですが、県といたしましても非常に気の毒だという状態で、全滅の状態にあるところがあるわけです。こういうものに対しては、やはり営農資金を当然出しまして、これに掲げたような条件を以ちまして、これに対しては、被害に対しまする営農資金或いはこれに対する助成という問題に対しましては、当然これは考えてやらなければならん問題だと思うのでありまして、この点に対して、官房長としまして、今までの営農資金割当等は非常に不公平であつたごとく言う人も中にはあるわけなんです。こういう問題に対して、一つ今後そういう問題が起きたときにはやるというお考えがあるかどうか、又そういう問題、現に起きている問題も取上げるべきだと思うのでありまするが、これは取上げるのであるかどうか、この点を一つお伺いしたい。
  13. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) お話の点は、被害の程度、状況によりまして当然同様に考えなければならないもの、こういうふうに私ども考えております。
  14. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 本法律案につきましては、先ほどの御懇談の結果、被害実態を今俄かにつかむことも困難でありますので、従いまして、今会期中に結論を出すことは困難ということになりましたので、本院規則第五十三条によりまして、本審査の閉会中の継続審査要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお要求書案文等委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  私からも政府当局に対して被害の早急な調査と、その間の応急措置につきまして、善処されんことを強く要望いたします。  休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩    〔休憩開会に至らなかつた〕