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1954-06-11 第19回国会 参議院 農林委員会 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月十一日(金曜日)    午後一時五十四分開会   —————————————   委員の異動 六月三日委員北勝太郎君辞任につき、 その補欠として、森八三一君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君    委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            関根 久藏君            森 八三一君            河野 謙三君            松浦 定義君   衆議院議員            佐藤洋之助君   政府委員    農林政務次官  平野 三郎君    農林大臣官房長 渡部 伍良君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十九年四月及び五月における  冷霜害等被害農家に対する資金の  融通に関する特別措置法の一部を改  正する法律案衆議院提出) ○農林政策に関する調査の件  (糸価安定に関する件)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から委員今を開会いたします。  本日は先ず昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案緊急議題といたします。  本法律案は、昨六月十日衆議院議員佐藤洋之助君ほか三十二名によつて衆議院に提出され、本院には本朝予備審査のため送付、直ちに当委員会予備付託となつたものであります。  先ず提案理由説明を聞きまして、続いて質疑に入り、本日委員会開会中に衆議院を通過して本付託になりますれば、直ちに討論採決を行い、次回の本会議に上程するよう取計らいたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、先ず提案理由説明を伺います。
  4. 佐藤洋之助

    衆議院議員佐藤洋之助君) 私佐藤でございます。よろしく……。  只今提案となりました昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  去る四月及び五月における凍霜害風雪害及びひよう害による被害農家に対し、農業経営を維持するのに必要な営農資金融通する措置を講ずるため今国会におきまして昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法通過成立を見ましたことは、各位の御承知の通りであります。然るに、本月四日、又々茨城県の一部に激甚なひよう害をこうむり、一市一町十カ村に亘り被害総額二億五千万円以上に上るものと推定されるのであります。この被害地域は、昨年凍霜害及び冷害により非常な経済的損失をこうむりまして、鋭意これが回復に努力いたしておりましたところ、引続きこのたびのひよう害を受け、これら被害農家に及ぼしました経済的精神的打撃は誠に深刻なものがございます。その他群馬埼玉両県下を初め各地に気象の激変に伴う被害がありましたやに伝えられているのであります。従いまして、これら被害農家に対しましても、四月及び五月における凍霜等による被害農家に対して講じました措置にならいまして、低利の意業資金融通いたし、以て被害農家経営の安定を図る目的を以ちまして、ここに本改正秦提案いたした次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願い申上げます。
  5. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今提案理由の御説明がありましたので、直ちに質疑に入りたいと存じます。
  6. 佐藤洋之助

    衆議院議員佐藤洋之助君) この際ちよつと補足して申上げたいと存じますが、このために今日実は二時半から本会議を開いてもらつたのですが、この営農資金は先に四億五千万円御決議を願つたわけでございます。大体四億五千万円の範囲内で賄えるのじやないか、こういうような意味でありまして、六月というこを挿入して、先ず茨城だけはこれで行ける、こういう見当でございますことを御了承願いたいと思います。
  7. 松浦定義

    松浦定義君 こうした被害が次々と起ることについては我々としても非常に遺憾なことだと思うのですが、いずれにいたしましてもこの手当というものは急速にしなければならんというので、四月、五月の被害を中心として本法が制定されまして、只今提案者の御意図を聞きますと、更に茨城県下における大被害、なお他県においても同様な被害があるであろうということを予想されまして、六月を入れられたということについては、私は原則として結構なことだと思うのですが、今承わりますと、前回決定になりました総額の中で何とかなるだろうというお話があつたように考えますが、それは今茨城県下はその範囲内で間に合うというような御意見のように聞いたんですが、若しこれと同様なことが群馬県下或いはその近接県等にありました場合においては、現在の四億五千万円では足りないという結果になると思うのですが、そういう場合には優先的に茨城県だけが現在の四月、五月の予算の枠内において満たされ、若し他に同様の六月というものの該当するものが出て来た場合には、そのほうの予算的な措置はどういうふうにお考えになつて提案者の御意見でありますか、承わつておきたい。
  8. 佐藤洋之助

    衆議院議員佐藤洋之助君) 誠に御尤もな御意見でございまして、実はその点非常に心配しまして、昨日もその点につき論議があつたのでございます。実は青森岩手被害状況政府側に質しましたところが、未だ詳細ができておりません。新聞で伝うるだけでございます。埼玉及び群馬のは四月、五月のときが非常に大きな被害でございまして、今回はさまで大きくないような状態でございまして、新聞の伝えるところによれば、岩手青森はこれは相当なものだ、この岩手及び青森被害状況が出て参りますると、到底四億五千万円では賄い切れないではないか、こういうような考えをいたしまして、この場合における処置は今後御協議を願つて行きたい、こう思うわけであります。
  9. 松浦定義

    松浦定義君 まだ正確な数字が出て来ないところに、予算裏付もなかなか面倒だと思うのですが、やはり法律を作る限りにおきましては、必ずしも一県だけにとどまるというようなことではいけないと思うので、我々としてはやはり法律は簡単だが、併しその予算が、先に決定されたように、四月、五月の分では余つているといつたような工合まで、若しこれが出て来るならば結構ですけれども、今お話のように、相当府県にも出て来るということになつて足らないということになりますと、そういう場合には、これは私お聞きしておきたいのですが、やはり予算がどうしても出ないという場合には、四月、五月の分には十分手配をされて、余つた分で六月分をやるというのか、或いはその他現在予算があるから、六月分として入つた、今きまつている分だけは四月、五月の分と同じような形で政府としてはおやりになるようなお考えであるか、これは提案者ばかりでなく、これは政府のほうからも一つ伺つておきたいと思うのですが。
  10. 佐藤洋之助

    衆議院議員佐藤洋之助君) 御質問誠に適切でございまして、予算の執行は政府がやるものですから、政府とよく相談をいたしてやりたいと思います。で、この前のときにも予定を組んで、九州あたり相当見積つたのが……、昨年のでですね。そういうようなものがあるものですから、大体今年の現在のところでは四月、五月をやりまして、剰余を廻して行くというのが原則でありまするが、大体政府と相談いたしまして、予算の使い方をするつもりであります。
  11. 松浦定義

    松浦定義君 なお私きつき四月、五月というものの分が、これが上程になる場合にも、昨年の凍霜害の結果から見て相当非難があつた。でありますから、昨年よりも相当まあ辛い見方をしても、或る程度これはもういいんじやないかというような輿論の中から、四月、五月の分については相当現状よりも辛いような予算的措置が行われている、こう思つてつたのですけれども、又当然議員提出でありますから、そういう点についても……、十分そういう点については適切な運営が行わるべきであると思つてつたのでありますが、今のお話でありますと、更に又四月、五月の分の四億五千万につきましても、昨年同様な批判を何らかもはやすでに我々委員の中からでも受けているようなふうにも考えられる。従つてそういうようなことを政府考え処置をするということになりますと、やはり当然これは政府の見解としても、四月、五月の分から十分六月に対しても余裕のあるような調査をこれからしなきやならんというふうな結果になると思うのですが、政府がおれば私は聞きたいのですが、四月、五月の分についてはもうすでに適切なる調査が行われていると思う。それで大体政府考え方としてはどのくらいまあ残るか、或いは又どのような数字が出ているか、そういう数字も一つ見せてもらわなきやならんと同時に、今提案者お話になりましたように、茨城県の一市一町十カ村ですか、これの被害相当出ておりますけれども、大体においてどのような数字が……、そういうような資料も或る程度併せて出して頂きたいと思うのですが。
  12. 佐藤洋之助

    衆議院議員佐藤洋之助君) 茨城の場合は数字が出ておりまして、それはまだお手許に差上げてなかつたですか……。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 今の松浦委員のお尋ねになつたことを私は体具的に伺うのですが、この前の四、五の四億五千万円は、すでに各府県別被害調査もできて、この予算県別の配分もきまつておると思うのですが、これは一つ政府説明員のほうから説明させてもらいたいと思います。
  14. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 政府委員は呼んでいますが、政務次官に代つて……。
  15. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) まだきまつてはおりませんが、ほぼきまりかかつておるのですが、大体こんな茨城くらいまでのやつは入るわけです、四億五千万で……。
  16. 河野謙三

    河野謙三君 それは政務次官非常に不謹慎な言葉であると思うのです。私も茨城を追加することは賛成ですよ。これはとにかく四億五千万円を六億にしても、七億にしてもやるべきことだと思う。我々一応ここで慎重審議したのですから、その際に去年の凍霜害のようなああいう杜撰なことを重ねてはいけないということを注意して、今年はこの四億五千万は去年のような杜撰なものではありませんと、これはもう絞りに絞つて行きますからと、こういうことだつたのです。それですでに六月の現在になつて、この四月、五月のやつについては当然各府県別割当ができておるはずなんです。又がつちりしたものができなくても……。
  17. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) できております、大体は……。
  18. 河野謙三

    河野謙三君 できているでしよう。そこに茨城のものがこうあつて、それで更にこの前の群馬なり、埼玉も、やはり六月の凍霜害被害がこれこれでプラスされておる。それでなお四億五千万で行きますということは、これは私は言葉を返せば、この間我々が騙されておることになる、そうでしよう。そうじやありませんか。私、冒頭に申上げましたように、この法を改正して、茨城県を追加することは賛成ですよ。賛成ですけれどもね、若し四億五千万で間に合う。而もそれが茨城被害が、今聞けば一千万や、二千万でなくて二億五千万ということになると、而もなおこの茨城のものは、十分これは営農資金を見てやれるのだ、四億五千万の中で……。そうすればこの間のやつが非常に杜撰だつたということになる。そこで私もこれがこのままで行くと、逆に返せば四、五のほうは、群馬や、埼玉のほうから、今後非常な苦情が出やしないかと思う。
  19. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) 本当はこれは四億五千万を増加してもらう形でございますね。それは勿論入り込めるわけですがね。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 そこで今官房長から説明があるでしようけれども、四億五千万は増加せねばならんでしよう。それは財政上は増加できない。従つてここに新たに茨城が加わつたことによつて、すでに計算ができ上つたところの群馬から幾ら削るのだ、埼玉から幾ら削るのだというお考えか出なきやいかんのだ。
  21. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 前回四億五千にしたとき、当初三億になつてつたのを一億五千増したのであります。そのときの計算基礎は、雹害風害、それから内地北海道風害というのでありますが、それを計算するのに、その当時まだ統計調査部のはつきりした資料がなくて、府県報告を基にして一応算定してみたのであります。その際大体内地関係で二千万程度であります。それから北海道関係で、北海道のやつは七千乃至八千という数字が出ておつたのでありますが、そのほかの三億も、計算した査定のやつでやつて行きますというと、相当これが圧縮できる。併しその当時まだ正確な資料がなかつたので、一応余裕をとつて一億五千万ということにしておるのであります。従つて今度の雹害で、茨城の、これも統計調査部統計がまだはつきりしておりませんが、県からの報告だけを見ますと、二億円余りの被害になつております。これから見ますれば、県の融資希望額は六千万円を要求して来ておるものでありますが、今度の場合は麦の立消え、或いは刈取つたやつがやられておるのも相当ありますし、共済で行くのも相当出て来ると思いますので、六千万円は要らないのじやないか。従来の査定方針から言えば、大体県の希望額に対して半分程度が、こちらで査定すると、まあ従来の経験から言うと出ておりますので、その程度のものであれば、この枠を今ふくらまさんでもいいじやないか、こういうふうに考えておるのであります。それから今度の法律は去年と違いまして、三割以上の被害と同時に、その被害総額が、その農家の年の平均収入の一割以上になるという制限を加えておりますので、昨年度は農家頭割というような割当方をした地方が相当あるのでありますが、従つてこの自己資金で賄える能力のあるところにも行つておるというようなのがありまして、繰上償還等相当勧奨しておるのであります。そういつた経験から見ましても、今度の法律を、今申上げましたように直すことによつて、従来の借入分相当、本当に必要なところに行くということを狙つておる点から言えば、こちらで計算しているよりも、借入希望額がそう伸びないのじやないか、こういうふうに私のほうは考えておるのであります。
  22. 河野謙三

    河野謙三君 いや、官房長の揚げ足をとるようですけれども、この前我々が審議したときに、この四億五千万円は幾らか余裕がとつてありますからというような御説明もないし、又我々が、これは余裕がとつてありますというようなことであの審議に応えるわけはないですよ。今度は今御説明のように、融資基準というものを非常にやかましくして、去年のような轍は踏みませんということで、どこまでもやかましく、やかましくということで、そうして出て来た四億五千万円を非常にこれは厳重にやつて、こうだということだつたのです。そこでですよ。私はなぜこういうことを申上げるかというと、これは私が農林省の立場になると、今後こういう問題が起つたときには、大蔵省との折衝が困りやしませんか、農林省から出るものは、出す場合いつでも含みを持つているのだというようなことで、これは私は困りやしないかと思う。そういうことも、実は私は余計なことだけれども心配するのですよ。それと同時にこの四億五千万円というものは、すでに各県に栃木とか、群馬埼玉とかいうところに一応最終の……、それでなくても大枠は一応きめたのじやないですか。
  23. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 実は一億五千の分は、衆議院で御修正になりまして、そのときに、内輪の話を申上げますと、相当余裕があり過ぎるというので、私意見を聞かれたときには多過ぎるという意見を申上げて、これは正式な委員会でない案のときには申上げておつたのであります。併しそれも先ほど申上げますように、こちらにも的確な資料がなしに、県の報告を基にしてのことでありますから、若し足らんときがあると困るから、余裕をとつて入れておけと、こういうような話でありましたので、実際は相当余裕がある数字が出て来ておるのであります。それからまだ府県には割当てておりません。これは府県のほうで、具体的にこの法律基準に基いて希望をとつて出すわけです。政令がやつと今日の閣議できまつた程度でありますので、まだ下のほうへは行つておりません。今年の九月末が借入最終期限になつておりますので、今県で法律基準に基いて資料をまとめておる最中である、こういうことであります。
  24. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) これはこういう事情でしてね。実は最初政府は四月だけの法律をこしらえまして、これで三億でやつてつたわけですが、それは相当つた数字つたわけですが、ところがその後石川県に雹が降つて、それが陳情があつて五月を加えて出したわけです。それでそのときにはまだよく報告がなくて、金額がわからなかつたやつが、一応一億五千万殖やす修正をされたわけですが、そのときにはそれは石川県に雹害があり、長野県は第二の雹害があつて、そのときは数字がわからなかつたが、又今後も出て来るだろうと、今後のやつを予見して、腰だめで四億五千万というふうに直されたわけなんです。従つてまだこれから相当出て来るという予想を見込んであつたわけですね。従つて又今度六月にあつたわけですから、六月ということで今度修正するわけなんですが、相当そういう含みがあつて数字ですから、お話通りになるのですけれども、そういう点があるわけであります。
  25. 河野謙三

    河野謙三君 それはそういう御説明参議院では一言半句ないですよ。そういう今、政務次官がおつしやつたような、又渡部官房長が、衆議院でこういうことだつたということも全然説明を聞いていない、私たちは……。それを追及するのじやないですよ。まあ今後もあり得ることだろうということになると、常に今後もあり得るだろうということは考えられる条件なんです。殊に最近のように非常にこういう天候不順のときは、明日の朝にも又何かあるかも知れない。だから私は同じ原則によりまして、仮に茨城が二億五千万円とおつしやつても、これは一億でも五千万円でもいいから、こういう新らしい事態の起つたということは、やはりここに四億五千万に、たとえ一千万円でも、二千万円でも、追加するという形で行かなければ、私はまじめさを欠いていると思うのですよ、我々が審議する場合にも……。それを今ざつくばらんのお話で結構ですけれども、大体こんなことがあるだろうというふうなことで、含みを持つていたのだということで行きますと、私はこの際ちよつと困るので、むしろ私はそう政府に大きなことを言つたつていかんから、むしろこの際四億八千万円でも、九千万円でもいいから、又足らんところは茨城でも我慢してもらつて、又埼玉県にも、群馬県にも、一つ近隣のよしみで、今までのほうのやつを少し茨城県のほうに割いてもらいたい、こういう形でなければ私は説明にならんと思うがね。
  26. 松浦定義

    松浦定義君 今、次官のお話ですと、四月は三億でやつてつた。五月になつてから石川県ほか大変なあれがあつて、一応腰だめ式に一億五千万円出したのだ、こういうお話ですが、却つて親切過ぎて、普通でありましたら私は涙が出るくらい有難いことで、それなら私は自由党の農業政策が悪いなんて言つたのは取消したいと思うのですが、ところが今北海道は全然言われないですね。五月というのは北海道相当つたので、北海道を入れられたと思うのですが、そうしますと、北海道を入れることによつて……、まあ入つているかも知れませんけれども、あとから北海道もあつたのだということを言われるかも知れんが、言われてもなお一億五千万円が余つてつて茨城を入れられても大した予算ではないのだということを言われました。私はこういうような、額が小さいから、大きいからというのでなくて、こういうようなことについてこれくらいのことを言つておられるというと、もう少し、もつと大きいところでもつとやつてもらいたいというような希望がたくさん出るわけです。実際問題としては……。取りあえずこれをやつてもらう場合においても、まあ私は一番手近なところを申上げると一番いいと思うのですが、北海道の場合に、衆議院のほうの農林委員が逸早く行かれて調査されて、参議院のほうでは重要法案審議中だから行かない。従つて衆議院決定を一応そのまま呑むというようなことで、皆さんお諮りを願つて、今、河野先生からのお話通りに、ぎりぎりのところだろうということで呑んでおつた。ところがそれに対してまだ余裕があつたと、こういうふうに……、どのような被害見方をして、どのくらい府県割当するかということが全然わからないで一億五千万円というものを配分されておるということになるので、私はまあ率直にお聞きしますが、一億五千万の大体の見当、即ち北海道なら北海道の五月に対して必要だと見られて、今末端の調査はたとえできていないにしても、この程度北海道のほうでは見ておるのだ、併し調査の結果、それが甘ければ余るが、足らなければそれだけまでは予算範囲内で使うのだという額はわかつておりますか。
  27. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 最初申上げましたように、北海道等から申出ておるのは七千万円あまり、内地の風水害と石川雹害を合せて三千万円、それから第二次の長野群馬の凍霜害のやつが相当出るというのがその当時はつきりしていなかつたのであります。これがその後まだ正確には出ておりませんが、三千万円くらいになるのじやないかと、こういう議論がありました。そのときに北海道の分七千万円というのはこれは少し大き過ぎる、併しこれももつと調べてみなければいかんというので、その程度数字で、つまり北海道の分をどうするか、それから第二回目の群馬長野数字がどうなるかというのがこれが不確実要素でありましたので、今のを計算しますと、一億二、三千万程度にしかならないのを一億五千万円でやつておるのでありまして、これは私のほうで政府提案でやるときには基礎調査に基いて資金を弾き出すのでありますが、丁度会期も切迫しておりますし、この際法律融資額を殖やしておかなければ間に合わないというので、不確定の分を前提として衆議院農林委員会のほうで御修正になつたのであります。この点は何と申しますか、先ほど政務次官が申上げました通り本当に腰だめ的になつておるのであります。だんだん調査が進行するにつれて、余裕があれば余裕あるところに入れて行くと、こういうふうになりまして、今度の茨城の凍害は大体この余裕のところで賄えるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
  28. 松浦定義

    松浦定義君 そうしますと、北海道の場合はまだ七千万は多過ぎる、併し衆議院農林委員が逸早く行つて調査した結果に基いて、大野国務大臣まで行つてそれを裏付けしたというのですから、私どもは衆議院農林委員会の出した結論は正確なものとして、参議院では議員派遣をやめてまで衆議院意見を尊重したわけなんです。そうして七千万円というのは妥当だと見て決議したわけですが、それが今のお話で、衆議院のほうでは北海道千万円は多過ぎる。これは他府県長野群馬においても必らずしも少いとは思わん、何ぼかこれは削れるのだというお考えから腰だめ式の方法がとられたようですが、そうしますと、若しも今後調査の結果ぎりぎりいつぱいこの一億五千万円というものが必要であつたというような結果になつても決して差支えないわけですね。実態がそうだということになればそれまではお出しになれるわけですね。
  29. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 勿論そうでありますが、今までのその後の調査によりますると、先ほど申上げましたように、そんなにたくさんは要らないというほうが明らかになつて来つあります。
  30. 松浦定義

    松浦定義君 そうしますと、それも一億五千万円というのは余そうと思えば……、大体一億三千万、これだけしかないのだと言えばなくなつてしまうし、余そうと思えば幾らでも余せるのです。私の申上げているのは、そうではなしに、衆議院のほうの農林委員会調査して、それから出て来た数字、即ち北海道の……恐らくほかもそうだと思いますが、北海道の場合は超党派的にいろいろ折衝された結果が七千万円ということになつた。それを確認されたのですから、農林委員会がそれで本会議できまつたものをこつちへ送られてやつたのだから、私は今官房長が言われたように、調査の結果そう要らないと思うということは、政府はいつでも言われることだけれども、実際の被害はこれでは足らないかも知れませんよ。併し出た予算というものはこれは私は使つていいと思うのです。何も大蔵大臣も異議がないと思うのですよ、この予算が出たことは……。併し実態の調査が不十分であつたことはどつちの責任か知らんけれども、いろいろ問題が起るとしても私どもは頭から……、参議院行つておりませんから、例えば近くなら行きますよ、恐らく今度の茨城つて行かないでここでもうこれを決定するのですから責任があるわけです、実際問題として……。そういうものを通過させる場合に前のは不確実だつた、併し先ほどもお話があつたように、昨年に照らして今年は正確だといつているのに、今年又不正確だ。それを我々参議院がなお一億五千万円で何とかなるのだというようなことをする場合には、非常に今後こういうような変則国会で扱います場合においては、いろいろ又社会党両派の諸君は例の方法によつてこれは非常に一方的なことをやつたのだというようなことになりますると、もう私どもは非常に困るわけなんですね。で、先ほど河野委員が言われましたように、そういうふうに腰だめで幾らでもやれるなら、大体この予算から行きますと、一億三千万ぐらいで大体いいんだ、二千万ぐらい残る。茨城県は二千万円ぐらいで我慢してもらう、或いは埼玉群馬も出て来た場合には何とかやれるのだという、これは法律なんですから、そこのところを何とかいい工合に配分して、少しはやはり参議院農林委員会意見も通してもらう意味において、二千万でも三千万でも腰だめを追加して頂ければ、或いは要らないかも知れないのだから、一億八千万だというふうにしておいても、結果は一億五千万で通つてしまえば、丁度それでいつぱいに使つて適正な予算だというので我々としてもいいと思いますが、そういうことはできないのですか、どうですか。
  31. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これはちよつと私どもも困るので、私どものほうで正確な計算をして何ぼ要るということを法律に書かなければ工合が悪いのでありますが、議員修正でありまして、その間で余裕があれば、この余裕に入る見込みがあればそれでいいと思うのであります。もつと要るということになれば、お話のように余裕をとるということも一つの方法かと思いますが、先ほど申上げましたように、北海道数字等は道のほうで出しておる数字でありまして、それを国会のほうで確認されておりますけれども、実際には更に精細な調査をやると、今までの経験から行くと相当つて来るのでありますから、かなりの余裕があるので、この程度数字で、即ち一億五千万円で足りると私どもは考えておる次第であります。
  32. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記をちよつと止めて下さい。    午後二時二十九分速記中止    —————・—————    午後二時四十一分速記開始
  33. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。それではなお御質問があれば御質問をして頂きますが、大体の先の懇談会の結果、他の地帯の被害もいろいろ言われておりますので、先ほどは本日中に衆議院の本会議が上れば、ここで討論採決に入りたいということを申上げましたが、これを取消しまして、十四日午前中までこれを持ち越すことでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ではさように決定いたします。   —————————————
  35. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは次に麦の価格をやる予定でありましたが、食糧庁が遅れておりますので、生糸価格或いは糸価安定法につきまして関根委員からの御質問の御要求がありますから……。
  36. 関根久藏

    ○関根久藏君 最近糸価が大暴落をして参りました。御承知のように、十九万何千円かになりまして、あの安定法によります最低価格の十九万円は必至であるところの情勢になつて参りました。一方丁度繭の出廻り期に際会いたしまして、養蚕家と製糸家との協定も今までに曽つてないほどの困難な場面に到達すると思うのであります。勿論これは非常な金融引締が最も大なる原因と思うのでありますが、糸価を維持するために、政府は当然最低額を割れば買上をすることになつておるのでありますが、農林省のほうでは早急にこの措置が取り得ますよう用意ができておりますかどうか、お伺いしたい。
  37. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) 糸価の最近の暴落状態につきましては、農林省といたしましては、法律の定むるところによつて、当然安定法を発動いたしまして買上を行うのでありまして、只今その準備をいたしております。なお又あの安定法の中で、繭につきましては、特別の場合においては必要な措置をとるということになつておりますので、そういう場合も想定して準備を進めておる、こういう状況でございますが、詳細につきましては蚕糸局長を呼びましてお聞きを願いたいと思います。
  38. 関根久藏

    ○関根久藏君 十九万円で三十億を全部使いましても一万五、六千俵だと思うのです。果して今のような、何と言いますか、内外の消費状況に非常な大なる異変が生じたから、かような安値が来たとは思いませんけれども、或いはこういうような状態になつて来ると、そのくらいの金ではなかなか支え切れないかも知れないと思う。その三十億を六十億にするなり、百億にするなり、さような用意が必要であろうと思います。それについてのお考えはどうですか。
  39. 平野三郎

    政府委員平野三郎君) 只今のところでは、三十億を以て一応状況によりまして限度まで買う、それでもなおお話のようなふうに暴落がやまないという事態が続きますれば、そのときに又考慮しなければならんと思つております。差当りは三十億で一応やつて行こう、こういう考えでございます。
  40. 関根久藏

    ○関根久藏君 先ほど政務次官から、繭についても安定法によつて必要な措置は講ずる、かようになつておりますが、具体的にはどんなことをお考えになつておりますか。
  41. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは今の関根委員の御質問の答弁は後日に保留しておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十一分散会