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参考人(更級学君) 率直に申上げたいと存じますが、御
承知のように、この農林漁業組合の再建
整備が以前行われまして、一応の再建の計画が立てられて、それが実施に移されたわけでございますが、それがなかなか
合理化が十分いかないというので、皆さんのお骨折で促進法ができたのでございます。御
承知のようにこの以前の再建
整備の場合には、金融機関といたしましては、その計画には、まあ横からは眺めておりましたが、直接その
整備計画に入り込んで、或る
程度入り込みましたけれども、必ずしも強力にそれを指導するというような
立場に余りなか
つた。でありますので、今度のこの再建
整備促進の場合には、こういうふうに金融機関が協議を受けて、その
事業計画が安定しておるか、間違いなく進むものであろうか、或いは今後の金融についても、間違いなく金融が行われるかというようなことについて、この金融機関の協力を求めるという
制度が立てられたのだろうと存じております。その場合に、結局この再建
整備の計画を作るにつきましても、一応作
つてから、さあ金融機関に持
つて来まして、どうですかと、こう言われましても、その作り方につきまして、或る
程度金融機関といたしまして納得するものがなければ、今後の協力態勢が十分でないというふうに
考えますのと、やはり私は終戦後の農業協同組合の
動きを見ておりますと、この協同組合の仕事というものは、御
承知のようにビジネス——
事業であります。併しビジネスだけではいけないので、やはりそこにムーヴメントと言いますか、運動というものがあ
つて、ビジネス・プラス・ムーヴメントが協同組合の運動だ。こう存じております。この運動を協同組合に植え込むのが、
一つの再建
整備促進じやないかと思
つております。それで結局、単位の組合、県の連合会、全国の連合会が一体と
なつて協同組合運動を進めていくということが、この再建
整備を促進させることになると思うのであります。その場合に我々金融機関としましても、その
動きに対して理解を持ち、協力していくということが、この金融機関が協議を受けるということになるのじやないかというふうに
考えております。でありますから、金庫といたしましても、先ほど申上げましたように再建
整備促進法を作りまして、もつぱらこの促進運動の仕事もやらしております。どつちかと申しますれば、これは金融機関といたしましては、直接
関係のないような、むしろ指導
関係のような仕事に
なつております。併しながらやはり毎々申上げますように、組合金融というものはやはり
一つの指導が伴
つて初めて動いていく。併しその指導が先ほどの
お話もございましたように、余り逸脱してはいけませんが、そこに自主的な協同組合というものと、その協同組合が
構成しておるところの
団体というものとが、いわゆる上級と言いますか、上に立つ
団体というものが、そこに協力態勢を整えていく、そこに指導に当るというような形をも
つていくのが再建
整備促進運動というふうに
考えておりまして、私どもといたしましては、先ほど申しました
通り整備促進運動につきましては、もつぱらその仕事をやらしております。併しながら、何分とも従来の
経営の方向なり、従来の再建
整備の行き方というものと今度の促進の行き方というものは、相当具体的に問題をとり上げております。
審議方針を御覧に
なつたと存じますが、ここに非常に細かいことまで入り込みまして、やはり今後の協同組合運動というものはこうしなければならん。人と
事業関係におきましては、こういうふうに行こうじやないか、行くほうがいいのだというふうに
考えました理念がここに盛られておると存じます。でありまするが、これを直ちに、この現在の態勢にはめ込んで、現在の
事業団体をここに進めて行くということは、なかなか大きな問題であります。
でありますので、昨年以来、この問題を進めておりまするが、今日までにいわゆる指定に
なつたものは、大体二つくらいの連合会であります。併しながら我々のほうといたしましても、地方の各県に出掛けまして、皆さんと御懇談をする。
整備促進の
審議会には、専門の
委員がございまして、専門
委員が常時連絡をとりまして地方に出向きまして、連合会のかたがたなり、地方のそういう
団体のかたがたとお打合せをしまして、今後の
整備促進運動の計画を、こう行こうああ行こうというふうに御懇談申上げて、
一つ植え付けて参
つておりますので、現在は相当、もう全部各県各地方におきまして、この運動を進めて行こうという気運が出ておりますので、今後は続々この指定がとり上げられて行くのじやないか。こういうふうに
考えております。
だんだん、先ほど
お話もございましたように、勿論私のほう又地方といたしまして、無理な注文と言いますか、金融機関として圧力を加えてどうこうするというような
考え方はございませんが、併しながら皆さんのほうから、こういう場合にはどうしたらよいかどうかという
お話がございますれば、この
審議方針で
とつたようなことを申上げることもあろうと思
つております。併しそれを私どものほうではこうしなければならんということは申上げてはおらんと思いますが、併し我々のほうの
意向をお聞きになり、皆さんが民主的に自主的におきめになるということがいいのじやないかというような
考え方を持
つておりますので、我々といたしまして、先ほど先生の御注意がございましたように、まあ地方の出先におきましては、若い者もおりますし、或いは言葉の上から、そういうような印象を受けた事態もあ
つたかと存じますが、我々といたしましては、その点につきましていろいろと皆さんの御批判のあるところを承わ
つております。でありますから、今後はそういうことも、できるだけ避けて、勿論避けるつもりでおりますが、若い者もおりますのでそういうことがあろうと思いますが、若しそういうことがございましたならば、皆さんのほうからの注意も承わりまして、我々といたしましても現地のほうに注意をいたします。又現在もいろいろ
お話がございましたので注意をいたしておりますので、何とぞこの上とも、御協力のほどをお願いいたしたいと存じまするが、まあ非常に一時は、この点につきまして、いろいろと皆さんの促進の
方法につきましての
意見もございましたが、だんだん我々のほうが御懇談申上げ、我々の
気持なり、或いは今後の組合運動のあり方についての御懇談をするときには、大体こうなければならんという皆さんの御理解を頂きまして、その方向にだんだん進んでおります。恐らく今年中には、相当のものが指定を受けることになるだろう。こういうふうに
考えております。
又我々といたしましても今後ともできるだけ努力をいたしまして、更に促進いたしたいと存じております。