○
江田三郎君
只今河野委員から
提案されました
修正案につきまして、社会党を代表して
賛成いたします。
これは大体、この
法案は一昨年、昨年の
肥料の
出血輸出の犠牲を
農民に被せておいて、これを何とかしなきやならんというところから出発したわけですが、その後
肥料界の
情勢というものは
相当変
つて参りまして、
硫安につきましては、この
法案を当初
政府で立案された当時よりは
相当事情が変
つて参りまして、当時ほど
緊急性がなくな
つておるように私
どもは考えております。逆に、この
硫安以外の
燐酸或いは
加里肥料の問題は却
つて深刻にな
つて参りまして、今後の
外貨事情が窮屈になるという点から考えますというと、今深刻な状態を呈している
燐酸なり、或いは
加里の問題は、もつと矛盾が大きくなるのではないかということを私
どもは心配をしているわけであります。そこで私
どもとしましては、根本的なこの
硫安の
対策と並行し、或いはそれ以上に
加里や
燐酸の
対策を立てるべきである。
従つて本
法案を
修正するとしますならば、
加里なり、
燐酸なりが、すぐにこの
表面に出て来るような
修正でなきやならんと考えているわけでありますが、この点につきましては、先ほど
森田委員から触れられましたように、本
委員会会におきまして
農林大臣も、
通産大臣も、
加里なり、
燐酸なりの
必要量は
責任を以て
輸入をする、こういう
言明がありましたので、まあこれをどこまで信用してよろしいかわかりませんけれ
ども、一応その
言明をそのまま受取りまして、私
どもはあえて
加里、
燐酸というものを
表面に出すことなく、その他の
重要肥料として、今後
情勢によ
つて政令できめられるような、この
衆議院の
修正にそのまま同意しているわけであります。併しながら、仮にそういもうのが今後円滑に入りましようと、或いは入りますまいと、どちらにしろ、これは
法律の
体裁といたしまして、この第二条で
衆議院の
修正のように、その他の
重要肥料ということになりますというと、当然
河野委員の言われるような
修正が必要にな
つて来るわけであります。この点は
衆議院の
修正者を代表して当
委員会へ出席され、私たちの質問に答えられた綱島君にいたしましても、金子君にいたしましても、仮に
加里や
燐酸が
政令で定められたときには、当然この
法律というものは
修正をしなければならんということをはつきり認めておられるわけでありまして、これは
議事録にはつきり出ていることであります。
従つてこれは
法律の
体裁として、それだけの
修正がなければ
法律として
体裁が整わぬことになるのでありまして、これは
通産大臣、
農林大臣が
責任を持
つて入れるか入れんかということとは別問題なのであります。
衆議院のほうはお忙がしいことでありますからして、
ちよいちよいこういうこともございますが、この良識ありと言われる参議院といたしまして、特に当
農林委員会は、従来慎重なる
審議を誇
つて来たものでありまして、その
農林委員会としましては、
法律として
体裁の整わないようなものをそのまま通すということは、これは後世に汚点を残すことになりますので、私はそういう
法律としての形式という点から、
只今河野君の言われますところの
修正は当然なされなければならないと、こう考えて
賛成いたすものでございます。
なお、
修正案を除く他の部分につきましても、私
どもは一応危惧の念を打
つております。これが一体本当に役に立つか立たないかということは、今後
合理化がどう進むかということなんでありますが、どうも二百三十億円、五年間の
合理化計画というものを質して見ますと、その点非常にあいまいでありまして、
通産大臣はこういう金融の逼迫したとき、何とか努力をするという、努力ということは何遍も繰返して申されましたけれ
ども、何しろ
昭和二十九年度の開銀融資額もきま
つていないというようなことでは、果して二百三十億円の
合理化がどこまで行くかということにつきましては私
ども不安を持
つております。なお又、
輸出会社の問題にいたしましても、一体
輸出会社がうまく行くかどうかということに誰しも疑問を持つのではないかと思いまして、損をするのにきま
つている会社へ、如何に
政府が勧めたからと言
つて、そう製造会社が参加して、あれに書いてあるような運営を忠実に行うということはちよつと考えられない点がございます。
従つて若しこの
合理化がうまく進まず、
輸出会社の運営がうまく行かないということになると、勢いそのはね返りは
農民の買取るところの販売
価格に出て来るわけでありまして、そういう点からこの片方の
合理化なり
輸出会社
法案を眺めて見ますと、果してこの
需給安定法というものがうまく
目的を達するかどうかということに対して不安を持
つているものであります。併しこれにつきましても、
通産大臣なり
農林大臣は、
本法が通過の暁には、絶対に現在の実勢
価格より下げて見せるという力強い
言明がございましたが、これ又
加里、
燐酸における
言明と合せて、この
言明を一応信用いたしまして、この
法案の
修正部分を除く他の部分に
賛成をいたすものであります。ただ併し、私
どもはこれが本当に
大臣の言われるような効果を上げるためには、是非考えてもらわなければならん点があるわけでありまして、それは第一は、この
法案の
審議に当りまして、私
どもコストの問題について非常に慎重な検討を行いましたが、どうもあの検討を通じて出て来た答えは、今まで
通産当局なり、或いは
政府のほうが、これがコストだと言われてお
つたものとは少し迷うのじやないか、どうも少し実際よりは高いコストというものが出てお
つたのじやないか、若しそういうものを今後基礎にされるということになりますというと、これはこの
生産費を基準にする
本法におきましては、販売
価格は下
つて来ないのでありまして、その点は
政府において今後コストの調査に一つ万全を期せられまして、もつと正確なコストによ
つて弾き出すようにお願いをしておかなければならんという点であります。
第二は、会社の経理で松永君も問題にいたしましたように、一つの会社が一億何十万円も一年間に交際費を使
つておるというようなところがございます。二十八年度の開銀融資額は僅か七億円、それに対して一つの会社で一億円以上も交際費を使うというようなことで、それをこのコストの中に入れてもらわれたのではたま
つたものではないのでありまして、そういう点はこの経理の
内容について一つ十分に指導なり、御監督をお願いしておきたいということ、更に本
法案の
審議を通じて我我の受ける印象は、どうも
政府部内におきまして、この
肥料行政に当
つて、
通産当局と
農林当局とが必ずしも一致していないように思えるのでありまして、これはやつぱり消費者である
農民の立場に立
つて、
農林当局において一つ元気を出されて
肥料行政の一元化ということに努力をして頂きたいと思います。
以上、三つの点は、聞くところによりますというと、附帯決議として出るというようなこともちよつと聞くのでありますが、附帯決議として出る出ないにかかわらず、私
どもはこれを一つ強く希望いたしまして
修正部分を除く他の部分に
賛成いたします。