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1954-05-20 第19回国会 参議院 農林委員会 第39号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年五月二十日(木曜日) 午前十時四十六分
開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
片柳
眞吉
君 理事 宮本 邦彦君 森田
豊壽
君
戸叶
武君
委員
雨森 常夫君
川口爲之助
君
佐藤清一郎
君 重政
庸徳
君 横川 信夫君 上林 忠次君 北 勝太郎君 河野 謙三君 江田 三郎君 河合 義一君 松永 義雄君
鈴木
一君
鈴木
強平君
政府委員
農林省農林経済
局長 小倉 武一君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
常任委員会専門
員 中田 吉雄君
説明員
通商産業省
軽工
業局化学肥料部
長
柿手
操六
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
請願
及び
陳情
の取扱に関する件 ○
臨時硫安需給安定法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)(第十八回
国会継続
)
—————————————
片柳眞吉
1
○
委員長
(
片柳眞吉
君)
只今
から
委員会
を
開会
いたします。
最初
に
請願
及び
陳情書
の審査を行います。 それでは
速記
を止めて下さい。 午前十時四十七分
速記中止
—————
・
—————
午後零時四十一分
速記開始
片柳眞吉
2
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それでは
速記
を始めて下さい。暫時休憩いたします。 午後零時四十二分休憩
—————
・
—————
午後二時三十三分
開会
片柳眞吉
3
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それでは
委員会
を再開いたします。
臨時硫安需給安定法案
を議題にいたしまして、
最初
に昨日御
要求
のありました
資料
のうち、
通商産業省
の分は
提出
がございましたので、これにつきまして御審議を願いたいと存じます。 先ず、
通産省当局
からこの
資料
について
説明
を願いたいと存じます。なお
通産省当局
から
秘密会
の
要求
がありますので、
秘密会
にいたしたいと思いますが、御
異議
ありませんですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
片柳眞吉
4
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 御
異議
がないと認めます。これより
秘密会
に入ります。
国会議員
、
政府関係者
、
事務担当者
及び
農林委員
の秘書以外の方は御退場を願います。 午後二時三十五分
秘密会
に移る
片柳眞吉
5
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それでは
通産省当局
から
説明
を願います。
柿手操六
6
○
説明員
(
柿手操六
君)
只今
お
手許
に
配付
をいたしました
資料
につきまして御
説明
を申上げたいと存じます。 これは昨日の
委員会
におきまして、
各社
が
提出
いたしました
資料
の写しをお出しいたしたのでありますが、その中に添付してあります
工場
の
原価資料
から、現在の
硫安原価
を
推定
計算
すればどういうふうになるかということについて
計算
をして出せという御
要求
がございましたので、実はあれから帰りましてお
手許
に
配付
をいたしましたような
推算
をいたしたのでございます。
各社
の
提出
いたしております
資料
の
計算
をいろいろ調べてみますと、その
計算
の
方法
がいろいろまちまちであります。
御覧
のようにフオームも違
つて
おりますし、とりました時期も
大分違
つて
おります。これは一社々々はこれから御
説明
いたしますが、違
つて
おりまして、それからあの
資料
だけではどういう
基礎
でや
つた
かということについて
内容
の不明なところもございまして、従いまして、あれを元にして現在はどういうふうになるだろうかということを
推算
いたしますのに
相当
困難をいたした点もございます。従いまして、
説明
をいたしましておわかりにくい点があるかということを恐れておるのでございまするが、ともかく昨夜遅くまで、会期も切迫いたしておることでございまするので、みんなを動員いたしまして、各種の
資料
なり、知識を集めてできるだけ正確を期したつもりでございます。併し前申上げます
通り
、どこまでも私
ども
の
推算
が入りまして、
相当
勘で
計算
した
部分
もございまするので、その点はあらかじめ御了承を頂きたいと存じます。 一番初めにあります
東北肥料
から御
説明
をいたします。これは細かく御
説明
いたしますと、きりがないのでありますが、結論的に申しますと、この
会社
の出しております
肥料
の
原価
は、これは
昭和
二十七年四月から
昭和
二十八年三月まで、いわゆる
昭和
二十七年の上、下の
実績
を
とつ
ております。そうしてその
生産
の
ベース
もそのときの
生産数量
、
単価
もそのときの製品の
単価
ということに
なつ
ておりまして、それは
平均
いたしまして一「かます」にして
————
ということに
なつ
ておるのでありますが、私
ども
がそれを現在
現状
のあの
会社
の
生産
の
状況
を
年間
に引延ばしまして、先ず七万六千トン
程度
は、これは
ガス法
のほうの
設備
の
増強等
もございまするので、できるというふうに踏みまして、
石炭
、
コークス
その他の
値下り
なり、或いは
労賃
が一部上
つて
おるものは
労賃
の
値上り
を含み、
操業度
の
上昇
による
固定費
の
低下等
を考えまして、ここにありますように一「かます」
—————程度
になるのではないだろうかというふうに
推算
をいたしております。それの
個々
につきまして、一、二申上げますというと、
コークス
でございますが、これも
特別公定価格
があるわけでなし、はつきりしないのでありますが、この二十七年
上下
の
平均
では九千九百三円と
なつ
ておりますが、
北海道物
及び
東京
の
両方
の先ず
平均
は九千百円くらいではないだろうかというふうに私
ども
はみまして、更に
生産
の
増強
、
設備
の
改良等
により、
原単位等
につきましても或る
程度
の向上があるものとみまして、
コスト
の
低下
を見込んでおります。それから
パイライト
につきましても、その当時の
パイライト
から三千七百六十円というものは三千四百円
程度
には下
つて
おるだろうというふうな見通しを付けまして、これにも約一〇%の
値下り
を見込んでおります。隣の
工場
からできた
硫酸
の
購入
につきましても、五%
程度
は
値下り
しておるものだというふうな
推定
を下しております。更にボイラーの
燃料用石炭
でありますが、これにつきましても二割
程度
は
昭和
二十七年の
上下
でありますから、それに比べれば
値下り
はしたのだろうというふうな
推定
をいたしておるのであります。それからそのほかにつきましては、
幾分
上つた
ものがあるのでありますが、それは
給料
が上
つて
おるのでありますが、これは私
ども
のころで大体知り得ておりますあの当時以後に上りました
基準賃金
の
値上り率
というものが二八%
程度
に
なつ
ておりますが、そういうものと、
操業度
の
上昇
による
労賃
の
低下
と
両方
を勘案いたしまして、ここにあります
通り
に——ばかり
トン当り
上がるという、こういう
計算
をいたしておるのであります。それからその他
経費
につきましては、これは
操業度
の
上昇
による
低下
があります。それから
減価償却
の問題でありますが、これは私
ども
としては最近再
評価
を
相当
いたすことに
なつ
ておりますので、これからの将来を考えますと、
操業度
の
上昇
による
低下
もありますが、再
評価
による
償却
の
増加
というものも考えなければならんのでありますが、これは実は短期間ではつきりしたデーターをつかむことができませんので、そういうものは一応織込まずに、ここにあります
資料
を元にしまして、
操業度
の
上昇
による分だけ
コスト
の
低下
というものを見込んでおるのであります。それから
金利
につきましても、
操業度
の
上昇
による
金利
というものを
計算
をいたしております。ただ
生産
の
増加
による
流動資本
の
金利
というものも一部殖えるということを考えまして
幾分
プラス
いたしまして、
プラス
、マイナスで大体
金利
は千五百円が千三百二十四円、約二百円の
低下
を見込んでおるのであります。
一般管理費
につきましては、これはいわゆる
本社費
に
相当
することでございますが、
操業度
の
上昇
による比率だけ下るというふうにみまして
合計————————
でありまして、「かます」に直して
—————
、この
会社
の
資料
は、そういう二十七年
上下
を
平均
いたしておるという
材料
ではつきりいたしておりますので、比較的
計算
が容易でありました。私
ども
といたしましても、ややこういうところではないだろうかということにつきまして、割合に
計算
した
あと
、こんなふうなものかな
あと
いうふうに考えるのであります。 次は
日本水素
でありますが、これは
実績
を出しておるのでありませんで、二十七年の末から二十八年の初め頃の
物価
なり、或いは
賃金
なりというものを
ベース
にしまして、そうして二十八年度の
操業度
を予想しまして作りました
予想原価
であります。そういうことでありまするので、私
ども
は今度ここで
現状
ではどうなるであろうかという
推算
をいたしますのに、
生産量
を十万五千トンというふうにもうすでに挙げて
想定原価
を出しておるのでありまして、私
ども
が現在
推算
いたしまする場合においても、十万五千トンというもの以上には
ちよ
つと望めないのじやないかというふうに考えられるのでありまして、私
ども
が現在
推算
いたしましたこの
計算
におきましても、
生産量
は十万五千トンであります。そうして結論を申しますと、
会社
が
とつ
ております、今申上げましたような
計算方法
で
計算
いたしましたものが、一「かます」
————
というものに対しまして、私
ども
は
————
くらいというふうに、その
ベース
を今日に置き換えればそうなるのではないかというふうに定をいたしたのであります。この中で
生産
の
ベース
、いわゆる
操業度
というものは、
会社
が
計算
いたしておりますものと同じでありますので、
あと
は
物価
の
変動
或いは
労賃
の
状況等
がどういうふうに移動するだろうかということにつきまして
計算
する
程度
にとどめたのでありますが、先ず
原料コークス
でございまするが、
原料コークス
につきましては、これはその当時は九千三百五十円というふうに見込んでございますが、
現状
ではこれは
東京
からも近いという
事情
がありまして、秋田よりは安いというふうに見ました。大体八千八百円
程度
で六%
程度値下り
になるだろうというふうに見ておるのであります。その次の
粉コークス
というのは、これは
コスト
としてこれだけかかるというのじやなくて、この中から粉の
コークス
は四千円で売れますから、それを差引くという
計算
の
項目
であります。これは
コークス
が下れば
粉コークス
も下るというわけであります。それらについてのはつきりした何はありませんから、当時四千円で
粉コークス
が売れてお
つた
ものであれば、やはり現在でも四千円で売れるだろうという
想定
をいたすほかにないのであります。そういうような
想定
をいたしております。それからその次に大きな
項目
は
燃料費
、これは
常磐炭鉱
に近い所でありますので炭価も安いのでありますが、安い炭が、三千八百円
程度
のものは更に三千四十円、これは非常に悪い劣勢の炭でありますが、二割ぐらいは下
つて
いるだろう。
従つて
悪い炭を
燃料
にして
自家発電
をいたしておりますが、それも同様に値が下るだろうというような
計算
を出しております。
労賃
というところの
人件費
という
項目
でありますが、これは大体細かい
基準
はわかりませんが、大体
基準賃金
の
アツプ
はその後二回いたしておりますが、一五%ぐらい
アツプ
だというふうに私
ども
承知
いたしておりますので、一五%
アツプ
で
プラス
の
項目
に
なつ
ております。それから
減価償却
でございますが、これもさつき申上げましたように、再
評価
を
相当
に大きくいたしておりますが、この額が実ははつきりいたしておりません。でありますので考慮に入れません。併しリンデという装置を約一億五千万円で
作つたの
でありますが、それの
償却分
は当時は
設備
がなか
つたの
で、それらの分の
償却
の増を
トン当り
約百十円でありますが、それを加算してあります。その他には特に
生産ベース
に異動はございませんので、一応そのままにいたしたのであります。従いまして、
—————
という
資料
について
現状
では
————
ぐらいに
なつ
ているのだろうと、こういうふうな
推算
をいたしたわけであります。 次は、新
日本窒素
でございますが、この
資料
は
項目
が非常に他のものと違
つて
おりまして、私
ども
も非常に捕捉に困難をいたしたのでありまして、この
説明
も非常にしにくくありまして、お聞取りずらいと思うのですが、これは
原料
というのを
電気
、ここは
電解法
でありますから、
石炭
、
コークス
は使わないのでありますが、
電気
だけであります。でありますけれ
ども
、例えば
アンモニア
、
硫酸
とかというふうに
電気
で
ガス
を
作つて
、そうしてそれをいろいろな機械を通して
労賃
をかけ、
アンモニア
を作るという、
アンモニア
を製造するところを一つの
原料
にしてここに出しておる。ただ
パイライト
と言うのじやなしに、
アンモニア
を貯蔵して
硫酸
を作る、その
硫酸
が
幾ら
というふうに
項目
で出ておりますので非常にわかりにくいのでありますが、一応いろいろこれを分析いたしまして、
相当
な
推定
が入りますけれ
ども
、私
ども
のほうでわかる範囲で
推定
をいたしたのであります。これはこの
会社
が出しております
資料
の
前提
と言いますか、その
内容
はこれは
昭和
二十七年の四月乃至九月でありますから、
昭和
二十七年の上期の
営業期
の
物価水準
を
基準
にしまして、そうして
生産量
はここは
自家発電
で
購入電力
は必要ないのでありますが、
製造量
はずつと前からコンスタントでありますが、その
製造量
、できます
アンモニア
を全部
硫安
にして
年間
約七万トンということをべ
ース
にした
操業度
で
計算
をいたしているのであります。この
年間
七万トンというのは、これはできる
アンモニア
を全部
硫安
にした場合の
操業度
でありまして、実際に硝酸その他のほうに使
つて
おりますので、実際に
硫安
を
生産
しておりますのは六万二、三千トン
程度
でありますが、それを
ベース
にいたしているのであります。今度私
ども
がここに
推算
してお目にかけておりますものも、
生産量
はやはりこの
ベース
より
増減
なしというふうに考えて、そういう
想定
の下に
計算
をいたしているのであります。従いまして、
生産量
も
余り増減
がありませんし、それから
電気
は
自分
のところで
自家発
でや
つて
いるのでありますから、而も水力でありますから
電気
の
コスト
も
余り
かからない、
石炭
、
コークス
は使わないという
関係
がありますから、現在出ております
資料
と
現状
とを比較いたします場合においても、
余り
大きな差はないのが当然だと思うのでありますが、それでも二、三の
項目
につきまして
費目
の金額の
変動
を
推算
いたしております。わかりにくいのでありますが、
硫安
一トン作るのに
アンモニア
が二百五十六キログラム要
つて
、その
単価
が
————————
になるだろう。従いまして、
硫安トン当りアンモニア
の
経費
が
—————
になるだろうと言
つて
おりますが、これは
硫安
では
—————
の
アンモニア
でありましたが、—
—————
というふうにこれは上
つて
いるのであります。これはなぜかと申しますと、ここで上
つて
いる
費目
はこの中に含まれている
労賃
が
相当
な
部分
を占めておりまして、
—————
の中に
————幾ら
というふうなものが
労賃
でありまして、この二十七年の四月—九月の
労賃
べ
ース
から行きまして、現在は約七%の
増嵩
に
なつ
ておりますので、その
増嵩分
が
硫安トン当り
にいたしまして
—————
ばかり上るということになるのであります。
パイライト
のほうは、
硫酸
のほうはその中の
硫酸製造
のほうの
労賃
も上りますけれ
ども
、
パイライト
の
値下り推定分
が
相当
ありますので、結局
硫酸
の四千六百七十三円は四千五百二円というふうに
計算
が出たのであります。それからその
給料
、工賃、これらは
アンモニア
と
硫酸
を作る
給料
、工費はそちらに入
つて
いるのでありますが、今度は
アンモニア
と
硫酸
を
原料
にして
硫安
を作るときの
給料質金
というふうな
計算
をいたしているのでありまして、これは非常に他のほうと比べて少いのでありますが、それも一応
計算
上七%というふうに考えまして
幾分
の
増加
を見込んだのであります。それから
減価償却等
につきましても、これは先ほど御
説明
いたしました
通り
、これはそのままにいたしました。それから
蒸気部費
というのは、これは
石炭
の
値下り
を見込みまして五分少しでありますが、
幾分
の
低下
を
計算
いたしたのであります。次に、
運賃
でありますが、
運賃
というのは
工場
から各
消費地
までの
運賃
、
————
とありますが、私
ども
がいろいろな
材料等
から見まして、これは
ちよ
つと高過ぎるのじやないか、
———
ぐらいが適当じやないかというふうに考えまして、
———
と
推定
をいたしたのであります。
金利等
もそのまま、
管理費関係
が、やはりこの中に
給料
に
相当
する
部分
を五三%
程度
含んでおりますので、これの七%
程度
の
増嵩
は見なければならんというふうに
想定
いたしまして
計算
をいたしましたものがこの結果でありまして、
—————
という
数字
が出ておるのであります。 それから次は、二枚目の紙の宇部興産でございますが、これの
計算
の
基礎
もいろいろ調べて見ますと、これらは今ありました三社よりずつと
あと
に出されたものでありまして、この
計算
の
基礎
は、去年の八月頃の
物価水準
すべてを
ベース
にしまして、そうして
生産量
を大体二十八年度の
会社
の予算の二十六万六千というものを
基準
にいたしまして、そうして
推算
されたという
説明
がございますので、私
ども
はそれに対しまして、
現状
はどういうふうになるであろうかということを
前提
で
計算
をいたしたものであります。先ず
操業度
でございますが、総量の二十六万六千トンというのは、これは私
ども
も、
現状
においてもこれくらいであろうというふうに考えるのであります。従いまして、
操業度
による
費目
の
コスト
の
変動
は一応見込んでおりません。現在においても二十六万六千トンという、このままの
操業度
というものが先ず妥当であろうというふうに見たのであります。
あと
はここは非常に
石炭
の
生産地
でありまして、
石炭
を非常に余計掘
つて
おりますので、
石炭
或いは
コークス
の
単価
の
変動
というものが
相当
大きく響くというふうに考えましたのでありますが、ただここは御
承知
のように
石炭
を一部買
つて
おりますけれ
ども
、大
部分
は
自分
で
石炭
の採掘をいたしておるのでありまして、
石炭部
から
肥料部
のほうに買う値段でありまして、小売の
価格
についてはつきりはわかりにくいのでありますが、私
ども
はいろいろな業者なり、或いは
社員等
の
説明等
を総合いたしまして、あそこの炭は非常に悪いのでありますが、悪くても
原料
に使う
ガス用炭
というのは、先ず五千五百円というふうに
会社
のほうから出しておる
資料
は
なつ
ておりますが、これは私
ども
は大体一〇%
程度
の
値下り
と
計算
いたしておるものと見て五千円に見たのであります。次に、
コークス
でありますが、この
コークス
は先ほど来
説明
いたしております
コークス
に比べて非常に高い、一万三百円でありますけれ
ども
、これはこの
コークス
は比較的品質がいい
コークス
で、
単価
は
一般
より高いのは当り前だと思いますが、それにしても現在では先ず九千円
程度
じやないかというふうに私
ども
これは
推定
いたしたのであります。
蒸気用炭
はこれは悪い、半分泥だという炭でありますが、これは二千四百円と計上いたしておるのでありますが、まあ二割近い四百円くらいは安くして来ておるのじやないかという
想定
でありまして、二千円というふうにいたしたのであります。
パイライト
につきましては、これはいわゆる棚原の鉱石でありまして、ほかより
一般
に
値下り率
が少いと思いますが、これも五%
程度
は
値下り
があるものだろうというふうに
想定
をいたしましたのであります。次に、
あと
は
操業度
を大体同様に見ましたので
余り
変えないで、そのまま踏襲いたしたのでありますが、
労賃
のほうは、これも私
ども
の
想定
では、二十八年八月以後において六%ばかりの
賃金
が
増高
をいたしておるようでありますから、これはこの
程度
の
増嵩
を見込んだのであります。
償却
もこれも
相当
の再
評価
をいたしたのでありまして、これにつきましても或る
程度
の
計算
をしなければならないと思いますけれ
ども
、不明な点ありますので、
操業度
が変らないから、そのままというふうにいたしまして、結局において一「かます」
—————
という
会社側
の
推定
に対しまして、私
ども
が今までに申上げましたような
相当
の達観的な
推算
はございますが、
現状
では
—————程度
ではないかという
数字
が出て参
つたの
であります。 次は、
東海硫安
でございますが、これも
電解法
の
硫安
だけでありまして、而もここは御
承知
のように、元の
四日市海軍燃料廠
を
日本肥料
という
国策会社
が
政府
から借り受けまして、
硫安工場
を、終戦後に
硫安処分対策
として作りましたものが独立して
東海硫安
という
会社
に
なつ
ておるというような実情でありまして、
硫安
の
製造設備
も持
つて
おらない
工場
であります。従いまして、
御覧
の
通り
な
費目
で、
硫酸
というのは全部買う
硫酸
だけであります。
自分
の所で製造した
硫酸
の
評価
ではないのであります。更にこの
会社
はその
設備
を借りておるのでありまして、
自分
の資産でないのであります。この中に
御覧
頂けばわかりますが、
賃借料
というのが
相当
大きな
費目
で計上されておりますが、そういうような特殊の
会社
であります。そうしてキヤパシテイが非常に小さくて、そして比較的
原料
も多く要する
工場
であります。今までの
会社
より
ちよ
つと特殊な性格を持
つて
おるのでありまして、そういう
意味合
においてこの
計算
をいたしたのでありますが、この
会社
から出しております
資料
は、
昭和
二十八年七月当時の
物価水準
その他を
基準
といたしまして、そうして
生産量
を、
アンモニア
を
硫安
に換算して三万四千七百トンという
推算
をいたしておるのでありますが、このうち、それでは
硫安
にする以外はどうしているかと言いますと、大体
液体アンモニア
で、
ガラス会社
、
ソーダ会社等
に
販売
を
相当
量いたしておるのでありまして、私
ども
が殆んど
推算
する場合におきましても、現在のあの
工場
の
設備
或いはその地方の
電力事情
から申上げまして、先ず
アンモニア
を
硫安換算
三万五千トンという
程度
以上は望めないのじやないかと思います。従いまして、
会社
が出して来ております
操業
べ
ース
というものは、
現状
において
計算
する場合においても、これをとるべきであろうというふうに考えましたのであります。従いまして、
日本窒素
の場合と同様、
操業度
も変らないし、それから
電解法
であります
関係
上、今度
電力
は、ここは
買電
、
電気
を買
つて
おるのでありますから、
電気料金
の改訂があれば大きく響くのでありますが、
電力料金
が
現状
でありますと、
余り
、今出しております
計算
を
ベース
にして
原料
を
生産
するというときには、大した移動のものはないのじやないかというふな見込みを持
つて
おるのでありますが、ただ
労賃
につきまして、
個々
に
会社
が
計算
しておます
ベース
の、二十八年七月より
現状
は一一%
程度
の
基準質金
の
増嵩
はありますが、但し又一面、この
会社
は非常に
設備
が小さいのでありまして、
硫安
をこの
程度作り
、
硫安
をこの
程度
と
つたの
ではなかなか経営が困難でありますので、いろいろあるものを作るとか、或いは副産物の
水素
、
窒素
を得るとかいうような
部門
を作りまして、その面に、全体の人は来ておりませんけれ
ども
、
硫安部門
の人数というものを減らしました。従いまして、
ベース
アツプ
の一一%はありましたけれ
ども
、そういう人員を他の
部門
に振替えるということをやりまして、ここにある
通り
四千三百四十六円が四千二百七十七円
程度
には下るだろうという
計算
が一応できましたので、そういうふうな趨勢をいたしております。次に、先ほど御
説明
いたしました
賃借料
でありますが、あの
設備
を国から借りている、その
賃借料
が二十八年度から八百万円増額されましたので、その八百万円の
増嵩分
を
換算硫安
の三万五千トンで
割つた分
は、これは
賃借料
の
増嵩
になるだろうというふうに見て、七百八円が九百三十七円に
なつ
たというふうに
計算
をいたしたのであります。それから
控除項目
という欄がございますがこれは
会社
の
計算
では
————
でありますが、私
ども
が最近の
推定
をしますと、これはまあ少し当時より、
さつきもち
よつと言及いたしましたが、副生する酸素の
販売量
を
相当
附近の需要が
増加
することによりまして
増加
いたして来ております。又その
単価
も市価が上
つて
おるようであります。そういうもの、或いは今まで処理をいたしておりませんでした酸素以外の
水素
、
窒素
というものも、
販売
を或る
程度
始めておるようでありますから、これらの
推定
をいたしまして、副産物収入の額を殖やしたのであります。かようにいたしまして、僅かでありますが、
—————
というのが、こういう総計で
プラス
、マイナスいたしますと、
—————
というふうな
計算
が出て参るのであります。 冒頭にも申上げました
通り
、
各社
いろいろ
基礎
のデーターのとり方或いは
計算
の仕方等にまちまちの点がありまして、私
ども
も非常に
現状
はどうなるかということを把握するのに難渋をいたしたのでありますが、まあ
関係
のもの皆集めまして、まあこの辺だろうというところも
相当
あるのであるが、併しながら、感じとしてはこんなところじやないだろうかというふうなことで、一応取急ぎまして御報告したような次第でございます。
河野謙三
7
○河野謙三君 いろいろ詳細に亙
つて
御
説明
を頂きまして、御
説明
を頂いた個所につきましては、十分納得が行
つたの
ですが、ただその結論として、今ここへ出ました最終の、「かます」当りの
原価
に、これは勿論適正利潤は入
つて
おりませんね、この利潤を一「かます」四十円乃至五十円入れますと、現在の
硫安
の
販売
価格
に対して、むしろこのほうが高く
なつ
ておる、こういうような私は結果に落着くのではないかと思うのです。我々は法案の審議に当
つて
是非必要なことは、又知り得たいことは、これらの五社以外の、
硫安
会社
全体の現在の
コスト
が大体
幾ら
くらいに
なつ
ておるかということを大体押えたいのです。ところがこれではまだ全部がわかりませんから、現在の
硫安
の
平均
コスト
というものは
幾ら
になるか、
ちよ
つと見当付かないのですが、そこで私は昨日、これ以外の有力な
会社
の
昭和
電工であるとか、東洋高圧であるとか、日産化学であるとか、こういうものも今日ここへ頂きましたような
計算
をしてお出し願う、
あと
そのほか小さな
会社
がありますけれ
ども
、それらを除きましても、大体日本の
硫安
工業の
現状
というものは把握きるのではないか、こう思
つて
おるのですが、そこで私は昨日
資料
を
要求
したんですが、どうでしようか、開発銀行から
資料
を出してくれると思いますが、その
資料
を待つまでもなく、大体通産省のほうで、これ以外の有力な二、三の
会社
につきまして、こうい
計算
において何か御
説明
をここで頂けないですか、詳細に亙
つて
でなくていいです。
柿手操六
8
○
説明員
(
柿手操六
君) このほかの
会社
の
資料
につきましては、私
ども
の
手許
で
資料
を持
つて
おらないのでございまして、これと同じような
計算
の
方法
を出すことは困難なのでございますが、大体の見当としましては、この前の
平均
的な
資料
を、私
ども
の
推算
でございますが、
提出
して御
説明
を申上げたのでありまして、先ず大体全体としてはどういう見当に
なつ
ておるだろうかということを押えますのは、あの
程度
の
資料
で不満足でございますが、お許しを得たいと思います。
河野謙三
9
○河野謙三君
柿手
さんの言葉ですが、この間のあの
資料
は我々はどうしても納得できないのです。この間の
資料
を
基礎
にいたしますと、この間江田さんと
政府委員
との間にいろいろ質疑応答があ
つた
ように、
硫安工場
が現在赤字で売
つて
おるのだというどうしても結論になるわけです。我々はそういうことはどう考えても信じられないし、赤字でないということは間違いない。そこで我々は別途こういうものをお手数をかけて
要求
をいたしておるのですが、例えばこの宇部興産と東洋高圧なり、
昭和
電工の
コスト
の比較を大体
とつ
て、どつちが高いか安いかということはわかるのです。宇部興産に対して
昭和
電工はどういうあれに
なつ
ておるか、宇部興産に対して東洋高圧はどういうあれに
なつ
ておるか、細かい何百何十円何銭まではいいのですが、宇部興産対東洋高圧とか、
昭和
電工という一流の
会社
の
生産
原価
についての比較ということは大体おわかりだと思いますが、先ずそういうものがおわかりに
なつ
ていなければ、この間の
平均
原価
は出て来ないのですが、その点はどうですか。
柿手操六
10
○
説明員
(
柿手操六
君) この前
平均
原価
のときに御
説明
いたしましたように、あれは私
ども
各社
の
コスト
を調べまして、それを
平均
したものではないのでありまして、実は
各社
の
コスト
の調査をいたしておりませんけれ
ども
、あのときに御
説明
申上げましたように、現在の
石炭
なり、
コークス
なり、
電力
なり、或いは
労賃
の
平均
的な
基準
なり、
生産ベース
二百三十万トンなりというようなものを
基準
にしまして総
平均
的な
原価
を一本で出したのであます。
各社
ごとに
推算
をいたしまして出たものを加重
平均
したというものではないのであります。今、河野
委員
のお話の
各社
のものは実は持
つて
おらないのでございまして、全体的な
平均
的なものは
————
というところを押えておるのであります。それに対して、今の私
ども
がこの間御
説明
いたしましたように、利潤を四、五十円繰入れれば
—————
ということに
なつ
て、現在の市価では非常に利潤が少いではないかということでありますが、私
ども
もあの
計算
が、ほかに調査いたしておりませんから、ああいう試算をすればあの
程度
の数中が出るということでありまして、そのデーターが一%も二%も、何%も誤差はないという、そう厳格な意味の自信のあるものではないのでありまして、大体私
ども
がああいう
推定
で
計算
をして見れば
—————
というような
生産
原価
が出るという
程度
の自信しかないのであります。
各社
別に
計算
をして、そうして
平均
を出しておるのではないのであります。その点は御了承願いたいと思います。
河野謙三
11
○河野謙三君 現在こういう開発銀行から
各社
の
原価
計算
が出ました中に、東洋高圧とか、
昭和
電工、日産化学がありますね、この与えられた
資料
を元にして
計算
すれば出て来るでしよう、これは……。失礼でありますが、私でも二、三日暇を頂ければこれはできますよ。とにかく
原価
計算
の
資料
はもら
つて
おるのであるから、これを私
ども
が
資料
を三日も四日もかけなくとも、
資料
は改めて
各社
に
要求
しなくとも、あなたの手元で開発銀行から廻された
資料
で、今私
ども
の手元に頂いて
説明
をして頂いたようなものができるわけです。私はできないとは思わないのです。できるとするならば開発銀行からもら
つて
もいいが、あなたの
手許
でおついでにや
つて
頂けば、この五社にブラス
昭和
電工、たびたび申上げますけれ
ども
、東洋高圧、日産化学、更に小さい
会社
であれば宇部化学、こういうものが加われば、
あと
小さい
会社
が残りますけれ
ども
、大体日本の
硫安
工業の実勢というものは出て来るわけです。それで我々は初めて納得するわけです。これは
柿手
さん、新らしい
資料
の
要求
じやなくて、
手許
にある
資料
によ
つて
ちよ
つと弾き出して頂きたいというのです。これはできませんか。若しどうしてもできませんければ、私は三日ほど暇をもら
つて
私自身で
計算
いたします。
柿手操六
12
○
説明員
(
柿手操六
君) これは私技術者でありますから、少し固く考え過ぎるのかも知れませんが、これは絶対にできないとも申しかねるのでありますけれ
ども
、あの
程度
の
資料
では、なかなか私
ども
がこの
程度
だろうとい
つて
お目にかける
計算
ができるかどうか、これは非常に率直に申上げまして自信がないのであります。併し自信がなければない
程度
で、絶対に何も見当が付かないかと言えば、あの
資料
の範囲内でできないことはないのでありますが、重ねて申上げます
通り
、あの
程度
の
資料
ではなかなか私
ども
の良心的に……。いずれにしても
推算
でありまするから不確実なものでありますけれ
ども
、
程度
の問題でありますが、どうかと思
つて
躊躇しているのであります。
河野謙三
13
○河野謙三君 私は決して意地悪く言うわけではありませんで、ここまで通産省、開発銀行、農林省が協議をして頂いて、私
ども
もここまで熱心に
原価
計算
について掘り下げて来て、もう一歩というところでうやむやに我々はこの
肥料
の法案を審議することは意味がないと思う。でありますから、こうして下さい、
委員長
、明日までに開発銀行から私の
要求
している
資料
が出してもらえるかどうか。それとも通産省が何か一つ特別のお骨折りをして
計算
して頂けるか。それができなければ、私はこの法案の審議を三日ほど休んで頂けば、私責任を以てやりますから、どつちか一つきめて頂きたいと思います。
片柳眞吉
14
○
委員長
(
片柳眞吉
君)
速記
を止めて。 午後三時二十八分
速記中止
—————
・
—————
午後三時四十一分
速記開始
〔
委員長
退席、理事宮本邦彦君着席〕
宮本邦彦
15
○理事(宮本邦彦君) それでは
柿手
さんからお出し頂くことになりましたから、これで懇談を打切りまして
速記
を始めて頂きたいと思います。
江田三郎
16
○江田三郎君 我々素人だからわかりませんので、一つ
説明
して頂きたいと思うのですが、例えばこの
東北肥料
の分ですね、これがここへ来ておる二十八年三月の分で行くと六万二千トンの場合に
————
というような
計算
に
なつ
ている、それでもう一つの別表のほうで六万七千トンとした場合に
————
という
計算
になる、尤も
————
というのはこれは
計算
間違いで、
————
ですか、何ぼかになる、こういうことですが、それが先ほどの
説明
で行くというと、
東北肥料
の場合に七万六千トンに
なつ
て、それで
————
ということになると、この
会社
のほうが付けている表に照らして行くと、少しこれは
————
というものは高過ぎるのじやないか、その際この
会社
が付けている
—————
が出て来る表にしても、例えば
コークス
の
単価
なり、或いは硫化鉱の
単価
、
石炭
の
単価
、そういうものは
会社
が見てお
つた
当時の
単価
より通産省のほうがやられたこの
単価
のほうが下
つて
いるのだからしてもつと
—————
よりもまだまだ下へ来なければならんのじやないか、そういうような疑問を持つわけです。勿論
給料
については違う部面がありますけれ
ども
、それにしてももつとこの
数字
よりも下
つて
来るのじやないか、その原単位のとり方が、どうも
会社
が出した二つの表とこの表を見比べてみるというと、素人には多少納得できない点があるわけですが、そういう点、どういう工合に見ておられるのか、一つ御
説明
願いたいと思います。
柿手操六
17
○
説明員
(
柿手操六
君) 誠に御尤もな質問でございまして、これは
ちよ
つと
計算
違いで
—————
というは……。
江田三郎
18
○江田三郎君 それは違います。
柿手操六
19
○
説明員
(
柿手操六
君) それは違います。それにしても六万七千トンと七万何千トンと見ているのだから、
単価
は
相当
あるのだからまちまちに
なつ
ているのじやないかという御疑問は御尤もでありますが、実は
生産量
の総量以外に、ここは
電解法
の
硫安
と
ガス法
を併用いたしておるのであります。あの地方の
電力事情
その他から
現状
六万七千トンという、
—————
というのを作りましたのは、
設備
は
現状
のままであ
つて
、
電力
その他が
工場
で最も理想とするようなふうに
電力
が供給された場合における
想定
コスト
は
—————
だという
計算
を
想定原価
として出しておるのであります。それはなぜそういうことをしたかというと、これは現在の
設備
の合理化の工事をやれば
幾ら
の効果があるかということを比較する場合におきましては、現在の
設備
が十分
電力
その他の
事情
で動いていない場合において、
コスト
が高く
なつ
ておる分と
設備
をよくしまして
コスト
が下る分との比較をしたのでは、その効果が過大に出ますから、
設備
的には、現在ある
設備
が最も理想的に動いた場合における
コスト
というものと、そうしてそれに合理化を施した場合における
コスト
というものとの比較をして、正味のメリツトというものを出すということが必要だということで、そういうふうな
計算
をや
つて
おるのであります。
————
というのは、先ほ
ども
御
説明
いたしましたように、
昭和
二十七年
上下
の
実績
を出したのであります。私
ども
は六万二千トンから七万六千トンというふうに見ておりますけれ
ども
、この
内容
は、
電解法
は
電力事情
その他
現状
では一万一千トン
程度
は無理だろう、
従つて
七万六千トンのトータルのうち六万五千トンは
ガス法
で、
電解法
は一万一千トンというわけでありまして、この
東北肥料
において、
現状
というところで六万七千トンという理想的な
操業
を考えたときの
電解法
と
ガス法
は、
ガス法
が五万四千トンで
電解法
が一万三千トンというふうに、比率が
電解法
に重点をおいているのであります。結局
電解法
のほうが非常に
コスト
が安いのであります。 〔理事宮本邦彦君退席、
委員長
着席〕
ガス法
のほうは高いのでありますから、その安いほうの
方法
の比率が
—————
ということで、
東北肥料
の
原料
の
計算
のほうは、今私
ども
が試算したよりも安く
なつ
ておるという
関係
にあるというふうに思うのであります。
江田三郎
20
○江田三郎君 どうも素人が聞くのですからよくわかりませんが、例えば硫化鉱の原単位当りは、
東北肥料
の二つの表で一トン二百と一トン百五十五とあるわけですが、こちらではやはり一トン二百の
数字
をとられておるわけはどういうわけですか。
柿手操六
21
○
説明員
(
柿手操六
君) これは硫化鉱につきましては、品位が非常に何パーセントの硫黄を含んでおるものということによ
つて
原単位も違
つて
参るのでありまして、私
ども
として一トン二百という原単位を、これは多過ぎるという査定をするほどの、実はどの
程度
硫化鉱の品位が違
つて
おるかということによ
つて
違いますので、或いは一トン百五十でいいような場合もあるかとも思いますけれ
ども
、そこまでの根拠がないものでありますから、一応
会社
の言う
通り
や
つたの
であります。
江田三郎
22
○江田三郎君 そうしますと、
電解法
とか、
ガス法
とかの問題は、先ほ
ども
お話がありましたが、例えば硫化鉱あたりについては
会社
のほうが六万七千トンの
現状
として一トン一五五と見ておるのは、少し
会社
の
数字
が甘過ぎるから、やはり昔
通り
一トン二百を使
つて
いるのだろうと言うのは、二十八年三月に出した過去一カ
年間
の
実績
当時と何ら変りがないであろうというように見られたのですか。
柿手操六
23
○
説明員
(
柿手操六
君) これは率直に申上げまして、原単位というものは硫黄の含有量によ
つて
相当
変るのは当然でありますのでありまして、私
ども
としては、
単価
の
値下り
というものだけを
計算
に入れまして原単位はそのままで使
つた
というわけでありまして、これが一トン一五五では絶対にできないというほどの確信はないのであります。
江田三郎
24
○江田三郎君 だから、結論としては
会社
のほうでこの
昭和
二十七年度にや
つて
お
つた
ところと何ら違わない原単位のものを使
つて
おる。
会社
が出しておる表では、この六万七千トンを作る場合には一トン一五五で済むというのにあなたのほうは七万六千トンにしても、
昭和
二十七年度の
実績
当時と同じ原単位を使
つて
いる、こういう見方をせられた、こういうことでしよう。
柿手操六
25
○
説明員
(
柿手操六
君) そこまで詳しく私
ども
は実は調べなか
つたの
でありますが、その
現状
という欄に、
硫酸
関係
で硫化鉱と
硫酸
を
作つて
おるものを買う。稀
硫酸
と亜
硫酸
ガス
というのと
購入
濃
硫酸
というのが、四つがその
硫安
関係
の
硫酸
の資源でありますので、ここにありますと、六万二千トンの場合の
購入
稀
硫酸
、硫化鉱という二つ、これを総合して見た場合と、それから硫化鉱が少い代りには六万七千トンの場合は
購入
硫酸
が殖えているというような
関係
がありまして、必ずしもそれは詳しく検討しなか
つたの
でありますが、どういうふうになりますか、六万七千トンの場合には硫化鉱の原単位がこれで下るという、実質的に下るのかどうか、
購入
硫酸
が殖えるから下るというふうになるのではないかとも思うのでありますが、率直に申上げまして、そこまで細かく検討しなか
つたの
であります。
単価
の
値下り
だけを考えて
計算
したのであります。
江田三郎
26
○江田三郎君
購入
稀
硫酸
は二十七年度の
実績
にも入
つて
おるし、六万七千トンの
実績
の場合にも
購入
稀
硫酸
の
数字
は入
つて
おるのです。ですからどうも今の
説明
では少し腑に落ちない点がありますが、私自身も専門家ではありませんから、それ以上詳しくは尋ねませんが、率直に言うと、ここから受ける印象は、六万二千トンが七万六千トンに
なつ
たにしては、而も
石炭
、
コークス
、硫化鉱或いは
購入
稀
硫酸
等の
単価
が下
つた
にしては、
—————
というような
数字
は少しまだメーカーのほうに好意的と言うては失礼ですけれ
ども
、多少通産行政奨励の立場に立たれておるような印象を受けるということだけは申される。これは私の印象ですがね。(笑声)
柿手操六
27
○
説明員
(
柿手操六
君) 非常に江田先生細かい御質問に
なつ
て、私の気が付かない点を御指摘ですが、今の点は秋田
工場
の隣りに東北亜鉛という
会社
があるのであります。そこにすぐ隣接しておるのでありますが、そこから廃
ガス
の亜
硫酸
ガス
を買
つて
来る。三菱金属から出ますその
ガス
を将来はもらうというわけです。
硫酸
の
トン当り
の
パイライト
は少いということに今気が付きました。そこまで考えてこの
計算
がしてあるかどうか、その点江田先生の烱眼には敬服します。(笑声)
江田三郎
28
○江田三郎君 今
東北肥料
のことだけを言いましたが、その他の
会社
においても私自身も素人なりに疑問を持
つて
おるわけでありますけれ
ども
、これはそれ以上
余り
細かくや
つて
も仕方がありませんから、遺憾ながらそういう印象を受けたということだけ申上げておきます。
片柳眞吉
29
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 他に御質問ございませんか……。それではこれで
秘密会
を閉じたいと思いますがよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
片柳眞吉
30
○
委員長
(
片柳眞吉
君)
秘密会
はこれを以て閉じます。 午後三時五十七分
秘密会
終る
片柳眞吉
31
○
委員長
(
片柳眞吉
君) なお
只今
の
秘密会
の
速記
録中特に秘密を要する個所は、国会法第六十三条により公表しないようにいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
片柳眞吉
32
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 御
異議
ないと認めます。さよう決定いたします。なお削除の個所等については
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
片柳眞吉
33
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 御
異議
ないと認めてさようにいたします。
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 午後三時五十八分
速記中止
—————
・
—————
午後四時十三分
速記開始
片柳眞吉
34
○
委員長
(
片柳眞吉
君)
速記
を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会