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1954-04-23 第19回国会 参議院 農林委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十三日(金曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            森田 豊壽君            清澤 俊英君            戸叶  武君    委員            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            江田 三郎君            松永 義雄君            鈴木  一君            鈴木 強平君   衆議院議員            福田 喜東君            川俣 清音君   政府委員    農林政務次官  平野 三郎君    林野庁長官   柴田  栄君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参考人の出頭に関する件 ○保安林整備臨時措置法案内閣提  出、衆議院送付) ○国有林野法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○地方行政委員会に申入れの件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。  先ずお諮りをいたします。去る四月十九日の委員会において決議になりました硫安の生産費その他に関して、参考人として農林中央金庫及び日本開発銀行の当事者の出席を求める件につきまして、次の通り予定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。期日は来たる四月三十日午後一時より、参考人農林中央会庫理事更級学君、開発銀行理事中村健樹君、随行といたしまして審査部長竹俣高敏君。御異議ありませんですか。
  3. 河野謙三

    河野謙三君 その人選その他につきましては異議がありませんけれども、これを私はもう少し早い機会に繰上げて頂きたいと思う。というのは、我々の主張は速記録等によつてはつきりしておるはずでありますけれども、世間では一応この間政府が出しました回答、その内容であるところの六社の生産費ですね、これを一応是認しているかのような印象を非常に与えておるようでありますが、これは非常な聞違いであつて、受取ることは受取つたけれども、あの内容については我々は少しも是認していない、そういうことでありますから、この際我々はもつと信憑性のある生産費について検討するということにつきましては急いで頂きたい。時たまたま衆議院のほうではあの法案審議を非常に急いでおられる、こういうことも聞いておりますから、私はできることならば次の委員会にこの両者を呼んで頂くようにして頂きたい、かように思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  4. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 只今河野委員のように、やはり私も同意見でありますから、成るべく早くお願いしたいと思います。
  5. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは御尤ものことと思いますので、但し先方の都合もあるようでありますから、できるだけ御趣旨に副うように更に連絡をいたしまして、成るべく三十日以前の早い機会に呼ぶように努力いたします。
  6. 河野謙三

    河野謙三君 それからこれは突然のお願いですが、その日にできれば通産省の資源……、何と言いますか、そのほうの開発銀行資金等につきまして担当している局なり、課があるはずであります。この課は現実に私今から前以て申上げておきますが、メーカーの出しました書類につきまして十分な検討をして、これにつきまして順位を付けて開発銀行に出しておる当該局があるはずであります。その局長並びに課長をその席へ呼んで頂きたいと、こう思います。
  7. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 承知いたしました。  それでは只今河野委員の御発言は了承いたしました。   —————————————
  8. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、保安林整備臨時措置法案並びに国有林野法律等の一部を改正する法律案を議題にいたします。  保安林整備臨時措置法案は別に配付の通り修正の上、又国有林野法等の一部を改正する法律案原案通り、それぞれ去る四月十七日衆議院を通過して本院に送付、昨日当委員会に本付託となりました。なお両法律案について、衆議院農林委員会におきまして別紙の通り附帯決議が行われておりますので御了承を願いたいと思います。  前者につきましては、去る三月二十六日、後者につきましては四月十九日、それぞれ提案理由説明を聞いたのでありますが、なお本日は衆議院における修正理由について衆議院議員川俣清音君から説明を聞き、又政府から法律案内容及び参考事項等について補足的説明がありますれば御説明を願いたいと存じます。  それでは川俣議員が今ちよつと席を外しておりますので、林野庁長官から何か補足的説明がありますれば説明を願いたいと思います。
  9. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 法案趣旨に関しましては、先に提案理由として御説明を申上げておる次第でございまするが、これに関連いたしまして、現在の保安林制度森林法規定いたしておりまする保安林制度だけでは、この現状からいたしまして国土保全の目的を十分に達し得られないという関係からいたしまして、これを整備いたしまする概要につきまして簡単に一応御説明を申上げまして、御審議を頂く御参考にもしたいと存じまするので、簡単に整備計画概要を申上げたいと存じます。  今回のこの保安林整備臨時措置法案に盛つておりまする保安林整備対象は、本来からいたしますると、森林法改正を同時に伴いまして、この措置をとらせて頂くと本当の筋に相成る、かように考えておりまするし、同時に御審議を願いますもりで準備をいたしておりましたが、時間の関係上誠に申訳ない次第でございまするが、間に合わなくなつておりまするが、予算執行上の関係からいたしまして、一先ず保安林整備規定をいたさなければならないということで出発いたしておりまする点を先ず御了承を願わなければならないと思いますが、従いまして、私どもといたしましては、次の最も早い機会森林法改正とも合せまして、万全を期したいという考え方でおりますることを御了承を願いたい、かように存じております。  そこで今回の保安林整備計画概要でございまするが、第一番に、保安林指定解除に関する問題でございまするが、これを今回取上げておりますのは、森林法二十五条の一号乃至三号に規定いたしておりまする保安林、即ち水源涵養林土砂の流出の防備林土砂の崩壊の防備林につきまして整備を加えて参る、こういうことにいたしておるのでございます。で、これの数字的な一応の目標を申上げますると、現在既設の保安林国有林におきまして七十七万一千九百四十九町歩民有林におきまして百四十五万四千四百六十七町歩、合計いたしまして二百二十二万六千四百十六町歩ということになつておりまするが、これに対しまして整備強化を図りまして、国有林におきまして二十九万一千八百八十五町歩民有林におきまして六十二万八千六百七町歩というものを整備強化目標といたしまして、合計して九十二万四百九十二町歩を新たに指定をいたしまして、国土保全対象といたしまする保安林で、整備後におきましては国有林民有林を合せまして三百十四万六千九百八町歩という目標を以て一応保安林整備強化を期する。更に四号以下の保安林につきましても、治山事業を施行する対象を主とし約三万町歩ぐらいを三カ年間に新たに設定いたしたい。まあかような考え方を持つております。なおこのうちで特に重要な水源地域を占めておりまする保安林が、現在国有林において二十七万四百八町歩民有林におきまして七十万八十九町歩、合計いたしまして九十七万四百九十七町歩ございまするが、整備後におきましては、国有林において二十四万七千五百八十六町歩民有林で四十一万七百九十六町歩、合計いたしまして六十五万八千三百八十二町歩というものが一応整備されるという目標にいたして、合計いたしまして百六十二万八千八百七十九町歩、そこで重要水源地域保安林のうち、国有林につきましては、国家みずからの手で事業整備或いは経営をなして参るということでございまするが、民有林の百十一万余町歩につきまして、更にこれが保安効果を確実に把握実施いたしまするために、今回の整備臨時措置法におきまして国の買上計画いたして参るということにいたしておるのでございます。十一万余町歩のうち約半分五十万町歩を買取りまして、国有林野事業として施設或いは保安林としての経営を国がみずからいたして参ると、かような考え方でおるのでございます。なお保安林施業に関する問題でございまするが、現行の保安林施業要件は、森林法に基きまして農林大臣森林基本計画におきましてその基準を示す。その基準に従いまして、知事森林計画を立てまして施業要件を指示し、これによつて経営をいたして行くと、こういうことになつておるのでございまするが、これでは実は基準が示されただけでございまして、地域的な指定が全く実行者に任せられてないということのために、非常に実行に当りまして不確実な点が出て参る。或いは伐採の場所別な集合であるとか、或いは量の問題であるとか等で不都合が起きやすいということで、今後この整備計画におきましては、地域につきましての一筆調査に基きまする指定をいたすという考えでおります点が、整備計画において大きく異なつて参る点なのでございます。これが実行の方法といたしましては、現在の保安林並び整備後の保安林総体につきまして、先ず整備計画は三カ年間で完了いたしまして、それに対しまして管理実行計画を国で立てまして、それを農林大臣指定いたしまする森林基本計画区の基本計画に盛込んで指示する。それに従いまして都道府県知事森林計画編成いたしまする際に、管理実行計画が具体的に盛込まれているか否かということを更に農林大臣が検討するという意味において認可の措置をとつて参る。かような考え計画をいたしておる次第でございます。管理実行計画編成は一応五ヵ年間に完了いたす。そういたしますると、森林計画で現在実施いたしておりまするのは、一応五ヵ年のローテーシヨンを以て全体の約五分の一ずつを毎年再編成をいたしておりまするので、これらと一応時期的な一致を見ない部分ができて参りまするので、それらを森林計画修正の必要がありますので、これを又規定をいたしておるのでございます。これが一応五ヵ年間に、全保安林につきまして管理実行計画ができまして、それを森林計画修正して盛込んでしまいますると、その後におきましては、森林基本計画樹立の際に指定の要件を調査いたしまして、訂正指示するということで森林計画実施できる。こういう段取りに相成るのでございます。従いまして、一応暫定の措置といたしまして森林計画保安林整備に伴う修正規定いたして参る、こういうことに相成るのでございます。なお保安施設事業概要を申上げますると、国有林におきましては、荒廃地或いは荒廃耕地等で復帰を要するものは約二万九千町歩ほどございます。更に防災林造成を必要とするものが八千町歩水源林造成を要するものが八万町歩、それから民有林におきましては、荒廃地荒廃耕地復旧事業対象が四十九万三千町歩防災林造成対象が七万九千町歩水源林造成事業対象が十七万四千町歩というものを持つておりまするが、これを一応治山治水基本対策要綱におきましては、十カ年間に事業を完了するという計画政府計画として盛られておりまするので、これが実施対象といたしまして、保安施設事業計画を進めておる次第でございます。なお本法案規定いたしておりまする買上対象は、先ほども申上げましたように、重要水源地域におきまする整備後の総保安林のうち、民有保安林にいたしまして、五十万町歩というものを一応目標としてこれが買上計画いたしておる、こういう次第でございます。これに対しましては、二十九年度におきまして、国有林野事業特別会計予算内に買上費十五億を以ちまして、一応目標五万町歩という計画でそれぞれ準備を進めております。更に買上げました五万町歩対象といたしまして、保安施設事業等を含めまして、事業費十五億を計画いたしておるのでございまするが、一応大蔵省との了解におきましては、二十九年度は出発の年でございまするので、本年度買上げまして、直ちに十五億の事業実施するということには、実際問題として相当の困難が伴うということで、二十九年度におきましては、目標五万町歩、十五億の買入費に、更に買入のために事業費を振替えるということによつて買上面積を増加するという了解を得ておりまするので、現在は或いは必要によりまして買入を増すということも可能の方向において調査を進めておる次第でございます。現在までに一応差当り具体的に売買相談のできる対象が約五万八千町歩程度目標が付いておりますが、今後更に調査もいたし、御相談を進めて参る、かような考え方でおる次第でございます。一応十カ年を目標といたしておりまするので、今後買上げて参りまする対象として順次調査を進める対象が現在で約十四、五万町歩と一応目標を立てておりまするので、買上げの仕事も法案を御審議御決定を願つた暁には比較的スムースに実施ができるのではないか、かような目標を立てておる次第でございます。  簡単でございまするが、一応整備計画概要を申上げた次第でございます。
  10. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは次に衆議院修正理由につきまして、修正案提案者から御説明を願いたいと思います。
  11. 福田喜東

    衆議院議員福田喜東君) 提案者といたしまして修正の要旨を御説明申上げます。  原案によりますと、国が国有林等買入を行う場合、第六条によりまして強制買収を受けたものは所得税法人税を免除されることになつておりまする半面、国の政策に協力して自発的に売渡しを行なつた場合におきましては、第四条によりますと免税されないのでございます。つまり強制買収の場合におきましては免税されるが、相対売買によつて、任意に国の言うことを聞きまして売渡したような場合には免税されない、この不合理を修正いたしまして、第四条により国に売渡した場合にも同じく免税することといたしたいという趣旨修正の第一は提出したわけでございます。それから第二には、第四条及び第五条により、国に売渡し又は国有林野と交換した場合でございます。その差金につきましては課税する規定になつておりますが、これにつましても差金を生じない場合と同様免税することといたしましたことであります。  以上の二点でありまするが、修正案租税特別措置法第十四条は個人の場合についての規定であり、第十五条は法人の場合についてであります。又第二十条の二、第一項中の規定差金に対する課税規定でありまするが、差金に対する免税規定は第十四条及び第十五条に移しまして、第二十条を削除いたしたのでございます。なお、交換によつて差金を生じなかつた場合にも免税する規定を明記するために第十六条第一項を修正いたしました次第でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  12. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 以上で説明は一応お聞きいたしましたので、これより両案を一括して審議に入りたいと存じます。なお本日御審議を頂き、予定では明日討論採決に入りたいという計画でありまするが、若しも本日の審議が終了しますれば、本日にも討論採決をいたしたいと存じます。何とぞ御了承願いたいと思います。それでは御質疑を願います。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 この法案、大体いいことを考えておられると思うのですが、私ちよつと聞いておきたいのは、流域別整備計画を立てる、そういうようなときに牧野或いは採草地というものを林野庁として根本的にどういうように考えておるかということなので、これは個人的には林野庁の人の意見を聞いたこともありますが、これは一つ長官のほうからはつきりお答えを得ておきたいのであります。というのは、私どもどうしても日本農業というものは将来否応なしにだんだんと山へ上つて行かざるを得ん、その農業というものは何も畑にする、田にするということだけじやなしに、畜産を含めた広い意味農業という意味なんですが、そいうものがだんだんと新らしく高いところへ、高いところへと上つて行かなければ、とても日本の食糧の問題なんていうのは解決つかない、最近の集約酪農の傾向を見ても、やはり山のほうへ行つている、そういうときに国土保全という面からみて、採草地域或いは牧野というようなものは国土保全のために非常にマイナスの効果しかない。或いはああいう採算地なり、牧野というものもやり方によつた保安林と同じようなことにはなるまいけれども、それに近いような国土保全効果があるのかどうかということ、そういうことについて基本的な調査をされたことがあるか。又現在林野庁としてはどういうように考えておられるのか、その点をちよつと……。
  14. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) お答えいたしますが、お説の通り、今後土地産業といたしまして、人的集約利用をいたすということになれば、当然七割に近い地積を占めております林野集約利用するということでなければならんと、かように考えておりますので、私どもといたしましても、林野集約産業的利用ということに対しましては、積極的にこれが育成を考えて参りたいと、かような考えを持つておるのでございます。従いまして、必要な放牧採草地の確保に関しましては、できるだけ妥当に御相談をいたして参るという考えでおりますが、現在までの情勢からいたしますと放牧採草地利用状況は押しなべて、極めて不集約に行われておる。掠奪的な利用だけで、人的集約度が高まつていない。従いまして、この問題は土地総合集約利用というような観点からいたしましても、林木草本とを同時に育成して、その用途に向けなければならんという考えで、林野庁といたしましては草の研究についても、相当従来も推し進めて参つたのでございますが、一応牧野採草地につきましては、現在使用いたしておりまするものは牧野への組替を一定の基準で進めておりまするが、特に国有林等につきましては、今後といえども牧野或いは採草利用可能の地域につきましては、積極的に開放いたして参るという考え方を持つておるのでございますが、今一つ只今先生お話のありましたように、土地保全考えからいたしましても、木本と草本とを組合せましたいわゆる多草農法国土保全ということは当然考えなければならんということで、森林内の草生の改良等についてもいろいろと研究を進めておるのでございますが、それと並行いたしまして、林業の一つの形態として、混木林施業というような施業方式も定めまして、地方農業或いは治山経営と並行させまして利用を拡張いたしておるというような次第でございます。  草木の改良が併せて国土保全のために役立つか、立たんかというお話でございますが、これはもう当然施肥植物といたしまして、草本の増加ということは相当国土保全上も大きな役割をいたすという結果も出ておりまするので、御承知の通り瘠悪林地改良等につきましては肥料木導入と併せて優良な草の導入考えておる次第でございます。今後といえども、草と樹木を併せました増殖によりまして、一面におきましては利用と併せて国土保全にも役立たせて参りたいと、かような考え方を持つておるのであります。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 非常に私どもが言いたいことを答弁して頂いて安心したわけですが、ただ私どもそういうような長官考え方というようなものが、果して末端までよく徹底しておるのかどうかということを虞れるわけで、例えば、こうやつて流域別政府計画を立てるということになると、どうも末端へ行くと、林野関係の人は古い山の考え方にとらわれているのじやないか。今日も私宮城県の或るところから国有地払下の問題について相談を受けましたが、これなんかは、又いずれ具体的に相談するときもあると思いますが、内容を開いてみると、当然これは払下をしなければならないところのように思われる。ところが現地の局長は何というわけか頑としてそれに反対しておるというので、どうもそういうところは私ども今、長官の言われるような気持で末端まで指導方針が一貫していないのじやないかということを虞れるわけです。そういう点についてはよくやつておられるのですか。
  16. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) まあ相当機会あるごとに徹底を図つておるつもりでおりますが、お説の通りども末端におきまして相当全体情勢に対しましてテンポが遅れるというような情勢のあることは否定できない事実であると考えております。従いまして、今回の保安林整備等の問題に関しまして制限を強化するということになれば、更に実情に副わんようなことがありはしないかという御懸念も相当これはあり得ると思うのでありますが、私どもの今回の保安林整備管理実行計画考え方といたしましては、保安林というものを従来はややもすれば斤伐を主体といたしまして、保全考えるという考えが強かつたのでございますが、かようなことは実際問題としてなかなか守れない、と同時に、必ずしも斤伐だけで効果を挙げるということではないと、いろいろ調査研究の結果確信いたしておりまするので、合理的な経営と併せて国土保全の役に立つような管理実行計画を指示する、こういう考え方でおりますので、経営に当りましては、それほど従来と比較いたしまして窮屈或いは不合理になるということがない指示ができるのである、かような考え方をいたしております。
  17. 江田三郎

    江田三郎君 まあ従来私どもそういう末端までの指導が非常に遅れておつたように思うのでして、まあ私は例えば緑の羽根の運動についても、ただ国土を緑にするというようなことは言つておられるけれども、一体どういう緑にしたらいいのか。ただ木を植えさえすればいいというようなことにだけ専念されておるのじやないか。緑々と言うけれども、木の緑と同時に草の緑がある。立派な草の緑がある。悪い草の緑じやなしに有用な草の緑がある。その木の緑にもいろいろな木があるのだと、こういうようなことについて、今長官の言われたような内容が従来啓蒙なり、宣伝なりが非常に不足しているのですよ。そういう点この法案を契機にもつと力を入れてやつて頂きたいということをこれは希望しておきます。
  18. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと中座いたしますので、私からちよつと先に質問の機会をお与え願いたいと思います。大体の構造は異存はないですが、二、三点お聞きしておきたいと思いますのは、この保安林整備臨時措置法趣旨で行きますると、非経済林である保安林国有林野特別会計でどんどん買上げて行くと、そういうことになりますると、国有林野特別会計性格が逐次変つて来るという点が見えるのであつて、更に具体的に言いますれば国有林野特別会計独立採算制というものと、非経済林をどんどん買つて行きますると、そこに性格が次第に変つて来るのじやなかろうか、独立採算制の建前で保安林をどんどん買入れて、これに相当の経費をかけて行きますると、半面にやはり無理して国有林を伐るというような現象も出るのであります。これはもう御準備があろうかとも思うのですが、はつきりしておきたいと思いましてお聞きしたいわけでありますが、私は理論的にはこういう治山治水対策でありますから、一般会計でむしろかような計画を持つべきではないかと、こう思うのでありますが、一応併し現在の財政事情国有林特別会計で買うことも止むを得ないと思いまするが、それが国有林野特別会計独立採算制に対する影響をどういうふうに調整されるお考えがありまするか、それにつきまして一つ農林省当局方針をお伺いをしておきたいと思います。
  19. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) たまたま出発に当りまして、二十九年度特別会計の経理内において一般会計からの繰入を見ずに実施できるということで出発はいたしたのでございまするが、原則といたしましては保安林整備計画的に実施する。従来ならば収支の利益金は一応特別会計に繰入れるという制度になつておりまするものを、繰入をしないでそのまま保安林整備買上に本年度利用したと、こういう形になつておりまするが、常に国有林野事業特別会計の経理内においてこれを実施するということになりますると、このままではお話通り独立採算制というものとは両立しないというような時期が出て来る。で、或いは計画実施できないというような問題も生じて来る。そこで今直ちに国有林性格を明確にし、独立採算制を捨てて国土保全を主体とする。国有林野経営ということに切替えるということでは相当の検討を要する点が多々あるということで、出発に当りまして関係方面といろいろ折衝いたしたのでございますが、差当りといたしましては、勿論長い将来におきまして、国有林野事業が仮に独立採算制を以て実施するにいたしましても、性格を今少し明確にする必要があると存じておりますが、差当りといたしましては、この保安林整備に伴いまする買上並びに買上げ保安林に対しまする保安施設事業の経費につきましては、計画的に実施することによりまして、不足を生ずる場合には一般会計から繰入れることができるということで、実は今大蔵委員会のほうにかかつておりますが、国有林野事業特別会計法の一部改正をお願いいたしておる次第でございますので、この改正が通過いたしますれば、一応従来の性格をこのままといたしまして、買上に関しましては別途の財源措置を講じて計画的に実施すると、こういう計画になつておることを御了承願いたいと思います。
  20. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それからその次に衆議院のかたに御質問いたしたいのですが、衆議院修正案も私は趣旨は異存はございませんが、ただ私の会派等において多少こういう意見がありますので明らかにしておきたいと思うのですが、実体的には強制買入だけを免税して、政府の政策に協力したものに免税せんということはおかしいわけでありまするから、もう実体的には賛成でありまするが、ただ何か類似の法律としての土地收用法におきましては、強制買収の場合にやはり免税にして、そうでない場合には免税はせんというようなやや類似の法律においてその点が違う点がどうだろうかという意見がありまするので、私はまあ土地收用法の場合には正常の経済価値を持つておるものをこれは買うのであつて、こちらの場合にはもう保安林になつてしまつておるわけでありますから、通常の経済価値を持たないものを出すのであつて、そういうものからも任意に買入れに応じたものにも当然これはあつて然るべきだと思うのでありますが、一応そういう均衡論が若干ございますので、その辺の御説明を一応承わつておきたいと思います。
  21. 川俣清音

    衆議院議員川俣清音君) 御尤もの御質問でありますが、大蔵省は土地收用法のような場合は主税局長の通牒を以て同様な取扱いをいたしておるようであります。私どもがこの修正をいたしましたのは、今委員長から御質問があつた通り、いわゆる正直者がばかを見るようなことは常識が許さないというところに修正の眼目がございますが、そのほかに一般の土地収用の場合は原形を変えるということになりまするので、どうしても強制力を持たざるを得ないのが原則であると思うのです。原形を変えられるということについてもなお承諾するというからには、やはり相当の対価ということになると思うのでありますが、それでも通牒を以て特例を認めておるようであります。保安林の場合は原形を変えるということにならないために、できるだけ強制買収を控えたいという考え方をこの法律案がいたしておるようであります。できるだけ控えたいということのために、その作用の結果強制買収じやないという判定を受け得るということになりますというと、今申上げましたような、いわゆる善意の最も好意ある協力者に不利な結果を招かしめる、こういうことになりますので、どうしても他の場合と違つて明らかな規定が必要である、こういう見解をとつたわけでございます。
  22. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それからもう一点、これは林野庁当局ですが、国有林野整備臨時措置法の期限の延長でありまして、来年の三月までのつまり延長でありまするが、東北七県等の知事の陳情等では、これでは短きに失するという御意見もあるようでありまするが、昭和三十年三月三十一日限りというふうに、大体九カ月の短期間の延長でありまするが、これでかようにいたした理由と、それからもう一つは、従来のこの法律払下されたものが、町村等の何と言いまするか、恒久的な財座として利用されるというよりも、昨年あたりの木材の価格の高騰の故もあつたかと思うのでありますが、これが何と言いまするか、払下を受けてすぐさま立木を売つ払つて、一時的な利益のために使われておるというような嫌いがどうも若干あるようでありますが、これを防止するためにどういうようなお考えをお持ちになりますか。
  23. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 期間の延長に関しましては、お話通り実は私どもへも東北七県の知事協議会から二カ年間の延長というようなお申入がありましたのですが、そのときには非常に当初に予定いたしておつたものと実行とが違つておる。而も実施をいたしたものが非常に少いという数字を挙げられて、二十九年度一ぱいでは事務処理もできないではないか、非常に予期に反すると、こういうような理由がございましたが、その際に七県知事協議会で御指摘を願つておりまする実行の数字というのは、昨年の十月の実績数字をお用いになつておりまするが、その後事務は相当進捗いたしまして、具体的には地元においてそれぞれ相当の処理をいたしております。元々今回の国有林野整備臨時措置法におきましては、それぞれ法律規定に基きまする対象がございまするので、その範囲を超えてこの法律で我々は如何に期限を延長いたしましても処理することは困難である。そこで勿論東北、北海道或いは関東、東海、中国等とはそれぞれニユアンスの相違はございまするが、一応妥当な線、基準を出しまして地元と御相談を進めて参つておりまして、完全に御満足を与えるということには出発が多少違つておりまするので参らんのでございまするが、ほぼ地元と御了承つて対象を決定いたしておりまするので、今後更に相当期限を延長いたしましても、大きな面積が売買対象になるということは一応考えられない、かように考えております。それで現在進捗いたしておりまする実情からいたしますると、いろいろ東北地方の冷害等の関係で、地元の資金の準備等の関係或いは調査が遅れましたために、事務当局側といたしましても一応期限内に実施するとすれば非常に無理が出て来る、それを緩和いたしまするために、相当程度の延長を必要とする。更にそれに或る程度の余裕を持ちまして、三十年の三月三十一日までということになりますれば、一応無理なく完了できると、かような考え方で進めておる次第でございまするので、この問題に関しましては、東北七県の知事会議の代表の知事さんともいろいろお話合をいたしまして、林野整備の問題で処理できないような問題は、国有林野の地元施設の拡張利用によりまして、地元が国有林野事業の権益を確保して頂くという問題、更に国有林野事業性格を今後保安林整備等とも関連いたしまして再検討いたす必要がある、かように考えておりまするので、それらを合せまして、根本問題と並行いたしまして、特に東北地方国有林の今後の利用については御相談をいたすことにしなければならないという説明をいたしまして、この点は一応御了承を願つておるのでございますが、今後更に近い機会に御意見をお聞きいたしましてこれを進める、こういうことになつておりまするので、東北七県の知事協議会のお申出に対しましては、一応理由説明いたしまして御了承を願つておるという次第があるのでございます。
  24. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 私は先ず第一に保安林国有林との関係ですが、その国有林保安林はどういうパーセントにおいてあるのかお尋ねしたいと思います。私の質問は極めて簡単でありますから答弁も簡単にお願いしたいと思います。    〔委員長退席、理事森田豊壽君着席〕
  25. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) お尋ねの点は現有の保安林におきまする国有林民有林との割合かと存じますが、現在国土保全対象といたします森林法二十五条の一号乃至三号に規定いたしております。これは保安林の主体でありますが、これが総計が二百二十二万六千四百十六町歩ございます。そのうち国有林が七十七万一千九百四十九町歩民有林は百四十五万四千四百六十七町歩でございます。
  26. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 そうすると、国有林は全部保安林にしてやるという意味になりますか。
  27. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) さようではございません。普通施業地が大部分でございます。
  28. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 私はこの国土を災害から守るという意味において保安林を設定して災害を未然に防止する、こういう趣旨のこの法案は全面的に賛成なんでありますが、ややもすれば、いわゆる国有林相当保安林として国土の荒廃を防止する重要な場所にあるにもかかわらず、民有林だけを保安林にしておいて、国有林はいわゆる独立採算制の下に林野庁が勝手に伐り放題に伐つておるというような感じが地方の人たちには十分に窺われるわけであります。こういうことはやはり国有林保安林にして、下流の住民の災害を防いでやるというような親切が私は望ましいと考えるのですが、これについて長官のお考えは如何ですか。
  29. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) お話通り国有林は一面におきまして林産物の需給或いは増殖という目的を持つておりまするが、更に国土保全という意味におきましては、全面的にこれが使命を達成するという二大眼目を対象として実施いたしておりますので、極端に申上げますれば、国有林全部は国土保全効果を上げるために経営をいたしておる、こういうふうに考えておるのでございまするが、従いまして、仮に保安林に従来指定されておらなくても、特に保安効果を必要とするというようなところには、伐採の方法或いは場所の決定等につきましては、保安林と殆んど同等の施業指定いたして実施はいたしておりますが、まあ一般にはややもすると、今の先生のお話のように誤解或いは誤解を生ずるという危険もございまするので、率先して保安林施業を表示すべきであるという考え方から、今回の保安林整備計画には、国有林民有林と同じように一応指定をいたしまして、重要地区は国有林といえども保安林ということを明示して施業実施する、こういうことにいたしておるのでございまして、従来も大体国有林において総面積の一割強、民有林におきまして総体の八%程度になつておりまするが、今後は更に現在の国有林において保安林整備強化が多くなるという見込みでありまするが、施業につきましては、お話通り率先して保安効果を挙げるべく、今後も又一般に御了解を願うような形において実施をいたして参る、かような考えでおるわけでございます。ただここで一つ、従来当然保安林の取扱いをしておりながら、保安林に編入していなかつた場所の理由がほかにあるのでございますが、これらは併しながら地元といろいろ関係がございまして、保安林に編入しなかつたというところもあるということを御了承つておきたいと思つております。
  30. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 甚だ私誠に遺憾に思つてつた事柄でありまするから、今後林野庁におきましても、民有林と同じように保安林にしてやつて行くということにつきまして、私はあえて深く追及する考えも持つておりません。ただ例えば日光とか、或いは塩原の周辺の観光地帯として、殆んど原始林として我々を楽しましめるような土地、且つ又直ちに利根川に繋がるところの、災害に大きな役割をしておるというようなところも林道を作つてくれることは至極結構なんでありますが、この林道を作ると同時に、一方においてはこの観光地帯の原始林を伐採して行く、ところがその伐採の方法におきましても、民有林がこれを伐るというような場合には、極めて親切な伐りとり方をし、且つ又山をいためないような方法をとるのでありますが、営林署のやり方に至りますと、まるでもう真逆さまに谷底に向つて伐落して行く、そこで又地肌が現われて直ちにもう水害の原因を作り、又一方においては折角の幽邃な観光地帯を見る影もないような状態にして行くというようなことで、私は非常に残念に常に思つておるわけでありますが、この保安林を作るという意味において、今後かようなことはできる限り一つ考えて、そうしてやつて頂きたいと思うのです。この独立採算というものがその営林署の管轄内においての独立採算制であるか、或いは又林野庁全体の独立採算でやつておるのか、一つこの点も併せてお聞かせ願いたいと思います。
  31. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 国有林野事業特別会計の独立採算は、全国を通じての独立採算でございまして、いわんや営林署につきましては、当然その実態に応じまして赤字負担の分はそのままの経理として指示いたしておりますので、営林署ごとの独立採算による無理は一切させないつもりでおりまするし、する必要もない仕組になつております。
  32. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 営林署ごとの独立採算でないとすれば、あえて営林署が植樹と伐採と並行して行わなければならんというようなこともないと考えますが、どうか今後はさような一つ監督をして国土保全を図つて頂さたいと思います。なおこの民有林買上げるということにつきまして、爾来林野庁国有林払下げていたということとこれは矛盾することになるのではないかと私は考えておるのですが、これについての見解を承わりたいと思います。
  33. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 従来と申しますか、国有林野整備臨時措置法によつて売払いまするものは、法律規定いたしておりまするところで御承知願つておると存じまするが、一応国有林野経営上支障のないところで、非常に小さな孤立団地であるとか、或いは非常に境界の錯綜いたしておるところであるとか、従来地元に非常に強い事業の権益のあつた土地で、国有林野から離しても経営上支障がないというようなところに限定されておるのでございまして、今回買上げますものは、国土保全のために国有林が持つことがいいという保安林だけ、或いは保安林施設地区だけを限定いたしまして買上げまするので、国有林野整備臨時措置によつて売払います対象と、今度買上計画いたしております保安林とは全然対象が違つておる。従いまして、ここの間に国有林野事業といたしまして矛盾はないと私ども考えております。
  34. 鈴木強平

    鈴木強平君 先ほど片柳委員長から質問したことに関連してお尋ねしたいのですが、例の林野整備臨時措置法の期間を九ヶ月延す、来年三月三十一日限りとすることについて東北七県の知事から話があつたようですが、もつと大事なことは、去年の七月に参議院各派が一致して町村合併法という法律を作つたのでございます。法律が施行されてまだ半年しか経つておらない。而もその間に九十六の都市が生れておるし、その他町村の合併は相当進んでおります。その中には林野整備法によつて相当の新都市或いは町村の財源を作つてやるということを明らかに法律の中には謳つておるのであつて、当時この法律を作るときに林野庁長官は、いわゆる立法者と相談があつたかなかつたか、先ずそれからお尋ねします。
  35. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 十分相談を受けてやつております。
  36. 鈴木強平

    鈴木強平君 若しさようなことであれば、町村合併法の法律は、小さくもおおむね八千以上の人口を持たせる。そうして期間は三ヵ年を以て廃案とする。従つてまだ二年半も先である。従つてあなたのほうは九カ月延ばしても、これらの払下後の整理期間があるはずだから、さように考ええますと、九カ月延期したのであつては所期の目的を果さない、こう思うのです。言換えれば、これから漸く合併した都市なり町村は、その年度と及び引続き五ヵ年の間の建設計画を立てます。その中に織り込まなくちやならんし、現に今合併を促進しつつあるのです。そういうときに一応地方民として一番大事に思つておるのは、この林野措置の臨時法なんです。これによつて何らかの財源を得たいという希望がたくさんあります。従つて新らしい都市が意見をまとめて政府なり国会に陳情に来ることもまだ一月二月先になるのじやないか、又新らしい合併町村がまとまつた意見を具申するのも先になると思うのです。従つて少くともこの期間は先に委員長が言つたように九カ月ではちよつと……、それはあなたのおつしやる通り国有林野法を以てしてもできる個所があると思います。併しながら、かような一旦法律を出しておきながら、他の法律でもできるからというようなことで以て、これを廃案に九カ月後にするということでは、少し地方民にとつては酷のように思われる。最近幾つかの都市の合併によつて我々も呼ばれて意見を聞きましたが、是非この法律案については今後一年半以上、言換えれば一年九カ月ぐらいは延ばして欲しいという要望がございます。まだこの要望が具体化するまでに行つておりませんので、農林省或いは国会に反映しておりませんけれども、恐らくこれから出て来ると思います。九カ月延ばして、又先延ばせばいいじやないかということも考えられますけれども、できることなら、この機会にもつと門戸を開放して行くと、今日提案になつておりまする林野法の一部改正を見て、十分民意を尊重して御面倒をみるようなことになつておりまするが、臨時措置法についてもかように考えて、期間が如何にも九カ月では短い。そればかりでなく、関西、九州方面では政府買上ぐべき民有地ですね。まだ手が付いておらない。相当の売払と同時に買入もしなくちやならん個所が多々あると思つているのです。一面又今度の緊縮予算による各会社の整備によつて要らない土地を売る、特に関西でさような声がたくさん起きておりますが、そういうような点から見ても九カ月ではどうか、こう思いますが、これについてあなたの御意見を伺いたいと思います。
  37. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 町村合併促進のための国有林野整備臨時措置にならつて実施は促進法にも規定いたしておりまする通り、なお今後も相当の期間ございまするし、これについてはそれに相応する国有林がございますれば、積極的に御相談をいたして参るということは、促進法で特例的に十分できる問題であると私ども考えております。で、国有林野整備臨時措置において一応旧来通り対象として考えて行きまするものは、地元とも一応お話合は済んでおりまして、事務的な問題が主体として残つておるということでございまするので、町村合併促進という問題につきまして、積極的に御協力を申上げるということにつきましては支障なく実施できる、かような考えを持つております。ただそこで町村合併促進法で規定いたしておりまするものは、売払いまする林野は基本財産造成ということが主体になつておりまするが、従いまして売払いましたものを直ちに換価するということに対しましては、国が利用計画を認可するということになつておりまするので、直ちに換価するというような目的を以ては売払うわけには参らない、こういうことになりまするので、まあそれらの点等もあるかと存じまするが、我々が期待したようなお申出が今日まで比較的ない。従いまして今後お申出がありまする場合には、適当なところがあれば今後十分御相談いたしまして、これを促進する、こういう考えでおりまするが、これは少し実際にはこういう傾向が非常に強いということを御了承願いたいと思いますが、町村合併によりまして合併町村が基本財産を造成する、これは筋としては私ども誠に望ましいことなのでございまするが、逆に前の町村が自分たちのほうに払下を受けたい、そうして合併町村には持つて行きたくないというような希望が非常に多いのでございます。これによつて非常に申出が多い、而も一応私どもといたしましては、妥当に今後経営して頂くということになれば、旧町村においても払下対象になるということで相談いたしておりますが、売払いました結果が直ちに財産としての経営というよりも、一時的な金に代える方法を急がれて、そのためにいろいろな問題を残し、且つは払下げました目的から外れまして、極端な場合には土地までよそへ転売してしまうというような例も最近特に顕著に出て参つております。今後私どもがこれが払下の進行に対しまして、相当地元に厳重にいろいろ相談或いは監視をいたして参らなければならん、こういうような実情があることも一つ実情として御了承を願いたい、こう思つております。
  38. 鈴木強平

    鈴木強平君 お説の通りであつて、町村合併による林野払下をした場合には、一応又政府了承を得なければ売ることができない。又施業案は実施しているということであつて、それだけに払下を受けても、それらの計画を立てなくちやならん関係から時間を要するのです。今まで合併した町村で、共有林で一つの村へ残したいという考えがあるかどうか知りませんが、町村合併の認可の過程において、さようなことは許されておりません。大体全部持つている財産を包含して、よりよい町村を作つておりますから、町村合併に関してはさような心配はないと思います。従つてそうしたことに相当な時間を要することに、少くともいろいろ町村合併については、促進のために特別の面倒を見る。例えば警察法でも特例を開いて、自治警察のないところは持たなくてもいい、或いは地方財政においても面倒を見るし、或いは平衡交付金でも面倒を見る。あらゆるもので面倒を見るようになつているのですから、そのうちでも一番期待しているのは臨時措置法でございます。従つてそういつた期待に対して成るべくおわかりになつて貫きたいと思うのです。ということは、同じこれが山村或いは農民間で見ても、平地における農業者は、近くに田畑があつて肥料さえやれば毎年耕作ができるが、山間僻地における農民とか、山間の者は一日々々山が深くなる、又これに植林をしなければならん、それによつてみずからの糧を得なければならん。従つて山に対する、何と言いますか、自分の町に管理さしてもらいたいということは、公共団体である町村ばかりではございません。その住民も皆同じ希望に燃えております。非常にこれが町村合併に対しては大きな魅力となつておりますることをお考えの中に置いて頂きたいと思います。これについては御返答を要しません。なお引続き質問しておきたいと思いますが、先ほど江田委員からもお話がございましたが、日本におけるところの原野と言いますか、例えば山林の原野の比率、原野は届けによりますと二百十一万町歩あるように聞いておりまするが、その原野の中で荒廃地で役に立たないところを引いた残りはどのくらいあるか。今度農林省も酪農振興法を出しておりますし、有畜農家創設はすでに出ております。如何にしてこの原野を開拓し、少くとも一農家に一頭の乳牛を持たせなければならん、大きな食生活の問題だろうと思いますが、その原野の開放が差当り大きな問題じやないかと思いますが、二百十一万町歩のうち、さような採草地として利用できるもの、或いは荒廃地として到底手が着けられないものの比率はどのくらいでございますか。
  39. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 現在原野として確保いたしておりまするものの中には、恐らく採草放牧地として集約利用できるものは比較的少いのじやないか、かように考えておりますが、今後畜産振興のために活用される土地は、恐らく現在の林野として利用いたしておりまする比較的便利な、而も地形のいい、地味のいい場所を選んで組み替えるという方向に参らなければならんのではないか、かように考えております。
  40. 鈴木強平

    鈴木強平君 日本の食生活が重大なことは、日本農業人口は全人口の四四%、而も耕す土地は全日本国土に対してたつた一四%しかない。恐らく諸外国でもさような例は少いのでございます。例えばイタリーのような、スイスのような山岳を持つたところでももつと比率はぐつとよい。従つて如何にして日本が持つておる山林、いわゆる山林原野を開放するかにあると思うのですが、お話のような原野を七〇%も持つてつて、そうしてそれが一般耕作地として採草地に変化することについて、林野庁長官としては大きな熱意と抱負を考えて頂かなければならないと思うのですが、そういう点において如何でございますか、あなたのお話では……。
  41. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) その点に関しまして先ほど江田先生の御質問にお答えいたしました通り、私といたしましては総合的に事務的集約利用ということに対しまして、将来とも林野がその対象として考えられて来るという場合には、積極的にこれを考えて参るということには決してやぶさかなものではないということをはつきり申上げたいと存じますが、ただこの際それでは現在の採草放牧等に利用されておるところが真に採草放牧として集約利用されておるかどうかという問題も、この際に同時に又検討されて、これ自体を集約に使うということと並行して参らないと、徒らに面積を多く集約に使うというような結果を招来する危険もあると存じておりまするので、それらは並行して検討いたし、総合的に、勿論林野庁としては積極的に協力いたして参るという考え方を持つておりますることをはつきりと申上げたいと思います。
  42. 鈴木強平

    鈴木強平君 重ねてお尋ねしますが、その二百十一万町歩の原野のうち、酪農関係利用できるものはどの程度になるか、或いは全然もう荒廃地で手が着けられない。そうした区分について、今日でなくてよろしうございますが、できますならば統計の資料を御提出願いたいと思います。
  43. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 恐らく畜産のほうでどの程度検討しておりますか、私どもはつきりつかんでおりませんが、私どもといたしましては、ちよつとはつきり見当つきませんので、畜産のほうと連絡をいたしまして、できるだけ集約した資料でお答えを申上げたいと、かように存じます。
  44. 川口爲之助

    川口爲之助君 この法案実施によりまして、十年後には九十余万町歩森林保安林に編入されるのでございます。この買上対象となるものは少くとも重要河川の水源涵養地域ということであろうと思います。この地域の選定基準、これはどうでありますか。例えばその地区に未立木地帯若しくは荒廃地のある場合、そういうものは対象になりますか。更にこの一般耕地に対する水源林保護というようなことについては何かお考えがありますか。
  45. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 重要河川の水源地域ということを考えまする場合に、河川流域の指定というような考え方も一応いたしてみた次第でございまするが、まあこれにつきましては勿論いろいろ、例えば林野の面積、実情或いは下流の利水面からいたします耕地の面積、或いはこれに関連いたしまする産業経済等の関連からいたしまする人口の密度等が条件に相成ると存じまするが、一応流域指定基準によつて定めてしまうということをいたしますると、そこに行政施行の上に非常にぎこちない面が現われて参るという点もございまするので、主たる目標ということで一応選びはいたしまするが、それによりまして法的に指定をいたしまして取殊の取扱をいたすということにつきましては、今少し更に検討いたしまして、スムースに行政の実施できるという見通しでも立たない限りは、いわゆる地域指定ということはいたさないという最近考えを持つておる次第でございまして、従いまして指定地域という考えではなく、主として重点的に施行する対象考えまして、地域的な重要な施設を擁する地域についても公平に施行を考えて参る、こういう方向で参りたいということに現在はいたしまして、具体計画を進めておるということを御了承願いたいと思います。
  46. 川口爲之助

    川口爲之助君 この保安林整備の精神を延長して、先ほど申した一般の耕地に対する水源地の保護というようなことはお考えになつておりますか。
  47. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 勿論全体を通じました保安林整備いたす考えでおりますので、今後三年間に九十二万余町歩というものを計画いたしておりまするのは、重要水源地域ばかりではなく、全保安林につきまして、全地域につきまして保安林整備考えまする増強の目標が九十二万町歩、こういうことに考えておりまするので、只今先生お話のような点は当然全部を網羅した考え方でございます。
  48. 川口爲之助

    川口爲之助君 先ほどの長官の御説明のうちに、森林法改正を意図しておるということでありましたので、一所有者は極めて零細な面積の所有者である。従つて経済的の関係から早伐、過伐が行われやすく、更に又未墾地買収、これによりまして幼齢林又は利用伐期齢級というものがどしどし伐採されておるのであります。これは森林法の私は盲点ではないかと思うのであります。一方において造林、山林資源の維持を図ろうとする、これに反しまして幼齢林や利用伐期齢級等のものが法的には一応措置されておりますけれども、実際はどしどし伐採されておる。これはどうしてもこの法の強化なり、これを制限してもらいたい、こういうふうに考えておるのであります。森林法改正に当りましては、これは勿論農地法との関係もございまするけれども一つ十分に考慮のうちに置いてこの点を一つ是正して頂きたい、かように考えるわけであります。もう一つこれは意見に属するかも知れません。この年間の雨量の八〇%はこの表土のいわゆる大切な砂、一億五千万立米と言いますが、これを浚つて瞬間に海に流し込んでしまう。そのあとで、水がない、渇水だ、停電だと言うのであります。これは誠にばからしい話だ。その水を阻止するものは何かというと、森林と草地であろうと思います。でありまするからして、とにかく森林造成し草地を作つて行くということが、この治山治水の根幹をなすものではないか。そこで先ず木を植えるということでありますが、その木を植えるということがなかなか行われておらない。かなり調べの上においては猛烈に推進されておりまするけれども、なかなか実行は困難であります。例えば伐採跡地を埋めるとか或いは無木地帯を解消する乃至は荒廃地を改善するというような幾多の重なつた仕事があるわけであります。これがなかなか実行に移されておらない。よつて植林というものを或る程度強制的にやるということが非常に必要じやないか。今造林指定地というのがございます。これは大分未墾地買収の場合なども制限されておるようですが、とにかく造林指定地というものをもつと幅を拡げてやつて頂きたいと思います。こういう点を希望しておきます。
  49. 上林忠次

    ○上林忠次君 まあ素人の思い付きで杞憂の問題かも知れませんが、先ほど指定はそう早くやらないというお話がありましたが、指定をゆつくりしておりますと、山は自由に売買ができるので、荒廃地であろうと、これを高く売ろうとする人があり、又これは将来相当な値段で買つてもらえるからというので、そういうような闇取引と申しますか、正常な価格以外の、正常な価格を超えた値段で取引があるのではないか。買つた人が迷惑するか、売つた人が迷惑するか、どつちかが迷惑するというようなことで、これが指定が遅くなりますと、これは取引が混乱に陥ることがあるのじやないかと思いますが、そういうようなことはないですか。そういうことで、早く指定してやれば、そういうような混乱はないと思うのですが、こういうようなことは杞憂ですかな。
  50. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 先ほど申上げましたのは、水源地域をきめてしまつて、そこだけを整備すると、こういうような誤解があるわけで申上げたわけでございますが、保安林整備指定は三カ年間で完了いたす計画をいたしております。従いまして、一応整備計画は三年間で動かないものにいたしたいと、かような考え方を持つております。
  51. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止]
  52. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 速記を始めて下さい。
  53. 鈴木強平

    鈴木強平君 国有林野整備臨時措置法につきまして九カ月延長して、来年の三月三十一日限りとする。これについてはなお半年、一年の延期を希望したいのでございます。併しながら、延期しなくともその目的を達成できるならば、どういう理由によつて達成するか、その理由をお伺いいたします。
  54. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 町村合併促進に伴いまする国有林の売払いは、町村合併促進法の十七条に規定いたしております通り、新町村建設計画によります基本財産造成上必要なる場合、国有林野経営上必要なものを除いた林野につきまして売払をすることができる。これは国有林野整備臨時措置法によつて実施するということになつておりますので、この期間は町村合併後五ヵ年間有効でございまするので、町村合併促進法が一応五ヵ年になつておりますから、その期間に合併いたしました後に、更に五ヵ年間有効に御相談ができるということになつておりますので、国有林野整備臨時措置法を一応完了いたしましてから、町村合併促進法の国有林払下は同趣旨によりまして支障なく御相談をいたすということが、こういうことができるようになつておりますことを御了承願いたいと思います。
  55. 鈴木強平

    鈴木強平君 重ねてお尋ねしますが、その場合国有林野法で払下ができるのか、国有財産臨時措置法でできるのか、特別措置法でできるのか、法的根拠は……。ただ町村合併法でだけ……。
  56. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 合併促進法によりまして可能でございます。
  57. 鈴木強平

    鈴木強平君 それだけによつて……。
  58. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) はい。
  59. 鈴木強平

    鈴木強平君 了承しました。
  60. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 他に御発言ございませんか……。なければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 御異議ないと認めます。  それではこれより保安林整備臨時措置法案討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  62. 北勝太郎

    ○北勝太郎君 私は只今議題となつております保安林整備臨時措置法案について修正の動議を提出いたします。先ず修正案を朗読いたします。    保安林整備臨時措置法案に対する修正案   保定林整備臨時措置法案の一部を次のように修正する。   附則第四項を削る。  以上であります。  次に修正理由を簡単に申上げます。  本法律案附則第四項において、本法律案第四条に掲げる森林等に該当する民有林野を国有林野と交換する場合における不動産取得税の免除に関し、目下当院地方行政委員会において審講中の地方税法の一部を改正する法律案による改正後の地方税法を更に改正しているのでありますが、地方税法改正法律案はその整備が未だ定まつておりませんので、この際本法律案からこの改正規定を削除して、別途右地方税法改正法律案について、同様な趣旨修正措置を講ずることにしようとするのであります。なお、この修正に関連して、本院地方行政委員長に次の通り申入をすることにいたしたいのであります。   昭和二十九年四月二十三日         参議院農林委員会    参議院地方行政委員会     委員長 内村清次殿    「地方税法の一部を改正する法    律案」の修正に関し重ねて申入  去る三月二十九日附を以て「地方税法の一部を改正する法律案」の修正等に関して申入御配慮を御願い致しておきましたが、有申入に追加して、更に左記のとおり修正方併せて御配慮願い度、当委員会の総意を以て重ねて申入れます。    地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案  地方税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  第二章中第一節及び第二節を改正する規定のうち第百十一条の七第八号中「交換する場合」の下に「又は保安林整備臨時措置法(昭和二十九年法律第  号)第四条に掲げる森林等に該当する民有林野を国有林野と交換する場合」を加える。     理 由  「保安林整備臨時措置法案」附則第四項により、目下貴委員会において審議中の「地方税法の一部を改正する法律案」による改正後の地方税  法を改正することとしているのであるが、「保安林整備臨時措置法案」の審議が先んずる見込であるから、この法案の附則第四項を削除し、これに対応して、「地方税法の一部を改正する法律案」を本案のように修正する必要がある。  以上であります。
  63. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決いたします。  先ず討論中にありました北君の修正案を議題に供します。北君提出の修正案に賛成のかたは御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  64. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 全会一致でございます。よつて北君提出の修正案は可決されました。  次に只今採決されました北君の修正にかかる部分を除いて、内閣提出にかかる保安林整備臨時措置法案全部を問題に供します。修正部分を除く原案に賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  65. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て修正議決されました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされたかたは例によつて順次御署君をお願い申上げます。   多数意見者署名     戸叶  武  横川 信夫     清澤 俊英  河合 義一     河野 謙三  佐藤清一郎     鈴木 強平  北 勝太郎     川口爲之助
  67. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 次に北委員提出の地方行政委員会への申入についてお諮りいたします。北委員提出通り申入れますることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  69. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 次に、国有林野法等の一部を改正する法律案討論に入ります。
  70. 河野謙三

    河野謙三君 私はこの際本案に対しまして次のような附帯決議を附することを皆さんにお諮り願いたいと思います。    国有林野法等の一部を改正する    法律案に対する附帯決議案   国有林野整備臨時措置法実施に当つて政府は、左記事項に注意して、運用すべきである。     記   地方公共団体が売り払いを受けた林野は、その地上立木の転売による一時の利益を図るような目的に利用されることなく、地方公共団体の永久の利益となるよう適正な経営がなさるべきで、これがため政府は、地方公共団体の財政事情その他林野経営能力を充分勘案して適正な売り払いがなされるよう今后厳に留意のこと。  以上であります。  重ねて申すまでもありませんが、我々は、国が持つところの林野につきましては、現在必ずしもその処置が適正でないと思います。もう少し国はよろしく地方の団体若しくは民間への払下を行うべきであると思いますけれども、さらばと言つて、最近一、二の事例を見ますと、公共団体その他が従らに目先の利益のために国有林野払下げておる、こういう事例もありますので、これは払下趣旨と全く違うのでありまして、そのような問題が再び起らざるよう政府におきましては特段の御注意を頂きたい、かような趣旨でありますから、皆さんの御賛同を頂きたいと思います。
  71. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 他に御発言はございませんか……。御発言もないようでありますので、討論は終局したものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国有林野法等の一部を改正する法律案原案通り可決することに賛成のかたは御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  72. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、只今討論中にございました河野君提出の附帯決議について、採決いたします。河野君提出通り附帯決議を附することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  73. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 全会一致でございます。よつて附帯決議を附することに決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 御異議ないと認めます。  次に、本案を可とせられたかたは例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     横川 信夫  清澤 俊英     河合 義一  河野 謙三     佐藤清一郎  鈴木 強平     北 勝太郎  川口爲之助     戸叶  武   —————————————
  75. 森田豊壽

    理事(森田豊壽君) 先刻お諮りいたしました参考人意見を聞きまする期日につきましては、河野委員の御意見もありましたので、重ねて交渉をいたしまして、来る四月二十七日火曜日午後一時からということに変更いたしたいと存じます。なお参考人は先にお諮りいたしましたように予定いたしておりまするから御了承願います。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十分散会