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1954-04-19 第19回国会 参議院 農林委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十九日(月曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————   委員の異動 四月十五日委員白波瀬米吉君辞任につ き、その補欠として、重政庸徳君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            清澤 俊英君            戸叶  武君    委員            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            北 勝太郎君            河野 謙三君            江田 三郎君            河合 義一君            松永 義雄君            松浦 定義君            鈴木  一君            鈴木 強平君   国務大臣    農 林 大 臣 保利  茂君    通商産業大臣  愛知 揆一君   政府委員    農林省農林経済    局長      小倉 武一君    農林省畜産局長 大坪 藤市君    農林省蚕糸局長 寺内 祥一君    林野庁長官   柴田  栄君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省通商    局次長     松尾泰一郎君    通商産業省軽工    業局長     中村辰五郎君    通商産業省繊維    局長      吉岡千代三君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    通商産業省軽工    業局化学肥料部    長       柿手 操六君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○農林政策に関する調査の件  (硫安生産費に関する資料要求に  関する作)  (糖業に関する件)  (蚕糸政策に関する件) ○参考人の出頭に関する件 ○国有林野法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○酪農振興法案内閣送付)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。  先ほどの委員長理事の打合会におきまして、お手許にお配りしましたような今週中の日程の御相談ができましたので御了承を願いたいと存じます。なお理事会の打合せの結果は、保安林整備臨時措置法案国有林野法等の一部を改正する法律案、この二法案につきましては衆議院の議決も済んでおりますので、できるだけ今週中に討論採決に入りたい、かようなふうに決定いたしましたので、これ又御了承を願いたいと思います。  なお本日の議案でありまする硫安生産費に関する事項につきましては、政府から御要求がありますれば、秘密会として審議をして行きたいというふうに決定しておりますので御了承を願いたいと思います。  それから次に御了承を願いたい事項でありまするが、かねて外務委員会に対して、農産物の購入に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件及び経済的措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件に関して連合審査を申入れておきましたが、右審査は、明日午前十時から大蔵委員会内閣委員会をも加えて行われることになりましたから御了承願います。  次に、かねてから問題になつております硫安生産原価の件につきまして、愛知通商産業大臣及び保利農林大臣から発言を求められておりまするから御聴取を願います。
  3. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 硫安製造原価の問題につきまして、過日参議院議長より当農林委員会からの御依頼として資料の御要求がございました。これに対しましては、すでに御承知通り四月六日付を以て御回答を申上げた次第でございますが、その回答のみでは、私どもの意のありまするところを十分お汲み取り願えておらない虞れもありまするし、且つ又本会議におきまして江田委員より本件につきまして緊急質問があり、更に議院運営委員会におきましても、本件につきましての御質疑を受け、お答えをいたしたような次第でございますが、これらを通じまして、私どもの申し足りない点もあるように思いまするので、本日特に発言機会をお与え下さるようお願いいたしました次第でございます。この御要求のございました資料の中で、硫安会社生産能力及び生産実績につきましては、これを御提出申上げたのでありまするが、各社製造原価に関する資料につきましては、本委員会におきまして担当官より申上げておりまするごとく、又四月十六日の参議院議院運営委員会におきまして詳細申上げましたように、法律権限等に基きまして関係会社より提出せしめ、或いは通産省等におきまして、例えば省議を以て妥当なりと結論を出しましたような原価についての正式の資料は持合せておりませんでしたので、その旨を御回答申上げた次第でございます。ただ、事務当局におきましては、現状を基礎といたしまして、各種資料によりまして全体的の平均的原価推算は可能でありまするし、且つ又これを事務上の参考ともいたしておりまするので、この分につきましては、懇談会等の席上を借りまして、篤と御説明申上げることを適当と考えたのでございます。従いまして、その旨を前申しました回答の中に希望として中添えたような次第であつたわけであります。なお、各社よりその製造原価に関する資料提出がないと申しましても、少くとも開発銀行に対して合理化資金推薦等をいたしまする場合、当該会社からは製造原価に関する資料提出があるのではないかというお疑いがあろうかと存じまするが、これにつきましても、本委員会担当者から申上げておりまする通り、又過日議院運営委員会でも申上げましたように、開発銀行への融資申請はすべて当該会社より直接開発銀行へなされるのでございまして、通産省を経由いたしておりませんので、それに関する資料通産省へは提出されておりませんし、又写しのようなものもとつていないのが現状でございます。併しながら、通産省におきましては、側面的ではございますが、その融資推薦をいたしまする関係上、それらの会社、例えば昭和二十八年度については融資を受けることになりました六つの会社の該当の工場につきまして、その合理化効果推算いたしまするため、我々の知り得まする現状各種資料事務当局の長年の経験的知識等から、それらの工場現状製造原価推算することが可能でございますし、現に又これを参考として融資推薦等をいたした次第でございます。この種の我我推算いたしましたような資料でございますならば、これは研究いたしまして、事務当局より何どきでも御説明申上げる用意をいたしたのであります申上げる用意をいたしたのでありまするが、先ほども申上げました通り、これは飽くまで我々の手許において推算をいたしたものでありまするので、会社名前等を具体的に挙げますることはお許しを願いたいと存ずるのでございます。さような関係でございまするので、当委員会におきましても、それらの関係を諒とせられまして、適当な方法によりまして御説明を申上げ、又御質疑にお答をいたすような機会をお取計らいをお願い申上げたい、かように考えておる次第でございます。
  4. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 農林大臣から只今のところ特段の御発言もないとのことでございますから、御質疑があれば御質疑を願います。
  5. 戸叶武

    戸叶武君 適当な手段によつて発表するというのは秘密会意味するわけですか。
  6. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 先ほど縷々御説明申上げましたような次第でございますから、これは秘密会と申しますか、委員のかたたちだけに御説明申上げ、御質疑にお答えするようにさせて頂きたいというのが我々の希望でございます。
  7. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今通産大臣の御趣旨秘密会というふうに了解いたしまして、秘密会にすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。それでは只今から秘密会に入ります。国会議員政府関係者事務担当者及び議員秘書以外は御退場を願います。    午後二時二分秘密会に入る
  9. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から秘密会を開きます。なお只今からの秘密会の記録中生産費数字に関する事項につきましては、国会法第六十三条により特に秘密を要するものとして、これを公表しないことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。  なお、本日の出席者農林大臣通産大臣以外には、通産省岩武官房長農林省小倉農林経済局長通産省柿手化学肥料部長出席をされております。
  11. 河野謙三

    河野謙三君 通産大臣農林大臣、特に通産大臣に私は先ず最初に、少し意見も入りますけれども……。肥料行政が今のようにうまく行かないのは、根本は肥料行政二元化にあるわけです。せめて現行の通産農林両省によつて肥料行政をスムーズに運ぶためには、両省事務当局にこの行政を任せることに非常な危険がある。農林省は徒らに農民の味方をする、通産省は徒らに肥料メーカー利益擁護に走る、これが現実です。これを通産農林大臣が、大臣として大所高所からこの肥料行政を進めるという形でなければいかんと思う。然るに今愛知通産大臣お話を聞きますと、事務当局説明そのままであつて事務当局の考え方を一歩も出ていない。あなたの人格から言つて、さようなことを私は考えませんけれども、どうも通産大臣事務当局と同様にメーカー利益を如何にして擁護するか、それがためには如何なる詭弁もあえて辞さないということに私は受取らざるを得ない。今開発銀行融資の問題にしても、我我のほうはタツチしていない、ただ一応参考にとつているという程度でございますが、それは形式論でありまして、実情通産省がこれを検討しなくて開発銀行に行くわけがありません。そのくらいのことは我々役所の行政を知らなくてもちやんと知つている。それを通産大臣が知らんとすれば、通産大臣事務当局がその書数説明を怠つているのであつて、又あなたがそれを聞こうとしないのであつて、私はそういう今の御説明のようなことは絶対事実と相反すると思う。それからこの機会に伺いたいのですが、今法律によつて生産費調査する権能がないとおつしやいますけれども、やろうとすればあるのじやないかと思う。物調法はまだ生きているのじやないのですか。確かに審議庁の中にあつて二、三人の人がやつているのじやないかと思うのですが、この法律はまだ生きているのじやないかと思う。これは私の間違いかも知れませんが、根拠法規は強いて言えば私はあると思う。これだけの大法案を出しておいて、政府みずから積極的にあらゆる手段方法を以て一応政府が知り得る生産費を把握するということは、提案された政府責任であると思う。それを議会のほうから請求されて、而も今頃まだ確たるものを持つていない、政府責任において説明できるようなものを持つていない、こういうことでいいのでしようか、この点を先ず大臣としての御答弁を伺いたい。
  12. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 先ず第一点でございますが、これは私も従来の経緯を相当つておるつもりでございます。御承知のように終戦後復興金融金庫ができまして、その復金から、例えば硫安関係資金、その他の国家的に重要な事業に対する資金を供給するということになりましたときに、復興金融金庫という一つの立派な機関ができたにかかわらず、関係各省が、あたかも予算の査定のような感じで以て、殆んど復興金融金庫というものは、素通りの、何と言いますか、金の番人であるというような恰好になるために、これに対しては非常に批判が起りました。そういう関係から開発銀行創立の際には、どこにどういう金を貸すかというような責任については、開発銀行の自主的な判断に任すということになつた、こういうふうな経過もございました関係で、先ほど御説明申上げましたように、硫安関係資金について通産省が仔細にこれを検討し、会社からも資料をとつて、そうしてこれに対して融資をしろというような意味での開発銀行への連絡というものはしておらないのでありまして、先ほど申上げました通り融資をどの会社に対してどのくらいするか、或いはその他の融資としての調査というようなことは、全部これは開発銀行が指導的に、又全責任を持つてやるということに相成つているわけでございます。それから第二に、只今お尋ね物調法は、私の理解するところでは、これは効力をすでに失つていると思います。なお物統令というようなものが或いは法律的に存続しているかも知れませんが、物調法に関する限り、たしかこれはすでになくなつているものと考えております。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 私の申しましたのは間違いでございましたが、物調法でなくて物統令で、経済審議庁か何かに幾らか残骸だけは残つているのじやないですか、でありますから、これを生かそうと思えば、私は方法はあるのじやないか、こういうことを私は申上げるのであります。それから前の問題ですが、私は決して暴露しようなんという、そういう下等なことは考えませんが、これは秘密会でありますから、通産大臣はもつとざつくばらんにお話なつたらいいじやないですか。開発銀行は例えば六社だけが行くわけではない、たくさんの会社がそれぞれ融資の申込をするわけです。その場合に開発銀行にはそれぞれスタツフもいるでしようけれども、より以上それらの原価計算についての経験者を持つているところの通産省がこれを見て、これに対しての或る助言をするということは、これは現にやつていることですよ、やらんとは私は絶対に言わさない、やつていることです。ただ私はどこの誰が、いつどこで、どうというふうなと、変な暴露みたいなことはいたしません。いたしませんが、これは当然やらなければならん、これは通産省の義務でないかも知れないけれども、当然通産省として積極的にこれは開発銀行に向つて助言すべきものですよ、それを出す出さないは別問題として、そういう事務通産省の中にあるし、現にその製造会社通産省に通つておるじやありませんか。いろいろ開発銀行の斡旋をお願いしたい、私のほうはこれこれの仕事をするのだが、これこれででき上るのだということをやつておるのですよ。それを私はお隠しになるということは、どうも大臣が先ほど前提として申上げました事務当局と同じように、通産省はただメーカー利益さえ擁護すればいいのだ、こういうことであつては私はならないと思う。それならば肥料行政について根本問題の二法案よりも前提肥料の一元化を考えなければ、どんな法律作つても駄目だ、こういうようなことについての御見解を私はもう一遍伺いたいと思います。
  14. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 別に私も隠し立ても何もしておるわけではありませんで、これは秘密会ですから、私もざつくばらんに私の感想を申上げたいと思うのでありますが、この通産省でやつておるところのいわゆる融資推薦と申しますか、私は率直に申しまして、これは実に無力なものだと、私今回通産省へ行つてみましてからも痛感いたしました。——————————それから他の機会にも問題になつたようでございますが、融資開発銀行に求めまする場合に、関係会社がそれの写しを数通作つて、これを通産省のほうに出しておるはずだというお話があつたそうでありますが、これは恐らく復金当時の慣行ではないかと思うのでありまして、私もこれは私一個の立場において調査をいたしましたが、現在はさような事例はないのであります。従つて隠し立てをしておるわけではございませんで、こういうやり方がよいとか、悪いとかという御批判は非常にあると思います。私も考えなければならない点もあるかと思いますが、私の申上げておりまするのは、事実ありのままを申上げておるのでありますから、その点は一つ了承願いたいと思います。
  15. 河野謙三

    河野謙三君 私は、愛知通産大臣の言明を疑りたくはありません。私は先ほど申上げましたように、非常にあなたの人格というものは前から直接触れて尊敬しておりますから、疑りたくはありませんけれども、あなた自身は立会つてもおらないし、又肥料行政についての通産省担当の部面についての詳細を極めておられないという、こういう結論以外にないと思います。それから先ほど申上げました、今開発銀行の、それが仮に資料としてないということであれば、それではそのほかに何か通産省メーカー生産費調査するための何か手段方法について積極的にやつたことはございますか。私は幾らでも方法はあると思う。何かおやりになつたことはございますか。
  16. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 実はそういう点もございますので、口今お手許にお配りいたしたかと思いますが、二十八年度の開発銀行融資の対象になつております工場生産原価等につきまして、通産省として調べました数字資料を御説明さして頂きたいと思つてつたところでございまして、私どもとしても私どもなりに入手し得るいろいろの関係から、こういうふうな推算作つているわけでございます。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 御説明を聞く前に、どういうところから、どういう資料によつてこういうものができたのですか、これを一つ教えて頂きたいと思います。
  18. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは事務当局から御説明申上げます。
  19. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 如何ですか、御説明を一応聞いた上で如何でしようか。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 説明を聞いてからでもいいのですが、この資料がどういうところからどういう方法でとられたかということを聞かなければ、その出所によつては我々は聞く価値がないわけですよ。例えば国税局と協力してとつたとか、日本銀行から資料とつたとか、開発銀行から資料とつたとか、それぞれその一つ一つが完全なものでなくても、それらの機関のそれぞれをとつて、それを継ぎ合せすることによつて相当確実なものができて来るわけです。そういう方法でやつたのか、それとも単に先ほど来たびたび説明がありました石炭とか、電気とか、そういうものの計算からいつて、大体平均原価で行くとそのくらいになるだろう、こういうことでやつたのか、私は後者の石炭電気その他のことによつて出したとすれば聞く価値はないと思う。そういう意味においてはこの資料はどうして出したのか、聞く価値があると思うのですが。
  21. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今の点は通産大臣からも担当官から説明をさせたいということでありますから、その趣旨でよろしうございますか……。
  22. 柿手操六

    説明員柿手操六君) この平均原価試算のほうは、原材料単価は、これは一々の会社契約石炭で申しますと、鉱山と硫安会社との契約を調べたのではなくて、大体使う額の見当を付けて、担当官のところで試算したものでございまして、それから大体原材料のほうは物量的にはこういう方法ではどのくらい、こういう方法ではどのくらいというのが、事務的に大よその見当が付きますから、量のほうはやや正しいものが出て来ると考えられますが、取引単価のほうは、これは各会社別調査をしたものでなくて、客観的に燃料炭で言えば———とか、ボイラー炭———というような客観的な数字を使つているのであります。それから表の下のほうに参りまして、労務費なんかにつきましては、これは労務加配米等から大体人数がわかつておるのでございますが、労賃に関しましては、これはなかなかむずかしいのでございまして、各社相当違つております。これも厚生省その他に問合せまして、やはり見当を付けたのでございます。それから減価償却、これは考課状等から硫安関係のものを大体抜き出しまして、その金額もいろいろ建物とか、或いは建物の種類によつて耐久年数等は非常に違うのでございますが、それを総額約———でございますが、その———平均———というような客観的な耐久年数概算を出しているのでございます。又本社等につきましても、これも硫安会社と申しましても、硫安会社は十四社ございますが、これの資本金は現在約百三十五、六億でありますが、いろいろなものを兼業しておりまして、硫安関係というふうに見るものが約————くらいな見当で、約——というような量でございまして、これなどにつきましても、大体その会社の総売上高硫安肥料売上高というような比率を以ちまして概算をいたすというようなことをやつております。それから金利につきましても、製品、半製品原料等の流動的なものが約平均として製品——分ぐらい要るだろう。それから固定資産のほうにつきましての借入金社債及び長期借入等から大体——くらいだろうというふうな見当を付けてやつております。そういうふうに非常にまあ大数観察的なことをやつておるのでありますが、六社に関しましては、これは今申上げましたような費目がやや、殊に原材料等につきましては、こういう工事をやれば原材料はどういうふうに原単位が下つて来るというふうな、この工事内容説明すると同時に、この工事効果につきまして相当説明がございますので、それらを基にしまして、この六工場の分につきましては原単位及びその実際に取引しております取引単価というものもやや正確なものを把握いたしております。それから固定資産内容にいたしましても、やや正確でご、いまするから、それらの資産ごと耐用年数を考えまして計算をいたしております。金利につきましても、社債及び借入金内容もわかつておりますので、それによつて平均的の場合よりも、その工場、その工場に即した計算ができます。労務費関係につきましても、その会社一般労務費一般労務者数及び臨時人夫費等比率も大分違いますのを、それぞれその実情に即した内容がわかりますものはできるだけそれを採用いたします。賃金等相当工場によつてつておるようでございます。それらもその工場ごと調査をいたしておるのでありますが、これなんかにつきましては、私どものほうで思いますのは、公式な文書というよりも、常に推薦いたします場合には担当官とその会社担当のものがいわゆるヒヤリングと称しまして、事実上いろいろ口頭で以て質疑応答をいたしまして、それらの内容によつてここに書いてありますような試算をする資料を得ておるようなわけでございまして、この六社につきましては、この平均的原価として推算いたしましたものよりも一層これは確実性があるというふうに私ども確信しておるのであります。
  23. 河野謙三

    河野謙三君 今のようなことでお調べになるなら六社に限つたことはない。日本肥料工場全部出ると思う。これは何ですか、今の御説明によつて出したと同時に、開発銀行へ出しました書類ともこれは合致するのですか。それでなければ、今御説明のような調査方法ならば何も六社に限つたことはない、全部出せると思います。これはどういうわけです、この六社に限つたことは……。
  24. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 私ども原価に関する資料として調べましたものは、六社の開発銀行推薦いたしますものについて、こういうことを調査をいたしたのでございまして、その他の工場についてはいたしておらないのでございます。
  25. 河野謙三

    河野謙三君 ちよつと又話が元へ戻りますけれども、あなたのほうは開発銀行へ出すものについて調べた。各会社が出しましたものと、このあなたの御調査の結果どのくらいの食い違いがありますか、よほど大きく出ておりますか。
  26. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 私どもは各会社から開発銀行融資推薦をしてくれというので、いろいろその工事内容とか、工事効果等説明し、文書等も出しましたものもございますし、口頭ヒヤリングで出したものもございます。それらを総合いたしまして、私のほうで推算をいたしたものでございまして、会社開発銀行に正規の融資申請をいたします場合に、調査を出しておるかどうか存じませんが、出しておるものと合つておるかどうかということについては、私どもといたしましてもそれとの関係を調べてはおらないのでございます。
  27. 河野謙三

    河野謙三君 同じようなことを言つても仕方がありませんが、私はどこまでも疑いを深くするだけであります。もう一つこの際ちよつと肥料部長にお伺いしたいのですが、この六社は東北肥料であるとか、別府化学であるとか、新日本窒素であるとか、こういうのですね、Aが別府化学であるとか、Bが日本水素であるというふうなことは私は聞こうと思いませんが、大体この六社というのはもう一遍、どことどこの会社か、名前をおつしやつて下さい。A工場がどこであるかということは必要ありません。六会社がどこであるか、━━━━━━━━━━━━━━━━━大体常識でそういうことは六社を言つてもらえばわかりますから、六社の名前をもう一遍言つて下さい。
  28. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 六社は新日本窒素肥料株式会社水俣工場、それから東洋高圧工業株式会社砂川工場、別府化学工業株式会社、これは一工場しかございませんで、兵庫県の別府明石の附近にございます。それから昭和電工株式会社川崎工場、東北肥料株式会社秋田工場日本水素工業株式会社小名浜工場、この六工場でございます。
  29. 河野謙三

    河野謙三君 もう一度ちよつと細かくて大臣には恐れ入りますけれども、その六工場の中で、大分合理化されておりますから、最近違つているかも知れませんけれども、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こういうふうに大体この会社は高いほうに属する、この会社は安いほうに属する、こういう仕分けだけちよつと参考に教えて頂きたい。
  30. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これは私のところで調査いたしました六工場のリストを御覧頂けば、━━━━から━━━━━、大体━━くらいの差がありまして、その間にここにあるようなデイビエートがあるのでありまして、この他の社につきましてどの程度のデイビエートがあるかということにつきましては、確たるお答えが実はできないのであります。
  31. 河野謙三

    河野謙三君 農林大臣に伺いたいのですが、農林省としては生産費調査につきましてどういう努力をされましたか、それを伺いたい。私はほかのかたの質問もあると思いますから、時間の関係上私から意見を附加えますと、農林省生産費調査をしようと思えば、先ず第一に考えられるのは中金だと思うのです。中金は農家の零細な資金肥料工場に貸付けております。その場合には銀行業務の必要上必ずその会社の考課状その他をとつているわけです。こういうものは農林省手許におとりになつておりますか。
  32. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 農林省といたしましても、この肥料問題のかまびすしい折、どうしてもこの各メーカーのコストがどういうふうであるかということを知らずしては、なかなか農家に御納得の行くような価格であるとか、ないとか言えない。そういう必要を感じて只今法案の御審議をお願いいたしておりますが、成るほどお話のように、中金等の金融機関を通じてそういうことを承知し得る手があるじやないか、それだけでいいじやないかということであれば、又そういうことについての研究が或いは農林省で足りないかも知れません。けれども、私はそれは十分ではないと無論思つておりますが、併し実際問題として中金等を通じてそういう融資に関連して生産費調査しているかどうか。これはまあ大臣がやるべきことであるとおつしやればそうですけれども事務当局でさような処置をとつておりますかどうか、私はまだ報告を受けておりませんから、事務当局から御説明申上げさしたいと思います。
  33. 河野謙三

    河野謙三君 いや、私はこの法案を出される以上は、当然現在の日本硫安工業の現状はいずこにありやということを、これは当然に政府が持たなきやならんのですよ。持つべき手段方法があるのじやないか。これが絶対正確なものであるか、ないかは別問題として、一応政府が知り得る範囲においての調査をして、これこれだというものがなくちやならん。その知り得る範囲ということが考えられるのは、これは通産大臣は特に御存じでしようが、国税庁だつて或る程度の参考資料は出るのじやないですか。若し農林省関係ならば、あなたの監督にあるところの、農林大臣の監督にあるところの中央金庫にですよ、金融機関として金を貸す場合にそんな資料というものは要求しているべきはずです。あるはずです。それくらいはなぜおとりにならないか。それが勿論絶対的のものじやありません。何にもないで、ただ通産省から大体話を聞いて、そうして安定帯価格なんと余計なことを勧奨して、私は安定帯価格というのは悪いというのじやない。安定帯価格をいろいろ斡旋するなら、するように硫安の価格というものは如何なるところが妥当である、公正であるということが先ず腹になければ安定帯価格なんという口出しする資格は出て来ない。安定帯価格は先日本会議江田さんとの話がありましたが、安定帯価格に対しては通産農林両省はいろいろ指導をされましたが、どういう根拠に立つて指導をされたか、価格の面について如何なる根拠を持つておられるか、これを私はお伺いしたい。
  34. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 農林省といたしましては、価格についての資料はとつておりませんからございません。安定帯価格は先日江田さんにもお答え申上げましたように、とにかく権威ある、よるべき根拠がございませんから、併しながら実際商品としてそこに流通いたしておりまする以上は、一応の基準というものはやはり市価によるわけでしようし、その市価に加味するに生産の見込でありますとか、或いは内需の動向でありますとか、それがこういう値段で作れば農家経済にどう影響するとかいうようなことを彼此勘案して、そうして安定帯価格というものを設定しておる、こういうふうに私は了解いたしております。
  35. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、仮に今度の法案が通つて政府責任において生産費調査された。その結果仮に七百五十円と出た。そうしますと、今まで通産農林両省が斡旋されました安定帯価格の八百五十円なり、六十円と、そこに実に百円の差があるという場合にはこれは責任をお感じになりませんか。それはその当時はわからなかつたから仕方がないと、こういうことで、それでは私は農民には応えることはできないと思うのですが、それが今の農林大臣お話を聞くと、現状においては法律が通る前であるから、調査方法がないから仕方がない。百円違おうが、二百円違おうがそれは仕方がない。こういうことですか。私は少くとも若しそういうふうな、仮にですよ、七百五十円というようなものが出た場合には、非常に私は通産農林大臣責任があると思う。そういう責任をお感じになりませんか。
  36. 保利茂

    国務大臣保利茂君) そこで私は江田さんにも先日本会議でお答えいたしておりますように、この安定帯価格というものは絶対に高いとか、安いとかいう断定をすべき根拠も資料もありませんということを私は正直に申上げておるつもりでございます。従つて実際裸にして、それを政府の権根で調査をしてみまして、どういう結果が出て来るかということは、これは実際やつてみなければわからんのじやないかと思うのです。そこでその上に立つてどうだということは、これは純然たる仮定上の問題になろうかと思いますから、これ以上お答えすることは御遠慮申上げておきたい。
  37. 河野謙三

    河野謙三君 いいえ、それはおやりになるべきことを、すべて尽すべきことを尽して、例えば国税庁からも参考資料をとつてみたり、開発銀行も若しあなたのほうの手を通つていないとしても、今度積極的に通産省のほうから肥料行政上両法案説明は大事であるから、一つ教えろということでやれば私はとれると思う。今の中金の場合は農林省が中金に若し出ておるなら、参考になるかならないか知りませんけれども、それは知り得ることですよ。そういうことをやつた上で而も間違つたならば仕方がないけれども、今のお話でも通産省でも大したものはとつていない。農林省でも何もとつていない。そうして安定帯価格というものをいろいろ幹旋して来た。いよいよ法案が通つたら百円違つた、これで一体いいでしようか。私はいいとも思わない。大臣は腹の底からこれをいいと思つておられますか、これを伺いたい。
  38. 保利茂

    国務大臣保利茂君) どうもその点先ほどお答えいたした以上に私は申上げることはでき」ません。
  39. 河野謙三

    河野謙三君 今後とも積極的に生産費調査をされようとは思いませんか、そういう手段を尽そうとお考えになりませんか。
  40. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 有効適切な方法があればいたすことにやぶさかではございません。
  41. 河野謙三

    河野謙三君 あればじやございませんよ。人ごとのようなことを言われても困りますよ。あなたが提案者じやありませんか。有効適切な方法があれば……、あなたは向う河岸のことを言つておる。大臣、あなたが両法案を出しておられるのですよ。あなたは肥料行政責任者ですよ。農民にあなたが応えておるのですよ。有効適切な方法は何です。教えて下さい。
  42. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 有効適切な手段として法案を是非お願いいたしたい。こういうことを申上げておるのです。
  43. 河野謙三

    河野謙三君 私はもうやめますけれども、有効適切な方法として両法案を出した。両法案の審議に当つて肥料原価については何ら参考資料を持たなくても、議員は当然審議に差支えない、政府は又そういうものは当然出す必要はない、こういうふうなことですか。
  44. 保利茂

    国務大臣保利茂君) あるものは無論これはできるだけお出しをして御審議の便にしなければなりませんけれども、ないものは、これは出せと言われてもいたし方がないのじやなかろうかと私は思つております。
  45. 河野謙三

    河野謙三君 いや、ないとおつしやるけれども、私はいろいろやるべきことをやつていらつしやればいいんですが、今のあなたの御説明を聞くと、やるべきことを一つもやつてないじやないですか、中金というような話は……。私は中金のことを言つておるのですよ。中金から、一応肥料原価について中金としての何か資料があつたら出してもらいたい、説明をしてもらいたい、こういうことを言つておるのに、あなたは湯河さんを呼んでお聞きになつたことがございませんか、全購連からお聞きになつたことがありますか、これを私は伺いたい。
  46. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 私は直接事務をとつておりませんから、事務をとつておる責任者から申上げたい、こう申上げております。
  47. 河野謙三

    河野謙三君 それでは事務当局から御説明願いたい。
  48. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今河野委員お話は、前々から当委員会におかれまして私どもにいろいろお話があつたところでございまして、常々生産費の把握ということには多少ながら努力をいたしております。只今問題になつております農林中金の問題でありますが、中金が肥料会社融資をするといつたような折も、審査の場合に資料参考にならんか、こういうお話でございます。如何にも御尤もなお話でありますが、実は中金は御承知通り肥料会社融資をするといつたようなことは実は本来の筋ではございませんし、なかなか大事をとつてつております。従つてみずから内容を審査してでなければ危ないと……で、こういつたような融資の形をとつておりませずに、例えて申上げますれば、必ず銀行保証を付ける。銀行保証が付いているものに限つて中金が面倒を見るといつたようなことになつておりますが、そういう関係からも会社の個々の具体的な内容について深く審査をいたしておらないようであります。従いまして原価推算ができるような資料はないようでございます。
  49. 河野謙三

    河野謙三君 私は若し中金が農民の零細な金を預つて、これを仮に短期にしろ、いわゆる員外貸付をする場合に慎重な態度をとつて、あらゆる資料手許に取寄せて検討をしないで貸そうとすれば、非常な怠慢であると同時に、農林省としては……。私はこの点につきまして、次回に中金の責任者を呼んで肥料工場融資につきまして説明を求めたいと思いますから、委員長に計らつてもらいたい。私は他の委員の御質問もあることですから、納得のしないままで質問を一応私は保留いたします。
  50. 江田三郎

    江田三郎君 この数字は利潤を含まない、こういうことですが、今の、現状メーカーの利潤というようなものは取引に当つてはどの程度見込まれておるような推算をされているのですか。
  51. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 先ほども説明いたしましたように、現在の硫安工場硫安会社十四社、硫安会社と申しましても合成でないのは別でございますが、合成硫安をやつているのは十四社でございます。十四社の総資本金は払込済が百三十五億でございますが、十四社それぞれ内容が違つておりまして、その会社の殆んど九九%硫安をやつておる会社もございますし、それから旭化成のような殆んど人造絹糸、爆薬等を主こしている会社なんかは全事業分量の—%でございますし、それから宇部興産とか、或いは住友のような非常に硫安をたくさん造つております会社でも、—割見当硫安関係というふうな事業分量になつておりまして、硫安関係の百三十五億のうち、資本金がどのくらいであろうかということにつきましては非常に推定が困難でありますが、先ほど御説明いたしましたようなふうに、大体総売上高肥料売上高というもので推定しますと、大体百三十五億のうち———億ぐらいが硫安関係の払込済資本金というふうに推定をされるのでございます。そこでこの金を元にいたしまして一割五分配当の場合、二割の配当をする場合にはどのくらいの硫安トン当りに利潤を必要とするであろうかというような推算もいたしたものがあるのでございますが、それによりますと、これも又前提がございまして、一割五分配当する場合において、利潤の処分を法人税、法人事業税、法定積立金その他積立金、配当金というものをどういうふうな比率で考えるかということにも一つの仮定が要るのでありますが、それを私どものところで法人税四二%、法人事業税一二%、法定積立金五%、その他積立金——%配当金を——%というようなことを前提といたしまして、一割五分配当の場合におきましては、「かます」当り———、二割配当の場合には「かます」当り———、今この平均で現在のところで私ども推算いたしましたのは、お手許にございますが、ちよつと、————————と書いてありますが、下に一「かます」当りというのを書くのを落しておりますが、———————というのは「かます」当りにいたしまして————————ということになります。ドルに換算いたしまして——————————でございます。大体———————という数字に見合う金として、大体今のような前提としていろいろあるのでございますが、それらの推定要素を以ちまして、一割五分の場合に一「かます」当り—————、二割の場合に—————、なおこの際お断わりいたしたいのでございますが、この前も生産量の資料提出する際に、二十八年度の生産実績という表を差上げましたが、それで御覧頂きますとわかるのでございますが、できますアンモニアを全部硫安に換算いたしました数量は、二十八年では二百三十万三千トンでございます。そのうち硝安とか、尿素とか、いわゆる肥料以外に、硫安換算二十七万トン行つております。実際に肥料用、硫安会社肥料用は二百三万三千トンが使われておるということでございますが、その肥料工場の中のそれぞれ硝安でありまするとか、尿素でありますとか、硫安でありますとか、それぞれの経費区分が非常な詳細な要項でも作つてやれば別でありますが、なかなか現在の手許ではわからないのでございますから、二百三十万三千トンというような、それでアンモニア全部換算した数量で今の————払込済資本金を元にいたしまして、推定を元にいたしまして、今のような利潤を試算をいたしているものがあるのでございます。
  52. 江田三郎

    江田三郎君 今の平均原価————————として一割五分配当の場合が「かます」———、二割の場合が————ということですが、最近の業績を見まするというと、いずれも一割五分から二割五分の間の配当をやつているということになると、—————或いは———、或いはそれ以上の数字が出て来るわけです。ところが現在の市価というものが、農林大臣のお答えで行きますというと、八百二十円乃至三十円、こうなると、明らかに内需においても出血をしている、輸出の場合においてはかねがね問題になつているように、これ又出血だということになると、一体この硫安工業というものはたこ配をやつているのか、どういうことになるのですか。
  53. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 会社の経理の実際の内容につきましては、私どもつまびらかにしておらないのでございますが、ただ最近の市価は少し、農林大臣の御説明をされたと仰せになりまする八百二、三十円というのは、或いは少し違うのじやないか。先ほど来お話になりました安定帯価格というものは、去年の秋肥は月によつて限月差がございましたが、大体メーカーの手取り平均八百五十五円秋肥、そういうふうにきめておつたと思います。それからこの春肥は、八百三十三円からスタートしたのでありますが、八百四十三円を平均にして、八百三十三円からスタートして八百五十何円ですか、要するに八百三十三円を春肥のスタート値として、平均八百四十三円、現在は農林省において市価の調査があつたと思うのでありますが、八百五十五円程度になつているのじやないかというふうに考えるのであります。
  54. 江田三郎

    江田三郎君 農林大臣の八百二、三十円というのが間違いであるというなら、まあそれでもよろしいが、併し今の四月の建値にしましても、実際には全購連とメーカーとの間に「かます」十円くらいのリベートの問題が現に起きているわけであります。それから計算しましても、今の一割五分、二割、二割五分という配当から行くと、どうしたつて内需において出血をしているということははつきりしているわけです。これはまあ愛知さんに一つお尋ねしますが、これはもう数字ですからはつきりしていると思う。そういうような出血をし、内需においても出血をし、輸出においては更に出血をしているものが、而もこの配当をやつている。誠にこの不健全な経営をやつているということになりますが、そういうところに開発銀行があなた方の意見を聞かずに融資をしているということは非常に危険なことになるわけですけれども、又農林省関係にしましても、農林中金の金がそういう不健全な事業に出ているということは、私ども農民の利益のために、これは問題にしなければなりませんが、そういう点はどうお考えでございますか。
  55. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) この現在の肥料会社のあり方というものは、今は申すまでもなく自由企業でございますから、その経営の内容について、配当の制限をするとかというようなことはやることはできませんし、又私は今後の問題としても、その必要はなかろうと思います。ただこの今の全購連とメーカーとの間でどういうふうな引合になつておるか。そのリベート等の問題も含めて、翻つて経理の内容についてどういうふうな影響になるかということについては、私もなお今後とも調べてみたいと思いますが、一般論といたしますれば、開発銀行融資の対象等において不健全な経理状態にあるようなものに、一般論として金が大量に出るということは好ましいこととは存じません。
  56. 江田三郎

    江田三郎君 農林省のほうでは、中金の資金運用についてどういうようにお考えになりますか、今の問題に関連して……。
  57. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 勿論農林中金の金が肥料会社等に流れるということは本筋じやございません。ただ時期的な余裕のある場合に、短期の貸付をするということでやつておるのでございまするが、その場合でも勿論不健全な企業に流れるということは好ましくないので、当然そういうことのないようなふうに指導すべきであると存じます。それから先ほどの硫安の価格でございますが、秋肥につきましては、先ほど肥料部長からお話をいたしましたように、卸売価格で申しまして、「かます」当り八百五十五円見当であつたわけでございますが、大胆が申上げました八百二十円或いは三十円と申しまするのは、全購連が共同計算をいたしておりまして、この十二月から一月、二月にかけまして、その共同計算を締切つた場合の価格でございまして、いわゆる市価とは違います。又メーカー等が月別に立てておりまする限月の価格とも違います。そして而もこの二、三十円になつたと申しまするのは、極く最近と申しまするか、十二月以降の問題でございまして、秋肥ではさようなことは共同計算の結果にも出て参らないのであります。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 八百二、三十円は共同計算であるというように、まあ誠に臨機な註釈をお付けになれば、私はそれでもいいと思います。いいと思いますが、併し現在の建値についても、リべートの問題が起きているということははつきりしているわけです。それが内需でもそういうことになる。輸出になるともつと大きい出血になつているということはかねがね言われている。どう考えてみたところで、硫安工業が一割五分、二割、二割五分というような配当ができるはずはないのである。配当がそういう配当になつているということは、これは通産省でも、農林省でも十分御承知のはずなんです。この原価資産というもの、或いは六工場原価というもの、こういうものについては、今初めてわかつたことではないわけであります。そういう若しも数字が正しいとしたら、非常に不健全な形をやつているものに通産省なり、農林省なりが、今まで知らん顔をして、素つとぼけて融資推薦をされておつたとしますならば、私どもはどう考えてもこれは納得できない。若しそうでないというのならば、この計算が、この原価資産なり、六社の原価というものが実質はうんと違つておるのじやないかというように考えなきやならん。実質がうんと違つておるのか、或いはあなた方が官庁として当然監督すべきことを放棄されておつたか、どちらかの結論になると思いますが、それは一体どちらでございましよう。農林省通産省はどうお考えになつていますか。これは通産大臣農林大臣からお答え願いたい。私が言うのは、今数字ではつきりもうお問いしているのですから………。
  59. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私は先ほど申上げましたように、その点は、時期を、何と言いますか、配当の問題もありますが、同時にこの価格或いはその当時の経理状況というその時期を併せて見なければ、これは十分調べた上でなければはつきりしたお答えは私はできないと思います。ただ一般論は先ほど申上げた通りでございますが、同時にこれは私企業で、新らしい企業でございまするし、それから一面から申しまして、これはやはり一般論になろうかと思いますが、会社の企業経理を健全にするということについては、増資も各会社は計画しなければなりますまい。又開発銀行だけから金を借りるわけではないわけでございまするから、そういう点を見合せまして、会社の健全なる経営として、どういう点に注意すべきであるかということは、会社の経営者といたしましても勿論十分な私は配意をしておるものと考えます。
  60. 保利茂

    国務大臣保利茂君) まあ農林中金から短期融資にしても廻つて、その中金融資が不健全融資の形になるということは、農漁民の利益保護という上からいたしまして重大な問題でもございますし、それにつきましては農林中金当局におきましても無論細心の注意を払い、又それを保証付けるところの措置もとつて余裕資金を一時短期に融資しているという措置をとり、又農林省としてもその点につきましては十分監督をいたしておりますから、その面からいたしましては問題は生ずる虞れはないと存じておりますが、只今江田委員お話のように、まあ只今までの数字を元として、よつて肥料会社はたこ配しておるじやないか、それじやいかんから、もうそろそろ健全を保証するために、或いは配当抑制等の措置をとらなければいかんじやないかというような御趣旨になつておるのかと思いますが、そういう点は実際問題としてどうでございましようか、今通産大臣が言われまするように、会社を経営している経営者といたしましては、その会社経営のいろいろの面で、或いは銀行筋、融資の筋の面に対してその健全性を保持して行かなければ将来の経営が困難になるわけでございましようから、どうもたこ配をしているということも断定的には言えないのじやないか。又硫安工業というものが、関連事業がどつちが主産物か副産物かわからんというような形で行われておりますから、その事態からのみその会社の健全、不健全性を言えないのじやないかというふうに私は感じますけれども、御満足が行く答弁は私にはちよつと困難だろうと思います。
  61. 江田三郎

    江田三郎君 まあ今の答弁では、通産大臣の答弁も農林大臣の答弁も私としては非常に不満足でして、特に造船の問題その他いろいろな問題が出ておるとき、或いは硫安工業につきましては曽つて昭電の事件がありましたし、こういう点どうもよほどはつきりして頂かんと私ども困ると思うのでして、何にいたしましても私企業だ、私企業だと言つたところで、市中銀行が貸出すのと違いまして、開発銀行なり農林中金なりというものが相当の金を貸しているものが、ともかくも出て来た資料を正確なりとすれば、はつきりと不健全な経営になつているわけです。或いはこの出されたところの資料が間違いだというのなら、それなら又わかります。これが正確だという限りにおいては、どうやつてみたところで不健全なたこ配をやつているということになるわけです。国家の資金或いは農民の零細な資金がたこ配をやるがために貸出されているということになると、これは由々しい問題だと思いますが、まあほかの委員のかたもおられますから、私は更に自分自身でもこの問題については検討したいと思いますが、委員長にお願いしておきますことは、先ほど河野委員から中金の問題がございましたが、私はやはりそのときに開発銀行一つお呼び出しを願つて、私どもの納得の行くように調査をさせて頂きたいと思います。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 さつきめ説明ですね、その資料説明です。これは一トン当りが大体基準で出ているのですか。
  63. 柿手操六

    説明員柿手操六君) あれはトン当りの……、千キログラムを一トンにしたトンであります。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 トン当りで全部出ておる……。
  65. 柿手操六

    説明員柿手操六君) そうでございます。
  66. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこで石炭はトンに対してどれくらい使つて—————、こういうふうに出ておりますか、それを大体単価をずつと入れてもらいませんと、わかりませんがなあ。石炭はどれだけの量で—————、コークスはどれだけの量で—————、ガスは何リツトルで幾ら……。
  67. 柿手操六

    説明員柿手操六君) A工場でございますか。
  68. 清澤俊英

    清澤俊英君 全部ですよ。全部違うでしよう。
  69. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 違います。それではA工場から御説明いたします。
  70. 清澤俊英

    清澤俊英君 どうせ細かいですから、これはあとで一つ工場ごとに所要トン当りの原材料の明和を一つ資料で頂戴しとうございます。
  71. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 承知しました。
  72. 河野謙三

    河野謙三君 私はこの機会に、折角通産大臣が御出席なつたのですから、速記を止めて秘密の懇談会を私は開いて頂きたいと思います。如何でごいますか。
  73. 鈴木一

    鈴木一君 その前にちよつと聞きたい。先ほどこの表に基いて開銀の融資の対象になつておる六工場の名前が出たわけでありますが、その六工場通産省のほうで、開銀へ推薦した根拠と言いますか、そういうことについて伺いたいと思います。それで自由競争のためにコストを引下げようということは各メーカーの熱望するところだろうと思いますし、又輸出があのような出血というようなことでありますので、恐らく各メーカーとも開銀の融資を熱望するだろうと思います。硫安工業協会のほうで、本年度はこれとこれだというような申合せと言いますか、統制をして、そこだけにするものか、或いは各社がばらばらで出したものを、通産省のほうで六工場なら六工場というふうに推薦するのか、その推薦する際の基準というふうなものもお伺いしたいと思います。
  74. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 二十八年度におきましては、最初に希望のありましたものは六社でございまして、これ以外に希望しているものはなかつたのでございまして、硫安業者の中で協定をしてこの六社にしたというようなことはないと存じます。六社が希望いたしたのであります。私のほうで、希望したのにかかわらず順位が悪いからといつて推薦を取止めたというようなものはないのでございます。
  75. 鈴木一

    鈴木一君 推薦するからには、融資に該当するということを通産省自身がはつきり判定しなければならない点もあるのでありますが、単に窓口というだけではないと思うのですが、その際の判定はどういうふうにされているか、それをお伺いしたいと思います。
  76. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 一昨年の秋以来の出血輸出の状況から見まして、これは原価の低下、コストの引下が相当の額に達するものは、これはどの工場でも全部推薦すべきだという考え方であつたのであります。
  77. 鈴木一

    鈴木一君 ちよつと聞こえなかつたです。もう一回。
  78. 柿手操六

    説明員柿手操六君) ちよつとどうも私この前入れ歯をしたばかりでありまして、どうも言語が非常に不明瞭で相済みません。ちよつと聞取れなかつたことでございますので、もう一遍お答えいたします。(「そのくらい正直に言えばいい」と呼ぶ者あり)六社が希望したのでありまして、その六社全部を推薦したのでございまするが、どの程度以上原価が下るものを推薦するという基準はないので、各社とも相当まだ国際価格相場に近寄せるため、原価低下のために合理化促進をやろうというものは皆推薦するという気持で推薦をいたしたのであります。
  79. 鈴木一

    鈴木一君 一応窓口として推薦されるのはよくわかりますけれども開発銀行融資の規程を見ますと、いろいろな面倒な詳細な報告をするようになつておりますが、その中に生産商品別の原価を出せということがはつきり出ているわけなんですね。ですからこの融資が決定するからには、そういうふうな資料も出しているだろうと私たちは思うわけでありますが、融資が一応きまつたら、当然推薦したものとしてはどういうふうにきまつたかということをはつきり把握しておくということが当然の仕事だと思うのでありますが、そういうふうなことはおやりになつていないんですか。
  80. 柿手操六

    説明員柿手操六君) この二十八年度の融資の決定は非常に遅れまして、極く最後はほんの一週間くらい前にきまつたということを聞いているのでありますが、その開発銀行融資を御決定になつた際の、どういう審査の状況で御決定になつたかということにつきましては、内容については伺つておらないのでございます。
  81. 鈴木一

    鈴木一君 それは伺つていないという御答弁は事実であるかも知れませんが、併しそのままで放置しておいていいのかどうか。どういうふうな条件で融資がきまつたかということを確認しておく義務がないのか、その点どうお考えになりますか。
  82. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 私どもとすれば、推薦した会社工事融資によつて竣工いたしますれば、その後の貸借関係と申しますか、その関係はこれは開発銀行とその硫安会社との関係だと思うのでありまして、その工事融資されたその目的のために着々実行されて、コストの低下が実現するようにするということについての関心と言いますか、注意、それは十分して参りたいというふうに考えております。
  83. 鈴木一

    鈴木一君 柿手さんに幾ら聞いても本当のことは喋らないようですから、これ以上追及いたしませんけれども、結局そういうふうに政府資金を使う場合は、当然の義務として内容について積極的なタツチをする必要が私あると思うのでありますが、そういうことをしないから造船疑獄とか、昭電事件とか、そういうものが起ると私は思うのです。これ以上申上げましても、実はこの前も言つたことを簡単に繰返して言つておられるようでありますから、これ以上追及いたしません。
  84. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ちよつと今鈴木さんの御質疑につきまして、秘密会でもございますから、私ざつくばらんに意見を申上げたいと思うのであります。先ほど申しましたように、私の感じとしては、或いは結論的に申しますと、羮に懲りて膾を吹いたという御非難があるかも知れないと思いますが、復金のときに昭電事件等がああいうような恰好で起りましたときに、すべて行政部も含めてでございますが、この特殊金融の融資について積極的に政府側は関与しないということで、この開発銀行というのが新たにできたわけでございます。その結果運営方法等については、先ほど河野委員のお尋ねにも申上げました通り、このやり方がいいか、悪いかは別問題だと思いますけれども、実際現状におきましては、只今柿手部長から申上げました通りで、開銀からの融資に各肥料会社が申請をするのは直接やつている。それからどういう話合でどういう計算を納得して開銀が貸すことにしたかということにつきましても、少なくとも法規上は何ら政府から報告する義務はないわけであります。総体的に開発銀行としてはその融資について全責任を負うている恰好になつております。従つてものによりましては、これも非常に雑駁な言い方でありますが、開銀が例えば審査部を通してどういうことで貸付をしたか、どういう書類が会社から出ているかということについては、開発銀行側に通産省或いはそのほかの政府機関が照会をいたしましても、これは都合上その点は出せないということであればそのままになる。これがいいことか、悪いことかは、くどいようでありますが、別で、現在の扱い方はさようになつております。そこで事実上できるだけ連繋を強化いたしたいと思いまして、その方面に努力をしているようなわけでございます。
  85. 鈴木一

    鈴木一君 いいことであるか、悪いことであるか、そういうふうな判定は、立場は別といたしまして、今この法案について原価がどうなつているのだというふうな、別にこれを通すとか、通さないとかいうことでなくて、真剣な立場から、硫安を安いものにし、輸出もできる、国内価格も安くしたいという立場から真剣に我々がそういうコストの問題を取上げている際に、そういう建前になつているから資料は出せないというふうな態度が私たちとしては了解できないんです。ですから過去は、今までの方向がどうであろうと、事この段階に来たら、政府としてはこの法案を出した責任上、そういつた資料提出するのが私は当然じやないかというように考えて申上げたのです。
  86. 戸叶武

    戸叶武君 今愛知通産大臣からお話を聞いて我々が驚いたことは、とにかく復金の失敗に懲りての結果とは言いながら、開発銀行に与えられている自主性の名によるところの権限というものが非常に強大に過ぎるものだと思うのです。而も我々の立法府に対してこれだけの法案を通過させなければならんというときに、行政府としての政府が立法府に対して立法措置に必要なるところの資料というものを提出することは当然のこれは責務です。その責務を果せないほど開発銀行というものは絶大な権限を握つているのであるか、奇怪至極である。これは我々のこの法案をとにかく審議する過程においては、どうしても開発銀行の当事者に来てもらつて、特にこの問題だけではない。これは復金問題よりも大きな問題で、開発銀行の犯している過ちというものは、日本の今の政治的不安の根柢をなしている。我々はこの農政の面において或いは通産行政の面において、これはとにかく復金の問題以上に開発銀行の問題に対しては、しつかりとした我々はその実相をつかまなければ、この立法措置に応ずることはやはりできないと思う。大体こういうふうに、とにかく国会をなめて来るのは官僚自身というものが立法行為に対して非常に不まじめだと思うのです。少なくとも我々が立法行為をやろうとするならば、それに対しては正確なデーターを持たずして我々が立法行為はできない。事実上においてはこの行政府としての官僚組織の中においてはデーターを持つているはずだ、持つているのは持つているというのだけれども、それを出すと、いろいろな業者や何かに渡りますと差障りがあるから、まずいからというので、今度は政治的なやり繰りで以て持つていないというし、まだ不十分であるという、いい加減な言い廻しをして来ているのでありますが、例えば硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案を見てもわかりますように、硫安の生産者に対して硫安工業の合理化を促進するため必要な資金について融資の斡旋その他適切な措置を講ずるものとするという条項に見られるように、国家資金を我々が融資するなり、導入するなりして行く繰作というのは、これは政府は現在考えているような簡単なものではないと思うのです。それを非常に今日農林大臣なり、通産大臣の話を聞いていると、まるでよそごとのように話をしておつて、我々を納得するものが一つもなくて、各党各派の人から全部反撃を買つていると思いますが、この今までの例えば開発銀行の六社に対する融資状況でも何でも、今の話を聞くとさつぱりはつきりわかつていないようですが、通産省なり、農林省なりは、各社に対してどれだけ融資したという点は正確に握つているのですか、その点を通産大臣なり農林大臣にお伺いしたいと思います。
  87. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 先ほど申上げました通り開発銀行が何年何月に何社に何万円貸したかということは勿論政府承知いたしております。
  88. 戸叶武

    戸叶武君 それでは今まで六社に対してどれだけの融資が行われているか、その数字を承わりたい。
  89. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 先ほどちよつと申上げましたが、二十八年度の六社につきましては金を貸付けたものもございますし、貸付ける予定のものがあつて、まだ手続が済んでないものもあろうと思うのでありますが、大体のところは━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、合計七億一千万円であります。
  90. 戸叶武

    戸叶武君 この各社のを見ると、生産高においても或いは生産コストにおいても、皆まちまちのようでありますが、この貸付高は殆んど一律になつているようですけれども、こういう根拠はどういうところから来ているのですか。
  91. 柿手操六

    説明員柿手操六君) この辺になりますと、実は先ほど来開発銀行は各産業の各社から申請されまして、いろいろ実際には開発銀行対それぞれの会社の間のお話合でございますので、その内容についての御説明は私ども聞かれるのでありますが、ただ金額が大体似ている、製造設備能力が非常に違うのにかかわらず、金額が大体似ていると。いうふうな御指摘もございますが、実は各社ともそれぞれこの合理化工事をやるのに必要な総所要資金というものは総額が違うのでございます。従いまして総額に対してこの合理化工事の総所要資金と、それから開発銀行がそのうち融資いたしますことにきまつた額との比率は、これは各社ともその会社資金調達の状況、例えば総所要資金相当になりますけれども社債でありますとか、増資の非常に可能性の多いところ、或いは操業が非常に困難なところというふうなことから、直接開発銀行資金融資額というものがきまつて来ると思うのでありまして、その所要資金額に対する開発銀行融資される分というものは必ずしも同じ比率、同じような割合にはなつていないようであります。
  92. 戸叶武

    戸叶武君 この燃料や何かの点が、主として六社の表から見て非常な差が出て、とにかく三分の一くらいの大きな差があるということを示しているので、特に産業合理化の面においては、この燃料費の面というのが大きな対象になるのだと思いますが、而も各社生産原価の基礎になるところの原料費の問題においても、こういう差がある。それから生産能力においても非常な差があるというのに、この六社に対して殆んど均等割的に金が貸出されるなんということはほかの事業においては殆んど例のないことで、これには何か特殊のやはり一つの政治的配慮なり何なりがあるのだと思いますが、そういう点は農林省はどういうふうに考えておられますか、農林省なり通産省どちらでもよろしいですが。
  93. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 実際の開銀の融資の額の決定ということにつきましては、これは先ほど申上げましたように、その合理化工事というものの必要性が先ずあるかないかということを開銀で御審査になりまして、それをその総額をどういうふうな調達方法にするかということにつきましては、開銀がいろいろな関係金融機関会社等と相談されて御決定になるのでありまして、その間の経緯につきましては私ども承知いたしておらないのでありまして、必要でありますれば開銀のほうからお聞取りを願いたいと思います。
  94. 清澤俊英

    清澤俊英君 愛知さんにちよつと伺いたいのでありますが、先般新聞で見ますと、この分かどうかわかりませんが、大体投資融資として硫安と何かを特別制限していますね。融資をそういうものをおきめになるときには、開発銀行日本銀行にお任せになるのか、それとも国家産業投資というようなものをおきめ願うときは、一応僕らが概念的に見ておるところでは、結局増設投資はやめて、能率の高まるような投資にするとか、或いはこれが有望な輸出の面に向くのだからというようないろいろな条件を加味して、閣議において大体投資方向というものが定められているのじやないかと思いますが、その点はどうなつていますか。
  95. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) その点は只今御指摘になつ通りでございます。実は昭和二十八年度の融資関係して、その当時閣議がどうきめたかということは、ちよつと只今つておりませんでしたが、丁度たまたま一両日中に、二十九年度のかような関係の産業設備に対する、いわゆる財政資金の運用の基本方針というものを閣議できめてもらうということになつております。そういう際におきまして、どういうふうに現在やつておるかと申しますと、例えば日本開発銀行、それから農林漁業金融公庫、それから中小企業金融公庫、こういつたようなものは、いわゆる政府関係機関として、予算書の上でもその大づかみの資金計画は予算案と同時に御審議願つておるわけであります。それを受けまして、例えば日本開発銀行資金についても大筋の考え方として、例えば電源開発についてはどういうように考えるか、或いは国際収支の均衡に役立つものについてはどういうふうに考えるかというような基本的な考え方をきめまして、それに基きまして資金の大枠だけを閣議できめてもらうわけでございます。それを開発銀行に移すわけでございまして、開発銀行は、銀行という名前ではございますが、現在の制度といたしましては、一種の政府機関のようなものでございますから、その開発銀行がその与えられた政府の大方針の下におきまして、具体的な今度は何社に幾らを貸すかということを決定するわけでございます。その際に、先ほど戸叶さんも御質疑があつたようでございますが、これは一見すると、例えば各社に同じような金額が出ているからおかしいじやないかというお尋ねもございましたが、実は開発銀行だけがやつておるわけではございませんで、例えば小規模でありましても、その土地の銀行と特に意思疏通がいい場合に、市中金融から相当額の融資が実現されるというときには、自然開発銀行のほうが割が少くなることもございますし、いろいろそういつたような関係から具体的に本当に審査をいたしまして、融資を決定するのは開発銀行になつている、こういうふうな関係でございます。
  96. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこでですね。今度硫安会社融資が決定しますと、基本的なものは増設か、或いは設備改善か、或いは他のものを作るということによつて硫安の価格を下げるというようなことで、大体の融資をせられておるのではないかと思いますので、大体方向はどれなのか、その三つのほかなのか、三つのうちどれなのか、こういうことを先ずお伺いしたいと思います。
  97. 柿手操六

    説明員柿手操六君) その六社の合理化工事は、一口に申しまして肥料の増産になる部分はございません。大体原材料の使用量を少くしてコストを下げる、或いはそのためにはボイラー炭を非常に少くするために、そのボイラーの改善でありますとか、或いは肥料の形態を尿素に、硫安の形を尿素に変えますとか、それから硫酸の原価を下げますために硫酸の焙焼炉を作りますとか、或いはガスの逃げているのを回収しますとか、そういうふうに設備の合理化によつて幾分増産を伴うものも絶無ではございませんが、大体そのために量を殖すという点が目的でないので、大体コストの低下をするようにいたしております。
  98. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこでそういう設備合理化をやつて価格を下げなければならん、こういうものがきまります前には、少くとも各工場における特性的な性能が閣議に出る前に私は調べられなければならないと思う。そういう方向で金を貸出す、投資をどうしてもこれはやるんだということを決定する上においては、もつと明確な生産費というものができて、ここにはこれだけの穴がある、ここにはこれだけの穴がある、ここにはこれだけの労力が使われているから、これをこういうふうに改善して、こういうふうに持つて行くんだという大綱を下して開発銀行へ出さなければ、開発銀行というものは設備投資を、増産投資でない、設備増強ではなく、設備の合理化によるコストの引下の設備改善を行うということはできないわけです。それには少くともそれを決定する前に、どういうふうにしたらいいかということを決定する前に、それが入用だということを閣議に持出す材料がなければ、そういう国庫の金をこれだけ、十億なら十億、七億何千万円なら七億何千万円を、今度は閣議へ出してこういうことをさせるんだと言うからには、その基礎がなければならん。基礎のそれには生産費というものは当然、今のあなたのお話によれば機械一つずつの目標まできまつているんだ。それが生産費通産省でつかめておるとか、おられないとかいうことは、それは私は納得ができないと思うのですがね。どういうわけなんですか、もう一度はつきりさして頂きたい。
  99. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 今農林大臣衆議院へ呼ばれておりますので、ちよつと向うへ行つて頂いて、又お帰りを願いたいと思いますが。
  100. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 二十八年度に開銀で融資をいたしました六社についての、どういうものを対象にして融資がなされておるかという御質問に対してお答えしたのでありまして、これが閣議にかかります前に、こういうものは決定しておらなかつたのでございます。
  101. 河野謙三

    河野謙三君 この前農林大臣は、本委員会へたまたま出て来て、これから衆議院へ行くんだと言つて衆議院へは行つていないんだ。今度農林大臣衆議院へ行かれることについてよく確かめましたか、前科者だから……、必ず行つておりますか。そういう、委員会を無視されては困る。この前私はちやんと調べて来た。衆議院へ行つていない。
  102. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 農林大臣は必ず再出場するように私からも……。
  103. 河野謙三

    河野謙三君 そういうときには農林大臣はよく確かめて下さい。
  104. 清澤俊英

    清澤俊英君 今の話は愛知さんには少し無理だと思う。なぜかというと、自分の関係しておらんときだから、その当時の貸付の基本がわからん、どういう項目で閣議にかけられたかわからないと言つておる。少くとも閣議にかけて増設にするか何にするかということをやるときに、その基本があなた方資料を出さないで、当時は岡野さんであつたか、高橋さんであつたか、それはわかりませんが、とにかくに出されるときあなた方が資料を持つてつて閣議に諮らなければならん。その資料を出すとき、どこをどう改良するということを出さないで、そういう項目が決定するんですか、どうですか。
  105. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 私どもは二十八年度の開銀融資内容を決定したときは、まだ具体的にどことどこということは決定しておらなかつたように考えております。
  106. 清澤俊英

    清澤俊英君 然らばですね、とにかくね、閣議で決定するには大した材料は持たなくてれ硫安はちよつと高いようだからこれは金を貸して設備改善をさせる、合理化して少しコストを下げるように努力するために金を貸せるというぐらいのことできまつたと解釈してよろしいんですね。
  107. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 私も閣議にかけた内容を今存じませんからはつきりは申上げかねますが、そういう工場別、まだ二十八年度は硫安の特殊計画というものもなかつたように思いますので、どの工場にどういう分類で幾ら金を貸すということは閣議で決定されたとは思つておらないのであります。
  108. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私は先ほど申上げましたのは、今手許に二十八年度の開銀の資金計画についての書類を、今持つておらないということを申上げただけでございまして、別の機会にでもこれは御説明することにいたしたいと思いますが、只今柿手君から申上げましたように、開発銀行資金計画として、硫安工業について特に何十億円の融資をするということは、二十八年度の閣議においてはなかつたはずでございます。それから閣議でどういうことを決定するかということでございますが、大体こういうふうになつております。予算書にも出ておりますが、それを多少詳しくいたしまして、資金調達の面で本年度は全部で幾らになるか、例えば二十九年度におきましては約六百五十億円でございます。それを資金運用の部として貸付金に、例えば六百数十億の貸付金をする、その際電力、海運、石炭、鉄鉱、自家発、合成繊維、機械、硫安その他というようなところが大体いわば大手筋になります。で、そのうちの極く具体的に特に掲げるものは、例えば電力のごときものでありまして、電力については何百何十億ということがこの枠できまるわけであります。それから海運等につきましても、二十八年度には二百数十億というものがきまつたはずでございます。そのほかのものは石炭、鉄鉱等々について何百億というふうに閣議ではきまるわけでありまして、それから硫安工業についてきめるとすれば、特にコスト切下に役立つようなものにこれは充当するものであるという程度のことしか閣議ではきまりません。それを開銀に移すわけでございまして、爾後開銀において計画をし、融資をすることは先ほど申上げた通りであります。更にもう一つの問題は、通産省がそれに対してどういう態度をとるのかということについては冒頭に私としては詳しく申上げたつもりでございます。そういうときに我々がいろいろの立場から拾い上げてこれを参考にして開銀にも推薦をする、又通産省としても事務上の参考資料として持つておるというものが、先ほどお配りをいたしました昭和二十八年度開発銀行融資対象工場生産原価の調べでございますから、これは通産省事務当局としての参考資料である、これは生のままA工場から出て来たものでもございませんければ、このもの自体が開発銀行会社から行つたものでもございません。これは通産省としての資料でございます。こういうものを参考にして積上げて、こういう会社にはこのくらいの融資があつてほしいということを開銀に廻す、これが仕事のやり方であつて、それ以外に何も隠しているものはございません。
  109. 戸叶武

    戸叶武君 関連質問ですが、折角の秘密会ですから、もつとざつくばらんの質問をすることにします。これだけの合理化に重点をおくとするならば、合理化の根本方針が私はあると思うのですが、要するにこの前に肥料課長が言つたように、生産原価の問題をはつきりすると——————————と誤解されやしないかというようなことを以て躊躇の一理由にしたようでありますが、今までの示したいろいろな統計から見ると、この対象になつ肥料会社の中にも非常に生産コストが高いものもあると思うのです。併しそういうふうに合理化が遅れて生産コストが高い、瀕死の病人みたいな、そういう工場会社を抱え込んでおつて、それを理由として、どうもこの肥料の値段を吊り上げておるような傾向が我々にはとにかく反映してならないのですが、合理化というからには、勿論この立遅れているところの中小企業、中小企業ということでもないだろうけれども、この弱体工場と称しておるところの会社というものを成るところまで引上げなければならないでしようけれども、それを理由として、どうもその他の会社相当な儲けをやつて行くというおとりに使われるのではとても我々はかなつたものじやないので、どうもそういう傾向が我々の今までの、ずつと委員会を通じて見ておるのに強いのですが、そこのところはどうなんですか。
  110. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは私も先ほどから言つておりますように、ざつくばらんに申上げたのでありますが、私どもとしては持つておりますものは、その差上げましただけで、ただざつくばらんに言つてこれは自信もございませんし、会社から生でとつたものであつたとしたらなお更かも知れませんが、権限を持つて出し得るものでもないから秘扱いにして頂きまして、秘密会で御説明をしておるくらいであつて、私どもは何も隠したり、ほかに何か他意あつてつておるわけじやございません。只今御指摘のような点もその通りなんで、表の上にも現われておる通りであつて、合理化が比較的うまく行つておると申しますか、全体として私はうまく行つてないと思いますが、比較的うまく行つておるところもある。非常にまだ立遅れておるところもあるというのは御指摘の通りであります。併しその立遅れておるところに均霑して、そのためにそれに引合いにされて資料を出さないとか、或いは融資をどういたしておるとか、そんなことは全然これはもう私ども考えておりません。若しどういうところからそういうことをお聞きになるのか、何でございましたらもつと細かく具体的に御質疑願いたいと思います。
  111. 戸叶武

    戸叶武君 国家資金融資を受けるような場合に、造船会社においてもこれが問題になつておりまするが、一割五分なり二割五分というような高配当をしておりながら、而も産業合理化を名として国家資金融資を受けているというところには、相当なやはり合理化の実績というものが見えなくちやならない。それから合理化の促進といつてもそれにはやはり限界があるのであつて、合理化を名として政府資金をやたらに食われてしまうんではかなわないので、この程度まで努力してもこれはやはり駄目だというものは、これは切捨てなければならないであろうし、そういうけじめが実際問題としては大切であろうと思うのです。我々はいろいろな実態を、こういうふうなわかつたような、わからないような資料では暗中模索のような形でありますが、やはりその点をもつと明確にして、ABCDEFまであるが、こういう会社においても、河野君も一つ触れましたが、この会社はAクラスで以て非常な能率を挙げておる。これは中くらいだ。これは駄目だというような基準があるので、それに即応した合理化対策というものがおのずからあると思うのです。それで合理化に名を借りて、ともかくびつことマラソンをやるようなもので、このつまらない、もう駄目なような会社のその生産コストが高いのを理由として、全体がこれでは出血だというような理由でやられているのでは、いつまで経つても私はそれでは駄目だと思うのですが、そういう傾向がどうもあるように思われてならないのですが、そういうことをざつくばらんに言つて、ここまでやつて来たが、これ以上は駄目だというような線を出してもらいたい。
  112. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そういうことであれば、私も非常に御尤もだと思います。でありますから、どういうようにいたしますか、多分私の記憶違いかも知れませんが、当委員会にも会理化がこういう程度に進捗したというような資料もお出ししておるかと思いますが、そういう点につきまして更に具体的に質疑を願いたいと思います。
  113. 河野謙三

    河野謙三君 懇談会の席に申上げようと思いましたが、お話が出ましたので申します。今度のこの二法案によりまして生産費調査ができた場合には、国内の需要量の百七十万トンであるとか、百八十万トンであるとか、国内の需要量を満たす範囲のところで一番コストの安いところから順次とつてつて、その百八十万トンなら百八十万トンの中で平均価格を出す。それに農産物の価格を勘案する、そのときの物価情勢を勘案すると、こういうことになつているんですね。そういたしますると、今五十万トンも七十万トンも余つておるわけですね。国内の需要から見ると……。で、国内から見て余つておる分で而もコストの高い分ですね、これは私は当然将来とも切捨てられるわけですね。肥料行政を指導する政府の立場から申しますれば、政府の恩恵はこのほうは一応見ないことになるわけですね。そうでしよう。そこで具体的に言うとここに六つありますが、この中で私が承知しておるのは━━━━━━━━━━━━━━━━━━、これは大分合理化されておるようですが、これはこの二法案が通つた場合には、これはどうしても一番下位のほうであつて、これは切捨てられるものですよ。政府肥料行政の対象から見ればその埓外に入る。こういうところに今開発銀行の金を一億や二億の金をやつてみたところで、これが合理化されて今のCクラスの━━━━━などがAクラス、Bクラスになる可能性は絶対にないと思う。この二法案を出しておる以上は、これらの見通しは付いておると思うのです。これらの見通しはどういうふうに考えておられるのですか。
  114. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) この点は私は率直に申しまして、只今お挙げになつたような会社が完全に切捨てられるかどうか。これは何と申しますか、こういうふうな合理化の努力によつて、その線に上つて来るかどうかというところについて断定はちよつと私早計にするだけの現在見通しは持つておりません。
  115. 河野謙三

    河野謙三君 これを見ましても上下━━も違うでしよう。一遍に……。仮に━━━━━━━━━に今の程度の融資をして見たところで、これがとてもBクラスにも、勿論Aクラスにもならんという見通しはもう専門家の通産省はお持ちになつているはずです。それならたとえ一億の金でもAクラスの工場なり、現在Bクラスにあるけれども、これをちよつと程度を上げればAクラスになるというところに重点的に行くべきであつて、これを見ると殆んどCクラスのほうに重点があつて融資が考えられている。もつと具体的に言うと、この中には硫安を作るのではなくて、化成肥料を作るための設備資金があります。これは化成肥料を作ることによつて、その企業全体の合理化によつて間接的に硫安のコストを下げるという狙いはあるでしよう。あるでしようが、とにかく化成肥料を作るための資金が出ておる。一体化成肥料ができてそれが農村に渡る場合に、単肥の配合と同額若しくはそれ以下に安く化成肥料が渡るという自信があり、見通しがあつてそういう資金を流しておられるかどうか、これを私伺いたい。
  116. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 化成肥料というのはこの前から河野さんお話しでございますが、硫燐安のことでございますが、これは従来そういう肥料が必ずしもコストから見て、或いは成分から見て割安に売られなかつた、むしろ割高に売られたという弊害はございますが、確かに硫酸の代りに燐酸で加工をするのでありますから、コストはそれだけ安くなるわけであります。従つてこれは従来必ずしも安く売られておらなかつたということは私も認めますが、コストが安くなれば、これは安く売り得ると言つて肥料として成立つのでございますから、安く売り得るのでありますから、それはやはり肥料の合理化だというふうに考えておるのであります。それはこの六社の中で特別の事情のあるものが、これはこの一番安いほうは実は生産量もそう多くなく、特殊な条件の工場でありまして、こういうものはそう量的には多いものではない、平均的にはそんなにひどく差はないと思うのであります。それから━━━━━━━━━━━━━━━等の御指名でお話しになりましたが、これなんかも実は数年前までは非常な差があつたのでありますけれども、最近非常な合理化が進んで参りまして、そんなに差は、なくなつて来つありますと同時に、これらの工場が一流工場として立ち行くためには画期的と申しますか、今までの考え方と相当違えた合理化をやつて行かなくてはいかんというので、資料にもお出ししましたように、━━━━のごときは殆んど毎年と言つていいほど開銀から合理化資金の融通を受けまして、合理化工事をやつております。それから━━━━のごときは、ちよつとあの会社としてはどうかと思われるほど莫大な資金を投じまして、今までの考え方とちよつと違うような画期的な方法をも、相当な危険というか、思い切つた合理化をやつて来ておるような状況でございまして、私どもの目下の考えとしましては、今あります工場と大体同じような線で数年後には合理化がされまして、今の国内の需要を百七、八十万トンか、二百万トンぐらいと見まして、更に東南アジア地区、朝鮮、台湾その他の需要を百万トンから二百二、三十万トンぐらいと考えますと、三百万トンから、三百二、三十万トンの生産規模までは、大体日本の現在あります十七工場で合理化をやつて行けば、企業としてそう脱落しないでやつて行けるのじやないかというふうに考えておるのであります。
  117. 河野謙三

    河野謙三君 いろいろ合理化は進んでおることは承知しておりますが、いずれにしても、先ほども申上げましたように、法案通りますと、国内需要量の範囲内においての平均価格を出しておる、でありますから、五十万トン乃至七十万トン余りまする場合、一番コストの高いほうの分は国内の平均コストの中に計算が入らんわけですね。でありますから、それはいよいよこの法案が通つて合理化資金を流した場合に、どこの工場が一体筋がよくて合理化した場合に効果が上るか、どこの工場が筋が悪くて合理化資金を流してもいけないか、これはもう見通しが付いておるはずです。そういう見通しを付けて、私は資金を今からすでに流しておいでになる、とそういう場合に、この六社というものについて、私は少しく疑いを持つわけです。でありますから、開発銀行融資に当りましても、単にこれが銀行方面から、ただ採算が合うとか合わんということでなしに、もつと深く、遠い将来を考えての肥料行政をやる、いわゆる通産大臣の意見というものは、この肥料合理化資金に関する限りは、特にこれは私は開発銀行に強く反映しなければいけないと私は思うのです。これは曽つて昭和工事件等から考えまして、通産大臣のお考えもそれも一つの考えでありますけれども、併し少くともこの二法案に関する限りは、この開発銀行融資というものは通産大臣の意見がもつと強く反映しなければいかん、私はこう思うのです。なお私は事務当局にはしばしば申上げておりますけれども通産大臣に初めてでありますから申上げますが、この合理化資金が化成肥料に使われるということは、私はどうしても納得が行かない。それが仮に安くできて、そうして農家に化成肥料が安く売られるにしても、現在過燐酸工業というものは、設備過剰であつて、稼働率が非常に低い、それが非常にコスト高の大きな原因になつておる。それを更に燐鉱石を化成肥料の原料に使うところの硫安工場にまで分けるということは、ますます既設の過燐酸工場の稼働率というものは低下するわけです。従つてコストが下り、農民は高い過燐酸を買わなければならん、こういうことになつておるわけです。でありますから、ただ硫安工業のコストを間接的に下げる効果があるからといつて、化成肥料の設備にこの合理化資金を流すということにつきましては、私は納得が行かない、こういう意味合もありまして、もう少しく通産大臣から、この合理化につきましては、大臣みずから、御多忙でありましようけれども、深い私は御研究を願いたいと思います。同時に、私は最後に申上げますが、通産大臣だから私は申上げます。懇談会で申上げようと思つたのだが、私は四、五年この方の肥料行政を見ておりますと、通産農林両省事務当局はかわいそうです。鉄や石炭もそうかも知れませんが、私は鉄や石炭は知りませんけれども肥料行政ぐらい政治の圧力が加わるものはないです。私は一番よく知つておる。事務当局の意思によつて、純然たる事務当局の良心によつて肥料行政が運ばれていない。或る硫安業者の代弁者がこの議会の中におつたり、政府の中におつたり、そういうことによつて非常に歪められて来ており、幸い、先ほど私は申上げました、お世辞でなく、非常に清潔感を感じるところの通産大臣担当される以上は、これらのことも十分考慮に入れられて、肥料行政というものはうるさいものだ。特に政治的な圧力がいろいろ加わつてうるさいものだということを前提にして、勿論私は技術者も助けてもらいたい。事務当局も助けてもらいたい。同時に事務当局の良心に従つて通産農林両省関係者が何ら侵されることなく、肥料行政をまつすぐ進め、大臣責任においてやつて下さい。私は特に愛知君に希望いたします。なお、頂きました資料は、遺憾ながら私はこの間の当委員会要求に応えた資料思つておりませんので、これは別の機会に別な方法で、通産大臣が改めてあなたのできる範囲において開発銀行資料要求するなり、日銀の資料要求するなり、あなたに最も関連の深い国税庁の資料要求するなり、中金の資料要求して、もう一遍各社別の資料を作成して我々のところに届けてもらいたい。我々といえども、決して銀行に出したものをそのまま鵜呑みにしようとは思いません。企業家でありますから、銀行に出すときは成るべくコスト計算を安くして金をうまく借りたい。そういうことが作為的に行われることは当り前です。我々は我々の常識においてその資料に適当な判断を加えるのです。でありますから、とにかく大臣の手でできないことじやないのです。できることをやつてつた。そうして我々にこの程度のものを集めたけれども、これ以上はどうも資料が集まらないというところで、もう一遍私は資料を御提出願いたい。それとも我々が委員会においてこの法案審議に当つて資料要求をしたのは、これは単に意地悪をやつておるのだ、野党攻勢だというふうにお考えなら別ですが、大臣といえども我々の法案の審議に当つて、我々が現在用いる範囲のものを御提出願うことは、法案審議上私は当然の義務がある、政府としては義務がある、我々としては当然要求すべきものを要求しておるのだと思いますが、どうも意見が多くなりましたが、これに対して何か大臣から別に御意見があつた一つお伺いしたい。
  118. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) いろいろとお教え頂きまして誠に有難うございました。先ほど前段にお述べになりました点については、冒頭に私が申しましたように、現在の通産省開発銀行と業界との関係がよいか悪いかは別問題としてということを申上げた通りでございまして、私もこれについては相当考えなければならない点が多いと思いますので、十分私の立場におきましても改めて研究さして頂きたいと思います。これは硫安肥料に限ろ問題でないと思います。それから最後に資料の点でございますが、この点はどうも折角いろいろとお話がございましたが、通産省とし、或いは私といたしましては、これ以上はなかなか御希望に副うことができないのでございまして、只今お挙げになりました開発銀行なり或いは国税庁なり、その他、これはやはり国会とされまして直接に要求をされ、或いは質疑をされる対象でもございますので、私も勿論政府として申上げるのではございませんが、一つ十分委員長、各委員とも御相談をいたしまして、できるだけ御趣旨に副うようにはいたしたいと思いますが、通産大臣としては、これ以上なかなか資料提出は私は無理だと思います。その点誠に遺憾でございますが、申添えておきます。
  119. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。    午後四時四分速記中止    ——————————    午後四時二十五分速記開始
  120. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは速記を始めて下さい。
  121. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは先ほどずつと継続してお伺いしていましたが、この融資をやつて産業合理化をやつて大体どれくらい価格を引下げられるお見込みなんですか。それだけ聞いておけばよろしい。大体一割か、二割か……。
  122. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これは工場によつて違うのでありますが、大体——ぐらいから———ぐらいトン当り下るという見当でございます。
  123. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  124. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。
  125. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 硫安原価につきまして、去る四月六日の日に参議院議長農林通産大臣回答申上げました文書は、いわば舌足らずでございましたので、これを補足いたしまして更に回答を申上げることにいたしたいと存じます。その際本日当委員会秘密会におきまして御配付申上げました資料を添付することにいたしたいと存じます。
  126. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 秘密会はこの程度で閉じたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後四時二十五分秘密会を終る   —————————————
  128. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、先ほど河野委員及び江田委員から要求のありました農林中央金庫及び開発銀行の当時者から、肥料会社融資につきまして参考人として意見を聞く件につきましてお諮りいたします。両委員要求通り参考人として農林中央金庫及び開発銀行の当事者の意見を求めたいと存じまするが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、人選、日時等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  131. 江田三郎

    江田三郎君 これは通産大臣はめつたにお見えにならんのですから、ちよつとこの法案に関連してお尋ねしますが、これは正規には農林大臣からお答え願うことかも知れませんが、関係がありますが、この安定法案が通過後は生産費を基準にし、農産物価その他を斟酌して最高価格が決定されることになつておりますが、その際生産費という言葉は、これは生産原価ということなのですか、生産原価に適正なる利潤を加えたということなのですか、これはどうなりますか。
  132. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私は只今のお尋ねに対しましては、やはり生産原価に適正な利潤を加えたもの、こういうふうに理解いたしたいと存じます。
  133. 江田三郎

    江田三郎君 その点は農林省のほうと意見は一致しておるわけでございますか。
  134. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 農林省とも打合せまして、さよう考えております。
  135. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) もうよろしうございますか。
  136. 江田三郎

    江田三郎君 いや、それだけ聞いておけば……。
  137. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) どうも有難うございました。
  138. 江田三郎

    江田三郎君 愛知さん急がれますか。
  139. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 四時にちよつとあれがあつたのですが。
  140. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと砂糖の問題についてあなたに是非一つだけお聞きしておきたいのですが、この前砂糖の問題が当委員でいろいろ問題になつているのですが、これの恒久対策についてはまだ政府のほうも検討中のようでございますから、これは今時間もございませんからやめておきますが、ただ先だつてインドネシア及び台湾糖を緊急対策として実需者の発注証明に基いてインポーター割当をせられたわけです。そこでその中でインドネシアの輸入の分につきましては、あとから私ども聞いたのですが、通産省のほうで輸入砂糖の倍額の抱合せ輸入を条件としておられた、こういうことなんです。そういうような抱合せ義務が付くということを私どもあとになつて聞いたわけですが、どうもこの実需者の発注証明に基いてインポーター割当をするということは、今のメーカーあたりの超過利潤というものを、本当に実需者に還元しなければならんという点からとつた措置だと思いますが、そういうことから出ておるものを、なぜ一体インドネシアの分だけ而も倍額の抱合せ義務輸入を条件とせられるか。その後聞いてみますというと、こういう抱合せ義務輸入を、倍額ということになりますと、インポーターのほうではその損というものを二〇%みなければならん、損失カバー額を二〇%と、こう言つておるようでして、二〇%としますというと、採算をとりますというと、現在の市価よりも却つて高くなるのではないかというような虞れがあるわけであります。こういうことは安く輸入されるものは依然としてメーカーのほうへ直接行つて、こんな抱合せ義務が付いている高いものだけを実需者のほうへ持つて行くというのは、私当と得ていないのじやないか、少し無理じやないかと思うのでして、而もそういう倍額輸入の抱合せ義務輸入をするがために、同じ実需者割当をやつて出て来るところの台湾糖とインドネシア糖は、値段も違つて来るということになるわけですから、もう少し抱合せ義務輸入につきまして、倍額というようなことについて、通産省のほうで検討をなさるようなお気持はございませんかどうか、そのことだけお聞きしたい。
  141. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 只今のお尋ねの点につきましては、インドネシアは、御承知のように日本との間でこちらが非常な貸越しと申しますか、輸出超過になつております関係上、インドネシアからできるだけ多くのものを引つ張りたいという配意をいたしまして、さような措置をいたしたのでありますが、砂糖の実需者割当について、特に今の市価よりもそれによつて高いものを買わせるようには私はならないと思いますが、それは丁度通商局次長が参りましたから、細かくお答えをいたします。
  142. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) インドネシアからの砂糖の輸入につきまして、その上に抱合せましてインドネシアの物産を買わなければならんということにいたしましたのは、今大臣からもお話のありました通りでありまして、まあ非常な輸出超過になつておるような状況でありまして、何とかしてこの貿易尻の改善をしたいということなんでありますが、インドネシアの産品は若干国際価格に比べまして価格も高いというような状況でありまするので、ほかの商品で以てそういう抱合せの輸入をいたさせるということは非常に困難でもありますので、別段砂糖が国内で非常に高く売られておるから、これを利用したというわけでもございませんが、若干の値幅もありますので、五分か、或いは一割程度の何と言いますか、価格の差のものが出せるならば、輸入も非常に容易になりますので、まあその程度の負担を砂糖のほうにしてもらつても、国内の価格をそれによつて異常に高めることにはならんだろうというふうな見地から、そういう抱合せの輸入をいたしたのであります。これはまだ御承知のように極く僅かでございまして、直消糖一万トンについて一応取りあえずそういう、まあどつちかと言いますと、試験的な輸入でございますので、そういう措置をとつたわけでございますが、まだそれによつて砂糖の価格に非常に悪影響を及ぼしておるというふうには我々了解いたしておりませんが、若しその影響するところが悪いということでありますならば、再検討するにやぶさかでもないわけでありますが、今後この二十九年度におきまして、粗糖をインドネシアからもかなり大量のものを買わんといたしております。その際にこの抱合せのような輸入を前の一万トンと同様な方式をとるかどうかは、まだ研究をしておりまして、必ずそういうふうなことをやろうともきめておりませんが、まあこの一万トンのやり方を見た上で、できるならば輸入促進のために一案としては考えたいというふうにまあ考えておる次第であります。
  143. 江田三郎

    江田三郎君 今のお話でインドネシアからどんどん輸入しなければならんという事情はよくわかりますが、先ほどもちよつと申上げましたように、少し倍額というのは重過ぎるのじやないか、今、次長の言われましたような五%か、一〇%程度の損失カバーというのなら、これはまだいいと思うのですけれども、大体今の状態で行きますというと、二〇%程度というような話になつているのではないかと思うのでして、二〇%としますというと、現在の生産取引相場あたりから見て行きまして、これは少し市価より上廻る可能性が出て来るわけであります。而も同じ時に入れる台湾糖との釣合もとれんわけですから、この点についてはいろいろ事情もあると思いますが、やはり均衡のとれるように、又こうい緊急措置のなされた精神が本当に生きて来ますように、今のお話のように損失カバーを五%或いは一〇%程度で抑えるような再考慮をお願いしたいと思うのであります。よろしうございましようね。
  144. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 承知いたしました。
  145. 河野謙三

    河野謙三君 ちよつと関連して……。砂糖の実需者割当をやりましたが、実需者がインポーターから一斤について五円乃至十円、お前だけ儲けるのは少し虫がよ過ぎるから、少しおれたちに寄越せということで、五円乃至十円要求しておる事実を御存じですか、わかりませんか、もう一遍言いましようか。実需者割当をやりましたね、その場合にインポーター実需者に向つて一斤につい三五円乃至十円要求しておる事実があるのですが、通産省は御存じですか、どうですか。
  146. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) まだよく聞いておりませんので存じません。
  147. 河野謙三

    河野謙三君 非常に不思議な話です。私はその事実を食糧庁長官に言いましたところが、通産省の指示によつてインポーターは実需者に向つて五円乃至十円の要求をしているのだ、通産省了解の上だという、これはこの次に食糧庁とあなたのほうと御一緒の時に、どちらが嘘か本当かお尋ねしたい。あなたの今のお言葉を信じれば食糧庁の長官が嘘を言つたのであるし、若し食糧庁の長官が……、あの前谷さんがそういう嘘を言うわけはない。そうだとすると、あなたが嘘を言つたか、あなたが下僚に任せておつてあなたが知らないかどつちかだ。この頃外貨の面を見ると奇々怪々な事実が起つておる、特にインポーターは非常に量が多過ぎます。私に言わせると理由がないのです。ただ実需者、お前たちはそれだけの割当をもらつたじやないか、少しお前たちの儲けるのは虫がよ過ぎるから、おれのほうに分け前をよこせ、ずつと五円要求しております、一斤について……。トンについて八千円ぐらいになります。而もこれは繰返して申しますけれども通産省がインポーターと相談の上で、通産省の指示によつてインポーターがやつておるのだということを私は実需者から聞いたのではなくて、食糧庁の長官から私は聞いておる。はつきり申上げます。これを事情を調査してこの次に白か黒かはつきり御回答して下さい。
  148. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) よく調べましてお答えを申上げますが、御存じのように、先般インドネシアの直消糖二万トンについてやりましたのは、これはインポーター割当でありまして、ただ実需者の発注を認めた、こういうことなんであります。従いまして何も五円とか何円とか、我々のほうでとることを別段認めたというか、そういう恐らく相談には預かつておらんたろうと私は思いますが、輸入業者が実需者に売る場合に、価格上の何と言いますか、CIF価格で売つて、その価格で実需者に渡さなければならないということもないわけであります。輸入の許可を受けて買つて来たものの実需者に渡す場合の価格については、それぞれ彼らの納得の行く価格で取引をしていいわけなんでありまして、従つてそこに何がしの利潤の発生することは、これはこういう商人の性質として当然認めざるを得ないわけでありまして、五円とあつたか、六円とあつたかということは、それは何がしかあつたと思いますが、恐らく役所がそれを指示したとか、何とかいうことはないのじやないかと、こういうふうに一応思います。取りあえず。調べましてあとでお答えいたします。
  149. 河野謙三

    河野謙三君 私も今申上げるようなことは軽々には決して申上げておりません。実需者からそういうことを聞きまして、それから他の実需者に、もつと具体的に言うと、全購連に行きまして、こういうことを聞いたが、君のほうでも今度は割当をもらつたのだが、そういう要求がインポーターからあつたか。こういうことを確かめましたところが、全購連のほうは少し違いまして、一流のインポーター二、三についてはなかつたけれども、その他からは私のほうにもありましたと、こういうことです。十分私は確認しております。でありますから、どうも役所も段階が多くて、ここにおいでの政府委員のかたはどうも下情に通じなくて困る。もう少しこの点この次までは下情をよく調べておいで願いたいと思います   —————————————
  150. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に問題になつておりまする米国における可燃性織物禁止の件をも含めまして、蚕糸関係についての御審議を願いたいと思います。  この問題は大分延びておりましたが、鈴木強平委員から質問の要求がありますので、続いてこの問題に入りたいと思います。蚕糸局長と繊維局長出席されております。
  151. 鈴木強平

    鈴木強平君 農林省にお尋ねいたしますが、繭糸価安定法が施行されてまる二年以上たつておるのですが、すでにもう新らしい蚕糸の年度に来ておりますが、この際最低最高価格について審議会ではどのように審議されておりますか。同時に又先に一応資料を頂きましたが、輸出に対しまする臨時措置法の結果はどこに来ておりますか。新聞その他ではいろいろ伝わつて来ますが、今までの経過についての報告を伺いたいと思います。
  152. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 只今お尋ねになりました二十九生糸年度の最高価格、最低価格をきめようと思いまして、これは御承知通り法律によりますると、原則として三月中にきめろと書いてありますが、三月の二十九日に審議会を開催いたして協議いたしたのでございまするが、そのときの各委員の御意見といたしまして、後に御説明いたしまする繭糸価格安定法の改正案というものを只今審議中、協議中でありますので、これがどうなるかという問題が一つと、それからその他たまたま糸価が多少変動いたして参りましたので、これを見究める必要ががあるというので暫らく延期ということになりまして三月二十九日の一審議会は答申を得られずにしまつたわけでございまして、法律によりまして、経済事情その他の事情がある場合には四月又は五月にきめろと、こう書いてありますので、我々の考えといたしましては、御承知通り静岡県下の一番早い春繭が五月の下旬に出廻りますので、四月中にはさめようといたしまして、只今考究中でありまするし、なおその二十九日の審議会のときに、いろいろ生産費計算方法でありますとか、各項目の審査の方法等についていろいろ異論がありましたので、そういう生産費計算の仕方或いは調査方法等について、各委員の意見を伺うために小委員会を作り、又専門委員というものを委嘱いたしまして、生産費内容について細かい検討をいたして頂いております。その結果、二十二日に小委員会を開きまして、その生産費の問題についての協議の結論を得まして、それに基きまして今月末にもう一度審議会を開きまして、そこで答申を得まして最高価格、最低価格をきめて参りたい、こう考えております。それから第二の繭糸価格安定法の改正の問題でございまするが、これはいろいろのいきさつがありましたが、この前にここでたしか御説明したことがあると思うのでありますが、その後多少の修正をいたしまして、繭につきましても生糸の最高価格、最低価格に見合うように繭の最高価格、最低価格をきめる。それから糸価が最高価格を超える虞れがあります場合には製糸業者のほうに協定を認め、そうして養蚕団体と団体協約をしてもらいまして、最高価格の範囲内で繭の価格の協定をしてもらうというような制度を作りますと同時に、糸価が最高価格を超えました場合には政府が全部最高価格で買入れまして、国内へは市場価格を見合いまして売渡す。それから海外へは輸出可能な価格によりまして最高価格以下の価格で売渡す。それから第三点といたしましては、繭にそういう最高価格をきめますから、最低価格をきめると同時に、これを維持する方策を考えたわけでありまして、現行の糸価安定法によりますると、第十一条で政府が糸を最低価格で買上げても、繭価がなお且つ暴落いたします場合には必要なる処置をとると、こう書いてあるだけでありまして、その具体的方法がきめてないのであります。この際繭の最高価格をきめる以上は、最低価格を保証しなければ養蚕農家に安心して繭の増産に励んでもらえないという御意見がありまするし、我々も御尤もと思いましたので、そういう際には最低価格で政府が生糸を買入れます場合に、その相手方である製糸業者が、繭を最低価格以下で買叩いたような製糸業者からは糸を買わない。これは御承知通り農産物価格安定法で澱粉の買上についてとつておる方法でありますので、その方法を先ずとる。それでもなお且つ繭の価格が下る虞れがあります場合には、協同組合で自主的に乾繭保管をしてもらいまして、これに対する損失補償をして行こう、こういう案を考えまして、自由党の政調会のほうの御了解を得まして、大蔵省と事務的折衝をいたしておつたのでありまするが、政府が最高価格で生糸を買入れまして、国内へは高く売り、国外へは最高価格より安く売るというような、いわゆる二重価格制を政府みずからやるということに対して大蔵省が頑強に反対いたしまして、為替政策上そういうことをされては困るという意見でごさいました。まあいろいろ細かい点について反対意見もあつたのでありまするが、我々努力いたしまして、最後のぎりぎりの点が、どうしてもそこが反対だということであつたのでありまするが、そこで農林省といたしましては、いろいろ私も上司と協議いたしたのでありまするが、そういう二重価格制については、成るほどこの点については大蔵省の為替政策上の問題もあろうと考えましたので、これは一応折れることにいたしまして、その代りに別途の方策を考えるということになりまして、只今その代案として考えておりますものは、繭の最高価格をきめることはやめまして、これは協定によつて繭価をきめてもらう。但しその協定によつてきめます場合に、糸の最高価格を超えないような範囲内できめてもらいたいという制限規定を置くわけであります。そうして糸につきましては、最高価格以上に市価が出ておつた場合には、製糸業者に一定の段階でその超過部分を積立ててもらう、いわゆる共同積立金というような制度を考え出したわけでありますが、それで最低価格の保障は繭と同じであります。尤もそういうことになりましたから、最低価格という言葉は変えまして、支持価格程度のことにいたしたいと思つておりまするが、要するに最低価格の保障のやり方については、先ほど御説明したと同じような方法の案を一つまとめたわけでございます。まあこれにつきましては、大蔵省側と大体話合が付きそうなところでありまするけれども、今度は問題は法制的な問題になりまして、只今法制局と交渉中でありまするが、その共同積立金をいたします場合に、そういう共同積立を、先ず原則として業界の協定でやつてもらいたいと思つておるのでありまするが、アウトサイダーに強制的な積立をさせるということにつきまして法制上一つの疑義がありまして、只今法制局と相談中でありますが、法制局の意見も相当強硬でありまして、ここ二、三日その相談を只今つているという状況でございます。
  153. 鈴木強平

    鈴木強平君 よくわかりましたが、その共同積立金がよくはつきりいたしませんが、共同積立金をもう少し詳しく説明して頂きたい、積立てた金の使途はどうなさるのですか。
  154. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) この点につきましては、只今のところは、例えば財団法人の何とか基金というようなものを作つてやるか、或いは現在の団体を利用してそこで積立てさせるかということについては目下研究中でありまするが、急を要しますので、新らしいそういう団体を作らずに、既存の団体で積立てるような方策にしたほうがよろしいのではないかと考えております。それからなおその積立てました資金の使途につきましては、例えば宣伝費に使うとか、或いは養蚕農家の奨励費に使うとか、そういうようなことに使うことにいたしまして、輸出したもののリベートに使う、要するに実質上二重価格になるようなことは、これはやらないつもりでおります。これは大蔵省とも話合をいたしまして、そういうことをやられてはちよつと困るという話がありましたので、輸出振興のために、主として宣伝費であるとかいうようなものに使うようにして行きしたい、こう考えております。
  155. 鈴木強平

    鈴木強平君 どういう場合に共同積立金ができるのですか。
  156. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) これは糸の市場価格が最高価格を上廻りました場合におきまして、要するに繭価協定をするときに、繭の値段につきましては、生糸の最高価格を超えないような要するに繭価協定をしてもらいたいという規定を一本入れますから、繭のほうをそういう意味におきまして、今度は法制上ではありませんけれども、最高を実質上抑えますから、それ以上の値が出たものを製糸業者の利得にすれば、非常に養蚕、製糸の間で不均衡を生じますから、製糸業者の手取りは飽くまで最高価格であるということにいたしまして、最高価格以上に出ました市場価格等については積立てさせる、こういう考え方であります。
  157. 鈴木強平

    鈴木強平君 生糸についても最高最低価格を作りまするから、そこで共同積立金をする場合の差金はどこで出るんでしようか。生糸の最高価格を規定されますね。そうしますると、その最高価格というのは、今言つたような繭の最高価格をきめる、最高価格が抑えられればそれ以上は売れないわけじやないですか。
  158. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 最高価格は禁止価格ではございませんから売れるのであります。又繭のほうはそういうふうに最高価格に見合つた繭の価格で仕入れましても、生産原価は最高価格を維持できますけれども、例えば非常に需要が旺盛になつて来る、輸出が伸びるということになれば最高価格以上に市場価格が出る場合があります。それを製糸のほうの取得にいたしますると、繭のほうが最高価格に見合う繭価で抑え付けますから、製糸が不当に儲けるというような均衡論が出ますから、私は最高価格以上の利得は積立てておきまして、蚕糸の振興のための宣伝費であるとか、或いは場合によりましたら養蚕方面に還元することが必要であると思いますので、養蚕振興のために使うというような考え方であります。
  159. 鈴木強平

    鈴木強平君 そうしますと、今回は四月いつぱいに間違いなく繭の最高最低価格もお作りになる予定でございますか。
  160. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 只今のところは、改正案の現在研究しております案につきましては、先ほど申上げました通り、繭の最高価格、最低価格はきめません。生糸の最高価格最低価格だけでございます。
  161. 鈴木強平

    鈴木強平君 いや、今回作るんじやないですか。共同積立金をするために作るんじやないですか。
  162. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) これは最高価格をきめませんで、製糸業者と養蚕団体の協定によつてきめてもらう。ただその協定をする場合に、その糸の原価が最高価格を超えない範囲においてきめてもらいたいという訓示規定と申しますか、方針を法律で書いておる。これは製糸によりましても、製造販売者が非常に違いますから、各県によつて多少違うのは当然だと思うわけであります。
  163. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと御質問の途中でありますが、農林大臣が見えておられまして、ちよつと提案理由の説明を中間に入れて頂きたいと思います。   —————————————
  164. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは国有林野法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案は、去る四月十三日、閣法第百四十四号を以て予備審査のため内閣から当院に送付、即日当委員会に予備付託となり、更に去る十七日衆議院を原案通り通過、当院に送付、即日本委員会に本付託となりました。先ず農林大臣から提案理由の説明を願いたいと思います。
  165. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 只今議題となりました国有林野法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。  御承知のように、国有林野と地元とは、沿革的に極めて密接な協力関係にありまして、国有林といたしましても、管理経営上地元の協力に期待するところ多大なものがありますと共に、他方地元に対しましては、国有林野所在地元市町村交付金の交付を初め、部分林、共用林野の設定、国有林野の貸付使用、薪炭原木の縁故特売等の地元施設制度の推進を通じ、はた又国有林野整備臨時措置法による国有林野の売払等の措置によりまして、地元市町村財政の確立と産業の振興及び地元住民の生業の維持に努力して参つたわけであります。  国有林におきましては、この際更に国有林野と地元との従来からの協力関係に鑑み、国有林野の貸付、使用料等の減免等を行い、農山漁村経済振興に資したいというのが本法案提案の基本的理念であります。以下本法案の骨子を御説明申上げます。  この法案は国有林野法の一部改正と国有林野整備臨時措置法の一部改正との二カ条から相成つております。  改正の要旨は、先ず第一に、林道、農道、水道施設、用排水路、水害、火災の予防施設その他公用、公共用又は公益事業の用に供するため、国有林野を地元の地方公共団体、水害予防組合、土地改良区、森林組合、農業協同組合、水産業協同組合等に貸付、使用させている場合に、その対価を無償又は時価よりも安く定めることができることとした点であります。従来も国有財産法第二十二条の規定によりまして、国有財産を公共団体等に対し、緑地、公園、溜池、火葬場、墓地、塵埃焼却場、屠畜場又は生活困窮者の収用の用に供する場合に無償で貸付けることができたのでありますが、その範囲は極めて限定されており、国有林野の貸付、使用の実情に副わぬ憾みもありましたので、今回その特例を開き、実情に合わせたわけであります。この場合にも、国有財産法第二十二条第二項及び第三項を準用いたしまして、当該施設の経営が営利を目的とし、又は利益を挙げる場合には無償にはできないこととし、当該財産の管理状況をにらんで、契約の解除権を留保してありますので、国有財産法の原則の上に立脚しておることは申すまでもないことであります。  第二に、国有林野を放牧、採草地、溜池、用排水路、林道、農道その他の農林漁業共同利用施設として、地元の部落又は住民の多数が共同して利用する用途に貸付け、又は使用させる場合に、その対価を時価よりも安く定めることができることとした点であります。勿論これは地元住民の生業の維持又は農林漁業経営の安定のため、特に必要であると認められる場合に限られるわけでありますが、従来貸付使用料が地価を基準として一律に定められることになつておりまして、実情に副わぬ点があつたのを改めたものであります。財政法第九条の規定によりまして、国有財産は原則として適正な対価なくして貸付けることができないことになつておりますので、この点は地元住民の生業の維持又は農林漁業経営の安定が農山漁村振興上極めて重要であるのに鑑み、財政法の原則に対し重要なる特例を開いたものと言えるのであります。  第三に、風水害、冷害等の異常且つ広範囲に亘る災害により、国有林野の借受人又は使用者が貸付、使用料を納付することが著しく困難と認められる場合に当該料金を減免する規定を設けた点であります。この点は特に昨年の大水害、冷害等の異常災害の経験に鑑み、社会通念に立脚してこの改正規定を置いたわけであります。  第四に、共用林野につきましては、従来共用者に国有林野の保護義務を課している場合に限り使用の対価を免除する旨の定めをすることができる規定がありましたが、今回免除だけでなく、減額することができることに改めますと共に、風水害、冷害等の異常災害の場合において、貸付、使用の場合と同様に使用料の減免ができることとした点であります。  最後に、国有林野整備臨時措置法は、本年六月二十三日で失効することになつておりますが、昨年の災害等で事務の進渉も若干遅れておりますので、これらの状況を勘案し、明年三月末日まで、これが有効期限を延長することといたしました次第であります。  この法案の骨子は、大体以上の通りでありますが、農山漁村経済の振興に寄与いたしまするため、何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
  166. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲りたいと存じます。   —————————————
  167. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、酪農振興法案を議題にいたします。  本法律案は、去る四月十七日内閣から閣法第百五十四号を以て予備審査のために当院送付、即日当委員会に予備付託になりました。先ず提案理由の説明を願いたいと思います。
  168. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 酪農振興法案の提案の理由について御説明申上げたいと存じます。  食糧の増産を図り、その自給度の向上を図ることが我が国経済自立のための基本的な要件でありますが、このため食生活を合理化して米食偏重から脱却すると共に、現在の農業経営方式を養畜、特に乳牛を取り入れたいわゆる有畜農業経営に改善することが極めて有効適切な方策でありますことは、今更多言を要しないところであります。幸いここ数年間における酪農の発達は顕著なものがあり、乳牛頭数において三十数万頭、牛乳生産高において三百五十万石を超えるに至つておるのでありまして、牛乳、乳製品に対する需要も旺盛を極め、昨年度におきましては、増産にもかかわらず品不足という現象すら随所に生じたのであります。このような傾向は、酪農発展のため且つは日本農業発展のため大いに慶賀すべきことと存ずるのでありますが、我が国の酪農の現状は、その内容に立入つて考察いたしますると、必ずしも楽観し得ない多くの悪条件を備えているのであります。我が国の酪農の持つ基本的な弱点といたしまして、乳牛飼養農家の飼料基盤が弱く、購入飼料により多く依存いたしているため牛乳生産費が高いこと、乳牛の飼養密度が非常に稀薄でありますため、集乳費が大変高いものにつくこと、従つて又これを処理加工いたしまする工場も小規模な非能率なものになり、而もこういつた工場が濫立しているために中間経費が余計にかかること等が挙げられるのでありますが、こういつた傾向は、最近の高乳価によりまして却つて強まりつつあるように見受けられるのであります。このような悪条件が積み重なつておりますため、我が国の現在の乳製品の価格は諸外国と比較いたしまして著しく割高にならざるを得ないのでありますが、このことは国民に高価な牛乳、乳製品を供給することになり、漸く普及して参りました牛乳、乳製品に対する消費を抑制し、食生活の合理化に支障をすら与えることになろうと思うのであります。而もこのような悪条件の下において営まれる酪農経営は、一般的に乳価、飼料価格その他の経済事情の変動に影響されるところが大きく、極めて安定性のない経営になつているのであります。従いまして今後の酪農振興の目標は、これら酪農をとりまく悪条件を急速に除去し、国際競争に耐え得、而も少々の経済事情の変動にも動じない酪農を建設することであろうと考えるのでありますが、幸い酪農に対する認識の高まつておりまする現在、酪農振興の方向を明示し、豊富低れんなる牛乳、乳製品を供給し得る基盤を整備いたしますることは、日本農業発展のための大計であろうと信ずるものであります。以上が本法案提案の趣旨でありますが、以下簡単にその内容を御説明申上げます。  第一に、集約酪農地域の建設であります。自然的経済的条件等が酪農に適する地域を選定し、飲用牛乳又は乳製品原料乳の供給地域といたしまして、乳牛の飼養密度が濃厚であり、合理的な酪農経営が得られる地域に育成しようとすることであります。御承知のように、昨年以来政府におきましてはジヤージー種の乳牛を輸入いたし、乳製品原料乳地帯としての集約酪農地域の建設を行なつてつたのでありますが、今後は更にホルスタイン種の乳牛につきましても乳製品原料乳地帯としてのみならず、飲用牛乳地帯として本法により集約酪農地域に選定し、有畜農家創設特別措置法に基いて集団的に導入しようとするものであります。更に又集約酪農地域におきましては、従来開発が十分行われていなかつた草地につきまして、地方公共団体が自ら積極的に改良を行い、合理的な乳牛飼養の基盤たらしめると共に、乳牛の集荷処理加工施設につきましても、その設立又は変更につき都道府県知事の承認を要するものとし、非能率的な施設の濫立を防止し、牛乳の生産と均衡を保持させようといたしているのであります。  第二、に牛乳の取引につきましてその公正化を図つたことであります。今後酪農の発展に伴い、牛乳、乳製品の豊富低廉な供給が期待されるわけでありますが、その結果、ややもすれば価格変動に伴う負担が農家側により多くしわ寄せされる可能性もありますので、これを防止し、公正な牛乳の取引が行われて酪農経営の安定に資するよう契約文書化を促進すると共に、取引についての紛争について簡易且つ公正な斡旋の制度を設けたのであります。  以上が本法の主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  169. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲ります。   —————————————
  170. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは引続きまして、蚕糸問題の質疑をお願いいたします。
  171. 鈴木強平

    鈴木強平君 玉糸の国際格付の検査はいつから施行されますか。それによつて玉糸の品種が改善され、て現在の国内玉糸と国際格付玉糸との比較は価格で現わし得るかどうかわかりませんが、どのくらい向上するか、その御説明を望みます。
  172. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 玉糸の格付につきましては、昨年の国際絹業会議におきまして大体の原則をきめまして、その後検討の結果、たしか九月頃から施行することになると思うのでありますが、これは検査の方法が、今までは玉糸と申しましても、実は玉繭を使わずとも玉糸はできるというような関係もありましたので、それらの点を改正するわけでございますが、これによつて特に価格その他に変動はなかろうと私考えております。
  173. 鈴木強平

    鈴木強平君 よくはつきり聞こえませんでしたが、いつ頃からですか。
  174. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) これは誠に恐縮ですが、はつきり覚えておりませんが、若し間違つておりましたら訂正いたしますが、今のところ九月一日だと記憶しております。
  175. 鈴木強平

    鈴木強平君 私の聞いたのでは、たしか六月一日から行われるんじやないか、万一延びた場合には七月一日から、こういうように聞いておりますので、なお御調査願います。さような段階にあります玉糸は、最近業界でも総会、大会を開いたり、意見が述べられておりますが、その生産額の九割は輸出に向けておつて、生糸全体の輸出額の二十九年度が三割五分、二十八年も一割五分の輸出をしております。かような品物について、近く開かれまする審議会におきましても最高最低価格を決定するのは、勿論大臣の指定するところでございますが、玉糸をこの月末の審議会において審議の対象といたしますかどうか、又審議の対象にしないものとしたならば、どのようにお扱いになりますか、我々はするものと思いますが、特に大臣からの御答弁を煩わします。
  176. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) この問題につきましては、事務的にまだ少しく検討しなければならん点がありますので、大臣のところまで話を持出しておりませんので、私からお話いたします。玉糸につきましては御説の通り相当の部分が輸出されておりまするので、輸出振興の建前から考えまして、輸出向けの玉糸につきましては繭糸価格安定法を適用してもよかろうと思いまして、只今検討中でございまするが、大体このいきさつを申上げますと、繭糸価格安定法を作りまして、それで買上げます生糸につきましては、生糸についても全部を買うことになつてはおらないのでありまして、大体系価を維持し得る範囲内の品質の生糸を買うことになつております。従いまして非常に格の悪い生糸でありますとか、格のいい生糸は買入の対象になつておりません。従いまして玉糸につきましては、糸価と直接の関係が薄いという関係で、あの繭糸価格安定法を施行いたしますときには玉糸は除いておつたのでありますが、その後の情勢を見ておりますと、相当輸出にも向くようでありますので、只今のところは輸出に向きまする二百二十五中につきましては買上を考慮いたしております。但しこの買上につきましては、その最高最低価格をきめなければなりませんが、それをきめる基準は、この法律生産費を基準にいたすと書いてございます。それで玉糸の生産費というものが調査できるかどうかということに疑問があるわけでございます。御承知通り玉繭というものは、玉繭を作る目的で玉繭を作るのではございませんので、玉繭の生産費というものをどういうふうにして調査したらいいかということが一つと、それから製糸の過程におきましても非常に零細の企業でございますので、その生産費というものを厳格に帳簿にしているかどうかということについても疑問があるわけでございますが、これらの点につきましては、なお研究いたしますれば方策はないこともないと考えられますので、先ずその点が一つと、それからもう一つは玉糸を買入れますると、三十億の基金では不足になりはせんか、あれは生糸を買いますだけのつもりで算出いたしました基金でございますが、基金を殖やす必要があるのではないか、この点につきましては、もう少し財政当局と相談しなければならんと思いまして、そういうふうにいろいろ準備的に調査しなければならん点はございますけれども、輸出向けの二百二十五中の玉糸を将来買上げるということにつきましては、好意を以てそうなるように努力する、こういう段階でございます。
  177. 鈴木強平

    鈴木強平君 その最高最低価格をきめることは繭糸価格安定法の中に謳つているわけです、第三条二項に……。いわゆる標準生糸に対して御存じの通り相場が立つてくれば、相場を月二回きめることになつているのですから、生糸と銘を打つておれば生糸の中に玉糸も含まれていて、座繰糸も含まれている。    〔委員長退席、理事情澤俊英君着席〕  特に玉糸は輸出関係で清算市場に載つておる、従つて玉糸の最高、最低価格をきめることは少くとも毎月これをきめて、当然農林省としては告示しておるはずだと思う。従つて玉繭がその生産過程においてどういう関係であろうと、最高最低価格はすでに決定せられておるはずです。言換えれば格差金をそれに増減すればよい、明らかであると思う。政令で以て出すことができることになつておる。すでに政令も出されておりますので、従いまして玉糸の最低最高価格はすでに毎月農林省が告示することになつております。従つて最高最低価格については何らここに疑義がない。ただ買入の対象になるかどうかというのが問題であると思う。買入の対象という場合に考えますと、過去二カ年においては何ら発動されたことがない。買入の発動をしたことがない。今後も最高を如何に抑えるかという心配があつても、まさか最低を割るとは考えておらない。政府でその見通しの上に立つてしなければならんと思う。すでに三十億の金がある以上は、三年前の法律を今以て同じ考えで買入の対象にならんから、玉糸は今直ぐ入れられないということは納得できないと思うのです。
  178. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 最高価格をきめますのは、繭糸価格安定法の第七条で規定しておりまする買入をする生糸だけに限つておるのでありまして、先ほど申上げましたように、生糸でも格の悪いもの、格のいいもの、即ち七条の対象にはならない生糸につきましては、最低価格、最高価格はきめないことになつておりますから、只今買入の対象になつておらない玉糸につきましては、最高価格、最低価格はきめておりません。
  179. 鈴木強平

    鈴木強平君 そうしますと、第三条の二項というのはどういうのですか。標準生糸以外の生糸の最低最高価格は……。
  180. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) ここで申します標準生糸と申しますのは、二十一中のA格でございまして、それ以外の標準生糸以外の生糸と申しますると、二十一中のB格、C格でありますとか、つまり二十一中の2、3A、BC格、それから十四中のものは全部ということでありまして、それに対する格差金はきめますけれども、買入の対象にならない生糸につきましては、それをきめないことになつております。その買上げます生糸につきましては、繭糸価格安定法施行規則の第一条で規定しておりまして、二十一中におきましては3AからC格まで、十四中においては4AからB格までであります。
  181. 鈴木強平

    鈴木強平君 この間大臣に業者が陳情したときに、大臣は玉糸の最高最低がないなんておかしいというような、勿論これは御調査が十分でなかつたからであろうと思うのですが、農林関係においては常識的には玉糸の最高最低がないことは、我々もまあ初めて見て知り得たくらいですが、これについて今度の生糸年度までに最高最低を作つて、まさか買入の対象と言いましても、今年一年間に買入になるようなことは何としても考えられない。なぜなら、ついこの間まで最高をどうして抑えようかという法律案まで出そうとしたくらいでありますから、これについて大臣としてのお考えを、これが実行されるかどうかは別といたしましても、現在お持ちになつているお考えを御発表願えれば……。
  182. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 先日業界のかたにお目にかかりましたときに申上げましたのは、先般来、糸価安定、輸出振興に関する特別の立法措置を講じたいという趣意の下で研究をいたしておりまして、なかなかもたもたしてこれがはかどりませんが、その中に玉糸というものはどういうふうに考えておるかということでございましたから、玉糸は無論生糸でございますし、生糸でありまする以上は、而も相当大事な輸出部門を占めておるわけでございますから、おろそかな取扱いは絶対にいたしません、こういうふうにまあ申上げておつたわけでございます。今お話のは多少又趣きが違いますけれども、御趣意の点は十分考えるようにいたしたいと考えております。
  183. 鈴木強平

    鈴木強平君 只今蚕糸局長から御説明がございましたが、まあ我々の考えたのでは、この法案を見ていわゆる輸出生糸については最低を作ると、それに標準糸として二十一中のAをとつたと、かようにまあ立法の精神から考えておつたわけでございますね。法律趣旨から見れば、かように考えて差支えないと思う。それを敷衍すれば、少くともこの年度までには作らなければならないと我々は考えておりますが、先ほど蚕糸局長お話では、さようなことは当然であるけれども、予算措置がないから今は将来に属する問題であるように伺つておりますが、その点についてもう一度御答弁願いたいと思います。
  184. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 玉糸につきましては、只今大臣からも御答弁がありました通り、改正法の場合は玉糸も生糸と同じように取扱うつもりでございますが、現行の繭糸価格安定法におきましては、先ほど御説明申上げましたように、先ず買入を対象とする、いわゆる七条の規定を入れませんと最高最低をきめないことになつております。買入をすることをきめましたら当然最高最低をきめなければなりません。先ず買入の規定をするということが先決問題でございます。これは審議会の意見をも聞きますが、只今申しました通り、輸出に向く玉糸につきましては、買入の規定をいたすように至急努力いたしたいと考えております。
  185. 鈴木強平

    鈴木強平君 大体これで終えますから、他のかた質問をして下さい。
  186. 関根久藏

    ○関根久藏君 只今お話の玉糸の問題ですが、今度の輸出確保のための安定法の改正案のうちに、さようなお考えのようなことを入れるお考えはないのですか、入れることはできないのですか。
  187. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 今回の繭糸価格安定法の改正案の中にはまだ入れておりませんですが、それは先ほど申上げましたような、生産費をどうするとか、或いは基金をどうするとかいう点が解決いたしますれば、若しも提案になりますれば、その中へ入れてもいいと思いますが、法律は改正する必要はないのでございます。玉糸を買入に入れます場合は、これは先ほど申上げました施行規則の買入のところへ玉糸二百二十五中の玉糸と、こう入れればいいのですから、法律の改正の必要はないのでございます。買入の対象として……。
  188. 関根久藏

    ○関根久藏君 それはできないのですか、入れないのですか。
  189. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 輸出用については入れるつもりでおります。但し先ほど申上げました生産費をどういうふうにして計算するか、或いは基金等の問題について多少考えなければならない面もございますけれども、我々といたしましても輸出用は入れたい、こう考えております。
  190. 関根久藏

    ○関根久藏君 それから今目先の問題で、もう少し経つて見るというと春の繭が出て来ると思うのですが、購繭資金の問題について、日銀のスタンプ手形制度、あれが今のところ何だか非常にもやもやしておつて、昨年の四〇%くらいだと、こういうふうなお話がもつぱら伝わつておるのですが、現在の状況はさようであるかどうか。
  191. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) この問題につきましては、先週の木曜日でしたか、金曜日でしたか、私日銀に参りまして交渉いたしましたが、農林省側といたしましては、購繭資金についてスタンプ手形を前年と同様にやつてもらいたいという申入を、政策委員及び日銀の事務当局、総務部長、営業部長に申込んだのでございますが、そのときの向うの回答といたしましては、この問題については只今検討中である、まだ日銀としての案はまとまつておりません、もう少し検討して案がまとまりましたら御相談いたしますということを言つておりましたが、その後製糸協会の、業界の代表が話しに来ましたときには、これは何か総裁に会つたようでありますが、只今金融引締をやつている状態であり、又輸出増進という観点から多少検討し直さなければならないということを申したそうでありますが、私と日銀当局との正式の交渉といたしましては、私のほうからは前年度通りつてもらいたいという提案をいたしまして、向うでは研究中であります。まだ案はまとまつておらんということであります。
  192. 保利茂

    国務大臣保利茂君) ちよつと私からも……。その点は私も心配いたしておりまして、かなり日銀では輸出増強という点に極力集中をして金融操作をしようとしておるわけでございますけれども、購繭資金の問題は、もうそれだけに集中されて締められるということは非常に養蚕農家に及ぼす影響も重大でございますから、私も政策委員の一人でもありまして、特にその理解と尽力方をお願いいたし、或る程度の縮減は免れ得ないかと存じますけれども相当の含みを持つて考えてくれるのではないかと私は期待をいたし、又今後努力しなければならないと、かように考えております。
  193. 関根久藏

    ○関根久藏君 いろいろ御心配を願つておりますことは感謝申上げるのですが、是非或る程度の縮減というようなことでなしに、まあ輸出生糸のみに適用するのだという、そういう考え方が、私は日銀が何してもこの蚕糸業が値が高くて輸出をしないのだから、さつぱり外貨獲得に役をせんのだ、そんなものは構わんと、こういうふうな考え方があると思うのですが、そういうことは非常にこれは我が国の蚕糸業にとつて、勿論輸出のできないことはあながち生産者の何ではないのでありますから、いろいろな事情から言つてさようなことになつておるのでありますから、是非大臣から、少くとも一つ昨年通りに実施をしてもらうように切に一つ御心配を願いたいと思つております。それから政府のアメリカにおける可燃性織物の禁止の問題ですが、これは先頃以来大問題になりまして、先般き本会議戸叶さんが緊急質問されました。或いは外務大臣農林大臣通産大臣等のこれが対策につきましての御答弁があつたのでありますが、その後もう時日も相当経過しておりますし、又仮に七月一日から実施されるといたしますというと、目睫の間に迫つておりますので、その間におきます外交交渉の状況はどんな程度になつておりますか。あれが特例を認めてもらうように進んでおりますか、どうですか、その間の状況を承わりたいと思います。
  194. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) お話のように、この問題は日本の輸出貿易並びに内需の関係業者にとりましても大きな問題でございますので、外務省を通じまして、でき得る限り広い範囲に亘つて適用除外をしてもらいたいということを中心に交渉をいたしております。只今までのところでは、ハンカチーフにつきましては十七、八インチ平方程度以下のものについては、これは衣料でないという解釈の下に適用除外される見込が大であるということを聞いております。それから織物につきましては、これはその用途が向うにおいて衣料以外、例えば絶縁材料その他の生産資材でありますとか、或いはアクセサリーでありますとか、衣料品以外の用途に使用されるということがはつきりしておる場合、それから衣料に使用される場合におきましても、先方において不燃加工をして、この法律に違反しないということを契約その他において明確にしておる場合におきましては、本法の適用を受けないということはほぼ確実のように承知いたしております。ただ一番問題になりますのは、この製品のうちの約六割を占めまするスカーフでございまして、これは従来の扱いとしては衣料という扱いになつておるようでございますが、この法律が帽子とか、手袋とか、履物類というような取外しのしやすいものは除外例を設けておるという趣旨から申しましても、スカーフ等はそれ以上に簡単に取外しができるのであるから、適用除外してもらいたいという趣旨の下に交渉いたしております。ただその結果につきましては、ただ確定的な結論は得ていないわけでございます。
  195. 関根久藏

    ○関根久藏君 数日前の新聞に、どこそこの試験所で不燃性のような薬品を溶かしたものを作つて、それをアメリカのほうに試験に送つたというような記事が出ておつたのですが、さような事実があるのですか、どうですか。
  196. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 不燃加工につきましては、国立の繊維工業試験所並びに神奈川県の県立工業試験所におきまして研究を進めておりまして、テスト・ケースとして国内においても試験をいたし、更にアメリカに送りまして試験をしてもらつております。なおその他一般的に広く最も適当な考案を集めます意味におきまして、二十九年度の試験研究補助金の受付が、一般には本年の二月末を以て締切つておるんでありますが、これに関する研究につきましては、特に今月いつぱい受付けることにいたしまして、最もよい考案を広く集めることにいたしたいという措置をとつております。それにつきまして若干の報告も得ておりますが、この問題は先ほども申しましたように、只今適用除外の申入をしておるという関係もございまして、この際としてはその辺との関連において微妙な関係がございますし、又仮に技術的にこれが可能でありましても、何分このスカーフ等は、非常に値段も安いというところが一つは輸出の非常に多く出ておるというような関係もございます。その加工に要する費用の額によりましては、むしろ値付けの重いものを作るものと同じ結果になるということでは、実際問題としてはこれは問題になりませんので、勿論基本対策といたしましては今後とも研究すべきであると思いますが、その結果につきましては、只今のところまだはつきりお答えをいたしかねる事情でございます。
  197. 戸叶武

    戸叶武君 この可燃性織物に関するアメリカの立法化に伴つて起る絹織物の輸出に対する障害に関する緊急質問を先般やつたのですが、まあその中で私たちが一番聞きたかつたのは、どうやつてこの除外例を設けてもらえるかという点でありましたが、まあ今お答えの範囲内ではまだ余りはつきりしてないようであるし、通産省のかたなり、農林省のかたにこれを聞いてみても、今すぐ明快な御答弁を得られないのじやないかと思つておるのですが、問題はとにかく元三井なり、三菱なり、大きな会社でやつているときにはああいうふうな情報というものは、もうすぐキヤツチできたのだそうでありますが、この間私は名前をわざわざ挙げたのは、とにかくワシントンにも二人、ニユーヨークにも一人、通産省関係の有力者がおりましても、結局ああいう貿易関係に障害になるような法案が通つても、それが一年近くもわからないというような状況では、これはもう今後の輸出貿易振興の上において問題にならんと思うのです。こういう点は外務省と共に、今日は通産省のかたも農林省のかたも来ておりまするから、通産省なり農林省なりが真剣にやつぱりこれは考慮しなければならないと思うのですが、その後は通産省なり農林省なりが業者とも恐らくは話合い、又出先機関ともいろいろな連絡があつたと思いますけれども、こういうふうな情報キヤツチに対してどういうふうな手を打つかということは、具体的に何か対策が立てられたでしようか。
  198. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 只今御指摘の点は本会議におきましても大臣から申上げましたように、全くこれは私どもといたしまして何とも申訳のない点であると思います。ただ甚だ言訳がましくなると思いますが、業界におきましても多数の商社が行つております。又その中には絹関係の何十年と向うにおつて、ああいう人が行つてどうしてわからなかつただろうかというようなことも、業界としても実は不思議に思つておるわけでございます。ただやはりこれはこの前申上げたかと思いますが、アメリカの関係業界においても実は全然気が付かなかつたというふうな様子でございまして、その一例を挙げますと、可燃性織物の試験をいたします試験の機械が法律できまつておるわけでございますが、これも今後の対策の意味只今急いで輸入手続をいたしておりますが、これが最近におきまして非常に向うで値上りをしておる。又現物もなかなか入手が困難である。その辺から考えましても、この法律がパブリツク・セーフテイ、保安関係の問題としてそういう面で取上げられましたような関係もありましたようで、特に絹の関係にこれが適用されるということは、向うの関係案界も気が付かなかつたというような事情もあるわけでございます。併しいずれにいたしましても甚だ申訳ない次第でございますので、この点につきましては、今後とも特に注意をいたすように連絡しておる次第でございます。
  199. 戸叶武

    戸叶武君 私の聞こうとしておるのは、過去の過ちに対する誤まりではなくて、今後の何かこれに対する対策が打立てられているかという問題なのですが、これは何もワシントンの国会において立法化される前に、すでにロサンゼルスなり何なりその他の州において立法化されておるので、問題はすでに十年前から起きておるので、その進行過程に対しては非常に関心が払われていなければならなかつたはずなんです。そういう長期間における立法過程を、あたかも偶然のことのように、而も日本においては非常な利害関係があるにもかかわらず、それがキヤツチできなかつたというのは、情報を握る上において科学的な合理的な方式というものがとられていなかつた。それは戦争によつていろいろな手が切断されているからそういう過まちが止むを得なかつたと思うのですが、この前者の轍を再び踏まないように、これからどういうふうにしてそういう情報をキヤツチして、日本の今後の貿易に障害になるようないろいろな立法化がなされるような場合に、例えば委員会を通つただけならば、大統領を介して拒否権の活用なり何なりで直ちに拒否することができるので、日米通商関係を円滑にさせる意味においても、やはり法律化された後において、これをひねつてみても、なかなか実際は今度の経験でもわかると思いますが、非常にむずかしいと思うのです。そういう点で一つ、私は今度で懲りたと思いますから、どういうふうな具体的対策を打立てられておるか、それを簡単に承わりたい。
  200. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) これはやはり国の関係におきましては、在外公館の陣容なり、人員をできるだけ整備する、その専門の適当な人を配置するということによつて、極力御趣旨のような点に万全を期して参ることが必要であろうと思います。同時に、何と申しましても、在外公館の人数は僅少でございますので、やはりこういう面の情報、その他貿易上の取引関係の情報を最も的確につかみますためには、在外商社の貿易の第一線に立つております貿易商社の強化を図ることが必要であると思います。只今御指摘のように、戦前のような有力な商社が現在のところございません。ただ商社の数といたしましては、ニユーヨーク等には相当数行つておりますが、いずれも一人とか二人とか、会社の数は多いけれども、実際に戦前のように一地方に一つの商社で数十人行つて、あらゆる情報を集めておる、こういう体制ができていないのではなかろうか。その他いわゆる過当競争というような面から申しましても、この際として貿易商社の強化を図るということが最も必要な手段かと存ぜられますので、この点につきましてれ通産省といたしましても、今後の輸出振興対策の最も重要な一環といたしまして、この線に沿ういろいろな措置を進めておるような状態でございます。
  201. 戸叶武

    戸叶武君 この輸出の問題に関連がありますが、砂糖と生糸のリンクの問題は、今後どういうふうな形において続けて行きますか。
  202. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 御承知のように、この問題はいろいろ政府内部においても議論があつたわけでございますが、昨年の凶作並びに重要な生糸の輸出市場の維持という点等も考慮いたしまして、農林省とも打合せいたしまして、二月の十一日からリンクを開始したわけでございます。それでその後例のリベートの問題等が起りまして、ニユーヨークのシルク・カウンシルから抗議等もありいたしましたので、二月二十四日にこれを停止いたしました。その後いろいろ政府内部でも打合せをいたしまして、リンクの率を半減し、なお組合に調整金をとるというふうなことで、極力この弊害を避ける措置をとりまして、三月の中頃であつたかと思いますが、これを再開したわけでございますが、併しながら、これにつきましても、その後いろいろ数回に亘りましてシルク・カウンシルから意見があり、したわけでございますが、我々といたしましては、どうしても今生糸年度については、この制度が日本の生糸の輸出価格安定のためにも必要であるという趣旨を、輸出組合を通じて交渉いたしました結果、先週の金曜日に至りまして若干の希望のようなことを附加えまして了解をして来たわけでございまして、従いまして今後はこの趣旨によつて輸出振興の上にも相当好結果を得るものと考えている次第でございます。
  203. 戸叶武

    戸叶武君 生糸の輸出振興に対してこの砂糖とのリンクの問題も一つですが、インド等の例を見ましても、ほかの国でとにかく奢侈品なり、贅沢品なり、或いは国内産業を保護するという建前、或いは外貨の流出阻止というような点から、この絹織物等の輸入を阻止している面がありますけれども、その国の特産物なり、何なりとのリンクなり、何なりという形だと、まだ入つて行く余地が相当あるのじやないか、生糸輸出なんかに対してもつと多角的にこの輸出振興を考慮しなければならないと思いますが、政府側においては、この生糸の輸出振興に対してそういうふうな何か創意、工夫というものが現在立てられておりますか。
  204. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 私はやはりこの生糸につきましては、昨年の輸出不振はやはり凶作の関係等で相当糸価が高くなつた。これを或る程度モデレートなところで安定させるということが第一要件であると思います。それで、何と申しましても一般の輸出品のように生活必需品というわけには参らない面があるわけでございまするので、取引関係においてはその価格の安定を図ると同時に、極力宣伝と申しますか、そういう面に力を入れて行くことが必要であろうかと思つております。それで先ほど申上げました、現在輸出組合でとつております調整金は、こういう生糸の輸出振興のために使用するということにいたしたいと考えております。なお、これは実はまだ最終的に決定いたしておりませんが、織物関係につきましては、これもリンク制の際に実はこれを適用したいという希望もあつたわけでございますが、これは御承知のように生糸と異りまして、競争国からのいろいろな摩擦面等も考えられますので、これにつきましては別個の振興措置を講じたいと考えまして、只今いろいろ打合せをいたしておりますが、まだ最終決定には参りませんので……。
  205. 戸叶武

    戸叶武君 もう農林大臣も逃げ出しましたから、余り……。聞きたいと思うことをもう一つだけ農林関係で聞きますが、先ほどから繭糸価格安定法の中へ玉糸を入れるか入れないかという問題で、農林省のほうの御答弁においては資金の問題と、この生産費の問題がやはり一つの障害になつておるような点を述べていますが、これは率直なる御答弁だと思いますけれども、この中小企業によつて作られるものの生産費の追求というものは非常にむずかしいと思いますけれども、こういう問題こそどうしてもやはり工夫して積み上げて作らなければならないのであつて、どうも中小企業だから生産費の問題をつかまえることができないからと言つて放りつぱなしにして置くことは、これは政府一つの怠慢であるし、それから資金の問題が一応三十億という枠だから、この中へ玉糸を入れるとほかに響くから、そういう関係でできないという面も同情に値いするのですが、この生糸輸出の場合を考えるときに、だんだん輸出の内容が変化して行くということをやはり見つめて行かなければならないので、戦争前においては絹の靴下が輸出の首位を占めて、而も戦後においてはナイロンの出現によつてそれが殆んど圧殺されてしまつた。そこで今度はスカーフだとか、ハンカチだとかいうアクセサリー的なものが輸出され、これが又今日受難に会つていると、こういうようないろいろな波があるときに、玉糸がぐんぐん、昨年は少し価格が高かつたら停滞したけれども、非常な勢いで輸出されようとして行こうというこの傾向は無視できないので、アメリカ人の嗜好なり、何なりというものが、やはり体にペつたりつくところの、肌にくついてしまう絹よりも、やはり玉糸を使つたところの織物のほうが歓迎されるというような傾向が生れたときに、これに乗じてやはりこの面の輸出を盛んにさせて行くというところの処置というものが必要なのであつて、こういうときにこそ応急措置を施して、この面の輸出振興を図らなければならないときに、資金の問題で悩みがあるから、それから生産費の把握というものが困難だからというようなことで躊躇していることは、これが本当のお役所仕事というものであつて、やはりこの情勢に対して敏感に乗つて行く態勢がやはりできていないのだと思うのですが、こういうことに対して一応再検討して行くという考えはないかどうか、それを承わりたいと思います。
  206. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 只今戸叶先生の御説誠に尤もだと思いますので、先ほど申上げましたのは生産費の問題であるとか、危険の点についてまだもう少し押さなければならん点があるけれども、将来輸出の振興を期待し得る物資であるから買上の対象に入れることについて努力すると、こう申上げておるわけであります。
  207. 清澤俊英

    理事清澤俊英君) 戸叶君いいですか。
  208. 戸叶武

    戸叶武君 それでは結構です。どうぞその点積極的にやつて下さい。
  209. 清澤俊英

    理事清澤俊英君) 玉糸の輸出対象としての買付を細則に入られる御意見がありましたが、これはあなたのおつしやる通り、極端に、我々別に面倒なことでないので、大臣も可及的早い機会一つ細則を改訂追加して頂きたい。  最後にちよつとお伺いしますが、これは輸出可燃性織物に対する輸入禁止というのですな、これはそれに対していろいろ問題が起きているが、これは国内において絹糸を以て作つたものも、やはり可燃性のものができ上れば、それを禁止するという法律なのですか、どうですか、それを先ずお伺いしたい。簡単に……。
  210. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) その通りでございます。
  211. 清澤俊英

    理事清澤俊英君) そうしますと、何か今までの情報で、日本から入りまする絹糸を以て不燃性の織物をアメリカでは作り得る何があるのかないのか、そういうことをお伺いしますことは、若しそういうものがないとするならば、将来生糸の輸出に非常な影響を持ちますと同時に、本年の生糸輸出というものが恐らく不可能という実質上の状態になりはしないかと思う。従つて折角規定した養蚕価格、生糸価格等を、まあ私は糸の価格というよりは、いろいろ工夫せられて糸価安定法等を作つて輸出を増大するという取計らいをしておられるそのこと自身が総崩れになつて、非常な糸価の下落をみて、生産農民が、繭の生産者が非常な迷惑をこうむりはせんかという、こういうようなことが懸念せられるのでありますが、この点に関して蚕糸局長はどう見通しを付けておられるか。同時に繊維局長から、本年の生糸輸出について、かような状態に対して如何ような御所見を持つておられるか、両方からお伺いしたい。
  212. 寺内祥一

    政府委員(寺内祥一君) 私が了解いたしておるところによりますと、アメリカが生糸を輸入いたしまして、国内で織りまする絹織物につきましては、これは可燃性織物の範囲に入らないようなものができると思つております。要するに可燃性織物に入りますのは、大体只今のところでは四匁以下の軽目羽二重でございますから、これは日本が生産してアメリカが輸入するのでありますから、アメリカの業者でこの織物というものは全然やつてないことはないかと思いますが、日本から入ります生糸は主としてそれ以上の木綿物でありますから、生糸の輸出そのものにつきましては、今回の可燃性織物の禁止はそう影響はなかろうと思います。但しその軽目羽二重の生産方面には大きな影響があるというふうに了解いたしております。
  213. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 生糸の関係につきましては、只今蚕糸局長からお答えの通りだと思います。それから絹織物で軽目の輸出を相当いたしておりますが、これは主として帽子等に付けますアクセサリーでありますとか、或いは花嫁用のベールでありますとか、これは適用除外、適用除外ではございませんが、検査の方法が非常に簡単になつております。それからその他絶縁材料でありますとか、そういう関係でありまして、スカーフは六、七年前までは向うで作つてつたものが非常に多かつたのでございますが、その後軽目のもの、これは一つは値段の関係もありまして、軽目のものにずつと移行して参りました。現在では大体日本で作りまして、製品にして出しているものが大半になつていると承知いたしております。従いまして全体として生糸なり、絹織物の輸出に致命的な影響を及ぼすということもないのではないかと思います。併し相当の影響がある慮れがあるということは事実でございますので、そういう趣旨の下に只今交渉をいたしておる次第でございます。
  214. 戸叶武

    戸叶武君 簡単な質問ですが、この間新聞に出たのは、不燃性の何か液体の発明が問題になつて、アメリカのほうへ飛行機で問合せているというような記事内容だと思いますが、問題はその可燃性のものを不燃性にすることができると思いますが、絹の歓迎される唯一の理由は、やはり軽くて肌触りの点だと思いますが、そういう点を毀してしまつては、どんな可燃性のものを不燃性にしても役に立たんと思いますが、その液なり何なりをこちら側で研究したときは、その点はどうでしたか。    〔理事情澤俊英君退席、委員長着席〕
  215. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 先ほど申上げましたように、不燃加工の問題の最も重要なポイントは、御指摘の絹の持ち味を毀さんかどうかという問題であります。それからこれにどのような費用がかかるかという点だろうと思います。従いまして、それらの点を最も重要なポイントとして研究いたしておるような次第であります。
  216. 戸叶武

    戸叶武君 絹織物の輸出の問題で、私はいろいろ外国の嗜好が変つて来るので、いろんなそういう工夫が必要であるということを強調しましたが、もう一つはやはり絹の輸出路を我々が開拓して行くと同時に、今、日本で高級な自動車なり、或いは砂糖なり、何かまでいろいろ買入れて、輸出を盛んにしなければならんというふうに工夫されておりながら、生糸の面においてはその点が少し足りない点があるので、例えば東南アジアみたいな安い品物でなければ買わないところには、結局安い品物よりほか売る手はないというような一つ覚えでやつておるけれども、やはりその中には非常な土層階級があるので、日本の絹のよさというものに対してわかつていながらも、国家の施策で阻止されている。併し例えばインドなんかですと、カシミヤのシヨールなり、いろいろな毛織物なり、あれは高級品であるけれども、ああいう特産物を日本で買つてくれるならば、それのバーター式に日本の高級な絹織物も買つて行くというようなことも出て来るので、日本の国内においては贅沢品というものをだんだん抑えて行かなければならないかも知れないけれども日本の特産品の中に、どうしても外国に売出してでもしなければ、西陣の織物のようなものは結局は滅んで行つてしまうのではないかということが問題になつておるので、そういう綿製品の中でも高級品は外国に輸出する場合においては、外国からそれと見合うようなものをやはり或る程度までは買入れても、そういうことを幾らかやつて行くことが、例えばインドと日本との間においては、日本とインドの貿易関係だけじやなくて、文化交流の点においても、技術交流の点においても、それから親善関係を結ぶ点においても非常によいのじやないかと思いますが、そういうような面で日本の絹関係の高級織物を保護し、或いは輸出奨励するという段に立つて、何か特殊な配慮をなしておる点がありますですか。
  217. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) この通商協定を結びまするには、そういう品目別の枠を作るという場合が通常多いわけでございますが、大体これは原材料でありますとか、生活必需品というようなものが中心になる場合が大部分であると思います。ただ先般の日英会談等で若干不要不急と申しますかそう、いうものを先方のほうの希望で受入れたという例はございますが、これは全体として、御承知のように前年に比べまして六、七割というふうに、非常に貿易の規模を拡大したというふうな代償的な関係もございまして、これを受けておるような次第でございますが、只今までのところ生糸或いは絹織物につきまして、そういう品目別の枠に入れたような実例は余り多くないと思いますが、今後におきまして、相手国によりまして、そういうことが可能なような場合には、その点を一つ十分に考慮いたしまして、でき得る限り生糸、綿製品の輸出増大に資したいと考えます。
  218. 関根久藏

    ○関根久藏君 いろいろお話を承わつておると、随分法律がいろいろやかましいようですが、一つ可燃性織物禁止法の日本訳の法律をお出し願いたい。
  219. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 承知いたしました。
  220. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは今日はこれで散会いたします。    午後六時十一分散会