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1954-11-25 第19回国会 参議院 農林委員会 閉会後第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月二十五日(木曜 日)    午前十一時九分開会   —————————————   委員の異動 十一月十五日委員石川清一君辞任につ き、その補欠として、菊田七平君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森 八三一君    理事            重政 庸徳君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            戸叶  武君    委員            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            田中 啓一君            横川 信夫君            飯島連次郎君            岸  良一君            溝口 三郎君            河合 義一君            松永 義雄君            松浦 定義君            鈴木 強平君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省畜産局長 大坪 藤市君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (昭和二十九年災害冷害を含む)  に関する件)  (飲川乳の処理基準改正に関する  件)   —————————————
  2. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今から委員会を開きます。  昭和二十九年災害冷害を含む)に関する件を議題にいたします。  本件につきましては、委員会におきましてすでにたびたび問題とし、政府善処を求めて来ておりましたところ、政府においてもだんだん方針が固まり、特に予算関係につきましては、一昨二十三日の閣議で決定を見たようでありますので、本日は午前中に先ず農林当局から、本件に関連してすでに政府において実行せられた措置或いはこれから実行すべく決定せられている措置と、政府における対策進行状況について報告を聞き、その結果によつて午後から農林当局のほか、十五号台風勢災害連絡本部長加藤国務大臣及び大蔵当局等出席をも求めまして、更に政府の意向を確かめ、重ねて政府善処を求めることにいたしたいと存じます。つきましては先ず農林当局報告を求めることにいたします。
  3. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 本年の災害に対する対策といたしまして、かねてからいろいろ検討を重ねておつたのでありますが、まだ全部はきまつておりませんが、きまつておるところ、それから只今交渉中の点等について御説明申上げます。先ず公共事業関係で係であります。これは二十九年度の復旧費としまして約十七億九千万円余り、十八億円内外のものを計上いたしました。その内訳農業関係災害が十三億、林業関係が一億一千万円弱、漁港関係が三億七千万円程度になつております。これは只今までに査定いたしております被害額の約二三%乃至四%に相当することになつております。最終的の査定ができていない部分もありますので、この査定に対する計上額という率は多少変つて来ると思います。  次に農業関係或いは林業関係水産関係のあれでありますが、先ず救農土木関係におきましては先般……。
  4. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 どの資料について説明しているのですか。
  5. 森八三一

    委員長(森八三一君) 最後の頁です。
  6. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 わかりやすく話して下さい。切角資料が配付されているのですから……。
  7. 森八三一

    委員長(森八三一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  8. 森八三一

    委員長(森八三一君) 速記を始めて下さい。
  9. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) それでは資料にこれから説明するのはありませんから、救農土木でありますが、先般大蔵省のほうから北海道について十六億八千七百万円を出すというふうな話が山本政務次官から述べられたのでありますが、その後交渉しまして北海道につきましては十九億四千五百万円ということにいたしたのであります。その内訳節約解除三億五千万円、道路節約解除二億四千五百万円、国有林事業費として八億五千万円、そのほかに予備費を五億、合計十九億四千五百万円という数字にしたのであります。  それから内地の分としては三億一千百万円、この財源といたしましては節約解除のうち二億二千六百万円と国有林事業として八千五百万円というものを予定いたしております。  次に種子対策でありますが、これは今お配りしておる表の三枚目の下から二項目目、5の冷害用種子対策という所を御覧願いますと、七千五百万円を計上いたしたのであります。種類は稲、大立、小豆、いんげん、とうもろこし、馬鈴薯、このうち千五百万円内外、そこに出ておる、馬鈴薯千五百二十二万五千円、この分は開拓地向け専用であります。そのほかの分についても開拓地のものも含んでおりますが、馬鈴薯だけは特に開拓地だけのものであります。  それから、次に営農資金関係でありますが、これは二枚目の紙の4、5です。なお先ほどの種子のやつは予備費で出します。それからこれは補正予算として七千万円を計上いたしました。そのうち4の分は春の凍霜害を主とする六億五千万円を対象にする法律の分で、それからあと風水害並びに冷害に対応する分であります。これは資金枠として八十五億を予定いたしております。4が六億五千万円でありまして、5が八十五億であります。労農資金水産関係のものは四枚目の紙の畜産局水産庁となつておりますが、水産庁の1の昭和二十九年発生漁業災害利子補助、これは当委員会等お話もありまして、法律を別建にいたすことにいたしましたので、予算も別に計上いたしているわけであります。水産関係としては十五億を予定しております。  それから災害関係といたしましては、二枚目の紙の一番上の農業共済保険実施、これは今年の災害状況から目て約六十億内外不足金が出て来るのでありますが、取りあえず必要なものとしては十二億を計上する、あとは一月、二月にかけて各府県保険金査定がきまります、それに応じて一時借入をやることにいたしまして、次の機会の補償を待つ、こういうことにいたしております。  それからその次の頁を見て頂きまして、農地局関係で3と4であります。3は開私考資金融通特別会計節約額を利用しまして、今度冷害を受けた開拓地に対して乳牛を貸与えるということにいたしております。これは僅かの金でありますが、今度の開拓地における、或いは高冷地における冷害被害状況酪農経営の分において非常に被害を免かれた実績等に鑑みましてこの制度を将来もつと活用するという意味におきまして頭を出すという程度で取りあえず節約解除額でやつて行こう。4は入植者家屋復旧費補助であります。これは五年未満の、経過した家屋の倒壊、全壊のもの全部と、五年以上経過している開拓者住宅でありましても、去年に引続いて今年冷害を受けた地域農家全壊した場合にはそれをも含めるというふうにして計算してあるのであります。  災害対策として最も大きな項目であります農薬の補助についてはまだ交渉いたしておりますので、結論は出ておりません。更に健苗育成の折衷市代についてもまだ結論が出ておりません。これらがきまれば、予算費で出すという予定で更に交渉を続けておるのであります。  先ほど申上げましたように、この表には救農土木内訳等がまだ整理ができておりません。その代りにこの際補正を、要する費目が入つておりますので、それについて申上げますと、農業委員会農業協同組合法一部改正により、全国会議所都道府県会議市町村農業委員会等の設立に伴う費用運営費を計上しておるのであります。協同組合についても全国中央会府県中央会費用を計上しておるのであります。  それから細かい費目といたしましては、統計調査部の農作物の被害調査等には、旅費等節約解除額で賄う。それから三枚目の紙で農業改良局の例の改良普及員の二分の一補助するという法律が修正になつて三分の二に変つた。それに見合う普及員補助費の増というものが出ておるのであります。  それから四枚目の紙で畜産局関係で1の牛乳乳製品消費普及促進、これは乳価対策の一環としまして早急に高温殺菌施設を作つて行くという費用であります。この仕事は元来は公庫の融資でやることを原則としておりますが、早急にやるという何と言いますか、スタートをつけるという意味でほんの僅か補助金を出しております。このようなことであります。  水産関係のものでは、漁船再保険の二十トン以上百トン未満の船に対する保険掛金国庫補助で、このうちから先ほど申上げましたように一部は救農土木等に使うことになるわけであります。  先ほど説明した資料が印刷ができましたので、お手許にお配りいたしましたが、この表で、一の北海道救農土木事業の中で、道路節約分救農土木に使うというのがありますが、その分が落ちておりますから入れて申上げます。その主なものは只今説明した通りであります。
  10. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今報告に関連いたしまして御質疑をお願いいたします。  ただ今御説明を願いましたうちあとで配付せられた書類には病害虫異常発生対策が未定となつておりますが、御説明では冷災害対策一覧表でしたか、この一覧表には健苗育成の問題が末定とも何とも掲示されておらんのは未定とどつかに項目入れるべきか。
  11. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 入れるべきしです。
  12. 森八三一

    委員長(森八三一君) その点ははつきしり入れていいのでございますか。
  13. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) ええ。
  14. 森八三一

    委員長(森八三一君) 御質疑があればお願いします。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 今の説明の中で公共事業の中で救農土木に廻るのもあるというのは、そういう説明をされたのは、救農土木の十九億なり、三億の中に、これが、公共事業が含まれるというのですか、どういうのですか。
  16. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これは公共事業決定額というのは、これは単純に節約解除額を計上しておるのでありまして、この中から救農土木に廻すものを拾わにいかん、こういうことになると思います。
  17. 江田三郎

    江田三郎君 今の説明わかりませんね。この中で救農土木……、これは合計十二億でしよう、ですから……。
  18. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) この中から北海道分として三億五千を救農の中に廻さなきやいかん、それから内地の分として一億二千六百を廻さなきやいかん、こういうことだと思います。十一億の中から北海道の分として三億五千、それから内地の分として二億二千六百というものを救農のほうに廻す、こういうことです。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 それでいいのですか。
  20. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) ええ、さようでございます。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと聞いてもわからんな。
  22. 雨森常夫

    雨森常夫君 救農土木の御説明がありましたが、その中で一、二お伺いしたいのですが、内地分の三億一千五百万円ですか、この補助金はどういう区域に配分されるのか、その地域をお伺いしたいことと、それからもう一つ北海道が非常に大きく救農土木事業を施行することになりますが、これは御承知のように雪が降りまして仕事が非常に困難であろうと思う。これだけの大量の仕事を来年三月までに実施することができるかどうか。農林密のほうの仕事種類採用の仕方にもよりましようけれども、農林省の確固たる自信があるかどうか、それを伺いたい。それからもう一つ入植家屋の倒壊したものの補助金でありますが、これは全壊だけをとつておられるような御説明でありましたが、半壊或いは八割とかいうような、そういうような採用するのに非常にむずかしいのじやないか。全壊というのをどういうふうに見ておられるのか。入植者のほうの希望としては全壊だけでは非常に因るという声も聞いておりますので採用の仕方をどういうようにしておられるのかお聞きしたい。
  23. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 第一の内地救農土木適用範囲でありますが、これは青森その他被害激甚地であります……。
  24. 雨森常夫

    雨森常夫君 県を言つて頂きたいのですが……。
  25. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 県はまだきめておりません。これはこういうふうなことで今選定しております。  郡別に見まして作況指数の無いところ、そしてその中でも風水害等において災害復旧事業のないところ、即ち災害復旧専業を去年の経験で見ますと、例えば三重等では救農事業を或る程度災害対策につけたのでありますが、労賃が上つちやつて事業過多になつてしまう、だから従つて所定の効果が挙らなかつたと、そういう例等がありましたのでそういうところを睨み合して細かく選定して行きたいと、こういうふうに考えております。  それから北海道救農事業の問題でありますが、これはお話のような点がなきにしもあらずであります。併し小規模の事業でありますとか、或いは開墾道の砂利敷き或いは開墾事業のできるものはやつて行くと、むしろ北海道としてはもつと大きい計画があつたのでありますが、取りあえずの処置としてはお話のようにそんなに大きい金をつけてもやり得ない虞れがあるのじやないかというふうなことでこの程度数字にしたのでありますが、なおこれはつぶさに市町村等から出て来た人に聞いて、どういう事業をやれば冬でもできるかというふうなことも聞きましてそれに応じるように金をできるだけ使つて行きたいと思います。そうしてこれは御承知のようにいつでも春に延びるやつは繰越でやりますから小さい金でこれだけでやるというよりも多少大きい金をつけてそのうおからいい事業等拾つて行つてできるだけ地元の便に供したいと、こういう趣旨も考慮に入れたのであります。  それから入植者のやつは、これは全壊という名前にしておりますが、実際は何と言いますか、非常に程度の低い、全壊でない分を給つて入れております。そういうまあ運用でやろうということになりましたので、そういうものを拾つて、これも開拓連盟方針等についてよく打合せまして大体これでいいだろうということでやつております。
  26. 雨森常夫

    雨森常夫君 今お話承わりましたが、主として内地分については災害復旧事業のないところをよつてというお話ですが、郡別或いは町村別というような細かいところまで農林本省でやらなければならんということになりますが、非常に遡れるのじやないですか、そういうことをやつていると。
  27. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 遅れないようにやります。去年もそうやつたのです。そうしないととても変なところへ行つて処置なしになる。去年それをやつても相当変なところに打つたのであります。
  28. 雨森常夫

    雨森常夫君 町村別まで……。
  29. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) ええ、やりましたが。
  30. 江田三郎

    江田三郎君 さつきの説明ちよつと合点が行きませんから……、公共事業として出ている分は救農土木の十五億と三億の中に含まれておる数字なんですか、これはそれとは別枠のものがあるわけですか、どつちになるのですか。
  31. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) この節約解除の中から、節約解除額十一億七千八百というのがありますね、この中から北海道分農業用の分としては一億六千になりますか、一億六千と、内地の分として二億二千六百ですか、その分を救農事業を要する地帯に重点的につける、こういうことであります。
  32. 江田三郎

    江田三郎君 あなたの説明は天才的な説明をされるので、頭がにぶい者にはどうもわからんから……。
  33. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) それは、節約解除額というのは財源としてこつちが持つておるわけなんです。まだ配当していないわけなんです。それをこの費日別によると三%、計算をするとこういうふうな数字になるというわけなんです。これを財源として今のものを……、もつと細かく言いますと、土地改良専業なら土地改良事業について節約解除を戻すべき地域はどこであるかということをつぶさに当つておるわけであります。その土地改良事業については何%ぐらいはどうしても解除で、既存事業につけなければならん数字が出て来るわけです。これを差引きましてその残りを絞つて来るわけです。つまり解除の分を先ず従来の事業に必要な最小限度充当して、その残りを浮かして、そして救農のほうに持つて行つて新らしい事業につける、こういう考えであります。費目別に三%計上すると、こうなつておるけれども、この中からそれぞれの費目について解除既存事業に残すべきものを差引いて残りで余裕を浮かしたわけです。
  34. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますと結論的に言えば、救農土木事業北海道に十五億と内地の三億以外に公共事業として出て来る数字があるのですか。新らしく公共事業として出て来るのがあるのですか、ないのですか。
  35. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 節約解除の分としてあるのです。
  36. 江田三郎

    江田三郎君 それでは一つもう一遍これを整理してもらつて、どれだけを救農土木事業へ……、そのほかに救農土木以外の公共事業として出て来るものは何ぼあるのか、あと一つ一遍整理して出して頂きたいと思います。
  37. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) それは実は今朝まで整理ができていないのであります。ずつと拾つておるわけなんです。大体の見当をつけて大ざつぱにやつておるので、今度予算書を作るときにははつきり費目的に何ぼということは全部きめなければいかんので、それを今やつておるのであります。
  38. 江田三郎

    江田三郎君 それから今質問がありましたが、内地の三億一千万の分は作況指数を勘案し、災害復旧事実のないところということを言われましたが、これは或いはこういう基準でやつた場合に、それが主として一地方へまとめて行かれるようなことになりますか、やはり全国的に広く行かれるようなことになりますか、結果的にはどういうことになるのですか。
  39. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 全国的に広く行くようにはならないと思います。まあ開拓地だけは或る一定の基準全国的に配りたいと思つておりますが、ほかのほうは今までの見当では余り広くならないようであります。
  40. 江田三郎

    江田三郎君 一般的に全国にばらまくというのではないですが、併し開拓地についてはこれは災害復旧事業なしに収穫皆無ということになつて、これは当然全国的なお考えになるわけですね。
  41. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) そうです。
  42. 江田三郎

    江田三郎君 健苗の分と病害虫異常発生対策の未定という分は、これは今国会までに未定で過ごしてしまうということなんですか、それともそれまでに何らかの決定になることなんですか、どちらなんですか。これの一つ経過を……。
  43. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) ざつくばらんに……病害虫発生対策はもう数千万円の食い違いが来ております。健苗育成のほうはこれはまだ津前論で両方譲らん、従つてこの今国会資金を計上するという運びには、至らんと思います。
  44. 江田三郎

    江田三郎君 健苗育成のほうで、農林省のほうでの要求額は如何になつておりますか。
  45. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 冷害対策としましては二億一千万円余、そのほか補正予算としましてその他の地方分といたしまして四億五千万円程度でございます。合計六億六千万円となります。
  46. 江田三郎

    江田三郎君 仮に臨時国会までに間に合わんという場合は来年度予算でこれの見込が立ちますか。
  47. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 来年の予算には要求して、もう大蔵省説明しております。
  48. 江田三郎

    江田三郎君 説明はいいですが、ここで認めんということは、建前として認めんと、こういう制度を認めないというのか、或いは一兆円いう枠のために認めないというのか、どちらなんですか。
  49. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 今度の場合は財源の問題が表面に出ておりますが、大蔵省のほうでは建前論で来ると思います。今までこれは対策本部長等で現地調査して、これも必要だということで、まあ最後的には、結論対策本部には出ておりませんが、会議の空気がそうなつておりますが、この際は再検討関係から資金の問題に入らない、もう少し議論しようということになつております。本予算なれば財源の問題というのは問題にはならないのでありまして、結局建前論で行く、こういうようになると思います。
  50. 江田三郎

    江田三郎君 もう一つお尋ねいたしますが、改良局関係生活改善普及事業補助、これでこの増員分を見ておられるわけですが、これは各府県でこの増員分をそのままこなして行く見込が立つておりますか。
  51. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これは増員分でなしに補助率の二分の一を三分の二にした改訂分だけで増員を……。
  52. 江田三郎

    江田三郎君 生活改善のほうは。
  53. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) ええ、それだけであります。勿論今年少し増員になりましたから、その分についての増額分ということになるわけです。
  54. 江田三郎

    江田三郎君 だから二十九年度の増員分というものは、この通り数字が各県で消化されておりますか。
  55. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 今手許資料がないのですが、生活改善のほうは消化されておるんじやないかと思いますが、これは調べて御返事申上げます。
  56. 江田三郎

    江田三郎君 私の聞くところでは、これは大分表面的にはどういうことになつておるか知りませんが、実質的はこういう場合に消化されていないように聞いておる向きもありますから、これは一つあとで又調べて御返事頂きたいと思います。  それからもう一つ融資の問題ですが、これはちよつと新聞で見たんで正確に私わからんのですが、内地幾ら北海道幾ら、それから乳牛を、家畜を持つものは幾らというような建前をとつておられますが、それはどうなつているのですか。
  57. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 今の北海道については余計貸す、それから家畜についても去年通り三万円余計貸す、こういうふうになつております。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 一体そういう差別を、偉いをつける根拠はどこにあるわけですか。北海道のほうが内地より多いということになれば、これは経営規模が大きいと、こういうことなんですか、或いはこの家畜を持つている場合には、というのは経営規模という意味なのか、担保能力という意味なのか、どういう建前でやつておられるかということでして、若し経営規模ということになれば、同じような農業でも、特に今回の場合は果樹被害が相当あるわけです。果樹なんかは明らかにこれは経営規模が違うわけです。勿論普通農業主体であつて果樹を一反しかやつていない、そういうものもありますが、そうでなしに、果樹主体になつている農家の場合には資金需要量というものは枠が非常に大きいと思うのですが、そうなると経営規模なり或いは担保能力等差別をつけられるなら、そこに普通農業果樹農業あたりは若干の差別がつけられるのが妥当じやないかと思いますが、そういう点はどうなりますか。
  59. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これはまあいろいろ議論があると思いますが、私のほうではやつぱり経営規模の大小を考えておるのでありまして、今の担保能力の問題で行きますと、例えば果樹であれば専業で大きくやつておるというのもいろいろあると思いますけれども、それはそれでやつぱり借金能力があるので、最低の融資をつけて行くというのが今度出したい法律趣旨でありますので、どうしても独力でできないものを特別に見てやろう、こういう趣旨からまあ作業をやつておる、こういうふうにやつておるのであります。
  60. 江田三郎

    江田三郎君 これは少し余りに一般的な見方じやないかと思うのでして、それは果樹の場合に、例えば北海道の余市のりんごも倒れているわけです。さくらんばにしても倒れてしまつておる。さくらんぼの場合は、これはちよつと借金能力といつたつて倒れた樹を担保に誰も貸す人はおりはしません。りんごもそうです。而もりんごで、さくらんぼは別にして、りんごの場合には収穫の直前に振い落されて、今年の収穫は殆んどゼロに近くなつて、而も倒れた木が今度実を結ぶまでには数年を要するということになると思うのです。起したところでなかなかすぐには復旧しないでしよう。それから内地梨あたりでもこの落花した部分だけでなしに、その後の天候で非常にたくさん花が咲いていますが、そうすると来年の収穫が又落ちるということになるわけですが、これはやつぱり金額的に見ると大きく狂いが来ていて、普通農業の場合とはもつと桁の大きい被害になつておると思うのです。若し経営規模ということだけを言うならば、経営規模というものの中には勿論量だけでなしに、質的なものも含むと思うのですが、そうであればやつぱり甚大な被害を受けた果樹農家に対しては何か資金枠というものが特別に考慮されて然るべきじやないか。そういう点を或いは政令等でお定めになる用意がありますかどうか、その点。
  61. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 今までの研究ではまだそこをどうするというところまで行つておりませんが、よく研究して見ます。
  62. 江田三郎

    江田三郎君 本当に研究して下さい。
  63. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 さつきの未定の経過について若干の説明があつたのですが、健苗育成の四億五千万ですか要求額の総額、これに対して建前論で水掛論をやつたのじやいつになつて果てるのかわからないという懸念があるのですが、これは一体農林省としては食糧増産という政策論を大きく振り上げて、そして大蔵省の蒙を啓くというか、そういつた自信、そういつた見通しというものがあるのかお伺いしたい。
  64. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これは勿論そういう趣旨大蔵省交渉いたしておるのでありまして、三十年度予算ではどうしても通したい、こういうふうに考えております。
  65. 松浦定義

    ○松浦定義君 今度のこの決定を見ますと、非常に我々が予想しておつたよりもいずれの面についても低い、農林告の要求額にも満たない面も随分たくさんあるのですが、まあこの救農土木事業で先ほども御意見がありましたが、北海道の場合は内地府県から見ると額においては非常に多いように見える。併し今のお話のように内地府県は特定県だということでありますと、範囲の面からいつて決して北海道余り大きいとも考えられないのですが、特にこの北海道分の中で国有林事業の八億五千というのは、先にもいろいろ政務次官も説明がありましたが、すでに二億五千万というものは支出済みである。更に又仕事の内容からいつて、一般農家が入つてこれをやるということはもう殆んど不可能に近い。その附近の者が少し就労できるというような程度で、残額の五億五千ですか、この面についてどれだけ救農の品的を果すかということになると、もう殆んどが不可能だとこう思うので、それらを差引きますと、昨年から見ますと救農土木としては北海道の今年の災害冷害から見た而では非常に低いと思うのです。先ほども御心配がありましたように、冬季を控えてこの面が完了しないのじやないかというような面もあつたのですが、こういう林野関係の面を除いては、いろいろ仕事の面でありまして、まあ多少春遅れても恐らく不可能だということは全然ないと思うのですから、こういう点について、なぜこの国有林事業といつたような救農土木として災害農家が就労できないような面に重点を置いてやられたか、無論これは先般もお話がありましたように、一兆円予算というような枠で締められておるということはわかるのですが、そういう面からいつてもこれがぎりぎりの線だというふうに私どもは考えていないのです。こういう点で、将来如何に我々が国会において修正をするというような事態があつたとしても、こういう点についてはもう全然農林省としてはそういうような余地はないというふうにお考えになつて、まあこれで何とか我慢してくれといつたようなお考えであるかどうか、この点を一度お伺いいたしたいと思います。
  66. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 初めにちよつと国有林事業の八億五千でありますが、これは前に大蔵次官が説明したときは八億ということになつております。その内容も只今松浦委員の御説明通りでありますが、今度計上しておるのはそれとは内容的には変えておるのであります。前のすでに使つた二億五千というようなものはこの中に含まないことにしまして、それははずして、新たに新規の事業として三億五千万を追加しておる。既定の、もうすでに先に予備費で五億出しておつた。それに加えて三億五千万を林道その他のほうにも向けて行く、こういうふうにしております。それにしましても、お話のように国有林事業が一地方に片寄るということは止むを得ないのであります。そうしますと、結局もつと予備費をとれということになるのであります。つまり節約解除とか、今の国有林でなしに、自由に使える金を増せということであります。これは当時三億であつたのを二億だけ増したのでありますが、補正予算全体の枠から見まして、私どもの力では精一ぱいのところであります。先ほど申上げましたように、まだ予備費財源がある、ないというので、農薬のほうがきまらんような始末であります。補正の全体の枠に縛られて、止むなく五億で一応計上しておると、こういうわけであります。
  67. 松浦定義

    ○松浦定義君 そうしますと、なお更私は内容が却つて救農意味をなさなくなると思うのです。二億五千万が引かれたあとですら、なかなか農家の就労のあれに充てられない。にもかかわらずこの二億五千万が例えばそこに生きたということになりますと、却つてそれがなお更一般被災農家のあれにならない。そこで若しこの八億五千万というものがそういう意味で充てられましても、仕事の内容によつては、どうして今も申上げましたように、一般農家の就労ができないという場合に、残つたものが若しこれを使うことができないような事業計画しか立てなかつた場合には、これはやはりどういう形において繰越すというか、そういう点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  68. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 只今のやつは国有林の特別会計の費用でありますので、繰延べて国有林の特別会計で事業を翌年度にやつて行く、こういうことになるのです。それを一般のものに使うのには、国有林特別会計から一般会計に移すという手続が必要になつて来るのであります。もう一度予算補正をしなきやいかん、こういうことになります。
  69. 松浦定義

    ○松浦定義君 そうしますと、まあ簡単に言えば八億五千万といううち、例えば一億しか救農の目的として果し得なかつた。そしてあとの分は六億五千万というものは残つてしまつたといつた場合に、それがやはり切替えることができなくて、結局十九億なんというものがただ形だけの額であつて、実際問題としてはこれが十五億或いは十四億しか本当の意味を持たないという結果になつてしまうと思うのです。そういうことではいかないが、八億五千万というものはどういう考え方で、全部これが救農意味になされるような計画が立つておるのですか。
  70. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) この内容は風倒木の処理、それから林道、造林というもので計画を立ておるのです。
  71. 松浦定義

    ○松浦定義君 風倒木の処理にしましても、私ども現地でいろいろ聞いて見ますと、恐らく今木材業者が払下げをしておる。ところがその中でどんどん開発をしておるということになれば、ほかの者がそこへ入つてやるということはできないので、今受けておる業者にこれを払下げなければならん。従つてその業者というものがそういう人を使うことを必要とする業者であればいいんですけれども、そういう業者ばかりではないかも知れないし、或いは又そういう場合においても、非常に奥地だとか、危険のあるような仕事には未経験な者は入れないというようなことが又あるわけなんです。又更に林道と言いましても、これはもう四尺も五尺も雪が降つてしまうようなところで、林道は恐らくこれからやるということはできない。これはもう夏の仕事である。更に植林なんということになりますれば、これはもう北海道は来年の六月以降にならなければ木を植えるなんていうことはできやしない。そうしますと、今のようた計画では恐らく三分の一、四分の一ぐらいしか一般の者が就労できないということになるので、そういう一般のできないようた計画をお立てになつて、それで救農土木の総額がこうだということでも、これは私は決して温かい救農土木卒業の予算措置だとは考えないのです。こういう点をもう少し具体的に、一般農家救農になるということであるならば、例えば被災農家が、薪炭の払下げをしたいというようなときに、御承知のように五千五百万石も風倒木があるのですから、そういうものを二戸当りなんぼというような形で払下げして、その払下げたものを自家の薪炭にもする、それによつて販売をする、それが労賃に代るというような形にでもしなければ、到底今のように林道とか、或いは植林だとかいつたような、そういうような全然手の届かないような形で予算だけお取りになつても、これは結果的に見ては来年の五月になつても何ら救農意味をなさなかつたということになると思うのです。こういう点について、今申上げましたように薪炭の払下げ等についてそういう意味に合致するような方法にでも変えられるということはできないかどうか、この点を伺つておきます。
  72. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 只今私が申上げましたのは、風倒木処理としてはもつと大きい費用が入つておるのでありまして、その中で直轄事業の分だけを見て、今お話のありましたその払下げの分は見てないのであります。更に八億五千万の中で、あとで追加した三億五千万のものは林道施設、造林等が殆んど全部でありまして、これらはあとで、今のはつきり風倒木処理とは分けて人夫貨を落すというために追加をしたのであります。その点は御了承願いたい思います。」  なお製炭用材として払下げたらいいじやないか、こういう点でありますが、それはそれで市町村長を対象といたしまして、無担保、無利子で払下げる方途を、国有林として講じております。ただ北海道では今の風倒木それ自体がそういうふうに向く分は余り多くないのじやないかと思います。
  73. 松浦定義

    ○松浦定義君 そうしますと、林道とか植林というものは、恐らく今申上げましたように年が明けて五月、六月にならなければ着手できないと思うのですが、この予算はそういう意味で、或いは夏でも就労をしなければやつて行けないという農家も相当あると思うので、そういう場合には七月になつても八月になつても、この予算というものはそのまま生かして、その仕事に従事することができるようになるのか、そういう点はどういうふうになつておりますか。
  74. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 説明が少し不十分ですが、今の冬にできるような仕事というので選んでおりますので、結局林道については、林道の砂利採取等が相当大きい部面になります。できるところはやります。それから造林の分でも、植えるというのではなしに、除伐といいますか、そういう意味の造林を選んでおります。私のほうでは冬できるものをやろうという趣旨でやつております。
  75. 松浦定義

    ○松浦定義君 そうしますと、できなかつた分は、これは結局返上ということになるわけですね。
  76. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 来年に繰越してやつて頂きたいと思います。
  77. 松浦定義

    ○松浦定義君 それから種子対策ですが、この中で大豆とか小豆、それぞれ出ておりますが、いんげんというのが四十七百九十八億という相当大きな数字になつておるのですが、恐らくこれは北海道を中心としてだと思うのですが、大小豆以外にもこれはとうもろこしもありますけれども、菜豆類で相当種子不足かしているものがあるのです。いんげんという中に菜豆というのが入つておるのか。その菜豆は全然大小豆以外のものは認めないと、こういうふうにお考えになつているのか。この点どういうのですか。
  78. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 入つております。
  79. 松浦定義

    ○松浦定義君 それから先ほどもいろいろお話がありましたが、健苗育成の助成ですが、これはすでに両院の農林委員も、或いは加藤担当国務大臣も参りまして、その必要性を十分北海道としては認識してもらつているわけです。これはもう北海道ばかりでなく、このままで行きますと全国的なこの面が削除されてしまう前提になるのじやないかと、こう思うので、先ほどのお話のように、三十年度の予算では要求しておると思いますけれども、恐らくこういう適切な必要なときにすら、何らその項目を取上げないということでは、恐らく三十年度の予算は不可能だと、こういうふうに思いますが、予算がないからというようなお話でありますが、先ほど申上げましたように、例えばその救農土木あたりで今のような八億五千というものがどうしても消化できないというようなことになるようなものも私は出て来ると思うのです。そうしますとここの中から一億や一億五千というようなものを健苗育成のほうに廻すとしても、決して国家の一兆円予算の範囲から行けば異論はないと思うのですが、その点でどうしてもこの点を若し大蔵省農林省も認めないということになりましても、例えば総額がそういう形で消化できないというような面になつた場合にはその予算の範囲内でこういう面については生かすというようなお考えはあるかないか、この点どういうふうにお考えになつておりますか。
  80. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 予算技術上はいろいろ問題はあると思いますが、今度の場合はともかくにもすぐ農家のお役に立つものからいろいろな範囲で選んでおる。従つて救農土木等の金を、或いは種子対策等早くやらなければいかんものというのでやつていつた。ただ今の健苗育成については従来からその行きがかりがあつたものですからあと廻しになつて来ておるのでありますが、これは農林省としましては二十年度の予算では二十年度の予算に組まなければ、即ち来年の一月頃までに方針をきめなければ春の種子に間に合いませんので、それに向つて最善の努力をいたしておると、こういうふうに考えるものであります。
  81. 江田三郎

    江田三郎君 あとで林野庁のほうで資料を頂きたいのですが、風倒木を今後年次別にどういうふうに処理をされるのか。それから処理をされるのに直営の分と、それから民間払下げとの分との割合がどういう見込になりますか。それからその風倒木から生産される材の大体の用途というものはどういうふうになりますか。これらの資料あとで頂きたいと思います。
  82. 森八三一

    委員長(森八三一君) 政府のほうで一応内定いたしました予算に関連いたしまして御説明があり、各委員から御質疑があつたわけでありますが、この際十月二十二日に当委員会の総意を以て御決定を頂きまして、関係各大臣に申入れをいたしたわけでありますので、その申入れに関連いたしましたその後の措置がどうなつておりますかをこの際二、三お伺いをいたしたいと思います。  先ず最初に、かねがね委員会が取組んで参りました対策は、昭和二十九年度災害に関する対策ということであつて、そのうちには冷害を含むという程度であつたのでありますが、どうも印刷物等を拝見いたしますると、冷凍害対策ということで、二十九年度災害が全面的に、形の上から見るというと、表題から影を失つたように思いますが、これはそういうつもりでおやりになつているわけではないと思うが、やはり予算措置なり、その地今後法律案等を御決定を願い、案をお作りになるときには、やはりそういう感覚で一つ進んで行つて頂きたいと思うのです。冷害対策だけではないということは、強く一つ要望をいたしておきます。それに関連して災害復旧を急速に収進むべきであり、更にそのことに関連いたしまして、最近の被災農家の、或いは主要団体の経済事情から申しますと、相当手厚い対策をとらなければならんだろうというような趣旨で申入れをしてあつたのですが、その急速に復旧をしなければならんという趣旨からして、三、五、二の大体の比率で推進すべきであり、更にその補助率等についても考究を要するということでありますが、そのようにこの申入れに対して、只今説明予算はどういうような結論を得ているのかを先ずお伺いいたしたいと思います。
  83. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 三、五、二の比率に対しましては、先ほど申上げましたように二三・五%ということになつているわけであります。但し査定が全部済んでおりませんので、多少その数字は違うと思います。  それから高率補助の問題は、これは昨年の経験に鑑みまして、結局予算が潤沢にあれば本当に被害の激甚な地域も救われると思うのでありますが、去年の経験に見ますと、結局災害を受けた殆んど全地域に高率補助が適用されるというような基準になつてしまつたのであります。今年それを違う基準にするということについては、これはまだいろいろな問題がある。結局違つても、大して違うという案はできないだろうというふうな考え方もありまして、且つ又既存災害復旧に関する法律の中では、被害程度の多い地域には逓増的な補助をなすという規定もありまするので、結局少い予算の範囲内でありますと、そういつた規定をやつたほうが、結果的に被害の激甚な地域に、いわゆる早く必要な金が行くのではないか、こういう考え方から高率補助法律はやらないほうがいいじやないかというふうな考え方に私どものほうではなつておるのであります。
  84. 森八三一

    委員長(森八三一君) 三、五、二の比率というのは、加藤担当国務大臣もその比率で行きたいという見解の表明はあつたのでありますが、今の二二%乃至二四%という率より今の段階では進行しない。というのは、やはり一兆円という予算の枠にこだわつている関係なんでありますが、その辺の交渉のいきさつの実態はどうであつたのかをお伺いします。
  85. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 全く一兆円の関係であります。九千九百九十八億という数字になつている関係であります。
  86. 森八三一

    委員長(森八三一君) それからその次にお伺いいたしておきたいことは、勿論御考慮を願つておると思いますが、今年度災害に対する営農資金の貸出抽置については別途法律を提案せられると思うが、その法律には、過年度災害によつて融資を受けた被災者で本年度重ねて災害を受けたものにつきましては本年度分の償還を延期すべしという主張を申入れておるのでありますが、その措置は講ぜられるように進んでおりますのかどうか、その一点をお伺いいたします。
  87. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) その点は法律の中に取入れることにいたしております。
  88. 森八三一

    委員長(森八三一君) その次にお伺いいたしたいのは、被災農家に対しまして昨年は主食の特別払下げをやつたのでありますが、本年も当然そういう措置を講ずるというかねがねの政府の見解の表明もありましたので、すでにそういう措置は請ぜられておると思いますが、その場合における払下代金はどういうような内容で決定せられまするのか、更に過年度被災者に払下げました代金の延納、或いは延納に位するような何らかの対策が行われておるのか、その点をお伺いいたします。
  89. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 飯米の払下げは政府の卸売価格で渡すということにいたしますと同時に、一年間の無金利無担保の延納をいたしておるのであります。更に昨年度災害を受けたものに対しての処置でありますが、この点は結局、農林省は県に今のような措置を講じて県を相手にしておる、県が今度は市町村を通じて被災者に今のような措置を講じておるのであります。従つて今までのところにおきましては、数県については昨年の貸付したものについて更にこれを延ばすということをきめておると思いますが、なおそのほかの県で、県全体としては昨年借受けた米麦に対してこれを町村に貸与えた場合に町村側で返せないという分は県全体としては非常に少いというような県が数県あるのであります。これは即ち、昨年度一万石貨与えた場合に千石に相当する程度災害町村があるというふうな県があるのであります。この分については県と農林省のほうでどうしてもそれまでも県が負担できないかどうかというふうな交渉をいたしております。要するに、県において全体のうち五%か一割程度ならば県の責任において農林省には返せるのじやないか、そうして県独自で下の町村に対しては延納なり或いは別の低利資金を貸すというような制度考えている児もあるようであります。現在のところでほそういうふうな状態であります。
  90. 森八三一

    委員長(森八三一君) そうしますると、その実情によつていろいろな扱いがあると思いますが、農林省としては、地方自治体の責任なり負担において措置し得ないというようなものについては、過年度の払下代金について延納若しくは延納と実体的に同様の効果の発生いたしますような措置を講ずる準備はあり、数県についてはそういうような措置もすでに講じておるというように理解してよろしいと思いますが、さようでございますか。
  91. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) その通りであります。
  92. 森八三一

    委員長(森八三一君) それから今の払下代金の問題ですが、昨年は生産者価格で行われ、今年は卸売価格で行われるということになりまするというと、これは他にも同様の昨年と違つた措置が講ぜられる面があるわけでありまするが、非常に食糧増産にいそしんでおる自家保有農家が主食の配給を受けなければならんというような悲惨な状態になつておる諸君から考えますれば誠に不満足なことであり、偏頗な扱いであるという不満を持つと思いますが、そういうようなことをお考えになりながらあえて本年度は御売価格にしなければならなかつたというのはどんないきさつで、ざいますか、その辺をお伺いいたします。
  93. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 今の生産者価格でやるのには法律が要るのでありまして、法律を待つてそういう措置を講じたのでは手遅れだ、できるだけ政府独自でやられるものは早くやりたい、こういう趣旨にほかならないのであります。去年と同様にするということについては府県等ともいろいろ相談しておるのであります。現在のところまだ法律を出すという段階までには行つておりません。
  94. 森八三一

    委員長(森八三一君) その次に病虫害の関係でございますが、これはすでに閣議決定方針を明らかに示され、その当時は予算に制約を設けないという当時の大蔵政務次官も当委員会出席してお話がありましたのに、今以てその予算が未定であるというのは一体どういうことなのか、ちよつと理解に苦しむのでありますが、要綱は閣議決定できまつておる、予算には当時制限を設けない、その要綱に当てはまつたものについては幾らでも出して行くんだという説明があつて、すでに病虫害の補助は終つてつて統計もできておると思いますが、それが財務当局との間に話が合わないというのは一体どういうことなのか。
  95. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これは結局病虫害発生面積、それから一回以上散布面積、そういつたものの推定の方法、これを裏付けするために農薬の使用量の算定方法、いろいろなフアクターがあるのでありまして、それらについて計算が相互に一致した計算にならないと結論が出ませんので、今やつておるというわけであります。
  96. 森八三一

    委員長(森八三一君) 健苗の育成の問題ですが、まあ建前説と一兆円の予算の枠内と二つの観点においてこれも未定であるということでありますが、本年度予算約二百億円の節約中今回は相当額を解除して災害対策その他に充当をするというような措置が講ぜられ、関連して補正予算が提案をせらるる運びになつておると思いますが、農林省節約額中節約しぱなしでなお且つ残存しておる金額がございますのか、ございませんのか、計算上それはどうなつておるのか、節約額を今回の対策その他に解除をして使用するということになつておるのか、残額はないのか、まだ残額がございますのか、大まかな数字で結構でございますが……。
  97. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 節約解除公共事業費のうちで三%でありますので残りの七%は未解除になつて今度の補正予算のその他の財源に使われておるのであります。
  98. 森八三一

    委員長(森八三一君) 今お伺いしましたのは補正予算財源等に使われて、更に節約のままで残存しておるというように考えられるものがあるのかないのか、これは大蔵省にはありませんかどうか。
  99. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) 私の承知する限りではそういうのはないものと思つております。
  100. 松浦定義

    ○松浦定義君 営農資金はいずれまあこれは法律はすでに政府のほうでも出してくれるというのですから、これは臨時国会ではすぐ通過すると思いますが、そうしましたら、その資金の貸出はいつ頃から始められますか。
  101. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これはもうすでに北海道等においてもやつておると思いますが、道会において利子補給法を付けて貸すからということで貸しておると思います。それは法律で、すでに貸しておるものでも法律の条件に該当するものは、その利子補給、損失補償法の対象にするという規定を置きまして、すでに貸しておるものもやつて行く、すでにどんどん法律の対象になる貸付は行われておる。私どもはそういうふうに指導しておるのであります、
  102. 松浦定義

    ○松浦定義君 そこで問題になつておるのは農手の支払なんですが、これはどうしても支払えないものは振替えるということになるので、これを待つている。ところが農手のはうは御承知のようにもう十二月からどんどんと回収して、現在まあ単協では回収をやつているわけなんです。相当強い指示に基いて回収をやつているわけなんです。ここで聞きますと、それはこの間も大蔵政務次官は中金のほうに余り無理なことをしないようにということを電話で言つたとか、銀行局長に話したとかいうことを言いますけれども、それは県信連までそれは或いは行つていないのかも知れない、或いは単協では全然そういうことがわからないものですから、既定方針通りつているということで、御承知のように前回申上げましたが、まあ特に雑穀なんかは自由販売ですから、相当業者が買い叩きをしておる。もう支払しなければならんからどうしても出さなければならんということで、もう毎日のように相当額が下つているということなんて、その営業資金が来た場合にはそういう人のやつを早く切替えて、少しでもそういう面で余裕を持たせるようにしなければならんということを考えておるのですが、まあ今のお話ですとすでにもうやつておると言われましても、農手の支払等なんかについては、全然振替するというようなことはできていないわけなんです。そういう面で一つ早く決定されたらこの面についてもそういう処置ができるように一つ早くやつてもらいたい。  それからもう一つ、共済金の支払なんですが、これらも農手の振替があると、更に北海道等ではもうすでに早く支払をしてもらいたいということをまあ常々に言つているわけですが、この点はどの程度に行つておりますか。年内に全額支払ということは可能であるかどうか、この見通しはどういうようなんですか。
  103. 渡部伍良

    説明員渡部伍良君) これは年内に払うから早く資料を持つて来い、こういうことでやつておるので、知事さんに聞いたのでは、年内に間に合いそうである、こういう話であります。
  104. 森八三一

    委員長(森八三一君) まだ御質問あろうかと思いますが、本件に関しましては更に午後対策本部長、大蔵当局をも含めまして継続御審議を願う予定でございますので、午前中の質疑はこの程度にいたしまして午後にいたしたいと思います。  暫時休憩をいたします。    午後零時三十四分休憩    —————・—————    午後二時二十二分開会会
  105. 森八三一

    委員長(森八三一君) 休憩前に引続きまして委員会を開会いたします。  休憩の際に申上げましたように、午後は災害対策の相当大臣であります加藤国務大臣並びに財務当局の出席を求めまして継続御審議を願う予定でございましたが、加藤国務大臣は他の公務のために本日出席が不可能である旨でありまするし、財務当局のほうも省議の開催中であり、更に主計局の次長以下も昨日から今暁にかけまして災害対策農林関係予算についての両省間における打合せ等のために徹夜をせられたというようなわけで出席が困難であります。さような関係にございまするので、災害問題を継続御審議を願うというような状態には取運びが困難でありますので、只今明日正刻に出席されまして審議の進むように折衝中でございますので、この際議題に追加いたしまして、飲用乳処理基準等の改正に関する件を議題にいたしたいと思います。かねて問題になつております本件について、その後農林当局と厚生当局との交渉の状況について、農林省畜産局長から報告を求め、続いて本件の取扱方について重ねて御協議を願いたいと存じます。本件は再三御協議を願つたことでもあり、更に本件の取扱は懇談で進めますることが適当と思われますので、さような取運びにいたしたいと思いますので、御了承を頂きたいと思います。一応畜産局長からその後の情勢を御報告頂きます。  速記をとめて下さい。    午後二時二十五分速記中止    —————・—————    午後三時九分速記開始
  106. 森八三一

    委員長(森八三一君) じや速記を始めて下さい。  只今懇談をお願いいたしました飲用乳処理基準等の改正に関する件につきましては畜産局長から経過の御報告がございましたごとく、厚生省における構想に対しまして農林当局においては当委員会の意のあるところを含めて折衝が行われておるのであります。この折衝が速かに妥結いたしまして、その妥結は本委員会においての審議の経過に徴しましてその趣旨が盛込まれるように努力されますことを期待いたしまして暫らく推移を見まして、更にその情勢によつて本件の取扱を進めて頂くことにいたしたいと思います。本件の取扱につきましてはさようなことにいたします。  再開最初に申上げましたように、本日の議題でありまする災害対策の問題につきまして財務当局並びに連絡本部長の出席を求めて更に御審議を頂く予定でありましたが、御報告申上げましたように、連絡本部長は他の公務のために五時過ぎまでは出席が困難である予定があるということであり、財務当局は大臣以下本件を中心とする省議の開催中であり、主計局の次長以下事務当局は本件農林関係の問題につきまして昨夕から今暁夜を徹して両省間の打合せがあつて、本日は休んでおるというような次第で、閥係当局の出席が御報告申上げましたような次第によつて困難であります。  つきましては、明日は関係各方面の出席が得られまして審議の進展が見られまするように、只今要請中でありまして、まだその御報告を得ておりませんが、極力さような取運びをいたすことにいたしまして、災害対策の審議は明日お願いすることにして、今日はこの程度で散会をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  107. 松浦定義

    ○松浦定義君 丁度畜産局長が来ておられるからお伺いいたしておきたいのですが、酪農振興法に基く酪農地域の指定ですが、集約酪農の地域指定を十二月項にはまあ大体決定したいというような従来からのお話でしたが、大体今どの程度に進んでおりますか、ちよつとでよろしいからその点ちよつとお伺いしておきたいと思います。
  108. 大坪藤市

    説明員(大坪藤市君) 只今の御質問の点でございますが、各府県から法律の規定に基きまする申請書によりまして御質問のように内部審議を重ねております。その中になおやや法律の規定しております要件を備えていない申請書がたくさんあるのでございまして、これを整備いたしておる模様でございます。私どもといたしましては、指定をいたしまする以上は、これに必要なる予算の裏付けというものが伴わなければならん、かように考えておるのでありまして、その予算の面につきましては、目下大蔵省予算を提出しているわけでございまして、これがどういうふうなことになりますか、現在までの折衝の内部的な打合せでは、財政当局としては予算を伴う前提に立つておりますので、できるだけ少く指定をして欲しいというような意向のようであるのでございまして、この点が今後予算の面と、それから地方から出て参ります法律に基きます申請書の内容並びに形式或いは地方の集約酪農地域に対する心がまえ、こういうような点とも関連いたしまして十二月の末ぐらいまでに決定して参りたい、かように考えているのでございます。現在のところ私どもといたしましては、予算の面といたしましても五十カ所分提出いたしておりますので、是非今年に五十カ所分をやりたいと思つておりますが、財政当局は只今申上げましたような見地からいたしまして、できるだけ少く指定して欲しいということは、予算をそれだけ削るというような立場をとつているのでございます。これは今後、今年内における最も大きな問題じやないか。かように思つております。
  109. 松浦定義

    ○松浦定義君 時間がありませんから、質問はあといずれしますけれども、どうも今のお話ですと、あの当時の意気込みと大分これは変つて来たようで、いずれの場合も予算々々で……その点いずれまあお出しになるときには相当強く出して頂いて、どうしても出せないところはいろいろお互いに委員会でもやらなければならないと思います。
  110. 森八三一

    委員長(森八三一君) それでは明日は十時から開会いたします。  今日はこれを以て散会いたします。    午後三時十六分散会