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1954-10-22 第19回国会 参議院 農林委員会 閉会後第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月二十二日(金曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森 八三一君    理事            重政 庸徳君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            戸叶  武君    委員            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            横川 信夫君            岸  良一君            溝口 三郎君            河合 義一君            松永 義雄君            松浦 定義君            鈴木 強平君   委員外議員            木下 源吾君   国務大臣    農 林 大 臣 保利  茂君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    大蔵省政務次官 山本 米治君    大蔵省主計局主    計官      鈴木 喜治君    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農林経済    局金融課長   松岡  亮君    食糧庁総務部企    画課長     中西 一郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (米穀検査の件)  (台風による被害及び冷害とその対  策に関する件) ○本委員会の運営に関する件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今から委員会を開きます。  最初に米穀検査の件を議題にいたします。本件につきましてかねて江田委員から国内産米穀が絶対に不足しているという現実に即応して米穀検査商品価値の向上よりはむしろ量産を主眼として、そのやり方を改むべきではないかとの趣旨の、又佐藤委員からは米俵重量不足に伴い内容たる米の量目の増加が余儀なくされている現状においてこれを是正すべきであるとの趣旨の御質問があり、すでに委員会において一、二回問題になり、前回の委員会において保利農林大臣から速かに事務当局をして検討せしめたい旨の言明がありましたので、本日はこれら検討の結果、及びこれに基く農林省における方針等に関する報告を求めることにいたしたいと存じます。  なお本年度の米穀につきましては、災害関係から品質が極めて不足であることは申すまでもございませんが、こういうような現実に即しまして供米の円滑な進行を図りまするためには六等級設定等のことも考慮する要があると存ぜられまするが、これらの点につきまして政府当局の御見解も併せて伺いたいと思います。  以上の諸点につきまして政府の御報告を求めます。
  3. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 第一の包装の問題でございますが、本年産米価をきめます経緯はすでに御説明した通りでありますが、一応全部を加重平均しまして百七十五円というふうな計算をとつております。併し実体としてはそれぞれの包装単価は昨年と変えない、出廻りの模様によつては百七十五円でなくて百八十五円にも、或いはそれ以上になるかもわからない、そういう実情でございます。なお包装そのものの改善なり或いは合理化というようなことにつきましては食糧庁としても研究を取進めております。特に叺の問題とか、或いは六十キロということでなしに、もう少し取扱に便利なような、例えば三十キロの包装はどうだとかということについても、併せて特定の事務所に委託しまして研究を運んでおります。いずれにしましても、すでに相当出廻りも見ておりますし、途中ですぐどうというわけにも参りかねるかと思いますが、基本的な態度をできるだけ早急に固めて包装の点について遺憾のないことを期したい、そういう方針で進めております。  なお第二点の今年の作況から見て米の品質が相当悪い、六等の米を規格として設定したらどうかというようなお話でございますが、昨年の災害にならいまして本年も等外の上は作りたいと考え、その手はずは済んでおります。六等と言いますとどういうようなものになるか、規格が非常にむずかしいと思いますが、現実には等外の上を作るわけです。で、これから本年産米標準品等査定委員会などの審査を経てきめるわけですが、昨年の災害のときの品質が悪いということに基いて昨年も若干標準品査定災害実情に合せた、こういう経緯がございます。特に整粒歩合とか、被害粒とか、不登熟粒とか色沢とか、そういう要素について少しずつ配慮しておるわけです。で、本年も去年と同じような配慮をする必要があるのじやないか、こういうふうに考えておりますが、品質の悪い点は或る程度先ほどの集荷を促進するとか、或いは増産させるとか、大きな目的に副つた措置が講ぜられるんじやないか、その目的に副い得る結果を見得るのじやないか、そういうふうに考えております。
  4. 江田三郎

    江田三郎君 この検査規格の問題について、これは企画課長もおられたと思うのですけれども、どうだつたか私はつきりしませんが、検査課長に当委員会に出てもらつて、そのときにまあいろいろ話をしたわけでして、更にそのときに申上げたのは、最近黄変米というような問題もありますけれども、併しまあそういう状態になつて来るというと、国内の米というものをたとえ一合でも軌道へ多く乗せなきやならない、そこで検査規格というものが、今の規格というものが不合理なんじやないか。もつと規格を下げて、できた米が全部もうそれに入るようなものでなければならんのじやないか。特に将来の問題は別にして、農林省のほうで銘柄設定というような方向で以てやつて行くなら別問題ですけれども、銘柄設定はやらないというときに、併し昔銘柄のあつた地帯の米はあなたがたのほうでは払下げのときには単価を高くして払下げておられる。従つて農民から言いますというと、昔の銘柄のあつたような地帯農民から言うと、政府に不当に搾取されていると申しても私は過言じやないと思う。実際に軟質米地帯硬質米地帯とはあなたがたのほうでは払下げ価格を違えて行く。そうするというと、それを銘柄に持つて行かんというのなら、これが払下価格には少くとも新潟の米も香川の米も同じになるように、そういう硬質米地帯の現在の規格というものは或る程度下げなくちやいかんのじやないか。一つはできるだけ米は一粒でもたくさんの内地米配給ルートに乗せるということが一つ、それからもう一つの問題は、今の払下げの問題と関連して見た場合に、一部の地帯が不当な政府によるところの中間搾取をこうむつている。この状態を是正しなければならない。こういう意味からも今の検査制度というものを再検討しなければならん。たまたまそこへ持つ来て本来の災害が出て来た。災害の米については、まああなたがたのほうでこれは御覧になつたと思うのですけれども、私も狭い範囲しか見ておらないのですが、見るというと、相当今年は米が悪い。粒数はあつても青いのが非常に多いし、それから瘠せたような米がたくさんあつて、ああいうものが一体従来の検査規格から言うと相当はねのけられるのじやないかという点を心配するのですが、今等外の上ということを言われましたが、等外の上というので一体今年の米というものが全部救い得るかどうか。勿論まあ極端なしひななんかは別として、救い得るのかどうか。そういう点は一体どうなんですか。
  5. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 第一の特別の硬質米地帯についてこれは現実銘柄別格差を作つて欲しいという非常に強い要望は例年ございますし、本年も相当ございます。でそれはそれとして別途検討は進めておりますが、現在の供出制度の下で実は価格構成として奨励金制度というものがそれに附加され、早場米奨励金とか或いは超過供出奨励金とか、そういうような形で何と言いますか、格差そのものよりも米を早く出すとか或いは超過して出すとかそういうようなところへ政府重点を置き、農民商品生産もそちらに重点を指向しておる、そういうような形で格差そのものが非常に軽んじられて来た傾向があります。そういう情勢の下で銘柄別格差を作つて見ましても、それが直ちに商品としての流通に好影響を及ぼすとか悪影響を及ぼすとかそういうことの判断が非常に困難、むしろ現在の規格で、簡明なままで相当集めるというような現状を今年も継続して行こう、こういうことになつたわけですが、ただ特別の酒米などは高く買つて高く売る、格差を付けただけ高く売るという、そういう措置ができますので、酒米については銘柄別格差を実は採用しております。で硬質米地帯では確かによい米を出すし、歩留りも高い、そういう意味払下げのときには末端消費者価格同一でありますためによい米を同一値政府払下げると卸の段階歩留りがよいということによつて相当な超過利潤が発生せざるを得ない、そういう点が一つの難点になつて政府のほうでは価格段差を付けて歩留りのよいのはそれだけ高く払下げる、そういうことをやらざるを得ない、それは消費者価格を一本でやつておることから逆にそういうふうに追い込まれた形で止むを得ずとつておる措置でございます。併しはつきりしたデータと将来の売渡し対策等で善処できますならば銘柄のほうも考えて行きたいということで研究を取進めておるわけであります。  それから等外上でどの程度供出米が確保でき、生産者のほうの大体食べられるという米がどの程度カバーされるか、こういうことでございますが、これは非常に細かくなりますが、一升重量も相当下げまして、三百五十匁、整粒歩合もうんと下げまして三〇%、そういうふうに規格を相当落して考えております。
  6. 江田三郎

    江田三郎君 価段は。
  7. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 値段はこの格差分をきめてございませんから、まだ未決定でございます。水分が一五%というような見方をし、被害粒死米も相当上げまして、そういう形で規格決定をいたしておるわけでございます。そこで青米死米そのままで、玄米のままで保管するより仕方がない、農家においてやつて頂くより仕方ありませんが、米は政府が、供出があれば買つて行けるという態勢ということを考えております。
  8. 江田三郎

    江田三郎君 等外の上で、まあ殆んど米と名のつくものは救つて行けるということは、それでよろしい。  もう一つ、例の今言われた現実銘柄設定はまだ今のところできない、併しそういう銘柄設定はできないという現状で、特殊地帯の米は払下価格を高くしているのだというこの矛盾をどう解決をつけてくれるかということなんですよ。これは農民から言うと、明らかに不当搾取だと言つているのですから、不当搾取という言葉に語弊がありますれば、不平等な扱を受けておるのだから、そういう地帯については或る程度基準軟質米地帯とは下げて行かなければ対等な扱いじやないということになるわけです。それを今年の銘柄基準を、標準米を作るときに考慮されるかどうかということはどうですか。
  9. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 現実の問題としまして、先ほど触れましたように、奨励金というような形で、それがカバーされているのが一般的な傾向でありまするが、やはり特定府県、これはよく陳情があるのですが、広島、岡山とか三重、愛知、そういうようなところの話を聞きますと、これは我々のほうで調査します精米歩留りよりも相当高い歩留りを言つておられるのですが、そういうものを基準に置いて、銘柄別格差をつけろ、こういうふうな話でございます。我々のほうとしては、いろいろな検査をやつて歩留りを抑えて見ます。そうやりますと、各府県の話の通りの場合もありますし、それより若干歩留りが下るという府県もございます。全国で大体歩留り段差をつけますと、七分類ずつくらいになるわけです。それを規格のほうでどう取上げるかということでございますが、現在のところは歩留りというのは、そのままには規格の中では考慮いたしておりません。一升重量というようなことで、水分とかそういうふうな点で、間接的に表現されておるわけで、そのままでは等級の中に考慮は入つておらないわけです。従つて銘柄で先ほどの歩留りがいいとか又光沢がいいとか、そういうふうな特別の硬質米地帯は、それ自体として銘柄格差をどうつけるかということとして、研究を進めておる次第でございます。
  10. 江田三郎

    江田三郎君 だから先のことではないのですよ、あなたがた不平等解決するためには銘柄研究をやつておるのだと言われますけれども、銘柄は今年はできないでしよう、来年になつてできるかどうかわからないけれども、来年はできてもできなくてもいい、今年はできないということは、今年は少くとも払下価格から見ても不平等扱いをしておるということなんでして、これはあなたはつきりお認めになるでしよう。それを不平等銘柄設定で直ちに解決つかないということなら、他の方法で解決つけなければならないのじやないか、それには同じ三等の米、四等の米といつても、その標準になる米を不平等でないように違えて行かなければ解決つかないのじやないかということを私は言つておるのです。だから何匁だとか、何十%だというときに、そういう実質的にあなたがたが高い値段払下げをしておるところは、もうそういう標準米を作るときに、規格を作るときに、それを変えて行かなければ、この不平等は是正できないのじやないかというのです。
  11. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 今のお話よくわかるのですが、例えば地域別に何と言いますか標準を変えるとか、或いは規格を変えるとか、そういうことになるかと思います。ただ現在のところでは歩留りのいい米は先ほど申上げましたように間接的ですが、現在の規格のいろいろのアイテムの中でやはり上等級として現われて来ることになるわけです。実際的に言つて買上等級に現われたものは上等級で買う、我々の統計では数字が切捨ての分もありますから、一等が零%という説明をときどきいたすわけですが、一等の米も相当数供出されておるのもそういうことの反映かと思います。ただ銘柄の問題で特別の配慮するかしないかということは、食糧管理の現段階根本政策とも関係しておるのではないかと思います。というのは、商品としてその価値がそのままに受取られる自由な流通ということを、只今のところやつておりません。硬質米地帯が何と言いますか、流通の自由な時代には高い、併しそれは現在の統制下で高く買わなければならないのだということとは少し問題が違うのではないか、何と言いますか、全国一本で特にいいところの米を高くということになりますと、悪いところの米は安くということにもなりかねないのですが、やはり同じ労力なり経費なりを割いてできて来た米は、一定価格買上げるのだというふうな非常に大まかな全国一本の価格でやつておりますために、只今も御指摘のような矛盾が出て来るのではないか。それは買上げ態勢そのものから来る一つ矛盾なんです。何とか解決をしなければいかんと思いますが、今すぐそれを各府県別規格を変えるというようなことでやりますと、いいところはそれでいいですが、悪いところは更に悪くなるということで、どうも実態と若干ズレが出て来る虞れがありますが、そういう点を心配しているわけでございます。
  12. 江田三郎

    江田三郎君 あなたはその何か勘違いしているのだね。現実に三等の米は全国一本の値段で買うでしよう。全国一本で買つた米払下げるときは違つた価格で売つているのではないか。そういうことは別な表現を以てすれば、あなたがた標準選び方間違つているということなんですが、標準選び方間違つていなければ三等の米というものは買上価格が同じなら売渡価格払下価格も全部同じでなければその標準を出すときのデータの取り方が、ただ本当にデータの中は硬質米軟質米というものの特色が十分現われるというようなデータを取つていないということなんです。若しそういう米というものの価値というものを本当に現わすようなデータがちやんと出ているのならば、同じ値段で買うた三等米は、同じ値段払下げをしなければならんはずなんですよ。それが現実にはできていないということは、データの取り方において不十分なものがあるということなんです。そこで少くとも将来は、それは銘柄設定解決つくとしても、今当面、銘柄設定はできないのだから、だからその不合理を是正するために、各県の検査標準米をきめるときに、そこに或る程度の手心を加えて、大体において三等で買上げたものは、一律の値段買上げたものは、早場米奨励金は別にして、とにかく基準価格一律で買上げたものは、同じ値段払下げできるように持つて行かなければ、これは一部の地帯に犠牲を多く強要して行くというこうになるでしよう。違いますか、そいつは。
  13. 中西一郎

    説明員中西一郎君) その地帯そのものについては、自由な流通を認められた自由経済の下において実現するであろう価格よりも、統制のためにその格差が認められないというようでは実情格差そのものについては、不利な取扱を受けておるかと思います。ただ奨励金その他によつてそれぞれの矛盾が糊塗されておる。そういうふうな態勢政府集荷が行われておるというのが現状でございます。ただ配給をいたします際に、高く売つておるということなんですが、これは先ほども若干触れましたが、政府が一手に買つて、一手に売つておる。而もその売ります場合にも、自由な流通経済ならば、非常に精密な銘柄別格差とか、等級別格差とかが自然に生れて来るわけでございますが、現在の逼迫した事情では、そこまでの精密な、販売上の区別はしていないわけでございます。従つてそういう売り方そのものから、政府の売り方まで制約されておる。その間で卸売業者のマージンも公平でなければならない。いい歩留りの米がたくさん搬入される県の卸売業者が、歩留りがいいことによつて、不当な利潤を得る。悪い地域の米がたくさん入る県では、歩留りが悪いために、いつも品不足卸売業者なり小売業者が困るというのでも、そういうことも困りますので、そういうことをかれこれ勘案して、現実の土台の上に立つての操作が行われておる。
  14. 江田三郎

    江田三郎君 行われていないのじやないかな、それは。どうしてそんなことを言えるのですか。卸売業者が、歩留りから見ていい米の地帯のは、歩留りがいいから、最終の消費者価格は同じでも、卸売業者に卸すときには、あなたのほうから特別の高い値段で売つているのじやないか。三等の米、或いは四等の米というものを、全国一律の値段で買う。それでそれを或る地方の米だけは卸売業者に高い値段で売つているということは、これは政府ペテンにかけていることじやないか。どうしてそれが是正できているのですか、奨励金なんかは、むしろそういう地帯のほうが奨励金は少いですよ。今の早場米奨励金というものの性格が、いろいろな意味があるから、まあその奨励金制度、これは止むを得ない制度と思つていますけれども、併しそれによつて一つも問題解決ついておらんのですよ、奨励金では。僕が言つているのは、もう今あなたはつきりわかるのじやないかな。同じ値段で買うたものを、特殊の地帯のは、政府のほうで高く払下げしている、末端消費者へ行くと、それが同じになるのはなぜかというと、歩留りが違うからそうしているのでしよう。だから本当に検査が適正に行われるなら、少くとも三等の米ならば、歩留り全国一律であつて払下げのときには一律の値段が出て来るというのでなければ、公平な検査でないのじやないか。それをそれに近付けるために、そういう歩留りのいいところの米は、同じ三等といつても、標準を作るときに、ほぼ大体全国同じような歩留り、同じ等級のものは同じ歩留りになるような標準をお作りになつたらどうかということですよ。どこが私の言うところ違つているのですか。検査課長は、こういうと、あなたのおつしやる通りだという。
  15. 中西一郎

    説明員中西一郎君) いつておられる硬質米を出す府県についてのお話に限れば、その通りであることは私も認めておるわけでございます。ただ十キロ七百六十五円ということで、配給末端でいたしております関係上、歩留りの低い県の米と、高いところの県とが一本になつて搬入されて、それが末端消費者に渡つて行くわけなんです。いいところで、若干の自由経済上の取引の面からは損をしておられるということと、逆に悪い米のところでは、それだけの分も、利益現実にはやはりあるわけであります。ただ標準品そのものを加減し府県別に加減しろと、こういうお話でございますが、現在の買上げ態勢では、やはり全国一本の規格で行くよりしようがない。ただ歩留りのいいところというのは、やはり等級上よく現われて来るのが本来の姿で、やはり規格上は現在の規格では現われて来るのじやないかと思います。ただそういう形で、等級のいいものとして買つても、なお政府が売るときには、ほかの米よりも高く売つているのじやないか、こういう御指摘かと思いますが、それは卸売業者中間経費を公平に按配するためにとつておる措置で、米がいいから政府がその分だけ高く売つて儲けているのだという、こういうふうな計算はいたしておりません。いい米と悪い米が一定価格卸売に行くということについては、政府としては、損得なしの計算になつています。従つて歩留りの悪いところの米は、それだけの逆の意味利益を受けておるわけでございます。
  16. 江田三郎

    江田三郎君 歩留りのいい米は、等級が上になつておるというなら、そんなら払下げのときに、特殊の地帯のものは、特に高く払下げるということにはならんですよ。特殊の地帯のものが高く払下げるということは、要するに、今の歩留りが正確に等級に反映しておらんということを現わしているのじやないか。歩留りのいい米は、高い等級へ行つておりますというのは、こういうならば、全国一律の払下げ値段になるじやないか。それを十分にカバーしていないのですよ。そうじやないですか。
  17. 中西一郎

    説明員中西一郎君) お話意味は非常に明確になつたのですが、政府買つております場合の等級の作り方、その基礎になつている規格というものは、やはり生産者の立場なり、商品全体のいろいろな角度から見た場合の等級という意味で、或る程度精密にできておるというふうに考えていいのじやないかと思うのです。ただ配給します場合には、東京などで、いい米もあり、悪い米もある、時期もある、地域もある、そういうふうにいろいろアンバランスであつたのですが、そのこと自体需給事情がこういう実態であるから、政府はできるだけの努力をしても、少しのアンバランスは生ずるという、こういう止むを得ない姿かと思います。その場合に消費者に対して売ります場合には、品質考慮も何もいたしていないわけですが、ただ卸の段階に関する限りでは、この段階ではやはり多少自由な営業でございますので、ここで損得関係が何と言いますか、不公平になつてはいけない、そういう配慮から歩留りの悪いものは高く売ると、こういうことをやつておるのです。又等級上も或いは……、等級別には一等から三等までを一定価格で売り、三等、四等というのはやはり個々に分けまして、等級別払下げる、そういうふうにして等級のことも考慮しておりますが、只今指摘になつている問題は、銘柄格差というようなお話なんで、これは銘柄格差としましても、全体としては色沢なり食味なり全部考えるのが本来かと思います。併しながら現在の配給統制の場合には、日取りの差だけを考慮する、これは配給技術とも関連があるので、生産者側における等級の比較ということと一応切離して考えざるを得ないような実態でございます。
  18. 江田三郎

    江田三郎君 これはそういう今の米が一等や二等ばかりになるのじやないのですから、なかなか一等や二等にしてくれはせんのですよ。あなたはどんなことを言われてもとにかく卸売業者へ卸す段階において払下げ値段が違うのですから、これは大きな矛盾がある。初めにあなたは答えを持つて、こいう今の制度をちよつとでもゆがめちやいかんと、そういうものを前提におかれるから今のような答弁ばつかりせられるのです。常識で、まあ僕も専門家じやないですよ、併し常識で考えておかしいですよ。それ以上何ぼ言つたつて解決つかんから、もうよろしい。併し少くともあなたはまあ静にもう一遍うちへ帰つて考えて御覧なさい。明らかに矛盾しているのですよ。  そこでその問題は、もう私馬鹿らしいからやめますが、ほかの問題について若干お尋ねしておきたいのですが、今日は食糧庁長官出て来られんから、食糧庁を代表して出て来られたと思いますが、この農林省の二十九年災害の対策要綱の中の第四に、「食糧不足するものに対しては、政府手持主要食糧を払下げ、代金延納等の特別措置を講ずる」ということになつているのですが、これは一体いつからやるということになるのです、すぐできるのですか、どうなるのですか。
  19. 中西一郎

    説明員中西一郎君) すでに決定をいたし、その準備をいたしておりますが、各府県でどれだけのそういう災害救助用の米を必要とするかということを現在調査中でございます。調査するまでもなく、或る程度搬入を要するという特別の府県、例えば北海道のごときに対しては、速急に搬入を取進める、そういう手はずをいたしております。従つて府県によつて搬入の非常に早いところと、少しそれでは米が多過ぎるではないかというようなことで、府県と若干の折衝をした上で搬入をしなければならんところと時間的なズレは生ずるかと思いますが、速急に手当はいたすことで仕事は進んでおります。
  20. 江田三郎

    江田三郎君 そうすると、それはまあ行政措置だけで、ここに書いてあることはやれるのですか。
  21. 中西一郎

    説明員中西一郎君) その通りでございます。
  22. 江田三郎

    江田三郎君 別に立法措置はしなくても、行政措置だけでこの手持食糧の払下げなり、代金延納ということはできるわけですか。
  23. 中西一郎

    説明員中西一郎君) その通りでございます。ただ立法措置で、これは立法措置として特別のものが要るのは、一応政府払下げ価格を、昨年のような特別な安い価格にすると、そういうふうな場合には法律できめて頂きませんとできません。で、ただその措置がどうなるか、我々としてはまだ未決定ですが、現在のところでは延納でございますので、延納期間中に政府払下げ価格が、若し法律などができることによつて変るとしますれば、変つた代金によつて初めから精算をし直すと、そういうことで価格が途中で変りましても支障のない措置食糧庁としてはできることになつております。
  24. 江田三郎

    江田三郎君 その間の延納はこれは誰が保証するのですか。保証は別にしなくても実際に米が一つもとれておらんときはどんどん出して行つていいのですか。
  25. 中西一郎

    説明員中西一郎君) これは都道府県を通じまして、農民の属しておられる市町村を経由しておるわけでございます。その返納義務はやはり都道府県末端では市町村、市町村は農民から返済して頂く、こういうルートで特別に地方公共団体が中に入つて政府に返済をして頂く、延納期間完了後は都道府県を通じて返して頂く、そういうことになつております。
  26. 江田三郎

    江田三郎君 そうすると具体的に、北海道もそうでしようが、西のほうだつて収穫皆無の農家があるわけでして、そういうものは理論的に言えば十一月十日までは保有になるということになりますが、十一月十日を過ぎた際にはこれはもうちやんとそういう手持食糧が払下げられるように用意ができているということですか。
  27. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 都道府県のほうと現在折衝中のところもございますし、急ぎますればその程度にひどいときにはすぐ配給ができるという程度のことはできるのじやないかと考えます。
  28. 江田三郎

    江田三郎君 もう一つお聞きしておきます。今年の災害に鑑みて、将来の北方農業というものにとつて甜菜が非常に重要視しなければならん作物ということは常識的に誰も考えることなんですが、この甜菜の政府買上げですね、これは昨年は何か数量を限つて買上げをされた、全量買上げをせられなかつたということなんですが、なぜ一体全量買上げをせられないのか。本年は一体どういう処置をおとりになるか、その点を…。  それからなお昨年甜菜糖によつて食糧庁の会計というものはどれだけの負担をしたのですか。
  29. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 甜菜糖の買上げにつきましては、すでに四月に本二十九年から甜菜糖を買入れるという点の告示を済ましております。そういう態勢で、すでに産糖期に入つておりますが、これからとれます甜菜糖は政府として買う準備を取進めております。で、昨年は全量買わないで一部会社が市中に売つていたということを聞いておりますが、これは法律の建前は政府が定めた価格で甜菜糖を買入れた甜菜糖会社が政府に売渡しを申込んだときは、政府はこれを買わなければいかん、こういうことになつておるはずでございます。そこでこの申込数量が即ち政府の買入数量、こういうことになるわけでございます。本年は今のところ会社の側では全量を買つて欲しいのだという希望を表明しております。ただ産糖期に入つたばかりですし、来年の二月の末なり三月の上旬なりになつて見ますと、又若干の情勢の変化があるかと思いますが、法律上の建前に従つて政府は買入れを取進めたい。そのために本月中に法律にきまつておりますので、本月中に甜菜糖の買入価格もきめたい、こういうふうに考えて作業を進めておるわけでございます。
  30. 江田三郎

    江田三郎君 希望がある限りは政府のほうでは無制限に買上げるということはこれは間違いございませんか。現地に行くというと、どうもそういうように言つておらんのでありまして、政府のほうで或る限度までしか買わないのだということを言つているわけです。今年もそういうことをされるのだということで、凶作地帯でやつと甜菜だけがフルにとれているのに、その甜菜さえも政府が全量を買わんのじやないかということで、北海道では不安な感じを持つているわけですが、それはもう希望のある限りは無制限に買上げるということ間違いございませんか。
  31. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 法律上の義務としてはそこまで明確になつておりません。併し制度の建前としてそう取運ぶのが甜菜なりの振興のためにいいのじやないか、こういうふうに考えておるわけです。従つて何と言いますか、十分の九が全量であるのか、十分の十が全量であるのか、保管の技術の問題、倉庫の問題いろいろからんで来るかと思いますが、方針としては希望があつた分には特別の理由のない限りは全量を買つて行く。こういう建前は貫いて行きたいと思います。
  32. 江田三郎

    江田三郎君 駄目を押すようですけれども、希望のある限りは買上げるということは間違いないですな。
  33. 中西一郎

    説明員中西一郎君) 強いて制限するつもりは全然ございません。
  34. 森八三一

    委員長(森八三一君) それではお諮りいたします。木下議員から委員外発言の要求がございますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 森八三一

    委員長(森八三一君) 異議ないと認めます。
  36. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 救農土木の仕事ですね、それから風倒木の関係についてお尋ねしたいのですが、関係者誰か来ておりませんか、農林省の……。
  37. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今林野庁関係の諸君は出席がございません。昨日風倒木の問題は林野庁長官の出席を求めて審議いたしましたので、今日は出席は求めていなかつたのでございます。
  38. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 救農土木のほうはどうですか。
  39. 森八三一

    委員長(森八三一君) 救農土木の関係も本日は出席を求めておりません。
  40. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 実は繋ぎ融資……。
  41. 森八三一

    委員長(森八三一君) 金融課長が来ておりますので、繋ぎ融資の問題は御質問願つて結構です。
  42. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 御承知の通り北海道は非常な災害、今度の十五号災害は大きい。そこで先般来繋ぎ融資についていろいろ御配慮を願うことになつておるが、どうもはつきりまだ資料が整つておらんのかどうか、進み方が強いのですな。そこで繋ぎ融資について、理財局のほうとの話合いはどうなつておるか。そうして救農事業なんというのは、御承知の通り雪がもう一回降つておりますし、又すぐ雪が来ます。これらのことを考慮に入れて進捗せられておるかどうか、一つお尋ねしたいと思います。
  43. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) これは災害復旧事業の繋ぎ融資を指しておつしやつているかと存じますが、これにつきましては、実は私から申上げるのはどうも適切ではなくて、災害復旧課長あたりからお聞取り願えばよろしいのでありますが、聞いておりますところによりますと、先般大分折衝は進んでおるようであります。大蔵当局としては数字の確定を待つまでもなく、或る程度段階に来ましたならば、早急に繋ぎ融資したいということをたびたび言つているようでございます。  それから救農土木のほうでございますが、これはまあ繋ぎ融資という問題ではなくて、土木事業そのものを早急にやらなければならんわけでありますが、これにつきましては昨日の衆議院の農林委員会で大蔵政務次官は予算の節約のうち三%を至急解除したい、北海道について特に解除したい、こういうことを言つておられます。これはまあ私からどうも申上げかねることでございますが、一応そういうことを承知いたしております。
  44. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 繋ぎ融資については道側からまとめて出ているが、特に冷害対策としての土地改良であるとか、耕地整理とか、開拓事業とか、今のいろいろの治山事業とかいろいろな面で当然又補助金がわかつているもの、そういうようなものでやればすぐでも繋ぎの融資ができるものがあるのですが、それが全部が資料が整わんとそれが出ないというようなことになれば直ちに今冷害というような、更に台風でやられて困つているものが手が出ないわけです。そこで今お尋ねしているので、災害復旧の公共土木事業費、これらはもうこの間も三千万円か応急にやつたということを聞いております、それ以外の分を今お尋ねしている。農林省関係は資料が出て、そうして出されているならば、対策本部のほうへ出したのか、対策本部のほうへ出しただけではいけないので、やつぱり大蔵省の理財局のほうと十分に折衝してもらい、理財局が又主計局のほうとやらなければ実際のものにならんのじやないか。そういうことを私は懸念しているので、あなたがたのほうでどういうふうにこれが進められているのか、これをお伺いしたいと思う。
  45. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 実は只今の問題、私のほうの所管ではなくて甚だ申訳ないのでございますが、そういう段取りは大分進んでいるはずでございます。
  46. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) どうも所管でないというのを無理にお聞きしてもしようがないと思うのですが、然らば、昨日何かここで風倒木の話が出たらしい、林野庁長官から……。金融のほうの係りのかたに承わるのですが、実は風倒木についても、立木であれば雪が降つてもいいんですよ、伐採すれば……。今度のやつは倒れてしまつたので雪が降れば見えなくなつてしまうのだ、そこで成るべく早くこれを処理しなければならんということになる。従つてこれに要する資金というものが必要であろう、こう思うんです。これらの融資のことについて何かしておられるかどうか、それをお尋ねしましよう。
  47. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 風倒木の処理に必要な資金でございますが、これは只今御審議願つております災害対策要綱の林業者に対しまする経営資金の特別融通という措置をとるその一環にも考えているのでございます。それにつきまして法律が成立するまでには時間が相当かかるからどうするかという問題がございますが、これにつきましては予算措置決定次第、できるだけ実行上、法律成立と同様な措置を、できるだけそれに近い措置を速かにとりたい、かように考えている次第でございます。
  48. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) そうしますと、今ではどのくらいの額をお考えになつておりますか。
  49. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 特に風倒木について幾らという細かい算定はいたしておりませんが、農業、林業、水産業関係を含めまして、全体として大体九十億くらいの金を目下のところは予定いたしております。これは勿論今後若干移動がある数字でございますが、その中に相当部分は入るものと考えております。
  50. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今の木下議員の御質疑は、災害に関する対策の問題と思いますので、議題になつておりまする米穀検査の件につきましてはこの程度にいたしまして、大臣の出席も得ましたので、台風被害及び冷害並びにその対策の件を議題にいたします。本日は一昨日及び昨日の御決定によりまして、保利農林大臣の出席を求めております。一昨日に引続いて御質疑を願います。なお、適当なときに質疑を終り、昨日お諮りをいたしておきました申入案について御協議を願いたいと存じております。この点御了承おきを頂きます。なお、大蔵政務次官の出席も求めておりまするが、後刻御出席の見込でありますので、このことも申添えておきます。御質疑の方は御発言を頂きます。
  51. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 大臣お見えになつたのでお伺いしたいんですが、この間どうもわざわざ北海道へ御苦労さんでございましたが、お帰りになつてから大分いろいろ救済その他に御尽力になつているようでございますが、一、二点要望というようなつもりで一つお尋ねします。  第一に、水産関係の分はほかのものと切離して早急にやつてもらいたい。従つてそれはどういうようになつているか。実際は御承知の通り、「すけそう」だとか、そういう漁期が今差迫つているので、それで漁船も今適当に借りておるようでございますけれども、融通してもらつているだろうが、これをやはり木で作つて何とかしてやるというようなお考えがおありになるかどうか、そういう点についてお伺いするのが一つ。  それからもう一つは風倒木の問題ですが、これは御承知の通りいろいろのまあ関係があろうが、私は災害のひどい所の自治体あたりに特別な一つ手続で払下げをするとか何とかしてやる必要があるんではないか、こういうように考えますが、一般に、ただあのくらいたくさんの、五千五百万石からの風倒木だから値段も下るだろうというようなことで、営利的業者にばかり対象を置いておけば、風倒木が効果的に使用されるということがないんではないかと、こういうように考えます。又業者では、風倒木がたくさんあるんだから、価格が又下るだろうなんというようなことで、いろいろな作用が起きるんではないかと思いますから、先ず第一に、被害を受けた公共団体等々に対して特別な手続で、本当に安く払下げてやる。同時にそれに必要な資金、こういうものも面倒を見てやるというようにせられたがいいんではないかと、こういうように考えますが、それについてお伺いしたい。  それからもう一点は、救農土木事業を早急にやつてもらわなければなりません。それにはどうしても繋ぎ資金を早く出して頂かなければならんのであるが、全体がまとまらんければできないというようなことでも困ると思うんです。それで特にひどい所と一般には言われている所、そういう所が然らば早く資料を出して手続が済んでいるかというと、なかなかそういうわけに行かん所もたくさんあると思うのであります。ですから逐次わかつた所から一つできるだけ速かに何かこの融資ができるような措置を請じてもらいたいと思いますが、そういうことについての手続その他がどういうふうに進んでおられるか、対策本部へ出して、それから又大蔵省のほうとの折衝をする、そうしてそれができなければこれが実施できないというようなことでは、今雪がもうどんどんやつて来ますから非常に心配なので、大臣に一つ所見と御努力をお願いしたいと、こう思うのであります。
  52. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 只今お話の木下さんの何は、主として北海道のことじやないかと思います。
  53. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 北海道です。
  54. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 丁度「すけそう」の漁期を迎えて、漁船がかなりの被害を受けましたことは実に残念に思つております。最も緊急を要すると現地に行きまして拝見もし、且つ、いろいろ聞いて見ましたところからしましても、三千数百戸一挙に灰燼に帰した岩内町の事情が、全くまあいわば「すけそう」によつてあの町が立つておる。而も漁船の大半を、或いは焼失、或いは風浪のために大破して、大体三百五隻出漁予定をしておる。然るところ、緊急修理等をいたしても百四十隻ほどしかまあどうにもならない。併し岩内町のとにかく復興の元は、如何にしてこの「すけそう」漁獲を予期通りにいたし得るかどうかというごとにかかつて来るわけなんで、丁度私は田中知事の同行を願つて岩内町に参りました。つぶさにその後の状況を見ますと共に、特に「すけそう」漁業に対する措置として、どうしてもまあ道庁の計画としても緊急修理をして間に合うものは間に合わせる、問に合わせられない部分については道内若しくは道外から雇船をして、とにかく二百五隻で出漁する予定の漁夫は全部とにかく乗組んでもらつて、二百五隻に至らずともできるだけ働いて頂けるようにして行かなければならんのじやないか。そのぎりぎりのところはどうしても百六十隻くらいは出さないと全体が出られないというような事情のようでございまして、それは道庁でも機宜の措置をとつてくれておりますが、取りあえずこの雇船なり、或いは漁具調達等についての一億数千万円の融資措置はこれはもう岩内町復興という上から言つても絶対にこれは避けられないことで、道庁でもとにかくやつてくれ、やりますということで大体その手配は済んであるようであります。私のほうとしましては当然それについての措置はもう講じている。それで大体「すけそう」漁期はそれによつてとにかく出て行くという処置はとつておるわけであります。併し広汎に、とにかくひとり北海道のみならず全国的に、無論漁船の中心は小型漁船でありますけれども、相当無数の被害を受けておるわけであります。これの措置につきましてはその対策本部におきましても水産庁におきましても復旧措置につきまして検討いたしておるところであります。何らかの特別の措置を講じなければならないというのが私の考えであります。  それからこの薪炭風倒木の処置について私も特に、林野庁長官も一緒に御同行願つて、道内のひどい所を見たわけでございます。考えとしては大体お話のようにとにかくあれだけの風倒木を出している、而も冷害凶作によつて北海道の被害が単なる台風被害というよりも冷害凶作がより深刻な広汎な被害をもたらして来ているわけであります。これだけの風倒木を出したということは実に今日資源の大事なときにえらいことでございますけれども、同時に又北海道の実情からしてこの風倒木を御趣意のような気持で処理することによつてかなり凶作対策としても寄与し得るのではないかということを、私ども初めからそういうことを考えております。いろいろ、無論国家の事業でございますからそうルーズなことはやれないと思いますけれども、併しとにかく余り従来の慣例がこうだとか、あとに又悪例を残すとか何とかいうことにとらわれずに、一つできるだけのことはやつてもらいたい、やりますということを現地で私言つて来ているわけであります。林野庁長官も大体その方針をとつて、或いは薪炭木等の利用とか、その他固有の事業を、今回の北海道の災害に全面的に寄与し得るように、無論これはそうむちやなことはできるはずはございませんけれども、どの程度ができるかできないかということは無論林野当局の判断に任せなければなりませんが、そういう方針で私としては指導いたしておるわけでございます。個々につきましてはどういうやり方ができるかということはこれはもう林野庁長官からでもお聞取り願つたほうがいいと思います。それと、北海道の冷害凶作の対策としてまあこれはなかなかむずかしいところだと思つておりますけれども、とにかくまあ北海道の凶作が予想以上だというその認識の上に立ちまして、特にこの開拓地帯の中の惨たる状態、無論まあ全体が同様と申しましても、或いはまあ北見のほうはまあ当委員会からも御調査を頂いておりますからよく御事情はおわかりの通り、馬鈴薯にしましても、大体まあ馬鈴薯等は悪い中にも比較的よかつた、よかつたと言われても、北見のほうはかなりの広い面積に亘つて水を冠つたりなんかしている、馬鈴薯も北見のほうはよくはなかつた、ただ十勝方面を見ますと馬鈴薯等は比較的いい、又例のビート糖は割合に作がない、雑穀、水稲がとにかく無慙な災害を受けておりますことに対しては衷心から私どもも御同情申上げているわけで、これらの地帯に対しましては無論千差万別、それは農家のことでございますから、その力の上から見ましても千差万別だと存じますけれども、とにかくできるだけ実情に即した救済措置をとらなければならんということで、今日は又内閣の担当責任者として加藤国務大臣も北海道へ出かけておりますし、私のほうとしましてはこれまでも対策を検討して内閣の連絡本部に持込むものは持込む、大蔵省と交渉するものは交渉してやつているのでございます。早く冬の来る北海道のことでございますから、できるだけ早くどの道その十分な手が打たれようともこれは今日の事情から見ましてその辺のところはよく考えて、ただできるだけ早い時期に何からでもいいから手を打つて行くというようなつもりで督励いたしているような次第でございます。
  55. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 大臣は特に深い御同情でおやりなさつているということを深く皆感謝しているのですが、なんせそれぞれの手続そういうものが遅れるというと折角のこの御好意も届かんことになろうかと思うのであります。特に今私が申上げたいのは風倒木の五千五百万石もあるというのは未曾有のことであります。それがためにこれがまあ腐つてしまつて最後には使いものにならないというようなものができないようにそれを利用して大方のものが皆自分の建設に、復興のために働けるようなふうに一つ利用して頂きたいということが切なるお願いでございます。それから今の船などもなかなか補助金や或いは融資などだけでは今度は非常に皆困る者が多いので、できるならば国のほうでこれを一つつて貸してやるというぐらいまで一つ踏切つてやれんものか、是非一つそういうようなことの努力をして頂きたいと、こういうように念願するわけであります。いずれにしてももう全滅のところがほうぼうにありますので、これらにまあ幾らでも今金が入るようなためには、やはり土木事業でも救農事業でも早く一つおやりを願いたい。それには繋ぎ融資なども又特別立法が必要なものであつても、今はそれはできんが閣議で一つ十分に御検討して、行政措置でできるだけ一つおやりを願いたい、こうまあ考えましてお願いするわけでありますが、どうか冬を控えておる北海道の実情、北海道ばかり申上げて恐縮ですが、一つ御同情願いたいと、こう考えておるのです。
  56. 江田三郎

    江田三郎君 大体農林省の対策は印刷をしたのを頂いたわけですが、いろいろお考え下さつておるようですが、ただ私ども心配いたしますのは、これが果してこの通り行くかどうか、更に立法を要するものが臨時国会が早急に開かれんために時期を失するのではないか、そういうことがあるわけですが、ただ二、三の問題についてお尋ねいたしたい。  それは、まあ大臣も向うへお見えになりまして調査をされましたので、よくおわかりと思いますが、例えば北見あたりの水稲なんというようなものは、保温苗代でやつてつてもそれが収穫皆無になつておるというようなことは、まあ今年の冷害が特に激しいのだということも考えられますけれども、それにしても保温苗代でやつたものが収穫皆無になるということは、これはどうも将来の北方農業というものに対してよほど根本的な検討を要するのではないかということを私ども痛感するわけです。そこで私どもはこれにも書いてありますように、今後試験研究の充実化を図るということですが、本来ならば試験研究というものにうんと力を注いで、ここまでが安全地帯だということがわかつて農民の指導をやつて行かなくちやならんのが、それとは逆になつて試験研究は十分に行われないで、開拓者なり地元の農民が自分の犠牲で試験研究をやつている、尊い犠牲を払いながら試験研究をやつておるというような逆なことになつておるのではないかと思うのです。そこでこの際災害対策と同時に北方農業というものは如何にあるべきかということについて十分お考えを願いたいと思うのですが、ただその中で一番に犠牲になつているのは、何と申しましても私は開拓農民だと思うのです。そこで開拓農民の場合に、これは北海道だけのことを言うのじやございませんが、こちらの府県のほうの干拓地等についても同じことが言えるわけでして、折角開拓農民は一生懸命やつておる、そして供出の義務を持つている。併しながら農業共済のほうへはまだ加入していないというようなところがあるわけです。これはもう救いがないのでありまして、そういう共済の対象にならない、まだ入れてもらえないところの開拓農民の今度の災害というものは、ただ融資という程度ではいかんのじやないか、もう一つ何かそこに補助なり助成なりというものが伴わないというと、これらの諸君が起ち上れないのじやないかということは考えられるわけです。そういう開拓農民の特殊な問題についてどういうようにお考え下さるかということ、それからまあ開拓農民でなくて、北海道のあの冷害地帯の大豆、小豆或いは手芒とかその他の作物は殆んど収穫皆無に近いような打撃を受けておりますが、これなんかに対しましても、これは共済制度がないわけで、現地ではこれらの雑穀を共済にすぐ適用せいと、こういう要望がありますけれども、これはまあすぐ適用できるものでなく、簡単には行かんと思うのですが、そういう共済作物以外の作物、而も日本の食糧問題なりその他から考えて、重要な作物をお作りになつているそれらの農家の災害、それから只今申しました開墾地の米を作つてつてもそれが共済にかからん、まだ入れてもらえないようなところの人が、これらはただ融資だけでなしに、何かそこに特別な措置がなければならんじやないかと思うのですが、そういう点についてどうお考えになつておりますか、承わりたいと思います。
  57. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 私も大体同様の現地を見まして感じを深くいたしておりますが、これはやつぱり北方農業を再認識し、そうしてやり方を少し改めなければならんと、少くとも私どもに対しても強い反省を要請している現状だろうと、直感いたしますところ、感想的に申上げて恐縮ですけれども、とにかく日本の発展が北海道或いは東北というものを、大体まあ飛び越えて大陸に発展をして行くと、で、今お話に多く暗示せられておるような研究というものは殆んど積まれていなかつた。又北海道発展のあとを極めて浅く見てみましても、とにかく日本農業と言えば作れる所も作れん所もとにかく米を作るという所が、北見地方にまで米作が、これは恐らく屯田制度当時から持込まれたものであろうと思いますが、北海道の農業利用というものはああいう形で今後も一体行くべきものであるかどうか、かなりな、今日から言えば随分無理な経営を続けて来ているということを見なければならん。私は無論北海道であれだけの、とにかく水稲栽培が今日まで成功して来ているということは、これは無論品種改良等、相当国の、或いは道の研究機関の活動もあることで、寄与していることは勿論ではございますけれども、殆んどやはり江田さんの言われるように農家の自主的な努力というものがそこまで持つて来ておるんじやないかと思います。で、特に開拓地あたりの実情を見ますというと、そこへ入植させればそれで安定した経営が立つて行くかどうかということについての確たる計画よりも、とにか入植戸数を殖やすとか、開墾面積を殖やすとかいうことのほうに少し重点が行過ぎておるんじやないか、少くとも開墾入植をさせるならば、開墾入植をさせる以上はやはり安定した経営が大体できるという見通しなしにこの入植を余りむちやくちやにやるということについては、私は全体、内地を含めましてそういう感じを持つています。即ち余り経営の見通しもつかないのに、開墾面積が幾らになつたのだ、入植戸数が幾らになつたのだというようなことに気をとられて行くような若しやり方、そういうことはなかろうと思うのですけれども、その辺は深く我々当局者としても反省をしなければならん、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう上からして開拓地帯に対して何とか特別の考慮をしなければならんじやないかというご意見は御尤もに存じております。ただ私が非常に現地へ参りまして胸を打たれましたのは、全体のお話等も無論実情をお訴えになりますけれども、開拓地の農家のかたがたの将来への強い希望を持つての何と申しますか、起ち上つて行こうというこの気力に対してはもう全く頭が下るような気がしまして、それだけに又その要求は非常に切実であつたと私は感じて来ておるのであります。無論今日の財政事情からいたしましても、どうこうということはなかなかむずかしいことでございますけれども、とにかく開拓地帯に対してはこの災害対策の中心としてやつぱり考えて行かなければならんのじやないかということで事務当局にもそういう話をしておるわけであります。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 やはり融資で借金だけ作つたんでは実際希望を失つて来るのじやないかということが心配されますので、特に開拓地の問題については、ここに対策要綱として出ておることだけでなしに、もう少し何か補助等の措置を考えて頂きたいと思うのですが、特にもう一つ、ちよつと私先ほど申しましたが、これは北海道に限らず、内地の干拓地の問題があります。そういう所が、まあ今年は瀬戸内なんかはどこも高潮で被害を受けて堤防の切れた所もあるわけですが、これらの地帯が今まで供出をしておる、併しまだ安定しないというので共済保険のほうへは入れてもらえない。それは昨年度もこのことが問題になりまして、政府のほうで何かそういう開拓者の共済制度というものについて特別にお考え願いたいということを我々要望し、政府のほうでも検討するということを約束をして頂いたわけですが、今日まで不幸にして間に合つていないのでありますが、今まで供出も何もしなかつたという所は別にしまして、供出を今までやつているという所で災害を受け収穫を皆無にして、そうして共済の恩恵は一つもこうむらんという所については何か特段の措置はございませんでしようか。
  59. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 開拓地の問題昨年からいろいろ研究して来ております。先般三十年度の予算を御説明申上げたときちよつと触れたと思いますが、入植してから三年ぐらいまでが一番大切で、それからあとは大体営農方法の確立を待つて共済のほうに入れるというふうなことを一方で検討しておるのでありますが、その三年間の問題について、一部は開拓者のほうから、何というか、基金を出してそれに国の補助をつけて、そうして開拓者の災害に対する相互扶助、いわば備荒貯蓄に類するようなものを今考えておるのであります。現在の段階では三十年度から是非やりたいというので今大蔵省のほうに予算を出しておるのでありますが、当面の問題としましてはそういうこともすぐできません。入植者の住宅が壊われたものに対して特別の補助を考えておりますが、その他の部分につきましては開拓の組合の人たちもいろいろ頭をしぼつておるのでありますが、現在の段階では融資の率と額と償還までの据置期間を相当長くすると同時に、償還期限を今よりも長くしてもらえばとにかく何とかやつて行きたい、こういうふうなことで今相談しておるのでありまして、それ以上補助金を出すという問題についてはまだ結論が出ておりません。なかなかうまい方法が補助金としては住宅以外にはちよつとない。あとはもつと償還期限の長い融資、もつと低利な融資が欲しい、こういう段階でございます。とにかくそういうことを一つお考え願いたいと思うのでありまして、住宅の復旧補助にいたしましても、全壊の分はすぐ行くのですけれども、大破というようなものはどうも今までうまく行つていないようでありまして、開拓者の、どうせお粗末な家ですから、大破といつても普通の場合は全壊と同じような被害をこうむるわけですから、そういう点についても多少でも補助の手が伸びるように特別お考え願いたいと思うのです。  それから次に災害の公共施設等、それからその他施設災害の復旧の問題なんですが、これにつきましては昨年度は特別立法ができまして補助の率は相当上げて頂いたわけですが、本年の問題につきましても、災害の常習地なり、或いは瀬戸内等の地盤沈下と関係のあるものにつきましてはどうしても改良を加えた復旧をやつて行かなければなりませんが、それを地盤沈下なんていうのは私はこれは改良ではなしに、地盤沈下に必然的に伴うところの改良というのは、名前は改良でも本当は一つ災害復旧だと、こう思うのですが、これが改良部分にみなされるために補助率が低くなる。そのために又来たる年も災害を繰返すというような程度の復旧しかできないというようなことも恐れられるわけでありまして、そういう点について海岸の地盤沈下地帯の復旧については何か特別に補助率等についてお考えになつておられますかどうですか。
  60. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 今度の、今年の災害一つの特徴は、お話の海岸の地盤沈下地帯の高潮の被害の大きいことでありまして、私どものほうでは先般農地局の建設部長を特に瀬戸内方面に出しましてよく調べて来ております。お話のように特別の措置をどの程度までやるかということについては目下検討中であります。進行中にその施設をやつたというのがありまして、まだ最終的にどこまで沈下するかというような最後的な結論は出ておらないようでありますが、そういう点も併せて頭に入れて、この技術的な面、それから今の負担能力の点から見て、もう暫らくしないと結論が出ないような状態になつております。その点は十分承わりましたので、なお検討を加えたいと思います。
  61. 江田三郎

    江田三郎君 もう一点、大蔵省からもお見えになつておるようですからお尋ねしたいと思うのですが、救農土木等の問題につきましては、これはまあどうしたところで立法措置を必要とするわけでして、そこでまあ折角そういう救農土木等ができましても時期を失する、特に雪の北海道の場合には、この折角きまつたことがもう積雪が激しくて手が着かんというようなことが起きて来るわけですが、そういうことに対して何か事前にさようなことをやらす措置がとれるかどうか。事前にまあおよその方向をきめて、現地で手を着けて、それに対して繋ぎの融資をして行くというようなことで、この国会が早期に開かれんために出て来るところの悩みというものを解消する途があるかどうか。それを一つ農林大臣からも、大蔵省のほうからもお伺いしたいのです。
  62. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) その点は私も実は、その救農土木と言うが、まあ雪が深くなつてから救農土木はどういうことが一体できるかということを半信半疑で実は参つたわけですけれども、積雪時期に入りましても相当できるものはできるという確信は得ましたので、これはまあ雪になりましてもできるだけのものはやつてもらうようにしたい。ただお話の雪前に早くやるようにと、今実際北海道の実情を見ますというと、作が、六、七、八月、北海道は八月まで天候が直らなかつたというような関係で、かなり作が遅れておる。もう例年ならば大体秋の収穫時期も過ぎておるというのにもかかわらず、今がその最盛期、最盛期と言いましても殆んどまあ入つていない稲を刈出しておる、それを飼料等にするために、まあ何しているというような、かなり農家の仕事自体が遅れておるということもありまして、そういう実情に一面あるということを考慮して、お話のようなことが何とかできないものかということでできるだけの措置は講じたいと、私としてはそう思つておるわけです。そういうふうに事務当局にお願いもしておりますし、督励もしておるわけでございます。私まだやらなければならん、又やる必要がある、そうしなければ困るという実情になつております以上は、やはり時期ということは非常に大事だというように感じております。
  63. 山本米治

    説明員(山本米治君) 北海道の罹災地のかたがたは非常な困難に遭遇せられたわけですが、そういう人に何か現金収入を得させたい、それには政府がいろいろ事業をやるというわけですが、それが北海道は冬に入るということ等を考えまして、何とかこの措置を早くしたいということでいろいろ考えておるわけですが、その一つは国有林の災害復旧というものが、そちらのこれは一般会計ではありませんがございまして、十数億節約予備金そのものが或いは節約解除というようなことで十三、四億の金があるわけです、そのうち十億くらいをこれは北海道ばかりではございませんが、全国的に見て十億、そのうち大体半額近いものを北海道で国有林の災害復旧をやつて現金収入をさせるというようなことを一つ考えておりますし、それから又今年予算は御承知の通り実行予算で一割節約をやつておりますが、まあ非常に災害がなければその節約三%を解除するという約束になつておるわけです。これを北海道が冬に入るということを考えまして、差当り北海道だけを三%の節約解除をやつて、仕事を進めてやつてもろうようにということを考えまして、成るべく近いうちに実行したいと考えます。  それから最後に救農土木事業というお話でございまして、これも農林省のほうから御要望がございますし、今検討中でございまして、成るべく早い機会に一つこれをやつてもらいたいというふうな方向で考えておるわけでございまして、先ほど立法措置というお話がございましたが、この救農土木事業をやるには予算措置さえつけば立法措置は要らないと思うのでありまして、さてやる場合にどういう事業が一番いいかというようなことは、その土地土地の事情に応じまして、冬になつてできないような仕事は成るべく早く、そうして又成るべく現金収入があるような種類の仕事を選んでやりたい、こんなふうなことを考えております。
  64. 江田三郎

    江田三郎君 もう一点伺たいいのですが、農林省の対策要綱というものが示されておるわけでして、これについては勿論農林大臣としてはこの方向で進める、同時にこれよりほかに建設省の対策も出て来ましようし、或いはその他の関係方面の対策も出て来ると思うのですが、それがどのくらいな予算を伴うようなものになるか、最終的なことはまだわからんわけですが、そういう際に大蔵省としてまあ予算の枠というものを一兆円にしぼろうということで、各方面から緊急適切なる対策の要望があつてもそれができないということが起りはしないかと思うのですが、その点は緊急を要するものに対しては予算の枠というものに必ずしもこだわらんという方針でお進めになりますか。先ず初めに予算の枠という前提を以てものをお考えになりますか。これはちよつと愚問のようでございますけれども承わつておきたいのでございます。
  65. 山本米治

    説明員(山本米治君) 今年も最近の十五号までによりますと、何回も台風がありまして、被害額はだんだん報告によりますと、新らしいものまで入れますと、だんだん大きくなりまして、最近では公共土木災害が八百四十三億、これは十五日現在でございますが、そこまでになつております。それにいたしましても昨年のあの災害に比べますとまあ二分の一以下、或いは三分の一くらいのものじやないかと思うのでございまして、去年に比べれば幸いなことに相当小さいと言えると思うのです。なお且つひどいことは申すまでもないことでございまして、この災害復旧の財源をどうしようかということに非常に苦慮いたしておるわけですが、御承知の通りまだ予備費は七十億以下くらい残つておるわけです。先ほどの八百四十三億というものに査定を加えまして、そのうち国費負担分は大体七割なら七割としまして、更にそのうち二十九年度中にどれだけ要るかという数字を見ますと、大体九十億前後と考えております。三十九年度中に要る金額は九十億ぐらいと大体見ておるわけでございます。そうしますと、今予備費は七十億弱しか残つておりませんから、予備費だけで賄えないことは確かでございますし、そこで予算全体の問題にからんで来るわけでありまして、補正予算をどうするかという問題になると思うのでございます。まだ臨時国会がいつ開かれるかということもきまつておりませんし、臨時国会が開かれても二日や三日の臨時国会ならば到底補正予算というものは組むことができませんので、いつ補正予算を提出するかということはわかつておりませんが、大体の観測といたしましてはこの災害のことばかりでなく、いろんな問題があります。御承知の通りデフレが滲透して参りまして、社会保障関係の費用はどうも今のところ当初予算だけでは足りないのじやないかと見ておりますし、それから或いは米の基本価格がこの問二百円上つたとか、その他いろんな問題がありまして、やはり或る時期に補正を要するのじやないかと思つております。さてその場合に例の一兆円の枠とどうなるかと、これはもういろんな項目全部からみ合せて考えなければなりませんが、いろいろ歳出の要望が非常に多うございまして、二兆円の枠内に抑えることは今のところ相当苦慮している状況でございますが、災害の復旧もとにかく非常に重要なことでございますが、なお一兆という枠、これに別に科学的根拠に特にあるとは思いませんが、一応政府が一兆予算として出発しております今年度において、超えるということは面白くない、又今の報告程度ならば大体一兆円予算以内で相当のことができるのじやないか。一兆をはみ出ずに相当の災害復旧関係ができるのじやないか、こういうふうに考えております。
  66. 江田三郎

    江田三郎君 その前提が余り強くなると、やらなければならんことができないというようなことになるわけですが、或いはそういう際に、例えば保安庁関係経費等においては当初の見込と違つて使用しないで、済むものも出ると思いますが、そういう部分を削るというようなこともお考えになりますか。
  67. 山本米治

    説明員(山本米治君) その種類のものは今年度内に或いはそれだけの発注ができないとかいうようなことで繰越になるのじやないかと思いますが、そのほかにも明らかに不要になると思われる額がありますので、それらが財源になるわけでございまして、例えば米の輸入補給金九十億上つておりますが、これなどは最近の米の内外価格関係から補給金を使わないで済むわけでございます。これなど財源になるかと思つております。そういう財源もありますし、予備費がありますし、節約解除という財源もあるわけでございますが、一方災害復旧を初め、歳出要望のほうも相当たくさんございますので、それらを勘案して考えるつもりでおります。
  68. 松浦定義

    ○松浦定義君 今回の主として北海道の災害につきましては農林大臣も過般わざわざおいでになりまして、大変私どもも喜んでおるわけでございますが、お帰りになりまして、閣議に速かに報告して善処するというお約束につきましては、先ほどいろいろ木下委員の質問に対して総括的な御説明がありまして、非常に私どもとしてもこの点は了承をいたしたのでありますが、いずれにいたしましても只今江田委員と山本政務次官の質疑の中にもありましたように、私どもの、聞く範囲内におきましてはやはり政府の予算というものが一兆円予算というものの枠をどうしても超えることはできないというこの一つの基本方針からいたしまして、今度の災害が果して現状に即するような手当がして頂けるかどうかということに現在なお不安を持つているわけでありますが、それにいたしても放つて置けないという農林大臣のお気持からいたしますと、枠内におきましても直ちに今やつて頂かなければならない問題につきましては当然一つ勇敢に御処置を願いたい。そこでいろいろ聞きますと、九州、或いはその他の府県におきましても同様災害があつたと思いますが、主として北海道が非常に甚大であるということから、甚だ北海道の問題ばかり取上げて恐縮でございますけれども、一応私といたしましては現在非常に農民側で急を要している問題につきましては、無論先ほどお話がありましたように救農土木といつたような問題も確かにございます。昨年もそのことによりまして非常に農民が潤おつたという実例もありますが、特に先ほどのお話の中にもありましたように、今年は稀に見る風倒木を生じたという林野関係においての就労問題につきましては、昨日林野庁長官からの御説明を聞きましたけれども、八十万人というような厖大な就業労務者を必要とするような、そうしたものかありましても、その中で果して現在の農民がどれだけ就労できるかという問題になりますと、いろいろ仕事の問題とか、或いは補助の問題というようなことで、恐らく私は殆んど、といつていいくらい見込が立たないのではないか、こういうふうに心配しておるわけであります。ただ近接でありまして、薪炭のためにその仕事に当るという程度のことは、あるいはできるかも知れませんけれども、少くとも奥地へ入つて林道をつけるとか、或いは搬出に協力するとかいうような意味の、飯場の生活をやらなければならんというようなことになりますと、なかなかそうい問題はそう若い青年ばかりおる家庭ばかりありませんし、特殊なものに限るということで、そういう点は非常に心配があるわけでありますが、そこで一番問題として解決しやすいのは土木工事でありまして、特に土地改良等に関係するあらゆる問題につきましては、現在も公共事業としても着々やらなければならぬ計画は立つておるわけでありますから、そういうものを振替えるとか、或いはそういうもののないところでは新らしくするということで、是非一つお願いいたしたいと考えておるわけであります。そういう点につきましてはすでにいろいろと御説明ありましたし、御努力中でありますから、これ以上私は強くは、今ここでどうというわけには申しませんが、もう一つ一番問題として切実に叫んでおりますのは、特に北海道の東部地区でありますが、その地区におきましては御承知の通り二十七年の十勝沖震災、昨年の冷害、本年のこの大災害というようなことになりまして、三年続いている関係からどうにもならないというようなことで、非常に昨年の営農資金すら当然返すことができないと同時に、農手の返還等に非常に支障を来たしておるわけでありまして、いろいろ農民の大会とか、いろいろの面につきましては、返せないのだというような、非常に強い意見もありますけれども、返せる人でも返せないというような、ああいう大会審議というものは、私どもは必ずしも一〇〇%これを実現できるものとは思つておりませんが、どうしても返せないものについては何とか御処置を願うということで、これは現地においても農林大臣も十分その事情は御承知願つたと思つておりますが、すでに北海道の、早いところでは十一月には農手の返済をしなければならぬというような、作物との条件等がありまして、例えば馬鈴薯等がその農手の返済のあれになつておりますところは、すでに現在出ているものの中から協同組合といたしましては止むを得ずそれを相殺しておるというような事例があるわけであります。ところがそういうものを早く返還してしまいますと、すぐその日からの生活にも困ると同時に、営農の計画も立たないということでありますから、営農資金の一つの早期な決定を願つて、どうしても払えないものには農手の振替をするという、この制度をどうしても十一月一ぱいぐらいにはとつて頂きたい、こういうふうに考えるわけでありますが、こういう点につきまして農林大臣としてはすでに御承知の上でありますから、大体の御方針は御決定になつておると思いますが、この点を取りあえず一つお伺いいたしたいと思います。
  69. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 東北方面の状態は、お話通りであると存じております。私もそう見ておりますが、ただその中にも一概には申されんと思いますけれども、まあ冒頭に申しましたビート、馬鈴薯の作況はそう悪くはないということは言える、これはもう事実だと思います。従いましてこの耕作の主力をこういう作物に置いておられる農家は、比較的損害が少かつたのではないかと思います。従つてまあ極端に申しますならば、町村においての実態調査ということも非常に大事である。道においても、国においてもその実態を把握するということが非常に大事だと思いますが、非常に深刻な広汎な災害でございますから、比較的そういう被害の度合が、一農家として受けた被害の度合が低いところは、何とか凌ぎをつけて頂かなければならないというように、私はまあ考えるわけです。そうでないところには只今お話のようなことを必要とする。いわゆる営農資金の融通等についても、そういう点についてのおもんばかりがないと、却つて不公平な結果を来たすことになるのではないか、即ち道庁においても国においても実情をよくつかんで、本当に困る人に営農資金が出て行くようにしなければならないのではないか。これは昨年の冷害のときもそうでございますけれども、大体その県で先にやつてですね、そしてあとその措置は講じたわけであります。こういうことになつておるわけですから、現地当局がやはり率先して……、やつてもらうことを決して勧告はしませんけれども、やつて頂かなければ、実際の時期を失するようなことになるのではないかというように、私は考えております。できるだけそのようにやりたいと思つております。
  70. 松浦定義

    ○松浦定義君 確かにまあ事前に現地でやるという手もあると思うのですが、この農手の返還だけは、やはりそういうわけには行かないものでありまして、これだけはどうしても足らない分は速かに、まあそういう確認する線が出ましたら、早く一つつてもらう。従つて末端におきまして、遮二無二あるものもないものも同じような無理をかけて、強要しないというようなことだけを一つして頂きたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  71. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) それは事務的にも進んでおるようです。
  72. 松浦定義

    ○松浦定義君 どうぞ一つ……、それから昨年もそうでしたが、共済保険金の早期支払ですが、御承知の通りに、一昨日も統計調査部の報告を聞きますというと、なかなか食い違いがあるようで、この調整がそう簡単にはできないと思うのです。ところが全然皆無という地帯に対しましては、これはもう調査の必要がないので、全額いつでも払えるのではないか、併し府県でまとまらなければ、その地帯、或いはその町村に払えないというのなら別ですが、生命保険などは一人死んでも払いますよ、令部死ななければ払わないというのではありませんから、性格は違うにしても、こういう皆無だという地帯全国的にも相当ひどいところがありますが、特に北見とか十勝という大きな地帯、この地帯はいち早く全額支払う、多少そういう点について調査する必要があるところは、これは止むを得なければ仮払いという手もありますけれども、そういうふうにはつきりしているところには、やはり全額支払ができるのか、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  73. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 災害保険につきましては、まあほかの地方と同様の要請がございますけれども、事務の限度もございましようし、一つ北海道の地元の準備も取急いで頂きまして、できるだけ北海道の農業共済の分につきましては、十二月中に処理してしまいたいという方針でやつております。それはもう全体を終りたいという考えで、事務当局も非常に勉強しているわけでありますが、併しこれもやはり地元のほうでよく御勉強願わないというと、時期を失することになりましようから、こちらのほうから、一つ地元のほうも準備を急いで頂くようにお願いしたいと思います。
  74. 森八三一

    委員長(森八三一君) 今の問題に関連しまして、昨日統計調査部長の御説明を聞いておりますと、災害対策の迅速、適正を期さなければならんということは、これはもう申すまでもございませんが、と言つて徒らに拙速であるために、或いは結果的に見て不正な問題が巻き起つたり、国費が不当に使われるということは、これは飽くまでも防止しなければならん、そういうことから、結局しつかりした数字をつかむということが、やはり迅速でなければならんということになると思います。まあ一昨日まで、非常に徹夜で御苦労頂きました供出割当の問題にいたしましても、的確な数学が把握されておれば、そう問題なしに、供出問題についても、府県側との折衝もスムーズに完了すると思います。そういうことを考えますというと、何と申しましても、事態の実際の正確な数字を早く正確につかむということが一番根本的な問題で、いい加減な腰溜めで融資をするというわけには行かんと思います。そのためには、昨日のお話を聞いておりますというと、現在の陣容、機構では、なかなか思いながらもそういうことの取運びが非常に困難であるというようなお話を聞いたのでありますが、こういこ点について、少ししつかり考えて頂かんというと、今松浦委員からお話のように、共済の問題にいたしましても、速かにはつきりつかめんために、只今事態がはつきり究明されんために、方針としては年内に仮払をするとか、概算払をするとかいうことでありましても、その方針の具現するための基礎ができ上らないということで、結局延び延びになつて行くという危険が、過去においてもあつたと思いますが、こういう点、勿論これは三十年度の予算にも関連することであろうと思いますが、大臣の御方針として、どういうふうにお考えになつているのか、その点も併せて一つお伺いしておきたいと思います。
  75. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) その点はもう今委員長お話になりましたことを前提といたしまして申上げているわけで、どうもその金の扱い農林省はルーズじやないかということは、私ども深く戒めを受けているわけでございますから、その点につきましては、もう十二分な注意を払つているつもりであります。供米等の関係につきましても、正確な数だけ持ちますれば話はつくのじやないかというお話でありますけれども、それはそういうような実情にはなつておりません。統計調査部のかなり正確な数字を持つておりましても、いやうちはそうじやない、こうじやない、或いは又県の知事の選挙がどうだとか、こうだとかいうことまで引合に出されまして、なかなか話合がつかんというようなことになつておりまして、国が正確な数字さえ持つておればということだけでは、なかなかその処理ができないようでございます。ただそういう中に立ちまして、北海道の災事の深刻性からいたしまして、罹災農家の実情も考えて、そういう前提の上に立つて、北海道については事務当局も勉強をしてそれだけにまあ地元もうんと勉強をして頂いて、十二月にはこの問題を、北海道については片付けたい、こういうふうな考えでまあいるわけでございます。委員長の御注意の点につきましては農林省は挙げて十分に注意を払つて参るつもりでございます。
  76. 松浦定義

    ○松浦定義君 昨日林野庁の長官が言明になりましたところによりますと、いろいろ今回参議院の農林委員会江田委員が北海道へおいでになつてからいろいろ事情をお聞きになつて、そこでどうしてもこれは矛盾があるというようなことから野草の刈取の問題でありますが野草の刈取も無償でその後どんどんと刈らしているというお話でありまして、非常に我々としても喜んでいるわけでありますが、山林関係でなく、河川の堤防敷地その他で農地関係におきましてそういう地帯が随分あるわけであります。これは毎年一定期間の使用料或いは又草代金というものを納入いたしましてそれの採草に当つているわけですが、丁度草代金納入期間が九月三十日になつているというので実は九月三十日に取消される虞れがあるというので支払つているわけです。その後聞きますと先ほども申しましたように林野庁関係の野草は無料で刈ることになつた、ところがまあそういう農地局関係ですが、この方面のあれは有料だということになりしますと、同じ農家でも非常にそこに矛盾があるわけですが、こういう点はやはり林野の下草と同じように無償で刈らして頂きたいという非常に地元の意見があるわけであります。私どももその点は当然だと思うのですが、この点は大臣としてどういうふうに御処置されるようなお考えですか。
  77. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) そういうお話も聞いておりましたので、できるだけ一つそうかといつて国有林の経営をルーズにやるというわけには参らん、国有林の経営上今お話のようなことは第一線機関の営林署長の考えでやれるように林野庁長官も肚をきめてやつてくれんかという話をしたわけですが、その河川敷等の採草地の問題は官房長から……。
  78. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 草代を取つているのは河川管理者だと思います。従つて直轄河川、それから都道府県市町村のほうでそういうことにして頂けばいいと思うのですが、なおよく調べます。恐らく道でできるのじやないかと思うのです。農地局とは関係ないのです。河川堤防の草は……。
  79. 松浦定義

    ○松浦定義君 若し例えば道と申しましてもやはり国がやる場合に道としてもやれないということになれば、これはおかしいと思うのですが、これは道財政とか、その面で違うと思う。特に北海道としましてはそのことが非常に影響を来たすということであれば道のほうで何かそういう点をお考えになるとしても同じようなケースでやつてもらいたい。こう思うので、いろいろ関連する問題があるかも知れませんが、その節は是非一つ御協力を順いたいと思うのです。
  80. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 私は災害の問題で皆さんからいろいろ派手なお話があつたのですが、大層地味な問題を一つ……。今度九州の災害地を見て廻つて痛切に感じたわけですが、九州の災害地のひどいところは大体高台の畑地帯がひどかつた。今年は春の農作物が駄目で、そうして秋の農作物が四回の災害で以て殆んど駄目、而もこういうふうな高台を作つている農家というものは、これはやはり町村では比較的零細農と言いますか、新らしく農地改革の後農民なつたような自作農が多いのでございます。私ども災害地に行つて一等感ずることは堤防が大きく決壊したとか、或いは水防地帯で以て水田が、米が全滅したという陳情は激しいのです。又そういうところの問題は県会議員その他が非常に派手に取上げている。これは今までこの災害の御質問の中で皆さんの中から出ておりますから私は別に申上げません。  ただ私そういう陳情に漏れているもので非常に問題があるのではないかと思う。ということは、農業共済の保険金を早く支払つてくれという問題があつても、これにも実は農作物の関係で引つかかつて来ない。例えばそういうものはどういうものかというと、結局毎年々々災害の各施策からおつこつて来る農家なんです。こういうところで実は地味に……、そういう農家に聞いて見るというと全く困つているようなんです。これは何らかの方法で以て解決されて行かなければならんじやないか。丁度この項目には、そういうような農家に当てはまるような農林省の対策がここに出ているのですが、この四項目に、自作農創設維持資金の枠を拡大するということが出ているのですが、この問題は実は数年前から大蔵省と農林省ではしよつちゆう御折衝になつておるということを聞いておるのでございます。ところが常に何か大蔵省のほうの御意見、或いは農地制度等にからむむずかしい問題があるやに聞いておるのですが、私はこの問題は大事だと思うのです。農林省はこういう項目をお掲げになつておりますから当然考えられておると思うのですが、大蔵省はどういう考え方を持つておいでになるか、この際承わつておけば好都合だと思います。政務次官から一つおわかりだつたら御説明願いたいと思います。
  81. 山本米治

    説明員(山本米治君) 私、ちよつとそういう問題わからないのですが、主計官が来ておりますから、一つ主計官のほうから答えて頂きます。
  82. 鈴木喜治

    説明員鈴木喜治君) 自作農の創設維持資金の特別会計の中で現在一部はやつているのですが、そいつは実質上の貸付になるような恰好で、実は非常に困つたところの農地を買上げて、同時に売払つて同じ人にそれを年賦償還でやるということに実質上の融資をやつておるわけであります。その予算の枠が今年八億くらいあると思います。その中で十分検討して行きたいと思います。
  83. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 それは二十八年度の予算でございますか。
  84. 鈴木喜治

    説明員鈴木喜治君) 二十九年度の予算でございます。自作農創設特別会計の……。
  85. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 それを増額というような御意向は別にないわけでございますか。
  86. 鈴木喜治

    説明員鈴木喜治君) 今のところそういう意思はございません。
  87. 松永義雄

    ○松永義雄君 その自作農維持資金のことなんですが、いろいろ経済関係から農家が転落して行くのですけれども、凶作による農家の転落というものはかなり数字的に見られているということです。先だつて私も当委員会から派遣されまして、静岡方面を見て参りました。その際陳情の一つに、昨年に引続き凶作のために農家が生活資金というか、食わんがために農地すら手放さなければならない。而もそれが闇の売買だと思うのですけれども、買う人が農家であればいいけれども農家でない、非農家風の人ですと、だんだん昔に戻つてつて農家の人たちが転落して行く。このことは視察に参つた静岡方面のみでなく、恐らく農林省の統計においても見られるところだと思うのですが、全国的にこの五反くらいの階層が転落して行く。それに対する一つの方法として自作農維持資金というものがあるそうですが、それが省令によつて非常に少い。出すには出して頂いておるけれどもその金は本当に困つておる五反くらいの階層に向けられないで、まあ割合余裕のあるほうに金が廻つて行く。尤もそれは融通額が少いせいもあるでしようが、一体政府としまして戦争前もあつたことですが、いわゆる適正農家というものを考えて、そういうものはもう潰れていいという考えなのか、それとも折角まあ自作農になつたというのであるから、たとえ五反くらいの階層のものでもそれを維持して行つてやろうというお考えなのか、それがまあ第一点。もう一点、若しそれを維持してやろうということになれば今の省令の基準というものは少な過ぎる。而も融通全体の総額が少な過ぎて殆んど効を奏していない。だんだん五反くらいの階層が転落して行く。闇小作というようなことでなく……闇小作というか、だんだん五反くらいの階層の農地の移動件数面積が多くなるという傾向がある。そういうことについて農林省はどういうふうにお考えなのかお伺いしたい。
  88. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) この問題は非常に大きい問題を私ははらんでおると思つておるんです。農地改革の基本精神を私としてはいささかも後退せしめるようなことがあつてはならないという考えを一つ根本に持つております。同時に戦時中及び戦後の極めて困難な食糧事情にあつた当時、こういうことが私はあると思いますのは、いわゆる市街地周辺の耕地がかなり自家飯米用に、それまでは農家でなかつた人の手に、相当入つておつたということも或る程度認めなければならん。で今お話の自作農——自作農というのは大体まあ農業を主として立つているもの——これが転落して行くということは、もうどうしても防ぐ、防止して行かなければなりませんけれども、極端に一反歩なり、或いは半反歩なりの自家飯用をやつておられたようなのが、その自作農の適正を強化して参るために行われるならば、法規上行えませんれけども、私はそれはどうだろうかという考えはないではありません。併しお話のように農業を主とした自作農が、ために転落をして行くようなことは、今御質問の主題になつておりました農地金融の制度がまだできていない現状でございますから、ここらにまあ多くの問題をはらんでおるわけでございますけれども、お話のように対象としてまあ今の自作農創設の中でやつているまあ一種の金融措置、これなんかもどつちかというとインチキだと実は思つておるのです。決して正常なあり方だと言えないと、これらがやはり制度として考えられなければならんところへ来ておるんじやないかというようにも考えて、折角検討いたしておるわけであります。なかなかむずかしい問題で、ここで一言の下に御満足を得るお答えをするということは、どうしてもできない。これを申上げまして、私の感じから言いますというと、まあ半反歩や一反歩足らずの飯米農家が、いわゆる自作農に譲つて頂くようなことは、これはやはり日本農業のためにそう一概にいかんというようなことは言えないのじやないかというような感じを私は持つております。併しそれが農業でやつておられる人がそういう形になつちや困る、それはどうしても防いで行かなくちやいかん、私はそういうふうに思つております。
  89. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうしますと五反歩ぐらいの階層が一審農地の移動件数が統計によりますと多いのですが、それで農林省の省令の基準によりますと融通資金が一反歩五千五百円ぐらいにしかなつておらん、少くともこれは三万円ぐらい貸してもらえなければ本当に折角…。
  90. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) そうなんです。
  91. 松永義雄

    ○松永義雄君 救済を受けても効を奏しない、こう言つて是非これを殖やすようにしてもらいたいと言つておる。ところが全体の実際融資額は極めて少額である。話は余計なところに行きますけれども、宮本先生のお話もありましたが、例えば農薬を施すにしても、飯米にも困る、生活にも困るというふうに落ちた農家なんで、その農薬の投げ量が、やはり乏貧人は少い、それで農家の貧困さがだんだん激しい、そういつたようなことで、貧乏が生産量にも関係して来るというところまで来ておる事はまあ農業としては小さい問題かも知れません、併し全体を貫かれておる現象を見ますと、どうも貧乏すると生産が殖えないという結果を生じて来ている。全体的に見て転落農家というか、折角自作農になつたのがそうなつて行かなければならんというふうに考えておるのですが、省令にきまつておるんですかね、その基準が、融資の基準が。そういうものを一つお考えになるということはないかということです。
  92. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 先ほど大臣からお話がありましたように、農地を担保にする金融について今検討中であります。今金額の問題等がどうきまるかということが、農地担保金融の骨子になつております。今の農地の担保価格を上げるということは、結局小作料と関連を持つて来るわけです。そういう関係が、一方に都合がよければ一方で今度は工合が悪い影響が出て来る、そのジレンマに陥つておりますので、その範囲をどの程度にするかというのを今決しかねておるのであります。お話のように二万乃至三万は少くとも担保価格として認めない限り、今の農地担保金融の意味がないということを前面に出してだんだん進めて行きたいと思います。
  93. 森八三一

    委員長(森八三一君) 今の問題に関連して、ちよつと話が出ましたから……。そういう小規模な飯米農家ぐらいになりますか、病虫害の防除等に一生懸命になりかねる、或いは資金的にもそういうことが困難であるということで、つい投げやりになる。それが大臣のおつしやつたように、どうしても維持して行かなければならない、農業を中心として立つておる連中の人たちに影響を持来たして、国全体としての食糧増産に悪影響を投げかけているという事態がどれほどあるか、私にはわかりませんが、そういうものが相当にあるのではないかということを考えますると、病虫害の防除という問題がやはりこれは相当公益性を持つたものとして取上げられて行かなければならんというように理解するのであります。ところが本年は幸いに大臣の御尽力によりまして、異常災害に伴う病虫害防除について、予備費を以て一応の措置はされましたが、やはりこれは基本的に病虫害防除の問題は公益性を持つという観点に立つて、強く施策されて行かなければならん重要な問題であろうと思いますが、大蔵省方面では受益者負担ということで、こういうものについて余り考慮を払うことを十分お考えになつていないようにも思われますが、これは山本政務次官どうですか、こういう点はしつかり考えて行く必要があると思うのでございますが、今後の扱いについてどういうようなお気持かお伺いしたいと思います。
  94. 山本米治

    説明員(山本米治君) 私まだ日が浅くてその方面のことを詳しく承知しませんが、たしか二十八年度は二十三億ぐらい病虫害関係の予算があつたと思いますが、これが一挙に十分の一、今年は一億ぐらいになつて、これは新薬に限るというようなことで大幅削減になつたわけでありますが、これは原則的に言えばやはり農家の経営費の一部、病虫害駆除ということは当然経営費の一部と考えられる、それでそういうものを全部政府が負うべき筋合ではないであろうという考えでございますが、只今お話の出ておりますような極めて零細な、いわゆる飯米農家というようなものにつきましては、確かに投薬する金もないというようなことがありましようから、別個の問題で、これがために全国的に病虫害駆除薬品代等を全部国庫負担すべきものとは考えておらないのであります。
  95. 森八三一

    委員長(森八三一君) 今のお話でそういうような年々発生する病虫害が、大臣のおつしやつたような、どうしても国として維持して行かなければならんし、現在の食糧事情から考えて一粒も余計とらなければならない、それにいそしんでいる農家の諸君に非常に甚大な被害を及ぼすという事実があるのです。だからそういうような場合に病虫害防除という問題が非常に重要な地位を占めて来るので、今お話のような感覚だけではこの問題は解決がつかないのではないかという感じを持つ、そうしてそれが国全体を通じて非常に重要な問題であると思いますので、今ここでこれに対する結論は得ようとは思いませんが、もう少し感覚を改めて十分御検討をお願いしたいと思います。
  96. 山本米治

    説明員(山本米治君) 承知いたしました。
  97. 江田三郎

    江田三郎君 私は先ほどちよつとお尋ねするのを忘れておつたのですが、これまでの災害に対する繋ぎ融資の問題なんです。それが建設省関係はすでに五月台風までの分が、繋ぎ融資が出ていると聞いているのですが、農林省関係はまだ五号台風の分は出ていない。それでなぜこういうふうにちぐはぐになるかということにつきましても、我々は聞いておりますが、ただ先だつて農林政務次官がおいでになつたときの話では、五号台風の分は大体ほぼ一億の査定が終つているのだ、ところが大蔵省のほうは一億のものを全国にばらまくと一府県が一千万程度のもにしかならないのだから、これは十五号台風までの分を早急に出すことにして、それと一括して、出そうというような意向があるということで、まだきまつていないというふうにお話がありましたが、併し若しそうだとすれば、これは私どもとしては、非常に地元に迷惑をかけると思うのでありまして、国としてはそのほうが事務手続は簡単でいいかも知れませんが、地元としてはいずれも緊急な応急措置をとつているわけでそれが国の経理上の便宜のために一括して出すのだというようなことをやられてはかなわんと思うのでありまして、その点前々から主計局のかたもこちらに来られて、すでに八月頃からの話でありますが、査定の終つたものから順次出して行くのだという方針を言われておりましたが、これは一つどうしてそういうことになつているのか、これは私の理解の仕方が違つてつて、この分はすぐにきまり次第お出しになるのかどうか、お尋ねしたいと思う。
  98. 山本米治

    説明員(山本米治君) 只今お話の件は手続上の問題と思いますが、きまり次第大蔵省のほうとしては出す予定でございます。
  99. 江田三郎

    江田三郎君 それからもう一つ農林大臣にお尋ねしたいのですが、先ほどお話がありましたが、ビートなどはとにかくとれておつたのですが、そのビートの問題について、現地で心配しているのは、今年は政府のほうで全量買上げをしないのじやないかというので、昨年も一部買上げを断わつた、今年もそういうことになるというと、どうも困つたことだという不安を持つているようでありまして、その点先ほど食糧庁企画課長お話では、そういうことのないように、希望のあるものは皆買うということでありましたが、これは是非一つ全量買上げ方針をとつて頂たいということ、更に私は全量買上げということだけでなしに、更に百尺竿頭一歩を進めて、どうしてもビートというものは北海道農業については盛んにならなければならない、それが現在どのくらい赤字になつているか知りませんが、考えようによつては、少々の赤字が出てもかまわないのじやないかとも言えますし、第一農業政策全体から見ましても、九〇何%までを輸入原料に仰ぐということは非常に変則なのでありまして、この際本年度分について全量買上げをするということだけでなしに、今後一つ本当の北方農業を是非作るという意味からも甜菜の奨励についてはもつと画期的な方針をおとり願えないかということを、その点だけですが……。
  100. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 何かビートの全量買上げをやらんじやないかという御心配が現地にあつて、実はそのお話を聞いてびつくりしたのでありますが、これは大体御了解を頂いておりますように、全量買上げると申しますか、とにかく無制限に買上げるという方針に変りはありませんから、その点は……。それから北方農業として今後の北方農業の、寒冷地農業の一翼を担うものはやつぱりビートだという今日の農作物の現状からいたしますと、私もさように考えております。糖業政策全般としましては、いろいろな問題があると思いますけれども、北方における適地適作という点から言いますというと、甜菜糖の増産については力を入れて行かなければならんという考えは同感でございます。
  101. 松浦定義

    ○松浦定義君 ちよつとお伺いいたしますが、今度の要綱の中にありますように水陸稲種子の補助の問題ですが、これは町村負担をやることになつておるわけですが、あれは町村負担が今のような、御承相のように非常に逼迫しているというようなことで、どうしてもこれはやつぱり全額やつてもらいたい、こういう意見が非常に強いのですが、こういう点やつぱり農林省としてはどうしても現在のままでやつぱり一部は町村が負担しなければというような御意見ですか。こういう場合特殊な取計らいでそういう点は改正して、補助すべきものは全部国が持つというようなお考えですか。この点如何なものでしようか。
  102. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 補助金の問題は今検討中で結論出ておりませんが、昨年の例を見ますと、細かい補助金になりますとどうしても問題が多くて、若し仮に補助金を出すようになつた場合でも、公共団体ではつきり何というか責任が持てるような恰好でないと補助金は恐らく出ないと思います。去年の冷害で今の種子の補助金はどこの県でもどこの村でも皆んなついている。会計検査院の監査の結果ですね、これはそういう補助金のやり方自体の問題に無理があるのではないかというように考えられますので、今どういうふうなものであるかということを、仮に補助金を出すとしてもまだ結論は出ておりません。一番いいのは食糧庁買上げて、食糧庁で安く渡して、そうしてその損失を食糧管理特別会計にもらつたのが一番効果的じやないか。補助金の恰好で農家に渡すのは、去年の例に見てもどうしても避けたい。こういうふうに考えられますけれども、まだ結論は出ておりません。
  103. 松浦定義

    ○松浦定義君 ちよつと大蔵省のかたがおられるので一点だけお伺いしたいのです。鈴木主計官がおられますから鈴木主計管にお尋ねしたほうがいいと思いますが、北海道は御承知の通り非常に今年はいろいろな面で土木工事もどうしても推進してもらわなければならん、こういう意味で本年までいろいろ計画しておりまする二十九年度の耕地整理事業の新規事業というものが六十三地区農林省のほうでは決定して、すでに地方ではそういう準備をいたしておるわけですが、大蔵省のほうではそれを最近二十五地区ぐらいに縮小して、予算を内示しようというような動きがあるということを聞いておるのですが、事実そういうことでは非常に北海道の土地改良を整理するという意味でも困るのですが、特に今年のような場合にはどうしてもそういう面で一つ就労の途も講じなければならん。両面的から見ても切実な希望なんですが、この点は農林省の案通り六十三地区の決定をして頂きたい、こういうふうに思うのですが、こういう点の事情がどういうふうになつておりますか、この点をお伺いしたいと思います。
  104. 鈴木喜治

    説明員鈴木喜治君) 原則的に申上げますと耕地整理事業というのは非常に単年度の事業でありますから、成るべくスピードアップしてできるようにするためにはどうしても新規にする個所数を減らして行かなければならんという原則になると思いますが、北海道の場合には今度の災害がありまして、そういう事情を考えれば多少違うのじやないかと思います。今後十分検討したいと思います。
  105. 松浦定義

    ○松浦定義君 それからもう一点補助率の割合ですが、そういうような事情から相当各項目に亘つて削減をされておる北海道のほうとしては、どうしても新規事業並びに現在の四割五分の補助で是非やつてもらいたい、こういうことですが、こういう点も併せて一つ検討願いたいと思うのですが、こういう点は如何なんですか。
  106. 鈴木喜治

    説明員鈴木喜治君) 今非常に急いで検討しておる最中でございますから十分考慮して行きたいと思います。
  107. 森八三一

    委員長(森八三一君) 只今議題になつておりまする災害関係につきましては、なお農林大臣、大蔵政務次官に御質疑もあろうかと存じますが、この際御了承を得ておりまする本件に関する当委員会の意思をまとめまして政府に申入れすべき必要もあろうと思いますので、その協議をお願いいたしたいと思います。速記を一つやめて下さい。    午後一時二十七分速記中止    —————・—————    午後一時五十四分速記開始
  108. 森八三一

    委員長(森八三一君) 速記をつけて。  只今懇談を頂きました申入に関しましては、昨日お配りをいたしまして御研究を頂きました案に対しまして、申入の見出しを、「二十九年度災害(冷害を含む)対策に関する申入」ということにいたしまして、本文の末尾に列記いたしてありまする最終の項目でありまする臨時国会を開催し云々ということを文章にいたしまして本文に差し加えるということにいたしますることと、なお開拓者関係のことにつきましては各項目からこれを抽出いたしまして、一項目別個に柱を立てて総合的に事項を整理して参ります。その際には本日の質疑を通じまして、御論議がありました点を差し加えるようにいたしますること、更に本年の米質に鑑みまして六等級を設置いたしますること、なお海岸堤防の復旧につきまして一項目を入れること等、差し加えをいたしまして整理をすることにいたしまして、その取扱につきましては委員長に御一任を頂きまして政府に申入れすることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 森八三一

    委員長(森八三一君) 御異議ないようでありますので、さように本件の取扱いは進行さして頂きます。   —————————————
  110. 森八三一

    委員長(森八三一君) 次に次回委員会の日取りでありますが、只今決定を頂きました災害対策に関する申入れにつきましては、極めて急を要することでありますので、本申入れに関する政府の態度を早急に決定されまするように申入れをいたしまして、その結論の得られる時期を選んで御審査を願うことが極めて大切であり重要であろうと思いますので、それらのことを勘案いたしまして、おおむね来月の九日、十日あたりに開きたいと考えておるのであります。なお政府のほうの事情が急速に取運びされまするようなことで早急開催を必要とする場合には更に委員長にお任せを願うことにいたしまして、取りあえずの目標といたしましては来月の九日、十日、十一日あたりということで御了承頂きたいと思います。如何でございましようか……。御異議ないようでありますので、次回の日程につきましてはさよう決定をいたします。   —————————————
  111. 森八三一

    委員長(森八三一君) 次に議員派遣の件についてお諮りいたします。十五号台風の被害等の状況調査のため議員派遣要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 森八三一

    委員長(森八三一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。なおその人選、日時並びに要求書の手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 森八三一

    委員長(森八三一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。   —————————————
  114. 森八三一

    委員長(森八三一君) 残余の案件もございまするが、残りました問題につきましては昨日の委員会において御了承を得ました通り次回の委員会に譲ることといたしまして、本日はこれを以て散会し、今回の委員会を閉ずることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 森八三一

    委員長(森八三一君) 御異議ないと認めますので、これを以て散会いたします。    午後一時五十八分散会