○鈴木一君 関連して……。私は従来防疫課の御指導、監督を受けておる立場でありましたし、農薬の行政につきましては、いろいろ私なりに
意見も持
つてお
つたわけでありますが、まあそうい
つた立場にお
つた私がこの問題についてとやかくやることは、とかく主観と言いますか、自分の主観的な
意見が強過ぎるために、却
つて公正を欠くというふうなことも懸念いたしまして、本日まで農薬に関しましては一言も発言しないでいたんですが、たまたま先般来
河野委員がいろいろこの問題について私と全く同
意見の開陳がありましたので、ここまで来てなお自分の考えを述べないということは議員としての任務にも不忠実だというふうに考えますので、あえて一言申上げておきたいと思います。
局長はこの植物防疫協会が設立された
経過について、概略の点につきましては御承知のようでありますけれども、詳しいことは御承知ないんじやないかというように私は思うわけです。只今の御
説明を聞いてそういうふうに思うわけです。で、終戦後ありました農薬協会というのは、当時農薬が少ないときでありましたので、成るべく多くを生産し、そうして又生産されたものの公正なる分配を図るというふうな建前から、メーカーもそれから又商人も農業協同組合も同じような資格で会員として入
つてお
つたわけであります。それがだんだん
経過いたしまして、品物は余
つて来る、結局
価格の問題にな
つて来る、品質の問題にな
つて来る、メーカー間の競争も激しくな
つて来るというようなことで、農薬協会の存在の意義がなくな
つてしま
つたのでありますが、私たちといたしましては、この農薬協会をいわば翼賛会みたいな存在である、で、もうこの
段階に到達したならば農薬協会は解散いたしまして、メーカーはメーカーなりに集まり、それから又商人は商人なりに集まり、消費者団体は消費者団体として集ま
つて、おのおのその利害得失をはつきりする、そういうふうにすることによ
つて農薬協会の前進もあり得るんじやないか、又浄化もあり得るんじやないかというような
観点から、農薬協会の解散を私は全購連の代表として強く主張したのでありまして、大体当時の農薬協会の総会では解散ということに
意見の一致を見たわけであります。ところがその後私が都合によりまして職場を去
つたあとで、いつの間にかこうい
つた日本植物防疫協会というふうなものができまして、こういうふうな組織にな
つたわけでありますが、当時の会議に参加してお
つた殆んど大半の人はこういう存在は認めない。新らしくこういうものは作りたくない。そうしてメーカーはメーカーとして集まり、商人は商人として集まり、協同組合は協同組合として集まり、お互いに連絡協議会のようなものを作りながら、この農薬協会の発展を期そうということであ
つたわけでありますが、いつの間にか農林省の指導下にこういうものができたのであります。設立の
経過というものはそうい
つたような
経過を辿
つていることを十分
一つ御認識頂きたいと思うのであります。従
つて参加されている団体のかたがたも喜んでこれに参加しているのじやなくて、止むを得ずこれに参加している、こうい
つたような状態であります。一応の
経過はそういうわけでありますが、この植物防疫協会に対して僕らが何故に反対するかということでありますが、一応建前はここにあります第二章の目的及び事業でありますが、この
通り遂行されたならばまだしもでありますけれども、これを
一つの盾といたしまして、特定のメーカーを庇護するというような事態が起ることを私たちは非常に懸念したわけでありますが、それは過去におきましても、この前の
河野委員の質問で、いわゆるパラチオン製剤の件につきまして、はつきり農林省のほうが特定のメーカーを特に庇護するというような行政的な庇護があ
つたわけであります。それからそうい
つたようなかたがたが、こうい
つたような協会を実質的に常務理事という形でリードする限り、この協会というものは非常に何と言いますか、最初の趣旨と違
つた特定メーカーを擁護するような、農薬協会全体の発展にならないような結果を来たすという
観点から、私たちは非常に強く反対したわけでありますが、併しながら官尊民卑と言いますか、我々の意向が通らずに、こうい
つたような協会ができたわけであります。ここにあります第二章、目的及び事業の五、「農薬及ビ防除機具ノ受託及ビ斡旋」とな
つておりますが、最初ははつきりこの
通り出てお
つたわけであります。
あとでいろいろ農林省がそうい
つたようなことをすることは、私たちが今申上げましたような特定メーカーの庇護育成ということになりやしないかというようなことから、
あとで特に「試験」というような
言葉が入れられたと記憶しておりますけれども、最初ははつきりとこういうものが出てお
つたと私は記憶しております。すべてそうい
つたような業界の誰もが希望しないような協会がいつの間にかでき上
つたというのが実態でありますので、十分そういう点につきましても、局長は単に防疫課の人たちの
意見だけでなしに、ほうぼうの関係しておられるかた、メーカーなり、消費者なりの代表の
意見も十分聞いた上で、改めて公正なる判定をして頂きたいというふうに私は思います。