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江田三郎君 今の黄変米の
検査がいつ終了するか、こういうものは成るべく早くそれを終了してということでありますが、私
どもの
見通しでは、これはなかなか簡単にきまらんのじやないか。で、仮に厚生省の砥うで従来の基準でよろしいと言われても、或いは基準を変更しなければいかんと、こう言われても、それはいわゆるそういう答えが科学的には一応出て来るとしても、併しこの黄変米の問題というのは、
ただ簡単に科学者の答えで割切ることができるかどうか、
相当これは心理的な問題にな
つて来ると思うのです。そこで仮に含有率を非常に低いところできめられても、恐らくそれはスムースに配給には乗らないで、各地で配給拒否というような問題が出て来ると思います。これは消費者がやかましくなると、例えば米屋さんにしたところで、お前の所は黄変米を配るなら、お前の所の米の登録を取消すというようなことが必ず出て来るわけですよ。そこで厚生省の答えというものも、私はそう簡単に出ないと思うし、何にしたところで一人や二人の人体実験ではいかんというようなことにな
つて来ると、これは
相当長期に時間をかけなければこの答えは出ない。そういう答えが仮に出ても、
只今申しましたような心理的に非常に国民に不安を与えているというところからして、仮に何パーセントのものであ
つても、いやしくも黄変米は、仮に一粒でも入
つているものならばいやだというような国民の心理があると思うのです。
従つてこの今リザーブされている八万トンというものが、これがこの
期間内に配給ルートに乗せるということは恐らく不可能じやなかろうかと思うのです。更に今後入
つて来るところの十四万トンにつきましても、そのうち二分の一はタイだ、あとは中共なり、カリフォルニアにしましたところで、カルフォルニアにしましても、先般のように一旦配給したあとで
検査をや
つてみたら黄変菌があつたというような問題を起しているわけなんです。そこでそういうようなものの扱いについても、ここまで問題が大きくなるというと、必ずカリフォルニアから来たところで十分な
検査をしない米は受取らんというような問題が出て来るんじやないか、同時にタイから入
つて来るところの十四万トンの約二分の一についても同じ問題が出て来るのじやないか。そういうことを
考えますと、百二十七万トンの
持越しの中で、本年産の
内地米の百二十万トンのうち十六万トンだけがルートに乗るんだいうことになると、百十四万トンあたりはすぐ不足するという計算になりますから、百二十七万トンから百十四万トンを引いた十三万トンというものしか実際には余
つて来ない。その中で問題の黄変米の八万トンなり、今後入
つて来るところの十四万トンについて問題とされる米があると、これは
需給がうまく行かんということにまあ私
どもの計算ではな
つて来るわけです。それを押切
つてやろうとしたところで、そうなると社会的に非常に不安を捲起すということになりますが、そういう点について
食糧用として果して確信があるのかどうか。仮に八万トンをリザーブしたままで置いて、そして十四万トン入る外地米についても、これについても
検査が終了までとかいうような
措置をとらなければならんように
なつたならば一体どうなるか、そういう点はどんなにお
考えなんでしようか。それから或いは若しそういうような事態が起きた場合には、現在の配給基準というものを改訂するのかどうか、そういう問題が起きても、少くともこの年度一ぱいは一般の家庭配給についても、或いは労務加配等についても基準
通りや
つて行かれるかどうか、そういう点はどうでしよう。