運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-02-18 第19回国会 参議院 農林委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十八日(木曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            白井  勇君            戸叶  武君    委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            江田 三郎君            清澤 俊英君            東   隆君            鈴木  一君   政府委員    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    通商産業省通商    局農水産課長  森 日出哉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (糖業に関する件)  (人造米に関する件)  (食糧需給に関する件)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。  過般この委員会におきまして、調査委員から生糸輸出粗糖輸入とのリンク問題について質問が要求されておりますが、この機会にこの問題をも含めまして、蚕糸業の現況、最近政府において検討中の生糸輸出確保臨時措置法案並びに生糸原糸課税問題のその後の事情等蚕糸政策全般について農林当局から説明を聞く予定でありましたが、生糸輸出確保臨時措置法案に関する準備の都合もありますので、本件は来週に延期いたしたいと存じまするから御了承を願います。  そこで本日は先ず農業政策に関する件を議題にいたします。この件に関して、本日は食糧庁長官出席を得ておりますから、前回に引続きまして御審議を願うことにいたし、先ず江田委員から御質疑を願います。
  3. 江田三郎

    江田三郎君 私先週農林大臣砂糖のことを少し聞いたわけですが、どうも大臣は余りはつきり承知しておられんようでありましたから、食糧庁長官に改めてお伺いするということにいたしておりました。ところが予定されておつた火曜日には、どういうことか食糧庁長官は来られなくて、本日はお見えになりましたが、議員である我々が早くから待つてあとからおいでになるということで、なかなか食糧庁長官権威のあるものだということを認識を新たにいたした次第であります。一つそういう権威のある食糧庁長官であるならば、これからお尋ねすることにつきましても、一つ権威を持つて答えを願いたいと思うのであります。  そこで砂糖のことについてお聞きしたいのは、今非常に砂糖値上りになつた生産取引相場から見ましても、昨年の五月頃の三十五円程度のものが、今生産市場で六十一円というような声が出ておる。現物で行きますと、地方へ行きますと、すでに九十円を突破している。今の政府物価引下耐乏生活、そういう政策がとられておるときに、やはりそういうことは一般の大衆の協力がなければできないことですが、それが台所の毎日使う品物が、こういうようなべら棒な値上りになつたということは、これなかなか簡単に見過すことのできない問題だと思うわけであります。そこで私どもいろいろな疑問を持つわけですが、先ずその前提として、砂糖原料というものはどういう手続輸入されるのか、輸入された原料はどういう手続で次へ廻されるのか、そのことからお伺いしたいと思います。
  4. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、実は本日緊急の書類を見ておりましたので遅れまして誠に申訳ないわけでございます。先日は米価審議会がございましたので、非常に申訳ないわけでございますが、私そのほうにかかり切りでおつたものでございますから来られなかつたということを、この機会にお詫び申上げておきたいと思います。只今江田委員のお叱りは誠に申訳ないと思つております。特にそういう権威とか、何とかということで私欠席したわけではございませんので、その点一つ御了承願いたいと思います。  只今の御質問砂糖原料輸入でございますが、これは現在におきましては、粗糖輸入いたしまして、その輸入につきましては、御承知のように為替の割当があるわけでございます。粗糖輸入につきましては、原産地でございまするキユーバ及び台湾から直接輸入いたしまする場合と、第三国貿易尻を改善いたしますために、第三国を通じまして輸入いたしまするスウイツチの場合と、それから輸出とのリンクにおきまして、バーターで以て輸入する場合とがあるわけであります。それでこの粗糖につきましては、ドルで入れて参りまする場合は、現在製糖業種及び再製糖業種につきまして外賃割当をいたしておるわけであります。その他のものにつきましては、台湾におきましては、希望によりまして、希望割当式AAの形におきまするシステムをとつておりますし、その他のものにつきましては、スウイツチバーターは、そのバーターが成立いたしましたものにつきましての輸入、かような形で輸入をいたしておるわけでございます。その輸入せられました原糖を処理いたしまして、それ以降は卸と小売段階を通じまして、一般消費者に対してその砂糖配給され、又消費されておる、かような段階になつておるわけでございます。
  5. 江田三郎

    江田三郎君 このキユーバなり、台湾からドル輸入するものは製糖及び再製糖工場割当てる。その際それ以外なものには若し割当てないんだとすれば、それはどういう根拠に基いてそうなつているかということが一つ。それからそういう割当はどういう基準でされるかということ。それからスウイツチの場合及びバーターの場合は、これはちよつと説明がはつきりしなかつたが、これは割当をやめてインポーターが自由にどこにでも持つて行つていいのかどうか、それからお答え願いたい。
  6. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。従来御承知のように砂糖につきましては一応粗糖で入つて参りまして、製糖工業に対して、その原料といたしまして割当をいたしておるわけでございまして、その精製されたものが一般消費者という形で配給されるわけでございます。大体精製糖工場に対する原料という見方で以て割当をいたしておるわけでございます。その割当方式は、実績が五割、それから能力が四割、それから一般的な平均割が一割、こういう割合で以て割当基準といたしているわけでございます。スウイツチにつきましては、実需者発注証明によりまして、貿易業者スウイツチバーター輸入をする。かような形になつております。
  7. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますと、スウイツチバーターの場合は、実需者に行くということであるが、その実需者という場合は、これは具体的に何を指すのか、製糖工場以外のものでもいいのか。実需者というのは何をあなた方は実需者だと考えておられるのかということなんです。
  8. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。スウイツチバーターの場合におきましては、実需者発注証明という形になつております。ただ実需者の場合におきましては、従来におきましては、製糖工業会社実需者として輸入業者に対する発注をいたしまして、それに基きまして輸入業者輸入をいたしている。かような形になつております。
  9. 江田三郎

    江田三郎君 実需者というものは、従来の場合は製糖業者と、こういう答えですが、従来の場合は製糖業者であつても、これは実需者というものは、砂糖を食べるものなら誰でもいいという考え方なのか、製糖業者でなければ実需者でないのか、その点はどうですか。
  10. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) スウイツチバーターの場合におきましての発注証明は、只今も申上げましたように、従来は製糖工業というものが実需者になつております。ただこの製糖実需者という観念が非常に範囲の限定が困難でございまするが、粗糖をそのまま原料として消費する場合におきましては、これを実需者考えることも、その消費内容が明確になりますると、実需者範囲というものをどう考えるかという問題でございますから、そういう場合におきまして、消費内容がはつきりいたしまして、それが原料として使われるというふうな場合におきましては、その実需者観念の中に入り得る、かように考えております。
  11. 江田三郎

    江田三郎君 そこで粗糖をそのまま消費するものであれば、実需者、こういうことになる、若しその粗糖精製しないでそのまま直接食糧として消費する場合には、それは実需者であるかどうか。
  12. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、この粗糖原料として考えますか、直接これが一般家庭におきまする消費として考えますかという点については、いろいろ考え方もございまするし、問題もあろうかと思いますが、現在我々といたしましては、一応加工原料として考えまして、それが加工されて、第二次の形にして参るというのが実需者だという形に考えまして、それから出て参りまするものは、一般に現在におきまする流通機構を通しまして消費者の下に配給され得るというふうに考えているわけでございまして、勿論消費者のためにその価格の点について不当な値上りのないようにできる限りの努力をいたさなければならないということは、勿論我々としてもそういう考え方でおるわけでございます。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 どうも少しはつきりしませんが、粗糖を今まではこれを原料として考え製糖業者実需者として割当てておつた、今までやつてつたという方式はわかりましたが、粗糖というものをそのまま食糧として使うということは、これはあり得ないこと、或いはあり得てはならないことと考えておられるのか。或いはこれはそのまま食糧として使つてもいいとお考えになつておるのか、その点はどうでしよう。これはちよつともう少し附加えて言いますと、戦前砂糖消費の場合には相当量粗糖家庭消費に廻されておつたと私たち考えておる。或いは又戦後におきましても、あの終戦直後私たちはあなた方食糧庁の手を通じて家庭粗糖を配つて来られて、それを食べておつたわけですが、それが今は、昔はそうであつたが、いつの間にか食糧ではなくなつたというお考えなのか、今でも食糧だが、ただ従来の割当に当つてその点は余り重視しなかつたということなのか、その点はどうです。
  14. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、戦前におきましては、こういう現在の粗糖は入つてつておらなかつたのであります。いわゆる中ザラとか、ザラメとかいうふうな形で加工されたものが入つて来ておつたように思います。ただ、今の江田さんのお話のように、戦後におきまして食糧事情が急迫いたしておりますと同時に、精製能力が足りなかつた場合におきまして、戦後におきまして粗糖を直接に消費者家庭配給したということはございます。従いまして、この粗糖が全然砂糖として消費者家庭配給できないものというふうには考えておらないわけでございます。ただ従来もその配給当時におきまして、粗糖につきましての配給ということにつきましては相当いろいろな議論なり非難がございました。ダニがあつたというような議論もございましたし、そういう点と、同時に精製能力も出て参りましたので、又消費者の嗜好もだんだん精製された砂糖に向つて参つたというふうな事情からいたしまして、そういう現在のようなやり方をいたしておるわけでございます。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 これはあなた方が今まで考えている実需者というものは、これは私をして言わしめますというと、あなた方が架空実需者として考えている人だと私は思うのです。砂糖実需者というものは、これは若しこれを食糧庁食糧行政として扱われるのであれば、最終家庭で使われる場合或いは菓子に使われる場合、その他の場合を考えなければならんと思うのでして、それをいつの間にかそういう人を考えないで、この途中に別な実需者架空に、架空と言つたらこれはちよつと語弊がありますが、設定されてはおらんかと思うのです。そこで今のあなたのお話を聞きましても、若しこれが不当に値上りをするというようなことであれば、それならば現在の輸入価格からみて、現在の消費者行つているところの九十円というような価格は、これは不当ではないと考えておられるのか。ダイヤモンドに出ている今度の大阪精糖の事業の分析を見ても三十割の利益率というような、こういうようなことは不当ではないと考えておられるのか、あなたの今まで考えておられる実需者というものは、どこかピントが外れているとは考えておられないかどうかということ……。
  16. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 従来考えておりましたのは、やはり一つ加工工程を経まして、そうして卸小売商業部門を通じまして、そうして砂糖最終消費者に流れるということが現在の何と申しますか、全体の産業の規模と申しますか、構造と申しますか、というふうな立場からいたしまして、そういう形ですることが最も通常状態ではなかろうかというふうに考えてやつてつたわけでございます。ただ、今の御指摘の現在の価格が現在の粗糖価格から見て妥当であるかということになりますると、現在のように消費税を除きまして六十円というふうなことは、これは価格が上り過ぎておるというふうに我々としても考えておりまして、これに対して更に追加輸入をするとかいうことによりまして、何か価格を引下げる方法を検討いたしておる次第でございます。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 関連して……。今この実需者解釈で、長官から途中から伺つたのですが、砂糖の場合の実需者というのは製糖業者実需者解釈しているということですが、そういう原則を立てているのですか、これをちよつと伺いたいと思う。
  18. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 砂糖加工いたしまして精製して消費者配給するという建前からいたしまして、実需者を、粗糖加工いたしまして精製する場合と、これを再製する場合ということで、加工原料として考えて、その加工原料としての実需者というふうな考え方をいたしている次第であります。
  19. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、それは例えば食糧庁扱つている物資はいろいろありますが、食糧庁扱つているいろいろの物資の中で砂糖だけの実需者解釈ですか。私は食糧庁扱つているほかの物資は、そういう加工業者を以て、実需者として解釈していない実例があると思う。又砂糖そのものつて、これはあとでゆつくりと聞きますが、菓子連合会であるとか、それから牛乳の組合であるとか、そういうものが割当の中に入つていますね。そういうのがあると聞いていますが、私はそういうものは別として、農林物資の中で、而も食糧庁が扱う、あなたが扱う物資の中で、それぞれ品目によつて実需者解釈が違うのはおかしいと思う。具体的に申しますと、全購連マニトバ払下げて、これは全購連に粉を払下げたのじやない、全購連は「ふすま」としての実需者である。それを全購連マニトバ払下げて全購連が製粉の加工をしてもらつて「ふすま」をとつて、それをあなたのほうの命令によつて配給しているのです。こういう場合には実需者は全購連というふうに解釈しているわけです。最終段階消費者、これを実需者としているわけです。そういう例がほかにたくさんありますよ。それを砂糖限つてだけそういう窮窟な、へんちくりんな実需者解釈をするというのは私はおかしい思う。そこにいろいろな問題が起る。これは一体どういうことなのか。これは今までのお話で、あとでゆつくり聞きますけれども、この解釈について今まで誤まつていたから今後直すというのか、それとも今後とも砂糖限つて実需者解釈確固不動で変えられんということなのか、その解釈を伺いたい。
  20. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。我々の考え方といたしましては、例えば只今河野さんが御指摘のございました飼料用小麦のときには、最終実需者としてそのままの形で参りますので、その配給段階としての団体といたしまして、指名によりまして競争入札でこれを配給、売却いたしておりますが、その際におきまして、御指摘のように極く例外的に「ふすま」が必要であるけれども、現実の問題といたしまして、「ふすま」をそのまま輸入するということは価格関係等からいたしましても困難でございます。と同時に、「ふすま」の国内の需給からいたしまして、「ふすま」の供給を殖やす意味におきまして、マニトバ五号を払下げているということは御指摘のようにございます。併し現段階としまして、小麦にいたしましても、大麦にいたしましても、加工段階を経て消費者配給されるものとして、その払下げの対象は加工業者を主体にいたしているわけでございます。ただ最後の御質問のように、従来の砂糖需給なり或いは又輸入なりの状況が需要と或る程度マツチをいたしておりまする場合におきましては、これは現在の産業構造と申しますか、物の流れの通常の形によつてつて参ることが普通ではないかと思つておりまするが、将来の外貨状態、それから需給のバランスによりましては、この方式というものは検討いたさなければならないということを我々も考えておるわけでございます。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 少し私に対する答えと、今河野委員に対する答え違つていはしないかと思うのですが、私がお聞きしたときの答えは、従来原料として製糖業者割当てておつたが、併し実需者という意味は、粗糖をそのまま消費する意味だ、こう答えられたと思いますが、そうじやなかつたですか。
  22. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 粗糖原料として消費する者を実需者考えておつたというふうに私申上げたと思います。
  23. 江田三郎

    江田三郎君 然らば粗糖というものは原料でなければならないのか、これは食糧にしてはならないとすれば、一体どういう根拠に基いてあなた方はこれを食糧でないと言われておるのか、それをはつきりして頂きたい。
  24. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 先ほども江田委員に申上げましたように、この粗糖が絶対に食糧にならないということは我々は考えておりません。現に終戦後におきまして、それを直接配給砂糖として配給いたした場合もございます。従いまして絶対的に粗糖砂糖としての消費に向かないというふうなことには考えておらないわけであります。ただ従来の状態からいたしますると、砂糖消費の傾向も、又価格の動向、需給関係等も、加工段階を経て、そうして商業機構を通じて行くことで以て円滑に推移して参つたというふうに考えておりましたので、そういう下におきましての粗糖は、一応実需者としての加工原料ということで扱つてつた次第でございます。従いまして、これを絶対的に砂糖食糧としてはならないというふうな考え方で認定いたしたわけではございません。
  25. 江田三郎

    江田三郎君 それならば、今若し最終消費をする人が粗糖食糧として使いたいという希望があれば、それを認められるかどうか。なお私はこれに関連して、これはいずれあとから通産省のお方にもよく聞いてみようと思つておるのですけれども、現にあなた方が輸入をされたものが粗糖のままで一般市場へ流れておる。一斤殆んど精白糖と二円か、三円かしか違わん相場で売られておるという事実もあるということです。そういう点から、私は若しこの粗糖食糧として使いたいから、或いはそのままでなくても、現在のような耐乏生活が言われる際に、この白砂糖は、精白糖はこれは我々の消費生活では無理だ、或いは中ザラでよろしいとか何とかという、そういう要望に基いてこれを割当を頂きたいという場合には許される方針かどうかということです。それをお答えして頂きたい。
  26. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 砂糖最終需要形態が、白糖を以てすることが最終需要希望であるか、或いは又それの一段下の中ザラとか、或いは三温というような形のもので以て需要されておるか、これはおのずから消費者需要によりまして加工関係段階が変つて参ると思います。現に御指摘のように、中ザラその他の形で以て需要者の要求によつて市中に流通いたしておることも承知いたしておるわけであります。ただ粗糖そのものを以てこれを需要するというふうな場合に、まだ現在の消費実態が、粗糖で以ての需要がどの程度に末端の場合においてあり得るかどうかというふうな点についてもつかみ得ない状態でございまするので、従つて精製糖或いは中ザラ、三温或いは再製糖というような形におきましての需要形態考えまして割当ていたしておるわけでございます。ただ、我々といたしましては、原則といたしまして、消費者がこの粗糖というものを絶対と申しますか、非常な御希望があるという場合と、それから委託加工というふうな形で以て進む場合とはおのずからケースが違つて参るのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。ただ、我々といたしましても、消費者の面におきまして相当な粗糖需要があるということになりますれば、これはその実態をも十分考慮して参らなければならない。ただ現在の状態においては、それをつかみ得ないというふうに考えておるわけでございます。ただ問題は結局精糖粗糖かということは、同時に砂糖価格との関連性もあろうかと思います。全体といたしまして、できる限り砂糖価格というものが低くと申しますか、これが消費税関係もございまするが、適当なところで安定して参りますれば、普通の形で以て進み得るのではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、ただ砂糖需給及び外貨等状態によりまして、現在の方式がその実態に合うかどうかということは、我々としても慎重に再検討いたさなければならないということは考えておる次第でございます。
  27. 江田三郎

    江田三郎君 あなたの話を聞いておると、肝心な点が一つどうしてもぼやけて来るわけです。それは実需者というものは何ぞやということをもう一遍考えてみなければならん。どういう原料で入ろうが、何であろうが、砂糖の一番大きな最終消費者は誰かということなんです。少くともこれは通産省がやつておるのではなしに、食糧庁食品課として扱つておる以上は、一番大きな消費者である家庭考えなければ、そこから出発しなければ政治、行政というものは過まつて来ると思う。ところがあなた方のほうは、その最終家庭というものを考えないことはないが、その最終家庭というものは、終戦直後はいざ知らず、最近になりますというと、若し値段が正常な値段行つておれば精白されたものを欲するであろう、そういう一つ仮定を置いて、その仮定の上に立つて、かるが故にこれは精白糖にする原料だから製糖業者に渡すのだ、こういう建前なんです。ところがこれは飽くまで仮定なわけです。本当の最終実需者の声というものは、あなた方は勝手に精白糖を欲するものなりという仮定を作つてしまつておるわけなんです。そこに私はこの砂糖行政というものが混乱する一番大きな原因、再検討しなければならんということを言われますが、併しながら市場に出て来るところの精白糖というものが一斤二十円というようなべら棒な儲けをされて、家庭の人々がこの高い砂糖を買わなければならんということは今に始まつたことではないはずだ。もつともつと前からそういう問題は起きておるはずなんです。或いは日本の将来を考えた場合に、当面した問題を考える場合に、一体砂糖に振向けられるところの外貨というものがどうなるかということは、これはもうあなた方は今年の予算編成に当つて十分御承知のはずなんだ、而もそういうようなことを考えられるはずの立場のあなた方が、今なお言われて再検討をするとか何とか言うのは、飽くまで実需者最終実需者という場合に、あなた方は勝手に最終実需者を設定して、本来の食糧庁食品行政としてあるべき最終実需者というものを見落しているんじやないか、その点今後あなた方は一体どこに重点を置いておられるのか、これを食糧庁食品課が扱うところの食糧として、最終の一番大きな消費者である家庭というものを考えて行くのか、或いは今まで通りこの業者を実需者として、実需者割当てるんだという名前において業者に独占をさして、一斤二十円もの不当な、私はあえて不当だと思うのです、一体こんなことをここにあなた方は放つておいて何を行おうと思うのです。そういう姿を今なお続けて行かれようとするか、もつとその点は権威を以てはつきりやつて頂きたい。はつきり答えて頂きたい。
  28. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 砂糖行政の狙いをどこにするかというような御質問だと思います。そういう点につきましては、我々も江田委員と同じ考え方を持つているのでございますが、現在の砂糖需給状況から申しますると、大体年間の需要が約百万トンでございますが、従来から家庭消費として、戦前から考えましても家庭消費として直接消費されるものは三十万トン乃至四十万トン程度だと思います。あと加工原料として、業務用の原料として消費されておるものが六割くらい、或いはそれ以上という形に戦前もなつておりまするし、現在もそういう状態ではなかろうかと考えております。ただ食品の取扱いをいたしまする我々といたしまして、この家庭消費を重点に考えて行くべきであるというお話は我々も至極同感でございます。ただ、御承知のようにこの状態は、生活状態その他種々の観点から消費者希望というもの、嗜好というものが現われて参つておりまするので、おのずから消費者のほうで嗜好が他に移るという形になりますれば、中ザラに移り、三温に移るというふうにだんだんに移つて参るんじやなかろうか、そういう過程を通じまして、この消費者希望が現われて行く、その最終のものに対しては需給の円滑化によりまして価格の安定を図りたい、かように考えておるわけでございますが、只今の現状の御指摘価格は、我々もこれについては適正な価格とは考えておりません。ただ、過去の一年間の経緯を見て参りますると、御承知のように、粗糖ドル・ストレイトの輸入の場合におきましては八十五ドルから九十五ドルでございますが、スウイツチ或いはバーターの場合におきましては相当高いものでございまするし、平均いたしまして、昨年度におきましても百十三ドルから百五十五ドルくらいの原糖になつておるというふうに考えておりまするので、その原糖と見合せましての昨年度の一般的な状態から考えますると、それほどの不当な利潤であるというふうには考えないわけでございますが、現在の六十円ということを前提にたいしますと、御説のような形になりまするので、これにつきましては、現在も為替当局とも追加輸入等におきまして検討をいたしておる次第でございます。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 そこで私がお聞きしたいのは、今あなたは現状は非常に高くなつているが、年間から行くとそんなものではないと言われますけれども、私はそいつは少し腑に落ちない、仮に百十五ドルとして、あなた方のほうが、精糖工業会の調査として出された資料によつても平均販売原価が四十二円二十五銭となつております。勿論これは消費税を抜いてありますけれども、これは相当私は甘いものがあると思う。計算が甘い。もつと私たちは別な計算をしております。そういうところから考えてみて年間を通じてみても、あなた方の言われるような不当でない値段とは考えられない。現に一体製糖会会社がどういう配当をしておるか。例えば大阪製糖のダイヤモンドの分析による本年の利益率は三十割、こういうことは一体これは国民の消費生活に最も関係のある食糧について許されることかどうか、こういう点はもつと私はあなた方に反省をして頂きたいと思う。なおこういうことだけでなしに、あなた方が今やつておられる方式のために家庭のものが迷惑をするということだけでなしに、例えば今日頂きました資料によりましても、二十八年の九月現在の精糖工場能力は六千四百四十五トン、こういうことになつておる。年間にするとこれは一体幾らになるか、三百日稼働としてもすでに百九十万の能力、而もこれは昔からあつたものでなしに、この表を見るというと最近急速に殖えておるわけです。百万トンの原料輸入に対して、こういう六千四百四十五トンというような工場を誰が作らしたのか、あなた方の間違つた行政がこれを作らしておるんじやないですか。而もこれはまだ進んでいるじやありませんか。これを一体どうするのか、これはやがて消費者の頭の上にかぶさつて来るわけです。普通に行つておればこんなに……、この二十六年三月が千二十トン、二十七年三月が千八百八十五トン、二十八年三月には急速に六千百三十トン、二十八年九月には六千四百四十五トン、なお二十九年三月にはもつと大きなものになりますが、八千幾らになるわけでありますが、そういうものは一体誰が作らしたかということなんです。実に砂糖行政最終実需者という見誤まりが家庭に大きな負担を及ぼしておるだけでなしに、国としても、この日本経済の貧困な中に遊休施設百万トンしか要らないところに、二百何十万トンの設備を作らしてしまつておる。その減価償却は皆消費者がかぶつて行かなければならない。終始一貫砂糖というものを投機の対象にしておるじやありませんか。何がそうなるかといえば、最終実需者というものをあなたがたが食糧庁という立場から忘れてしまつたということなんです。あなたがたは日本の米については本気でしよう。併しながら、もう輸入米になるというと、何かぼんやりしており、砂糖になると、油になると、もつともつとぼんやりしておる。あなた方がぼんやりしておるだけならそれで済みます。併しそれの被害を受けるものがあることなんです。それはわかると思う。これは一体どう考えておられるか。そこでそういう点から行くと、はつきりとここで砂糖行政の方針を改めて、あなた方が勝手に想像される最終実需者の気持でなしに、最終実需者が、或いはその組織体が明確に意思表示をした場合には、その要請に応えるだけの用意があるかどうかということ。それとも今こう言つておるけれども、今後の外貨割当なり、その他の方法によつて、この不当な価格を下げるというのか、どうするのか、どちらをとるかということをはつきり言つて頂きたい。私は外貨が自由に使えて、我々がノーマルと考え価格を作るあなた方に自信があれば、それでもいいと思う。それならそれで具体的に方針を述べてもらいたい。お答え願います。
  30. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、現在の糖価は我々も決して適正とは考えておりません。ただ、これは江田委員も御承知のように、この糖価は一種の仮需要から起つておるというような点が一つ私はあると思うのです。その点は一つは明年度の外貨事情に対する一つの不安感もあります、同時にバーターその他の関係によりましての輸入遅延というふうな形もあるわけでございまして、これにつきましては、我々といたしましてもできる限り是正に努めたい。現在更に追加の輸入につきましても交渉いたしているわけでございます。同時に又現在政府が甜菜糖によつて買上げておりまするものも、できるだけ早く競争入札によりまして出すことによりまして、需給の調整も図りたいというふうに考えている次第でありまするが、現実には明年度におきまする、これから組んで参りまする輸入を如何にするかというふうな点からいたしまして、その外貨事情と関連いたしますと、この現在の割当制度というものは更に検討いたす必要があるということは先般も申上げたわけでございます。で、只今の具体的な事例といたしましての一つ消費者に対して粗糖を流すというふうな方法につきましては、非常に需要がつかみにくいという点もございまするし、又一般的に現在の消費者卸小売の機構を通じて、そうして配給を受けていると言いますか、購買いたしているという部面も相当あるわけでございまするし、又先ほど申上げました六割或いはその程度のものが加工原料として使われていると、こういう実体もございますために、そういう面も考えましてその点の検討をいたしたいと、一応は今般もそういう意味におきまして或る程度の精糖業者以外の割当方式考えたわけでございまするけれども、これとて必ずしも完全な方法であるということは我々も考えておりませんが、何か極端に申しますると、需要をどういうふうにして推定して行つてつかんで行くかという一つの過度期的な手段の考え方ではございまするが、まあそういう点も考えたわけでございますが、その点につきましては、我我といたしましても根本的に両方の面から、つまり砂糖価格の安定と同時に割当方法についての検討、この両面から対処して参りたいというふうに考えている次第でございます。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 河野委員が先ほどから発言を請求しておられまするから、私ばかりやつてもいかんと思いますから、私又もう一遍あとから質問さしてもらいますが、今あなた方が言われる製糖業者以外についても最近考える、その考え方は、恐らくあれはブラジルの五万トンのことを言われるのだと思う。そのうちの一万トンのことを言われるのだと思う。あれも一体明朗なのかどうか、これはあなた方だけでない、私は通商局に対しても言い分があるが、全く不明朗至極です。今までよりももつと悪いじやありませんか、ああいうやり方は……。あとで私はこれはよく聞きますけれども、ただ私は一つ議論のために議論したくはないんで、長官によく腹をきめて頂きたいのは、何と考えても今までの砂糖行政というものは、砂糖価格から見ても設備の増設の推移を見ても、何から見てもこれは失敗している。これは私は率直にお認めになつたほうがいいと思うのです。妙なところで芯の強さを出されないで、これはやはり過まちは過まちとして、何もあなたが始めたことじやないし、歴史的な因縁があるわけなんですから、併しもうこの辺で何か方式の転換をされんと問題はとんでもないところへ行くんじやないかということなんです。私どもこの砂糖について今日は申しませんが、いろいろ聞かされております。そういう資料について今調べております。やがて我々のところへ、もつとあなた方に対して的確にお示しし得るところのいろんなものが出て来ると思いますが、ただ、私はもう一つ、どう考えても失敗しているこの砂糖行政というものは転換をなさつたほうがいいのじやないかということを考えます。なお先ほどの御発言の中に、甜菜糖については競争入札その他の方法をお考えになるということは、あの三万トン余りの甜菜糖のことだろうと思いますが、そういうことを私は今お聞きして置きます。それからもう一つ、この一つだけお答え願いたいのは、本年の割当あと十万トンほど残つておるはずでありますが、それについては今私が申すような点を十分に考慮される意思があるかどうかということだけ聞いて置きます。それであと河野委員が待つておられますから、河野委員その他の委員にやつて頂いて、又次の機会に私もう一遍いたします。
  32. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今江田委員お話、私は過剰投資につきましては我々もお説の通りだと思います。従いまして従来から能力割の分をだんだん下げて行きましたし、又同時に本年三月以降におきまする設備につきましては、これらの稼働につきましての原料割当等につきましても、これは翌年度以後でないと認めない、一年間は認めないというふうな通達もいたしておる次第でございますが、現在の為替事情と設備能力とのアンバランスのございますことは、我々も非常に遺憾と思つておる次第でございます。今後の輸入割当につきましては、御承知のようにストレートで入れまする場合と、バータースウイツチで入れまする場合といろいろなケースがあるわけでございます。それで我々といたしましては、形は如何ようにしても、そういうドルのものを希望はいたしまするけれども、こういう現状でございますので、量的にできるだけ多くのものが入る、而も急速に入るというふうな考え方で以て現在為替その他について協議をいたしておる次第であります。ただ、この割当につきましては、我々も十分に検討はいたさなければならないと思つております。併し実際問題といたしまして、いわゆる外貨につきましての希望が相当にあるわけでございまして、この間これを具体的にどういうふうな形で、できるだけ誤まりなく、而も実態に合つた形において、而も公平にというふうないろいろな要求を満たします場合におきまして、非常にその割当基準なり、いろいろなものについて困難を感じておるわけでございまして、実際私たちも何かすつきりした方法において、その基準なり、何なりがあれば非常に有難い、ただ、いろいろな需給関係が窮迫になれば窮迫になりまするほど、各方面から、まあ極端に申しますれば個々の消費者も欲しいということになるかと思います。これは極端な話でございます。そういう形になりました場合に、どういうところで線を切つて、そうしてどういう基準で以てこれをやつて行くか、どうせ少いものでございますから、これを割当てるという場合に、基準と言いますか、そういうものについて非常に困難を感じておるということでございまするので、十分検討いたしたいという気持は持つておるわけでございます。
  33. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは江田さんあとで又……。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 先ずこの前に私資料を要求したのですが、私の要求に対する資料は今日ここに二枚来ましたが、これだけじやないのですが、追つて出て参りますか、それを先ず伺います。砂糖関係です。これは続いて長官にお願いしますが、私が要求する資料は、終戦後今日までの砂糖行政について非常に私は疑いを持つております。従いまして何かにと言いません、私の知りたいところについてのあらゆる資料を出してもらいたい。それは統制中であろうと、統制撤廃後の現在であろうと、政府砂糖行政をやる間において、政府手持の砂糖はどういう基準で売却した、どういう基準外貨割出をした、バーターのものはどういう基準でやつた、こういうことについての一切の資料を我々素人にわかるように出してもらいたい、こういうことです。でありますから、一切合切の、要するに食糧庁がやつた砂糖行政について、今日まで八年間の一切合切を私たちが知れるようにあらゆる資料を出してもらいたい、こういうことでありますから、改めて一つお願いします。  そこで私は先ず伺いたいのですが、前提として、私は長官の人柄はよく知つておる。あなたの行政について疑いを持つていない。あなたは何とかしなければならんという気持を持つておられることを私は信じておる。又あなたの前の東畑長官にしても、東畑長官がどうとかこうとか私は思わない。この頃の造船疑獄じやないけれども、行政を誤またしておるのは行政府の背後にあるところの政党なんだ。砂糖製糖じやない。(笑声)いわゆる自由党とか、改進党とかいうその政党なんだ。そこでそういう意味合で私は過去のことを知りたい。でありますから、私は例によつて言葉が荒いのでありますけれども、気を楽に一つ御答弁を願いたい。(笑声)先ず伺いたいのは、先ほど江田さんからも御質問がありましたが、現在国の砂糖需要に対して能力は大体私は三倍くらいになつておると聞いております。手許に頂いた表によりますと、二十八年の九月で、これは年間にして約二百四十万トンになると思います。現在はその後非常に殖えて何か三倍近く能力を持つておるということですね。この三倍近くまで能力を殖やしました間においての資金関係です。製糖会社の設備に対しまして、いわゆる昔の復金であるとか、現在の開発銀行、いわゆる政府資金に属するものが今まで出ておりますか、出ておりませんか、これを伺いたい。
  35. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、その前に資料の点でございますが、割当及び割当方式及び割当基準、こういうことについて過去の状態のわかりやすいような資料を出せと、こういうことでございますが、できる限りそういたしたいと思つております。  只今河野委員お話は、私もその点を調べましたが、現在におきましては、現在まで政府資金として開発銀行或いは昔の復金におきまして、砂糖の設備資金として出ておるものはございません。ただ一社、薬の関係台湾製糖でございましたか、ペニシリンを作るということで、そのペニシリンの設備に対する千四、五百万円のものが出たことがございます。それ以外はないと私は思つております。
  36. 河野謙三

    河野謙三君 まあお調べになつたから間違いないと思いますが、私は出ておるように聞いておる。まあそれは私ももう少し調べます。それから政府の斡旋によるところの民間資金というのはありませんか。
  37. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 政府の斡旋によると申しますと、これは開発銀行の場合は、従来御承知のように見返資金でやつた場合は直接政府が貸しておりました。併し開発銀行の場合におきましては、まあ斡旋と申しますか、基準を示した一つの開発銀行におきまする融資の対象というものを政府がきめて示す、こういう形において斡旋になろうかと思いますが、開発銀行に対しても、私たちが調べましたところでは開発銀行からは出ておらないと思います。
  38. 江田三郎

    江田三郎君 関連して……。復金等から金が出ていない、台湾製糖のペニシリン以外は出ていないという答弁は私はそのまま聞いておきます。ただ私これにちよつと関連してお聞きしたいのは、そういう資金でなしに、製糖工場の施設その他についてドル割当てたことは今までないかどうか。
  39. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 設備資金につきましての輸入は、機械を輸入をいたします場合は、これは当然為替の関係ドル並びにポンドを割当てることがあろうと思います。機械の輸入はあつたと思います。
  40. 江田三郎

    江田三郎君 それは機械だけか、そのほかにも製糖業者原料輸入以外に、機械以外にあるかどうか。
  41. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この機械の点は、ドルを、海外から輸入する場合におきまして、どの産業にもこれは機械の輸入については割当てます。ただそれ以外については、現在私はそういうものがあるようには聞いておらないのです。私もはつきりしたことを、ここで申上げると何ですが、更にその点は調べますが、今までの私が聞いておる範囲におきましては、そういうことはないと思います。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 今の資金関係はまあないとおつしやいますけれども、私も調べますが、なお手足を持つておるあなたのほうの調査が早いのですから、再調査の上、資料がありましたら、今の機械購入のためのドル割当も含めて一つ資料を頂きたい、かように思います。  それから次に先ほどの問題に関連してですが、菓子協連というのによく割当が出るようでありますけれども、菓子協連というのは一体どういう実態のものですか、全国の四十数府県の菓子屋の同業者さんが全部加盟しておるところの、いわゆる本当に日本全国の菓子屋さんの連合体ですか、この菓子協連の実態一つ私は御説明願いたいと思います。
  43. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 菓子協連と申しますのは、菓子屋さんの中小企業等協同組合法による全国の連合体だろうと思います。ただ御承知のように、この中小企業等協同組合法によりますものは強制加入でもございませんし、勿論全部の菓子屋さんが入つておるということは考えられません。相当大部分のものが入つておるのじやなかろうかと思いますが、全部というふうには言えないと思いますが、そういう中小企業法に基きまする協同組合の連合体であります。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 大部分のものが入つておるという認識の下に扱つておられましたか。
  45. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 大体そういう業界の、菓子業界における最大の機関というふうに考えております。
  46. 河野謙三

    河野謙三君 それについて御調査なさつたことがありますか。
  47. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 具体的にメンバーなり或いはアウトサイダーの割当がどのくらいか、何割の組合員を持つておるか、設備能力はどうかというような点を私今はつきり記憶いたしませんが、これは能力その他人数等調べたものがあると思います。
  48. 河野謙三

    河野謙三君 非常に重大な利害関係を持つておる割当です。これが菓子屋さんに渡る場合に、あなたの認識が間違つておられたら、これは大変な責任問題です。これはあなたのほうで調べて御回答願いたい。念のために私が調べたものを申上げますと、全国の菓子屋の連合体と言いますから、私は全国の各府県の団体が加盟してできておるものだと思つた。それは強制加入でないから、入らない人は勝手ですが、一応そういう形のものだと思つた。ところが私が知つておる範囲では、四十数府県のうち僅か十三府県しか入つていない。而も十三府県のうちでそれに加盟しておるものは極く少数です。それが先ず私が調べたところの全国菓子屋の連合体の実態です。而もあなたのほうから割当をもらつた場合に、この割当砂糖をどういうふうに流しておるか、必ずしも十三府県に行つていない。その中に巣を食つておるところの、どこの団体にもある十数人のボスがそれを勝手にやつておる。こういうようなことを聞いておる。こういうようなことがあなたのお耳に入らなければ、あなたの監督下にあるところの食糧庁の中の担当課において、あなたの目なり耳を蔽つて、そうしてごまかしておるわけです。そういうことをお聞きになつておりませんか。若しお聞きになつておらなかつたちよつとお調べ下さい。お聞きになつておりますか。
  49. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今の十数府県ということは実は私もまだ内容がわかりませんから、よく調べて御返事をいたします。従来菓子屋に対しまして、統制時代におきまする政府の所有のものの売却をいたしております。これは私の記憶いたしまするところによりますると、府県別に売却をいたしておるというふうに考えております。その実態については、府県別に府県知事の指示に基きまして売却するという、府県別の計画を立てまして売却をいたしておるように承知いたしておるわけであります。ただ、取りまとめの関係菓子工連が扱つておるじやないか、(「実態をよく見なきや言えませんよ」と呼ぶ者あり)実態は勿論御注意がありますれば十分調べます。
  50. 河野謙三

    河野謙三君 同様の意味で、菓子工連に限らず、今まで割当てられました、例えば乳製品の協会であるとか、何とかありますね、そういうものも一つ実態をよく調べて頂くと同時に、割当てましたら、その割当てしたものが最終段階まで適正な口銭において適正に届いておるかどうかということも常にこれは行政府の私は監督の責任だと思う。こういうことについても一つよく御注意願つて、過去の割当がどういうふうに届いておるか。私が今言うように、十五、六人のボスが左右して、加盟しておるけれども、何にも御利益がない、一遍も砂糖が来たことがない、こういうようなことが若し本当だとすれば、あなたもびつくりするでしよう。私もびつくりする一人なんです。よく御調査願いたいと思います。それから実需者団体の問題ですが、実需者解釈の問題は去ることながら、一体この外貨割当によつてつて来る砂糖は今九十ドルぐらいと聞いています。九十何ドルですか。それからバーターのものは百三十ドルとか、百四十ドルでしよう。そういうようになつておりますか。若しそうだとすれば、外貨割当によつてつて来るものは非常にこれは安いわけですね。これは私は外貨割当によつて取得する砂糖というものは、いわばこれは補給金の付いたものと同じ私は意味を持つておると思う。そういうふうに御解釈をなさいませんか。補給金の計算じやございませんけれども、予算上のそういう措置はございませんけれども、補給金によつて、例えば今の米のように補給金によつて安い価格配給している。こういうものと私は同じ性質のように私は解釈しますが、そういう御解釈をなさいませんか。
  51. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今お話のように、ドルで直接入つて参りまするものは八十五ドルから九十五ドル程度です。バーターの場合は更に百十五ドルから百二十五ドル程度じやなかつたか、まあスウイツチの場合はそれより幾分か安うございますが、全体といたしまして、これはプールされて一定の限度価格になるわけです。このプールされたものがどの程度の地位にあるか、これはまあ需給上からいたしまして、非常に外貨割当が少い場合におきましては、そこに利益が生ずる。それから補給金ということではなく、外貨状態によつてはそれが利益を生ずる虞れがあるということは我々も考えるわけでありまして、これと結び合せまする輸入方式と申しますか、これはまあ相当検討しなければならない問題だというふうに考えておる次第であります。補給金という意味には考えられないと思います。
  52. 河野謙三

    河野謙三君 私が補給金と申上げたのは、補給金の付いたものについては政府最終価格に責任を持つでしよう。それと同様に、外貨割当によつてつて来る砂糖につきましては、国の力、国の援護によつてそういうものが入つて来るのでありますから、補給金の付いたものについて、最終価格について常に監督し、責任を持たなきやならんという行政府立場と同じ形において、外貨割当によつてつて来る砂糖につきましては、当然農林省なり通産省は、大きく言えば政府がその砂糖最終価格について監督もしなきやならんし、責任も持たなきやならん、私はこういうふうな意味合で補給金の付いたものと同じようなものじやないか。それはあなたのほうではプールとか、何とか言つて、わけのわからんものの形で、少しも最終砂糖消費者価格について責任を感じないような従来の形じや間違つていやしないか、こう私は言うのですよ。
  53. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 勿論食糧行政立場からいたしまして、最終価格につきまして我々が行政上の監督の責任もあり、又その点について重大なる関心なり注意を払わなければならないということはお説の通りでございます。ただその程度なり内容は、統制をいたしまする場合と自由物資の間にはおのずからその度合というものがあろうかと思います。ただ、砂糖につきましては、従来需給状況が先ず大体トントンとなるだろうということで以ちまして、それに対しまする配給統制なり、価格統制をいたしておらない実情は御承知の通りでございます。昨年度におきましても、お手許に差上げました資料から御覧になつて頂きましても、七十四万トンのうち、ドルで参つておりますのが十三万トン、これは大体今市価その他がはつきりいたしておると思いますが、バーターの場合でございまするとか、優先外貨の場合でございますとか、そういうものにつきましては、これはそのときの見返物資輸出状態によつて非常にその都度差があるのであります。価格が確定し得ないわけでございます。従いまして全体がこれがドル・ストレートで行きます場合には我々としても価格関係がつかみやすい。ところが外貨事情からいたしまして、だんだんバーターとか、スウイツチとか、優先外貨というような形におきます輸出との関連におきまする輸入ということになりますと、その点の個個の価格のつかまえ方が非常に困難でございます。やはり全体の実績からいたしましたプールから原料価格がどの程度になるか、そうすると、その原料価格からいたします市価がどの程度にあるか、これはその月々によつて使用します原料価格というものは異なるように考えますが、ただ一般的の消費関係からいたしまする当然一つの市価ができますので、その状態とを睨み合せて考えて参らなければならないわけでございまするが、そういう仕方をいたしまして、全体的な需給調整を図つて参るということが現在までやつて来た考え方でございます。
  54. 河野謙三

    河野謙三君 最終価格について責  任を持たなければなりませんし、監督もしなければならんということはあなた方お認めになつた。その一番手取り早いのは統制ですがね。公定価格配給統制なんです。それをやらないで、なお監督し責任を持つ方法はこれは方法論として別にあると思う。それが今の製糖会社を実需者として原料製糖会社に割当をするというような形であるから、私はあなたのほうで監督もできなければ責任もとれない。これを最終消費者の団体に割出てることによつて、農林省が監督もできれば指導もできると思う。そういう方法以外に、私は今の自由経済の組織において、あなたのほうでせめて監督もし指導もするという方法はほかにないと思う。そこで今の実需者割当の問題に私は問題が起つて来ると思う。そこで、責任を持たなければいかん、監督もしなければならんという場合に、何かあなたは別な方法をお考えになつたことがありますか、今までの割当では絶対責任を持てませんよ、先ほど製糖会社が三十割の配当というお話がありましたが、絶対責任を持てませんよ。何かお考えになつておるかどうか。私は少くともこの機会に、割当について、最終消費者というものは善良とは言いませんが、砂糖価格を牽制するに足るだけの数量で結構です。何か別の形において私は割当考えなければいかんと思いますが、その点如何でしよう。
  55. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 先ほども申上げましたように、勿論その具体例によりまして、監督の程度なり限度というものがあるわけであります。従来の考え方からいたしますると、大体需給状況というものが、このバランスをきめるということになれば、おのずからそこにおきまして、自由競争によつて適正な値段も生れて参るというふうに考えてやつて参つたわけでございます。ただ、只今河野さんのお話のように、割当方式においてもこれを考慮する方法があるんじやないか、つまりこういうことになりますが、この実需者需要量なりの把握の問題点につきましても、非常にどの程度がいいかという問題もございますし、現実の問題といたしまして加工工場があり、又消費者に渡す一つ流通機構があるわけであります。この現状も考えて参らなければならない。この両者の観点において、どういうふうな形でやつて参るかというふうな問題になるわけでございます。この基準に穴をあける一方的な価格にならないようにという考えはよくわかるのでありますが、具体的にどの程度の数量というようなことになりますと、非常に困難な事情があるわけでございまして、我々といたしましても、現行の割当方式の適否について十分関係者と検討もいたしておるような次第でございます。
  56. 河野謙三

    河野謙三君 先ほど私はちよつと餌の問題を話しましたが、あなたのほうでは砂糖以外のものについては、幅の広い行政措置をとつておられる。砂糖だけに限つてとられておるわけです。そこに先ほどの背後の圧力というものが、あなたのほうをそうさせておるだろうと私は思つておる。私は昨日聞きましたが、今度畜産局で餌の需給安定法について改正案を出したいという話を聞いた。それは「ふすま」の価格をコントロールするために、食糧庁輸入したマニトバを製粉会社に加工さして、粉を向うにやつて、「ふすま」を今度は需給安定法によつて常に相当量の「ふすま」を政府が持つて、それによつて飼料のコントロールをして行こうとする考え方、これは私は正しいと思う。今度改正案が出るということを私は聞いた。これは餌だけを考えましても、そういう考え方を持つていられるんですよ。然るに砂糖の問題だけどうしてそんなに窮屈に考えるか、而も窮屈でも今までうまく行つておればいいが、今までそれがまずい。その点を改善するために、積極的にどうするかということについて、私はもう少しあなたの管轄の物資の中でも、もつと幅の広い解釈をすべきだと思う。同時に、これはいつも冗談に言いますが、今まで製糖会社一本で割当をしております。いわゆる世の中に金持喧嘩せずということは、金持というものは喧嘩しない、だから金持になる。同業者には悪いようでありますが、製糖会社にだけ割当しますならば製糖会社が儲かることになり、みんなで話合で儲かる勘定で話が付く。我々みたいに貧乏しておるのは余り議論をするから貧乏をする。金持喧嘩せず、その突破口というのは金持以外のところの第三者に、たとえ一割でも二割でも割当するところに、その価格のコントロールの妙味があるわけです。これをもつと徹底的にやれば、今の餌のように政府自身が持てば、砂糖外貨割当によつて、そういうようなことを具体的に何かやればいいと思うのですが、そういうふうな考えはありませんか。
  57. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 我々やつておりまする主体でございまする例えば麦につきましても、それを最終需要は製粉の形で最終需要者に分けておるのでございますが、その点につきましても、加工工場に対する割当という形でやつておるわけでございます。大体食糧庁全体としてそう大きな違いはないと思いますが、ただ御指摘のように「ふすま」の場合におきましては、飼料用としては粒のまま売却しておるところが大部分でございますが、その或る一部につきまして、特殊な「ふすま」が非常に欠ける。而も海外からの「ふすま」の輸入がその価格で引合わないというような場合におきまして、例外的な措置といたしまして、そういう措置をとつておるわけでございます。これも原則的な考え方といたしましては、「ふすま」の需要という面から考えておるわけでございます。ただ従来砂糖につきまして需給が安定し、そうして需給のバランスがとれた場合におきましては、現在の方式で以て大した過まちなくやつた参り得るというふうに考えておりますが、需給状況如何によりましては、この形が適正かどうかという点については、又別の問題になろうかと思います。
  58. 河野謙三

    河野謙三君 前谷さん、それは例外的でなくて、あなたのほうで現在までやつていることがむしろこれは例外だと思う。今度の肥料需給調整法というものが出て、今衆議院で修正しているが、まだ具体的には聞きませんが、修正案の一項の中に、あなたは肥料のことは御存じだから申上げるけれども、従来燐鉱石は今の砂糖と同じように肥料工場割当をしておつたのです。その燐鉱石の一部を全購連割当てる、即ち消費者団体である農家の団体に割当てして、そうして全購連がこの燐鉱石を欲しいところの場所の所在の工場に、これを加工委託して、そうして運賃を合理化して、かたがた過燐酸の価格のコントロールをしようというのです。これは修正の中に入つておりますよ。私はこれは立派な修正だと思う。いずれ私のほうにも廻つて来ると思うが、こういうふうにだんだん肥料でも何でも、今まで政府がやつておりました加工業者本位の、加工業者実需者として考えての割当というものは、これはむしろ間違つている。むしろそれが例外であつて、今度本筋に入つて割当消費者団体に、最終消費者、若しくは消費者の組織する団体にこれを割当てる。併し便宜これを加工業者割当てる、これが筋かと思いますが、これは議論になりますけれども、どうしてもあなたは今までの説をお変えになりませんか、私の解釈が違いますか。そうだとすると、今度の肥料の場合も例外措置なんだ。あなたの行政範囲のことじやないが、今度の衆議院の肥料需給調整法の修正については内々農林省も同意をしております。農林省の経済局なり、農林大臣が同意しておる、これをあなたは例外として認める、こういうことですか。
  59. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 肥料の問題は私は直接何しておりませんが、この最終需要者に対する関係におきまして、どういう品物をどの程度価格で何するということは、これはいろいろの方式があると思います。先ほどの河野さんのお話の中に、直接統制をやるということが一番はつきりしている。それを又自由にして、自由な形におきましての一つ需給の安定によつて行う場合もございますし、それぞれ飼料の場合におきましても、やはりその需要の用途に応じまして、「ふすま」にいたしましても、大部分の「ふすま」は加工工場から出て参るのでありまして、その際におきまする極く一部のものにつきまして、需給調整上例外的な措置を私はとつているのであります。これは肥料の問題につきましては、これは私は直接ではございませんが、やはり燐鉱石につきましても、原則はそれを消費する工場割当て、その一部を委託加工と申しますか、そういう形でやつておるのじやないかと思います。若し間違つておれば訂正いたしますが、そういうふうに考えるわけでございますが、ただ肥料なり、飼料なりの場合におきましては、やはりこれは一種の経営資材なり、生産資財といたしまして、一つの全購連でございますとか、或いは飼料につきましては飼料の、畜産を営む各個人を網羅いたしました一つの部面があるわけでございます。肥料にいたしますと、これは農業資材といたしまして、農業者という一つの限定があるわけでございます。ただ一般の日用品でございますとか、米のように統制をひたしているものは別として、一般のものとしては、個々の消費者というものを網羅するというふうなことは、なかなかこれはつかみにくい。従つてその一つの機構からして、消費者の社会のこれを末端まで、一つの組織されたもの、純粋の末端消費者というものが組織化されるということは非常にむずかしい。これをどうつかむかという問題があるわけでございまして、現在の全体の経済体制からいたしますると、やはりそこに流通機構があつて行われておるというふうに考えるわけであります。
  60. 河野謙三

    河野謙三君 それじや別の角度から私はお尋ねします。今の砂糖輸入業者の口銭なり、製糖業者加工賃なり、流通過程の販売口銭なりというものが妥当であつて、従つて砂糖の現在の需要というものは適正である。こういうお考えであれば別であります。これが不適正であるというならば、いろいろな方法によつてこの価格を適正な輸入口銭なり、加工の工賃なり、又販売口銭に直すというのが、私は方法論としても、今申上げた実需者解釈を違えて行かなければ、私は価格の合理化というものはできないと思う。理窟はどうでもいいのです。一体今のインポーターの口銭なり、加工業者の口銭なり、販売口銭は適切だと思つておられますか。苦し不適切だと思つておられるなら、どういう形にこれを是正されますか。この需給関係で行くなら、安くするには砂糖を余計入れるより仕方がない、量的に調整するよりほか仕方がない、こういうような芸のない話じやないと思う。仮に余計入れましても、販売口銭なり、加工業者の口銭なり、輸入業者の口銭が殖えるだけなんです。それによつて多少の私は価格の調整はできるでしようけれども、量だけで調整できないような仕組になつておる。この点について如何なる手段方法によつて砂糖の適正なる価格をあなたは見出そうとしておられるか、これを私は伺いたい。
  61. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 加工業者加工利潤なり、或いは又流通部門におきまする流通経費、流通マージンというものがどういうふうに適正であるか、それを如何にして抑えるか。これは極端にこれを画一的にやりますると、もう直接統制以外に方法がないわけでございまして、現在の我々の考え方といたしましては、この全体の需給調整によりましてそれを持つて行くということが全体の経済体制でございますので、そういう方法でできる限りその安定を図りたいという考え方は従来から持つておるわけでございます。ただ将来の見通しといたしまする需給状況の変換に対する現在の一つの思惑需要が起つておるということに対しまして、これが思惑的な需要か、或いは又実際の実需があつて、その需給関係からしてこういう形が出ておるか、まあ我々の現在の考え方一つの思惑需要じやなかろうかというふうに考えておりますが、この思惑需要につきましては、極端に申しますと、水をかけるかというふうな形におきまして輸入の増加なり、或いは政府手持の放出ということによつて対処して参りたい。ただ、この状態が永続するということになりますと、それは又根本的に考え直さなければならないというふうに考えておる次第でございます。
  62. 河野謙三

    河野謙三君 需給関係によつて調整するより方法がない。砂糖も余計入れる、大豆も余計入れる、燐鉱石も余計入れる、米も余計入れる、麦も入れる。そういうことが許せない事情にあつて、そこに行悩みがあるわけです。どうしてもこの手段以外の方法で価格の安定を図る途を探すのがあなたたちの責任ですよ。政府の責任ですよ。それでできないようなことを言つて、現に保利農林大臣は来年度の砂糖輸入の見通しが付かない、こう言つておる。付かないから幾ら買つてもかまわないと思う、こう言つておる。それじや政府なんて要らんですよ。そこで何か量的の調整にあらざるもので、何かあなたのほうで、せめて価格を調整する途がないかということについての検討は私は始まつておると思う。始まらないはずはない、始まつておるならその方法を教えてもらいたい。ほかのかたも質問があると思いますから、私は最後に砂糖の問題をもう一度伺います。  なお委員長にお断わりしておきますが、今資料をたくさん要求しておりますから、この問題はまだ国会は長いのでありますから、この国会中、我々の納得の行くまで数回に亘つて砂糖問題の論議を進めることを一つ委員長のほうでお計らい願いたいと思います。
  63. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 了承いたしました。
  64. 河野謙三

    河野謙三君 私は最後に、さつき江田さんから能力の問題が出ましたが、私もちよつと触れましたが、一体現在でさえも三倍近い能力になつておりますが、これをまだまだこのまま設備については放任して行くつもりですか。この頃東京ではビルがたくさん建つている。無駄だ無駄だと言うが、ビルも無駄の一つですけれどもビルは建てれば皆入る。お砂糖の供給が三倍、四倍になる、これは先ほどの江田さんのお話のように、この設備の創設、これは誰が負担する、国民が負担するでしよう。設備が三倍になつて稼働力が三分の一になれば、それだけコストが上る。コストが上つたからといつて砂糖会社は決してこれは自分で負わない。みんな販売価格にぶつかけて行く。一体設備について今後どこでどういうふうに抑えるか、これを私は伺いたいと思う。
  65. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 設備の問題につきましては、現在全般的にその設備を許可制或いは制限するための法的規制は現在は考えておりません。ただ、この原因といたしましての能力原糖割当という面からいたしまして、その面を規制すべく、本年三月以降におきまする増設に対しましては、これをその能力割当は一年間は認めない。今後認める場合におきましても、その三分の一程度を押えるというふうなことを先般通知をいたしたわけでございますが、現実の問題といたしましても、現在の砂糖割当につきましては、実績と能力と、それから平均割能力割四割という形で認めておりまして、従来の能力一辺倒ということはだんだん是正して参つたわけでございます。そういう形において規制をいたして参りたい。これで以て殆んど現在の設備は、先ほど江田さんからもお話がございましたが、二十五日稼働といたしますと百九十万トン程度になると思います。これはたしか現在の輸入状態から見まして過当であるということは我々認めております。そういう形で抑えて参りたい。
  66. 河野謙三

    河野謙三君 私は素人ですから伺いますが、設備能力については今後認めないというのはいつを切つてですか。実績についてもいつを切つて今後認めないというのですか。例えば今問題の名古屋精糖が神戸に何か工場を作つているそうです。まだこれは稼働していないでしよう。現に作つている。こういうものは一切初めから認めないのですか。だからいつを切つて設備能力を認めないのか、そこをはつきりお示し願いたい。
  67. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 三月末、本年の三月末を以て竣工したものについて、それ以後のものについて、先ほど申上げましたように一年間認めないで、その一年以後におきましても、その割合というものを三分の一に見るということを昨年の暮通達いたしたわけでございます。ただ現実の形といたしまして、実績につきましてはバーターなり、或いはスウイツチなり、それぞれ業者間の競争がございまするので、その競争によつて、これは能力とは別に実力で以てその実績が現われるようになつておりますので、実績の五割、それから現在押えておりまする能力を四割、それから平均は一割、こういうことで割当をいたしておるわけでございます。その割当も先ほど申上げましたように、ドル・ストレートのものについてのみでございます。
  68. 河野謙三

    河野謙三君 三月というのは今年の三月ですか、去年の三月ですか。今年の三月だとすれば、今年の三月までまだ殖えますね。今それで作つておりますね。今年の三月までまだどのくらい殖えますか。設備を作つておいてその三倍を認めておいて、その設備能力で一体割当するのはおかしいと思う。私は設備能力は日本の需要以上のものについて認めないというならば、二十七年の夏とか、二十七年の秋に百万トン前後あつたときの設備で私は切るならこれは別ですよ、それを現在でももう二倍半になつている。三月まで行けば三倍になるということを聞いている。それをそこまでは認めるというのは一体どういうことですか、私ちよつとそれを伺いたい。
  69. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 三月までの間にこれは……。
  70. 河野謙三

    河野謙三君 今年ですか、去年ですか、三月というのは……。
  71. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 三月は本年の三月であります。従いまして本年の三月までの竣工につきましては、割当基準の場合におきまして、それを四十のウエートにおいて考えるわけでございます。只今の御指摘のように、なぜ過去において砂糖の設備の抑制をしなかつたか、まあこういうふうな御質問でございますが、これは御承知のように全体の経済対策といたしまして、各産業につきまして、そこに一つの適正規模と言いますか、適正能力というものを押えまして、そうしてこれを設備規制をして行くというふうな体制ではございませんので、砂糖のみにそれをとるということも非常に困難でございますので、割当の点においてだんだんこれを是正して参る、こういう形をとつて参つたのであります。
  72. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、ちよつと先ほど私一つの例を出しましたが、今建造中の神戸の名古屋精糖工場というものは、当然これは能力の算定に入るわけですね。同時に三月になりました場合に、日本で設備能力が一番大きいのはどことどこですか、一番から三番までくらい会社別に教えて頂きたい。
  73. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) これは河野委員質問に関連して、表を出してもらつたらどうですか。
  74. 河野謙三

    河野謙三君 表ももらいますが、大体わかつているでしよう。
  75. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 三月末におきまして、只今の御指摘の名古屋精糖能力の中に入ると思います。全体といたしまして、日産にいたしますると約二千トン程度のものが能力に入るようになつているというふうに考えます。
  76. 河野謙三

    河野謙三君 会社別にしてどこが一番になりますか、一番から三番くらいまで言つて下さい。名古屋精糖が一番でしよう。
  77. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 今までに大体能力につきましての資料を差上げておりますので、それに追加して三月までの見込能力を差上げまして御覧願えればおわかりになると思います。
  78. 河野謙三

    河野謙三君 それは決して急ぐわけではありませんけれども、参考に全部とは言わないから、一番から三番くらいまでのところを一つ教えてもらいたい、こう言うのです。それは農林省なり、通産省でわかつているでしよう。まあ参考までに我々の話の種に教えて頂きたい。(笑声)
  79. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 最高は名古屋精糖でございます。それから大日本製糖、それから明治製糖、こういう形になつております。
  80. 江田三郎

    江田三郎君 名古屋と日本製糖の数字をちよつと言つて下さい。幾らです。名古屋は何トンですか。
  81. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 大体概算いたしますると、名古屋精糖が千八百トン程度、大日本製糖が八百五十トン程度、それから明治製糖が八百四十トン程度、こういうような状況であります。
  82. 河野謙三

    河野謙三君 最後にちよつと砂糖以外で、私過日の委員会輸入大豆の割当についてデーターを要求しまして、今日手許に頂きましたが、まだ調査している間がありませんので、この次にデーターに基いて質問申上げたいと思いますが、折角長官がおいでですから、この際伺いたいのですが、輸入大豆の割当基準、これも砂糖と同じ割当の問題があります。これは私の承知している範囲では、大会社中心の割当が行われているように私は承知している。その内容は、例えば一つの例が豊年製油は輸出大豆油をやつている、そうすると、それに対して次の輸入大豆の場合に報奨用としてそれに割当をする、そうすると、又今度輸出大豆油、又報奨ということで、ころころ転がして四つか五つの製油会社に輸入大豆の大部分がとられてしまう、そうしてその犠牲を中小の製油業者が負つている、どういう形かというと、稼働率がどんどん下つて中小の精油業者がコストが高くなつて引合わなくなる、潰れる、こういうふうに私は聞いている。それが本当か嘘かどうかということを私は知りたい。普通の物資ですと、輸出のものについては、これは加入貿易として全然内地の業者への原料割当とは別枠で扱つているはずなんです。ところが大豆の場合には内地の需要者輸出関係工場とを、これを一つの枠の中に入れて今のような扱いをしているから、だんだんと中小の精油業者の割当というものは減つて行つて、全部今に、ここ僅かのうちには大製油会社に輸入大豆の部分が持つて行つてしまわれる、こういうことを聞いておりますが、そういうふうに私は聞いていることが嘘か本当か、これを伺いたい。苦しそうだとするならば、どういうわけでそういうことをしているか。
  83. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。大豆の割当につきましては、一般的な割当と、加工貿易によりまして輸出した場合におきまするその原料に対して割当をする、この二つの段階でございますが、一般割当の場合におきまして、お話のように輸出を急速に伸ばしたいという意味におきまして、一般割当の場合におきましても、輸出実績に対してその原料分を考えるという形になつているわけでございます。これは国内におきまする「なたね」の増産に伴いまして輸出市場を開拓する、こういう考え方でやつたわけでございます。ただ御指摘のように、これをだんだんふくらまして行つて、全輸入数量をその輸出をし得る工場が獲得するということは、理論的にはそういう場合があり得ると思いますけれども、現在油の輸出をされまする欧州、特に西独等の状態からいたしまして、そう大きな油の輸出ということも考えられないわけでございますので、極端な形にはならないように私は考えます。ただ、この輸出の将励のために、加工貿易のほかに、一種の割当に対しまするプレミアムを一般割当においては認めておる、その原料に対して同じパーの割合を認めておるということは、まあ事実でございますが、これは輸出を振興いたしますために、従来失つておりました市場開拓のためにやつたわけでございますが、市場が安定して参り、又そこの輸出の限度も大体見当が付きますれば、だんだんに縮小して行くということに行くべきではないかというふうに考えております。
  84. 河野謙三

    河野謙三君 そういうふうに報奨と輸出油の関係で因果関係を持たしてころころ転がして、大製油業者が、いわゆるあなたたちの言うところの実績をも獲得してしまつて、それからはそんなことにはならないだろう、こういうことは私は少しひど過ぎると思う。私が今申上げたように、ほかの物資のように内地の需要に対する輸入大豆の割当という枠と、加工貿易によるところの輸入大豆の割当と、こういうものと全然別の枠にしたらどうですか、それが普通じやありませんか。なぜ輸入大豆に限つて内地の分と輸出の分とをそこに厳然たる境を置かなかつたか、こういうことであります。これは大製油業者のやはり私は蔭の力に踊らされた、こういうふうに私は邪推せざるを得ない。これからそういうふうにはつきりされたらいいと思いますが、御意見はどうですか。
  85. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは決して製油業者の圧力によつてこういうことをやつたというわけではこれは毛頭ございません。実は昨年度におきましても、油脂の需要から「なたね」が相当過剰になり、而も輸出をしなければならない、輸出加工貿易の場合におきまして、相当海外の市場状態からいたしまして、相当の輸出に努力を要するわけでございますので、その市場を開拓するという意味におきまして、右のように措置をとつたわけでございますが、これを加工貿易一本にしてはどうかと、これはそういう考え方がとり得ると思います。ただ現在やつておりまする加工貿易は、つまり一定量大豆油を出しますると、その原料大豆だけを見てやるということでパーになつておるわけでございます。この加工貿易のやり方につきましても、そのパー以上の割当を認めるかどうか。又海外市場との関係におきまして、売れなかつた場合にそれを国内に認めるかどうかというふうないろいろな問題がございますので、まだ市況なり、市場が安定しておりません事情におきまして、止むを得ざる中間臨時措置としてこれを行なつて参つたわけでございまして、この点につきましては、だんだんに割合を減らすなり、或いは安定いたしますれば、これを廃止するというふうに行くべきじやなかろうかと考えております。これが直ちにとり得るかどうかという点につきましては、海外市場の安定性というふうな問題、輸出の振興は我々としても進めて参らなければならない問題でございますが、そういう事情考えて善処してもらいたいというふうに考えておる次第であります。
  86. 河野謙三

    河野謙三君 安定をして参りましたら順次そういうふうに変える。私はその安定というのはどこを指しての安定かと思うのです。先ほどの砂糖の場合にしても、今の製油業者にしても、大体大生産業者が安定したら、中小企業を搾取するだけしたら、圧迫するだけしたら、ここらでそろそろ勘弁してやろう、こういう安定、あなたの言われる安定はそういう意味じやないでしようけれども、私たちが日常業界の実情を見ておると、今の行政のやり方というのは、大企業が搾取するだけし終つたら、そこらでそろそろ方向を変えてやろう、そういうふうにしかとれないのですよ。加工貿易だつて、今の製粉でもやつているでしよう。製粉の製出の分はこれは全然国内の麦とは別の枠でやつているでしよう。麦でやつてつて、どうして大豆でやれないのか。いろいろそれは理由があるでしようけれども、そういう御答弁は時間が長くなりますから、私は今日はいいです。今度は本当に最後にちよつと伺いたいのは、これは大分人造米人造米と騒ぎましたが、今度の農林大臣は不勉強で何もやつておらんが、たつた一つつたのは人造米だけなんです。その人造米について、今まで人造米工場にどういう政府の資金なり又民間の資金があるでしよう。どういう資金が幾ら流れておるか。それでこれはいずれも失敗です。失敗した場合に、それらの資金について政府は一体斡旋した場合のどういう責任を持つのであるか。今後人造米の増産についてどうされるのか。あなたの管下で作らした、例えば人造米協会というのは一体どうするのか。人造米というものをしやにむに既定の方針通りやるのか、やらないのか、非を改めるにやぶさかでない。ここで人造米協会も解散だ。今まで変な貸付をしたのも、これは政府が赤字を負担して、そうしてこれは綺麗さつぱり出直すのだというのか。この点だけを伺つてあと砂糖なり、大豆の問題は先ほど要求しました資料を詳細に検討さしてもらつた上で、次回にいろいろ検討機会を与えて頂きます。
  87. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 人造米についてお答えいたします前に、安定の問題でございますが、実は私は工場の安定という意味で申上げておるのではございません。海外の市場が安定して参ると言いますか、安定した市場を獲得するという意味でございます。その点は言葉が足りませんから補足いたします。それから人造米につきましては、現在政府におきまして、開発銀行に対して資金を斜旋することにいたしております。ただ開発銀行に対する審査といたしまして、食糧庁から十二件だと思いますが、開発銀行に対する審査に廻つておりまするが、まだ資金としては出ておりません。開発銀行におきまして審査中でございます。人造米につきましては、我々といたしましても、どの程度人造米を造らすかという点は、当初大体消費の一割ということで、三十万トンというふうに考えて参つたわけでございますが、現在の人造米工場は月産二千トンから二千五百トン程度でございまして、まだ急激に生産は進んでおりませんが、同時に他の価格関係等もございまして、消費がどの程度に伸びるかという点も、当初の予期通り伸びるかどうかという点につきましては、まだ明確な見通しは持つておりません。早急に需要が伸びるものとは考えられません。除々に上つて行くものだろう。ただ現在の経過を見ますると、人造米消費というものは、昨年の暮あたりから相当の粗悪なものが出ましたために、消費が伸び悩んでおるということも事実でございまするので、製品の良化及びこれに合わす検査というものは、これはやつぱり進めて参りたいというふうに考えておる次第であります。
  88. 河野謙三

    河野謙三君 ちよつと……。私は人造米については、大体幾ら見通しの悪い政府でも見通しはついて退却の準備をしておられると思つたが、まだそんなにとらわれておられるのですか。然らば現在までやつておる人造米工場の採算はどうなつておりますか、私は採算は合わないと思うのです。更に将来もつと合わないと思うのです。それは面子にとらわれる必要はないのじやありませんか。私は退却の準備如何ということを聞いているのだが、あなたは退却どころか、生産の速度はにぶいが進むのだということを言つておるが、これは進むと退却とは大変違うのですよ。そこに政府資金が動かないならば別だ。政府資金が動けば何のかんのと言つても必ず国民の負担ですよ。それについてのこれは見通しの議論ですが、私は議論を越えていると思う。誰だつて人造米を相手にしておりませんよ。退却の準備如何ということを聞いているのです。どうですか。
  89. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 退却の準備とおつしやられますが、我々が当初に計画いたしました数量というものからの退却の準備という御意味ですか、或いは又全部放置してしまえという御意味ですか。これはいろいろ見方があろうと存じますが、我々としては需要に応じてやはり慎重に、それから確実にこれはやつて参らなければならんということは十分承知いたしておるわけでございますが、その後から見ますると、大して設備は殖えておらないというのが現状でございますが、勿論御注意のような点は需要関係とも併せて、これは慎重に考えて参らなければならんということは十分考えております。
  90. 河野謙三

    河野謙三君 誠に済みませんが、もう一点だけ……。私が退却と言うのは、民間の業者が政府関係なく勝手にやるのは、これはあなたのほうと関係ないでしよう。ただ現在までの方針のように、資金の斡旋をしたり、その他指導をするというふうな、政府人造米の工業に対して現在タツチしておりますのは事実であります。これをノータツチに私はすべきじやないかと思うのですが、依然として今までのように資金の斡旋だの、その他業界の指導をおやりになつて行かれるかどうか。やつた場合には、その結末が又国民に迷惑をかけるようなことに必ずなると思うのです。現在もうなつていると思うのです。それについて言つているのです。業界が勝手にやるのは別ですよ、そういうことは……。私が退却というのは、見通し違いというものはあるのですから、そして全く人造米は見通しが違つたのだ。人造米政府に先見の明があつたとは誰も思つておりません。やつている業界の人たちもこれは間違つたということを言つておる。それを政府だけがまだあたかも期待が持てるかのごとき態度で行つて、開発銀行に金を出さしたり、その他いろいろな指導をされて、一体あとどうなるか、こういうことなんです。政府はノータツチにしたらいいじやないかと、こういうことなんです。
  91. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは議論になりますので、我々も十分注意いたしたいと思いますが、現在開発銀行から資金は出ておりません。開発銀行といたしましても、一定の枠を持つてこれに融資するということではございませんで、やはりその企業の健全性なり、資金の回収ということも十分に考えて頂くような立場になつておりまして、人造米に対して幾らの金額の枠をとつて融資するという建前ではございません。人造米一般の開発銀行の融資の対象として考えておるわけでございます。その点は十分注意をいたして参りたいと考えております。
  92. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連。この農林省のあれですね、資金融資の斡旋と言われるが、この前も斡旋という問題で大分やかましい問題が出たのですが、ただ農林省の前谷さんが、あの会社はなかなか有効なものであるから、一つ金を貸してやつてくれくらいのことでは、容易に開発銀行等も動きやしまいと思うし、又誰が見ても将来性がある事業だということになりますれば、他にいろいろ資金を集める方法も、農林省のお世話にならんでもやつて行くと思うのです。少くともそういう新らしい事業であれ、批判のある一つの事業なら、農林省がこれを開発銀行に斡旋して金を貸せるようにと言われるからには、何か裏付が一つなければ、これはよう貸さないと思うのですな。ただこういうものがあるから一つ貸してやつてくれというくらいの取次ぎくらいの斡旋という意味合でもいろいろあると思います。斡旋という意味合ではそれくらいの意味合だつたら、これはなかなか金が廻らんと思います。何かそれに聞きますると、この工場を今建てて農林省が金を貸してくれというから、建つたが金が来ないで誠に困るが、どうなつたかという質問を私ども受けておるのでありますが、そこには何か農林省が期するところがあつて、一応の斡旋の基礎というものを持たしておるのではないか、基礎のない斡旋が果して成立するかどうかということは疑問ですが、どういう斡旋をなさつておるのでしよう。斡旋はいろいろ意味が広いと思います。
  93. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 御承知のように開発銀行の資金の融資方法といたしましては、電力と石炭と鉄鋼造船の部門につきましては、その部門におきまする融資の枠というものが確定いたしておりまするが、その他の産業につきましては、融資をし得る業種というふうな形になつておるわけでございます。その業種の中に食品工業があるわけでございます。我々といたしましては、人造米需要の限度に応じて、この人造米につきましても、それが開発銀行の融資のベースに乗る限りにおきまして、開発銀行に対して斡旋をいたして参つておる、こういうふうな実情であります。
  94. 清澤俊英

    清澤俊英君 ところどころあまりはつきりしませんですが、これは大体人造米というものに対する考え方は、聞けば吉田さんが、総理が初めは今度人造米を作ると言うたところから始まつたようで、私ども農林委員会等は、自由党を問わず社会党まで全部反対をしているのじやないかと思う。そういうものを作ることは妥当じやないじやないか、こういう意見があるにかかわらず、それを押切つて食品工業の枠に斡旋される枠があるのだからというので、仮に相当額のものが出て、それが焦付きになつたりして、国家に損害を与えるようになつたら誰が一体責任を負うのです。誰が責任を負つてそれを処理せられるのか。ちよつとやり方がそこまで行くには手続ちよつと無理をしてあるのじやないかと思うのだが、あなたどうでございますか。
  95. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 人造米につきましては、いろいろ御意見があるわけでございます。我々も十分承わつたわけでございますが、この問題は従来から、昨年度の五、六月頃から食糧研究所において「いも」米から発生いたしまして人造いたしておつた。やはり現在の粒食傾向からいたしまして、或る程度需要はあり得るものと思う。而もそれが小麦なり澱粉の消化にも役立つ。こういう考え方で進めて参つたわけでありますが、この需要の限度をどう置くかという問題ではなかろうかと思います。これが全然需要がないということになりますれば、これは全然ベースに乗らない。その需要の限度を如何に抑えるかという問題ではなかろうかと思います。勿論現在の状態におきましても、これは一般的にも開発銀行といたしましては、それの資金の償還ということについては慎重に審査をいたしておられるわけでございまして、我々も十分そういう政府資金が焦付きになり、回収不能になるということのないように十分に注意いたして参りたい。
  96. 鈴木一

    ○鈴木一君 砂糖問題に返るわけでありますが、肥料問題と同じように、役所の方々に詰め寄つてみても、実際こうしたいという気持が、いいほうに持つて行きたいという気持が十分あつても、いろいろな業界なり或いは政界などの圧力のために思うようにできないというようなことも、十分私ども想像できるわけでありますが、特に砂糖の問題についてはそういう問題が強く受けるわけであります。私が聞いたのでよくわかりませんけれども、我々としてはこの前から綱紀粛正委員会というものを作つて、特にこういう問題について国会みずからが徹底的に究明すべきだという立場をとつて来ましたが、それが否定されまして、それが各委員会でそういう問題をやろうじやないかということで引下つたのでありますが、成るべく日本全体がよくなるように圧迫を加えるというならば大いに結構でありますけれども、そうじやないような方向にいろいろな、特に昨日問題になりました菓子工連の割当の問題でありますが、これに関連しまして、自由党の政調会に官庁のかたが呼びつけられて、どうしてもこれに割当をしろ、それはできない、どうしてもできないというふうに断わつたところが、そういう役人は首にしてやるというおどしをしたということを、事実かどうか噂として聞いておるのでありますが、そういつたような圧迫が農林省なり或いは通産省になかつたかどうか、そういう問題について綱紀粛正というような点からも、一つ役所のほうから、そういう事実がなかつたかどうかということを承わりたいと思います。
  97. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この外貨割当につきましては、事務的に通産省と農林省においていろいろ議論もいたしておるわけでありまして、この点についてそういうことがあつたということは私は承知いたしておりません。
  98. 鈴木一

    ○鈴木一君 通産省はどうです。
  99. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) 只今の問題でございますが、私についてはそういうことはございませんです。ほかのことはよく存じません。
  100. 鈴木一

    ○鈴木一君 私についてないということは本当に結構な話でありますけれども、少くともあなたが課長として部下を掌握されておるわけでありますから、あなたのほう、或いは又ほかの課におきまして、ほかのほうの課のことはあなたはわかりませんでしようが、課の内部にそういうことはなかつたかどうか、十分砂糖問題については時間をかけてしなければならんと思いますので、十分一つ確めてもらいたいと思います。
  101. 江田三郎

    江田三郎君 今の問題ですが、これはブラジルの輸入が五万トンと、そして我々の聞くところによると、一万トンがインポーターのフリー、こういうことに聞いておりますが、そうであるかどうか、若しインポーターのフリーである場合には、それには通産省なり或いは農林省のほうは全然タツチされないか、したこともないが、或いはそれについて内命指導というか、何かをやつたことがあるかどうか、この両方から答えて頂きたい。
  102. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) ブラジル糖の輸入は五万トンでございまして、インポーター割当は一万トンでございます。これに関しましては、我々のほうから通産省を通じましてインポーターに対しましては百十ドル程度でいい、台湾程度で以て過当利潤をとらないようにやつてもらいたい、こういうことは申入いたしました。
  103. 江田三郎

    江田三郎君 その値段だけでなしに、そこから先へ向ける向け先について内面指導か何か、そういうことをやられたことはあつたか、なかつたか。それから百十ドル程度というのは、恐らくこれについては通産省のほうではインポーターから念書をとつたはずであるが、そういうことはどういう根拠に基いてできるのか、ひとりその一万トンについてだけ、価格についてあなた方のほうで指導をされて、精糖工業会等へ行くところのドル割当等については何にもしないのか、消費価格が何ぼになろうと、何にもしないのに、なぜそういう一万トンについてだけ価格の指示をされたか、その根拠……。
  104. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 価格の指示につきましては、我々といたしましても、その当時におきまする糖価の上昇傾向からいたしまして、これが輸入をいたしまする場合におきまして、その価格の上昇傾向に応じて原糖輸入がそれに拍車をかけるというふうなことがあつては困りまするので、その当時におきまする、ブラジルにおきまする糖価、それから台湾糖というふうなものの状態考えまして、これは行政的な意味での希望として、インポーターに対してそういう申入をいたしたわけでございます。
  105. 江田三郎

    江田三郎君 精糖工業会にはなぜしない。
  106. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これはつまり取引段階といたしまして、精糖工業会にドル割当てまする場合におきましては、これは原料といたしまして、その原料コストの中に入るわけでございますが、これは出て参りました製品に対する……。
  107. 江田三郎

    江田三郎君 だから、製品の値段は張つているじやないか。
  108. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 製品の値段をどう調整するかというふうな問題として考えているわけであります。
  109. 江田三郎

    江田三郎君 だからなぜ一万トンについてだけそういう価格の指示ができたのか、その法的根拠があるのかないのか、更にもう一つ、さつき言つた一万トンの割当先について内面指導等をしたことはあつたか、ないか、通産省は念書をとつたかどうか。念書をとつたとすれば、どういう法的根拠についてとつたのかどうか、その答え
  110. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは特に法的根拠を持つてのものではございません。それからその価格関係のほかに、どこに幾らやつてくれというふうなことは、我々のほうからも通産省からもやつてないと思います。
  111. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) 只今のブラジル糖一万トンの問題でございますが、これは輸入公表を御覧頂きますとわかるのでございますが、完全に行先き自由になつております。どういうところに持つて行つてもかまわない。従いまして私たち公務員といたしましては、これについて行先きを指示するという何ら権限はございません。
  112. 江田三郎

    江田三郎君 やつてつたらばどうする。
  113. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) やつておりません、私は……。
  114. 江田三郎

    江田三郎君 あなたじやないよ。通産省つてつたらばどうするか。
  115. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) 私存じません。
  116. 江田三郎

    江田三郎君 やつてつたらどうするか。
  117. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) 何にも権限はないと思いますから、やつても相手は拘束できないと思うのですが。
  118. 江田三郎

    江田三郎君 やつてつたらばどうするか。
  119. 森日出哉

    説明員(森日出哉君) 私はそれについてお答えする権限がないのでございますが。
  120. 江田三郎

    江田三郎君 あとで又聞きます。関連質問ですからこの程度にしておきます。
  121. 戸叶武

    戸叶武君 先ほどの人造米の問題ですが、私は食糧庁長官お話を聞いて非常に無責任と思うのですが、それは少くとも昨年の末におけるこの農林委員会における討議の大体を長官もお聞きでしようけれども、人造米に関しては多くの人が疑惑と疑念とを持つて、積極的な賛意を表している人は一人もなかつたと思うのです。それは保利さんの思い付きと、要するに冷害という場合において何とかしなけりやならないという焦りもあるでしようが、もう一つは農林省手持の澱粉をどうやつて消化しようという、今食糧庁長官も言つたような、そういう思惑もあつてあれに乗り出したのかも知れませんけれども、そのときに問題になつたのは、やはりこれは人造米は我々は大体成功しないだろう、その理由としては、大体粗悪な製品が出て来るにきまつているということを幾たびか口をすつぱくするほどここでもやり、私は予算委員会においても保利さんに追及したときに保利さんは、そういうことはあなたは人造米を食べていないからそんなことを言うのだと言つたのですが、私は葛原産業人造米を食べてみて、大変おいしいかどうかわからないけれども、とにかく食べてみた。大体投機的な商売人の手に委ねられていた以上は、どうせ儲けるために製造するというのが目的であるから、初め大臣の口なり、食糧庁長官の口に運ぶときにはよい製品を造り、一般市場に出すときには悪い製品を造つて儲けようとするのはきまつている。それが如実に最近この需要が減退したのは、昨年末にその粗悪な製品が出たから、それによるものだということを今食糧庁長官が言つているが、その際に我々はそういうことは必ず起きるから、その監督なり、何なりに対する責任を農林省は持てということをあれほど追及したじやありませんか、それに対して農林省はどういう処置をとつて今まで来ましたか。
  122. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お話のように、我々としましても新製品でございまするので、この人造米につきましての製品につきましては、先ず農林規格法に基きまして農林規格を作つたわけでございます。そうして検査機関といたしまして人造米協会を作りまして、その検査を通じまして品質の向上を図りたい、かように考えておつたわけでございますし、又現在もそう考えておるわけでございますが、御承知のように農林規格法によりましても、この検査を強制する方法はないわけでございます。やはり需要と相待ちまして、業者のほうの自覚を促しまして、検査に乗せて、そうしてその検査を通じまして品質向上を図つて参りたいというように考えておるわけでございまして、この点につきましては、当初スタートする場合におきましても、そういう方法でやつて参りたいというふうに考えておつたわけでございます。
  123. 戸叶武

    戸叶武君 それでは人造米協会はそれに対してどういう処置をとつて参りましたか。
  124. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 人造米協会といたしましては検査の態勢を整えまして、そうして昨年暮からメーカーに対しましてよく事情を話しまして、この検査を受けて、そうして人造米の品質を向上するようにというふうに指導いたしておるわけでございますが、まだこの人造米が完全に検査に乗るというふうな状態には立至つておらないわけでございまして、その点は非常に我我としても遺憾に考えておりまするので、よくその趣旨の徹底を図つて検査を受けるようにということは話合をいたしておる次第でございます。
  125. 戸叶武

    戸叶武君 人造米のこの数カ月の生産高はどういうふうに変化して来ていますか。
  126. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 昨年の秋頃におきましては、月産一千トンぐらいでございます。それで現在におきましては、これは我々といたしましては、すべて十トン以上の単位のものを一つの対象といたしております。従いまして、そのほかに二トンとか、極く少量のものは明確でございませんが、大体二千五百トン程度になつておると考えております。
  127. 上林忠次

    ○上林忠次君 今の話に関連しまして、私も秋頃盛んに人造米に対して反対したのですが、あのときも話しましたが、人造米を食つた我々の経験から言つて、麦にまさるとは言えない。将来の改良がどこまで行くか知らんが、値段の点、味の点で麦を増産したらいいんじやないか、大麦、裸を増産したらいいじやないか、その計画はあるかと尋ねましたところが、計画はない、全然考えておらん。それほど自信を以て農林省はやつたと思いますが、先ほどのお話を聞きましても、まだ人造米は断念しておらん、融資もしてやる、育成もしてやるという気持でおられるらしいのですが、私その当時申しておりましたように、極端に言うならば、日本の麦作反別を、すつかり小麦をなくして、大麦、裸に変えてしまう、そのためには裸の値段を変えてもいいじやないか、高くしてやつて、反別転換して小麦の高いところは安い国際市場から買込むということを考えなければいかんじやないかということを盛んに言つたものでありますが、今でも同じような農林省のお気持でありますが、その後の人造米値段なり或いは事業の状況を先ほどから聞きまして、これが恐らく失敗になるんじやないかということを考えますときに、農林省はもう一回考え直してくれないといかんじやないか。これに対しまして、もう一度食糧庁長官から人造米に対する考えをお聞きしいたのですが。
  128. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今の上林委員お話でありますが、従来我々といたしましても、人造米をやることによつて麦の増産が必要でないということは申上げたつもりはございません。つまり麦の増産は増産政策の一環として、これはもう当然進めて参るわけでございまして、結論におきまして輸入食糧の減少ということに結果するわけでございます。ただ米の状態からいたしまして小麦の消化を図つて参る。この図つて参る場合に粉食ということも一つの方法でありまして、これを決してないがしろにしておるわけではございませんが、まだその当時の状況からいたしまして、直ちに全般的に粉食に移行するということも困難でございまするので、やはり粒食形態による小麦の消化ということを考えたわけでございまして、麦の増産政策をないがしろにして、これで以て変えて行くという考え方は従来からも持つていないわけでございます。ただ人造米につきましては、工場製品でございまするので、コストの点も更に努力する余地がございますし、又更に将来といたしましては、一般のものとは違つた角度においてやりやすいというような利点もあろうかと存じまするので、そういう面から考えて参つたわけでございます。
  129. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 人造米について私も実は非常に異議を持つております。只今お聞きのように、農林委員会としては全面的に賛成されたかたを私知らないのです。そういつた場合に、食糧庁のお考え方は従来の、その当時に私ども論議した方向と何ら変つていないように実は私の考え方かも知らんけれども、思えるのです。今食糧庁長官としては、この委員会の皆さんの考え方のほうが間違つているのか、食糧庁の行き方のほうがいいのか、お答えできれば結構でありますけれども、(笑声)若しできなければ、その当時よりも人造米に対する考え方が、食糧庁として何か違つた新らしい進歩の考え方が、この委員会の意見を聞いて考えられておるかどうか、一つ承わりたいと思います。
  130. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 人造米につきましては、我々といたしましては、勿論委員会におきまするいろいろな御意見もございましたので、その点につきましては慎重に検討いたしたわけでございまして、特にその当時におきましては、特許権の問題が中心的にいろいろ論議があつたわけでございまして、この特許権につきましては、従来我々が借上を行うという考え方でおつたわけでございますが、これは借上を行わないということにいたしておるわけでございます。人造米の問題につきましては、いろいろその当時も御指摘がございましたように、需要量を如何に見るかというような点につきましては、我々としても十分この需要算定の見通し等につきまして、又希望等については十分検討いたしておるわけでありますが、只今の御指摘のように、当時において一番問題になりました特許権の借上ということにつきましては、我々としてはこれをなさないということに変えたわけでございます。
  131. 戸叶武

    戸叶武君 その特許権の借上の問題より一番の問題は融資の問題だと思う。大体これは我々の見解の違うところだと思う。私はこれは失敗に終ると思う。農林省で融資を斡旋して、その跡始末の問題になつたときに、今から跡始末のことまで言うのは縁起が悪いかも知れませんが、当然それは起きますが、そのときに政府はどういう責任を負うか、そこらの辺を……。とにかく政府はこれだけ農林委員会のところまで国民から総批判を受けながら、敢然としてとにかくやつた。この火事泥的なやり方というものの跡始末は、やはり私は相当責任を負わなければならんと思いますが、その心構えを一つ披瀝して下さい。
  132. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 開発銀行の融資につきましては、勿論御指摘の点がありますので、我々といたしましても十分その企業の、これは開発銀行の場合には人造米全般と申しますよりも、個々の企業というものが一つの対象になるわけでございまして、その個々の企業の償還能力或いは又個々の企業におきまする融資の限度等については、そういうことのないように慎重にやらなければならんということは我々も十分痛感をいたした次第であります。
  133. 河野謙三

    河野謙三君 私この際ちよつと一つ長官から明確にして頂きたいのは、去る委員会農林大臣が出て参りました場合に、米の十五日配給のことについて私は尋ねた。それは私の承知しておる範囲では、又あなたのほうからのいろいろな専門家の意見を聞きましても、現在のまましやにむに十五日配給を続けて行くためには、五月とか、六月の候になりますと、東京とか、大阪とか、大消費地においての配給内容が、外米を内地米よりも日数にして多くして行かなければならん。例えば東京の場合に、五月、六月の候になれば外地米が八日なり、九日であつて、内地米が七日とか、六日という事態を想定して行かなければ、十五日配給の堅持というものはできないと思います。それについて伺つたところが、今おいでの総務部長は、全国平均では外地米四、内地米六であるけれども、或いは地区別にはそういう問題が起るかも知れんけれども、できるだけ生産地と消費地との外地米、内地米を調整して、そういうことにならないように努力したいと、こう言われた。それで大臣に伺つて、私は更に大臣不勉強だと言つたが、私が言う不勉強というのは、一つの例は、大臣はそういうことは知らないでしよう、それでどうすると言つたところが、その事態が来たらそのとき善処すると言うのです。政治家というのは、幾らへぼな政治家だつて一カ月や二カ月の先を考えなければならない。壁にぶち当つてからでは遅い。猫のきんたまのようにあとから気が付くようでは駄目だ。先の見通しのできるのが政治家です。ところがその事態にぶつかつて善処するというようなことを言つておる。まあそれは別として、前谷さん、今の十五日を堅持して行くためには、当然如何に生産地と消費地との調整をやつても、東京や大阪や神奈川において、又京都において外地米が内地米よりも多くなるという事態は私は避けられないと思うが、その点は避けられますか、これを私は伺いたい。若し避けられないとすれば……、私意見まで言います。十五日配給、十五日配給と如何にも体裁はいいけれども、その内容において、そういうふうな逆に外地米が多くなるようなことまでやつて、而も補給金をうんと付けて高く買つた外米を入れて、十五日という名目だけ堅持するということは、私は国家の財政上から国民と共に考えなければならんと思うのですが、その点について如何お考えでしようか。
  134. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、二十八年産米の不作によりまして、これは河野さん御承知のように、昨年度の二千八百万石に対して、現在我々が考えております二千百万石と七百万石の違いがございまするので、これが配給の日数は別問題といたしましても、その日数の中の内訳において、これはもう偏向を来たす、昨年の程度を維持できるということは我々も考えておらないわけであります。ただ我々といたしましては、やはり本年の九月から十月以降におきまする闇米の状態からいたしまして、外米の配給辞退等も一部ではございまするけれども、特に東京を考えてみますと、江東その他の地区におきましての配給辞退は殆んどないというような状態もございますので、やはり全体といたしまして、主食といたしましては十五日の配給というものはこれはやつて行きたい。ただその割合は昨年と違うということは御指摘の通りでございます。ただ我々といたしましては、これをできるだけ消費者に対しまして、その偏向の割合を少からしめるために、外米につきましても、加州米とか、台湾米とか、そういう短粒の内地米に匹敵するようなものの輸入に努力いたしております。これもソースの関係からして限度がございます。従いまして、いろいろこの内容の平均化につきましては、これを何とか是正いたしたいというふうに考えておるわけでございますが、これは御承知のように、生産県との関係におきましても相当の困難を伴うことは覚悟いたしておるわけでございます。従いまして昨年度の割合を維持するということは困難である、ただ、御指摘のように全然これが逆転する、内地米、準内地米を併せて逆転するということにはしたくないという考え方でやつておるわけであります。
  135. 河野謙三

    河野謙三君 私はもう簡単に答えてもらえばいい。今私が申上げたように、大消費地において辞退が起らんか、現在でも東京は、私は神奈川県人ですが、東京の配給を聞きますと、内地米六日で、あなたのほうでは準内地米と言つておられますけれども、このいわゆる準内地米という外米が三日なんです。あとの六日が本当の内地米なんです、現在そういうことでしよう。更に、これが月が進んで五月なり六月なり七月に行つたら、私は今言うような、いわゆる本当の意味のあなたが言つておる外地米が八日なり九日になるということは避けられないと思うのです。あなた方の努力によつて絶対にそういうことはしない、たとえ一日でも内地米のほうを多く配給する、こういうことか、それともそこは今後の努力に待たなければいかんけれども、まだそこのところは自信がないとおつしやるのか、そこを伺えばいいんですよ。
  136. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今河野さんのお話でございますが、我々としましては、やはり内地米の集荷を、一定数量を前提といたしまして、これを月別に考えております。従いまして内地米を先食いいたしまして、そしてあと外米で補うという考え方ではなくて、一定の数量を前提といたしまして、そうして月別の割合というものを考えておるわけでございまして、現行の、これはまあ現在も確かに昨年度より落ちております。落ちておりますが、現在の状態を維持するように努力いたしておるわけでございまして、まだ実は集荷の状態と、それから県外に対する搬出の状態というものが最終的に確定いたしませんので、正確なことは申上げられませんが、私たちといたしましては、現在の状態をできるだけ維持する、ただ、一つは端境期におきまして、来年度の早場米に期待いたしております。この点は非常に未知的な要素があるということは言えると思います。
  137. 河野謙三

    河野謙三君 いや、大臣に聞いたつてわからない、その問題は……。結局これは国民として、非常に米の配給の将来についてはこれは疑念を持つておる。そこで国民に代つて誰に聞いたらいいですか、あなたに聞くより方法がないでしよう。それは人間だから見込違いというものはありますよ。私はそんなことで言葉尻をつかまえようとは思わない。ただ、今はこれこれこういうふうにやつておるから、又次にこれこれこういうふうに手を打つことになつておるから、僕が言うような内地米と外地米が逆な配給になるようなことは、如何に大消費地であつてもそういうことはあり得ません、こういうことを一つつて頂けばいい。若し言えなければ言えないでもいいですよ。私はあなたを責めようとするのではない。これは国民として知りたいことです。我々はそれを知つた上で、別の角度で……。それは外地米、内地米の質の問題ではない。何でも内地米外米を合せて十五日配給をすればいいと言われるならば、これは私は別の意見を持つておる。何でもかんでもして十五日ということでは台所の問題が片付くものじやない。台所の問題が……。それは意見の相違でありますならば別でありますが、ただ議論の出発点として、あなたのほうで、それは大消費地におきましても、外地米が五月に行つても、六月に行つても八日とか、九日にはなりません、又ならないというのは、これこれこういう手を打つております、又これからこれこれこういう手を打つことになつております、こういうことを言つて頂けばいい。あなた以外に聞く人がない。だからしつこいようでありますが、お示しを願いたい。
  138. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは実は現在の供出状況との問題がございまするので、これの目標達成に我々非常に努力いたしておるわけでございます。そういう点からして、明確には申上げられませんが、実は我々当初二千百万石を前提におきまして、それから県外搬出等を考えまして、そうして外米の混入につきましては、月別に平均するようにやつて参つたわけであります。確かに河野さんのお話のように、昨年度から比べたならば、外米、内地米の率は落ちております。これは否定するわけではございません。ただ、そういう形で年間としては当初から計画的にならして行くということを考えておるわけでございます。それから県外搬出の問題を月別にこれを検討いたしておりまするので、月別の変動ということが多少起り得る危険性もございます。それから我々としては供出を努力いたしておるわけでございまして、まだその目標額に達しておりません。県外の搬出、供出についてはこれを最終的に今決定いたしておりませんが、私の気持として率直に申上げれば、現在の状態はこれは維持したいし、維持できるのではなかろうか。ただ現状がいいか悪いかは、これは又別問題でございます。もう一点は、これから生産県にお願いいたしまして、或る程度生産県にも外米と内地米との交換もお願いをいたさなければいかん場合もある。そういう事態におきましては、そういうことは考えておる次第でございます。
  139. 河野謙三

    河野謙三君 では、最後にあなたが努力されることを私は信頼いたしますが、若し最悪の場合に、外地米が八日なり、九日になつて、内地米が六日なり、七日になつた、こういう事態が起つたときにあなたはどういうふうな手を打たれますか。
  140. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 現在の実態を申上げますと、東京なり、大消費地におきましては、大体内地米は七日で、準内地米で九日で、それから外米ということになつております。これは大体供出量を見合つて、そういう月別の平均という形でやつておるわけでございます。これは価格面だけからいたしましても、これは御意見もあろうかと思いまするが、まあ台湾米とか、加州米は、先ず大体内地米と同じように考えて頂いていいじやないか。内地米と同じような準内地米を合せて考え行つておるわけでございます。
  141. 河野謙三

    河野謙三君 それはわかつているのですよ。だから私は準内地米に扱うについては、いろいろ異論があることはあるのですよ。この前も申上げましたように、あなたのほうで準内地米とおつしやつておるけれども、それがそもそも米屋のごまかしになる材料になるわけです。外地米の配給をして配給辞退がある、そうすると、その外地米を準内地米の中にすり込んで、そうしてそれを配給に使うというような、いろいろなそこに米屋の操作、うま味がある、こういう議論は別にして、あなたの議論を是認したものとして、準内地米と内地米をプラスしたものよりも外地米のほうが配給日数が多くなるというような事態が起つたときに、そのまま放つておかれるか。その場合に輿論は必ず政府の方針に従順でありませんよ。そうなつたときにどういう手を打たれるか。あなたはそういうことを想像したくない。内地米、準内地米のほうを一日でも日数を多くして、そのまま続けて行きたいという努力をしておられるが、その努力が甲斐がなくて、逆な場合が起つた場合に、あなたはどういう手を打たれるかということを伺つておきたいということです。
  142. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 現在といたしましては、我々の見込といたしまして、内地米、準内地米を合せて外米よりも少いということのないような計画で進んでおります。ただ供出の問題なり、県外搬出の問題で、そういう場合が絶無とは言えないと思います。この際におきましては、やはり産地に対して或る程度の外米の混入もお願いいたしまして、そうして少くとも内地米、準内地米を合せての状態は外米よりも少くないようにというふうに計画を進めておるわけでございます。
  143. 河野謙三

    河野謙三君 それは米などというのは、あなたの一番御存じのように、簡単に隣りでまんじゆうを買つて来るようには行かない。だから、そこへぶつかつて、これじや足らんから秋田、新潟でもうんと外米を入れて食つてもらおうといつても、なかなか輸送その他の関係でできない。だからそういうお考え方であるならば、当然そういう事態を想定して初めからその手を打つておかなければならない。それを私は伺つておる。あなたが農林大臣と同じようなことを考えていては駄目です。壁にぶつかつておでこに瘤をこしらえて、そうしてあいたたと言つても間に合わない。だから、あなたは専門家であるから、あらかじめそういうことに対してどういう手を打とうとしておるのか、今打つておるのか聞いておきたいのです。
  144. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 我々といたしましても、その点は十分考慮いたしておるのであります。ただ現在供出の最盛期と申しますか、供出の時期でございますので、そういう面と併せていろいろ実は我々としては考えておるわけでございます。
  145. 河野謙三

    河野謙三君 結論として、若しそういう事態に突入するような事態が起つた場合には、生産地の外米の配給率を殖やして、そうしてどこまでも生産地、消費地の内地、外地米の配給率の平均化を図る。そうしてでもなお且つこの内地米は外地米よりも配給日数を多くしておる現在の配給状況を維持して行く、こういうことですね。
  146. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) そういう考え方で努力をいたしておるわけでございます。
  147. 鈴木一

    ○鈴木一君 最初に、議事進行でありますけれども、今日は非常にいろいろな重要な問題の論議があつたのでありますが、砂糖なら砂糖が片付いたら、その次その次とやるようにお願いしたいと思います。それから、先ほど通産省並びに食糧庁のかたに非常にむずかしい調査をお願いしたわけでありますけれども、決してあなたたちをいじめるとか、不利益な立場に追入れようという意向じやないので、逆にあなた方を及ばずながら守りたいという気持で申上げているので、一つ勇気を持つてそういう点は調査してお答え頂きたい。涜職事件なんかをみましても、結局政界或いは財界のほうから官界のほうへ働らきかけて、一番弱いところが強姦されてしまう。そうして最後に問題が起つた場合、ばかをみるのはお役所の方々で、政界の方々は生活力も旺盛でありますから、問題が起つても何とか飯は食つて行く、そういう立場から、あなた方の立場は大いに守りたいという立場で申上げておりますので、国家至上の立場でありますので、勇気を持つて一つ御報告願いたい、こういうことを申上げておきます。
  148. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと資料要求……。これはまあ今日時間がありませんから、いろいろ聞きたいことをこの次に聞きますが、資料として、いま日本で急速に一番大きな会社になろうとする名古屋精糖の顧問を含めて役員の、そうしてその人々の会社へ入られる前の二、三年間でよろしいが、その経歴、それから製糖会社で終戦後脱税事件があつたかどうか、あつたとすれば、その概要はどうであつたかということ、それから菓子の団体については先ほど河野委員から資料要求がありましたが、なおそれに同じようなパン、ビスケツト、罐詰等の団体があるはずでありまして、これらの団体は正式に何という団体か、そうしてそれらの団体は経済行為をなし得る団体であるのか、その点を示してもらうということ。それから、これは資料ではございませんが、先ほどブラジルの一トンについて百十ドルという価格の指示というか、希望をされたということですが、併しながら、それから先の振向け先については、農林省も通産省も内面指導も何もしたことはない、こういうことですから、一応今はその答弁の通りに受取つておきます。おきますが、今原糖を百五十ドル乃至百六十ドルで入れても、なお利益のある場合に百ドルという価格を指示して、そこから先どこへ持つて行つてもいいというような、そんなことが実際できるかどうか、若し百十ドルでもらえるならば、これは少くともトンについて四十ドル、五十ドルの利益が立どころにとれるはずであつて、そういう指導が実際に行われて動いているのかどうか、それから、そういう百ドルという指導をされた際に、少くとも私どもは法的にそういう指導をすることができないものと考えるわけであつて、若しそういう指導をされるなら、このキユーバ、台湾糖で入れる、河野委員の言ういわゆる補給金的性格を持つている原料輸入については、その最終消費価格についても当然指導を行わなければならんはずであり、その点農林省なり、通産省は方針を変えたのかどうか、つまり今後はそういう安い原料政府が特に割当てたものについては価格の指導をするという方針に変えたのかどうかということを、これはこの次の委員会通産省と農林省と両方で十分協議をされて答えて頂きたい。それから先ほど三万トン余りの甜菜糖の払下の問題が出ておりましたが、これについて具体的にどういう方法で払下げようとするのか、これもこの次の委員会でようございますから、はつきり具体的に答えて頂きたい。
  149. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 資料の御要求につきましては、できる限り意思に副いたいと思います。ただ最後の甜菜糖の問題につきまして特に申上げておきますが、これは御承知のように甜菜糖の振興措置法によつて買上げているわけでございます。これの払下につきましては従来からも予決令が処理いたしておりまして、農産物価格安定法とか、食管法とは別の形でございます。これにつきましては、従来と同じように入札制度を以てやつて来ております。
  150. 清澤俊英

    清澤俊英君 名古屋精糖でもよろしいですが、創立当時の重役ですが、それの変更しておる場合ですが、変更している場合は僅かの期間ですから、全部一つお願いします。それから先だつて農林大臣が米食を粉食に切替えるということを、何かのはずみにひよつと言つたのですが、これは食糧政策として、農業政策として根本的な重大問題であり、若し仮にそういうことが農民の耳に入つたとしたら、それは増産意欲を全く喪失せしめ、今行われている増産対策としての土地改良についてみましても、干拓にしてみましても、こういうものが或いは全く徒労に帰するような根本的な重大問題になるのでありまして、これはちよつと私の聞き違いじやないかと思うが、先ほどもちよつと食糧庁長官は、将来粉食に切替えるとは考えておりますが、今の場合粉食にはできないとか云々という言葉が大臣の言葉とちよつと似通つておるところがありますが、どういうつもりで言つておられるのか。
  151. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、私が粉食と申上げましたのは、小麦の消化という意味におきまして、小麦の本来の性質からいたしまして、小麦は粉食で持つて行くべきだと、こういうことを申上げたのでありまして、全般的な問題といたしましては、結局食糧需給問題と関連したわけでございまして、全然米をこれで以て粉食に切替えて行くというふうなことで申上げたのではないことを御了解願いたいと思います。
  152. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) これで散会いたします。    午後四時三十四分散会