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説明員(庄野五一郎君)
只今統計
調査部長から、本年の
稲作につきましての生育概況の御
説明があつた次第です。お手許に配付いたしました二十八
年度冷害及び
昭和二十九
年度異常気象
対策、この中の終りのほうに二十九
年度の
冷害につきましての気象異常
状況の平年並びに昨年対比の
気温グラフ、三十六からでございます。それから各地の主な地帯の大体気象一覧表、五月の一日からの分がございます。今、
調査部長の御
説明にあつた
通りでございます。なお、生育概況につきましても、草丈或いは主程葉数或いは
茎数等の比校等もあとに一応改良局で調べ得ましたところのものを記載いたしておりますので御
承知願いたいと思いますが、そういつた
状態でございまして、非常に本年の
稲作は憂慮されておる次第であります。なお、これにつきまして
只今改良局でと
つております
対策という点について御
説明申し上げたいと、こう思
つておる次第であります。
昨年の
冷害その他の
災害の経験に徴しまして、すでに本
年度当初より二十八年水稲につきましては、品種の確保或いは品種の転換、
冷害に強い或いは「いもち」に強い、耐冷耐病品種の導入、そういつたことを本
年度当初からすでに手を打
つて参つた次第であります。なお、健苗の育成につきましても、保温折裏苗代の増加という点を奨励励して、昨年以上の苗代面積を示しておる次第でございます。なお、耕種の改善につきましても、早播き早植え、そういつた点を奨励いたしまして、先ほど御
説明があつたように、大体水田移植も相当各
地方、場所によ
つては例外もありますが、大体早期に
田植えができておるような次第であります。そういつた概況に対して技術改良もや
つて来たわけであります。そういう
段階になりまして、本年の
冷害の様相が非常に強くな
つて来たわけであります。これに対しましては、今後取りあえずの問題といたしましては、追肥を抑制する、或いは除草を早く切り上げる、それから病害虫の防除を奨励する、そういつた技術指導の徹底を期したいと思
つております。これにつきましては、技術指導の活動費の増額という点も、今
予備金等千で増額して
地方の普及一員の活動を促進しよう、こういつた点を手を打
つて来た次第であります。今後のこういつた
冷害に対しまして、特にとるべき唯一の
対策というものは病害虫の防除の徹底を基する、こういつた点でございます。
冷害には必ず「いもち」がつきものでございまして、漸く土用に入りまして一昨日頃から天候が回復して参
つたのでありますが、従来は非常に
低温で「いもち」の
発生も余り見られなか
つたのでありますが、こういうふうに温度が急騰して参りますと、非常に「いもち」が多発の
状態に入るわけであります。昨年以上の
発生が予想されております。
只今改良局等で一応七月上旬において
発生予想面積として考えられるものは、全国で百十五万町歩
程度の
発生が予察圃から予想されております。これにつきまして病害虫の防除を徹底する。そういつた意味で事前に手を打ちたいということで
大蔵省とも折衝をいたしておるわけであります。御
承知のように二十九
年度の
予算につきましては、病害中の防除につきましては、農薬の備蓄費と、それから通常
発生の多発地帯の防除農薬の購入等の奨励ということで二億三百万
程度の農薬購入
補助、備蓄に要する金利、倉敷料の助成費、そういう
程度が組まれておるわけであります。こういつた異常
災害に伴う異常
発生というものについての病害虫の防除については、二十九
年度は当初
予算には計上されていないのでありますが、こういつた緊急
状態にな
つて来まして、「いもち」の防除の徹底を期するということで農薬購入
補助というものをして、強制的な、或いは共同防除による早期の、適期の「いもち」防除の徹底を期したい、こういう考えで
只今大蔵省と折衝いたしておるわけでありますが、本
年度当初
予算の病害虫防除費は、
予算が削減された経緯に徴して、
大蔵省でもなかなか難航いたしておるわけであります。
大蔵省の見解としては、
発生予察で
発生が予想されておりますが、まだ
発生が確定的にな
つておる
段階ではないので 備蓄費を増額したらいいじやないか、こういつたような見解で、今
方針問題で対立いたしておる
状況であります。なお、
水害につきましては、九州或いは近畿或いは中国、四国或いは
東北の一部等にも
水害があつたようでありますが、大体六月、七月に早期の
水害がありまして、これについては今苗の輸送或いは予備苗代の設置と、そういつた指導をいたしておるわけでありますが、まだ
地方から
報告は十分来ておらんわけであります。そういう点も
報告を待
つて今後検討いたしたい。こういうような考えでございます。大体以上でございます。