運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-03-16 第19回国会 参議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十六日(火曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    理事            長島 銀藏君            竹下 豐次君    委員            白波瀬米吉君            松本治一郎君            矢嶋 三義君            山下 義信君            野本 品吉君   国務大臣    国 務 大 臣 塚田十一郎君    国 務 大 臣 加藤鐐五郎君   政府委員    総理府統計局長 森田 優三君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君    行政管理庁統計    基準部長    美濃部亮吉君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    総理府恩給局次    長       八巻淳之輔君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○統計法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○行政機構整備等に関する調査の件  (恩給に関する件)   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは只今より内閣委員会を開会いたします。  統計法の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず先回要求のありました統計行政現状について、行政管理庁美濃部統計基準部長から説明を受けます。
  3. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 先月御質問のございました日本統計行政現状について簡単に御報告申上げます。  日本統計調査はいわば非常に分散的に行われておりまして、統計調査それ自体統計局を初めとして、各行政官庁がその担当しております行政事務関連いたします統計調査を各自に行なつておりまして、そうして行政管理庁統計基準部がそれの統合調査に当つているという状態になつておりまして、いわゆる分散的な組織をとつております。これと全く逆に非常に集中的な制度、つまり一つ統計局と申しますか統計調査の担当の機関がございまして、そこがあらゆる統計を全部行うという組織をとつている国もございます、これはカナダとオランダがそういう組織をとつておりますが、大部分の国は分散的に統計調査を行なつて、そしてその間に総合調整をする機関があるというのが普通の状態であり、日本もそういう状態になつております。そこで各省及び統計基準部がどういう仕事をやつているかということは、大体において統計基準部仕事を御報告申上げればほぼおわかりになると思いますので、統計基準部を中心といたしまして日本統計行政一般の概観を申上げたいと思います。  統計基準部各省が分散的に行なつております統計調査総合調整をいたしますのは、第一に法律に基きます指定統計制度という制度によつております。これは日本統計体系上非常に重要であると思われます統計は、私のほうに各省から申請いたしまして、その内容を私のほうで審査いたしまして許可を与える。そうして指定統計指定番号というものを与えることになつております。お手元に配りました資料の第一表と第二表とが只今までに番号を与えました指定統計各省別に一覧した表でございます。  第一表は現在もなお引続いて行われております統計調査であり、第二表は一度限りで終つた調査、或いはその後引続けられておらない調査でございますが、それを全部合せましてはぼ七十、第二表の奄美大島人口統計がほぼ最後でございまして七十に及んでおります。一々読んでその内容を御説明するのは煩項に亘りますので、御質問がございましたならばこの調査内容を御報告いたします。それからこれが日本の一番大事な統計でございまして、これはこういう統計によつて正確な調査ができるかどうか、その結果が信頼性があるかどうか。それから国民に最も軽い負担統計調査が行われるかどうか。或いはほかの統計との比較性比較ができるかどうかというふうな見地から審査いたします。  それから第二段階といたしましては統計報告調整法に基きます総合調整を行なつておりまして、これは極く簡単に申上げますと調査対象が十以上のものであつて、そうしてその結果が統計に作成されるものであつて、そして直接に民間人たち調査対象にする、換言するならば官庁から官庁への調査というものは除かれます。そういうものはやはり行政官理庁統計基準部に申請して、そうして私のほうが承認を与えて初めて調査が実施されるということになつております。これは少し指定統計とプリンシプルが違つておりまして、この報告承認のほうは国民報告義務最小限度にするという見地が主になつておりまして、これは無駄な負担国民にかけるのではないか。ほかの省の統計報告重複して国民が二重に同じ負担をするのではないかというふうな、統計それ自体正確性ということよりもむしろ国民負担の軽減という点に重きをおいて承認を与えております。それは第三表に掲げてございますが、余り多くなりますので調査の名前は省きまして、二十七年度と二十八年度の承認を与えた件数だけを挙げておきました。全部で今日までに三百八十になつております。  それから第四表に届出調査というのがございます。これは統計報告調整法でもまだ抜けますものがたくさんございます。殊に統計報告調整法地方自治団体の行います統計調査ノータッチになつておりますので、その面からも多くの日本で行われます統計調査で私たちのほうに報告が来ておらないものがたくさんあるわけでございます。それは統計法によりまして私たちのほうに届出なければならないということになつております。これは法律上はその中止、変更の勧告をすることができるということになつておりますけれども、法律的に縛る強制力は持つておりませせんで、ただ日本でどういう統計調査がどういう地方で行われているかということがわかりませんと全体の総合調整がどうしてもできないので、むしろ資料を集める、そうして余り目に余つたことがあつたならば勧告を与えるということが主な目的になつております。併しそれは主として地方自治団体の行います統計調査についてでございますが、これは勧告を行いますと大体においてよく聞いてくれまして、法律強制力に基かず大体において私たち勧告を聞いてくれておるのでございます。  それからもう少し私たちのほうの仕事の続きを申上げますと、このほかにつまり指定統計承認報告調査承認届出統計の受理とそのほかに私ちのほうのやつております非常に大きい仕事は、統計における基準設定ということでございます。これは統計というものはそれぞれの省がとりますそれぞれの統計の間に比較性がございません統計の価値というものは非常に落ちてしまいますので、同じような定義で同じような分類方法を使いまして同じような調査対象をつかんで初めて比較することができますので、そういう場合の定義とか基準とかというものを私たちのほうで設定いたしまして、それをできるだけ各省に守つて頂く仕事をしております。  それから更に統計審議会というものがございましてこれは大内先生委員長になつておられまして、そうして統計の重要な基本方針の決定については個々に審議をするということになつております。一番最後の第九表に一昨年の夏から最近までに統計審議会に諮問いたしました諮問事項が書かれております。只今ここで御審議を願つております国勢調査の問題もこの統計審議会の第十八号の諮問事項で議論をして頂いたのでございます。  それから最後に、第五表に各省統計事業予算一覧表がございます。これは調査のための事業費だけでございまして、人件費、つまり統計調査の実施に当つております人たち人件費、それから官庁費というものは含まれておりません。二十九年度の予算では十七億七千万円になつております。そうして日本農業国であることの当然の結果といたしまして、農林省の予算が最も多く十億五千六百万円になつております。それから通産省の二億四千万円、厚生省の一億八千四百万円というふうなもの、それから統計局の一億六千二百万円というふうな順序になつております。この予算につきましては統計基準部法律的な権限はございませんけれども大蔵省のほうと緊密に関係いたしまして、大蔵省予算査定をいたします前に一応私のほうで各省の御厚意に基きまして予算内容報告して頂きまして、それに対して私たちのほうの意見大蔵省に出す。そして大蔵省は大体においてその意見従つて査定をして下さるというように、法律的な裏付けがございませんけれども大蔵省と緊密に協力いたしまして無駄な予算はできるだけ使わず予算を最も重要な点に集中して行くということに努力しております。極く簡単でございますけれども日本統計行政の概略を申上げ、若し御質問がございましたらばお答えいたします。
  4. 山下義信

    山下義信君 前回資料をお願いしておきましたが、本日は極めて結構な資料を頂載し且つ又懇切丁寧な御説明を頂きまして満足するものでありますが、なおこの際一、二伺いたいと思いますのは、例えばいういうあなたのほうで今御説明頂きました指定なり調整なりいろいろやつて頂く政府部内の扱う統計、それのいわゆる活用の程度というものがどういう程度まで活用されてあるかということは伺いたいとも思うのでありますが、例えば経済審議庁あたりでいろいろ作業をいたしますにつきましての資料等はすべてこういうような資料をできるだけ活用しているか。或いは別に経済審議庁あたりが特別の資料を収集してやつておるか、それはまあ一例でありますが、どういうふうな状況であるかということを承わりたいのです。  それからいま一つは、民間のいろいろ非常に重要な資料を持つている、つまり統計等について相当な機関を持つてつて民間のそういう団体等との関連性等はどういうふうになつておるかという点、それれを一つ。二点だけ伺つて私の質疑は済ませます。
  5. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) お答えいたします。第一点の各省がどういうふうに出た調査の結果を利用するかということにつきましては、私のほうは全然ノータッチでございます。利用の面につきましても何か統制統制というほどのことではないがレコメンデーシヨンみたいなことはしたいと思いますけれども、今のところ例えば審議庁経済白書に利用される素材については全然私のほうはタッチしておりません。それからそれぞれ各省がその行政に関します情勢の分析にどういう統計を使うかという御質問は、それは殆んどすべてが統計に作成されるものでございますから、一応私のほうの指定なり承認なりを得たものであることは大体間違いございません。併し中には何と申しますか、行政の副産物として出て来たようなもので、私たちのほうで全然知らないものが使われておることもたまにはございますけれども、大部分指定統計か或いは承認統計かどちらかでございます。  それから民間との問題でございますが、民間のうちの日銀につきましては、日銀統計も直接には統制しておりません指定統計の中にも入りませんし、承認統計の中にも入りません。併し日銀統計局長統計審議会委員にもなつて頂いておりまして、相当密接な関係を持つておりますが、その他の民間調査機関とはオフイシヤルには私のほうは何にも関係がございません。それは民間民間の思う通り統計を発達させるのが日本のためにいいというふうに考えてでございます。ただこの承認統計につきまして民間負担がこれでよろしいかというふうな問題につきましては、特に工業関係統計については常に経団連と相談しております。経団連の中に統計制度委員会というものが作られておりまして、そこで私のほうに報告承認の申請がありましたもので経団連関連のある商工業調査は常にそちらに廻しましてそちらの意見を聞いております。それは漸次中小企業に関するような調査中小企業団体に、或いは教育関係調査はそういう団体にというふうにしたいと思つておりますが、まだ適当な団体が見つかりませんもので、只今経団連だけに相談している状況になつております。
  6. 山下義信

    山下義信君 わかりました。私は統計基準部の今後の御活動御努力が各面に一つ十分効果のある影響をして頂けるように希望するわけです。この際、このたび統計法の一部を改正する法律案審議に際しまして私ども非常に御関係仕事を認識することができて本当に私も喜んでいるわけでありますが、例えば政府が出しまする、つまり経済審議庁作業に関する国民所得の問題ですね、そういうふうなものの正確性等についても、政策的に手加減するのは別として、統計基準部あたりがかなり所見を発表してその裏付をするか、或いは若し誤謬があればそれを指摘するというようなことができたらば、非常に私は政治的にもいい影響があると思う。統計というものは非常に私は、何と言いますか、神聖と言いますか、非違を許さぬ、手心を許さぬ。若し手心をすることを傍観するならば統計というものの権威はなくなつて来る。でありすすから同じ政府部内であつてもいやしくも統計という数字に関する問題になつて来れば、或る意味においては統計の司法的の立場というか、そういうような立場で、政府部内の発表物といえども誤謬がある統計は、統計の元締において或る程度のチエツクをして行くというようなことをされれば、一致と有効ではないかという気持があるので、これは将来一つ御検討願いたい。  それからいま一つ希望をいたしておきたいと思うのは我々議員配付せられる資料であります。今教えて頂きまして挙知した、いわゆる指定統計というようなものの重要なものは、月間統計と言いますか、二、三の刊行物として頂きますが、案は我々が国務を審議する上において非常に必要だと考えられるのは、今御指摘のありましたように各省法令に基き、或いはその他従来の慣行によつて民間のいわゆる一般人民等から届出等によりまして報告を徴しているその資料なんです。これがいつもいわゆる政府部内の事務当局調査報告の結果が握られてなかなか門外不出なんで、それを必要な場合には我々がこういうふうに国会を通じて要求しますると出して来るんですけれども、又その届の結果というものは相当時日を要しましようけれども、これらは実際なまの統計、而も非常に生きた政治をする上においては必要な資料、さればこそ行政府が相当費用を出して取つているのでありますが、こういう資料というものが我々になかなか入手されない。これらも一つ基準部で考えて頂いて、そうしてただ単にそれらを調整されたり、或いは予算等のあつせん等をなさるばかりでなく、それらの得た結果について、一般に公表のできないものもあるかも知れませんけれども、何とか直接政治に関与しまするものに有効に配付のできるように、そういうことも一つ全体の統計仕事をコントロールするという、お仕事の一部として或る種の方法が講じられるかどうか御検討願いたいということをこの際希望申上げておきたいと思います。
  7. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  8. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  9. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この法律案審議する場合、これは委員長並びに事務局に要望しておきたいと思いますが、例えば本日頂いた統計関係法規集とか或いは政府から出された統計行政現状、こういうものは審議に入る前に議員配付するように配慮して頂きたいと思います。でないと、せつかく頂いた資料が無意味になりますし、又私も若干お伺いしたいと思うのですが、それが或いはプリントの中にあるかも知れませんし非常に非能率になりますので、そういう点お願いしておきたいと思います。  それからおそらく先日質疑があつたのだと思いますが、例えば今委員長から御発言になりました簡易な方法による国勢調査ですね、これがどういうようなものの内容であり、更に又各官庁から簡易な国勢調査にこういうものを入れて頂きたいという希望があり、その陳述を一つ聞こうかというような御発言があつていますが、そういうものをプリントにして頂いて、そうして政府としては簡易な国勢調査を、こういうことをやろうとしている、各官庁ではそれではあきたらん、更にこういうものをしてもらいたいという希望があるというようなのを一覧表にして頂いて説明も聞くし質疑すれば、我々委員の頭にはつきり入るし、審議の都合に非常に便宜かと思うのです。だから私はそういうふうにして然る後に伺いたいと思います。従つて私も若干お伺いしたいことがあるのですが、委員各位質疑の点がありましたならば質疑を今日して、そうしてそういう一覧表を出して頂いてそれに基いて説明を聞く、こういうふうにいたしたらどうかと思いますので議事進行として発言いたします。
  10. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記をとめて下さい。    午前十一時六分速記中止    ——————————    午前十一時二十分速記開始
  11. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは速記を始めて下さい。  それでは各省からいろいろ意見を聞くのは次回必要に応じて御出席を願うことにいたしまして、本日はこの法律案について質疑を続行いたしたいと思いますので御質問をお願いします。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この法律案のまあかなめとも申すべきところは、先ほど懇談中に出ました簡易な方法による国勢調査はどのような内容、どの程度のものであるかという点に尽きると思うのでございます。従つて先ほど委員長からも発言がありましたようにこの簡易な方法による国勢調査というものはどういう内容のものか。例えば職業人口或いは産業人口、それらを調査対象にしているのかどうか、又しておつたとするならば小分類程度でなくて大分類程度でやろうとしているのかどうか、そういう点について次回の委員会で御説明願いたい、こういうふうに思います。で、それは先ず次回に譲りまして私若干お伺いいたしたい点は、本日頂いた資料の中にも書いてあるかと思うのですが、これをずつと見た場合、先ほど説明がありましたように分散体系をとつて、そしてこの総合調整をされるという、こういう形態をとつておられるわけですが、非常に重複する場合はないかどうかということと、それからやはり統計の生命というものは基準設定にあると思うのですが、こういうふうに各官庁ばらばら統計をやる、而もそれを各地方公共団体或いは教育委員会等に委任して行つた場合に、下部ではダブなてその要請が来るようになり、又その基準設定の喰違つたためにいずれの統計信憑性があるかというような点についてやはり私は考えるべき点があるんじやないかと、こういうように思いますので、このたびの法律案行政事務簡素化という一環としても出されたと思いますし、又政府においては行政事務簡素化機構改革というようなものもよく口にされておられるのですが、それらとの関連において一応御説明を承わりたいと思います。
  13. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 只今重複の問題でございますが、重複が全然ないとは勿論言い切れません。しばしば重複を発見いたしまして、そうして各省の間で話合をして頂いて、そうしてできるだけ重複はなくすように努力しておりますし、又先ほどもお話いたしましたように私のほうで気が付かないこともありますので、経団連つまり調査されるほうの人たちに寄つてもらつて、あなたがたのところでこういうのは重複していないだろうかということを大体一々聞いてそして承認しておりますから、よほどよくなつているというふうには思われますが、全然ないとはまだ申し切れないと思いますが、その点もだんだんと改善されると思つております。  それから第二は基準設定でございますが、これはお話の通り統計において最も必要な問題でございまして、しつかりした基準がきまりません統計比較性が全然だめになつて統計統計として役に立たなくなります。それで産業分類であるとか、職業分類であるとか、或いは地域分類であるとか、それからそれぞれの定義であるとか、そういうものはできるだけ統一いたしまして各省統計ですべてできる限りそれを使つて頂く、併し何しろそういう標準は非常にたくさんの必要のある公分母みたいなものでございますから、行政上それがどうしても使えないという場合が非常に多くございます。そういう場合にはその標準分類なり、定義に組替えられるような形で統計をとつてもらう。そうしてできるならばその行政上必要な統計と、比較を保つための統計と、組替えた数字と二つ出して頂いて、そうして他と比較する場合にはその組替えたもので比較するというふうにしております。これは単に国内的な問題でございませんで、統計は非常に国際的になつていて、外国の統計との比較性という問題が現在は非常に大きい問題になつて来ておりまして、国連からもたびたびこういうふうなスタンダードでとつてもらいたいという要求が非常にたびたび参ります。そうして私たちもできるだけ国際的な比較性を保ちたいと思いますので、できるだけ国連要求には副いたいと思つておりますが、国情の違いや何かからどうしても副えない場合が出て参ります。そういう場合には日本の国内の統計を、只今も申しましたように国際的なスタンダードに組替えられるような形でとつて頂いて、そしてそれを組替えて国連には報告するというふうにして、この基準設定に随分苦労しております。勿論まだ完璧ではございませんでやらなければならないところもたくさんございますが、今後ともその点は改善して行きたいと思つております。  それから予算の問題でございますが、率直に申しまして統計予算全体として一方においては相当に節約してもつと合理化できると思われる面がありますと同時に、又どうしてもこういう部面における統計はなければならないのだけれどもないというものがございます。それでありますからこの前も答弁いたしましたが、大蔵省とできるだけ協力して、重複ということじやなくても無駄なほうはできるだけ節約して、そうしてどうしてもやらなければならない統計部面に廻してもらうというふうにして、大蔵省のほうともできるだけ協力している次第でございます。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私せつかく質問を始めましたが、衆議院との公的な会合が私、責任者立場で持たれておつて、催促が参りましたので甚だ申訳ありませんが、次回に一つして頂いて今日の質問は打切まりす。
  15. 山下義信

    山下義信君 私は最前美濃部部長には希望意見として申述べておいたのですが、幸いに塚田長官が見えましたので長官にもお願い申上げて所見伺つておきたいと思う。実は簡単な統計法の一部改正法律案でありますが、いかに統計というものを重視すべきかというので委員会熱心に長時間やつておられるわけですが、そこで私は先ほど美濃部部長希望いたしましたのは、統計基準部がいろいろ政府部内の各種の統計事務をできるだけ調整し、できるだけ統括しようというように非常に努力しておられるようでありますが、せつかくのこれらの統計をいかに生かすべきかということで、直接我々の身近な問題として国会議員の我々にこの統計資料が若干は配付を受けて、又ときどきまとまつて要覧等にまとめてもらつている、又月報等も時々もらつているのでありますが、まあ極力そういうことも一つ御尽力を願わなければなりませんが、殊に私が指摘いたしましたのはこの政府部内で法令等によつて民間から報告を徴するいろいろ統計資料があるわけなんです。これらの調査報告要求しますることも民間側においても非常に迷惑を感じ煩雑の労に堪えないということをしばしば訴えられておりまして、自他周知のことである。政府におきましてもできるだけそういう民間の迷惑を少くするための法令等改正についても御検討やに承わつておりますが、それはともかくとしまして、現在各省を通じまして千数百の届出義務を課してそういう資料を持つておるわけであります。私は、たまたま昨日の本会議政府行政整理定員法につきましての質疑があつた中に、我党戸叶君が御質問申上げて官僚独毒の弊を打破することについての所見を述べておつたようでありますが、私ども与党、野党にかかわらずいやしくも民主政治、政党政治を念願している者は、この官僚独善の弊というものにつきましては超党派的に考慮しなくちやならないと私は考える。先ず長官も御同感だろうと思う。然るにこれらの官僚のいわゆる強さ、悪い意味の強さはどこにあるかといえば、彼らが国費をもつて徴したところのいろいろな報告資料というものを官僚のみが握つてこれを公開しない。そしてそれをもつていわゆる独特の強味を発揮している。政治家が太刀打できないことは、彼らが新しい資料を握つてそれを秘かに持つておるということにあることは御承知の通りであります。政府でとりますとそういうものを徴しやすうございますから、便利でありますが、与党はいつまで与党じやないのでありまして、これらはお互いに党派を越しまして政治の発達を希いまするためには、こういうふうな何も軍事機密じやないのです、国内政治のこういうものはオープンにできるだけ早く、いやしくも国政に関与しまするものには速かにそれらは資料として公開される方法はないものであろうかと私どもはしよつちう思うのです。国会委員会等を通じまして気が附いて要求すれば出しますけれども、併しそれも極めて適切に有効的に時宜を得て、御承知のように進んでは出しはしません、そういうようなことでありまして、せつかくの私どもはそういう生きた資料がどうすれば我々議員の各位の手に渡るような方法はないものであろうかとしよつちう考えております。アメリカの御承知の国立図書館を中心としての、これは竹下理事もおいでになりましてよく御承知でありますが、この種の資料議員に渡ります方法等も行届き、而も極めて速度がはやい、こちらのほうにも国会図書館いろいろありまするが、これを通じまして我々入手しますることも非常に現在では十分でないわけです。それで私はせつかく統計基準部等が設けられまして、比較行政部内の全部に亙つてのいろいろ統計の取り方その行政の行き方につきましては成るほどよく考えて、かなり従来よりは一歩進められまして、或いはこの仕事が後退しているか、前進しているかわかりませんが、目了承わるところによりますと、若干の御苦心も見えるようであります。  先の委員会で同僚野本君が指摘されましてせつかくいろいろな統計を調べさして、或いは民間人を動員したりして協議さしたりして、その結果を統計を集めた者にも知らせないということは統計に対する熱意を喪失させるものだということを言われましたが、私は非常にいい意見だと思つて感心いたしましたが、そういうふうな資料基準部がそれを更にいかにして多く民間或いは関係者にその結果を供給しいかに活用させるかという面が統計だけは作り上げるのだが、御利用はどうぞ御随意になさい、何か印刷物、刊行物にして一応出しますから、目のある者は御覧なさい、目のないものはそれだけ利用しないのだ、いろいろ各種の統計がございますからという程度でなしに、いま少しくこれらの統計一つには国民或いは又直接の関係者にはそれを供給できるようなそういう活動の面について御考慮が願えれば、非常にこの二十億に近い国費を投じまして、私どもはこれでは少いと思いますが、国政の上に裨益するところが非常に大きいのではないか。お互いに今日では我々の議員で申しますれば必要な統計資料が手元にないことが実にもういつも不満足に感じておるのでありまして、そういう点につきまして先ほど私は御考慮を願いたいという希望を申しておいたのでありますが、長官に重ねて申上げて御所見を伺いたいと思います。
  16. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘の点は私もお話を伺つておりながら誠に御尤もだと思うのでありまして、実は私も統計基準部を自分の所管している管理庁の中に持つて参りながら一体日本にどんな種類の統計があるのか、よくまだ承知しないくらいでありまして、せめてどういう種類の統計というものが政府各省の手で作られているかということくらいはやはり皆様方にお知らせ申上げておけば、何かの機会にじやこういう統計はどうなつておるかというようなことで又お尋ね頂ける節があるのじやないかと考えるわけであります。どちらにいたしましても作ることは御利用願うために作つているのでありますよら、御利用願えるようないろいろな方法一つ今後とつくりと本格的に検討してみまして、御希望に副うように努力したいと思います。
  17. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ほかに御質疑ございませんか。……それではこの統計法の一部改正法律案の件について私から塚田長官にお願いしておきますが、この出されております法律案では、もう直ぐやりますところの昭和三十年の簡易なる国勢調査にどういう内容のものをやるかということが具体的に現われておらんので、政府部内でもいろいろと要望されている統計があるように思います。こういう点について一つ次の委員会には取りあえず昭和三十年にはこれこれのものをやるのだという一応の具体的な説明をして頂くようにいたしたいと思いますので、それを一つ御検討願いたいのでお願いしておきます。それでは本法律案質疑は次回に続行いたすことにいたします。  ちよつと速記をやめて下さい。    午前十一時四十一分速記中止    ——————————    午後零時九分速記開始
  18. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。  それでは次に行政機構整備等に関する調査中、恩給法に関する件を議題といたします。本件にいつて大臣に簡単に御説明を申上げておきますが、先国会において恩給法の改正政府から出されました際に、不健康業務に従事する者に対する条項について当委員会は、政府案が本年一月末までというふうになつてつたのを、三月末日までに変更したわけです。それは私などの考え方では、人事院から公務員退職年金法が勧告されるであろうから、そうなれば当然それまでに政府が本国会に退職年金法を提案せられるであろうということを実は考えておつたわけですが、それが間に合わんようです。従つて不健康業務に対する恩給の加算の問題を、そうなれば政府のほうで退職年金法の成案されるまで延長するように御提案願うことが一番いいのではないかと実は思つているわけなんですが、そういうお考えがないかどうかというような点について一つ説明願いたいと思います。
  19. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) ちよつと御あいさつを申上げます。私今度人事院の給与に関する担当を命ぜられたのであります。何分素人のことでございますからよろしく御支援のほどをお願い申上げます。  只今委員長から加算の問題につきまして今までの経過御説明を承り、且つ又今後加算の延期をする政府において用意があるかどうかという御質問でございましたが、これは只今説明のありましたごとく、すでに六カ月の延期が更に国会の決議によりまして八カ月延期されているでありまするが、この不健康業務に関しましては従来においてはいろいろ手当などが加えられておつたのでありまするが、只今状態におきましてはすでに不健康に対する手当というようなものは俸給の間にみな含まれているが故に、これをすでに三月末日ということになつておりましたのを更に延期するということは政府として考えておらないのでございます。今まで御承知のごとく軍人恩給などにおきましては、いわゆる不健康業務よりもひどいところの業務に従事しておりました者でもそれだけ加算は只今は認めておらないような次第であるのであります。これ以上延期するというような考えは只今つておらないのであります。
  20. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御質疑ございませんか。
  21. 野本品吉

    ○野本品吉君 政府のほうで不健康業務に従事しておる者に対する恩給の扱いを更に一定の期間延長するという考えはない。その理由の大きなものとして軍人等の加算がなくなつたからと言う。そこで私は根本の問題として大臣にお考えをお聞きいたしたいのですが、旧軍人軍属等に対する恩給の復活が日本の財政の上に非常に大きな関係を持つて来る。従つてどうしたらば財政支出の厖大になることを抑制し得るかという考え方から出発して、旧軍人軍属等の加算というようなものを省かれたのだと私は考える。そこで問題は、旧軍人軍属に対する考え方を公務員にすぐ適用して来るという考え方については野問なきを得ない。そこで私は年末旧軍人軍属の恩給は臨時措置法というような形において取扱うのが適当であるという考え方を持つている。そこで軍人軍属の恩給と公務員の恩給とを同じ考え方で扱おうとすることは、相当問題であると、こう思うのですが、それについての大臣のお考えはどうでございますか。
  22. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私はたまたま軍人恩給という言葉を使いましたのですが、軍人恩給においても然りとこういうことでありまして、その他一般公務員といたしましては不健康の業務に従事している者といたしましては、例えばらい病であるとか或いは伝染病のペストとかコレラとか、結核であるとか、炭鉱の坑夫であるというような者にも一々そういうことをいたしますると煩雑でございまするし、のみならずそういう不健康及び危険な業務に従事している者のに対しては、給与の点においてそれが相当含まれているのだとこう思いまするが故に、特にその者に対して更に加算をするということは我々はどうかと考えるのでありまして、軍人恩給ということを申しましたのはたまたま私としてはわかり易く言う意味において申したことでありまして、ただ軍人恩給にとらわれているということのみではございません。その他いろいろの業態の危険な状態、不健康な状態の業務に従事している者は、只今申上げましたごとくすでに本俸とか給与の分にそれが見込まれておるのでありまするが故に、更に加算をする必要はなかろうとこう思つておる次第でございます。
  23. 野本品吉

    ○野本品吉君 不健康業務に従事しておる者の退職後の生存年数というようなものが一般の公務員比べて相当短いということはいろいろな数字がこれを証明しているように思う。このことはこの業務に従事している間の給与が幾分でもよく見られているということだけでは解決のつかん問題だと思う。  それからもう一つは、不健康業務に従事している者がその業務に在職中或る程度の給与が恵まれておるというようなことであつても、それが他の職務に転じた場合にはなくなつて来ると思うのです。そういうようなことは、これは在職中の給与でカバーするということでは根本的な対策、適当な対策であるというふうに考えられない節があると思うのです。このことについてのお考えはどうでございましよう。
  24. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 不健康の業務に従事なさいますかたが、僅かの期間というのであればこれは別でございますが、長いことそこに勤務されました以上は、その特別な優遇と申しまするか、不健康業務に対しての給与はそれだけふえておりますが、その上に恩給がつくと思いますが、不健康業務以外のかたとは恩給の率も違うであろう、こう思うのでございます。
  25. 野本品吉

    ○野本品吉君 不健康業務についておる期間中の給与は、他の業務に転じた場合もそのままで行きますか。
  26. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 今のお尋ねでございますが、その不健康業務に従事した職種から他の職種に変りました場合、それはそれぞれの俸給のグループというものがございまして、それによつて適当な切換えというようなことも行われるのじやなかろうか。同じような職種の幅の中であれば、それはそのままの号俸の適用がされるでありましよう。全然違つた職種であれば違つた俸給、号俸が適用になるわけであります。具体的な例に当りませんとちよつと何とも申上げられません
  27. 野本品吉

    ○野本品吉君 不健康業務に在職中退職されたかたの恩給裁定の基準俸給というものは、それは恵まれて、或る程度増給と申しますか、されておる俸給が基準になる、その人が他の然らざる職種に転じた場合、不健康業務に在職中やめた者と同じ扱いになるかということなんだ。
  28. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 他の職務に転じますと、結局恩給は退職時の俸給を基礎にして恩給を支給する、こういうことになつておりますから、不健康業務に就職当時の俸給額を基礎にいたしませんで、それから変つてやめたときの俸給が基礎になる、こういうことは恩給法の建前になつております。
  29. 野本品吉

    ○野本品吉君 そうしますと不健康業務から他の職種に転じた場合には一応減額された最終俸給で裁定される、こういうことになるわけですね。
  30. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 例えば私が先刻申しましたごとく、らい病を扱つてつた医者とか或いは伝染病を扱つた医者というものがほかの職務に転じて低くなるということは、実際においては私は、その業態自体が専門でありますが故に個々を探しますればそういう今あなたのおつしやるような不均衡な場合があるかも知れませんが、大体それは不健康業務に従事しておる者は先ず専門家だと思いますが故に、特別の場合を除けばそういうことはなかろうではあるまいか、こう思つておるのであります。
  31. 野本品吉

    ○野本品吉君 不健康業務についておる者の給与が他の職種に比べてよく扱われているその具体的な事例をお聞きいたしたいと思います。
  32. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ちよつとそれに関連して。今大臣のお答えのように一度不健康業務に従事して優遇された者がほかの職種、普通の業務に移つた場合にその収入を減らす、これはまあ大体ないだろう、よくわかります。普通の業務から不健康業務に移つた場合にすぐに一割とか二割とかいうような増給があるのでしようか。あるとすればそういう何か規定でもありますか、その点も一緒に御説明願いたいと思います。
  33. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 大体不健康業務であるとかいう職種につきましては、それぞれ特別の俸給号俸の表が適用になるわけでございますが、従つてそうした職種に移り変りますることによつて、その一般の俸給号俸よりも高く定められた俸給号俸が適用されることになる、こう考えます。
  34. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 関連して私は実例をお尋ねしたい。号俸が上るのか。私は規定を細かいことは存じませんのでお尋ねが少しぼけるかも知れませんけれども、移つた場合に実収額がふえて行くかどうかということをはつきり説明してもらえばいい。それがありましてそうしてほかに行つた場合に下らないということだつたら御説明の筋が一応通ることになるのです。ただ不健康業務のほうに従事する者は優遇するのだという観念だけありましても、それが実行に移されなければ何にもならないわけなんです。その点をお伺いしているのです。
  35. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 一般の給与法におきましてもその他の給与法におきましても、この格付をいたします場合に他の職種からその職種に変つて来た場合に格付の仕方というものがきまつております。
  36. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 それは実行されておるわけですね。今はどのくらいありますか、具体的に説明してもらうのが素人には一番わかるのです。法律の規定がどうなつているからという説明よりも、例えば月収一万三千円の者が普通の業務におる、それが危険業務に移つた場合にはその何分とか何割とかいうようなものがふえるということになるのでしよう、そこを具体的に一つ。お医者さんとか看護婦あたりにはないかも知れませんが、鉄道の機関士とかそういうものは大分ありそうに思われますね。それから鉱山の中で働く従業員とかいうようなものがやはり入つておるのじやありませんか。よく存じませんけれども、いろいろあると思いますね。私のお尋ねしている気持はおわかりだと思つておりますが、ただ観念じや困るというわけです。
  37. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今の御質問でございますが、これは余りに実際問題でありますので、例えば機関士の問題のごとき一応実際に調査いたしまして、適当な時期にお答えいたします。
  38. 野本品吉

    ○野本品吉君 戦犯者の恩給の問題、それから援護法の適用者で先般の改正によつて一般恩給法で処理されている人たち、これらの間にいろいろと従来問題があるように思うのです。それらの問題についてどうしようというようなことについて何かお考えがありますかどうですか、お伺いいたします。
  39. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 軍人恩給の現行法につきましては改正すべき点があると存じますが、近く法案を提出いたしたいと、こう思つておるのでありますが、戦犯者に対しましても只今の考えといたしましては、その本人に代つて留守家族に支給するようにいたしたいと、こう思つているわけでございます。その他恩給法の一部を改正する法律案というのは近く提出いたすつもりでございます。その折女御説明したり御質問に応じたいと思います。戦犯者に対しましては只今のようなつもりで法案を提出する予定でございます。
  40. 野本品吉

    ○野本品吉君 戦犯者の場合それを恩給法で行きますか。それとも援護法というような考え方で行きますか、どうですか。
  41. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 恩給法の改正にそれを加えたいと思います。
  42. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 先ほど大臣の御答弁のうちに、不健康業務者の恩給加算の問題を取扱うということになると軍人恩給のほうの旧軍人の恩給加算とかいう関係の権衡の問題もあるというようなお話だつたと私は伺つたのですが、私自身もそういうことを考えますが、この委員会におきましてこの前あの旧軍人の恩給法を通しましたとき、これは大臣直接の御所管でありませんから御存じないかも知れませんが、実はあの法案は非常に不完全で又ほうぼうに不均衡な問題が多く、一口に申しますればいろいろ具体的な話も出たのでありますが、それでできるだけその不均衡を早く是正してもらわなければならないという希望を強く出して、この委員会としまして実は通過させた、何分不均衡であるからと言つてそれを否決するとか、或いは握りつぶすというようなことになりましては、多数の人が首を長くして待つておられる際でもあるから、それも罪な話であるからということで一応曲りなりにもそれを通した。そしてできるだけ早くそれを何とかしてもらうように政府にお骨折を願わなければならないというようなことで、これはまあ皆殆んど全部の人から繰返し繰返し政府のほうに、希望いたしまして通過させたようないきさつがあつたわけなんです勿論政府のほうでもその後も着々と御研究下さつているだろうと思いますが、まだその後日数もそうたつておりませんしお取込みもありましたのでどのくらいまで御研究になつておりますか、その点を簡略に御説明願いたい。
  43. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 旧軍人の恩給に関しまする法律百五十五号の規定につきましていろいろ御意見もあるかと思いますけれども、そして又私どもも研究はいたしておるわけでございますけれども、本国会におきましての改正の点は先ほど大臣から御説明申上げましたような点に関してでありまして、その進みたいと思つております。
  44. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 さつき申しましたように希望を付して法案を通したのでありますから、その後実際の又結果を見ますと、或る場合には援護法よりもこの恩給法によると減つてしまう人まであるというようなことまで実は出て来ているわけでありまして、政府のほうではよほど誠意を持つて急いで御研究願わなければならない非常に大事な問題だと私はつねに考えているわけでございます。ただまだ日がそう余りつておりませんから、今までの行きがかりがこうであるからと言つて政府との関係も考えずに委員会でただ言うのもどうかというような気持も私自身は持つておりますわけでございますけれども、ただそういう意味でお尋ねしているわけなんで、それから大臣に特に私希望を申上げておきたいのは、申すまでもなく恩給の問題は非常に複雑でありまして、事務的に見ますとこれくらい面倒な細かく頭を使わなければならん問題は比較的少いのじやないかというくらい、むずかしいうるさい問題であります。で今日までたびたび開かれました委員会の経過を見ますと、どうも政府のほうで事務当局に任せ切つておられるのじやないか、五百何十億というような大きなわくを授けられるのでありますが、それから先はすつかり事務当局に任せておられて、余り大臣はお聞きになつておらないのじやないかという感じをされることが繰返されております。これは大臣のほうではお忙しいのでございますしいろいろな方面のことで時間もない。そうして非常に細かい問題ですから、ゆつくり聞く暇もないのだというような事情もおありだろうということも一応察しが付くのであります。それから一方事務当局のほうでは大臣に聞いて頂きたいが大臣は忙しいのでなかなかゆつくり聞いてくれそうもないというので遠慮しているのではないか。両方とも私は相当当つているのじやないかという気持がするのであります。今日まであなたの御就任になる前、所管の大臣が来られましても、この席における御答弁がとてもぼけておりまして、まあ我々一生懸命やつている者としては非常に不快な思いをさせられることがたびたびあります。まああなたが今度所管の大臣としてこれをおやり下さることになりましたので、お忙しいでしよらけれども、できるだけこの後は事務当局をたびたび呼んで頂いて、積極的に一つ話を聞いて頂きたい。まあ我々としてはどうしてもやはり議員立場といたしましては、大臣相手にそう細かいことまでお尋ねいたしませんけれども、大筋だけはわかつておいて頂きませんと、事務当局だけを相手にしておつては話にならないのであります。私も非常に遺憾に思うのであります。その点を特に私からあなたにお願いをいたしまして、今まで繰返されたことのないようにお努めを頂きたい、かように存じております。それだけでございます。
  45. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今の御注意一応御尤もだと思います。戦争の一大犠牲者は軍人の遺族でございます。国会議員として軍人恩給の復活を熱心に主張をしたものでございます。今後御注意の点もございましたので一層大局の点において華族当局を指導し私も勉強して、できるだけこの犠牲者に報ゆる途を講じたいと存じております。
  46. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 戦争犠牲者並びにその他遺族に対しまする恩給法の改正審議に当りまして、日本と同じような状態になつている国がドイツなり或いはイタリーなんかもあるわけでありますが、そういう比較日本と国情が似ている国の恩給資料審議の材料としてほしいと考えるわけでございますが、只今どこの国のものかお手元にございますか、お尋ねしたいと思います。
  47. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 只今私どもの手元にドイツ、イタリー、アメリカ、イギリスの分はございます。併しドイツの分は外務省のほうの戦犯室なりその他のほうから入手しましたもので、必ずしもはつきりしない点もございますけれどもできるだけ整備いたしまして御希望に副うようにいたしたいと思います。
  48. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 今後審議に当りまして頂戴できますか。
  49. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) ドイツの分は目下翻訳中でございましてできておりませんが、ほかの分は翻訳してございますから差上げられると思います。
  50. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは大臣にちよつとこれは抽象的な質問になるかはわからんですが、あなたの考え方を一つお聞かせ願いたいと思うのですが、例えば仕事をしておるうちは給与で或る程度カバーして行ける、業務に従事しておる者が若し現在の恩給法の年限だけ勤務ができないというような事情にある職種があるとすれば、その際は何らかの考慮を払わなきやならん必要性があるのじやないかと思うのですが、この点については大臣どうお考えになりますか。
  51. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今の御質問は、恩給年限に達すれば、不健康業務に従事しておる者は本俸その他の給与のうちにそれを含んでいる、優遇の途は講じられるが、中途で死亡した者に対しては、それが含むかどうかという御質問であろうと、こう思いますのですが、それは一時賜金その他の方法によつてそれが含んだ意味の支給がされることになつているのでございます。C委員長小酒井義男君)その場合例えばそういういう例が大勢のうちで少数の人があると、そういう場合にはそれでいいと思うのですが、一つの業種全体の平均をして見てそうした勤続が困難だというような業種があるとすれば、やはり恩給の上で考えて行くことのほうが妥当でないかと思うのです。例えば百人のうちに一人とか二人ある場合でしたら、今大臣のおつしやつたような措置でも処理できると思うのですが、多数の者のがそういう状態にあるということなら恩給で考えるということが必要じやないかと思うのです。
  52. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 今のお尋ねでございますけれども、或る業種によつては十七年、恩給がつくまでは到底勤務できないという職種があるかどうかということについて私どもよくわからないのでございますが、恩給法の建前はそういうものは前提にして考えておらないと言つてもいいのじやないかと思うのでございます。
  53. 野本品吉

    ○野本品吉君 もう一つお伺いしておきます。警官その他の恩給の在職年限が一般のものよりも短縮されている。それから若年停止の年齢が引下げられている、これはどういうふうに御説明願えましようか。
  54. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 警察監獄職員につきましては、十七年の普通恩給の年限が十二年になつておりますが、これは沿革的な事情がございまして、昔は警察監獄職員というようなもので安い俸給で働いておつて、それで而も安い俸給に縛られて警察監獄職員として勤務しておるという人に対して、成るたけ短い期間で恩給がつくようにいたしまして、その損失補填能力をカーバしようと、こういういきさつからその年限が短縮されているのでございます。そうしてたださつきお述べになりました若年停止の規定につきましては、警察監獄職員につきましては別に特別な取扱をいたしておりません
  55. 野本品吉

    ○野本品吉君 給与が悪いからという御説明ですが、こういう考え方は間違つているでしようか。それは警察監獄職員が或る意味における危険業務である。それからして勤務は何と申しますか夜も昼も時間などを超越して勤務しなくちやならん。そういうような職務であるが故に在職年数を短くしてあるのだ。私はそういうふうに考えるのでありますが、いかがでありましようか。
  56. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 警察監獄職員につきましてこういつた十七年が十二年に短くされていると、こういう措置はまあ相当沿革的なものもございまして、今の体系から見直しました場合に果してこれが妥当であるかどうかというような問題もございましようけれども、この十二年に短くなつたといういきさつのもとは、今申上げましたように給与が安く、そして又それを長年勤務いたしまして社会に出てもつぶしがきかないというような理由からいたしまして警察監獄職員に対して特に十二年で恩給が付くようにしたと、こういうふうに私は考えております。
  57. 野本品吉

    ○野本品吉君 まあ沿革的に見てそうなつているからということですが、現在の勤務、待遇というようなものは歴史的な過去の事実で現在を律するというようなことはどうかと思うのですけれども、どうでしようか。  お答えができないようですから質問をほかへ転じたいと思います。これはまだ成立するかしないか未知数でありますが、今度保安隊が自衛隊となり、保安庁が防衛庁になり、そしてそれらの人たちは直接侵略に対処する、こういう使命を負わされるようでありますが、そうなつた場合に恩給というような事柄を今まで通り一般公務員としてお扱いになるか、それとも特別な制度規定というものをお考えになりますか。この点についての大臣の一つお考えを承わりたい。
  58. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 保安隊の職員の恩給につきましては只今のようなこともあり得ると思います。昔の軍人と同じような危険の場合に遭遇することがあり得ると思います故にこれに加算を認めるかどうかということでございまするが、只今のところはさような考えを持つておりません。ただ今後その問題は研究すべき余地が多大にあると思いますが、只今のところでは旧軍人恩給のごとき加算を認めるつもりは持つておりません
  59. 野本品吉

    ○野本品吉君 現在はそれをどう扱うかということのお考えはきまつておりませんけれども、将来は十分考えてみる必要がある問題であるというお考えでございますね。
  60. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 御質問通りに将来は考うべき問題であるとこう思いますが、只今のところではさような加算を認める考えは持つておりません
  61. 野本品吉

    ○野本品吉君 先般のお話によりますと、人事院の勧告の問題を中心にしてまあ公務員制度一般についての審議会を新たに設けられるというお話です。その審議会の設置ですが、だんだんお進みになつておるんですか、もうでき上りましたのですか、いつ頃から動き出しますのですか。
  62. 加藤鐐五郎

    ○国務大臣(加藤鐐五郎君) 公務員の問題に関しましての審議会でございますが、これはまだ政府におきましていろいろ昨今研究いたしておりまするが、近くこの委員の選定もいたしましてその上発足いたしたいとこう思つております。今着々準備中でございます。
  63. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 他に御質疑ございませんか。
  64. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 いろいろお尋ねしたいのですけれども、又の機会に……。
  65. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは本件に対する質疑は次回続行いたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会