○
説明員(関之君) お答えいたします。その点に関する理由は、私
どもは次のように考えておるわけであります。
公安調査庁がスタートいたしまして丁度二年三、四カ月に相成るわけであります。そこ
只今いろいろ
岡田委員と
高橋次長の間で
お話になりました
公安調査庁の
調査の実績がどうな
つておるかというような点でありますが、私
ども破防法によりまして
破壊的団体を規制するという、そういう
責任を持
つているわけであります。その
責任を果す観点から見まして、二年の私
どもの
調査の実績が一体どの
程度に相成
つたか、そこで私
どもの
責任を果すという上から見て、それは果して満足すべきものであるかどうか、将来から見てその点がどうかと、こういうような問題が
予算編成の最初のスタートに相成るわけであります。そこで考えてみまして、二年や
つてみて
破壊的団体を規制するというその証拠
資料の収集において十分であるかどうか、こういう点を反省いたしてみますると、どうもその重大なる
責任、特にこれは規制の
事務は結局裁判所の訴訟
事務になるのでありまして、訴訟の
段階にな
つても十分にこれを立証し得ると、これが
破壊的団体であ
つて破壊的団体が破壊
活動をして更に将来これに継続文は反復して破壊
活動を行う危険があるという、これらの構成の要件を十分こ立証すると、こういうような点から見ますると、どうも二年の実績から見てまだ十分ではないじやないかと、更にこのままにて然らばいいかと、まあ結局私
どもの率直な気持といたしましてこの破壊
活動ということが結局起りまするならば、これはとんでもないことだと、全く取返しのつかんことだと、そういうような点から考えまして、二年のここで一応とにかく総検討をしてみて、そうして更に私
どもの
役所の
責任を果す観点から今の人で十分か、今の
予算で十分か、更に全体の
調査の
職員の教養、施設、その他において十分か、こういう点を反省いたしてみまして、ここで結局どうもこの際
増員ということは大変
行政機構の簡素化の上から私
ども請求しにくい点でありまするが、一方においてそれらのしにくさの点と、そして破壊
活動規制と破壊
活動という国家の治安全体における重大な問題を秤にかけてみましてやはりこれは必要最小限度の
増員をお願いして、そうして
責任を果さざるを得ない、こういうふうに考えまして結局五百十人の
増員をお願いいたしたのであります。ここで然らばまあ人がどういうわけで不足するというふうに考えたかという点でありますがこれは
只今次長から
お話がございましたように、千六百余人の
職員を全国の各地に配置するわけであります。配置いたしますと、一局例えば、一局というのは一県でありますが、具体的に申しますと、栃木であるとか、群馬であるとか或いは岐阜であるとか或いは熊本であるとかすべて同じでありますが、そういうような県は約三十一県、三十一県に十人しか
職員の配置がないわけであります。ところがその十人の
職員の配置されておるところのその県における具体的な破壊的分子、これは日本人
朝鮮人を含めての破壊分子でありますが、それぞれ千人乃至数千人に上るのでありまして、これを十人の
職員を以て
責任を果すということは実際から見まして非常に困難な
仕事でありまして、
職員にオーバー・ワーク、過重な負担をかけておるわけであります。このために病気に
なつたり或いはどうも
責任の重大さを考えて夜昼や
つておる。もう公務員とは考えられないような勤務状態を以てむずかしい
仕事に取組んでや
つておる。こういうような実情であります。三十一局に十人、五局が二十人、三局が三十人、四局が四十人、こういうような状況に相成
つております。これらの数から見まして結局どういうことになるかと申しますと、例えば熊本県に十人であります。そうすると熊本市に若干六、七、八人おる。あとはそれで以て
調査をしなければならんのでありますからして、遠い
地方には駐
在官等を常置さしておく、そういうような
体制をと
つておるわけであります。岩手県のような大きな所も十人であります。そういたしますと、太平洋海岸においては一年に一回行けるか或いは行けないかというような
調査の実情に相成
つておるわけであります。盛岡市を中心とする破壊分子の
活動を調べるのに十人で手一ぱいであります。東海岸のほうにはどうもなかなか行けない。そういうような実情でどうも思うような
調査ができないというような地点ができておるわけであります。それらの地点が主な事由となりまして、十分な証拠
資料の裏ずけができない、こういうことが
一つの原因と考えられたのであります。そこでそれらの点を各府県の実情に即して現実
一つずつ検討いたしまして、その結果ここに五百十人の
増員を、誠に
行政機構簡素化の折から申し出にくいことでありますが、お願いする、こういうようなことにして今
大蔵省と折衝中であります。