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1954-09-20 第19回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月二十日(月曜日)    午前十一時三十八分開会   —————————————   委員の異動 八月十七日委員竹下豐次君及び野田俊 作君辞任につき、その補欠として高瀬 荘太郎君及び楠見義男君を議長におい て指名した。 九月七日委員岡田宗司辞任につき、 その補欠として松本治一郎君を議長に おいて指名した。 九月十四日委員長島銀藏辞任につ き、その補欠として井上知治君を議長 において指名した。 九月二十日委員井上知治君、矢嶋三義 君及び木村禧八郎辞任につき、その 補欠として長島銀藏君、岡田宗司君及 び平林太一君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    委員            高瀬荘太郎君            西田 隆男君            岡田 宗司君            堂森 芳夫君            松原 一彦君            平林 太一君            野本 品吉君   国務大臣    国 務 大 臣 木村篤太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    防衛庁次長   増原 恵吉君    防衛庁経理局長 石原 周夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○議員派遣要求の件 ○派遣議員報告行政機構整備等に関する調査の件  (昭和三十年度防衛費に関する件)  (自衛隊北海道移駐現状に関す  る件)  (国防会議に関する件)   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 只今より委員会開会いたします。  本日より明後日までの三日間開会いたします予定の当委員会の日程につきましては、お手許に配付いたしました印刷物によつて一応御承知のことと存じますが、改めて御報告を申上げておきます。  第一日の本日の委員会では、議員派遣の件について御決定願つた上で、過般主として北海道駐屯自衛隊現状を視察されました派遣議員のかたから調査報告をお願いいたしまして、それに引続いて防衛庁関係についての調査を進めます。第二日の明二十一日には海上保安庁関係について、又第三日の明後日、二十二日には、総理府恩給局関係調達庁関係についてそれぞれ調査を進めて行く予定でございます。
  3. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 先ず議員派遣の件を議題といたします。当委員会では去る八月の九日の委員会北海道へ三議員派遣決定され、白波獺岡田矢嶋の三委員派遣されたのでありますが、なお、第十九国会に行われました行政機構改革、特に人員整理に伴いまして各行政庁地方出先機関現状調査いたしておくことが、今後当委員会法案審査等の上に必要と思われますので、この際関西方面への議員派遣決定を願いたいと存じますが、如何でございましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  派遣地方調査期間派遣議員の人選、その他所要の手続は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは御一任を願うことに決定をいたします。
  6. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 次に派遣議員報告の件を議題といたします。岡田委員報告をお願いいたします。
  7. 岡田宗司

    岡田宗司君 内閣委員会決定に基きまして、八月二十六日より九月一日までの一週間、白波瀬委員矢嶋委員、それに私と、それから正式の派遣議員ではございませんでしたが、これに野本委員が加りまして、北海道に参りまして、北海道陸上自衛隊を視察調査して参つたのであります。  北海道は御承知のように、北部方面職部というものが設けられましてその下に第二管区隊、それから今度新設の第五管区隊が置かれ、更にこれらの両管区隊のほかに、北部方面総監部直轄部隊がございます。第五管区隊のほうはまだ漸く総監部新設されたばかりで、部隊が現在内地から移動しつつあるような状況でございますので、私どもはそのほうは視察いたしませんでした。とにかく北部方面総轄部並びにその直属部隊、それから旭川の第二管区総膳部並びにその指揮下にありますところの部隊等を見学して参つたのでございます。  私どもが見ましたところ、この陸上自衛隊というものは、警察予備隊、それから保安隊を経まして自衛隊になつて参つたのでありますが、その段階を経まして漸く軍隊らしきものになつて参つておるのであります。で、これはいろいろ見方がございますし、立場上自衛隊に対する賛成、反対ということもございますが、とにかく軍隊らしきものになつたということは、これは事実間違いないところであろうと思います。そしてその編成にいたしましても、訓練方法にいたしましても、これは軍隊以外の何物でもないのであります。特にこれらの部隊を個々にとつてみますというと、その持つておりますところの戦力と申しますか、戦闘力、武器、或いは機動力というようなものは、戦前日本軍隊に比しますというと、これは非常に強化されておる。比較にならないほど強いものである、こう言うことができるのであります。  併しながら我々が痛感いたしましたところは、全体としてみますならば、これはいわゆる戦力なき軍隊ではないかということがいろいろな点から考えられるのであります。我々が見ましてそういうような点でなぜ戦力なき軍隊と言わなければならんかという理由の第一は、補給の問題でございます。弾丸等保有量は、演習には足りるけれども、実際の戦争には足りないのであるということを到るところで聞かされておりますが、これが事実であるといたしますれば、これはもう明らかに実戦には役に立たない。こう断定せざるを得ないのでありますけれども、まあ、おいおいそういう点が防衛庁並び自衛隊努力によつて改善されて行くということになるでありましようけれども、現在のところにおいてはそういう状態である、こう申上げていいのじやないかと思います。  それから又部隊についてそれぞれ演習等も見ました。更に又各部隊の隊長その他の人からもいろいろと状況を聞きました。言わば士気は旺盛であるということでございます。併しながらこれも我々ははつきりと士気は旺盛であると断定するわけには参らないのであります。その一番大きな理由は、私が二、三の部隊で質問いたしました。今度まあ予備兵のような制度が設けられることでありますが、これに対してどのくらいの応募者があるかということを聞きしたところが、これに対する答えは殆んどどこでも得られなかつた。そういたしてみますというと、まあ、大体或る年限が過ぎている者は殆んどやめてしまう、縁を切つてしまう、こういうことは部隊の内部における士気旺盛ということと矛盾をすることでありますし、こういうような状態では、これはいわゆる戦力を作り上げて行くという上に大きな支障があるように見受けられたのであります。まあ、こういうふうな点でいろいろ我々見て参つて自衛隊についていろいろな点から考えなければならんようなものを見て参つたのであります。  一つ従来の軍隊と違います点は、かなり一般市民生活と近いものにしてゆこうというような考え方が見られる点であります。これはまあいろいろな面であつたのでありますが、一つはまあ徴兵制度によるものでないというところからでも、そういう……。とにかく五時に訓練が済みますというと、その後の時間はフリーであつて、そうしてかなり夜学の定時制高等学校へ行く者が多いというようなこともありますし、それが奨励されておるというようなことは、市民生活と非常に近いものになつていく一つの途であるかと思うのでありますが、この点は大分戦前軍隊と違つているように見受けられました。又施設部隊、即ち戦前工兵隊でございますが、これらがその演習を兼ねまして例えばその所在している町なり、或いは附近の道路、橋梁を改修、新設をするというようなことをやつております。又旭川の第二管区施設部隊は、北海道庁の要請に基きまして、大雪山の中に今道庁では道路を作つておりますが、それに出まして、その持つておりますところの機械力を利用して道路新設する、こういうような面もございまして、これはまあ従来の軍隊と違つたものがあるというふうに見られたわけであります。  まあ、いろいろ我々見て参りましたが、詳しいことは随行して参りました吉岡君が私どもの意を受けまして、報告書を作つておりますので、これを一つ速記録に載せて頂きますから、これでごらんを願いたいと思う次第であります。  以上簡単に御報告申上げます。   —————————————
  8. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 次は継続調査でありますが、行政機構整備等に関する調査議題といたします。  前に申しましたように、本日の委員会での調査は、防衛庁関係事項について行いたいと存じます。防衛庁関係についての調査具体的項目はお手許に配付いたしておきました印刷物によつて一応御了承を下さつたことと思いますが、その第一点は、昭和三十年度予算における防衛関係予算見通しの問題であります。防衛庁当局におかれては、目下来年度予算について、大蔵省当局折衝中のことと存じますが、来年度の防衛庁予算はどのような計画のもとに折衝をいたされておりますのか、政府は来年度において防衛力増強計画を持つておられることは、従来当委員会木村長官からもたびたび御説明がありましたが、その後、内外の情勢に相当の変動があつて、例えば米国からの艦艇貸与計画についても、米国側の意向に大幅なる変動があり、これに伴い航空機の貸与計画についても又変動が生じておるとのことでありますが、これらの計画変動に伴う来年度の自衛隊装備人員等防衛力増強計画の上にどのような変更を生じて来たか、又過般一部の新聞の記事によりますと、自衛隊法第六十六条乃至第七十五条に規定されておる予備自衛官制度は、今日までの経験によれば、予想外の不成績を示しておるとのことでありますが、防衛庁当局においては、その予備自衛官制度について、今後如何なる対策を講ぜられるお考えであるか、又この予備自衛官制度が、所期の目的を達し得ない原因はどのような点にあるとお考えになつておるか、以上のような点について木村長官の御所見を伺いたいと思います。  第二点は、北海道駐留米軍撤退し、これに代つて内地陸上自衛隊が過般来続々北海道に移駐しつつある現状でありますが、この北海道駐屯自律隊の手によつて北海道治安は今後十分維持できる御確信を持つておられるかどうか、若し現在その御確信がないとすれば、如何なる程度増強すれば、その御確信が持ち得られることになるか。又他方内地部隊北海道移駐に伴う内地自衛隊防衛力に生じた欠陥は、どのようにして補充せられる御計画であるか、以上の諸点について木村長官の御所見をお伺いいたしたいのであります。  第三点は、国防会議構成その他、国防会議に関し必要な事項に関する法制化に対し政府は現在如何なる態度を取つておられるのか、法律案の準備はすでにできているのであるか、或いは法制化の途上において何らか未解決の難点が存在しているのであるか。又この法律案臨時国会に御提出になる政府方針であるかどうか、以上の諸点についても木村長官の御所見を伺いたいと思います。  以上の諸点についての木村長官から御答弁がありました後、各委員からこれらの点に関連して御質疑をお願いいたしたいと存じます。
  9. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今委員長から御要求の私の意見を簡単にお述べいたします。  三十年度におきまして陸海空自衛隊を或る程度増強したいということはかねがね私が申しておつた次第であります。併しこの自衛力増強は国力に応じてなさるべきものであり、国家財政全体の規模考慮しなければならんことは勿論であります。而して政府全体といたしましては、国防費のために不当に民生安定の諸経費を圧迫しないように、十分意を注がなければならんことは、これ又当然のことであります。そこで防衛庁としましては、我が国財政規模と睨み合わせまして、又国際諸情勢の推移並びに国内の諸事情、特に北海道におきまする米軍撤退MSA協定等に伴う米軍装備供与進捗状況米軍提供施設の解除に伴う利用の見込、又演習場の取得の見通し等を勘案いたしまして、増強考えるべきであろうと考えております。これに伴いまして予算編成方針を現在立てつつあるのでありますが、未だ防衛庁といたしましては、計数的に非常にこれを勘案しなければならん事情がありまするので、具体的にどこまで増強すべきかということについて目下我々当局といたしましては慎重に考慮いたしております。大蔵省との折衝もまだ十分についておりません。従いまして、ここに計数的にどれだけを増強することになつておるかという具体的の数字を挙げることはできかねる次第であります。併し私個人といたしましては、来年度、即ち、三十年度におきまして、陸上においては二万人、海上におきましては約一万トン、人員にいたしまして七千人、航空関係におきましては六千人くらいの人員の増加を見込みたいと考えております。併しこれが計数上どうなるかということになりましては、相当考慮を払わねばなりませんので、目下検討中で、結論には達していないことを御了承をお願いいたしたいと考えます。  次に、予備自衛隊自衛官応募に関しての所見を述べろということでございますので、これについてお述べいたしたいと思います。予備自衛官募集につきましては、一般隊員その他の募集関係上、来月、即ち、本年の十月から該当各人に対して、志願の条件、待遇その他を詳細に示しまして、応募の呼びかけを行うことといたしたいと考えております。尤も去る七月以降任期満了して退職いたしまする隊員に対しましては、その直前に簡単に予備自衛官制度、趣旨について説明をいたしました。その際、直ちにこれに応募する意思を表示いたした者がその数四、五十名という報告只今参つております。これが新聞に伝えられた数字であろうと考えております。現在のところ、今申上げました通り、まだ正式に募集をいたしておりません。今後この募集に対してどれだけの者が応募するかということははつきりわかりませんが、併し私はかねがね予想いたしました数字には或いは達しないかと考えております。達しなかつた場合に、どうするかということでありまするが、それにつきましては、只今私は具体的の対案は持つておりません。ただできる限りこの予備自衛官応募してもらいたい。これは国民各位の御協力をお願いしなくちやならんと思つております。従いましてその点について我々はできるだけの力を注ぎまして、一人でも多く自衛官応募されることを期待しておる次第であります。  次に、北海道駐留軍撤退した後における治安維持について支障がないかどうかというお尋ねでありまするから、これに対してお答えいたしたいと考えます。只今お尋ね北海道治安と申されましたことは、恐らく直接侵略を含めてのお尋ねかと解釈いたします。米軍撤退に伴いまして、内地部隊から練度の高い隊員を抽出いたしましてこれを北海道に移駐する、これは十分の検討を加えて只今つておる次第であります。従いましてこれらの練度の高い部隊北海道に移駐した暁におきましては、別に私は治安上憂慮することはなかろうかと考えております。米軍駐留いたしました時代と同様の治安は十分に確保できるものと、私はこう考えております。併しながら現在全道の防衛が一方面管区、即ち、約五万人で十分であるかどうかということに対しましては、今直ちにこれが十分であるということは申しかねるのであります。今後いろいろの情勢下におきまして、多少私は北海道増強を図らねばならんかと考えております。併し現段階におきましては、できるだけ質の向上を図りまして、或いは道路整備機動力の発揮その他に最善努力をいたしまして、北海道治安維持に努めたいと考えております。  なお、北海道に移駐した内地部隊の充実につきましては、これ又我々は最善努力を払つております。即ち、部隊におきましても、幹部要員はこれを内地にとどめておきまして、新隊員訓練に遺憾のなきようにいたしまして、従いまして新たに入つて来ます新隊員を十分に訓練いたしましてそうして内地治安確保に違算のないようにいたしたいと考えております。  それから国防会議の点であります。国防会議構成及び運用に関しまする立法措置につきましては、只今防衛庁におきまして、かねての閣議決定の線につきまして研究いたしました。尤も諸外国におきまする同様な組織についても研究を進めております。我が国といたしましては、これは初めての組織でありまするから、特にその機構運営等について十分慎重に検討する必要があると考えております。目下検討を進めておりまするが、まだ結論に達しておりません。内閣におきましても、我々の結論を参考といたしまして、成案を得ることに努力することであろうと考えます。ただ申上げたいのは、この機構問題点がどこにあるかということでありまするが、これは第一は、国務大臣以外の会議員、即ち、内閣の承認を得て選ばれる会議員をどこから求めるかということが一つ。これは閣議決定におきまして、大体かねて総理大臣にありし経験のある者ということになつておりまするから、その点については一応の考え方はきまつたわけでありまするが、最終的にはまだきまつておりません。これらの議員任期をどうするか、或いは三年にするか四年にするか、或いは五年にするか、任期の点、これも重大なる事項考えております。第二は、この会議員常勤制度にするか或いは非常勤制度にするか、この点が重要であります。これは問題点であります。又給与をどうすべきかという点も問題点であろうかと考えております。第三は、決議方法であります。全員一致制をとるか或いは多数制をとるか、これらの点については十分考慮を払う必要があるのじやなかろうかと考えております。目下これらの点その他詳細の点について検討いたしておりますが、結論に達しません。成るべく早急に結論を出しまして、国会の御審議をお願いいたしたいとこう考えておる次第であります。
  10. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  11. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。  それでは質疑は午後続行いたすことにいたしまして、暫時休憩をいたします。    午後零時十一分休憩    ——————————    午後二時十五分開会
  12. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは午前に引続いて委員会を再開いたします。  午前中の木村長官説明に対して質疑おありのかたは……。
  13. 岡田宗司

    岡田宗司君 木村防衛庁長官に対する質疑に入る前に、過日内閣閣議におきまして反民主主義活動対策協議会というものが設置されることになつて、そして緒方総理を会長にして閣僚の若干名がそれのメンバーになることが決定されたようであります。これはいろいろな面に大きな関係を持つのであります。例えば言論、集会、結社の自由というような面とも関連の大きい問題でございます、こういう問題について、まあ我々としては黙つてつておくわけに参りません。一つ委員会緒方総理出席を求めたいと思います。そしてこの反民主主義活動対策協議会なるものがどういう性格のもので、どういう機能を持つものであるか、又どういうように構成され、どういうような制度に作り上げられて行くものかということをお伺いしたいと思いますので、委員長において一つ第三日目の二十二日にでも副総理出席して頂くようにおとりはからいを願いたいと思います。
  14. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 承知いたしました。さよう手続きをいたしておきます。
  15. 岡田宗司

    岡田宗司君 先ほどの木村長官お話ですというと、まだ三十年度の防衛庁からの大蔵省要求すべき予算の案というものはさまつておらん、こういうことをお伺いしたわけであります。併しながら計数がきまつておらんけれども、三十年度にまあ陸上約二方、海上七千、航空約六千を殖やすというようなことを言われておるのでございますが、そういうふうな来年度に自衛隊増強する計画はすでにできておるようでございます。そこでこれは何遍も前にもお伺いしたことがあるのですが、毎年行き当りばつたりに来年度の計画を立てるというのではなくて、恐あつて、その計画の一部として本年度も増強され、来年度の増強計画も行われることになつておるのじやないかと思うのであります。すでに何年かに亙る計画ということについては考究されておるようでありますが、二十九年度が初年度といたしますと、三十年度は第二年度に当りますが、こういうような防衛計画が、何年かに亙る防衛計画が進められておると推定するのでありますけれども、その作業は行われつつあつてそして三十年度の要求は現在防衛庁として行なつておる計画の一部をなすものであるか、それをお伺いしたいと思います。
  16. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私がしばしば申上げました通り長期防衛計画と言いまするものは、容易に立つべきものでないということは、およそ御諒察を願えるかと考えております。併しながらさればと言つて、これを立てずに、そのままうつちやるかということになりますと、そうは行かない。我々は一応の将来の財政見通し等を勘案して立てたいとは思つております。現在においてはその作業を始めようという段階には至つているのでありますが、なかなか容易でないということを御了承願いたいと思います。而して三十年度の計画は、只今お話のように一つ長期防衛計画を立てて、その一環としてやるのじやないかというお尋ねでありますが、それは全然違うのでありまして、今申上げまする通りに、長期防衛計画は立てたいとは思つておりまするが、まだ立てておりません。その一環をなすものではないということを御了承願いたいと思います。
  17. 岡田宗司

    岡田宗司君 今のお話を聞くというと、立てたいということで、まだやつておらない、これからやるのだというふうに聞えるのでありますけれども、前にはたしか、目下それを作業中だ、第九次だとか十次だとかいうような話もございました。作業中だ、併しまだむずかしいので立たないのだ、こういうふうに言われていたと思うのでありますけれども、全然まだ立てておらんのか、それとも立てて何遍もやり直しているのか、それはどちらでしよう。
  18. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 全然立てていることを始めていないという意味じやございません。今お説の通り、我々はいろいろのデータを集めて研究中であります。まだその方針も確立しておりませんので、できる限りにおいては一応の方針を確立し、これに基いて計画を立てたい、こういう考えであります。
  19. 岡田宗司

    岡田宗司君 前に何か第九次の計画案というものができたというようなことが伝えられたことがあつたのですが、九次か、十次か、或いは最近では十一次か、そういうようなものがあるのでございますか。
  20. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは新聞にしばしば九次案か何とかいうことが記載されているようでありますが、そういうようなきまつた九次案というものはございません。
  21. 岡田宗司

    岡田宗司君 防衛計画が、非常に立てるのはむずかしい、こういうお話でございますが、そのむずかしいという程度は、困難の点はどういう点にあるか。それをお聞かせ願いたい。
  22. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 先ず第一に財政見通しであります。先刻も申上げましたように、日本財政計画を無視した防衛計画というものは、およそ立てるべき筋合いのものでもありませんし、又一面から言うと、民生安定の諸経費と見合せてやらなければならんことは当然のことであります。これらの点、及びMSA援助によつてアメリカから供与を受ける装備見通し、その他の問題、いろいろな面から見てなかなか容易に立て得ない、こう申したのであります。
  23. 岡田宗司

    岡田宗司君 まあ財政見通しについても、これはなかなかむずかしい問題であります。MSAでアメリカから受ける装備見通しについても、長期計画が立たないということも、これもそうでありましよう。今度の首相の外国訪問、特にアメリカに行つての話の中には、この防衛計画関係の問題、それからMSAの援助の問題、そういうものが含まれていると推定されるのですがそうでしようか。
  24. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) このMSA援助その他の問題は、これはアメリカの日本における出先官憲との話合いできまることになると思います。アメリカの日本における出先官憲は、すべてアメリカ本国と十分な連絡をとつてやることになつております。従いまして総理が今度アメリカへ行かれるについても、突込んだそれらの話は私はないと考えております。
  25. 岡田宗司

    岡田宗司君 総理が向うへ行かれるその使命について、総理のほうから輪廓も全然示されないので、我々も承知しておりませんし、あなたもうつかりしたことは言えないので、何もお言いにならないと思うのですけれども、併し推定するところは、どうも私は経済援助の問題、それから東洋の形勢から来る日本を含める防衛計画の問題、MSA問題等もまあ話合いが行われるのじやないかと思うのです。例えば過日来問題になつておりました防衛道路計画の問題ですが、あの問題なんかのごときは、経済援助の問題と絡んで、やはり今度問題になるのじやないですか。
  26. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) この防衛道路の問題についても、総理が向うでどういう話をされるか、その具体的の内容ということになりますと、我々は一向関知しておりません。我々といたしましては、一応の計画を立てて、そうして今申上げたようにアメリカの出先官憲との間にいろいろ話合いをしておるのであります。それらの根本的な問題については、或いは総理がアメリカ当局と話合いがあるかも知れません。それらの点については私は詳細は存じておりません。
  27. 岡田宗司

    岡田宗司君 それでは今度外国へ行かれるに当りまして、経済上の問題については小笠原大蔵大臣や愛知通産大臣ともいろいろ話をしておる、いろいろ計画を聞いておる。それで単に経済関係の問題ばかりじやないと私は思うのですが、日本の今後立てる防衛計画といいますか、これについて総理はあなたのほうに、こういうものを持つて行くのだ、防衛庁のほうでこういうものは立ててないのかというようなお話は全然なかつたのでありますか。
  28. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 防衛計画についての話は総理からありません。はつきり申上げます。
  29. 岡田宗司

    岡田宗司君 防衛計画の問題については、総理は向うへはそれでは何にも材料を持つて行かない、話をしない、こういうふうに言切れますか。
  30. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 話をするかしないかはこれは別問題であります。これは私は予想ができません。或いは話合いがあるかもわかりません。併し材料の点については、私に対して要求はありません。
  31. 岡田宗司

    岡田宗司君 経済援助等の問題については、外資導入等の問題については大蔵大臣あるいは通産大臣にいろいろ諮問があつたようでありますし、又何か計画を出したように言われているのです。この問題については、総理がアメリカで話合うのに、防衛庁に対して何もその案を出せとか、立案しろとも言つていないというのは、どうも私ども腑に落ちない。併し或いはそういうこともあるかも知れませんが、そうするというと、どうもあなたは、大蔵大臣、通産大臣と比べて二等大臣のような気がするのですが、どうも総理がこの防衛の問題について重大に考えていない。それでなければ、重大には考えているけれども防衛庁は相手にしていないのだというようなことでしようか。
  32. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 防衛問題についてはアメリカの出先官憲と我々のほうと十分に協議ができ得るのであります。総理は大きな観点からどういうことを話されるか知ることはできません。併し具体的の問題に当つては我々はアメリカの当局と十分話会いを進めております。
  33. 岡田宗司

    岡田宗司君 日本防衛問題それから援助の問題等については、アメリカの出先官憲と十分に打合せをやつておる、こういうお話ですけれども、どうも私はこれは怪しいと思うのです。というのは、前に軍艦を十七隻向うから貸与を受けるというふうに話がきまつたように長官からも説明があり、そしてそれに基いて海上自衛隊の人間を殖やす計画も立てて予算要求されておる。ところが実際になつてみると四隻しか来ない。そしてあとどうなつたかわからない。こんなようなことで、どうも出先同士の話合ではきまらない問題があるのじやないですか。
  34. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) アメリカからの船の供与の問題については、現在アメリカから現実に供与を受けることのはつきりしておるものは、今お話の駆逐艦四隻、その他少数の艦艇であります。あとの船についてはなお我々はその実現方を今要請しております。併しアメリカとしてもいろいろのその後の事情によつて我々の考えておつた全部のものの供与を受けることはできんことになるかもわかりません。それに代るべきものをアメリカは相当今考慮をしておるようであります。
  35. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういうようなことだから、防衛庁長官としても総理が向うへ行つて大きな政治折衝をすることを期待し、又総理にそういうふうにしてもらおうと思つているのじやないですか。
  36. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) こういう問題については、アメリカの今申します出先官憲との間に十分話合いはできるわけになつておるのであります。
  37. 岡田宗司

    岡田宗司君 できるわけになつているのが食い違つておる。それから又特需の問題でもそうです。出先では相当な額、日本で以て物を買い上げるように言つてつて、実際はさつぱり駄目だ。で、こういう問題が又今後の政治折衝に任されておるようで、私はどうもあなたの言われるように出先だけでの話合いがつかないので、やはり総理防衛の問題について、向うで以て大まかな話をする、で、これを日本防衛庁長官が全然関知しない又話も総理のほうからない。こういうことはないと思うのですが、まあないと言われるならば、その点は何とも言えませんので、その点は私もうお聞きいたしません。  次にお伺いしたいのは、この来年度の防衛計画でございますが、陸上海上航空のそれぞれの自衛隊が人数が殖えて参ります。そういたしますと、自衛隊、この防衛庁予算というものは、これだけ殖やして、これが実現されるということになりますと、本年度の予算よりも相当膨脹するだろうと思いますが、これは本年度の予算と同じくらいなのか、それとも相当多額になるのか、その辺はどうでしよう。
  38. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 我々は多少増強を希望しております。従いまして正確な数字はわかりませんが、少くとも本年の予算よりは多少増加することになると考えております。
  39. 岡田宗司

    岡田宗司君 二十九年度の予算からずつと推定して参りますと、これぐらい殖やすということになりますどいうと、どうしても防衛庁予算が一千億、一千百億ぐらいになるのじやないかと思うのですが、大体それぐらい、或いは要求はもつとされるだろうと思いますけれども、どうでしようか。一千百億以上を要求されることになりますか。
  40. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 今申しまする通り、我々の計画から申しますると、殖えることは確かであります。併しいろいろな観点から、そうむやみに殖やすわけには行きませんから、成るたけこれを切り詰めて大蔵省折衝したいと考えております。今お話の千百億という数字は我々まだ検討はいたしませんが、さような数字より殖えるというようなことは私はなかろうかと考えております。
  41. 岡田宗司

    岡田宗司君 今の景気それから政府の緊縮政策等から見て、三十年度の予算規模がやはり一兆でとまるんだといたしますというと、本年度以上に防衛庁の費用が増加することになつて、ほかに相当食い込むことだと思うのですが、これはまあ一つはアメリカ軍の駐屯に伴う防衛支出金との関係もあるわけでありますが、本年度と同じように相当額防衛支出金を減少せしめる目途がついておるかどうか。
  42. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 防衛支出金の減少の目途がついておるかどうかという御質問でありますが、まだ目途はついておりませんが、これに対する減少については十分考慮いたしたいと考えております。
  43. 岡田宗司

    岡田宗司君 二十九年度の予算編成の際に、この防衛支出金との関係においては、二十八年度の保安庁費と二十九年度の、この防衛庁費ですか、との増加の度合とそれから防衛支出金の減少の度合を見ておるというと、防衛庁費の増加の度合が非常に大きい。従つて防衛支出金以外の部分に大変食い込んでおるのであります。で、この三十年度の増強計画を立てて相当の予算の増加があるということになりますというと、私は若し防衛支出金との関連において考えますというと、相当額の防衛支出金の減少、削減をさせなければならんということも起つて来ると思いますが、昨年は確か三十五億円だけ減らしたかと思いますけれども、本年はそれくらいの防衛支出金の減少では、あなたの考えておる計画はなかなかうまく行かないんじやないかと思いますが、もつともつと大幅に防衛支出金を減らすようにさせる要求をするか、又それをさせるだけの折衝をやり抜くおつもりがあるかどうか、それを一つお聞きしたい。
  44. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 防衛支出金の減額については我々は十分に努力いたしたい、こう考えております。
  45. 岡田宗司

    岡田宗司君 次に三十年度の計画は、陸上自衛力を二万殖やすということになりますが、これはどういうものを殖やされるのですか。例えば方面隊といいますか、これを殖やす、それから管区隊を殖すことになると思うんですが、その陸上兵力を殖やすその一番の狙いはどこにあるかお伺いしたい。
  46. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは別に狙いといつてはどういう意味かわかりませんが、少くとも本土から北海道に相当数を移駐したのでありますが、本土における定員の充実ということも考えなくちやなりません。かたがた二万人くらいの程度の増員は是非見込んやりたい、こういうことを考えております。
  47. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、方面隊といいますか、これを殖やす計画はないのでありますか。
  48. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 方面隊というのは、御承知通り北海道方面隊があるわけであります。それに更に方面隊を作るという考えはございません。ただ二戦団くらいの戦闘団、二万人くらいを増員いたしたい、こう考えております。
  49. 岡田宗司

    岡田宗司君 この二万の増強はコンバツト・チーム一つとそれから管区隊一つを殖やすという人数じやないですか。
  50. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 方面隊というのは必ずしも定形があるわけではございませんが、北海道に最初作りましたときは、一管区隊のままで方面直轄部隊を置きまして方面隊を作つたわけですが、現在は二管区隊方面直轄隊とを以て方面隊を作つておる。でありまするから、管区隊一つでも、それに若干の方面直轄などを加えて、方面隊を作るということはあり得るわけですし、管区隊一つと戦闘団一つで以て方面隊を作るということもあり得るわけであります。
  51. 岡田宗司

    岡田宗司君 そのあり得るのを聞いているのじやなくて、来年の二万増強は、私の聞くのは管区隊一つと戦闘団を一つ作るつもりかということをお伺いしているわけなんです。
  52. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 只今長官の申されましたことを繰返すようになりますが、まだはつきりと決定を長官のところでされておりませんが、一応二万という線を陸の増強の線として今いろいろと数字を固めておるわけでありますが、その場合の一応の目途は、方面隊、これは方面隊の司令部といいまするか、方面隊と戦闘団を二つということを一つ目途として今研究をしておるということであります。
  53. 岡田宗司

    岡田宗司君 その戦闘団一つ北海道に配置されるものか、それとも内地に配置されるのであるか、どちらを目標としておられますか。
  54. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今配置の点についてはその想を錬つておるのでありますが、大体において私は内地に主力を置きたいと、こう考えております。
  55. 岡田宗司

    岡田宗司君 北海道は今度一管区隊増加したので、それと引換えというか、アメリカ軍が北海道から内地に引揚げた。それで今度二万内地で殖えるということになります場合に、アメリカの日本駐留しておる軍隊は、これは本国なり何なりへ引揚げますか。全部じやないが一部。
  56. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 今確かなことは聞いておりません。どちらの方面へこれを引揚げるか、我々もまだ予想は立つておりませんが、結局は内地から引揚げるものであろうと我々考えております。
  57. 岡田宗司

    岡田宗司君 結局はというのは、まあどうも私どもいつも聞かされる言葉なんですけれども、問題になるのは三十年度において陸上兵力が殖える場合に、アメリカ軍が引揚げる見通しがあるかどうか。或いはもう一つ突つ込んでいいますと、今度三十年度に日本側で以て陸上部隊を二万殖やすという場合に、アメリカ側に対してそれに見合うだけの撤退要求するおつもりがあるかどうか、これをお伺いしたいのです。
  58. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 日本部隊増強すれば、それに従つてアメリカは引揚げることになるだろうと考えております。これは我々は何も要求という問題じやなしに、アメリカはそういう方針を立てておるのでありますから、自発的に、日本部隊増強し十分な実力を持つた場合においては、それに相当するものは引揚げるものと考えております。
  59. 岡田宗司

    岡田宗司君 この前の十九国会のときにお伺いしたことより一歩後退しているように思うのですが、あのときには二十九年度の増強計画によつてアメリカ軍の撤退という問題が起るだろうということでございましたので、それではそれが増強された分が、実力を備えるようになつたならば、アメリカ軍に撤退要求をするだろうかということをお伺いしたところが、来年の五月頃、つまり三十年の五月頃になつたならば、そういうことを要求する時期が来ると思うというたしか御返事があつたと思うのです。来年度の二万の増強計画を行う。本年度の増強したものが訓練を経て実力を持つて来たという場合には、これは十九国会のその言明によれば、撤退要求という問題或いはもう少し柔かく言つて要請するという問題も起るのじやないかと思うのですがどうでしよう。
  60. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は前の国会にアメリカに対して撤退要求するという言葉は使つた記憶はないのであります。私今申上げまする通り、本来が日本部隊増強に従つてアメリカが引揚げるということになつておるのであります。アメリカ側において必ず日本増強と見合つて引揚げるものと我々はこう考えております。
  61. 岡田宗司

    岡田宗司君 要求という言葉は使わなかつたかも知れません。私も要求という言葉は使われなかつたと思うけれども、交渉する、而も五月という時期まで言われたのですから、そのくらいのことはあつてもいいのじやないかと思うのですが、今もアメリカのほうの考えに任せる。こちらは何にも言わない。以心伝心で向うさんが引揚げるだろうというくらいのおつもりですか。
  62. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これはすべて話合いの上であるのであります。増強してもこれを引揚げることについては、やはりアメリカは我々のいわゆる日本側の了解を得なくちやなりません。日本側においてはアメリカの引揚げについては無論了解を与えるつもりであります。
  63. 岡田宗司

    岡田宗司君 向うから了解を求めるというのじやなくて、こちらから殖やすからどうか見合うだけ引揚げてくれと、交渉なり了解なりを求めるおつもりはないかどうか。
  64. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論日本のほうで増強し実力を持てば、これだけの数字日本増強したからアメリカの撤退は然るべきであろうというようなことは無論話合いにはなつて、そこに了解が成立するであろうと考えます。
  65. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは三十年度にそういう了解を求める。これは要求じやないです。了解を求めるようになさいますか。
  66. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論我々といたしましては、日本部隊増強し、実力を持てばアメリカ側と話合いをするつもりであります。
  67. 岡田宗司

    岡田宗司君 その話合いをする、その基礎になる日本側の自衛隊の実力の問題ですが、それは来年の初頭においてそういう交渉をする基礎になるだけ強化される、そういうふうにお考えでしようか。
  68. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論来年になつてこの二万の増員が完了し、実力を持てば、その段階においてアメリカとの間に話合いがつくものと考えております。
  69. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、先ほどのようにアメリカ側が日本増強したら撤退するだろうということではなくて、こちら側で以て増強計画を立てて行つて、それに応じて向う側に交渉をするんです。そして三十年度においてその交渉をするまあ第一の段階に来たと、そういうふうにお考えになりませんか。
  70. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは来年度に予算の審議を経まして、そうして国会において認められると、これを実行に移して実力が増勢するということになりますれば、その段階になる、こう考えております。
  71. 岡田宗司

    岡田宗司君 十九国会におきましては、二十九年度の増強が終つて実力を持つようになれば、そういうことをする、多分三十年五月にはそういうような交渉をするだろうということは、はつきり言つておられた。これは一つ速記録をお読みになつて頂きたいと思います。  次にお伺いしたいのが、アメリカ軍が引揚げる、引揚げるということを言われております。今のところまだ北海道から内地に移駐しただけで日本の国外へ引揚げるということではないようでありますが、ところが逆にこの空軍のほうは、第五空軍ですか、朝鮮を引揚げて日本内地に移駐したようであります。それで名古屋にその司令部を置いたという話を聞いたのでありますが、これは事実でありましようか。
  72. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 名古屋に司令部は前から置いております、これは……。朝鮮の空軍を最近に引揚げて名古屋に移駐したということは私はまだ聞き及んでおりません。
  73. 岡田宗司

    岡田宗司君 何かそういうことが、私今記憶違いかも知れませんけれども、極東空軍ですか、のはうから発表されて、朝鮮のほうはまあ出張所、出張所と言つてはおかしいけれども、出先のようになつたように聞いておるのですが、そういうことはないでしようか。
  74. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 今申上げまする通り、名古屋に司令部があることは事実です。これは前からあります。それの何かのお話じやないかと思います。
  75. 岡田宗司

    岡田宗司君 アメリカ軍が、まあ空軍のほう、それから海軍のほうはまだ引揚げという話は全然なくて、場合によれば私ども強化されるのではないかというふうに危惧をしておるのでありますが、そういうような見通しはございませんか。
  76. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 今のところはそういう見通しはございません。
  77. 岡田宗司

    岡田宗司君 私どもはあのSEATの成立、それから最近の金門島のああいうような事態から、どうも空軍、海軍について、そういうようなことが予想されるのであります。現在金門島並びに台湾海峡の作戦については、これは日本におけるアメリカの空軍なり海軍というものは関係しておらないのでしようか。
  78. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) その辺のことは我々は何にもわかつておりませんが、日本におけるいわゆるアメリカの駐留の空軍、海軍は、その動きはないとこう見ております。
  79. 岡田宗司

    岡田宗司君 二十八年度の予算がどのくらい二十九年度に繰越されましたか、それをちよつと概略をお伺いしたい。
  80. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 二百五十七億円であります。
  81. 岡田宗司

    岡田宗司君 実は過日経済安定委員会におきまして、デフレーシヨン政策を政府が進めて行く。ところが二十八年度からの繰越の支出が非常に多くて、政府資金の散布超過になつて、そのために第一四半期においては通貨の収縮がなかつた、こういうような説明があつたんです。それで、それをいろいろ聞いてみますと、勿論防衛庁のこういう使い残りの金ばかりじやない。建設省のもある。公共事業費のもある。非常にたくさんあつたわけでありますが、これは緊縮財政にとつては障害になつておるように言つておりましたが、この前年度の繰越額の使用については、これは大蔵省等はどういうふうに見ておるか。又これは二十九年度から三十年度への繰越とも関連のある問題ですが、その点について大蔵省側の見解とあなたがたのほうの見解とは食違いはなかつたのか。ただ手放しで四月以降使うことができたのか。それをお伺いしたい。
  82. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 只今お尋ねの、前年度からの繰越がございまして、そのために国庫の散超を来しておりわせんかというお話でございますが、この点につきましては、大蔵当局と特に取立ててこれをどうするということで今まで懇談をいたしておりません。私どもも併しながらどういうような状況で金が出て参つておるかということは注視をいたしております。ただ前年度に比べまして、本年度予算額と、それから繰越予算額とを合せてみまして、今日までのところ私どものほうにおきまして、そう大きな額が余計に出ておるとは感じておりません。併しながら国庫の全体の収支調整という問題が問題になりまする場合には、一般論といたしましては、今岡田委員御指摘のように繰越予算と当該年度予算とを併せ考える必要があることは当然でありまして、そこら辺のところは将来大蔵省のほうでなにがしか相談に乗つてもらいたいということがあるかも知れん。今日のところ、別に具体的にどういうような抑え方をいたすというふうには考えておりません。又特に非常にその点に大きな支払いの超過の原因が存在しておるというふうにも考えておりません。本年度の末にどういうような繰越の状況になるかという点につきましては、これは年度開始早々でございまして、見通しが当てにくいのでございますが、ただ前年度に比べまして二、三の点が違うということを申上げておきたい。一つは繰越の生じております非常に大きな問題がございまするのは、これは施設費、船舶を含みます施設費の問題、この関係が昨年に非常に大きく因をなしましたのでございますが、これは本年度の船舶関係、なかんずく金も小さいものでございますから、施設費の関係も前年よりむしろ小口になつておりますので、施設費の関係におきまして繰越の原因になるという点は弱まつておるかと思つております。もう一つは物品費、機材費と申しますか、装備関係、これは御承知のように本年度二万人の増強をいたすわけでありますが、これの初度装備と申しますか、これは御承知のように八十九億ばかりの金を、従来のストック、リプレースを以て賄つていたしておりますので、従来の繰越の大きい原因でございましたものの装備費の関係、この関係の金額が二十九年度においては小さくなつて来たというような点がございます。これからの金の払い方というものは、私どもにおきましても注視をして参るつもりであります。そこら辺の点を考えてみますると、二十九年度は前年度に比べまして、大分模様が違うんじやあるまいかというようなことを考えております。
  83. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今説明の中では、十七隻の艦艇に対して四隻しか来ない。従つて海上自衛力増強が思うように行かない、とても計画通りに行かない、それに伴う諸支出もそれだけ出ないことになつておるんですが、それらの点についての説明がなかつたのであります。これらは相当後年度、三十年度べ繰越されるのじやないのですか。
  84. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 艦艇の関係につきましては、御指摘のように当初予算に見込みました数量のものが、その時期において参るということは困難であると思います。ただそのために本年度、二十九年度予算にどういう数字的な影響を持つかという点について考えてみますると、大体この艦艇の関係におきまして見ておりました、これらに関連いたしまする陸上員の分を含めてみまして、四千人分でありまするが、大体人件費がその全体で五、六億だと思つております。そのうち相当程度が参るわけでございまするから、その一部分が不要に相成るかと思います。それから物件費のはうは、運航の時間を、大体伺うから持つて参りまして運航いたすわけでありますが、従つてこれは一カ月少々しか平均見ておりません。従いましてこの運航経費は四億ばかり、従いまして今申上げました経費の中で今後入ります分を含めまして、その何分の一というような金額が不要に相成る、こういうふうにお考えになつてよろしいかと思います。
  85. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると海上自衛カ関係で、ひつくるめてどれくらいが不要になるのですか。
  86. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) これは御承知のように現在内閣におきましていわゆる節約を行なつております。従いましてその節約をいたしまする関係上、それから節約の趣旨でございましたところの物価の関係、それらを睨み合せてみなければならないのでございまするが、人件費のほうはこれは大体不要に相成るかと思つております。物件費のほうは、御承知のように節約いたしますから、そのへんのことを考えませんと、どのくらい不要になるか、ちよつと申上げかわるのでございます。
  87. 岡田宗司

    岡田宗司君 技術研究所ですか、あそこの委託研究費ですね、あれは昭和二十八年度は幾ら、二十九年度は幾らですか。
  88. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 今ちよつと手許数字を持つておりませんが、二十八年度が五、六千万くらいであつたと思つておりますが、二十九年度はそれが少々殖えて一億なにがしかと思います。数字は正確のところは持つておりませんが、数字の大体の頭はそんなところだと思つております。
  89. 岡田宗司

    岡田宗司君 正確でなくて大体でいいのですが、実はその委託研究費の使い方ですね、二十八度のやつは年度末一になつて、年度末まで大分あつためておいて、年度末になつてあつちこつちへむやみに押しつけたような傾きがあるのです。これは押しつけられたほうからも話を聞いておるのですが、あれはどういうわけなんです。
  90. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 私も細かい個個の場合におきまする実情は詳しく承知いたしておりませんが、何分にもなかなかテーマがむずかしいことと、それからその委託に応ずるべくそれだけの能力なり経験なりを持ちます相手方がどういうものがいいかということを選びまするその関係、そういうようなものがぶつかりまして、今多少御指摘のありましたような年度の途中におきまする詮議の進行が遅れておつたということは或いはあるかと思います。大体人間がだんだん充実して参りまする状態にありますので、二十九年度におきましては、そういうような遅延という点はだんだんと解消して参るかと思います。
  91. 岡田宗司

    岡田宗司君 二十九年度の委託金の一番、まあ細かい点はいいのです、大ざつぱでいいのですけれども、どういう技術研究に一番主力を向けておるのですか。
  92. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 私そのほうの主務でございませんので、正確に今お答えをいたしかねるのでございまするが、二、三の、恐らく岡田委員の御質問の点にも関連すると思うのですが、思いついた点を申上げてみますれば、やはり件数というような点から申しますると、どういうような規格を定めるのがよろしいか、御承知のようにいろいろな調達でありますとか、装備品には規格がございまして、その規格を我々のほうできめるわけでございます。これには従来から一応のものはきまつております。或いはまだ細かいところまではさまつていないものがありますが、そういうようなものをきめまするのが、従来から一番時間的にも、或いは自分のほうでもやつておりましたし、或いは人に委託をしてやりますとか、これは大体装備、食糧、被服というようなもの、そういうような系統のものは、本年度におきましても引続き相当熱心にやる。やや新しい問題といたしましては、今度は航空機というものが出て参りまして、第六部と言われております。この新しい第六部の系統におきまして相当な委託研究費が出る。それからいろいろ将来に亙りまして電波関係の仕事がなかなか大きな問題になるかと思います。航空機或いは電波の関係というようなことが、本年度におきまして新しいと申しまするが、従来の系統に加わつて来ておるかと思います。
  93. 岡田宗司

    岡田宗司君 電波関係というのはあれですか、電波誘導兵器というのですか、あの類ですか。それともレーダーとか、そういうような種類のものでか。
  94. 石原周夫

    説明員(石原周夫君) 当然電波の関係というのは、非常に適用或いは応用の幅の広いものでありまするから、岡田委員の御指摘のように両方に亙りまして当然将来に対する発展の基礎を作る、そこらへんの現在やり得る段階のところに入つておると思います。
  95. 岡田宗司

    岡田宗司君 何か新聞の伝えるところによりますと、前に駐日ドイツ大使であつたスターマーが、こういうような兵器を売込みに来たというようなことが伝えられておりますが、そのスターマーの売込みに来た兵器を防衛庁でお買い上げになつておりますか。
  96. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 売込みに来たことは事実であります。併しそれは買う約束はいたしておりません。
  97. 岡田宗司

    岡田宗司君 これはまだ買う約束はしておらないけれども、あなたのほうでそれについて説明を聞いて研究をしておる、こういう段階ですか。
  98. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論スターマー自身からはそういう兵器の説明は聞いておりません。専門家から説明を聞いたことは事実であります。併しこれについては我々としては十分慎重な態度をとらなければならない。今それを買うとも買わないとも、そういうことはまだ決定段階に至つておりません。
  99. 岡田宗司

    岡田宗司君 このスターマーがこちらにそういう兵器を売込みに来たのについて、元の陸軍関係の軍人が大分暗躍したということを聞いておるんですが、何かそういうようなことがあつたかどうか。
  100. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 旧軍人で私の手許にそういう売込みに来たという事実はございません。スターマー自身でやつたことです。
  101. 岡田宗司

    岡田宗司君 その研究は今やつておられるかも知れないが、まだ買うとも買わないともきまらないのか。それとも買わないとおきめになつたのか。どつちですか。
  102. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは申すまでもなくボフオースの四十ミリの機関銃であります。相当性能の高度の高いものであります。私自身としてはそういうものを日本でライセンスを得れば得たいという考えを持つておりますが、何分にも相当の金がかかることでありまするから、現在のところは話は停頓しておる次第であります。
  103. 岡田宗司

    岡田宗司君 これはまあアメリカの兵器ではないのですが、何かアメリカ側のほうから、このドイツ人の持つて来たこの話に対して、なんと言いますか、干渉というか、妨害というか、そういうようなことは起つておらないですか。
  104. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) アメリカは全然関係しておりません。
  105. 岡田宗司

    岡田宗司君 日本側のほうは今までのMSAの援助による装備その他の関係から、主として武品についてはアメリカ側のものを入れる、若しくはアメリカの特許を買つて日本で作るというふうな大体の方針を建てておられるのですか。
  106. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 勿論アメリカから供与を受けるわけでありまするから、主としてアメリカで作り、又いわゆる将来域外調達になるかわかりませんが、日本で作らせて、そうしてそれを我々に使わせるということにもなろうかと、こう考えております。
  107. 岡田宗司

    岡田宗司君 あの三十六億円のMSAの小麦の金ですね、あれによつていろいろな兵器を作る計画がほぼきまつたようでありますが、あのうちのジェット・エンジンの問題ですが、あれは結局あの費用をもとにして日本でジエツト・エンジンを作る。それであの日本ジエツト・エンジン会社ですか、あれがそれをやるということは本ぎまりになつたのですか。
  108. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) まだ本ぎまりになつたというところまで行つておりません。大体あの筋で行くのじやないかと考えております。
  109. 岡田宗司

    岡田宗司君 次にお伺いしたいのは、まあ今年度航空自衛官の増加が行われ、又来年度も行われますが、本年度はまだ練習中のものが多いのですが、来年度はちやんと整つたジェット戦闘機部隊ができるのですか。
  110. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 我々は本年度あたりにはやりたいとは考えておりまするが、なかなかこれもむずかしい問題で、果してできるということは、私はここで確定的なことは申すことはできません。
  111. 岡田宗司

    岡田宗司君 そのジェット戦闘機隊の設置に一番困難な点はどこですか。これは飛行機がない、向うからなかなか得られないという点にあるのか。それとも人間が、こちらの人間がそれだけの技倆がまだ得られてないという点ですか。いずれですか。
  112. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは申すまでもなく、一番むずかしいのはパイロットの養成であります。それらの点を勘案いたしまして、なかなか私はこれは容易じやないと考えておるのであります。飛行機の問題につきましても果してどれだけの機数が確実に動かせるようになるかということは、ちよつと今のところ見通しはつきかねております。
  113. 岡田宗司

    岡田宗司君 なんですね、輸送機を譲り受けることになつておりましたね、それでまあこの前の国会のときにその一部は、パラシューターですか、あれを作るように言われておつたのですが、もうすでにそのパラシュート部隊の設置計画が進められておるのですか。
  114. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) パラシュート部隊の設置計画を今進めております。やつております。併しこれもなかなか御承知通り乗員の養成、その他の点から見て、相当困難なものと考、えざるを得ないのであります。
  115. 岡田宗司

    岡田宗司君 対潜水艦航空機の、警戒機の問題ですが、あれはまあ長官の裁断で以て、新聞に出たようにきまつたわけでありますが、もうすでにこれは配属されて訓練が行われておるのですか。
  116. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 対潜水艦機ですね、これはまだ訓練は行なつておりません。
  117. 岡田宗司

    岡田宗司君 これはまだ引渡しを受けていないのですか。
  118. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 海のほうに対しましては練習機を今五機もらつて練習をしておりますが、まだいわゆる対潜水艦機は引渡しを受けておらないのであります。併しぼつぼつ引渡しをしてくれる時機になりつつあります。
  119. 岡田宗司

    岡田宗司君 この間は私ども北海道自衛隊に視察に行つたのでありますが、武器は大分アメリカのほうから引渡しがあつた。まあいろいろな種類のものが入つておるようであります。中には部分品がなくて、ぶつこわれたもので、もう使い物にならん、こういうようなことで、部分品さえあれば使えるようなものが、全然動かなくなつておるというようなことを大分ほうぼうで聞いたのでありますが、今日本側に来ているものは、そういうふうな狂いが来て、じきに使えなくなるようなものが多いのですが、今後も主にそういうようなものが多いのですか。
  120. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今御指摘のつまり部分品がなくて動かないものがあるという、これは事実であります。そこで我々といたしましては、これを完全に動くように至急部分品を空輸されるようにということを要請しておりまして、従いまして徐々に入りつつあるので、これを一挙に解決するうとは相当困難な事情もあるかと思いますが、近い将来においてこれは解決するものと考えております。
  121. 岡田宗司

    岡田宗司君 次に例の予備自衛官の問題でございますが、先ほど長官も、今までのところは応募者が非常に少い、それからこれから募集をするのだが、なかなか定員通り行くまい、こういうようなことを言つておられましたが、これはまあ恐らく来年度は更にその定員を殖やすつもりでありましようし、再来年度はもつと殖やすというつもりでありましようが、こういうような状態でありますというと、これはなかなか予備自衛官というものが政府計画通りには集まらない。一体予備自衛官がなかなかこういうふうに希望者がないという点の原因はどこにあるとお考えですか。
  122. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 先刻申上げましたように、いよいよ本格的自衛官募集をするのは来月の一日からであります。そこでその結果はどうであろうかということが問題であります。私の見通しとしては、先ほど申上げましたように我々の計画通りには或いは行くまいと思いますが、その原因はどこにあるかということは、又今後の問題でありましようが、これは木村個人の意見としては、自衛官になれば、或る一定の期間職場を放棄して、そうして訓練を受けなければならない。そこでこれを使つてくれる人が、それだけの理解を持つてそれを許してくれるかどうかということについて一抹の危惧の念が見えると、こう考えられます。そこでそれらの点が解消すれば喜んで予備自衛官を希望する者も殖えるのではないか、こう考えております。或いは又金額の点、いわゆる手当の点なんかについても問題がからんでいるかと思いますが、これは確定的なことを申上げるところまでは行きませんが、今申上げましたように、木村一個の考えであります。但し原因はどこにあるかということは、将来の問題として大いに研究してみたいと思います。
  123. 岡田宗司

    岡田宗司君 今までやめて行く連中が、希望しなかつた応募しなかつたということは、将来の問題とやや違うのでありますが、予備自衛官になろうというような考えのある連中は、予備自衛官になるよりもむしろその前に隊にとどまるという考え方を以てとどまるので、やめて行く連中はおおむね自衛隊とは縁を切りたい、こういう考えでやめて行く人が多いのじやないか。そうするというとなかなかあなたの言われるようなことだけで以て予備自衛官というものの定員を充たして行くことができないんじやないかと思いますが、その点に対するあなたの見方はどうですか。
  124. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これはやはり来月一日から発足するのでありまするから、その結果を見て、よく私は原因の奈辺にありや等を大いに検討して、対処して行きたい、こう考えます。
  125. 岡田宗司

    岡田宗司君 最後にですね、今朝の朝日新聞に出ておりました問題でありまして、長官も御存じになつていると思うのですが、秋田県では、自衛隊が県内の、主要労組の動向を調査して問題を起した。「自衛隊秋田駐在部隊調査班の肩書の名刺をもつた二名の制服の隊員が県労政課をおとずれ『治安維持上必要だから』と前置きして、各労組の今までの闘争状況と左翼系、右翼系の区別を問い質したという問題である。警察の場合は起きた事件に責任のある幹部が、事件は『まつたく初耳だ』と否定するのが通り相場になつているが、秋田の自衛隊の場合は調査班長がはつきり事実を認めている。その話によると『上から命じられた調査項目に入つているから調べたまでで特別の理由はない。自衛隊には直接、間接の武力侵略に対抗する任務のほかに、必要に応じ公共の秩序維持に当る任務があり、これに基いて労組の状況調査するのだ』ということである。」云々という記事が出ておるのであります。で、何ですか、これで見ますというと、秋田駐在部隊調査班長は、極めてはつきり言つておる。「上から命じられた調査項目に入つている」こういうことでありますが、こういうことはこの何ですか、防衛庁のほうから命令されておるのですか。
  126. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) それは今朝私もその記事を見て、初めて知つたのであります。その事実の有無をよく調査してみたいと思います。併し、防衛庁内局としては、さようなことを命ずることはありません。或いは部隊のほうで責任者がそういうことを命じたかもわかりません。それらの点については十分調査したいと、こう考えます。
  127. 岡田宗司

    岡田宗司君 こういうようなことが上から命じられたと、まあ今のお話ですというと、内局から命じたのではない、こういうことですが、そうすると、管区隊の何というか、総監というのですか、総監が命じたかもわからんと思うのですが、とにかくこういうことが命令として出されて、そうして、こういうことが行われるということは、いろいろな点で私問題があると思うのです。こういうことはおやりにならんほうがいいと思う。若しここに言うように「公共の秩序維持に当る任務があり」云々というですね、この自衛隊が普段公共の秩序維持のために勝手な活動をされては困る。これはやはり自衛隊法にもありますように、何か問題が起つたときに、その政府なり或いは知事なりの要請によつて出動すればいいのであつて自衛隊自身がこういうような普通の市民の生活なり、活動の範囲までかように立ち入つて調査するということは、厳に慎んで頂きたい。やめて頂かなければ、これはやはり困ると、こう私ども考えますが、その点長官は如何ようにお考えでしようか。
  128. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) さような事実があつたかどうか、又ありとすれば、どういう考えの下にそういうことをしたのか、或いは本人の、まあ部隊長の命令によつてつたと、こう新聞の記事の報ずるところはそうなつておるが、果してそれが事実であるかどうか、そういうことについて十分調査いたしまして、将来のことについて対処いたしたい、こう考えます。
  129. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは増原さんにお伺いしますが、この部隊調査班というものはどういうような任務を持つておりますか、普通はどういう活動をするものなのですか。
  130. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 調査班というものの主たる任務は、警備地誌を作るということが量においても一番大きい任務なのであります。何といいますか、人文地理、そうしたものに亙つて道路調査、橋梁の調査というものは勿論でありますが、そうした人文地理等に亙つて、一応の警備区域というものは持たしてありますから、その区域内のいわゆる警備地誌を作るということが主たる任務であります。
  131. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますというと、こういうものなのですね。労働組合の動向だとか、或いは政党の動向だとか、個人の政治活動、そういうものを調べる任務は持たしてないのですか。何といいますか、漠然たる人文何とかという調査のうちに入つているのですか。
  132. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 細かい問題をちよつとまだ申上げるまで用意しておらんのですが、人文という意味で、いろいろな団体等についても、この調査をしておくということはあるかもわからんと思います。今新聞に出ているところで見ますと、県の労政課へ参つたといいますが、そういうところにある資料をもらつて、いわゆる調査資料としたというふうに見えるわけです。これは何と申しまするか、例えばそういうことを調査するとしても、直接組合へ行つて調べるということをやる、これはもうそういう形は決してとるべきことではないと、関係の官庁等から資料をもらつてやる、そういう種類のものは私どものほうは皆やつているわけであります。そういう意味で人文の一部として、或いは軽く調査の資料をもらつたのではないか。まあ他意はないというふうな言い方もしているわけであります。そういう人文というふうなことで調べたのではないか。若し調べたとすれば、そういうふうにまあ一応考えます。
  133. 岡田宗司

    岡田宗司君 まあそんなことで軽くやつたのだと、他意がないのだということですね、こういうことが何でも他意ない、他意ないで行われて行きますと、どうも昔の憲兵のようなことになりかねないのです。憲兵だつて初めは特高憲兵なんていうのはなかつた。そのうちにいや反軍思想だなんていうので、だんだんだんだん憲兵が強くなつて、しまいには憲兵政治になつて、あなたがたの大将の吉田さんまで憲兵にほおり込まれることになつちやつた。だから私はこういうふうなことを初めから厳に慣しんでおかなければ、ただ他意ない、他意ないと言つておりますと、いつの間にか昔の憲兵みたいなものができ上つて行くのじやないかということを恐れる。最近公安調査庁ができてから、或いは又国警になつてからも、いろいろ問題が起つております。どこかでは共産党の人の家へ何かこうマイクをくつつけて、テープレコーダーで盗み聞きしたというのがみつかつて、これは鳥取県ですが、大騒ぎしているというような事実があります。そんなようなことで、他意ないなんて言つてるうちに、とんでもないことができ上ることを私ども恐れております。この点については、木村長官も、こういうふうなことで、自衛隊一般市民生活に何か干渉をするということの起らないように、飽くまでも注意してもらいたい、こう思います。これで私の質問は打切ります。
  134. 松原一彦

    ○松原一彦君 二つ伺いますが、先般矢嶋君がここで長官にお願いした例の別府湾の危険物引揚げ事件はその後どうなつておりますか。
  135. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) お答えいたします。このイベリット弾につきましては、九月十日厚生省から、事件の結果の報告がありました。これによりますると、直接にイベリットは被害が、或る程度の被害があるということが確認されたのであります。併し海水汚染による被害はないものと思われます。併し直接こイべリットに触れることによる被害者も、現実に若干出ておるようであります。又地元漁民の不安等も考慮いたしまして、所管としての問題は別といたしまして、とりあえず現地に私のほうでは掃海艇を急派いたしまして、電探によつて精密調査を行なつて、イベリットの分布状況を確認することにいたしました。現在までの推定資料によりますると、問題の海面にはイペリット弾はそれよりも遥かに大量の砲爆弾に混在して海中に散在している模様であります。即ち普通の砲弾一万二千トンに対して僅かに二百四十トンくらいに過ぎないのであります。約二%であります。そういうようなたくさんの砲弾の中に僅かにイべリット弾が散在しているのでありまして、これを全部引上げるということになると、これは大変な金がかかるわけであります。イべリット弾だけを引上げるということはこれはななかなかむずかしいのです。そこで散布状態なんかをよく調べた上において、これをやつて行きたい、こう考えております。現在関係各省のエキスパートが現地に赴いて潰滅の状態を今つぶさに調べて、今後の対策を立てたいと、こう考えておる次第であります。何分にも今申上げまする通り、海中にたくさんの砲弾に混つて僅かのイベリット弾があるのです。この砲弾を全部引上げるということになるならば莫大な金がかかります。イベリット弾だけを抽出して引上げるということができれば、これはもうすぐさまにもやらなければならんし、又やり得るだろうと考えます。それがどうなるだろうかということで、今折角我々のほうでは掃海艇を出して電探でその分布状態を調べておるわけであります。
  136. 松原一彦

    ○松原一彦君 いろいろ御尽力を感謝しますが、その結果が公表せられる場合には、なるべく至急に一つ文書で以てこの委員会まで御報告願います。
  137. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちよつと速記とめて下さい。    〔速記中止
  138. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記つけて下さい。
  139. 野本品吉

    野本品吉君 先般北海道自衛隊状況をいろいろ見せて頂きして、とにかくいろいろ考えさせられた点があるのですが、幾つかお伺いしておきたいと思います。各部隊におきまする訓練は相当立派に行われているように私は見て参りました。ただここで私が最も考えさせられました問題は、各部隊における訓練は相当行われているが、部隊北海道防衛のいわゆる構想というようなものについて何らの根本方針が呑込まれておらない、知らされておらん。それぞれの部隊はとにかく訓練さえやつておれば、それでよろしいので、その訓練北海道防衛の構想と申しますか、全体の計画の上にどういう関連を持つているかということが明確に把握されておらない。このことは部隊自身にとりましては非常に淋しいことでもありましようし、又私どもから見ましても、何だか北海道防衛についての自主性といいますか、そういうものが欠けているのではないかというようなことで淋しさを感じて参つたのですが、この点はどんなふうにお考えになつておられますか、お伺いしたいと思います。
  140. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 北海道全般に亙る防衛方針、その他実施状況ということでありまするが、これは最高幹部では必ず立てておると確信しておるのであります。それが下のほうにどれだけ流れているかということについては相当疑問だろうと思います。而して我々といたしましては、ただただ訓練をふだんから十分やつて意気を高める。北海道のそういう治安が万一不幸にして乱れることがあつたら、直ぐに役に立つということでふだんから訓練をやつておるわけであります。最高方針については最高幹部において適宜十分に計画を立ててやつておることと考えております。
  141. 野本品吉

    野本品吉君 それからどこの部隊へ参りましても、演習地の取得、訓練の充実の問題が極めて重大な問題になつておる。先ほどもこのお話が出ましたが、米軍の撤収後における適当な演習地の取得による訓練の徹底充実というようなことにつきまして、現在どんなお考えで進めておられますか、その点……。
  142. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 御承知通り、やはり部隊の存在するところには必ず演習に必要なる演習地は設置しなければならんのであります。その演習地の取得につきましては、我々は地元民と常に協調を保つてその獲得に尽力いたしておる次第であります。幸いにだんだん北海道におきましては地元民の了解を得まして、相当な演習場の獲得は成立いたしております。併しまだまだ不十分な点がありますので、地元民の協力を今得て、その計画の遂行に努力しておる次第でありますが、駐留軍のほうの演習地につきましても、これは我々はその引揚後においての使用方について十分に努力いたしたいと考えて、今地元民の折角協力を求めて折衝いたしておる次第でございます。
  143. 野本品吉

    野本品吉君 これも前からいつでも話が出る問題ですが、現地へ行つてみまして、やはりしみじみ感じさせられる問題は、いろいろと設備、資材等は逐次充実されておりますけれども道路、橋梁の不完全であることが、やはり機動力を拘束してしまいまして、宝の持ち腐れと申しますか、そういうことになるのではないかということも非常に痛心されるわけなんですが、これらのことについては相当な計画を以て着々お進めになつておられるのでございますか。
  144. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) お説尤もでありまして、部隊の行動については、道路が最も必要である。小部隊でも、機動力が発揮されれば十分に効果を挙げる次第であります。機動力発揮について何よりも必要な道路、橋梁、これらの新設、改修は急を要することと考えております。併しこれにつきましては、防衛庁自体でやれる仕事ではないのでありまして、これは北海道の道民の御協力に俟たなければならん。この点につきましては、私は先般北海道へ出張の際にも、北海道田中知事とも十分懇談いたした次第でございます。これと同時に、いわゆる防衛道路の問題がございます。防衛道路考え方は、一面においてはいわゆる軍の機動力の発揮、それと同時に産業の開発、それと同時に又失業救済にもなることではないかと考えております。これらの点から考えまして、防衛道路の進捗は何よりも急務であろうと考えて今いろいろ構想を練つている次第であります。
  145. 野本品吉

    野本品吉君 それから、各部隊へ参りまして、隊員の出身地別というようないろいろな表などを見せて頂いたり、説明して頂いたのでありますが、まあ今のところは止むを得ないかも知れませんが、北海道の出身のかたの隊員が全体の一五%程度というようなことをそこここで聞かされているわけであります。私どもはあの北海道防衛の現在、及び将来というものを考えますというと、でき得ることならば、北海道出身の者を隊員の大部分として集め得るように持つて行くことが非常によろしい、こうまあ考たているのですが、そこで北海道における隊員のそういう意味における募集というふうなことについて、何かお考えになつて、積極的に働きかけているというようなことはございませんですか。
  146. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) お説の趣旨は私ども十分考えまして、特に北海道につきましては、募集については、他の地方よりも力を入れまして、一生懸命やつておるわけであります。御承知のように、北海道という四百万くらいのところへ五万の部隊を置くというようなことで、比率自体が非常に懸絶をしておりましたところへ、北海道全体といたしましては、何と申しまするか、やはり青壮年級の労力というものが、他の地方よりも余つていないと申しまするか、という状態でございまして、第一回目以来の募集が常に私どもの予期よりも少いということで、毎回、まあ構想を練りまして、成るべく地元からたくさんとるように、例えば身長などは五尺二寸五分ときめましても、一分や二分少くても、隊員たることに大なる支障はない。ほかのところでは五尺二寸五分でありましても、五尺二寸五分が一分や、二分くらいでも北海道はとるというふうな、いろいろやりくりもしまして、成るべくたくさんの人を北海道からとりたいということをやつておりますし、宣伝その他も特に力を入れてやつておりまするが、御覧になりましたような状態で、なかなかその点は改善できない。将来は併しなお一層その点は努力をいたしたいと思います。
  147. 野本品吉

    野本品吉君 只今の問題と関連してのことなんでありますが、まあ北海道の産業の実際から見まして、あすこで相当の人的労力を必要とする、こういうことが応募者の少い一つの原因になるであろうということは、これは想像ができるわけであります。そこでそういうことが予想できるとすれば、他の地方からあすこへ出かけて、北海道部隊に入つた者を北海道に定着させるというようなことについて、除隊後における定着方策というようなことについてお考えになる必要があるのじやないか、こう考えているのですが、どんなものでしよう。
  148. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) お説御尤もと思います。北海道自衛隊へ入隊する者の大多数は、内地から行かれる二男、三男の者であります。これらの人たちが北海道訓練を受けて、そうして立派な一人前の人間となつて北海道へ土着して、でき得べくんば未開墾地の五町歩なり、六町歩なりを、貸与なり、或いは給付、これを与えられるなりして、それの開墾については自衛隊施設部隊が行つてつてやる。収穫の上がるまでの生活は、政府で以て或る期間みてやるということになれば、相当数の内地の青年が北海道べ定着する者が出て来るのじやないかと考えております。それらの考え方に基いて将来一定の計画政府において立つべきであろうと、私はそう考えておるような次第であります。
  149. 野本品吉

    野本品吉君 まあ今の点につきましては、そういう御方針でできるだけ具体的な方策を立てられることを私は希望してやまないのであります。  それからもう一つは、各部隊を廻りまして、これも一様に感じ、又考えさせられた問題でありますが、北海道の風土に慣れない者が大部分北海道に移駐して、あの防衛の任に当る。そのことから考えましても、各部隊における医療施設、それからして医療方面の要員を充実するということ、これもまあ非常に大切だと思うのです。私どもの見た範囲におきましては、医療施設におきましても、そう完全ではありませんし、その医療の要員に至りましては極めて貧弱であると思うのです。その医療の問題につきまして、そういうような点につきましてお考えになつておられると思いますが、どんなことでございますか。
  150. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 医療施設の改善、増設については御尤もであります。我々は十分その点について将来考慮を払いたいと思います。何分にも、その要員、即ち医官の不足が悩みでありまして、これは全般的に見て医官が不足しておるのであります。これをどうして充足さすべきかということについては、なかなか容易ならん制約があるのであります、これにつきましては、我々は徐々に解決して、御希望のような医療設備の改善に完きを期したいと考えております。
  151. 野本品吉

    野本品吉君 わかりました。
  152. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ほかに御質問ございませんか……。ほかに御質問ないようでしたら、この調査題目に対する質疑はこれにて終了したものといたして、本日は散会をいたします。    午後三時四十九分散会