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1954-05-20 第19回国会 参議院 電気通信委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十日(木曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————   委員の異動 五月十七日委員山田節男君辞任につ き、その補欠として片岡文重君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            島津 忠彦君            久保  等君    委員            津島 壽一君            新谷寅三郎君   政府委員    郵政政務次官  飯塚 定輔君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   説明員    郵政大臣官房電    気通信監理官  庄司 新治君    郵政省電波監理    局次長     荘   宏君    日本電信電話公    社営業局長   吉沢 武雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う公衆電気通信法等特例  に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○電波行政に関する調査の件  (電波法及び放送法改正に関する  件)   —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。  先ず、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政特定実施に伴う公衆電気電信法等特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は御発言願います。
  3. 久保等

    久保等君 この法律案について一、二お伺いしたいと思うのですが、今度この法律改正によりまして従来アメリカに対して与えておつたような電気通信に対する恩恵というようなものを、その他の国際連合軍隊に対して今回いわゆる国際連合軍隊地位に関する協定という協定締結が行われましたので、その他のアメリカ以外の国際連合電気通信に対してもやはり同じような取扱をして行こうというような法律になつておるのですが、そうすると、まあ今までのところはそういう扱いをしておらないと思うのですが、例えば電話加入者或いはその他例の増設電話、そういつたような問題についての扱い方等もどういう法律的な根拠によつて扱つておるのか。全く一般的な日本国内加入者あたりに対する扱い方と同じになつておるのか。それらの状況を若干御説明願いたいと思うのですが。
  4. 庄司新治

    説明員庄司新治君) 只今の御質問にお答え申上げたいと思うのでありますが、前にこの法律を出します際の提案理由の御説明にちよつと触れましたが、この法律御存じのように一九五一年九月八日の吉田アチソン交換文書におきまして我が国平和条約効力発生と同時に、国際連合憲章第二条に掲げるところの国際連合憲章従つてとる如何なる行動についても、あらゆる援助を与える義務を引受けることとなつておるのでありまして、朝鮮における国際連合行動に従事する軍隊に対して、我が国は相当の援助を与える義務を受諾したということが述べてありますが、種々の事情でこの協定が遅れておりましたところ、去る二月十九日に、日本国における国際連合軍隊地位に関する協定として調印されたのでありまして、この調印されましたことにつきまして、そこで電気通信関係取扱ということも正式に取上げられまして、日米安全保障条約に基くアメリカ合衆国軍隊に対する取扱と同等の取扱をするということのために、先に制定されました特例に関する法律、正確に言えば、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う公衆電気通信法等特例に関する法律というものを一部分改正いたしまして、同様の趣旨のことを国連軍に対しても準用しようということにしたのでございます。内容はもうすでに御承知だと思うのですが、目的とするところは、ただ電信電話料金を、公衆電気通信法適用を排除しまして、協定の定むるところで電信電話料金を頂きましようと、それから電話設備負担金につきましては、措置法適用によつて負担を要しないことにしよう、それから有線電気通信関係設備利用についても、協定に基いて行いましようということをきめようとしておるわけであります。只今質問の点につきましては、以上のような精神に則りまして、その精神を尊重するという意味で大体このアメリカ軍と同様な取扱をやつておるということになつております。
  5. 久保等

    久保等君 ですから、今までの扱い方なんですけれども、今までの扱い方というものは、まあアメリカ軍の場合と同じような扱い方をしておるということですか、現実の取扱い方は。そこで、まあそれに対する特別な法律的な根拠と言いますか、まあそれは今度の国連軍の問題にしても、只今の一番母体法になつておるのは、いわば吉田アチソン公文というものが一番根本的な基礎にはなつておると思いますが、そうすると、電信電話料金の問題とか、設備負担金問題等についても、扱い方としては従来から全く同じように扱つておるということなんですね。
  6. 庄司新治

    説明員庄司新治君) 先ほども申上げましたように、平和条約に基くアチソン・吉田交換文書による精神を尊重いたしまして、そういうふうな措置をしておるのでございます。
  7. 久保等

    久保等君 まあそうなると、それは今言つた吉田アチソン交換公文精神に基いた運用ということであつて、直接的な基礎になつておる協定というものがあるわけじや勿論ないわけなんですが、まあそうなると、基礎法というものはないけれども精神に則つて運用しておつたというふうに理解していいんですか。
  8. 庄司新治

    説明員庄司新治君) 平和条約ができました当時は、これはまだ電気通信省時代のことでございますが、その当時電気通信省としてどういうふうな関係でそういう措置をとられたかということを、当時関係しておられた公社の方からでも御説明願えれば幸いと思うのですが、吉沢さんが見えておりますから……。
  9. 吉沢武雄

    説明員吉沢武雄君) 補足的な御説明になるかと存じますが、私ども解釈はこういうふうに考えております。御存じ平和条約発効前におきましては現在の駐留軍、且つ又国連軍も区別なく占領軍に対する一つの命令なり、或いは政府としてのこれに対する協定、或いは話合いによつてつてつたわけであります。その実態といたしましては、当時におきまして占領軍の要求するサービスにつきましては、国内の同一サービスであれば、国内電信電話料金の定むるところの実質上の料金適用する。ところが、当時にお要してはいろいろな種類のサービスを要求したわけであります。当時国内におきますところのサービス以上のいろいろなより各種のサービスがありましたために、そういう特異なサービスにつきましては特に実費を取り、且つ又特殊の価値料というものを賦課しまして、一応特別な料金として取つたわけであります。それが平和条約になりまして、この駐留軍との協定におきましてはそのままの形を実は持続いたしまして、法律において料金法適用を排除し、且つ又この公衆電気通信法ができました際においては、公衆電気通信法を排除する行政協定の定めるところによつてということによつて行政協定に基くところの政府及び駐留軍との協定になつております。それがアメリカ駐留軍に対する問題でありますが、然らば国連軍はどうかということでございますが、この精神は、只今庄司説明員から御説明のごとく、一貫した精神であるべきであるということでございます。そこで国連軍に対しまして、その空白のときにはどういうふうに解釈をするかということでございますが、やはり実質は同じような国内と同じサービスであれば同じ料金をもらうということでございまして、当時におきましては、法的な考え方というものは、実質はやはり当時の料金法実質上は適用されたと同じ形である。且つ又、昨年八月公衆電気通信法ができた場合におきましては、それ以後における公衆電気通信法とやはり同じサービスであれば同じ料金を取つているということで、実質上は同じ扱い公衆電気通信法ができましたとしても、その適用を排除していない実質上の扱いをしているのであります。そこで公衆電気通信法にないところのサービスというものはどうかというと、先ほど申上げましたように特殊の料金を取つている。実質駐留軍と変らないところのサービスをやり料金を取つているわけであります。
  10. 久保等

    久保等君 その今までの扱つて来た経過なり事実状態はわかつたのですが、併しアメリカを除いた国際連合軍隊に対する扱い方が果してアメリカ軍と同じように扱つていいかどうかという問題は、恐らく相当問題があると思うのです。又事実今日までここへ出されております法律案基礎になつておりまする日本国における国際連合軍隊地位に関する協定という協定が、本年の二月でしたか行政協定ができ上つた経過から考えても、その間相当な日時も経過いたしているわけですから問題があつたというふうに私は聞いております。当時の電気通信省がこれらの問題について、当時殆んど論議がなくて当然これはそういう扱い方をすべきだというふうに考えてやられたのか。やはり一応問題はあるけれども、或いは又いろいろ外務省その他との連絡もとつて論議も尽したのだけれども基礎になる協定というものの締結が当時はまだなされておらないしするので、便宜的にそういう扱いをしておるという程度なのか。それとも果してそういつたことについての論議余りなされなかつたのかどうか。私その点もう少し詳細に御説明を願いたいと思うのですが。
  11. 吉沢武雄

    説明員吉沢武雄君) お答え申します。この法的な問題は別といたしましても、実質今久保委員の御質問のごとく、その際におきまして十分に慎重に審議した結果かということでございますが、これにつきましては、私ども通信に関する問題といたしましては十分に審議をしました。やはり駐留軍と同じ程度サービスをしても差支えないし、且つ又そうすべきだろうというふうに考えたわけであります。と申しますのは、国連軍に対する通信サービスの範囲、量というものは極めて少いのであります。御存じのごとく中国、呉を一帯としたところが国連軍通信でありまして、僅かにそれから東京へ参りますのは一、二回線市外線というようなことで、主として呉を一帯とするところの通信の提供にかかるものでありまして、それらも駐留軍と同じようなサービスをしましても大した問題もないというので、別にこれを特別に取上げて別の形態に持つて行くという必要を感じなかつたわけであります。以上のようなわけで、今申上げたようなふうな扱いにしたわけであります。
  12. 久保等

    久保等君 アメリカ軍と同じような扱い方をしておつたということについて、むしろもう一つ考え方が私は成立つのじやないかと思うのですが、アメリカ軍の場合には、政府見解から考えて見た場合に、成るほど日本が今日いわゆる無防備といいますか、全然軍備を持たないという状態の下において、日本自衛関係アメリカ軍によつてつて行こうということで、いわば防衛関係アメリカにお願いしているのだという考え方政府考え方だと思うのです。そういたしますると当然駐留をしてもらつて日本を防衛してもらうというアメリカ軍に対する特権を或る程度認めるという意味から言つて、いろいろ国内法とは違つた扱い方をして行くということも趣旨として一応わかるのです。併し事アメリカ軍を除いた他の国際連合軍隊ということになつて参りますと、問題はこの前の朝鮮の動乱問題を契機として国際連合軍隊日本駐留せざるを得ないという必要性が起きて来たものですから、日本立場自体から考えるならば、直接的な防衛関係というよりもむしろ国際連合の都合上日本駐留をさせたという問題になつて来ていると思うのです。そうなつて来ると、それに対する扱い方日本の場合にアメリカ軍と同じように扱つて行くということはむしろおかしいのじやないか。従つてこれに対してはそういつた特権を認める必要がないのじやないかという議論も十分成立ち得ると思うのです。連合軍軍隊アメリカ軍軍隊というものの目的というものが、少くとも本質的に違うわけなんですから、そういつた問題も私は当然出て然るべきじやなかつたかと思うし、むしろそういう観点からするならば、而もそれが何ら基礎的な協定締結せられておらないという無協定状態の下において、而も日本は完全な独立国家になつたという以後における問題としては、私は国際連合軍隊に対してそういう扱い方をしたこと自体が非常にむしろおかしいのじやないかというふうに考えるのですが、その点についてはどんなふうな考え方を持つておられますか。
  13. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 久保委員のお尋ねの点は、これは恐らく外交関係の問題になるのじやないかと思いますけれども電信電話取扱う省としての我々の考えは、やはり久保委員のおつしやるように、アメリカ軍連合国軍とは違うのでありますけれども最高司令官アメリカ最高司令官であり、而も朝鮮の戦乱に対してのいろいろな観点から日本に立寄り、或いは日本に暫時であつて駐留するというようなことから、電信電話アメリカ軍と別の待遇でこれを取扱うということは不便を感ずることもあるというようなことから、このたびの法案が出されたものと私は考えております。
  14. 久保等

    久保等君 今の政務次官の御答弁も、法律論から言えば、御答弁もちよつとなりかねるのじやないかと思いますが、不便とか何とかという問題じやなく、やはりこういう問題の扱い方については、国際関係については、これは条約なり協定なり確然たる何か基礎に基いてやはり扱つて行くべきだと思う。従つて若しそういうものが無協定状態であるならば、これは他の如何なる国であろうとも、やはり日本の国としては、それこそ私は独立という権威にかけて厳正に扱つて行くべきだと思う。これが軍隊であろうと或いは何であろうと条約協定等によつてはつきり一つ特権が与えられておれば私も当然だと思いますが、そうでないものについては、これはやはり私は飽くまで厳正に扱つて行かなければならないと思う。従つて連合軍司令長官アメリカ人であろうと何であろうと、アメリカ軍というものとアメリカを除いた国連それから更に厳密に言えばここで問題になつているのは、ただ連合国軍というような漠然としたものじやなく、それぞれのはつきりした主権国を指しているのであつて連合軍とはやはりアメリカを除いた以外の連合軍という言葉で総称せられているが、その中には具体的にイギリスであるとか或いはフランスであるとかというような具体的な国そのものがやはり問題になつて来るのじやないかと思うのです。従つてこの協定基礎になつております、つい最近参議院のほうも通過いたしました日本国における国際連合軍軍隊地位に関する協定というこの協定も、意見として考えられることは、もう少し明確に規定をすべきじやないか。アメリカを除いた各国を十把一からげにしたような形のこの協定の仕方が正しいのかどうかという問題も、一つの問題として私はあると思う。そういう問題があるだけに、やはりそれに基くこの電気通信に対する扱い方についても、連合軍とはいつても、抽象的な連合軍を指しているのじやなくて連合軍そのものの中に含まれておるそれぞれ具体的な各国が実は対象だと思う。そうなつて参りますと、なお更司令官アメリカ人であろうと何であろうと、そういうことによつて連合軍に対する扱い方が当然アメリカ並みに扱うべきだという考え方は、これはむしろ考え方によつては、占領下における日本であつた当時と同じような非常に卑屈なものの考え方じやないかと思うのです。それでむしろやはり従来から扱つて来ておりまする扱い方も、今度この法律が通過いたせば、私は勿論その基礎的な法律が明確になるのだし、それから又この法律にも施行期日のところは大体遡つて何か実施するようなことになつておりますので、従来やつて来たそのことに対する何か法的な基礎付けをこの法律によつてやろうとしておる点から見ましても、従来は実は何らの明確な基礎がなかつたということを裏付けておるようなふうに私ども理解されるわけです。その点が非常に扱い方としてルーズであつたというよりも、私はむしろ協定なり条約というものが締結されておらない限りは、如何なる連合軍といえどもやはりそれに対する扱い方をもう少し厳正に扱つて行くべきじやないかというふうに考えるわけなんです。その点に対してはもう少し明確な答弁をお願いしたいのですが、或いはその点それ以上の御答弁が頂けなければ、それも只今のところは止むを得ないと思うのですが、もう少しその点を私は十分考えるべきではなかつたか。それですでにこのアメリカ軍の場合においては、昭和二十七年にこういつた法律がちやんとできておるわけですから、こういつた法律が少くとも制定せられる当時に、アメリカを除いた連合自軍に対する問題についても、電気通信省当局としては非常に大きな扱い方の問題について、その当時もう少し何か尽すべき手段はなかつたのか、こういうふうにも私実は考えるわけなんです。先ほど吉沢営業局長お話では、いろいろ意見はあつたのだ、非常に活溌な意見が闘わされたのだというのだけれども、少くともアメリカ軍に対する扱い方を規定した特例法、この当時この問題が問題にならなければならなかつたでしようし、それから又昨年の例のあの有線電気通信法、それから公衆電気通信法、それからそれらの施行法ですね、施行法の中では実は若干改正も行われておるのですが、その当時連合軍関係の問題もやはり当然考慮せられた問題であろうと思うのです。だがそれらの扱い方が、やはり大きな外部的な力というものに対して何か卑屈になつたのじやないかというような印象を私は受けるわけです。而もその扱い方があたかも協定締結せられ、法律が施行せられておるかのような今まで扱い方をして来たということになつて来ると、これは必ずしも通信回線の数が余りだくさんでもなかつたから、そう大した問題もなかつたのだという量的な問題では実は解決できないことだと思うのです。だからそれらに対する何か扱い方が、もう少し考慮する余地が従来においてすでにあつたのではないかというように考えるわけなんです。
  15. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 只今久保委員のおつしやることは私も同様な感じがするのであります。法的な基礎のないときに、いわゆる法的な空白時代に遡つてこれを施行するということは、結局法的根拠のなかつたときの待遇を今改めてこれをやろうとする措置のように私も考えるのであります。ただ連合軍という漠としたというお言葉の、例えば英国なり濠洲軍なりの個々のものとなぜ一つく害してそれを締結しないのか、この点については、この案を作るのに連合軍として、どういうわけで連合軍という名によつてこの案を作つたかということについては、吉沢説明員からもう一言お答えいたします。
  16. 吉沢武雄

    説明員吉沢武雄君) 国連軍に対する今回の日本国における国際連合軍隊地位に関する協定という問題についての御論議というものは、私どもの御答弁する限りでないと思いますが、今のお話国連軍駐留軍と区別すべきじやないかというようなことは、一応私どもも承知している次第であります。これは飽くまで安全保障条約に基く駐留軍とそうでない国連軍というものは、当時においては別に扱うべきことは、久保委員のおつしやる通りであります。それで当時この切替えのときにおきまして、通信サービスの面から見てどういうふうに扱うかということは、一応法的な考え十分練つてみたのであります。併し当時におきましては、吉田アチソン交換公文趣旨というものは、政府の一体の方針であるということと、更に近い将来において必ず国連軍に対して協定ができる、或いはこれに基く諸般の法律整備ができるであろうから、それまでの間の僅かの期間であるから、一応この適当と認めるところのサービスにおきまして料金を取るということで差支えなかろうという見解と立ちまして、今日の法的な整備を待つてつた次第でありまして、内容及び実施上におきましては、先ほど申上げたように、別に国連軍に対して電電公社といたしまして特別なサービスを余分にしたり、或いは料金を減免するというような態度をとつておる次第ではありません。
  17. 久保等

    久保等君 それではもう一つ質問をいたしたいのですが、先ほどもちよつと言つておられたのですが、現在国際連合軍隊、まあ主として呉だけだと思うのですけれども長距離回線としては東京間における回線だけなのか。それからその回線数は何回線か。それから収入の面ですが、例のサービス契約に対する収入として昭和二十八年あたりではたしか約七億円余の予算が見込まれておつたと思うのですが、これは勿論全体のサービス契約に基く収入だろうと思うのですが、年間どのくらい、アメリカを除いた国際連合軍隊のあらゆる通信関係した料金が入つて来るのか、その金額はどの程度のものになるのか、それらも一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  18. 吉沢武雄

    説明員吉沢武雄君) 英連邦軍がこの対象になるものでございまして、先ほど申しました呉を中心としての地域が多いのでございます。そこで大体後者につきまして、この通信サービスに対する料金月額七百七十万円というふうに見込まれております。一方駐留軍でございますというと、これが月額にしましては相当多い、年額で申しますれば約五十一、二億になるという見込でございます。  なお収納状況もついでに申しますが、これは非常に英連邦のほうは月々時間もかけにず早く納めて頂けるということは、一定の地域が狭い関係もございまして、その点は駐留軍よりも早く収納も得ておる次第でございます。  なお設備的にどういう回線になるか、或いは加入電話の数がどのくらいかということでございますが、これは二月末現在におきまして、英連邦軍に対しまする施設の数を申しますれば、加入電話としまして全国で九百七十五加入電話がございます。それからPBXでございますが、この増設電話は二百五十一の電話機がございます。更に市内専用線でございますが、これが二十六回線、なお市外専用回線でありますが、これは電話につきましては回線数回線電信回線数にしまして二十回線、こういうようになつております。
  19. 久保等

    久保等君 それから附則の所ですね、この実施時期がそれぞれ食い違つておるのですが、昭和二十七年の四月二十八日からのものと、それから昨年の八月一日からというふうになつておるのですが、これは設備関係からの事情だろうと思いますが、一つ説明を願いたい。
  20. 庄司新治

    説明員庄司新治君) 最初の昭和二十七年四月二十八日と言いますのは、これはこの法律を出すもとになります国際連合軍隊地位に関する協定というのが二十七年四月二十八日から適用されるというので、こういうふうになつております。そうして一部分遅れておりますのは三項、四項でございますが、三項、四項というのは有線電気通信法関係言つておるので、ございまして、有線電気通信法というのが二十八年八月一日からできたものでございますから、これに対しては八月一日から適用するというふうになつておるのでございます。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この法律案に直接関係がないかも知れませんが、二点伺いたいと思います。  それはアメリカ駐留軍、これは実際は国際連合軍隊現実には日本駐留しておるわけですから、有線のほうではこういつた心配余りないかと思いますが、無線関係でこれら軍隊使用電波関係から、日本のいろいろな機関で使つておる無線がデイスターブされることはないか、されたことはなかつたかどうか。今度はこれが更に幅広く認められて来ると、なお更そういう心配が起つて来るわけですが、この点は非常にバンドの狭い所に非常にたくさんの電波を使用しておる日本としては、相手国軍隊だからといつて、そちらの使用する電波をいろいろ変えて、そして場合によつては、悪く言えば譲歩するといつたような形でだんだん押されるというようなことはないのですか。実際にこれはあると大変だと思いますが、その点は違つた国の軍隊がおりますから、使用電波については特別の協定もし、交渉もしなければならないと思いますが、その点は如何ですか。
  22. 荘宏

    説明員(荘宏君) アメリカ軍との関係につきましては、日米行政協定に基く合同委員会の下部機構といたしまして周波数委員会というのがございまして、アメリカ側で使う電波日本側で使う電波につきまして、十分密接に連絡をとつて、お互いに混信、妨害等のないように処理をいたしております。国連軍関係につきましては、別に現在までのところ国連軍用の電波ということで話はございませんので、特別の処理はまた行われていない、かように存じます。従いまして国連軍関係日本電波の間で問題があるというようなことは今のところ全然ございません。
  23. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 問題がなければこれは大変結構なことですが、今のお話では、アメリカ駐留軍と同じように使用電波についての協定も何もする段階にまだ行つていないのですね、国連軍との間は……。そうすると向うの使う電波は、これは協定なしでやるからどういう電波を使われるかわからない状態です。私の心配しておるのは、そういうように非常に綿密に両方で相談をして、妨害しないような電波をお互いに使つて行くというそこに規律を求めないと非常に日本としては全体に迷惑になるだろうと思うのです。従来そういうことがなかつたことは結構ですが、今後の問題としても、やはりそういう措置をおとりになる必要があると思うのです。いやしくも他国の軍隊日本駐留するために、限られた非常に幅の狭い日本使用電波が、それによつて使用を何といいますか、制限されるというようなことになると私はいかんと思う。これはもう堂々と両方で相談をして、お互いに妨害しないような措置を事前にとられる必要があると思うのでお尋ねしておるのですが、この点従来はそういうことがなければ、今後の問題として至急に両方でそういう相談をしてもらいたい。  それからもう一つ伺いますが、これもこの法律案に直接関係はありませんが、こういうふうにアメリカ駐留軍なり国連軍隊日本駐留をする場合に、有線電気通信法から行きますと、こういう軍隊の使う専用線については、やはり何ら有線電気通信法によつては拘束がないわけです。これは私、有線電気通信法の審議に当りまして、日本人であつても或いは外国人であつても、日本国内に通信専用の設備をする場合に、やはり何かそこに主官庁があつて、これは困るとか、これは制限するとかいうことが言えるような法制上の立場をおとりになつたらどうかということをさんぐ申上げたのです。当時の郵政省の係官は、その必要はないのだと言つて、最後に大臣は、その点は十分に再検討をして、私の言つたような趣旨をくんで研究いたしますということでありました。今度もそれに関する法律改正案というのが出て来ない。出て来ないということは、必要がないということかも知れませんが、こういうふうに外国の軍隊がどんどん、どんどんでもないかも知れませんが、こういうことでどんどん専用線を張りめぐらされて行くというような事態は、私はこれが必要であるかどうかという問題は別といたしましても、日本の国としてどこにどういう専用線があるのかわからないという状態では困るのじやないか。その間にやはりそういう専用線を作るならば、電電公社において、こういう線をお使いなさいというようなことが言える立場でなければならないし、独立国としては当然だと思うのです。それを余りに郵政省は気前よく専用線というものを開放してしまつて日本人は勿論のこと、外国人の、軍隊は勿論、領事館であつても商社であつても専用線はいいのだということで、法制上はすつかり手放ししておられる。そういうことについて、郵政省としてはいろいろ事態が進んで来て再検討されました結果、私の申上げたような法律上の根拠を置くことについてまだ御検討中でありますか。或いは反省をされて法律改正についても何か考えようということになつておるのですか。現状のままでいいということなのですか。その辺の結論を伺いたいと思います。
  24. 庄司新治

    説明員庄司新治君) お答え申上げます。只今新谷委員の御質問の点は、この前に有線電気通信法の審議の際にもいろいろ御発言がございまして、政府としましてはよく考えるということになつておるのでありますが、その後の我々の、それじやそういう点に対する考慮はどうだという御質問であると思いますが、その後我々は非常に各方面と議論はしておるのでありますが、いや、これでもういいので、新谷先生の御意見のような改正案を出さないというふうな結論が出たわでけもないのでありまして、形の上から申上げますと、まだ検討中という形になつておりますが、積極的にこれを改正するか、或いはこのままのほうがむしろいいのだという答えも出ていないのでありまして、非常に困つておるといいますか、問題が大きいので結論が出るまでには到達しておらないというのが現状なのでございます。
  25. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 どうも時間が掛り過ぎるようですが、実際の状況をお調べになることも必要でありましようが、こういつたことは要するに政策の問題なのですね。日本は勿論戦争に負けて、好意ある国の援助を受けながら自立しつつあるわけですから、むやみに外国のものは排撃してしまえばいいという考えを持つておるわけじやないのですけれども、このうちどうしても独立国として守つて行かなければならん一線があると思うのですね。そういう点から言いますと、そんなに野放図にこれを野放しにしておいて、さあ必要になつて来た場合に、これから法律を作つて行くということになると、現実の問題としては、これは今あなた方が予期ぜられないような摩擦が起つて来る。これはどこの国でも私は同様だと思う。国内における通信施設を、専用線であつてもやる場合には、これは主管庁の承認を得るとか、或いは届出をしているく主管庁の意見も容れて施設するとか、最小限度そういうことぐらいは必要じやないか。何かそこに規制しようと思えば規制できるような根拠法律に残しておかれるのがいいんじやないかという意味で私は申上げておるわけであります。成るべく早く結論を得られて、結論を得られるということは政策を確立せられて、そうして将来に悔いのないような施設をやつて行くという措置を至急にとつて頂きたい。又この次の国会に同じような質問をさせないようにして頂きたい。これはまあ私の希望でありますけれども、この機会に申上げておきます。
  26. 庄司新治

    説明員庄司新治君) 只今お話誠に有難うございました。ただこういう点が一つ御参考になれば申上げたいと思うのであります。届出もなく、許可もなく自由勝手にやれるというのではなくて、少くとも届出は必要だということに相成つておるのでございまして、この有線電気通信法が行われてから現在までにはそういう例はまあなかつたということだけ御参考までに申上げたいと思います。
  27. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 只今の新谷委員の御意見は、これはもう一年前にこの委員会その他において私も再々御注意を頂いておる問題でござまいす。私も同じ考えであの当時は御相談を頂いたのであります。又、只今御審議を願つておりまするこの法案の改正の問題も、久保委員の御懸念されておる問題も同一の、独立国家としての日本はどうしてそういうようなやり方をするのか、そういう御注意だと私も存じますので、この点につきましては、只今の御注意を十分肝に銘じまして、省議等においては、近く省議においてこれを議題として大臣にも、省内にも伝達いたしまして御期待に副うようなことを考えております。
  28. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  29. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて。
  30. 久保等

    久保等君 それではちよつと電波監理局の次長にお伺いしたいのですが、まあこの間中から問題になつております例の放送法或いは電波法改正問題について、折角今日郵政当局としても検討を加えておられると思うのですが、まあこの問題については、国会においても衆議院ではやはり電気通信委員会の中に小委員会を設置していろいろと検討を加え、当参議院の電通委員会としても全電通委員が小委員的な立場で大いに現行電波法並びに放送法の改正問題について検討を加えたいということで努力をいたしておるわけなんです。而も、非常に最近の民間放送の発達に伴つて時代遅れの点も非常に多いわけですししますので、まあ重大な関心と責任を実は痛感しておるわけなんですが、現在の電波当局でこの問題に対する扱い方を、先般のお話ではやはり委員会を設けて委員会というか、審議会を設けてまあ折角研究をしておるというお話つたのですが、その審議会の構成の問題も、必ずしもこの前のお話ではまだ十分な態勢まで行つておらないようなお話も伺つてつたのですが、まあ我々としても、でき得れば早急にまあ成案を得る方向に努力をしなければならないと思つておりますので、現在のこの電波の審議会の構成がその後どの程度進展しておるか。更に又そこで取上げて現在いろいろ研究しておられるような問題の重要な点について若干今の状況についての御報告を実は承わりたいと思うわけであります。
  31. 荘宏

    説明員(荘宏君) 郵政省に放送関係法令改正調査委員会というのが設けられまして、委員長は事務次官、それから副委員長電波監理局長、その他委員只今のところ十数名、省内のその道のまあ専門家と申しますか、口幅つたい言い方でありますが、そういう者が命ぜられまして、現在のところ省内の人間だけで委員会を構成しております。併し、委員会の規定の中に、特別委員をまあ任命することができるというのがございまして、委員長の中村次官からもそろそろ特別委員をお願いする時期に達したのではないか、こういうお話がございまして、只今その委員長の意向も体しまして、いろいろ人選の案等を研究しているところでございます。  それから、どういうことを今委員会でやつておるかという御質問でございますが、委員会といたしましては、先ず第一次的にはどういうことが問題になるかという論点につきまして、各委員から提案をしてもらいまして、それを取まとめて、まあこういうことを研究しようというような一応の論点の整理をいたしたわけでございます。但し、それは一応でありまして、今後いろいろ議論をして行きますと、又いろいろと追加変更等をしなければならないものであろうと存じております。そうしてその論点の幾つかにつきまして、現在まで委員会を開きまして議論をいたしたのでございますが、まだ結論といたしましては、これは非常に多数の論点が相互にからみ合うというような関係もございまして、最終的に一つ一つ結論を出すというわけにも行きませんので、今のところこの論点についてはこうだというようなはつきりした結論が出ているというものはまだございません。それから内部におきましてそのような研究討議をいたしますと共に、外部の御意見を十分聞く必要がある。外部の論点及び主張を聞く必要があるというわけで、日本放送協会及び日本民間放送連盟に対しましてお願いをいたしまして、そして四月の末までに論点を整理して出して頂きたい、五月の末までに主張及び理由を明らかにして出して頂きたいと、こういうふうなお願いをいたしまして、両者から四月の末にそれぞれ論点が提出せられました。なお委員会に、委員会と申しますとこの郵政省の改正調査委員会でございますが、ここにおきましては、日本放送協会及び民間放送連盟、両者にそれぞれ役所べ来て頂きまして委員全員出席いたしましてそれぞれの論点及びできる範囲での主張、現在の段階において言い得る範囲の主張といつたようなものを五月の初めに伺つた次第でございます。なお先ほどお話のございました衆議院の電気通信委員会に設けられました電波法改正調査小委員会、ここにおきましてもしばしばNHK、民放連その他外部の方々をお呼びになりまして審議をしていらつしやいます。その場合にも私ども郵政省に設けられました委員会のメンバーもできる限り多数そこべ出席いたしまして傍聴をさせて頂いております。傍聴することによりまして、こちらといたしましてもいろいろ勉強をさして頂いて、私どもの審議の何と申しますか頭を作らして頂いておる、こういうような状況でございます。
  32. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは前に何かの機会に大臣に私の意見を申上げておいたのですが、事務次官や局長がおやりになるのは結構だと思いますが、併し一番問題になることは、もつと政策的と言つていいか、政治的と言つていいか、より高い見地から判断をしないときまつて行かない問題だろうと思うのです。それで事務的に下から積上げて行くよりも、次の国会に必ず出すのであるというならば、むしろ大きな問題の根本方針を先ず政策的に大局からきめて行くというようなことをしないとこれは進まないのであつてそれには次官や局長がスタッフになつて大いに専門的な知識を授けられるのは結構ですが、今の何とか審議会とかいう上に、上にと言つていいか、並んでと言つていいか、むしろ余りそれにとらわれないで、日本の放送というものがここまで伸びたのですから、その現状から見て日本放送協会をどうするか、それから民間放送というものはどうあるべきかという、民間放送についても、今のようにただこれは法規裁量だというので、申請があつて企画にさえ合つていれば幾らでも認めて行くのだという立場をとられることは、これは如何かと思うのです。これについても再検討が必要なんです。それから番組の内容の問題、放送協会に対する監督の問題、そういつたことを考えて参りますと、これは放送協会は一面において報道機関でもありますから、今新聞、雑誌等については何ら制限がありませんけれども、それにも相通じるやはり何物か私はあるのじやないかと思うのです。そういう見地からもつと大局的に政策的に見る委員会が必要なんで、それをきめて行く委員会というようなものを事務官に任しておいてこれでできるとかできんとか言つてみても私は始まらないのじやないかという気がするのです。これは政務次官は大臣によく話して頂きたい。所管大臣はそういう考えを持つておられるのじやないかと私は思います。私の意見に対しては反対でなく、そういうことを考えて見ましようということを言つておりましたから、今おつしやつたようなことをやつておると今年の暮の国会には間に合わないと思います。是非そういう点を、私は別に強く注文するわけではありませんが、参考にされて成るべく早く基本方針なりをきめたその上で、そういう細かい事務的のものを組み立ててもらうようにして頂きたいと私は希望するわけです。大臣にその点十分お伝え願いたいと思います。
  33. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) かしこまりました。
  34. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 放送法の改正は非常に重大な問題でございますので、当委員会としても各方面の意見を聴取し十分の研究をいたしたいと思いますが、若し国会が終りましても継続審査にいたしまして十分の研究のできるようにしたいと思います。取りあえず、若し延長になりましたら、来週あたりにこの問題に関係の深い数人の参考人に来て頂いて御意見を伺うことにしたいと思いますが、その人選等につきましては委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) さようにいたします。
  36. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 衆議院でも小委員会を作つてつておられるようですから、これについては、やはりこういう問題は国会として取組んで参りますにはやはり重点が明らかでありませんと、政府がやるように我々は細かい手続とかいろいろの法律案を作るわけではないので、最も大綱になる今申上げましたような政策の基本をきめるために必要な調査をされることで足りるのではないかと思います。今度参考人をお呼びになる場合にも、大体重点がわかるでしようから、その点を含んで、審議が非常に無駄なところに行かないように特に委員長で御配慮願いたいと思います。
  37. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 承知いたしました。  ちよつと速記をとめて下さい。    午前十一時五十九分速記中止    —————・—————    午後零時二十九分速記開始
  38. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて下さい。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会    —————・—————