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1954-04-16 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十六日(金曜日)    午後一時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            松平 勇雄君            加藤 正人君            海野 三朗君    委員            石原幹市郎君            西川彌平治君            酒井 利雄君            豊田 雅孝君            西田 隆男君            武藤 常介君   政府委員    通商産業政務次    官       古池 信三君    通商産業省鉱山    局長      川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業省鉱山    局石油課長   竹田 達夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○石油及び可燃性天然ガス資源開発法  の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○石油資源探鉱促進臨時措置法案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。  最初にお諮りいたしますのは来週の日程でございます。本日は委員長理事打合会を一応公報に載せてあつたのでございますが、皆さん御都合で御出席なかつたので、この席で一つおきめを頂きたいと存じます。火曜日午後一時から石油関係法案に関する審議、それからこれは大体今日で以て質疑をして頂きまして、火曜日には討論、採決に持つて行きたいと存じまするので、各会派ともさように一つ相談おきを願います。衆議院においては昨日本会議全会一致で上がつております。このあとの時間を航空機製造法の一部改正法案、これを審議をいたします。なおこれに関連いたしまするMSAが我が国産業に及ぼす影響についての調査をいたしたいと存じます。なお二十日にはその余つた時間で更に通産省関係法令の整理に関する法律案提案理由を聴取いたします。それから四月二十二日木曜日午後一時、これは先般当委員会で御決定頂きました日平産業下請工場に対する不渡手形並びに支払に対しまする不払の問題等に関しまして各下請関係代表者意見を聞くことに相成つております。参考人川口地区とそれから品川地区、それから横浜、横須賀地区、それから茨城地区からおのおの一人ずつ出てもらいます。合計四名の出席を求めております。なおこの日に時間が余りましたならば航空機製造法の一部改正法案を引続き審議をいたします。こういうようなことで先ず来週は木曜日まできめておきまして、その後衆議院から廻つて参りまする法案等もございますので、金曜日のは一応木曜日に御相談したほうが来週はいいのではないかと思いますが、これでお差支えございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中川以良

    委員長中川以良君) それではさように決定いたします。   —————————————
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に石油関係の二法案を議題といたします。先ず御質疑をお願いいたします。
  5. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 帝石その他石油会社に対しまする配当制限が今後必要となつて来るというようなことがあろうかと思います。殊に衆議院通産委員会におきましては附帯決議がつけられております。配当については他の公益事業と同様にするというようなことに相成つておりますが、これを具体的に措置しようという場合においてこの提案せられておりまする法律案のどの条文によつてこれを確保して行こうとするのか、その点について伺いたいと思います。
  6. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 例えば帝石配当を如何にすべきかという問題につきましては、昨日も本委員会において御質問もあつたようでございますが、これは相当にむずかしい問題を含んでおると考えるのであります。併しながら先般衆議院通産委員会におきましても附帯決議がなされたのであります。曽つて帝石は四割の配当をしたと思いまするが、今後開発に当りまして相当な資金を要し、且つ又国家補助金を受けるということになりますれば、さような高率な配当は到底困難であろうと存じまするし、政府としてもさような高率配当を認めるということは恐らく将来できないであろうと考えます。その際に政府として如何なる条文に基いて配当制限等に対する措置をなすかというお尋ねでございますが、一応私ども考えまするところでは、本法律の第十七条「業務又は経理に関する勧告」によりましてさような措置をとつて参りたいと考えております。
  7. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 予想しておりました通りの御答弁で、その点は満足をするのでありますが、若しも勧告をした場合にこれに応じなかつた場合におきましては如何なる措置をとり得ることになつておるのでありますか。
  8. 古池信三

    政府委員(古池信三君) この政府のなす勧告につきまして、若し勧告を受けない、或いは勧告趣旨に反するようなことをなした場合に対しまする罰則規定は御覧のように本法案にはないのでございます。ないのでございますが、政府といたしまして補助金を支出いたした会社に対して強力なる勧告措置を講じて、而もその会社がこれに応じないという場合におきましては、罰則方法でなくとも行政上適当に会社当局に対しましてこれを実行せしめるような方法をとつて参りたいと、かように考えておるのであります。この法案を前後通して見まするならば、この中には幾多の会社として義務もあり、又政府許認可等を必要とする条項がありまするから、これらの際に十分に会社を抑えて行くことはできると考えております。
  9. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 今回衆議院附帯決議の模様から見ましても、今後石油資源探鉱開発については強力なる国家的措置を要望するという趣旨が強く出ておると思います。その点においては私なども全く同感なのであります。従つて今回できる法律自体につきましても相当画期的な内容強化が必要なんじやないかというふうに考えるのであります。具体的に言いますと、只今のごとく勧告をしそれに応じない場合においては、はつきりした法的根拠なくしていろいろ措置をするというようなことでは足らんと思うのであります。勧告をしてそれに応じない場合にはその応じない理由を具申させる、そうしてその理由が正当な場合はこれは勿論結構でありますが、その理由が正当でない場合においては命令を出すというふうにこの十七条を修正することが然るべきじやないかというふうに考えるのでありますが、これについては多少行過ぎだというような議論も出て来るかと思いますが、併しそれに対しては第十八条によりまして異議申立をできるようにしておくということで私は十分賄い得るというふうに考えるのであります。この点について御意見を伺いたい。
  10. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 只今のお説によりますると、勧告を聞かない場合には更に改めて命令を出しこの命令に若し従わないというような場合にはこれに対して罰則を加えるというようなことに段階としてはなつて参るのではないかと考えますが、現在のところ私どもはそこまでの強い措置をとらなくとも、一応第十七条に定めておりまする勧告によつて目的は達し得るのではないか、かように考えておるのでございます。
  11. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 実際上は勧告をしましてそれに応じないということがなく、又そういうふうに持つて行くということになることが望ましいのでありまするけれども法律自体としてはやはり勧告に応じない場合には、而もその理由が正当な理由でないと判断せられるような場合には命令までし得る、併しその処分に対しては更に異議申立の途は開かれておるというふうに手段を整えておくことが、今回の石油資源探鉱開発の如何に緊要であるか、又それに対して相当国庫から補助金も出し、而も本年度の補助金はそれほどのこともなく、むしろ今後莫大な補助金を出して行こうという点等から見まして、只今申すような条文整備強化が必要だと思うのであります。この点について重ねて御意見を伺いたい。
  12. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 只今の御意見は御意見として十分に我々承わりますけれども、現在政府として考えておりますることは、この第十七条の原案によつて目的を達することができると、かように考えておるのであります。
  13. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  14. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。  ほかに御質疑ございませんか。私から一つ伺います。それは石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会の問題であります。この審議会大臣諮問機関として審議会意見を尊重して、本法の運用というものが行われるわけですが、然るに審議会メンバーを見ますと、昨日も会長がお見えになつたのでありますが、会長以下十八名の委員がございます。大学教授の方が五名、地質調査所関係の方が四名、石油業界関係の方が七名、天然ガス関係の人が二名という割合になつております。ところがこの石油業界関係の七名の中には五名が帝国石油関係の人が出ておられます。このうち一名は元帝石探鉱部長でありますが、これは、これで一体メンバー構成はいいのかどうか。なぜ私はこういう御質問を申上げるかと申しますと、石油資源探鉱促進臨時措置法案は、これには石油探鉱の急速なる実施を促進するための臨時立法であるのであります。立場を変えて考えて見ますと、これは明らかに帝国石油が立派に公明運営をして行くように持つて行こうという精神が盛られておる法律であります。これは探鉱促進という技術面を取上げているのでありまするが、多分に政治的な私はこの法案運営する意義はあると思うのです。こういうことを考えまするときに、帝国石油が先ほど来御質問のあつたように、今後本当に国の意図を体して公明なる機関としてその事業促進をされて行きまするために、この法律運用上最も重要なる諮問機関である審議会メンバーの中に、かようにたくさん帝国石油の人が入つているということがいいか悪いかという問題、或いはこういうことでその公明を欠くようなことがありといたしまするならば、非常な遺憾な点になるわけでありまするが、そこでこの委員構成はこの機会に新たに御選定になる御意向があるかどうかという点を伺いたい。又そういう懸念がないかどうか、これでいいとお考えになるかどうか、その点を明らかにして頂きたい。
  15. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 確かに只今のお説は誠に御尤もな点があると考えます。従来のこの審議会は大体において主として技術的な検討ということに主眼が置かれましたので、只今御引用になりましたようなかたがたにおいでを願つておるようなわけでありまするが、今後は更に技術に加うるに国策的な石油資源の急速なる開発ということが謳われてもおり、又ここに主力を注がねばならんと存じまするので、審議会構成現状通りで果してさような要請に即応し得るや否やという点につきましては、十分再検討を加えまして最も将来の事態に対しまして適当なる構成になるように考慮を加えて行きたいと考えております。
  16. 中川以良

    委員長中川以良君) 只今の御答弁で一応私は了承いたしたのでありまするが、どうぞ速かに再検討を加えられまして、国家的意図公明に実施されまするように、この審議会構成に対しましても一つ改めて御検討上速かにこれを一つ委員任命等についても新たなる見地から考慮なさつて改正を願いたいことを希望いたしておきます。ほかに御質疑ございませんか。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  17. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。
  18. 西田隆男

    西田隆男君 第一条に、「通商産業大臣は、石油資源開発を図るため探鉱を急速に実施する必要があると認める地域指定する。」こう規定してありますが、指定基準はどんなものなんで
  19. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 現在五カ年計画において審議会で答申されております、地質学上から見ました有望なる地点順位が大体ついておりますので、地質学上から見ました有望なる地点を、優先順位の高いものから指定いたしたいと考えております。更にそれにつきまして、現在日本におきますところの探鉱技術探鉱技術者、そういう面から一カ年におきましての探鉱の量、適正探鉱量ということが考えられますので、その探鉱量というものを量的に考えております。更に鉱業権者におきまして、財政的、金融的に可能である、適正な限度であるということを見まして、それによりまして量を更に検討をして参りたい、大体こういうような考えからいたしまして、順位と量とを勘案いたしまして、地域指定をいたしたいというふうに考えております。
  20. 西田隆男

    西田隆男君 五カ年計画で決定されておるのに対して「地域指定する。」これが第一の御説明のようですが、そうすると五カ年計画というものはすでに策定されておるのですから、政令か何かで指定地域最初からきめてかかるのですか。
  21. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 地域は大体におきまして一年間に探鉱します量を考えまして、その量につきましては優先順位の高いところから指定をして参りたい。従いまして、特別な変更のない限りにおきましては、一カ年ごとに地域指定を追加して参りたいというふうに考えております。
  22. 西田隆男

    西田隆男君 最初の一カ年間の地域の、試掘する地域は、五カ年計画に基いた順位に慕いて政令か何かできめるのですか。
  23. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) はい。告示できめます。通産省で……。
  24. 西田隆男

    西田隆男君 通産省告示で示達をするのですね。
  25. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 指定いたします。
  26. 西田隆男

    西田隆男君 その次は第三条ですね。「その試掘権者に対し、施業案変更すべきことを勧告することができる。」第一項ですね。これは第二項以下にいろいろ規定がしてあるようですが、第三項の、「内容変更して実施すべきことを命ずることができる。」という、この場合の段階ですね。これは実際にはどんな段階を経て行くことを予想して、第三項はできておるのですか。
  27. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 鉱業権者から出て参りました施業案につきまして、その地点なり、或いは採掘方法につきまして、適当でないという点が認められましたならば、こういう地点に、こういう方法で、探鉱採掘をすべしという勧告をいたすわけでございます。勧告に従わない場合は変更して命令をする、こういう考えでございます。
  28. 西田隆男

    西田隆男君 第一条の「地域指定する。」という規定がありますが、これはあなたは今告示するとおつしやつたのですが、第一条の「地域指定する。」場合に、五カ年計画に基けば、恐らくボーリングを入れる場所までも一緒に指定するということが考えられるのだが、第三条以下の条文を見てみると、そういうことはやらないで、試錐をする場所、掘鑿する場所は、帝石のするままに自由に任せておく、それが若し適当でないという結果が出そうであれば変更させる、その変更勧告をした場合に聞かなかつたら命令すると、こういうふうに解釈されるのですが、わざわざ五ケ年計画まで立てられて、そうして地域指定されるようだつたら、掘下げてその途中で変えろというようなことをやらずに、最初から適当な地域内において、試掘場所までも指定するというところまで積極的に行われたほうがいいのではないかと思うのだが、どうなんです。
  29. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 第一条の指定は、現在の鉱区を単位にいたしまして、地域指定をいたす予定でございます。その地域におきまして鉱業権者が、違つた、隣接の鉱区というような場合におきましては、地層の調査の結果からいたしまして、その両者が互いに協力関係に立ちまして、その鉱区におきまする油層を完全に知悉するためには、採掘地点を譲らしたほうが適当であるということが考えられますので、地点につきまして多少の変更勧告する場合を予想しておるわけでございます。更に採掘方法等につきましても、現在におきましても、補助金を出しますものにつきましては、そういう方法では十分油層状態が的確に把握できないというようなことが、施業案によつて考えられますならば、完璧な採掘方法をとるようにという勧告をする必要があるかと思いまして、第三条が規定してあるわけでございます。
  30. 加藤正人

    加藤正人君 ちよつと関連して、施業案という内容はどういうことですか。施業案というと、随分広い内容がいろいろあるのですね、通産省局長にそういうことが適当だ不適当だと認定する能力があるのですか、何か諮問機関に諮つて相談して適当でないと、試掘権者つて冗談で掘つているのではないでしようが、相当研究して掘つている、それが外部から見て適当であるとかないとかいつて、地の下のことはわからないのだから、どうにもわからないので、むずかしい問題だと思うのです。それが適当でないから変更させるとか、それに従わなければ云々ということがあるが、これはよほどその発言は重大な発言ではないかと思うのです。それほどの能力とあれがあるのでしようか、通産省局長の周囲にそういう諮問機関でもあつて、あれはあんなことやつておるがあれでいいかと、あれはいかん変更を命じなければいかん、そういう結論に達するのに相当慎重にやらければならん問題だと思います。実際問題としてはそういうふうになる。
  31. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 只今の御説は御尤もでございますが、施業案につきましては現在鉱業法によりまして主といたしまして保安的な観点からでありますが、施業案の許可を通産局長の権限によつていたすことになつておりますが、更に本条によりまして地下の油層状態を十分知悉できるように変更を必要と認めます場合に、又更に採掘方法につきまして明らかに不完全であるという場合におきましてはこういうことも必要があるのであります。鉱業権者施業案というものも絶無とは言えないわけでございますが、これは非常に鉱業権者の重要なる案の変更になりますので慎重にいたさなければならないという考えでございます。
  32. 加藤正人

    加藤正人君 坑を掘るのに横のほうにでも掘つていればこれは成るほどいかんと思うでしようけれども、素人じやないでしようから、いずれ適当な技術家で、徒労にならんような最も経済的な合理的な方法でやるのは常識だと思うのですが、それが外部から見て適当だとか、不適当だとか判断するということについては、よほどの経験と知識がないと軽々に言えないのじやないかと思うのです。ましてや通商産業局長などにそういう能力があろうとは思えんですね。何かそこで誰人も納得できるような権威者がそのときには相談にあずかるとかいうことがないと我々は不安に思うのですが、どうでしようか。
  33. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 只今の御説御尤もでございまして、第三条におきましても「その鉱区油層状態を確認することができないと認めるときは、」というふうに規定してございます。明確にこういう条項に該当すると認められる場合を除きましては勧告、或いは続きましての命令ということは差控えるべきだと考えられます。
  34. 加藤正人

    加藤正人君 確認するということ、片方は一生懸命やつて油層を探しているのでしようから、それは暗闇でものを探している人が、片方で明りを持つているやつが、あのやつは変なところを探していると思うほどはつきりした問題ではないのですから、よほど試掘権者以上に特別な能力でもない限りは、そう片方が一生懸命やつて暗中模索しているようなものを客観できるような特別な知識のあるものが各通商産業局長にいるかどうかということがちよつと心配のような気がするのです。
  35. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 只今の御説御尤もでございまして、現在までこういう法律はございませんけれども補助金交付をいたします際に施業案内容につきまして多少の注文を今までおつけしておるわけでございますが、地点につきましてはおつしやいましたように変更をして頂くというケースは殆んどございません。ただ試掘方法につきましては技術不完全であるということが明らかに認められる場合におきましては補助金交付に当りまして改善をして頂くというようなことを条件にいたしまして交付をしておりますので、大体におきましては従来補助金交付に当りましてとりました方法を更に慎重に実施して参りたいと思います。
  36. 西田隆男

    西田隆男君 私が申上げたのは、加藤君の言われたような意味もありますが、もつと前提を前に持つて行くので、五カ年計画という案ができ、昨日説明を聞いたところによると、何本井戸を掘らなくちやいかんという点までも五カ年計画の中にはでき上つておるように私は参考人説明で了承したのですがね。従つて地域審議会に諮つて決定する場合、指定する場合、その地域に幾本の坑を掘るか、ボーリングをするかということを審議会に諮つた場合はそういう点までも決定しなくちやならんと思うのです。それはこの法律目的とするところはこの開発責任者が必ずしも帝国石油だけじやなくて、政府帝国石油との共同責任において石油開発するのだという建前をとらなくちやならんと思うのです。従つて審議会作つて五カ年計画を立案したのは、採用したのは政府である以上、油井を掘る場合における責任までもやはり政府帝石と分け合わなければならん、少くとも地域指定した以上、その地域内において掘る、ボーリング地点までも大体一応決定されておるのが私は当り前じやないかと思う。ただ地域だけ指定してあとボーリング帝国石油施業案によつて勝手にやるということでは、帝石政府とが共同責任において開発をするという趣旨にならないと私は思う。少くともそのくらいの親心はこの際なければならない。こういうふうに私は考えるから三条を読んで見て質問しておるのです。地域指定だけで地点指定はせんつもりですか。
  37. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 只今のお説も誠に御尤もな点もあると思いますけれども、確かに政府補助金を受ける会社とはこの仕事に対しましては十分に協力して行かなくちやならんという御趣旨には全く御同感でありますが、政府のこの法律に基く地域指定は飽くまで地域として指定するのでありまして、その地域の中の具体的にどの地点を掘鑿するかという問題は会社に一応任してやらして見るという建前をとつておるわけであります。これがいいか悪いかということにつきましてはいろいろ御意見、御議論もあるであろうと思います。
  38. 西田隆男

    西田隆男君 今までの石油試掘の問題について昨日も説明があつたようですが、十本掘つて一本油が出るということが平均値だ、こういう説明があつたのです。それを前提として考えた場合、一定の地域指定してボーリングをする、十本に一本しか当らないのだということが常識であれば、九本だけはいつも変えなければならんという情勢に置かれておるということですね、それをこの法律によつて油が出そうもないからほかに持つて行つて途中でやめてやれ、それでは確認できんじやないかということで、政府が、通産局長がこの条文通りやつたらこれはめちやめちやになつてしまう、やらないならこういう規定は作らないのがよろしい、やるということなら九つの油井に対してはしよつちゆう移動を命ずるという結果が厳重にやればやるほど出て来る危険が強いと思いますが、課長はどうお考えになりますか、
  39. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) この法律建前におきましてはここを掘れという積極的な命令はしない建前になつておりまして、ここは重要な地点であるということを指定いたしますならば、その地域におきまして試掘をいたしませんと従来の権利が制限を受けまして期間の延長或いは試掘権を他のものに譲渡しなければならない、こういう建前になつておりますので、間接的に探鉱を促進して参るという規定になつておるわけでございます。若し積極的にここを掘れという命令規定のいたし方をいたしますると、それに対しましては損失の補償等の問題も出て来るのではないかと考えられますので、この規定では間接的に探鉱を促進して参るという規定の進め方をしておるわけであります。
  40. 西田隆男

    西田隆男君 私はそういうことを言つておるのではないので、実際問題として十本に一本しか当らないと昨日説明があつた、それが常識だというのです。そうするとこれに書いてあるように適当でないところに九本打つておるということです。その九本の適当でないボーリングは一々変えて行くということは実際問題として大変だろうと思います。実際問題として十本の井戸を掘るといたしますと、出て来た平均値から言つたらそのうち一本しか当らない、近いところで打つておれば問題ないけれども、相当の距離離れて恐らく打つでしよう。そのあとの九本が不適当だということは最後に行かなければ断定はつかんでしよう。いつ断定せられるというのですか。制限はないのだから、施業案だから前に断定するわけです。だからそれくらいのことであれは施業案のときに勧告をするというのではなくて、勧告をしないでも済むように準備行為を政府のほうで審議会を通じて定めて、そうして指定されるということのほうがもつと安全率が強いと思うのです。それで帝石技術というものは変更をいつも勧告しなければならんほど施業案をやる場合の技術が信頼できないとすれば、百本のうち一本間違うというのならまだわかるのです。十本のうち一本しか当らんというのです。これは鉱業法試掘という理念を取入れてこの三条は作つておると思うのですが、石油の今度の場合は鉱業法の理念ではいかんと思う。これは議論になりますが、実際に施業案変更を命ぜられる場合にはどういう場合を考えていられるのか、それを一つ説明して下さい。
  41. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 私も石油について専門的な知識経験はないのでありますが、只今お話のように昨日の専門家の御意見にもありましたように、実際掘つて見ると平均して十本のうちの一本しか取れないということでありますと、あとの九本は無駄掘をしなければならない。併し無駄掘をするということはよくないことであるから成るべくその無駄掘の数を少くするために、或いは審議会にかけるとか、その他慎重な方法とつたらどうかという御意見は誠に御尤もだと存じますが、併しこれは地下のことですから全く私はわからないことが多いであろうと思うのであります。そこで帝石とか、或いはその他の会社にしましても本当に現場で以て真剣勝負をやつておる人の意見というものは私はやつぱり耳を傾けるべきである、そういう人がここがよかろう、こういう判断を下してその指定地域の中で掘るとするならば、一応これを是認して行つてもいいのではないかと思うのであります。然らば第三条にその変更勧告するということはどういうことかというお尋ねであろうかと思いますが、この第三条はむしろ極めて例外的な、極端に不当と認められるような場合が生じたときに、この第三条を活用して変更勧告しようという趣旨でありまして、大体私は専門家がやられることであればそういうような虞れは非常に少いと考えております。万一の場合を考慮して規定したものであるということを御了承願いたいと思います。
  42. 西田隆男

    西田隆男君 具体的にどういう場合を想定してこの条文は作られておるのか、課長説明して下さい。
  43. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 実際的に第三条に予想されますのは、試掘物理探鉱地質調査というような地層におきます状態を把握したいというふうに考えられますときに、技術方法等におきまして不完全であるということが明確である場合に、その方法等につきまして勧告をしたい、こういうことがございます。
  44. 西田隆男

    西田隆男君 そういうことであれば、五ケ年計画ができておるのだから一定の地域に何百本の井戸を掘らなければならんということは五カ年計画規定してあるから、恐らく地点もわかつているであろう。だからそういう懸念があるならば地点を先に指定しておいて、逆に帝石調査した結果どうも技術的にここはまずいというような場合があつた場合は変更の申請をするということのほうが妥当な結論だと思う。それを鉱業法のような考え方でこういう条文を作るということは、これが仮に濫用された場合にさつき申上げたように混乱に陥ることが考えられる、鉱業法のこういう規定施業案変更を命ずることができるとか何とかいう規定はこれは一定の枠があるのです。公共の利益に反するとか、或いは坑内を掘つて行く場合において非常に危険があるとかいうような一定の枠がはめられておる。これは枠がないのです。而もさつきから言うように百本に一本というならこれは又別ですけれども、十本に一本しか当らないものを適当でないと認めたということは、結局試掘をしない前の理論上の危険に基いてどうするこうするという場合でしようから、それなら日本の最高権威を集めた審議会があるし、五カ年計画の作成者もあるし、地点をむしろ明示しておいたほうが、指定しておいたほうがより安全だ、そうしてどうしても実際に携わる帝国石油として技術的に理論的にここは駄目なんだといつた場合に変更をすることができるということのほうが法案全体からいつても妥当ではないか、こう考えるのです。
  45. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 積極的に探鉱を促進するという観点からいたしますと只今申された通りでございますが、現在は企業の自主権ということを尊重いたしまして、鉱業法におきますと同じように、鉱業権者の自主性に対しまして必要なる制限を加えることは止むを得ないという考え方から発足いたしておりますので、第三条におきましてその制限の選定と申しますか、枠は最初に申上げましたように、折角探鉱鉱業権者においてされます際に、その目的でありますところのその鉱区油層状態採掘技術方法におきまして明らかに確認することができないということが言い得ます際に施業案制限をして参りたいという考えでございます。
  46. 西田隆男

    西田隆男君 もう今の問題はそれ以上追究はしますまいが、第四項を見て御覧なさい。こういうことが書いてある。「通商産業局長は、第一項の規定による勧告又は前項の規定による命令をするには、鉱山保安監督部長に協議しなければならない。」鉱山保安監督部長にどういうわけで協議するのですか。つまり第一条の指定をする場合はこういうことが書いてある。「石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会にはかり、その意見を尊重して、これをしなければならない。」広い地域指定審議会にかけなければならない。大事な具体的に行う地点の問題は鉱山保安監督局長に聞かなければならん。それはどういうわけですか。逆じやないですか。広い地域指定こそこれは専門家でなくても或いはいいかも知れん。併し、いよいよボーリングを入れるという地点の問題に関しては、当然審議会にかけて検討するというだけの注意は払わなくちやならん。だから私がさつき申上げたように、これは鉱業法規定をそのまま観念的にここに書いておるのであつて、この法案内容としてふさわしくないのではないか、こう私は申上げている。ボーリングを入れる地点のことを、これは鉱山保安監督部長と通産局長が協議をしてどうとかこうとか協議をするということは妥当ですか。意味なさないでしよう。何も通産局長石油の専門家でもない。鉱山保安監督部長も専門の知識を持たない。専門の知識をもたない者が、加藤君が言われたように、そこにボーリングを入れなければならないということは……そうして広い地域指定は専門の方の集まつた審議会にかけて意を聞く、ここに第一条と第三条の矛盾がある。その点を衝いている。これはどうなんです。これはまあ御答弁ができなければあとで協議されておつしやつて下さい。できんでしよう。(笑声)
  47. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 鉱業法におきましては、施業案は許可になつておりますので、採掘施業案は許可になつておりますが、試掘施業案は届出制度になつております……。
  48. 西田隆男

    西田隆男君 いや、そういうことを聞いておるのではないのではないのですよ。
  49. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) ……おりまして、それを必要である場合におきましては許可制と同様の積極的な内容を持たせただけでございますが、その際におきまして施業案の許可制、採掘施業案の許可を鉱業法で以ていたしておりますように、鉱山保安監督部長に協議をするということでございますので、この点は只今仰せの通り鉱業法と変つてはいないわけでございますが、大枠におきまして、第一条によりまして探鉱の促進をさせまして、最後のところにおきましてはやはり企業の自主性につきまして施業案を実施して頂くと、こういうふうな従来よりも相当な程度進めたつもりではございます。
  50. 西田隆男

    西田隆男君 私はね。企業の自主性を束縛するとかせんとか、そんなことを何も問題にしておるのではない。今さつき申上げたように、地域指定の場合は専門の審議会にかけて、大事なボーリングを入れる……これの仕事が一番大事だ、これは知識を持たない通産局長と鉱山保安監督部長ですかが協議をしたり、変更命令がされるというのはこれは矛盾撞著、非常にこれは間違つたことじやないか。この地点のほうをむしろ専門の審議会にかけて施業案変更をするなら変更するのが本当じやないか、こう私は言つているのですよ。
  51. 古池信三

    政府委員(古池信三君) お尋ねの趣旨は私もよく了解いたしましたが、まあ第一に地域指定するということは非常にこれは大きな問題であります。勿論個々の井戸を掘るということも重大でありますけれども、更にどの地域指定して、ここに補助金を出し、国家としての強い資源開発の意思をそこに透徹しようというのでありますから、極めて重要なものであると考えます。従つてこの指定につきましては、資源開発審議会に諮つてこれを定めるのであります。そこで個々の掘鑿の地点の選定につきましては、これは多分に現場的な仕事が多いと思うのであります。従つて審議会に付議しなくとも、その会社におきまして、十分に検討した結果、ここなら先ず大丈夫という会社の決意に基いてやれるものを一応我々認めよう、但しこれにつきましては、大体においては、間違いないだろうけれども、万一明らかにこれによつて鉱区油層状態を確認することができないということが第三者としてはつきり認められるような場合には変更勧告をしよう、こういうことでありまして、飽くまでも第三条は例外的な、先ず業界の普通の考えから言つて面白くないと確実に認められるものに限つて変更をさせようというのでありますから、特にこの場合は、審議会にかける必要もないほど明らかなものであるというふうに我々は考えているのであります。
  52. 西田隆男

    西田隆男君 審議会にかける必要がないほど明らかなものであればこういう規定をする必要はない。地域は大事な指定であることは間違いない。だから地域は大事なんだから審議会にかけなければならない。併し指定の問題は審議会にかけなくともいいという理由は成立たない。この地点指定されたというのは、最高の衆智を集めてやつて、八本に一本、五本に一本油井が、油が出た場合には、これは莫大な利益だ。いわゆる地域が如何にいい所が指定されても、施業案の掘鑿する地点を誤つたらこれは何にもならない。だからその重要さは地域指定ということよりも地点指定のほうがむしろ私は強いと思う。地域指定を誤つて地点指定を誤らなければ油にぶち当る。全く油のない所を掘るわけじやない。これは五カ年計画で大体はつきり地域はきまつている。だからそれを専門の知識を持たない通産局長や保安監督部長と相談してきめるということは、これは軽卒だと思う。めつたにないことだから特例だと言う。特例であればあるほど慎重を期さなければならない。特例だからどうでもいいということはない。これは私の理窟なんですが、法律の体系としても、この法律審議の精神から言つても重要度においてはむしろ後者のほうが必要だ。だからこういう心配のないように、むしろ最初からこの地域のこの地点ボーリングをしよう、これは企業の自主性を侵害するものでも何でもない。そういうことを一応決定しておいて、そうして今度は当事者がどうしてもこの一本だけは変えなくちやならないという場合は、当事者のほうから申請をして、変更して来ることができるような条文に変えておくほうが私は安全だと、こう思うのですが、これは私の議論ですからもう答弁は要りません。あなたの考え方はわかつたから。  次に第五条の「一年」を「六箇月」、「六箇月」を「三箇月」こう変えた理由はどういうのですか。
  53. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 試掘を急速に促進して参りたいという考えから試掘の実施を促進いたしますために期間を制限したわけでございます。短縮いたしたわけでございます。
  54. 西田隆男

    西田隆男君 それはわかつておりますがね。その間にしなかつた場合には試掘権というものは国が取上げてしまうのですか、取上げてしまつた場合には、或いは他に譲渡を命令するような場合には今お考えになつておりまするのは、これはどういうところに譲渡させるのですか。
  55. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) その期間短縮をいたしました期間の特例によりまして、権利の上に眠つておりますと権利が消滅するということが第六条に規定してございます。その期間内におきましても他に適格条件を備えました鉱業権者がその試掘を実施して参りたい、こういう場合におきましては第七条によりまして試掘権の譲渡を図つて行くという考えでございます。
  56. 西田隆男

    西田隆男君 条文の解釈はそうです、具体的に今日本石油の掘鑿をやつている会社はたくさんない。この法案の対象は掘鑿をやつている全部の企業を一応対象にせられておるけれども、その九〇%以上は帝国石油帝国石油は仮にこの法律規定してあるようなことに違反した場合、その試掘権を他の者に譲らなければならない、こういうことになりますか。仮に帝石以外のAという会社が今日本にあります。Aという名前にしておきます。このAという会社帝石から試掘権を奪つた。試掘鉱区を取つた。やはり国の補助金、助成金で開発して行く能力を持つておるという前提に立たなければこれは試掘権の譲渡はできないはずです。そうすると、この対象というものは一応これは考えられなければならん、それが若しないとした場合においては、国がやらなければならん、国に義務ができる、この法律趣旨から言つて国が今急速にやろうといつたつて準備も何もできていない、だからやれないという結論になる、こう私は思うのですが、そうすると、帝石以外の他の会社帝石が若し完全にこの立法の精神に則つてこの法律に違反しないようにやらなかつた場合の試掘権上いうものを他の者に与えて、それが五カ年計画規定されているようなふうに開発ができるという確信をお持ちでありますかどうか。条文解釈ではありません、条文解釈から生ずる疑点、それを一つ御解明願いたい。
  57. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 只今の仰せの通り地域指定につきましては全体の試掘量、能力というものを考え指定しなければなません。と同時に、鉱業権の大半を占める、或いは技術能力におきまして大半を占めております帝国石油能力というものを考えまして、地域指定はなさるべきでございますので、そういう点は十分勘案いたしまして指定いたしたいと考えております。その際におきまして帝国石油が十分に誠意を持つて探鉱をいたしません場合におきましては、指定の効果といたしまして、事業着手の義務が発生いたしましたり、或いは権利の存続期間が短縮されましたり、或いは他に有力なる鉱業権者が出て参りましたならば、試掘権の譲渡を認めるということになるわけでございますが、若し帝国石油に代りますべきものがない場合におきましては、それは徒らに権利の消滅を来たしましたり或いは実際に試掘権の譲渡を申請して参るものが出て来ないということになるわけでございますが、地域指定によりまして、帝国石油といたしましては積極的に探鉱を推進して参ると考えられまするし、更に帝国石油が権利の上に眠つておるというような場合におきまして、他に積極的にやりたいという鉱業者がありますならば、第七条によりまして試掘権の譲渡を申請して参るものと考えております。
  58. 西田隆男

    西田隆男君 極めて観念的な御答弁なんで、私は具体的な問題を取上げて言つておるのです。一年を半年、半年を三カ月、そうしたら試掘権を取消さんようにやるだろう、一応それは考えられる。取上げてしまつた場合、違反して取上げられた場合、これを採掘するのは誰もいないというのは、大体日本の実情なんで、法律作つて法律違反行為を相手がした場合に、第一の法案目的の達成が不可能になる結果が起きて来る。この法案目的の達成を促進するということには結果的にちつともならないというのが今の実情です。だから結局試掘してどうこうというのは小理窟であつて、五カ年計画を遂行させるならば、五カ年間のうちに政府が立てておる計画通り帝石試掘をして石油の増産を図つて行くというのがいいはずで、特に一年を半年にし、半年を三カ月にするというような小手細工は必要ないと思う。こういう条文があるから必要以上に鉱業の自主性を束縛するような感じを与える。何にもこれは足しにならん。こんなことができないようならば、政府帝石の間の共同責任によつて日本石油の増産を図るということは毛頭関係ないものとしか考えられん。だから非常にきつく取締をしなければならないところはこれはやらなくちやいかんと思うのですが、そうしなくともいいところを徒らに法律論をもてあそんで、こういう条文を設けておく必要は毛頭ない。こんなことが心配になるぐらいならばとても助成金は出せん。この法律の結局ほかの目的も達せられない。又先に重要な点がありますから質問しますが、そういう点は割合にルーズにして何でもないつまらないところが非常に厳格な規定になつておる。立法技術の面から言つてもこの法案の精神から言つても、こういうことは私は必要はないと思いますが、あなたはどうしてもこの条文がなければ、この法案目的の達成が困難だとお考えになりますかどうか。
  59. 古池信三

    政府委員(古池信三君) なかなかむずかしいことでございますが、この規定がなければ絶対にこの法案目的が達成し得られないというほど強く我々も考えてはおりませんけれども、この促進についての臨時措置法を定めた以上は、少くとも年限においてこのぐらい短縮をして少しでも促進に役立たせたいという意味から規定を設けたわけでございまして、決してこれがなければ絶対にできんというほどには考えておりません。
  60. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  61. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。
  62. 西田隆男

    西田隆男君 第十七条の「指定地域内に存する石油目的とする鉱業権に係る鉱業権者に対し」云々こうやつてありますが、これは指定区域内の地域に関するものだけ業務又は経理の改善に関する勧告をすることができるのですか、それとも帝国石油全般の経理について勧告ができるんですか、どつちなんですか。私の解釈では指定地域内、こう解釈されるんですが。
  63. 古池信三

    政府委員(古池信三君) これは私どもとしましては、少くとも指定地域内に存する石油目的とした鉱業権を有しておる鉱業権者に対しましては相当広くこの勧告ができるものと考えております。
  64. 西田隆男

    西田隆男君 指定地域内のものに関しては相当広くというのはどういう意味ですか、それは意味がわからない。指定地域内における地域は相当広くというのが私はわからない。
  65. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 言葉使いが悪かつたのですが、指定地域内に事業を始めておる事業者に対しましては会社の経理等に対しましては全般的な改善の勧告をすることができる、さようにと思つております。
  66. 西田隆男

    西田隆男君 そうすると、第一条に帰らざるを得ないのですが、第一条のいわゆる指定地域というやつは、国が出す助成金によつてボーリングをする地域、かように解釈せんなりませんか。
  67. 竹田達夫

    説明員竹田達夫君) 多くの場合におきましては、指定地域に対しまして助成金との関係を持たせたい、ただ助成金につきましては金額に制限がございますので、考え方といたしましては認められました助成金は指定地域にあります重要なる試掘に対しましては優先的に充当して参りたいというふうに考えておりますけれども、助成金の額に限度がございますので、指定地域内のものにすべて助成金が出るとは限らないというふうにお考えを願いたいのであります。
  68. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと現在の対象になつております帝国石油指定地域外でも石油採掘事業を営んでおる。帝石全体の経理内容を知る上においては指定地域内だけの経理の監査ができたんでは、帝石全般の経理内容はわからない、それで私はこれを問題にしておる。あなた方はこの法律を作ることによつて帝石の経理を監査ができるのだと、そうして経理の面からも帝石に誤りなからしめるようにやつて行くんだ、こういうことを概念的には鉱山局長も通産大臣も大体答弁しておられる。ところがこの条文を見てみると指定地域内と、こうしてある。帝石はこれは指定地域内だけの掘鑿をやるならそれでもいいと思うのですが、指定地域外でも掘鑿をしておるのです。経理を指定地域内と指定地域外と分けて考えた場合、帝石の経理の内容の全容はわからない。これは恐らく五年後にはこの目的通りに行けば採掘量が帝石は今の三倍になるのですから、大体全貌がつかめると思うのですが、最初の年度においては石油は出ないのだから帝石の経理内容というものはただボーリングするだけの内容を、従つて帝石の経理が完全に行つているか行つていないか、補助金を出したものを完全に使つておるかないか、全部の経理を監査しない限りわからないでしよう。この十七条のような、或いは十九条のような条文だけで帝石の経理内容というものがつかめるという考え方は私は甘い。従つてこれは帝石の経理内容を全部を知れるような条文にこれは変えなくちやいかん、こう私は思うのですが、これで十分帝石の経理内容はつかめるというお考えであるならば、そういうふうにどうしてつかめるのだということを御説明願いたい。
  69. 古池信三

    政府委員(古池信三君) この点は先ほど私からお答え申上げました通りその会社がいやしくも指定地域内における試掘権を、鉱業権を有する場合にはその全般に対して業務又は経理の改善勧告ができるというふうに解しております。
  70. 西田隆男

    西田隆男君 それじや、私は意味なさんと、こう言つておるのです。而も衆議院から来た附帯決議を見るというと配当の点まで触れておる。配当が適正であるか、適正でないか、これは法律じやないが、附帯決議だから、法律じやない限り帝国石油というものを縛る力はない。ただ政府をして行わしめる力はあつても、帝石を縛る力はない。これはこの配当公益事業並みにしろ、これが適当でないということを恐らく言わなければならんような非常にいい帝石の経営内容になることを我我は熱望しているわけです。この法律の施行によつてそういう結果が起ることを我々は熱望しているのですから、十七条に書いてある経理監査をやつてつたのではわかりにくいと思う。
  71. 古池信三

    政府委員(古池信三君) これは私の表現がまずかつたかも知れませんが、さような場合には帝石全体の経理内容について勧告することができるというふうに解釈しております。
  72. 西田隆男

    西田隆男君 どこにそういう条文があるか。
  73. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 十九条ですか、「指定地域内に存する石油目的とする鉱業権に係る鉱業権者」でありますので、その指定地域の鉱業権を狩つている鉱業権者で、その鉱業権君の経理内容につきましては、全般的に検査ができる、こういうふうに解釈しております。
  74. 西田隆男

    西田隆男君 十九条の条文では類推解釈が生れて来ないじやないですか。
  75. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 私はこの問題につきましては、十分法制局のほうとも相談して、そこまでできなければ意味ないじやないかということで十分相談しました結果、この条文によりまして十分そこまでできるというふうに聞いております。
  76. 西田隆男

    西田隆男君 それはあなた十九条だけを読むからそうなるのです。十九条の前提になるのは十七条です、十七条を前提として十九条でしよう。そうすると十七条にはつきり書いてあるじやないですか、「指定地域内に存する石油目的とする鉱業権に係る鉱業権者に対し、業務又は経理の改善」云々これに対する答弁は、指定地域内の経理の改善に関するというところがちよつと答弁が違うのですが。
  77. 古池信三

    政府委員(古池信三君) これは速記録をよく御覧下さればわかりますが、私の申上げましたのは、いやしくも或るAならAという会社がどこか一カ所指定地域内においで鉱業権を有する場合には、その会社の全般の業務及び経理について勧告を受けなければならない。これは逆の場合で言えば、どの会社にしましても、一カ所も指定地域内の鉱業権を有しておらないという場合には、その会社に対しては勧告はできない、そういうふうに先ほどから御答弁申上げておるのであります。
  78. 西田隆男

    西田隆男君 あなたがそういう答弁を変えさえしなければ、今の十七条と十九条がわかつて来るのですが。
  79. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 変えていない。だからそういうふうに私は先ほどから申上げておるのです。
  80. 西田隆男

    西田隆男君 指定地域内と、こう言うのです、私はそう考えるが、という前提の質向に対して、そういう答弁をするから今の川上君の答弁と違う。十九条のこの解釈が違えば又別だ。それにしても十七条と十九条の条文の書き方が非常にあやふやな書き方ですな。
  81. 川上為治

    政府委員(川上為治君) あやふやとおつしやいますとあれですが、これは法制局のほうでそこまで解釈し得るように十分条文相談いたしまして、そこまで十分解釈できると、この規定でよろしいということになりましたので、私はそういう法律の専門家の見解を十分聞きまして、これでよろしいというふうに考えまして出したわけでございます。
  82. 海野三朗

    ○海野三朗君 ここの十七条に「勧告をすることができる。」としてありますが、勧告してもこれを実施しないときはどうなりますか。
  83. 川上為治

    政府委員(川上為治君) この勧告に対しまする罰則というのはないわけなんですが、この勧告に対しまして若し聞かない場合におきましては、これは前の条文等に帰りまして、又相当な配当をする余地があるとか、経理内容が相当よろしいとかいうような関係でなお積極的にその試掘をしないような場合におきましては、その試掘をするように勧告し、或いは命令をするというようなことによりまして、それを更に聞かない場合におきましては、試掘権の延長を認めないとか、或いは譲渡させるとかいうようなことによりましてどこまでもそれぞれの企業体が試掘に対しまして十分積極的にできるように追及するということに相成るわけでございます。
  84. 西田隆男

    西田隆男君 それではもう一点聞きますが、十七条の前段の「通商産業大臣は、石油探鉱を急速に実施するため特に必要があると認めるときは、」ということは具体的にどういうことですか
  85. 川上為治

    政府委員(川上為治君) この石油探鉱につきましては、これはこの法律によりましては指定地域内における探鉱を極力進めるというわけでございますが、若しその権利の上に眠つていて、なかなか相当日子がたちましても試掘をやらないとか、或いは又急速にこの際その開発を進めなければならんというような、そういう特に必要な場合におきましては、その鉱業権者に対しましてその経理状況等を調査いたしまして、そうしてそれによつて例えば配当の相当できるとか、或いは又なお余裕金も相当持つておるとかいうような場合におきましては、そういう余裕金なり或いはその配当に廻すべき金をこの試掘のほうに十分注ぎ込めというような、そういう勧告をなし得るということでございます。
  86. 西田隆男

    西田隆男君 なかなか先走つた御答弁なつたけれども、この条文の意味合いはあなたの言葉を借りれば、試掘をして、地域指定をして、地点をきめて、そうして五カ年計画に副つて試掘をやつておればそれでいいのだし、やつてなかつた場合はなぜやつてないかということを会社全般の経理を調べることによつてその理由を発見して、今言つた配当はしておるわ、金は残しておるわ、それでも経費が足らんということでやつてなかつた場合を想定において今言つておられるのでしようが、完全に試掘計画を五カ年計画の線に沿つてつておる場合は、これは帳簿、経理その他の検査も勧告もする必要がないし、しなくてもよろしいという結論になるのだが、そうなんですか。
  87. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 私どものほうの五カ年計画と申しますのは、必ずしも一定不変のものではないのでありまして、初年度におきまして大体こういうところをやれということを指摘しますが、場合によりましては会社の経理状況を調べました結果、それによりまして更にこれは相当余力を持つておるから指定地域というものを場合によつては追加しまして、そうしてここをやれというようなことをやりまして開発の促進を図りたいというように考えております。
  88. 西田隆男

    西田隆男君 それは答弁のための答弁であつて、第十七条の条文を素直に解釈して御覧なさい。「石油探鉱を急速に実施するため特に必要があると認めるとき」しか勧告することはできない、裏の解釈から行けばあなたの言うことはできない。これが前提になつて第十九条ですよ。だから川上さんがさつきから答弁されているように、いつでも好むときに経理内容を調べるということは、この二つの条文からはどうしても答えが出て来ない。これは如何に立法した人が解釈したにしろ、はつきりしたことはここに書かれている以外に出て来ない。すべてのものは第十七条の前段にかかつている。「特に必要があると認めるときは、」というそれにかかつておる。特にそれに基く勧告である、私はこう考えるのですが……。
  89. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 十九条におきましては、特に必要な場合ということは何もないのでありまして、いつでも検査できるわけであります。それから十七条におきましては、これはやはり勧告というのはやたらにやるべきものではないのじやないかというふうに考えまして、特に必要な場合というふうに書いたわけでございます。
  90. 西田隆男

    西田隆男君 何も制限がないというけれども制限があるじやありませんか。大体十九条では「この法律の施行に必要な限度において、」と制限を加えておる。
  91. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 「この法律の施行に必要な限度」といいますのは、やはり職権濫用ということをしないようにという例文でございます。
  92. 西田隆男

    西田隆男君 職権濫用をするなんという……、この限度というのは十九条に書いてあるのが限度です。
  93. 川上為治

    政府委員(川上為治君) それは必ずしもそうじやないのでありまして、この法律の施行ということはどこまでも試掘を進めるということでございますので、それ以外の採掘とか何とかいうことはこの法律には何ら謳つておりませんので、試掘をさせるためのそういう意味におきましてのということでございます。
  94. 西田隆男

    西田隆男君 だから問題になつて来るのですよ。帝石というのは試掘するだけの会社でなくて、採掘もやつている、採掘に関する経理をこの条文から見て調べてよろしいという結論は私は生れて来んと思うのです。
  95. 川上為治

    政府委員(川上為治君) それは試掘を促進させるためにやるわけでございますが、経理の内容の検査につきましては、採掘でありましようが何でありましようが、全面的にやり得るというように解釈いたしております。
  96. 西田隆男

    西田隆男君 そうであれば疑念の起きないように……、ほかの委員のかたは疑念がないかも知れませんが、私は疑念を持つのです。だから川上さんの答弁されているような意味であれば、条文の書き方はまだあると思う。もつと簡明直截に疑問を残さないでいいようにそういうふうに書き替えられたらどうです。
  97. 川上為治

    政府委員(川上為治君) その点は法制局とも、一番問題になりましたので、さんざん私この点につきましては検討したのですが、これ以外に書きようはない、これで十分その点はわかるということを言つておりますので、(笑声)私これは実は法律専門でありませんので、これ以上書き方はないという法制局の見解であれは止むを得ないと考えます。
  98. 西田隆男

    西田隆男君 法律条文というのはむずかしくひねくれて書くのが法律条文じやない。直截簡明にわかるように書くのがいいのです。これはお役人が施行するのじやなくて、お役人でないものが施行するのだから、わかりやすく書いてないと疑義を生ずる。で若し川上局長の言われるような類推解釈をすれば、いつ如何なる場合でも臨検検査ができるというのなら、いつ如何なる場合でもできるというようにはつきりと書き替えたらいいでしよう。これは委員会の修正の場合委員会に諮らなければならないと思いますが、私はそういう意見を持つておりますが、こんなややこしい条文はありはしません。
  99. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これはほかの法律でも大体こういう条文になつているそうでございまして……。
  100. 西田隆男

    西田隆男君 いや、ほかのものがそうなつておるからといつても、悪ければ変えてもいいでしよう。ほかのものがそうだからつて悪くても変えなくてよろしいということはない。  それからこれは川上局長よりも修正した衆議院代表者に聞かなければならんと思いますが、この附帯決議の問題は政府はこれは束縛されるほうなんだから、衆議院の人でも呼んで頂きますか、政府側に聞いたつて答弁は逃げるでしよう。恐らくどういう考え方でこういう附帯決議をつけられたか聞いておく必要があると思うのです。私は今日はこれでやめておきます。
  101. 海野三朗

    ○海野三朗君 先ほど十七条の「勧告をすることができる。」ということに対しては、川上局長から、勧告しても聞かないときはこうするのだということを言われましたけれども、そういうことこそ法文にわなければならないのじやありませんか。今日国策会社、つまり国策に副うておる会社の状況を見ると、いずれもそれを謳つてつてもなかなか実行していないのです。こういう場合に勧告することができる、勧告をしてもできないということで黙つておつた場合にはどうするということをはつきり文章に現わすのが常道じやありませんか。私はそういうふうに考えますが、局長はどういうふうにお考えになりますか。
  102. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 勧告に従わない場合はどうするということは、これはほかの条文にいろいろあるわけでございまして、勧告に従わない場合におきましては、誠実に探鉱していないというふうに、これはほかの条文にありますが、その場合におきましては試掘権の延長を認めないとか、そういう措置をとり得る条文がございますので、ただここにすぐこの次に並べて勧告に従わない場合においてはどうするということを書いておかなかつただけでございます。
  103. 海野三朗

    ○海野三朗君 そういうときにはつきりしたことを書いておくのが法律ではないかというのです。つまりインプリシツト・フアンクシヨンと言いますか、数学のほうではインプリシツト・フアンクシヨンではいけないのである。やはりあらわにはつきり現わしておかなければいけないのじやないか。これでは不徹底である。むしろ勧告することができる、勧告して実行しないときはこうであると、はつきり謳つてあるのが本当ではないかと思うのです。ここで漠然としておいてこれでよろしいという見通しですか。
  104. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 私のほうとしましては、或いはその命令ということを考えたのですが、命令というようなことになりますと、これは国家補償の問題等が出て参りますので、これは大蔵省ともいろいろ相談しましたのですが、まあそういう問題が出ますので、命令はやめて勧告ということにしたわけでございまして、勧告ということになりますというと、少し間が悪いような気になりますけれども、これは先ほど申上げましたように、ほかの条文によりまして試掘権の延長を認めないとか、即ち勧告に従わない場合においては忠実に探鉱していないというふうに認めまして、そうして試掘権の延長を認めないとか、そういうような措置で十分行けると考えておりますので、別段ここにそういう規定を置かなくてもいいと私は考えております。
  105. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 さつき、これには僕も触れたわけなんですが、勧告に応じなかつた場合には他にいろいろ方法もあるということではありますけれども、これもどの条文を読んですぐ働らいて来るのかわからないくらいに不明確よりも、勧告に応じない場合にはやはりこれを飽くまで推進して行こうという意図があるならば、又実質的にさような法律運用して行こうという考えがあるならば、勧告に応じない場合においては正当の理由があるかないかを質し、そうして正当の理由がない場合においては命令をする、そうして更にそれに問題があるような場合には異議申立の途も開かれておるようですから、命令をするという条文を入れてちつとも私は差支えない、悪くはないと思いますが、先ほどいろいろ話をした末ではあるのですけれども、今もう一度問題が出て来るとはつきりさしておかなければならんと思います。
  106. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 命令ということになりますと、先ほど申上げましたように補償しなければならん、補償するということになりますと、やはり国家予算の関係がありますし、私どものほうとしましては、まあそこまで行かなくても勧告でいろいろなことができるのじやないか。特に試掘権の延長を認めないとか、そういうようなことになりますことは非常に強い法律じやないかというように考えましたので、別に国家補償をしてまでも……、命令をするということにして国家補償をしなくても私は勧告で十分やれるのじやないかというふうに考えておるわけであります。
  107. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 施業案のほうについては勧告なし、これに応じなかつた場合には更に命令をする、大したことでない施業案の、大したことでないというほどのこともないかも知れんが、少くともここに十七条で定められておる業務の改善命令なり或いは経理の改善勧告に比べれば施業案のほうが技術的な問題だと思うのですが、そのままでは最後的にこれを推進して行こうという規定がはつきりしておると思うのですが、最も重要なポイントなすべきところには命令をやらないようになつておるという点においてもどうも了解をしにくいのです。そうして又命令をして予算が必要ならば又予算をとつてもいいだろうし、特に僕が心配するのは、この法律が弱小の石油会社を対象にしておるような法律ならば或いはそれほどに言う必要もないかも知れませんが、殆んど日本石油採掘試掘について今後独占的にやつて行こうという大公社相手にしてこの法律運用施行して行かなければならん。而も現在非常に問題がある重要な問題については或いは勧告ぐらいでこれは応じないかも知れん。そういう場合に最後の法的根拠のないような法律というものをこの際作ることは非常に疑問を持つのです。この点はどうですか。
  108. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 施業案の場合におきましては、或いは今おつしやいましたような極めて技術的な問題もありますけれども、これは例えば保安関係とか、或いは鉱業法とかいろいろなそういう問題に関係する問題でありますので、これは一般の鉱業法におきましてもそういう補償措置と申しますか、命令までなし得るようなことになつておりますが、この十七条の条文というものは相当広くなつておりますので、要するにその仕事をやつて、そうして量を殖やすというその問題になりますので、まあ命令までして、即ち補償までしてやることがどうかという点については相当疑問があるのじやないかというふうに考えましたし、又予算の先ほども申げましたように関係もありますので、私どものほうとしましては勧告で十分ではないかというふうに考えた次第でございます。
  109. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 予算というのは具体的に言うとどういうことになるのですか。
  110. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 例えば配当制限というようなことをしますというと、まあそれによりまして当然受けるべき配当を受けなかつたから、それに対する補償という問題が出るのじやないかと思います。命令でありますれば。
  111. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 それは経理の改善を基礎にしてや勧告なり命令になるのだから、今鉱山局長の言われるような問題というものは私は殆んど起らんと思うのです。絶無というふうにはこれはどうか知りませんが、殆んど起きることはないのです。そこまで心配する必要はないと思うのです。特に十七条は、「石油探鉱を急速に実施するため特に必要があると認めるときは、」「業務又は経理の改善に関する勧告をする」というので、これは実際伝家の宝刀みたいなものなんです。最もこの法律の中ではキイポイントをなすものだと思うのですが、それが一応の勧告ぐらいでは、あとは締めくくりはつかんというのは、もうこの法律全体から問題があるのですが、全くこれは画龍点睛を欠いておるのですね。この点は先ほども研究をせられるということだつたのですが、特に衆議院通産委員会附帯決議をせられたについて、その附帯決議をした衆議院側の意見も聞くということであるから、その際に又改めて論議をするようなことになると思うのです。というのは、「配当については他の公益事業と同様にすること。或いは「帝石重役陣の内紛が今後絶対起らぬよう厳重に措置すること。こういうやかましい附帯決議になつておる。これの附帯決議通り政府が推進して行こうというのは、現在のこの法律程度で行くと私は断乎たる措置はとれんと思うのですね。従つて衆議院側の附帯決議をつけたその意図を十分に仔細に又改めて質問することにします。併しそれまでに研究をしておいてもらいたいと思うのです。
  112. 川上為治

    政府委員(川上為治君) さつき配当の問題を申上げましたが、配当は勿論ですが、「業務又は経理の改善に関する勧告をすることができる。」こういうことでありますので、例えば業務と申しまするというと、例えばその試掘を何本やれとかいうような、そういうところまでも勧告をするということになりますが、そういうことをやつた場合におきまして、損失が相当出ましたときに、これは当然この法律によります命令ということでありますというと、これは補償しなければならんという問題が出て来るわけでありまして、私はこの命令というものを相当強くやりますというと、そういう事態がぼんぼん出て来るのじやないかというふうに考えるわけであります。私どものほうとしましては、それをとるよりも勧告ということにしまして、試掘権の延長を認めないとか、そういうことでやつたほうがいいのじやないかというふうに考えましたので、こういう勧告ということにしたわけでございます。
  113. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 その点については二つ問題があると思うのですが、一つ施業案変更命令のほうなら、この場合による予算を伴うことが必要になつて来るかも知れません。その点を先ず……。
  114. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 施業案変更命令につきしましては、これは非常に限定されておりまして、例えば一本掘るのを三本掘れとか、そういうようなところまでは施業案変更命令はできないというふうに解釈しております。
  115. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 命令を出し得るようにしておいても如何なる場合においても予算を伴うということはこれはないでしようから、そういう面において予算を伴わないが、併しながら勧告に応じないままに放置することはこれは容易ならん、飽くまで命令で推進しなければならんという場合があろうと思う、そういう場合にはやはり法律命令勧告さしておいてちつとも差支えない、これを運用するかしないかはそのときの睨み合せでやつて行つたらいいと思う、そういう面でこれはむしろ政府側がここまでやろうというのが工合が悪いのならば国会において修正するということは政府として大いに歓迎すべきじやないかと思うのですが、どうですか。
  116. 川上為治

    政府委員(川上為治君) その問題は誠に御尤もなお説でございまして、私どものほうとしましても仮に予算がはつきりついておりますれば、これは命令をつけても差支えないというふうに考えておりますが、予算の問題で実は勧告ということにしたわけなんですけれども、私は勧告でも相当これは行けるというふうに考えておりまして、将来若しこの法律を実施しまして、なかなかそういう点におきましてうまく行かんというような場合におきましては、私はこれは予算を取りましてそしてこの命令補償の規定を私は入れることにしたほうがいいのじやないかというように考えますが、私はそこまで行かなくてもこの法律探鉱の促進は十分できるというふうに考えております。
  117. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 相当できると言われるのだが、この際飛躍的な石油の増産を図ろうというので、これは画期的な一つの立法もし、意気込んで政府も進まれようというのだから、相当できるとして、強いてやれば十分できるということではなく、完璧を期するというふうにこの際やられるという意気込を見せられてこそ石油の飛躍的増大も期待ができるわけですから、この点において折角衆議院附帯決議をつけた側の意見も聞こうというこになつておりますから、又改めてやるということで、これは飽くまで原案を固持せられるという意味でなく、お互いに改善して行くという意味で研究を一つしておかれるように希望しておきます。
  118. 海野三朗

    ○海野三朗君 ちよつと伺いますが、昨日のお話には十本掘つて一本しか当らないという上床参考人のお話でした。それは地質調査が完全でなかつた時代から今日までの平均値を出しておるのであろうと思うのです。ところが最近はこの地質調査が非常に行渡つて、山形県の内陸油田の調査などは、もう殆んど百発百中というところまで来ているのじやないかと、こう思うのです。富並背斜については四本掘つて三本出ておる、又船形背斜では一本掘つたところぴしやつとそこを当てておる。そういうところを考えますと、十本掘つて一本しか当らなかつたという昨日の上床参考人のお話はずつと明治時代のほうから来ておるんじやないかと考えますが、どうもそこにぴんとしないものがあるので、昨今はもつと的確なところまで来ておるんじやないかと思うのですが、如何お考えですか。
  119. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 昨日の上床参考人のお話は、これはやはり過去十数年の間の平均でありまして、海野先生のおつしやる通りでございますが、最近におきましては、或るいは八本に一本というようなふうに技術は非常に向上いたしております。その通りでございます、
  120. 海野三朗

    ○海野三朗君 一メートル掘ると約一万円の経費を要するというようなお話であつたが、今日帝石は如何ほど割当てておられますか、一億三千万円のうち。
  121. 川上為治

    政府委員(川上為治君) またはつきり幾ら出すということをきめておりませんが、大体一億三千万円のうち、九千万円程度になるんじやないだろうかというふうに考えております。これは指定地域を更に検討し、それから指定の坑数も相当研究し、それから又これは単に一億三千万円というのは石油関係だけの助成金ではありませんで、ガスの関係もありますので、そつちをどれくらい見るかという関係、或いは石油のほうでも単に試掘鉱区だけではありませんし、それ以外に助成する考えを持つておりまして、その助成の点でも試掘だけでなくて、調査とかいろいろな方面も考えておりますので、果してどのくらいになりますか、はつきりした見当はできておりませんが、大体私どものほうとしましては一億三千万円のうち九千万円程度が帝石のほうに行くんじやなかろうかというふうに考えております。
  122. 海野三朗

    ○海野三朗君 この衆議院通産委員会附帯決議でありますが、この五、六について、これは衆議院のほうの方にこの次伺いたいと思います。それで是非衆議院のほうから御出席をお願いいたします。
  123. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は今これはここで質問申上げても或いはどうかと思いますけれども衆議院通産委員会における附帯決議の四の条項でございますが、「帝石が、その使命を十分達成せざるときは、本法の活用により、石油試掘権の集中的偏在を排除し、以て、開発の合理化に努めること。という、こういう条項がございますが、これから考えますと、昨日上床さんその他の方が御説明をいたしました百万トンの産油を出し得るということに対して何だからちよつと疑問があるような事柄に私は聞えるのでありますが、どういうものでしようか、これは。
  124. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと西川委員に申上げますが、実は政府附帯決議に対しまして先ほど来西田委員その他からいろいろ御疑問が出たのであります。これは政府側に答弁を求めても意味がないので、次の委員会において衆議院から附帯決議をした人に来てもらいましてそして答弁をしてもらう、なおこちらの質疑を質す、こういうことに先ほど取極めた次第でございます。
  125. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 承知しました。当局に一つ伺いたいと思いますが、私はちよつと古い話を申上げて失礼でありますが、通産省の地質関係におきましては戦争前等は有力なる地質関係石油の方がおられたように私は記憶いたしておるのであります。例えて申しまするならば、今はどうなつておられるかわかりませんが、千谷技師等は帝石さんの前身であります日本石油さんあたりのことに対しましてやはり相当突つこんだ指導をされておつたように私は見ておりますし、聞いておるのでありますが、この計画をいたしまするに対しまして、果してその当時の日本石油に対して通産省がいろいろ指示をいたしましたような有力なる技術者通産省のうちに実はおられるのでありますか、甚だ失礼でありますが如何でございましよう。
  126. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 現在あります石油及び可燃性天然ガスの開発審議会、このメンバーとしましては地質調査の所長が入つておりますが、この所長さんは石油探鉱関係の専門屋でございます。その他地質調査所には若干石油の専門家がおりますが、何と申しましても実際やつておりますのは帝石に大分おるわけでございますので、やはり帝石技術者というものを相当活用するということになろうかと思うのであります。
  127. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 そうするとまあ率直に話を申上げますと、以前よりは石油に対するその通産省における技術的人員においては、以前よりも劣つておるのではないけれども帝石のほうがそれよりも進んでおるということに解釈  してよろしうございますか。
  128. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これは個人個人にしますると、地質調査のほうで却つて非常に優れた人もおりますし、又帝石のほうで優れた人がおりまするけれども、これは量的に申しますと、いわゆる人数という方面から言いますと、帝石のほうが遙かにたくさん人を持つておると思うのであります。地質調査所は石油だけではなくていろんな方面、あらゆる鉱物について調査をやつておりますし、単に鉱物だけではなくて、これは水の問題とかそうした方面までも調査をいたしております関係から、やはり専門家が比較的少い状況にありますので、地質調査に対しましてこれを地質調査所が全面的に触れて調査をしろといつても、今直ちにこれは到底でき得ないという状況にございます。
  129. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 局長のお話、私は御尤もだと思います。思いますが、そこに私は一つの問題点があるのだと思うのです。以前はやはり石油会社が相当まあ濫立と言うと言葉が足りませんが、相当多数の石油会社があつたのであります。そうしてその多数の石油会社が互角の、互角と言うてはちよつと変ですけれども、或る程度並んだような勢力を持つてつたのでありまして、それに対する通産省、今の通産省でありますが、通産省はやはり指示監督というようなことが徹底しておつたのでありますが、今はそれが全部まあ企業合同を戦争中にやらせられた関係上、そういう会社一つなつたというようなことで、技術屋もそういう意味においてそこに集中したということも言えるわけでありますけれども、その半面とうも通産省の指示監督権がどうも少しく私は薄らいで来ておるのではないかという感が非常に濃厚であるのでありますが、その点如何でしよう。
  130. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これは帝石の性格によると思うのですが、この戦争中におきましては、帝石というのは特殊会社になつておりましたので、政府も株を相当、半分程度持つておりましたし、それから帝石に対する監理官制度というものも確かにあつたと思いますが、これは特別な法律によりまして特殊会社として、これを人事その他につきましても監督をやつておりました関係から、そういうことは十分できたのですが、現在におきましては、帝石政府の株が二三%持つておるとは言いながら、純然たる民間会社でありますので、そういう意味から私どものほうとしましては、人事につきましては直接監督はできないというような状況になつております。この法律通りますというと、人事権を除きましては、ほかの経理とかその他の方面につきましては十分できることになりますので、現在よりも、法律通りますというと、非常に帝石に対しましては強く監督ができるというような体制になると考えます。
  131. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は戦争前の石油会社が濫立しておつた時代のことを申上げておるのでありまして、その後における、企業合同後におけることは私は今お話があつた通りと思うのでございます。思うのでありますが、企業合同前には石油業者はたくさんにあつたのでありますが、その当時なかなか当時の商工省というと、商工省の命令というのはもう石油会社は金科玉条のごとく守つて来ておるようであります。従つてなかなか徹底しておつたものでありますが、今では帝石のほうが強過ぎて、通産省がどこへ行つたかわからない、誠の話ですよ、どこに行つたかわからないような形になつておるということを今申上げておるのであります。
  132. 川上為治

    政府委員(川上為治君) その点は私は時代が違つておるのでありまして、当時の産業政策というのと、現在の産業政策というのが非常に変つておりまして、これは同じ命令でありましても恐らく当時におきましては、もう一々よく聞いたのでありましようし、現在におきましてはなかなかそういうような状態になつていないようでありますので、そういう恐らく違いではないかというふうに考えるのであります。
  133. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 これは幸いこの二つの法律案通りますれば、皆さんはこの通産省の指示監督が徹底するということでありますれば、私はこれ以上そういう問題についての質問は打切りたいと思つております。
  134. 中川以良

    委員長中川以良君) 私から一点局長にお伺いしたいのですが、昨日帝石の田代社長が参考人でお見えになりまして御開陳があつたのでありますが、その中に帝石の紛争問題に対してお触れになつたのですが、誠にいろいろごたごたして遺憾であつたが、先般通産省が調停案を出されて、これをお互いが呑んで明朗なる解決点に達した。これは川上局長の名を以て御調停になつたのだということでございました。これは如何なる調停をなさつたのか、そうしてその調停がどういうように今日になつておるかという点を、若しもお差支えなかつたら一つお示しを願いたいと思うのであります。
  135. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 私は成るべく人の名前を挙げまして申上げることは差控えたいと思つておりまして、今日まで殆んど人の名前を挙げて申上げなかつたわけでございますが、この問題につきましては、昨年の暮頃から特に業者の間におきまして、いろいろ話合いのつかない、それが又感情的にまでなるというような虞れもありましたし、又一方その五カ年計画というのはどうしてもやらなくちやいかんというような情勢にもなつて参りましたので、私どものほうとしましては、何とかしてこれが一日も早く解決されることを望んでおりまして、私は田代社長のほうにも、或いは一方側の反対側のほうに対しましても再三早く両方で円満に妥結するように、そうして両方一緒になつて本当に今後の石油開発に向つて進んでもらうようにということを再々申上げたのですが、大体それによりまして、その双方におきましていろいろその話合いをしつつあつたのですが、最後のところになりまして、これはどうしても役所が中へ入つてそうして裁定してもらつたほうがいいというようなことになりまして、その結果、私が双方からの依頼を受けまして、そうしてその調停をいたしたわけでございます。その調停の内容につきましては、もうすでに実行されておるものもあるわけでございますが、それは結局新らしいその定款変更をいたしまして、そうして新らしい重役を入れる、それは日石及び昭和のほうから一人ずつその重役を入れる。日石のほうは取締役、それから昭和のほうは監査役、これを一人ずつ入れるということになりまして、これはこの前の臨時総会におきまして実現されたわけでございます。それからこの臨時総会後におきまして新らしい重役も入つたのですから、そうして今までのごたごたもあつたのですから、この際田代社長はそのままにしておきまして、あとは一切もう新規蒔直しになりまして、そうして何といいますか、そこの内部機構というものをもう一遍きめ直してそうして誰が今度はどういう仕事を分担するかということを、その際きめて、そして新らしい気分になつて発足しようということに相成つたわけでございます。それにつきまして、双方とも十分了承しまして、そしてこれは承知いたしておるわけでございます。そのあとの問題につきまして、現在、昨日田代社長が話をされましたように、いろいろその問題について相談をしつつある、昨日も実は相談をされたというふうに聞いておりますが、大体そういう線でまとまつて、新らしい機構の下に新発足して、そしてこの法律通りますれば、或いはもう予算も通りましたので、この開発に対しまして積極的に進める態勢を作るということに相成つておるわけでございます。
  136. 中川以良

    委員長中川以良君) その局長のなさつた御調停には、いつまでに、その調停に約束した事項が完了すべきであ  るということは明示されていないのですか、どうですか。
  137. 川上為治

    政府委員(川上為治君) それはいつまでという期日はあつたのですが、それにつきましては、その後双方で相談しました結果、なお期日につきましては若干の期日を置いてもよろしいということに、両方が了解し合いましたので、私に対しましてそういう報告がありましたので、私としましては、それならばそれでいいでしようということにしたのでございます。
  138. 中川以良

    委員長中川以良君) その期間はいつであつたのでございますか。
  139. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これは臨時総会川の直後ということになつておりまして……。
  140. 中川以良

    委員長中川以良君) 臨時総会はいつございました。
  141. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 四月の七日でございます。
  142. 中川以良

    委員長中川以良君) 昨日田代社長のお話によると、一部実施できてないという点は、今局長の御発言にございましたごとく、いわゆる従来の副社長以下、常勤重役の部署の問題であろうと思います。これはまあ、家もすつかり新らしい家が完成して、上壁がまだ塗られていないだけだというようなお話があつたのでありますが、見方によりますと、今言つたような臨時総会直後において解決すべき問題が、而も通産省が入られて円満に調停したと申しておられるこの問題が、考え方によりますと、私は上壁が塗れていないのなら、これは我慢して安心して仕事はできましようが、屋根の瓦がまだのつていないので、これは雨が降るとだんたん、折角建て直した家が腐つて来るのじやないかということを心配するのであります、又そういうことを考えられる、まじめな、国家のために考えておられる方もあるようでありますが、今回の法律を見ましても、先ほどのお話を伺うと、業務関係については、人事の問題だけは触れるわけには行かないというお話でございました。併し今の問題は、折角通産省が調停された条件であり、又双方が円満にこれを呑んでおつたのでありまするが、これがもやもやいたしますると、折角の調停された効果も、これは無駄になるのじやないか。これはまあ本法律審議する上にも私は重大なる関係があると思います。帝石が本当にまじめに建て直つて、協力一体となつて、重役諸公が、石油事業の国家的使命に大いに奮起してやるという態勢ができてなければ、全く私は無駄だと思うのでございますが、この点通産省としてどういうふうにお考えでございますか。
  143. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これは私の見通しとしましては、何方十分了承しましたことでありますので、若干の時日は、両方の間に了解の下に延びておりますけれども、この問題は、この近日のうちに、私ははつきりと、その通り実行されることになると考えております。これが若しそういうことにならずに、依然として問題が紛糾しておるということになりました場合におきましては、これは先般も大臣からお話がありましたように、通産省としましてはこういう法律のバツクもありますし、又一億三千万円という予算の関係もありますし、或いは通産委員会におきましても、こういう決議もあつたというような情勢にありますので、私どものほうとしましては、断乎たる措置をとりたいというふうに考えております。
  144. 中川以良

    委員長中川以良君) どうぞ願わくば、一日も早くその調停案が全部明瞭に解決するように、なお通産省としましても仲裁に立たれた立場上、その点御努力に相成りますことを私は希望いたします。
  145. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私ちよつと委員会の席を外しましたので、或いは質問された方があつたのではないかと思いますが、ただ一つだけお伺いしたいと思いますが、この石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案のほうでございますが、今までの納付金の限度というものを廃止するという点でございますが、これはなかなか実際問題として、相当石油会社としては重大な問題だと私は考えておりますが、二次採取の場合におきましては、現在では帝石以外にはないのでございますからなんでございますが、帝石さんと考えていいと思いますが、こういう問題を出すについては、恐らくよく帝石とはお話合いがあつたことだろうと思いますが、帝石がこういう点を承諾をされておるのでありますか、しぶしぶ承諾しておるのではないですか。その点は如何でしようか。
  146. 川上為治

    政府委員(川上為治君) この両方の法律案につきましては、勿論帝石のほうもよく存じておりますので、私はその問題については、別段帝石のほうから反対意見は聞いておりませんし、又一遍当りますと、莫大な利益が出て来ますので、若干ひとの分をかぶりましても、問題はないというような気持もあつて反対はされないものと見ております。
  147. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は、実は莫大な歳入増加をするから問題はないということも聞いてはおりますが、併しながら今まで一定限度以上は、まあ会社で取得をしてもよろしいというようなことになつておりますれば、会社がそれだけの利益を、金を、試掘方面に一つこれを投ずるというようなことを、強く会社に誓約でもさしたならば、むしろ私はこういうふうな補助金以上のものを無制限にとるということは、ちよつと私はどうかと思うのですが、その点大蔵省の考えが、多分、恐らくはそういうところに行つているのではないかとも考えますが、むしろそういう莫大な利益を以て、探鉱方面に使わせるということが本筋ではないかと、かように考えますが如何でしようか。
  148. 川上為治

    政府委員(川上為治君) この法律におきましては、無制限にとるということになつておりませんので、これはやはり一定の限度でありまして、ただ助成金を交付されたものが、それ以上に、一定限度まで出さなければならんということに相成つておるわけでございまして、無制限ではございません。それから又国家の出しました、一億三千万円なら一億三千万円という金が、これが非常に有効に使いますようにするためには、又今後助成金を有効に効率的に出すためには、やはりその助成金の、その使途の限度ということではなくて、少くとも一定の限度というのは、プールしての限度ということなんですが、そういう限度をとりまして、それを今後更に有効な方面に出したほうが、私どもとしてはいいのではないかというふうに考えましたので、これをむしろやめたほうがよくはないかというふうに考えたわけでございます。
  149. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 それではもう一つ伺いますが、今の場合は、プールということは帝石一つでありますから、プールでございますけれども、もつとこれが他社のある場合のプールというのは、帝石も他社も、皆総体をプールするということですか、どうですか。
  150. 川上為治

    政府委員(川上為治君) これは現在においても、助成金は帝石だけではないのでありまして、その他にも若干出しておりますので、やはりプールという場合におきましては、ほかのもの全部入れてのプールということでございます。
  151. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ありませんか……。それでは本日はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会