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1954-04-09 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月九日(金曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            松平 勇雄君            加藤 正人君            海野 三朗君            小松 正雄君    委員            西川彌平治君            岸  良一君            豊田 雅孝君            西田 隆男君            藤田  進君            三輪 貞治君            天田 勝正君            武藤 常介君   政府委員    通商産業省鉱山    局長      川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○技術士法案海野三朗君外十四名発  議 ○小委員会設置の件 ○小委員の選任の件 ○石油及び可燃性天然ガス資源開発法  の一部を改正する法律案(内閣送  付) ○石油資源探鉱促進臨時措置法案(内  閣送付) ○委員長の報告   —————————————
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。  昨日の西川委員の御質問に対しまして提案者側より御答弁がございます。
  3. 海野三朗

    海野三朗君 昨日の委員会におきまして第三十二条に関しまして西川西田委員の御質問に対する私の答弁と、説明員答弁との間に食い違いがあるような印象を与えましたことは私の至らぬところでありまして、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。三十二条を置きました理由は、個人である技術士と法人として技術士業務を行う会社とのバランスを考えて置いたものであります。私が野にあるところの技術者を一人でも多く活用されるようにと申しましたのは、この法案全般について申上げたのでありまして、第三十二条の説明の際に申上げたため誤解を招いたのであります。ただ御指摘のありましたように、第三十二条の表現では範囲が明確でなく、立案当時考えました小範囲ならば差当つて問題はないと思いますが、事情を周知して頂くためには実施期日については一考を要するものと思います。
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後一時三十五分速記中止    ——————————    午後二時三十八分速記開始
  5. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。只今会派でお諮りを願いました通り技術士法案審議に関しまして、技術士法案に関する小委員会を作りますることに定めたいと存じますが、御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。それでは技術士法案に関する小委員会を設けることにいたします。小委員に関しましては各会派より御一名ずつ出て噴きたいと存じまするが、この委員の選定につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは西川君、豊田君、三輪君、天田君、武藤君、以上五名のかたにお願いすることにいたします。   —————————————
  8. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは石油に関する二法案を議題といたします。  前回に引続きまして、御質疑をお願いいたします。お配りしてある資料に基きまして川六局長から御説明をされるそうでございます。
  9. 川上為治

    政府委員川上為治君) お手許に差上げてあります参考資料につきまして簡単に御説明を申上げます。二枚目の第一のところは、我が国におきまする石油鉱業概況とありまして、左の第一は、昭和五年から二十七年までの年別の国産原油生産状況を出してあります。大体、一十万キロリツター程度でありますが、一番多いときは、昭和十一年、十二年、十三年頃が四十万近い。即ち三十九万幾らということになつております。極く最近におきましては、二十六年度が、三十七万キロリツター、二十七年度が三十三万キロリツター、今年は、今年と申しますか、二十八年度は大体三十四万くらいと考えております。二十六年度の三十七万が、最近少くなりましたのは、これは例の石油資源の合理的な開発法実施いたしました結果ではないかというふうに考えております。  それから(2)のところは、昭和二十五年度及び二十七年度地域別国産原油生産量北海道秋田山形新潟長野、静岡。秋田新潟、これが大部分を、占めております。  それからその次の第三は、原油可採埋蔵量、これは昭和二十八年度九月末におきましての大体認知しました埋蔵量、それから可採埋蔵量、これを分けて書いてありますが、可採埋蔵量につきましては、五百二十三万キロリツター、それから認知埋蔵量、これは三千三百万キロリツターという状況なつております、可採埋蔵量五百二十三万キロリツターでありますので、現在三十三、四万の程度でありますから、従いまして十数年の可採埋蔵量を持つておるというわけになるわけでありまして、大体世界の平均可採埋蔵量は、米国あたりにおきまして十一、二年というような程度なつておりますが、日本におきましても現在の三十三万とか、三十四万という程度でありますれば、それよりも年数は多いということになつておるわけであります。  それから三枚目の(4)のところは、過去二十年間試掘探鉱量、これを地域別に書いてあるわけでありまして、一番下のところで成功率というのがありますが、北海道におきましては七・七%、それから秋田におきましては一二%、山形におきましては七・一%、新潟が八・四%、それから青森、長野におきましては成功していない。平均しまして九・四%ということになつております。大体十分に一本というような割合に相成るかと思うのであります。これも世界の情勢に比べますというと、比較的日本におきましてはいいほうだというように考えられます。  それからその次の(5)は、最近二十年間に発見されました油田、これは年度別に書いてありますが、昭和八年に八橋の秋田油田が見付かりましたわけであります。これが現在三十牧かのうちの大体三分の二程度、二十万くらいここから出ておりまして、これは非常に大きな油田であります。それから二十七年度におきましては、例の山形県の堀内地区、これは内陸油田でありますが、これも相当量埋蔵量を持つておるようであります。  それから(6)は、我が国における原油価格推移価格状況なつておりますが、現在大体平均しまして、キロリツター当りに対して九千三百円ぐらいになつております。外国原油が大体七千二、三百円程度でありますから、二千円くらいの開きがありまして、そうして国産のほうがそれだけ非常に高い、二千円ぐらい高いというような状況なつております。これは新らしい油田につきましては、コストが非常に安いのですが、新潟とかそうした方面油田のものを入れますというと、結局非常に高いものになつているというわけでございます。勿論これは産油量が現在三十数方キロリツターありますが、もつと殖えますというと、コストは下つて来るわけでございます。百万キロリツター生産した場合におきましては、我々のほうの一応の見通しといたしましては、現在の輸入原油と大体同じ、或いはそれ以下になるというふうに思つております。  それから次の頁の、これは、昭和二十七年における生産概況でありますが、(イ)のほうは、会社別生産量で、これは帝石、それから大同石油日本鉱業日本石油鉱業とありますが、「その他」というのは、極めて小さいのが若干ございます。何と申しましても、帝石がその大部分を占めておりまして、比率で言いますと、九七・四%ということになつております。  それからその次の頁の(8)のところの補助金交付額推移、これは昭和二年から昭和一十八年までの補助金交付状況を書いてあります。一番余計に補助金を出しました年は、二十四年の一億六千七百万円、それから二十五年が一億三千五百万円、それから二十六年が一億九百万円、それから二十七年、二十八年というのがぐつと下りまして、三千九百万円、三千五百万円となつております。これはぐつと下りました理由は、特に帝石におきましては、非常な高率配当をやりまして、相当余裕金があつた、そういうものに助成金を出す必要はないだろうというようなことから少くなつたと考えております。  それからその次の頁の2、これは、世界原油生産量及び埋蔵量と書いてありますが、それから3のところは、我が国石油精製界及び需給状況、即ち現在における石油精製能力状況を書いてありますが、実際の設備能力としましてはこの全国計というところの設備能力の欄に八百六十七万キロリツターということになつております。そのうち太平洋洋が七百二十六万キロリツター、それから日本海沿岸が百四十万キロリツターということになつております。それに対しまして稼働能力稼働能力につきましては全国で七百二万キロリツター、それからこれが太平洋岸におきまして六百十七万五千キロリツター、それから日本海岸が八十四万八千キロリツターということになつております。日本海方面稼働能力というのは非常に低く見ておりますが、これは港の問題とか、或いはそのタンクの設備の問題とか、いろいろな問題から日本海のほうはそう大きな稼働能力がありませんので、大体六五%かそこらというふうに我々のほうでは考えております。それから太平洋岸のほうは八五%から九〇%というようなふうに考えております。これは現存、石油の全部の輸入関係を見ますというと、九百二十万キロリツターぐらいになりますので、それを見ますというと、設備能力といたしましてはまだ相当足りないということになるのじやないかと考えられます。併し勿論これは原油だけで輸入することがいいか、製品も或る程度入れるべきかというような問題もありますので、原油だけということになりますれば、今申上げましたようにまだ二百万ぐらいの稼働能力が足りないということになるわけでございます。  それからその次の頁は、昭和十年以降における石油需給、これは二十七年度まで書いてありますが、最近におきましては飛躍的に殖えております。特に重油が非常に殖えておるわけでございます。  それからその下には、石油類輸入金額が全輸入金額に占める割合というのを書いてありますが、昭和十年は六・一%、これは最近におきましては二十二年が二〇・四%、二十三年が二〇・三%となつておりますが、二十八年度は大体一割弱、ここには一十七年度までしか出ておりませんが、二十八年度は大体一割弱というようなふうに考えております。  それから(4)は、どの地域から輸入しておるかという、この種類別地域別の数量を出しております。中東地区、或いは米国、その他のほうから原油及び製品輸入地を書いておるわけであります。  それからその次の頁の(5)というのは、二十六年、二十七年の、石油制品生産量、これは製品別生産量を書いてあります。  それからその次は、これは石油製品についての産業別消費量を書いてあります。特に重油につきましては鉱工業関係が非常に殖えております。そうして又その他というのが相当殖えて参つて来ております。二十八年度におきましては総計八百六十万キロリツター消費があるのですが、そのうちで重油だけを見ますというと、一群最後のところの下から二番目が五百三十七万キロリツター、この五百三十七万キロリツターのうちで鉱工業関係が三百六万、この三百六万のうちで非常に最近大きく伸びておりますのは鉄鋼が九十万、この鉄鋼は最初五十万から六十三万、九十万と、二十六年、二十七年、二十八年、そういうふうに殖えております。それから電力が十二万三千というのが二十九万五千、四十五万八千というふうに、電力も相当殖えております。それから窯業、これはセメントとかそういうものでありますが、二十六年度七万三千というのが十九万六千、三十七万三千というふうに殖えております。それから繊維関係も非常に殖えておりまして、二十六年度が一万八千というのが二十七年度が十万五千、二十八年度が二十五万八千、というふうになつております。それからその他というのが非常に殖えておりまして、十八万九千、これが三十一万一千、六十九万六千、これは相当中小企業方面が切替えをやつておると考えられます。それから船舶とか或いは農水産というのは、これはまあ非常にその飛躍的に殖えておるというような状況なつておりません。船舶が五十四万八千というのが六十八万六千、それから七十八万、農水産につきましても六十三万四千というのが七十三万一千、八十万三千、併しながらその下のその他というのが二十六年度は四万一千、それから三十八万五千、七十二万一千というふうに殖えておりますが、これは暖厨房関係に相当使つておるという例示になると思うのであります。まあ我々のほうでは暖厨房関係だけで年間大体二十八年度は三十万ぐらいになつておるのじやないかというふうに考えます。  それからその次の頁は原油と、それから天然ガス生産量を図解したものでありまして、天然ガスにつきましては最近は九千万立方メーター程度なつておると思います。  それからその次のこれはちよつと文章で書いてありますが、この前我が国におきまして終戦後において特に石油埋蔵量が相当あるということが確実になつたことにつきましてのことをこれは書いたのでありますが、終戦後におきまして特にその探鉱方法が非常に進歩した。ここにも書いてありますように、従来我が国で行われた探鉱は主として地表調査のみに依存したのでありますが、最近におきましては地表調査におきましても放射能探鉱を用いるようになつたということ、これは米国のほうから機械を入れまして現在やりつつありますが、そういう放射能探鉱、それから古生物学動入、これは化石とか、そういうようなことによつてこの石油地帯というのが十分わかるようになつたということ。それから第二は極めて新らしい輸入機械によりまして地震探鉱重力探鉱実施を行うようになつた。これによりまして相当よく的確にわかるようになつた。それから第三は掘さく技術進歩によりまして従来とても日本技術におきましてはできなかつた三千メーター級試掘ができるようになつた。現在大体平均九百メーターぐらいでありますが、深度はそれが更に深く掘りますというと、まだ新潟とかその他相当これはあるわけなんですが、ここにも書いてありますように、最近におきましては三千メーター級試掘ができるようになつた。こういうまあ探鉱方法進歩からこの調査が非常に的確に、又今までそれほどないと思つていたところが、これが相当大きな量をつかむようになつたということであります。従いましてこの次にも書いてありますように、平原地帯油田開発、それから層位封塞構造油田開発、これは学術的にいろいろむずかしい問題ですが、それから既存油田の深部の開発、こういう方面開発が非常にできるようになつたというわけでございまして、先ほども申上げましたが、山形県におきましては堀内で、いわゆる内陸油田という画期的な油田を見付けた、従来は殆んど海岸線だけに油田はあるものと考えられていたのですが、最近におきましてはこの内陸方面に大きな油層を見付けたということは、これは非常に画期的な問題だと考えております。これも終戦後の問題であります。そういうようなことによりましてこの石油資源開発審議会におきましても、長い間いろいろ検討しました結果は、先ほども申上げましたように、可採埋蔵量としまして五百二十三万キロリツター程度、それから認知埋蔵量といたしまして三千二百万キロリツターというようなものを見付けておるわけでございます。  それからその次の頁は、我が国含油地域図、これを見ますというと、大体日本海方面北海道方面はこれは産油地域なつておりますが、その他の地域におきましても含油地域は相当広く分布されておりまして、関東平野におきましてもこれは含油地域なつております。これは関東平野におきましても相当深度、深く掘りますれば恐らく油田が見付かるのではないかというふうにも言われております。
  10. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 これは新探鉱法によつての結果じやないのですか。
  11. 川上為治

    政府委員川上為治君) これはやはりその新探鉱によりまして地質調査方法大分新らしくなつて参りましたので、そういうことによりまして広く見付かつたということになるわけであります。  一番最後の表は、これは可採埋蔵量分布図、それから認知埋蔵量分布図を書いてございます。北海道方面におきましてはこれは相当開発すればあるのじやないかというようなふうに考えられます。  なお詳細につきましては場合によりましてはこのほうの専門家に或いは来て頂きまして御説明申上げてもいいのですが、資料につきましては大体この度程御説明申上げます。
  12. 中川以良

    委員長中川以良君) それじや御質疑をお願いいたします。
  13. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 さつきの我が国含油地域図、これも新探鉱法を加味しての結果だというお話があつたのですが、それはいつ現在ですか。
  14. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは二十八年の九月現在でございます。
  15. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 大体わかつたのですが、国産原油飛躍的増産見込が出て来たと、こういう今までの数学でほぼ見当はついたのですけれども、今の飛躍的増産を裏書する数字としてはどういう数字を想定しておるわけですか。現在はこの程度で、将来はこの程度で行けるだろうという見込ですね。
  16. 川上為治

    政府委員川上為治君) これはいつかお配りしたと思うのですが、昨年の九月に石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会というのが通産大臣諮問機関としてあるのですが、この審議会のほうから昨年の九月に石油資源総合開発に関する答申というのが参つておりまして、これが今申上げました可採埋蔵量五百三十万キロリツターくらい、それからその認知埋蔵量が大体三千二百万キロリツターというものの中から極めて精密に各地区村別にこれは開発の五カ年計画というのを立てまして、それによりますというと、現在の掘つております油田、それから新らしい地域開発してそこから出すもの、それから二次採取法というような方法によりまして出すもの、全部を入れまして百万キロリツター程度を五カ年後には出し得る、これは確実に出し得るというような答申が参つております。その経費としましては探鉱関係の費用だけで約百億かかる、この巨億に対しまして、私のほうとしましては、年間大体十億程度総額五十億程度助成を出すということにしますれば、今申上げました百万キロリツターぐらいまで百五カ年後におきましては出せるという計画をこの審議会答申に基きまして立てたわけであります。併しこれは第一次的な開発計画でありまして、それからその次の更に又五カ年計画なり、或いは六カ年計画というようなことをやつて参りまするというと、少くとも国内におきましては二百万、或いは二百万に近い政事が開発されるのじやないかというようなふうに我々は開いているわけでございますが、二百万という数字は別にこれは具体的な計画はできておりませんけれども、少くとも百万キロリツターを今申上げたやり方によつて開発すれば、今申上げた計画で行きますと、五カ年後におきましては百万キロリツターぐらいは出せるという答申が参つておりまして、これは非常に細かくどこどこの地域地震探鉱で行く、どこどこの地域重力探鉱で行く、それから又どこどこは試錐でやるか、いろいろな細かい検討をやりまして、そういうその答申がなされているわけでございます。それから先ほども申上げましたように、欧州各国、或いはアメカリ等におきましては、大体その年の産油量に対しまして十年ぐらいの程度の可採鉱量をいうのは持つておりませんので、毎年調査なり、或いはその試掘をやつて参りますと、だんだん年数が最近におきましては伸びて行くというような状況なつておりますが、日本におきましても先ほど申上げました五百三十万キロリツターぐらいの可採鉱量というのは現在においてあるわけですが、これは現在の生産量から見ますと、十数年になりますけれども、これはこれから更に調査を積極的にやつて参りまするというと、その年数は更に伸びて行くのじやないかという、かうに我々は考えているわけでございます。
  17. 三輪貞治

    三輪貞治君 外国原油価格は七千二、三百円でございますね。
  18. 川上為治

    政府委員川上為治君) さようであります。
  19. 三輪貞治

    三輪貞治君 そうすると、揮発油燈油重油等外国からの輸入価格はどうなつておりますか。
  20. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今その価格表を実は持つて来ておりませんが、ガソリンにつきましては大体その国内製品価格と大体同じ程度、ただ外国の油のほうが少しオクタン価が高いし、品質が比較的いいというようなことから、少し外国のほうが有利ではないかというふうに考えております。ただこれはしよつちゆう価格の移動がありますので、常に必ずしもそういうわけではございませんが、大体殆んど同じだ、こういうふうにお考えになつてもいいのじやないかと思います。重油につきましても今申上げましたようなガソリンと同じような大体その輸入重油と、国内でできる重油価格バランスが大体とれるような状況なつております。勿論これは或る特別な地域から非常に安く輸入するということになれば、これは非常に安くなるわけでありまして、昨年出光興産がイランから約十二万キロリツターガソリン、或いは燈油、軽油を入れましたが、このガソリンのごときは従来の輸入ガソリンよりも非常に安い、大体六割ぐらい、運賃を加算いたしましてなるのじやないかというようなふうに考えられますが、これははつきりした数字はなかなか一々企業者のほうから出してくれませんのでよくわかりませんけれども、大体我我が仄聞したところでは非常に安いいうふうに開いております。併しほかの地域からすれば現在そういう安い漁を入れるということは非常に困難な状況にあるようであります。
  21. 三輪貞治

    三輪貞治君 特に重油価格はわかりませんか、輸入重油の……。
  22. 川上為治

    政府委員川上為治君) ちよつとその価格は実は今日持つてつておりませんが、この次に持つて参りまして御説明申上げたいと思います。
  23. 三輪貞治

    三輪貞治君 原油より高いか安いかわかりませんか。
  24. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは勿論製品でありますので、原油よりも勿論高くなつております。
  25. 岸良一

    岸良一君 私は石油開発は成るべく早いほうがいいと思つておるのでありますが、この間うち秋田を視察したり、又いろいろな事情拝聴して、又今日の資料を拝見いたしますと、大部分油田帝石油田であり、そうするとこの法律はこの間大臣の言われたように、帝石試掘促進ということを狙うように思われるのですが、今の一億三千万円の補助で大体五カ年計画の第一年度というのは完成するような帝石の資金繰りになつておるのですか。
  26. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どものほうといたしましては、五カ年後に百万キロリツターを出すという計画で行きますると、初年度におきましては少くとも助成金としましては探鉱費について、大体八億から十億の程度というふうに考えておるわけでございますけれども、助成金は一億三千万円ということに決定をされましたので、これはこの五カ年計画初年度計画は非常に狂いが生じたわけでございまして、大体初年度におきましては布石の金も何もかも入れまして、二十億程度と考えておるのでございますが、助成金を含めて……、勿論助成金として一億三千万円でありますから、二億三千万円と、更に帝石がほかのほうから借入れるとか、或いは自己資金で行つたりというようなことを考えますと、大体総額六億近い程度開発資金ができるじやなかろうかというふうに考えております。現在大体帝石としましては三億ぐらいは開発方面に注ぎ込んでおりますので、それにプラス一億三千万円の助成金、それからそれに或る程度見合うところの借入象らいろいろなことをやりますと、まあ六億程度は注ぎ込まれるのではないかというふうに考えておりますが、そういたしますというと、大体総額二十億程度と我々が考えておりましたのが、六億程度というふうに最初の一年はなるわけであります。なおこの問題につきましては、現在帝石のほうともいろいろ検討してやつておりますし、又その他の会社のほうとも検討を始めたいというふうに考えておりますが、今申上げましたようにいろいろ資金繰りをやつて見ましても、大体六億かそこらということに初年度はなるのではなかろうかと、そういうふうに考えております。
  27. 岸良一

    岸良一君 そうすると三分の一程度のものしかできんということですね。
  28. 川上為治

    政府委員川上為治君) 初年度としましては、従来私どもが考えていたものよりも非常に少くなつて、まあ三分の一程度のものではないかと考えております。
  29. 岸良一

    岸良一君 そうしますとこの法律によつて、早くやるということになれば、特にこれは外国資本などを持つて来てやるものに対してお許しになりますか。
  30. 川上為治

    政府委員川上為治君) 国産原油開発につきまして外国資本を入れてやるかどうかということにつきましては、私どもはなお検討の余地があるのではないかというふうに考えております。従来鉱山等の開発につきましては、外国資本を入れて開発するということは、余り歓迎されておりませんでしたので、これは石油開発につきまして、外国の資本を入れて、或いは合弁の会社あたりを作つて行くことがいいかどうか、これは相当検討しなければいかんじやないかというふうに考えております。
  31. 岸良一

    岸良一君 私もそれは賛成じやないんですけれども、開発するのに三分の一しかできないから、三分の二どうしてもやるんだということになると、そういうもくろみで、或いは又外国資本が投資されて行くということになる、そういうものができて来やしないかということを懸念するんですが、そういう運動はないんですか。
  32. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今のところそういうような運動はありません。ということは、これは相当危険性が伴いますので、やはり普通の工場を興すとか、そういう問題とは根本的に違いますので、十本に一本しか当らんというようなことでありますので、外国のほうから今のところは金を入れてやろうと、又外国のほうが資本を入れようというようなことは聞いておりませんが、若し仮にこの二、三年の間に、私どもが予定した通りどんどん開発されて、非常に国内油田があるということがわかりますと、或いはそういうような問題が起るんじやないかというふうにも考えられます。
  33. 岸良一

    岸良一君 それはこの間私ども秋田へ行つて、いろいろ説明を聞いたんですが、若しこの調査ができているんだとすれば、三分の一しかやらないんだつたら、そういうことをやろうという計画があれば、帝石で持つておる材料ですぐできるような気がする。それで私はそういうことをお伺いしたんです。それを許すかどうかということです。私は許さないで、むしろ帝石をそれだけ推し進めようとされるならば、資金の裏付けを本当にやつてそうして促進するほうが必要じやないかと、こう考えておるので、お伺いしたいんです。
  34. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私は先ほど、従来の例から、行いまして、大体その三億の場合の約六億程度ということを申上げたんですが、この法律によりまして今度は経理検査、そういうことができるようになつておりますし、それからいろいろなことについての勧告の制度も設けましたので、経理検査をしました結果、相当帝石において余裕があるということになりますれば、私は六億程度じやなくて、できる限り、精一ぱいに一つやらせたいというふうに考えております。
  35. 岸良一

    岸良一君 私はそういうことがあるんだろうと思つて大臣もそういうような御決意があるんじやないかということを伺つたんですが、ただあの勧告ぐらいの程度で、昨日大臣の言われたようなことが実行できるかどうか、これは行政上よほど強い力が働かないと実行できないんじやないかと思うんですが、その点御自信があるんですか。
  36. 川上為治

    政府委員川上為治君) その勧告というのはこれは法律の第十七条に書いてありますが、経理検査をいたしまして、そうして相当余裕金がありますれば、石油開発のほうへその金を廻せということを言うわけであります。併し配当なんかも、二割も三割もの、そういう高率配当をするような気配がある場合におきましては、そういう高率配当はやめて、そうしてその余裕金を以てこの開発のほうへ廻せという勧告をいたすわけでありまして、その勧告に従いませんというと、結局その法律の最初にありますような試掘権の、とにかく延長を認めないとか、或いは他の者に対しましてその権利を譲渡せしめるとか、そういうような措置をとりまして、できるだけそういう能力を持つておる方面に、場合によりましてはやらして行くというふうに考えておりまして、実はこういうことを相当強くやりますと、現在の試掘権を持つておる業者は非常に痛いことになりまして、結局指定した地域につきましては絶対にやらなくてはならんというようなことになつて来るんじやないかというふうに考えております。
  37. 岸良一

    岸良一君 そこでこの納付金を、今まで補助金総額の限度で止めておるということになつておるのを外しておりますね、こういうようなことはむしろ最小限度に止めてそうしてそれを開発に廻せというふうな指導をするほうがいいのじやないかという気がするのですが、これはどういうお考えでしようか。
  38. 川上為治

    政府委員川上為治君) 只今おつしやいました議論も実は我々の内部でもあつたわけでありまして大蔵省との話合いのときにもそういう問題は出たのですが、やはり限度はなくてそれ以上実は非常に儲かることになるものですから、やはり国の非常に血税と申しますか、そういうことから出している金でありますので、儲かつているところからやはりそれ以上のものをとつて、それから又場合によりましては助成金を出して、そうして掘らせるというふうにまあ持つて行こうと考えているわけでございます。
  39. 岸良一

    岸良一君 それが予算をきめた当時と、今度の開発法を出して促進するという状態とは大分違つて来ているわけなんですが、それであるからむしろこの際そういうことを開発のほうに使つてやるというような是正を、積極是正を考えるほうがいいのじやないかという気がするのですが……。
  40. 川上為治

    政府委員川上為治君) その助成金の金額がまあこれは返すほうから言いますと、当てるというと、これは非常に大した金額でありませんので、十分返せると考えておりますが、助成金を交付するほうから言いますと、僅かな金ではありますが、これは一つは義務を付けるというふうなことになりますので、我々としてはその限度以上返して頂いて、そして又助成金を成るべくたくさんの方面に出して、そして刺激を与えて、又義務を付けてそして開発促進したほうが得じやないかというふうに考えておるわけでございます。
  41. 岸良一

    岸良一君 まあ私が今までお尋ねしたことは結局国内生産促進してもらうことが必要だと、そうするとそういうような小さいことはやめて、むしろ積極的に利益が挙つて、国家に納付しなければならんものでも開発のほうに使わすという指導をすれば結局同じ目的を達するのではないか。又補助金にとつて又それをやらなければならんというような廻りくどいようなことをしなくてもやれるのじやないかと思うので御質問したような次第でございます。私の質問はこれで終ります。
  42. 西川彌平治

    西川彌平治君 私は国内石油資源開発という問題に対しましては、是非とも早急にこれをやつてもらわなければならないということに対してはもう強く希望をいたしておりますし、さようにお願いをいたさなければならんと思つておるのでありますが、私は子供の頃から石油という問題には幼心から明け暮れ見ている問題でありますので、相当関心を持つているものでございますし、過去もう三十年以上に亘りまする石油会社の施策、産油状態等をいろいろ調べて見ておりまするが、なかなか油の出る量が、掘さくをいたしまして、新らしい井戸ができるのと比例をいたしまして、要するに一定の量を減らないように持続して行くということ自体が非常にこの石油にはむずかしい仕事であるように私は聞いているのであります。この頂きました表から見ましても、昭和五年から昭和二十七年のこの間におきましても、大体三十万キロリツトルを上下いたしておるのでありまして、この間においては非常な努力を払つて石油の一滴は血の一滴だというまで従業員にスローガンを掲げて努力をさしておりまするが、なかなか油の増産はむずかしい現実を私は見ておるのであります。従つて今日五カ年計画を以て百万キロリツトルに増産をするというそのお考えは誠に私は諒とし、又敬意を表するものでございますが、果して五カ年後においてこの百万キロリツトルが出し得るか否かということに対しては勿論これは神ならん身でありますから、恐らく皆さんも出るとは申されないだろうと思いますが、相当併し科学的根拠においてさように御計画をなさつておるものと思いますが、私は私の知れる範囲においていろいろな方面から御意見を承わつておるのでありますが、勿論この計画には賛成であります。又方針には私は大賛成をしておるのでありますが、果してさような厖大な国費をここに投じまして、そうしてこの計画が皆さんの御期待通り行くかということについて私非常に疑問を持つのでございますが、どうでございましようか。
  43. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは実は私も事務屋でありますので、非常に疑問に思つたのですが、これは何と申しましても石油資源開発審議会というのがありまして、そこには約二十名くらいの日本の最高権威が集まりまして、而も丹念に長い期間をかけまして実地調査もしますし、いろいろ検討をしました結果、これはもう確実に相当の金額をかけたならば百万キロリツトルくらいは五カ年後には出せるという結論を出しておりますので、私はこういう最高の権威のかたがたの御意見を信頼して、実は是非とも五カ年計画を遂行したいということになつたわけでございまして、実は前の大臣のときもそういう御心配も特にあり、わざわざ最高権威のかたがたが大臣の所に行かれまして、相当長時間にかけまして御説明しましたところが、当時の大臣も非常によくおわかりになつたという状況もありまして、私はやはりこの開発審議会の意見を信頼して行くよりほかないというふうに考えております。  それからなお世界の例をとりますというと、ドイツが戦争中に最高大体五十万キロリツトルくらい出しておりましたが、終戦後におきまして日本と同じような探鉱技術の非常な進歩とか、いろいろな外国技術を入れるとか、そういうようなことによりまして現在二百万キロリツトルになつております。これは現実に生産がそういうことになつております。  それから又フランスにおきましては、戦争中大体六万キロリツトルぐらいであつたのですが、これが現在年間これ又相当殖えておりまして、四十万以上の生産を挙げております。ところがこれも又開発審議会のかたがたの御意見を伺いますというと、ドイツやフランスに比べまして、日本はもつとこれは石油の資源は有望である。而も掘り当てるその率から言いいましても、世界の率よりもむしろよろしいというような状況でありますので、私はドイツなりフランスあたりがそれだけやつておりますので、日本におきましてもこれに本当に力を入れたならば、私は十分そういう計画は裏付けできるのではないかというようなふうに考えております。
  44. 西川彌平治

    西川彌平治君 局長からのお話は、私は御尤もだと思つて拝聴しているのであります。実はここで私は飛躍した質問をして見たいと思うのでありまして、果して鉱山局長、そういうことに対して御答弁が頂けるか頂けないか、これは若し頂けないとすればそれでも差支えないのでありますが、実はこの石油に対する識者からの話でございますが、ここで国が内地の油田開発するということは、もう満腔の賛成をするが、もう少しく確実なる一つこの石油を得る方法があるのではないかということを言うている人があるのであります。それはまあ敗戦になりました日本でありまして、戦争前とは違いますけれども、日本のこの石油技術を以て海外の油田に手をつけたらどうか、海外の油田開発をしたらどうかというようなことが、今日国内において真剣に研究をされている問題であるのであります、識者の間において……。これは少くとも東南アジアを私は目当にしているものであると考えているのでありますが、かような面に対して、政府は何かお考えがあるのでありましようか、どうでありましようか。
  45. 川上為治

    政府委員川上為治君) 実は、私どものほうとしましても、単に国内石油開発だけではなくて、やはりこの英米関係の石油に頼らずに、英米系の石油に頼らずに、何とかして南方油田開発に関係して、そうしてそつちのほうから或る程度入れるというようなことになりますというと、値段の問題、いろいろな点におきまして、私は非常に結構なことではないかといこようなふうに考えまして、実はこの問題につきましてもいろいろやつているわけでございまして、例えば石原産業、これはインドネシアの石油開発につきまして、帝石と協力いたしまして、そうして相当の金を注ぎ込んで、調査なり或いは向うとの提携というものを今やりつつあるのでありますが、なかなか思うように、向うの政情等の関係がありましてうまく行つておりません。それから日本鉱業、これ又インドネシアの……、これは北部のほうですが……、といろいろの……、これはアチエという、アチエ族というのですが、これは一種の民族の一つですが、アチエ族のほうと連繋をとりまして、昨年相当長期に亘りまして技術者を出しまして、いろいろその調査をやりました。これもまだ今のところは成功したというところには行つておりません。これにも帝石技術陣営が参画いたしております。それから帝石の中には、現在南方関係の開発についての、これは課にはなつておりませんが、その関係の調査のスタツフを作つておりまして、いろいろこうい問題につきましても積極的に検討を実はいたしているわけでありまして、私どものほうとしましては、そういう方面からも相当量開発し、入れるというようなことになれば、先ほど申したように非常に結構なことではないかと考えますので、この問題は積極的に考えておりますが、遺憾ながら向うの政情等の関係からなかなか、政治情勢その他の面からなかなか今のところはうまく行つていないという状況なつております。  それからなおそれにつけましても、やはり国内の資源を開発するということがやはり先決問題でございまして実はイラク油田開発について、日本のほうに技術の提携を何ら申入がなくて、むしろドイツのほうへイラクのほうでは技術の提携を申入れている。それから南方のほうにおきましても、むしろドイツのほうへ技術提携を希望しているというようなふうにも聞いておりますので、やはり国内におきまして、少くとも百万キロリツターくらいは出すような態勢に早くしなければ、南方の開発につきましても、向うがなかなか応じてくれないというような状況になるのじやないかというふうに考えますので、私どもはやはり国内石油をこの際開発することが先決問題だというふうに考えているわけであります。併しながら一面におきましては、南方の開発に対しましても積極的に進めて行きたいというふうに考えております。ただ南方に対しまして従来のような考え方をいたしまして南方を開発するというようなことがちよつとでも新聞に載りますというと、向うを刺激いたしまして、なかなかその提携がうまく行かんというようなことも言われておりますので、これは相当慎重にやらなくちやいかんだろうと考えております。
  46. 西川彌平治

    西川彌平治君 只今局長さんの言われる通り、この内地油田開発は、少くとも百万キロリツター程度の産量を得なければいかんというそのお考えに対しては私ども同感であります。併しこのいわゆる南方油田開発という問題は、相当各方面で真剣に研究をされておりまするし、よしんば内地原油が百万キロリツター採取ができましたといたしましても、これはもう日本の全体から考えました場合において、需要供給の関係はもう非常な大きな不足をするのでありますから、どうせ海外からも油を持つて来なければならないことははつきりいたしているのでありますから、今ほうぼうでこの外地の油田開発を真剣に考えている際におきまして、政府は非常に慎重な態度でおられる。これはまあ敗戦後におきまする、いわゆる国際情勢等を考えましたときにおいて、慎重な態度でおられるということは私は尤もと考えておりまするが、余りにもいわゆる戦争に負けたということに怯えきりまして、一般の、民間が積極的に乗出そうとしているのに対して逆に政府がブレーキをかけているような状態になつているのじやないかということを私は心配しているのであります。いずれにしても、油が足らんのでありますから、そういう点に対する一つ政府の心がまえを何とか一つもう少しく飛躍的になつて頂くことを私は念願をいたしているのですが、如何ですか。
  47. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私がまあ慎重にと申上げましたのは、積極性のない慎重さという意味じやありませんので、極めて我々のほうとしましても積極的に考えておりまして、ただやり方を慎重にやらなくちやいけないというふうに考えているわけでありまして、現に石原産業が、これは社長さんも向うに参りまして、いろいろ折衝をやつたのですが、その際ちよつと日本の新聞にそれが大きく出ましたために、その交渉がなかなかうまく行かなかつたということも、石原産業の社長から直接私ども聞いておりますので、そういう意味で慎重さということも申上げたのですが、実は私は日本鉱業と、それから定石と一緒になりまして、このインドネシアのアチエ族のおりますところの地域開発の問題につきましても、向うの酋長と申しますか、その人がやつて来ましたときも、私も会いまして、そして開発をお願いしておるということになつております。というようなこともやつておりますし、又インドネシアの公使がこの前参りましたときも、この問題を何とかして一つ積極的に進めてもらいたい。石原産業の問題も、日本鉱業の問題も、積極的に進んでもらいたいということをやつておりまして、私どもとしましては、まあ勿論、或いはまだそのほか積極的でないじやないかというようなお話になるかも知れませんけれども、できる限りのことは私どもとしましてはやつておるわけでございます。
  48. 西田隆男

    西田隆男君 私は委員諸君に委員長から諮つてもらいたいのですが、委員諸君に諮つて頂きたいのですが、それはね、この両法律案審議する過程でも構わないのですが、できるだけ早い機会にこの通産省にある審議会ですね、審議会の専門の人に来てもらつて果して百万キロリツターを五カ年計画で出し得るか、出し得ないかということを詳細に一つ、審議会のメンバーの御意見を聞く機会を作つて頂きたい。それから問題は審議会でどのように決定されておつても、実際に開発計画に当るものは帝国石油なので、帝国石油の当事者の意見も、その後に聞かれるような機会を作つて頂きたい。それが先にきまらないと、法律案審議したつて、出せるという仮定に基いただけでは、如何にも不安定であります。
  49. 中川以良

    委員長中川以良君) お諮り申しますが、只今西田委員の御意見でございますが、審議会委員に出席を求めまして、実情を二心聴取する、然る後に実際実行しておる帝石側よりも更に実情について説明を求める、これをいたすことに御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは来週ですね、先ず先に審議会、そのあとにまあ同日できますかな。それじや来週の日程にそれを入れますです。さように決定します。
  51. 三輪貞治

    三輪貞治君 国産石油燃料の増産について、特にこの石油燃料の増産につきまして、石炭液化工業、並びにこの人造石油ですね、この方面の御検討をどういうふうにされておりますか。それと、そのコストは、原油採掘の場合とどういうふうな関係になりましようか。その点を一つ。
  52. 川上為治

    政府委員川上為治君) 人石の問題につきましては、まだアメリカの司令部があります時分は、これは禁止になつておりまして、その際殆んど研究もされませんでしたが、その後におきましては、やはり私どものほうとしましては、人石におきましても、相当至急にこれは検討しなきやならんと思つておりますけれども、実はまだそこまで行つておりません。ただその石炭液化ということになりますと、相当コストが高くなるというふうに言われておりまして、とてもそれは引合わないということを言われておりますので、今のところまだそこまで行つておりませんが、これはいろいろな方面からも早急に検討すべきであるということを言われておりますので、私どものほうとしましても、この問題は早急に検討して、はつきりした態度をとりたいというふうに考えております。  このコストの計算は、実は持つて来ておりませんが、大体試算したものもあると思いますので、この次の機会にでも申上げたいと思います。
  53. 西川彌平治

    西川彌平治君 人造石油は今禁止されておりますか。
  54. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは司令部のある時分には禁止されておりました。
  55. 西川彌平治

    西川彌平治君 今はいいのですね。
  56. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今は何ともありません。
  57. 天田勝正

    天田勝正君 原油について、他の委員各位から御質問なさつておれば、委員長から注意があれば、私はすぐやめます。  そこで私お聞きしたいのですがね。この、石油及び可燃性天然ガス資源開発法によりましても、又この臨時措置法によりましてもそうですが、相当多額の国費をこれに投ずる、こういうことになつておるわけで、そういたしますと、この臨時措置法のほうでも一億三千万円というような、緊縮予算の中から支出を決定しておるのである、こういうことが説明されておるわけで、そういう状態でありまするならば、一体いろいろ民間の会社を監督したり、経理の内容にまで立至つて、これを立入検査する、こういうふうないろいろ煩瑣の手続をいたしますれば、又それに対して費用がかかつて来る。こういうことなつて来るので、私はむしろそれよりもこの資源の開発、特に試掘を行うというような事柄については、一体政府はみずからやられてもよろしいのではないかと思いますけれども、これが他の委員から質問されておれば別ですが、それは政府自体がやるよりも、民間にやらしたほうが遥かに経費が安くて済むということから、こうされたのでありましようか。
  58. 川上為治

    政府委員川上為治君) 現在政府機関としましては、地質調査所というのがあるわけなんですが、これは殆んど石油は専門ではありませんし、又石油試掘関係の機械類も殆んど持つておりませんし、そういうエキスパートも非常に少いものですから、結局早急にやろうとしますれば、政府機関では現在どうしてもできない。やはり帝石が主でありますが、帝石は何千人のスタツフを持つておりますし、相当の機械類を持つておりますし、結局帝石を中心として使うよりほかないというふうに私どものほうでは考えておるわけでございます。
  59. 天田勝正

    天田勝正君 試掘等を帝石に任して、実際の仕事をやらせるといたしまするといたしますると、この法案説明から言いますると、結局それをいよいよ採掘するという場合には、現在の組織、現在の資本力等だけで十分でございましようか。又かなりの多くの資本をそこに注ぎ込まなければ、自己資本であろうと、政府出資であろうと、いずれでも構いませんけれども、いずれにしても多くの資本を要する。特にそれに関連して、その何%かは国費によつてこれを負担して行くという事態が起るのではございませんか。
  60. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは先ほど説明申上げたのですが、大体この五カ年計画を実行しまして、五カ年後に百万キロリツター程度を出すということになりまするというと、探鉱費関係だけで約百億要るということになります。その百億のうち、私どものほうとしましては、その半分程度を国で負担すべきではないかというふうに考えまして、初年度十億の予算を要求したのですが、まあ財政緊縮の関係から、一億三千万円に査定を見たのでありまして、先ほども御説明申上げたのですが、それでは大体どれくらいできるかということにつきましては、その百億のうち初年度総額二十億ということになりますが、その二十億のうち大体今のところでは、六億程度できるのじやないだろうかというようなふうに考えております。これはさつきの説明と又二重になりますが、六億のうちで従来帝石がやつておりましたのは三億、それから今度助成金が一億三千万円、それに更に帝石その他のほうから借入金その他のほうを入れますというと、大体六億程度のものが探鉱費として二十九年度は使われるのじやないだろうかというふうに想定しておるわけですが、これは場合によりますれば帝石の経理状態を調べまして、もつと余裕金がありますれば開発のほうに注ぎ込むようにいたしますというと、或いはもつと金が出るというようなことになるかも知れないと思うのであります。従いまして、やはり少くとも探鉱費だけでも百億ぐらいはかかる、これ以外にいろいろな資金が更に又相当かかるわけでございまして、今おつしやいましたように、こういう開発をするためには、相当の金がかかるわけでございますが、百万キロリツター実際もう出るということになりますというと、これくらいの金はすぐ回収できるというふうに私どもは考えております。
  61. 天田勝正

    天田勝正君 いや、私は今お伺いしたのは、つまり探鉱費のことは先ほど他の委員が御質問なさつて、その答えをかなり丁寧に伺えたので承知いたしたわけですが、問題は探鉱費だけでなくて更にそれを実際に採掘するという場合に立至つて、そこでそこに固定設備といいますか、固定資産をかなり多く持たなければならん。この点は局長もかなり多くの資金を要するという言葉で申されておるのですが、それが見込でおよそどのくらいになるか。この質問をするのは、私の意図は実はそこにあるのではないのです。局長、お聞きを願いたいのですが、私の本当の質問の意図は、さつきこの資料の御説明があつた中で、一頁の右の下段の原油可採埋蔵量、この別表に示された、つまり可採埋蔵量が五百二十三万キロリツター、認知埋蔵最が三千二百万キロリツター、こういうことがさつき説明されたわけです。そういたしますと、取りあえずその採掘なし得るのは、五百二十三万キロリツターだろう、これを画期的にこの生産を増大するということになれば、仮に現在の三十四万キロリツターをその倍にいたしましても、その五百二十三万キロリツターというのは、十年たたずして掘り尽せると、こういうことになる。そうすると仮に投下資本の一割が純利益といたしましても、十年かかつて掘り切つた時分は、仮に一割の利潤としても全部資本がなくなつてしまうのだ、こういう単純な算術がそこへ出て来るから、そうするとこの利益と、要するに何か相殺されて行きますから、実際には純利益というものは毎年仮に一割あつても実際はないという結果になつて行くのです。そういう場合の処置を一体どうするかという質問に行くためにさつきの質問を……。その後の固定設備等にどのくらい資本を注ぎ込まなければならないのか。百億というのはあなたの言うように探鉱だけなんです。そこが問題なんです。
  62. 川上為治

    政府委員川上為治君) 百億というのは、先ほども申上げましたように、これは探鉱費だけでありまして、実はそれ界にいろいろな採油関係のものを全部入れますと二百三十億くらいになると考えております。今言いましたように探鉱費がその中に百億程度ありますから、残り百三十億くらい設備その他の方面にかかるということになりますが、実は帝国石油は相当の設備を持つておりまして、これは戦争中南方に持つて行くことになつておりましたのが急に持つて行けなくなりましたために、相当の設備を抱えておりますが、これを金額でいいますというと大体七十億近いものを持つておるのじやないかというふうに考えられますが、そういうそれを含めまして更に百三十億くらいの金が要るということに和成るわけでございます。探鉱費は約百億というわけであります。
  63. 天田勝正

    天田勝正君 そうすると、先に私が真の質問の目的はここだということまで申上げたのですが、まあ五百二十三万キロリツターとすれば現在三十四万キロリツターを年々掘つておる、これを画期的に増産されたということが、その画期的が仮に二倍と仮定した場合に十年足らずで掘り切れてしまうわけです。そうすると現在の持つておる設備、それに投下されておる資本並びに今後投下するでありましよう二百三十億をプラスいたしましても、そのことは十年でゼロになると見て差支えない。それはスクラツプとして処分して多少の金になるでしようが、作る場合には仮に十の資金を投じたものが処分する場合には一にもならないのがすべての設備の普通でありますので、若し処分する場合にはスクラツプとして処分ができなくなつた、そういう場合にはゼロになるような気がするのですが、この二百三十億、更に現在の資本として持つております設備を、それをプラスしたものが十年間の採掘で全部賄えるのでしようか。
  64. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは一面において採掘すると同時に、二面においては探鉱して探して行かなければなりませんので、その探鉱関係の費用が約百億要るということを申上げたのですが、探鉱いたしますというと、又可採埋蔵量というのが非常に殖えて来るわけでございましてここに書いてあります正日二十三万キロリツターというものを掘り尽してしまつてあともうなくなるじやないかというような御質問のように承わりますけれども、それはその百億をかけました探鉱量によりまして、更に可採埋蔵量というものをどんどん殖やして行くという考え方でございまして、なくなるということにはならないわけでありまして、だんだんその可採埋蔵量というのは殖えて行くというふうに私どものほうでは考えておるわけでございます。それからこの石油の採掘についてのいろんな設備費等についての償却は従来大体七年程度ということになつておりますので、これはほかの産業と比べますというとむしろ非常に私はいいのじやないかというふうに考えております。
  65. 天田勝正

    天田勝正君 そうすると、認知埋蔵量三千二百万キロリツター、これのほうがだんだんと可採埋蔵壁のほうへ加わつて行くからやがての可採埋蔵量は結局三千二百万キロリツターである。こういうふうに見て行つて差支えないんですか。その間における償却で差支えないか。
  66. 川上為治

    政府委員川上為治君) この三千二百万というのは今後更にだんだん調査によりまして殖えて行くわけでございますが、今申上げました百億の金を使つて、そしてこの可採埋蔵量のほうを殖やして行くということになりますというと、この三千一千日一万の数字のうちからそつちの可採埋蔵量のほうへ廻つて来るものが相当あるわけであります。それが更に又三千二百万という数字が今申上げましたように、今後のいろいろな調査によりましてもつと殖えて行くというふうに考えております。
  67. 天田勝正

    天田勝正君 そこでさつき中川委員長にも申上げましたが、恐らくこれから質問することは他の委員質問されたことだろうと思いますけれども、もうすでに答えてあるということをお答え下されば質問はそれでやめますが、そこで現在の鉱業法でもかなり鉱業権者、試堀権者に対するいろいろな制限が加わわつておるのですね。それでこの法律で新らしく規定したというようなものを見ると、大体現行鉱業法によりましても殆んど規定されておると思うのですけれども、特に鉱業法だけではいかんという説明をされておるわけですが、それは一体どういうところなんでしよう。
  68. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは現在の鉱業法におきましては石油試掘権の一年限は二年になつておりまして、それを更に三年延長することができまして、各一州ごとに二年ということになつておりましてれ都合八年ということに相成るわけでありますが、この法律によりましてはそれを非常に狭めまして一年ということにしまして、その回数はやはり三年にしますけれども、一年ということにこの試掘権の期限をおきますというとそれだけ促進されるということに相成ると思うのであります。それから従来の鉱業法では鉱業権の譲渡についてのいろいろな規定というのはないわけでありますが、これは今回のこの規定におきましては強制的な譲渡という制度を設けまして、その試掘の能力を持つている者に対しましてその権利の上に眠つている者からどしどしこれをやりたいものに対しましてやらして行く、譲渡してやらして行くというような形になりますので、従来よりもこの点は相当違つて参ります。それからこの法律では一番問題は地域を指定しまして、その地域内において試掘権の期限の問題、或いはその譲渡の問題ということを規定しますので、私のほうでこの地域はどうしても早急に開発しなければならんということになりますというと、この法律でそういう措置はできるということに相成るわけでございます。それからこの法律ではこの鉱業権者の経理の調査、そういうことができるようになつております。これは現在の鉱業法ではできないわけでありまして、それから又現在の石油及び再燃性天然ガス資源開発法におきましてもその試掘促進のためのいろいろな意味における、非常に広い意味における経理検査というものはできないということに相成るわけでございます。従いまして今回の法律におきましては相当広い意味の経理検査ができるということになるわけでございます。それから勧告にしましてもこの法律によりましては試掘のために必要がある場合におきましては鉱業権者に対しましていろいろな勧告ができることになつておりますので、そういう意味の法律は現在の鉱業法にはないわけでございます。従いまして従来の鉱業法の相当の特例をなすわけでございます。
  69. 天田勝正

    天田勝正君 臨時措置法の一体中心的な目的といいますか、これは地域指定という権利の上に眠る者の措置を講じた。こういうところにあると思うのです。これは私は現行鉱業法を改正しても十分であるというふうに思つておりますけれども、これは議論に亘りますからやめておきますが、そこで今度は、石油及び可燃性天然ガス資源開発法、この法律の改正の分で一点だけ質問しておきますが、補助金の後払制度を廃止する、そのために経理の状況を立入検査まで行う、こういうことがある。これはまあ文字通り見ますと、私どももこれをどうしても必要だ、こういうふうにいやしくも国費を使うわけでありますから必要なことは認めますけれども、こういうところがいわゆる程度を越しますというと、一体権力のあるものに弱いのが業者の習いでありまして、そこから汚職等が生じて来る。そこでこの立入検査などをやる場合には、うまく帳尻を合せて、多少向うが気付いて、つまり検査官が気付いておられてもそれを黙認さしてもらう、よく業者の行う手なんです。そうして又それが特に不正にあらざるまでも、不当というようなものを発見した場合に、何かそれをいろいろ衣の中から鎧が見えるような式でちらちらと権利を広めかすと汚職が出て来る。こういうことで、こうした役人の検査というものはよほど慎重を期さないというと、答えは全く別なものが出て来るというのが普通であります。そこで私はこの範囲は、これをあなた方監督者が扱う場合にどういう基準で行われる用意を持つておられるのか、これを一つお伺いしたいと思います。
  70. 川上為治

    政府委員川上為治君) この法律の第十九条にありますように、この検査なり、或いはその帳簿書類、立入検査なり、或いはその経理の状況の検査なり、そういうような場合におきましては、「この法律の施行に必要な限度において」ということになつておりまして、職権の濫用を固く戒めておりますので、今御心配になりますようなことはないように私どものほうとしましては十分気を付けてやりたいと考えております。それから基準につきましては、別に私どものほうとしましては作つておりませんが、これは必要によりましては、或いはこれは結局具体的な問題になると思いますが、その具体的な問題に応じまして、私どものほうとしましては十分その係の者を職権の濫用にならんように取締をしたいというように考えております。
  71. 天田勝正

    天田勝正君 これはむしろ質問でなくて、私は注文を申上げておくのですが、経理のエキスパートということになれば、必ず民間会社のほうが経理のエキスパートはおるのです。同じ大学を出たつて、役人になるというと、もうこれは予算、決算のあの書類を見たつてわかるように、大福帳みたいなんです。経理としては極めて初歩ものです。だから経理技術の問題でなくて、一体虚偽な経理を申告しておるか否かということで、相手方に対する良心の問題なんです。それが正しい、さつき私が言う不正にあらざるまでも、こういういい加減に帳尻を合せようということで不当な経理を行なつた場合に、技術的にこつちが直ちに発見できるというほどのエキスパ—トは役人のほうにはありわせんです。それを権利を以て臨む、又国費を支給しておくのでありますから、公正な資金の使途というものを国はつかんでおらなければならない必要からそういう検査を私は行うんだろうと思います。でありますから、これはより以上業者よりも検査をする人のほうが良心を持ちませんと、どのようにでもこれを武器として他のことをちらちらと匂わせたりということは、これは決してないではない、あり得ることです。そういうことですから、私は別に注文はいたしませんけれども、この法案が通過した後のそうした検査については、余計なお節介に亘らざるよう、特に何といいますか、そういう点では人格的な人というと大げさになりますけれども、私は検査に臨む人はそういうしつかりした人を是非もうやつてもらいたい、こういうことを希望しておきます。質問でありませんから答弁は要りません。
  72. 西川彌平治

    西川彌平治君 私は鉱区の問題で一言だけ伺つておきたいと思いますが、今回の石油の資源開発を徹底的に五カ年でやろうという際でございますのでありますが、曾つて帝国石油の前身でありまする日本石油、或いは日本鉱業というような会社が、自分の鉱区を相当ほうぼうを試掘をいたしましたが、なかなか適当な油田が見付からないといようなことで、例えて申しますならば、秋田の八橋の油田などは、あれは長谷川鉱業というところの会社の所有であつたものを、日本鉱業がそこで共同採油許可を得て堀り出してあの油田を当てた。いわゆる日本鉱業のものでなくて長谷川鉱業の鉱区であつた。或いは新潟県におきましては、高町の油田などは、あの油田の中心地帯日本石油油田でなくて中野鉱業の油田であつたというようなことで、いわゆる日本石油の前身の話でありますが、今日の帝国石油の鉱区だけを対象としての探鉱でありますると、果して私はそれ以外の鉱区の中にも、私はさつき申上げましたような、八橋、或いは高町というような、ああいう大油田が他の鉱業権を持つておる者の鉱区にもあるのではないかというふうな、私は考えを持つのでありますが、この今の探鉱に対しましては、もう帝国石油であろうがどこであろうが、もう徹底的な鉱区に対する調査をいたしまして、そうして有効な所に対しましてこの五カ年計画を樹立しておるのでありましようか、その点を一つ伺つておきたいと思います。
  73. 川上為治

    政府委員川上為治君) その点は全くおつしやる通りでありまして、私どものほうとしましては、帝国石油だけには考えていないのでありまして、帝国石油でありましようがどこでありましようが、とにかく有望な地区はやるというふうに考えておりまして、大体今年の予定としましては、二割程度がほかの帝石以外の鉱区になるんじやないだろうかというふうに考えております。或いはこれはもつと厳密に当つて見ませんと、今日その資料を持つて来ておりませんが、大体二割弱程度と考えております。
  74. 西川彌平治

    西川彌平治君 私素人が申上げるのでピントが外れておるかも知れませんけれども、どうも最近に見付かりました有望なる油田油田という油田は、どうも他の帝国石油でないその他の所有者の所に多くあるように感ずるのであります。それはなぜとなれば、帝国石油ではあらゆる科学技術を動員いたしまして、そうして自分の鉱区だけは徹底的な調査が進んでおるのでございますが、他の鉱業権所有者はそういう調査はしないで、ただ表面の地質構造であるとかいうことからいたしましてそして鉱区を設定しておる、或いは帝国石油油田の延長に当るところに鉱区を設定するとかいうようなことで、持つているところがたくさんあるのでありますが、そういうところは、要するに調査が非常に不十分なところでありますので、そういう点に対しましてはこの五ケ年評価におきまするいわゆる探鉱の面におきまして、徹底的な一つメスを入れて頂くところが、そこじやないかというふうにも私は考えるので、素人がそういうことを申し上げますと甚だ失礼でありますけれども、そういう点については若しこういうとこと、こういうとこを調査しよう、調査の対象にしておるのだというようなことがおわかりの資料がありましたならば、あとからでもよろしうございますが、一つお願いいたしたいと思つております。
  75. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どものほうとしましても今おつしやいましたように全くその通り考えておりまして、恐らく中小企業者におきましてはそう調査も行届いていないだろうというふうに考えますので、それにつきましては或いはその帝石の人を借りるということも一つの方法でありますけれども、そういう試掘以外の調査につきましては大体地質調査所が十分できますので、地質調査所の者を派遣いたしまして調査をさして行きたいというふうに考えておりまして、今具体的に、じや、どの地区、どの地区をやるかという点につきましては資料も持つて来ておりませんので、又後日参考までに、大体こういうところを二十九年度におきましてはやりたいということを申上げたいと思うのであります。
  76. 西川彌平治

    西川彌平治君 どうぞお願いします。
  77. 海野三朗

    海野三朗君 私ちよつとお伺いいたしたいのは、このカーボン・ブラツクでありますが、カーボン・ブラツクのいい品質のものは日本では出ていない。それがなぜ出ていないかと申しますと、石油ガスを作つていないからということに私は聞いておるのでありますが、どうも石油ガスのほうは相当あちこちで随分出ておるように私は聞いておるのですが、そういう面に対しては局長あたりはどういうふうにお考えになつておりますか。カーボン・ブラツクは相当輸入していますが、こういうものは内地で生産する、石油ガス、そういうものから作つて行くようにならなければ輸入の防遏はできないのだと考えるのですが、この点についてはどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。
  78. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私はやはりその国内の資源を極力活用すべきだというふうに考えておりますので、カーボン・ブラツクなどにおきましても国内石油ガスから極力とるように私はすべきじやないかというふうに考えております。ただカーボン・ブラツクのそういうものについて実は私は専門のほうじやありませんので、これは軽工業局が主としてやつておりますの、で、私から何か間違つたことでも申上げますと却つていけませんが、併し私としましてはやはり原則的には国内の資源でそういうものはどんどん作つて、そして輸入を防遇すべきものであるというふうに考えております。
  79. 海野三朗

    海野三朗君 それから今度の予算外は一億三千万円の補助金ということになりましたが、開発銀行のほうではそれに対してどれくらいの融資の枠があるのでありますか。
  80. 川上為治

    政府委員川上為治君) 開発銀行のほうの要求なり、その金額は最後的にはまだきまつておりませんけれども、私のほうとしましては帝石からの安中もありまして大体二億程度今予定をしております。
  81. 海野三朗

    海野三朗君 開発銀行の石油開発に対してのその融資の枠が幾らぐらい開発銀行にはあるのですか。
  82. 川上為治

    政府委員川上為治君) 特別に石油についての枠というのはございません。石炭とか、或いは電力とかいうような極めて大口なものにつきましては枠がございますけれども、その他のものにつきましては一括して枠を考えておりますので、その中から石油に出すということに相成るかと思うのであります。
  83. 海野三朗

    海野三朗君 先ほどからずつと承わつておりますと、この石油を掘り出すにはこの帝石に重点を置いておられるようでありますが、これでは私は足りないのじやないか、こう思うのです。で、布石に独占させるように持つて行、つているのはまずいやり方ではないか、もう少し国家が力を入れてやらなければならないと思うのでありますが、この点に対しては鉱山局長は如何ようにお考えになつておりますか。帝石だけに任せておいてはいけないんだ、帝石は道具をたくさん持つているし、手も揃つているでありましようが、どうも甚だよろしくないという風聞を開くのでありますが、もう少し政府は考えて帝石だけに独占させないような方向に持つて行く必要があるのではないか、こう思いますが、局長は如何お考えになつておりますか。
  84. 川上為治

    政府委員川上為治君) 現在の状態におきましては、この生産量から申しましても大体帝石が九〇%以上を出しておりますし、それから試掘権の数から申しましても大体帝石が半分程度、それから採掘鉱区におきましては六割以上というような状況なつておりますので、やはりウエイトは一番帝石にかかると思うのでありますが、やはり独占的なことにしますというと、いろいろな弊害も生じて来るかと思いますので、私のほうとしましてはただ帝石に重点という……、結果的にはこれは数の点から言いますと帝石に非常に余計になるかと思いますが、決して帝石だけを考えているのではありませんのでありまして日本鉱業、或いは日本石鉱業ですか、その他いろいろなものをたくさん私のほうとしましてはやらしたいというふうに考えております。
  85. 海野三朗

    海野三朗君 私はもう一つお伺いしたいのですが、この要求額が十億という要求に対して、一億三千万円か予算に組まれたというのは、これは何か根拠があつて、一億三千万円の数を持つて来られたのか、何によつてこの十億の要求に対して一律一千万というあれを持つて来られたのですか。その辺をちよつと御承知になつておりませんか。その辺に対しての知つていなさる範囲を承わりたい。
  86. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私のほうとしましては大体この初年度八億乃至十億、ぎりぎりにしますというと、大体八億程度でいいのじやないかというふうに考えまして、この八億というものを相当強固にがんばつたのですが、どうしても無理だというようなことで、実は更に六億でも五億でもいいから、五億ということで更にがんばつたのですけれども、遂に一兆億円の枠というようなことから、一億三千万円というふうに決定を見たわけでございまして、私のほうとしてはとにかく最後まで粘つてつて粘り抜いたのですけれども、そういうことになつたのですが、これは最後のところでそういうふうにきまりましたので、その間の事情はよく我々には窺えませんけれども、まあ結局一億三千万円に査定をされた。その査定としましては、別に一億三千万円で十分五カ年計画初年度が実行されるというふうな考えから、そういうふうに査定をしたというふうには全然聞いておりません。
  87. 海野三朗

    海野三朗君 私はその一億三千万円というその数字ですね。一億五千万円でもいいのじやないか、一億円でもいいじやないか、何かよりどころがあつて一億三千万円という数をとられたのかどうか、こう私はお伺いしているのであります。それを知つておられるところだけを一つ……。
  88. 川上為治

    政府委員川上為治君) 一億三千万円の数字はこれはそういう根拠がありましての数字ではありませんのでありまして、これは実はもつともつと殖やしてくれということを言つたのですが、丁度中小企業庁関係の予算と噛み合いがありまして、丁度一億三千万円というところで査定されたということになるわけでありまして、結局一億三千万円に査定されました以上は、それに基いて、じや試掘をどういう個所にどれくらいやるかということをきめざるを得なくなつたのでございます。別段一億三千万円については、非常に計算的な深いあれがあつてきめられたものではなくて、我々が要求しましたものが一億三千万に査定されてしまつたいうことでございます。
  89. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑がないようでございますから、今日はこの石油法案に対する審議はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 中川以良

    委員長中川以良君) 私からちよつと御報告を申上げ、お諮りをいたすことがあるのですが、ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  91. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。  昨日私は去る三月二十三日に当委員会の総意を以て厚生委員会に申入をいたしました清掃法案に関する修正の件につきまして厚生委員会において発言を求めまして、厚生委員の皆様方にお願いを申上げておきました。仄聞いたしますところ、この修正意見は厚生委員会においてはお取上げがないやのことを伺つておりまするが、更に再度皆様方に御確認を得まして明日は厚生委員長にお目にかかつて委員会の総意として是非今日の我が国産業振興途上においては、この清掃法案においては我々の申入の修正を御熟考願いたいということをお願いをいたしたいと存じまするが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 天田勝正

    天田勝正君 私も無論異議はございません。私はその際委員長に強く上條厚生委員長に申して頂きたい点は、先ほど懇談のうちに委員長が更に詳しく御報告がございましたが、その中で言われておりました衆議院においてはこの問題を取上げなかつたとか、或いは取上げたけれども問題にならなかつたとか、そういう事柄であるから参議院のほうでこれに修正を加えるのは如何かという、こういう意見で、収上げられないとするならば、これは両院の存立にも関する重大な問題なんです。これはいずれの院にいたしましても、後議の院が先議の院の決定を修正するに何ら仰るところはないのでありまして、委員長がこれからおとりになる行動は勿論全員が賛成でありますから、特にその中で強く言つて頂きたいのは、私が今指摘しました後議の院が修正するに決して憚かる必要はない。正しからずと認めたものは修正すべきで、このことは両院の建前から一つ是非強く主張して頂きたいということを希望いたしまして賛成いたします。
  93. 中川以良

    委員長中川以良君) 只今天田艦の御意見は全く同感でございまして参議院の、これは全く私は参議院に与えられたところの使命でございますので、参議院の審議が本当に生きるようにいたすためには今のような御主張をこれは我々あらゆる点についてしなければならないと考えておりますので、さような意味合いの下に一つ明日お願いいたします。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会