○天田勝正君 時間もございませんし、齋木議員もお忙しいようでありますから、私はかいつまんで
質問申上げます。そこで私の
質問の意図がどこにあるかを明らかにするために、若干
意見を申上げますと、先ほど来この
委員会で三十三条
関係の主任技術者の任務等が議論されて参つたわけであります。そこで私どもはこの主任技術者の立場というものを非常に重視いたしております。と申しまするのは、三十六条を御覧頂きますならば、その二項に「
ガスの製造又は
供給の作業に従事する者は、
ガス主任技術者がその
保安のためにする指示に従わなければならない。」こういう
規定がございまして、実はこのことはむしろ
一般の会社或いは官庁等の職制のように上から下へ業務
命令をするという形でなしに、社会
公共のためにこの
ガス事業における
保安については、この
ガス主任技術者というものは、逆に上位の者にでも指示することができる。こういうくらい強い
権限を持たしてあるわけであります。で、罰則その他の条項を見ますと、例えば十二条で、
ガス事業者は、
ガス事業以外の
事業を営んではいけない。つまりこういう
規定は、
事業者にと
つてはかなり致命的とも言うべき制限も加えている。或いは又五十三条を見まするというと、
ガス事業に従事する者、つまり使用者といえども正当な事由がないのに
ガス工作物の維持又は運行の業務を取り扱わず、
ガスの
供給に障害を生じたときには罰則の適用がある。こういうような場合で、これは私は経営者とそれに働く従事者と両方の例を挙げたわけでありますが、とにかくかようないろいろな制限が行われたり、又罰則がかなり苛酷に科せられているわけであります。その罰則が随分苛酷と思われるようなものを科するのは、何としてもこれが社会
公共の不測の禍い、集団窒息等が起きないように
保安を重視しなければならないという点にかか
つていると思うのです。
従つて衆議院におきましても、これらの罰則を皆お認めに
なつたと思うし、我々も苛酷であるけれども、社会
公共の
福祉のためにこの
程度の罰則を認めて行きたい。こう考えているわけです。そういう立場に立つ一方、冒頭に申上げたように、その
保安を掌るのは
ガス主任技術者だ、こういうことにな
つているのに、衆議院のほうは、三十三条を改正いたしまして、四項の第一号によ
つて、「次条の
規定により
ガス主任技術者免状の返納を命ぜられ、そのを日から二年を経過しない者」と、こう下段にありますのを「一年を経過しない者」こういう者には交付を行わない。こういうふうに、
ガス主任技術者のほうから見まするというと軽くされた改正を行
なつたわけであります。ところがこの
法律全般を流れる精神というものは、むしろ
事業者や主任技術者や、或いは従
業者という立場に立
つて考えられているのでなくて、社会全般の立場に立
つて考られていると私は思う。そうすると、この条文だけを主任技術者の立場に立
つて軽くするということは、逆に社会
一般のほうから見れば改悪された、こういう結果になるのであります。説明すれば長くなりますから、説明はその
程度でやめますが、そういうようなことで、この主任技術者の免状の問題について軽くされたということは、社会から見れば、この
法律が改悪された、こういうことになりまするので、これらの経緯、どうしてこうせなければならないのか。私はその点を衆議院における審議を通じての経過並びに結果をお伺いしたいと存じます、