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1954-08-04 第19回国会 参議院 通商産業委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年八月四日(水曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石原幹市郎君    理事            松平 勇雄君            海野 三朗君    委員            大谷 贇雄君            加藤 武徳君            中川 以良君            西川彌平治君            酒井 利雄君            高橋  衛君            河野 謙三君            山川 良一君            藤田  進君            天田 勝正君   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君    通商産業大臣  愛知 揆一君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    大蔵省理財局長 阪田 泰二君    通商産業省公益    事業局長    中島 征帆君    中小企業庁長官 記内 角一君   参考人    中小企業金融公    庫理事     塙  金太君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (中小企業問題に関する件)  (電気料金問題に関する件)   —————————————
  2. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それではこれより通産委員会を開会いたします。  先ず最初にお諮りいたしたいと思うのでありまするが、中小企業問題につきまして、中小企業金融公庫より意見を聴取いたしたいと思うので、中小企業金融公庫理事塙金太君を参考人とすることに御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  3. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。さよういたすことにいたします。  それからなお本日は、大体十一時半か、或いはちよつと過ぎるかも知らんと思うのでありますが、大蔵大臣においで頂きまして、例の電気料金の問題、並びに中小企業中小炭鉱の問題について先般来論議されました皆様方の御意向を大蔵大臣確めたいと思うのであります。今日はやはり一日いろいろの会合でつまつておられるようであつたのでありますが、お昼の会合を少しずらしてもらうということで、お昼前から来て頂くことなので、従いまして時間がせいぜい長くて四、五十分ということかと思うのであります。その時間を有効に使いたいと思いますので、大体どういうふうに質疑をして行つたらいいかということを先刻ちよつと理事会を開ききまして御相談申上げたのでありますが、大体問題は電気料金品につきましては、開銀の利息その他を中心とした金利の問題、それから法人税、或いは固定資産税等税制をどうするかというような問題が中心と思います。それから中小企業につきましては、指定預金引揚延期の問題であるとか、或いは金融機関に対する融資の枠の増大の問題とか、こういうことだろうと思いますので、それらの問題につきまして私から一応大蔵大臣に質すべきことを質しまして、あと時間の範囲内におきまして皆様方から補足して質問をして頂いたらと思うのでありますが、如何でありましようか。
  4. 藤田進

    藤田進君 どうもそれは、自分から質問をする、五十分ぐらいだと、時間が余つておればお前たちやれと、どうもそれは非民主的も甚だしい。この通産委員会の昨日以後本日あるということは、すでにもう政府も知つておらなければならんはずであるし、無論その手配はできておるはずで、先般国務大臣国会委員会に対する軽視という点を申上げておいたわけでありますが、いろいろこういうときで、政府も、殊に大蔵大臣も忙しいということはわかりますが、併し昨日の通産大臣といい、本日の大蔵大臣のその態度といい、突然来いということであれば、それは無理でありましようけれども、事前に話もしてあるのに、それに昼飯を遅らせてちよつと覗こうかというような態度は、誠に了解のできないところなので、これはやはり国政についていろいろ調査するがために開いておる公式な委員会でありますから、而もその調査する事項大蔵大臣に直接関係のある問題である。委員長等の努力はわかりますが、もう少しかけ合つてもらいたいと思います。ここでそう押付けがましいことでなしに、政府としては少し誠意を示さなければならんと思うのです。言いようはきついのですが、諒とされて……。
  5. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 藤田君に申上げたいと思いますが、我々もできるだけ長い時間来てもらつておりたいということは、これはあなたのお気持と同じなんです。それで昨日も実は午後ずつと探したのでありまするが、大蔵省の連中も、変な話でありますが、どこへ行つておられるかわからんような状態で、それでやつと今朝打合せをして、大蔵省でお目にかかつていろいろ事情を申上げて何したのでありますが、これ只今いろいろ外国から調査団が来ておる、或いは企業界のいろいろの問題で、いろいろの斡旋、調停というようなこともやつておられて、まあ話を聞いて、それは大蔵大臣としても身体が二つも三つもあつても足りんくらいな何をされておるようなんで……、併し問題は電気料金とか、或いは中小企業とか、国民大衆一般生活に深い関連を持つ問題でありますから、どうしても私は委員会の要望として来てもらわなければならんということで来てもらつたわけで、但し皆さんがいろいろ御質疑を持つておられるでありましようから、私はどういうふうにしたらいいかと、各党から代表に一人ずつやつて頂くようにしたらどうかということもお諮りしたのでありますが、理事並びにおられたいろいろの人意見が、それよりか今私が皆さんにお諮りしたようなことでやつたらどうかというようなむしろ皆さんの御意見であつたものですから、私はここでそれを代弁して申上げたので、その点は一つ藤田君も諒として頂きたいので、これは私の非民主的なやり方でないので、皆さん総意を代弁して申上げたわけでありますから……。
  6. 藤田進

    藤田進君 理事会総意としてさような大蔵大臣態度を了承したということは、私は了承することはできません。なぜならば、憲法上、法律上優先順位はきめられてあるけれども大臣出席を求められた以上出なければならん。出た以上説明しなければならん。それは優先順位はあるでしよう。併し、外国から調査団が来ておるとか、いろいろ言われておるけれども、そんなことはわかつておる。国会に対してはもう少し親切に出席して、時間を相当とられるべきである、こういう点を申上げておるので、これは大蔵大臣だけじやありません。通産大臣についても、今日の吉田内閣政治機構というものが、大臣をさておいてその事務当局に聞いたつて意味がないのですよ。大きな政策の問題です。連関するだのせんだの……、そういうことですから、事務当局を呼んで我々はあえて聞いて見ても、およそそれは意味のないことになるのであつて、でありますから、是非とも委員長において重ねてもう少し時間を割いてもらうように要請してもらいたいと思います。
  7. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 藤田君に申上げますが、一時からは通産大臣がずつと午後おると、午前中に中小企業庁長官公益事貨局長からその後の政府のとつた施策経過について承わつておいて、それから大蔵大臣通産大臣と、こういうふうに質問を展開して行つたらどうかと、かようにふつておるのでありまして……。
  8. 藤田進

    藤田進君 結構です。両者一つ立会の上で伺いましよう。
  9. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をやめて。   (速記中止
  10. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。  それではこの前に引続きまして、中小企業の問題について、先般も中小企業庁長官から当面の中小企業対策を一応承わつたのでありまするが、これは本委員会として決議された事項に対しても、まだ極めてどうも抽象的な生ぬるい感じもいたしておりまして、次の委員会までに更に検討をしていろいろな施策を発表願いたいと、こういう注文をしておいたのでありますが、その後政府として如何なる施策を考究されたか。先ず中小企業庁長官よりその後の経過につきまして説明を願いたいと思います。
  11. 記内角一

    説明員記内角一君) この前の当委員会におきまして、先般御決議になりました中小企業対策に対する政府としてのいろいろな施策について御説明申上げた次第でございます。その後におきまして決定を見ましたことについて御報告申上げますが、例の最近の事情としまして、売掛金、或いは手形等が相当不安定な状況になつて参つております。そこで、そういう不安定な売掛金に対して、一応所得が挙つたものとして移金が課せられておりますので、これを何とか設置したいというふうに考えまして、国税庁のほう、大蔵省の主税局のほうといろいろ折衝いたしておりましたが、大体次のような方向でこの問題が決定いたしまして、近く正式に発表されることに相成つた次第でございます。  その第一は、売掛金が一年以上滞つておりまする分につきましては、その利益に相当する分は一応米決算勘定として処理する。即ちその分については取りあえず課税しない。正式に一年以上滞つてつた売掛金が支払われた場合に初めて利益が挙つたものとして課税するということにいたす次第でございます。勿論その間におきまして新らしい債権を、売掛金払つて、古い売掛金をそのままにしておくというふうなことの虞れもありますので、そういう場合はすべて古いものから順次支払われたものとして計算するというふうに相成る次第であります。  次に手形、或いは売掛金等があります場合に、例えば手形不渡なつたというふうな場合の措置は、従来正式に債権打切りになるということがはつきりいたしましてからでなければ損失とはみなしていなかつたのであります。それではそういう損失とも思われぬ事態が発生したあと相当長期亘つて、正式に債権打切りになるというまでには相当期間を要するわけです。その間税金が課せられておるというのでは不穏当であります。それを救済する意味におきまして、銀行から不渡処分を受けた場合、それから破産手続開始決定があつた場合、会社更生法若しくは商法の規定による会社更生手続決定になりました場合及び廃業若しくは休業いたしましてから六カ月以上たちまして当分再開の見込のない場合、更に和議の開始決定が行われました場合、この場合につきましては最終的に、例えば破産になりました場合にどれだけが回収されるか、どれだけが打切りになるかというふうな決定する以前におきましてその売掛金若しくは手形等債権の五〇%を損失として取扱う。残り五〇%だけが一応の売上金としてその中から更に利益金、その中の利益金に相当する分についてのみ課税されるというふうな手続決定いたしました。これによりまして先ほど申上げましたように破産開始なつた、或いは最近よく行われておりまする不渡手形が出た、そうなりますと、その債権回収がいつになるかわからない。又どれだけの分が回収できるかわからないというふうな非常に不安定な状態になるわけでございます。その間に税金がかかることは非常な負担になりますので、そういうようなことのないようにいたした次第でございます。まあそれ以上後の問題につきましては、例えば政府余裕金の預託の問題につきまして、御承知通り六、七月の分につきましてはニカ月間延長する、回収を延長するということになつておりますが、八月分につきましても目下その延期を折衝いたしておるわけでございます。これも近く解決を見るというふうに考えておる次第でございます。  以上簡単でございますが、その後決定いたしました分につきましてご報告申上げる次第であります。
  12. 海野三朗

    海野三朗君 中小企業金融公庫貸付決定業種でありますが、これを見るというと、金属機械工業とか、そういう方面には貸出しておるのは少くて、医者とか、歯科医業とか、或いは旅館業とか理髪業とか、そういう方面にばかり出ておる。甚だこれは本来の趣旨に副わないのではないかと私は思うのです。これはどうしてこういう結果になるかと申しますと、中小企業金融公庫から金を出す、出す場合に窓口に一任する、窓口というのは皆銀行だ、銀行は金貸しだ、いわば高利貸しだ、ひどく言えば。その高利買に金を任せて、そうして調べさせるというところにこの欠陥があるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、こういうものに、やはり医者のほうも中小企業と見られないことはないでありましよう、条文にありますから。併しそれが主たるものではなくして、主に中小工業であろうと私は思うのです。こういう点についてはどういうふうにお考えになつておりますか、御所見を承わりたいと思います。
  13. 記内角一

    説明員記内角一君) 中小公庫の問題が主として製造業販売業等長期設備資金並びに運転資金貸付けるということを本来の狙いといたしまして、その余裕を以ちまして例えば医者でありますとか、旅館業というふうなものに貸付けて参るというふうにいたして、我々としてはそういう趣旨の下に運用して参りたいというふうに考えておる次第でございます。又公庫自身におきましてもそういう指導方針の下に事務運営をいたしておる次第でございます。ただ従来医師、或いは旅館業等につきまして、しばしば御指摘になつて、我々としてもこの扱いについて目下いろいろ検討いたしておるわけであります。ただ何分にもこの両業種につきましては従来どこでも余り面倒を見ておらなかつた。初めてこの公庫に取上げられました結果、この方面の今まで見捨てられておつただけに、要が相当殺到をして来ておるのじやないかというふうにも窺われる次第であります。なお医師等につきましてもその内容について、例えば結核患者或いは精神病患者というふうな、最近非常に著しく増加して参つておりまする特殊な病気に対する治療設備、例えばベツドの増設というふうな面に主眼を置くようにということに指導いたしておりまして、まあ特に不要不急と思われる面にいわゆる贅沢な意味合いにおきましてこれを実施することのないようにというふうに厳重に通達もいたしておる次第でございます。旅館業等につきましてもしばしば御指摘を受けておりますが、公庫指導方針といたしましても観光ホテル国際観光ホテルとしまして外人宿泊用ホテル、これを第一次優先にいたしまして、この分につきましては若干の増設増築等も認めておりまするし、又それに或るべくそれの指定を受けるべくいろいろな衛生施設でありますとか、ベッドの改良でありますとかいうふうな改良設備につきましてはこれを認めておるわけであります。一般旅館業等につきましてはいわゆる国鉄指定いたしておりまする国鉄指定旅館の中で特に衛生施設或いは電話施設というふうなものだけに限定いたしまして、設備改善資金を供給するということに限定いたしておりまして、一般的に観光国鉄指定旅館部屋数を殖やす、宴会場を殖やすというふうなことのないように厳重に注意して調べさしておる次第であります。又そういう趣旨におきまして各関係金融機関にも通牒を出し、実際の融資に当つてもそういう趣旨において取調べたりいたしておる次第であります。ただ現在までのところ、最初に申上げたように、こういう業種が初めて出て参りました関係かと思われるのでありますが、件数といたしまして比較的目につくような数字になつておるのを遺憾に思う次第であります。今後とも我々といたしましてはこういう方面につきましては、できる限り抑制するような方向で進んで参りたいというふうに考えておる次第であります。
  14. 海野三朗

    海野三朗君 只今の御説明つておると私は納得行かないのであります。中小企業金融公庫というものを創設いたしましたその趣意を逸脱しておるように私は考えられる。この表だけで見まするならば、間違いなく金が入つて来るところ、そういうところに重点を置いておるのである。今日パーマが全盛であるからして、理髪業というような、こういうようなところにも金を出しておる。つまり金利が入りさえすればいいというところの趣旨でやつておるとしか思われないのです。この結果から見まして、これは中小企業金融公庫というものの本来の使命を逸脱しておるのではないか、その逸脱するのはどうしてであるかというと、中小企業金融公庫あり方がいけないのじやないか、今日までのやり方が聞違つておるからじやないかと私は思うのです。その点についての御所見を私は伺つておるわけであります。例えばこの物品販売業もここにあります。相当な金高になつております。そうしてこの上のほうには工業となつておりますが、この中には金属、機械工業というものに対してはどれだけ金が行つておるか、これはここに引つくるめて書いてあるのでありますが、そういう中小企業を救うのが目的であるのに、こういう問題がずれておるところに、私は金が行つているように思うのです。今日いずれの方面でも金は必要であるということは勿論でありますけれども、この中小企業金融公庫の本来の使命を逸脱しておるのではないか、この結果から見ますと、私はそういうふうに考えられる。如何よう長官はこれを見ておられますか。このあり方で差支えないと思つていらつしやるのかどうか。
  15. 記内角一

    説明員記内角一君) 決してこの結果について私どもも満足をいたしておりませんで、今申上げたような方針の下に逐次改善して参りたいというふうに考えておるのであります。例えば医師業等についても内容を調べて見ますというと、やはり相当それぞれの言い分もあるようでございまして、これを全面的に拒否するのも如何というふうに考えておる次第であります。
  16. 海野三朗

    海野三朗君 それでこれを是正するにはどういうふうにしたらいいとお考えになつていらつしやいますか。ただ窓口に金を割当てるという仕事だけであるならば何もそう大してむずかしい問題じやない。私は中小企業金融公庫あり方というものがもう少し改められなければなならないのじやないか、こういうように思うのです。つまりその仕事に対しましてこれをよく取捨選択をしてこれを窓口に調べさせるというふうに持つて来なければいけないのじやないか、窓口を通過して来たものだけを中小企業金融公庫で査定をするというあり方が逆であるんじやないかというように私は思うのです。あり方が如何でありますか。
  17. 記内角一

    説明員記内角一君) 或いは御指摘の点が私の解釈の違いかとも思いますが、只今の御質問はもつと積極的に、ただ受けて出るばかりでなくて、こういうところに貸したほうがいい、こういうふうに貸したらどうだというふうな運用の仕方をしらどうかという御意見のように承わたのでございますが、私どももそれは勿論当然いたすべきだというふうに考えておる次第でございます。ただその際におきまして、ここに現われました結果は或いは受けて立つようにお受取りになるかも知れませんが、この貸出につきましては、中小企業庁自身も勿論でありますが、各地方にありまする府県庁或いは市、会議所或いは組合という各方面からそれぞれ金融機関斡旋と申しますか、こういうものに貸してやつて欲しい、これを措置して欲しいという問題を具体的に持込みまして、各取引銀行との間に、或いは新規の取引先である金融機関との間に直接の結び付きを持ちまして、必要な方面に必要な資金融資されるようにいろいろ手を打つて参つておるわけでございます。ただこれを単に中小企業庁、或いは府県庁自身が推薦したものは当然貸出しをするようにというふうな一種強制と申しますか、或いは逆に公庫自身はそういう面にじきに取引をいたすべきかという問題につきましては、いろいろそれに伴う利益も半面の弊害も考慮いたされまするので、その点につきましては目下慎重に検討いたしておる次第でございますが、一部におきましては、御承知通りいわゆる乙号方式融資の問題もございますので、これを活用いたしまして、差当りの問題は或る程度の強制力を持つて融資してもらおうということも考えて実際問題としては扱つている次第でございます。
  18. 海野三朗

    海野三朗君 このあり方については中小企業庁長官の将来に対する御構想を承わりたい。このままでよろしい、これをどうやつて行こう、こういうあり方ではいけないから本当に中小企業を救うために融資しなければならないという考えからすればこの結果は私は正しくないと思います。それで企業庁長官としての御抱負といいますか御構想を承わりたい。どうして行けばいいのか。今長官の言われましたように、これを強制的に何も貸付けろと私は要求いたしておるのではありません。中小企業金融公庫の本来の使命からして、これこれこれこれこれこれは先ず審査する必要がある、こういうふうにお考えなつたならば、これは窓口の者に一応返して、よく調査させてそうしてこれを認可なさるようにしなければならないのじやないか。それをただ窓口から通過して来たものだけを見ていなさるからこういうことになるのであつて、つまり窓口に余り信頼し過ぎておる。中小企業庁としてはもう少しここに力を入れて、骨身を入れてお考えにならなければならないのじやないかと、こういうふうに思いまするので、私は長官にはこのことに対しての一つ構想を承わりたいと思うのであります。
  19. 記内角一

    説明員記内角一君) 勿論、御指摘のようにどの種の業種或いはどの地方、どの県においてどういうふうな方法でやらなければならないかということは、これはそれぞれの業種或いは地方におきましていろいろな異なつた様相を示しているわけであります。これにつきましては、我々自身が各地方と緊密な連絡をとりまして或る種の方針決定して、それを逐次この公庫運営方向に反映させて参りたいというふうに考えております。ただこれを、何と申しますか、こうきめた以上は必ずこれに従わなければならんというふうな一種強制力にまで持つて参りますかどうかにつきましては、その利害得失をよく愼重に検討いたさなければならんと思いますが、併し少くともこの公庫のラインを通じまして今言つたような行政指導方針を別に立てまして、その両方が結び付くような方向運用して参りたいというふうに考えておる次第でございまして、従いまして換言いたしますれば、公庫運用としてやつておきながら我々自身がどういう地方のどういう業種についてはもつとどういう方向指導して行かなきやならんか、又動かして行くべきだというふうな肚がまえをはつきりと持ちまして、これと公庫当事者或いは関係金融機関とが一緒になつてそういう方向に進めて参るというふうなことを、公庫の構成、建前自身よりも行政指導の問題といたしまして取扱つて参りたいというふうに考えておる次第であります。
  20. 海野三朗

    海野三朗君 どうもそこが、中小企業金融公庫というものが地方窓口だけに金を割当てるというふうな、そういうふうな机上の仕事ばかりやつていなさるから駄目だと僕は言うのです。そういうことでなしに、もう少し中小企業現状を直視して、そうしてこれは救うてやらなければならん、これはこうだということを頭に入れて、そうしてその間の取捨選択をしてこれを窓口に調べさせるようにしなければならないのじやないか。ただ金の割当だけであるならば、いずくんぞ中小企業庁に立派な役人を置く必要ありません。それは丁稚小僧でもできるのだ。私はそれを言うのです。本当に中小企業現状あり方を直視して、これにマツチして行かなければならない。国家の金を融通する上においては……。ただ漠然と公庫のお役人たちが机に座つて金を割当てるだけならば、いずくんぞそんな人たちを置いておく必要ないのだ。私はその点を言うのです。今日のこの貸付状況を見ますと、私は本来の使命から逸脱しておると思うのであります。この物品販売業にしても、歯科医業にしても、このほか国民金融公庫とかいろいろなものもあるのであります。中小企業金融公庫の生れた本来の使命を忘れておるのではないか。これを私ははつきりと御答弁を承わりたいのです。
  21. 記内角一

    説明員記内角一君) 私どもといたしまして、勿論公庫が単に金融機関資金を割当てるだけの仕事をすべきものとも考えておりませんし、又今日におきましてもしておるとも思つておりません。従つて、私どもといたしましては、今申上げましたように、各種の業種、業態に応じましてそれぞれの進め方、行き方、扱い方というものが違つて参りますので、それを公庫だけに要求するのも無理でございますし、又我々だけで、中小企業庁自身でやることも困難でございます。従いまして、中止企業庁と地元の各府県、又それと関連を持つて参りまする地元の金融機関公庫とが四つ一緒になりまして、そういうふうな運営方針というものを逐次決定いたしまして、決定した分につきましては、或いは今まで融資しておつた、内定しておりまする融資枠というふうなことでなしに、更にそれを増加いたしましても、この分に融資させる。融資してもらうというふうな手を打つて参りたいというふうに考えておる次第であります。従いまして、私ども今まで公庫自身も或いは出発早々でございまして、まだそこまで手が伸びておらなかつたかと思います。又我々の努力も至らなかつたという面もあろうかと思うのであります、今後の行き方といたしましては私ども自身がそういう方面に積極的に乗り出しまして、それの方針決定いたしますれば関係金融機関、又関係の府県と一体になりまして、この公庫資金がその方面に必要な限度におきまして緊急に流れるように指導して、参りたいというふうに考えている次第であります。
  22. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は先般の委員会におきまして、この中小企業金融公庫の問題につきまして大臣にも伺つたことがありますのでありますが、たまたま今海野議員からも御発言がありましたのでそれに関連いたしまして一つ質問を申上げたいと思うのであります。  大臣にも申上げたのですが、実際の地方窓口で金を借りたいという中小企業者が窓口に参りまして書類を出しましても、その銀行なり或いは信用金庫なり或いは相互銀行なりが自分のところにはこういう枠がないのである、枠がないから駄目だということがもう殆んど大部分であります。その次にはあなたの業種が非常にこの金を借りるには悪い業種である、あなたの今やつておる仕事が非常に金を貸すに工合の悪い業種であるということと、それから実績がそれに伴わないというようないろいろのことを並べて断わることが大体のもう定石のようになつておりまして、始んどこの中小企業の実態等を確めてくれる誠意が認められておらんじやないか。その点につきましては商工中金の各県に一カ所の店がございますが、これは非常にその点については実態についての相談相手になつてくれておる。そのためにたとえ貸す貸さんはとにかくとしても、いわゆる商工中金の支所は非常に一般中小企業のいわゆる味方として歓迎をされておる。ところが、中小企業金融公庫におきましては出先のいわゆる銀行なり何なりがそういうふうに殆んど窓口を閉めておるに等しいような状態におるのでありまするが、丁度幸いに公庫から理事のかたもお見えになつておるというときでありますので、この間表を頂きまして、その表によりますと申請が来たものに対してはもう大部分貸付けておる、私はちよつと持つて来ておりませんから数字は申上げられませんが、大部分申請されたものは貸付けておる、こういうふうな数字が出ておりますが、実際の窓口はそんなものじやないのであります。そういう点について本当にお調べになつているかどうか。それから更に極端な例を私は申上げまするならば、例えでございますが、銀行が、自分のところが貸しておつたが非常に回収が困難になつて来ておる。回収が困難になつて来ておるが、このことを幸いといたしまして、中小企業金融公庫から金を貸すからそのうちのどれだけをうちのほうの借金に入れろというような極端な例も私は承知しておる。そういう点について中小企業金融公庫の末端に対する指揮監督が徹底しておるかどうか。この点を一つ理事のかたから伺つておきたいと思います。
  23. 塙金太

    参考人(塙金太君) それじや今の問題について御説明を申上げます。申請された件数が大部分貸出になつているという表がお手許に行つているということでありますが、この申請と言いますのは、代理店が貸出を決定いたしましてそれを公庫のほうへ申請して来たもの、これを指しているのであります。窓口に業者が参りましてそれで断わられたというものは申請の中には入つていないのです。この統計は、実は代理店が四百余り、窓口といたしましては二千数百なりますが、窓口でどの程度人が来てどの程度断わられたかということにつきましては現在のところ統計がないのです。これはいずれいつかの時期をかりまして調べたいと思つております。それから枠のお話がございましたが……、今のもう一つ申上げますが、回収の手段としている銀行があるというお話でありますが、これは中にはないとも申上げられません、あるかもわかりませんが、それで我々といたしましては勿論そういうことはしてはならないという一般的な指示は出しております。と同時に、監査部を設置いたしまして、現在三班ございますが、三班の監査員が各代理店並びに債務者を訪ねまして資金がどういう工合に使われているかということを調査しております。そうして不当に使われている場合にはこれを取上げております。場合によりましては代理店の枠を減らしております。それからこれは先ほど海野先生のほうのお話にありましたが代理店操作をどうやつておるかという点に関連するわけでありますが、比較的重要でない仕事、こういうものに対してのみ貸出をするというような代理店につきましては枠を漸次減らしております。場合によりましては全然枠を与えないで一件ごとにこちらへ協議をしてもらつておるというような実情でございます。そして同時に又非常にいい企業に対する貸出を積極的に行なつている代理店に対しては枠を逐次殖やしております。そういうようにしまして今後代理店がどうなりますかわかりませんが、公庫の思うように、公庫趣旨に副つて仕事をしてくれる代理店を中心にして仕事をして行く。こういうようなやり方をとりたいと思つております。枠の問題は従いましていい代理店に対しては枠はどんどん殖やしております。そういうことでございますから業者が相談に窓口へ参られて枠がないということで断わられるケースというものはだんだんなくなつて来る。業態が悪いとか内容が悪いという場合は別でございますが、そうでない限りにおいては枠が十分に行くように極力配慮しております。
  24. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 実は私は通産大臣にも強く申上げておいたことでありますが、率直に申上げますと、中小企業金融公庫ができましたけれども、このような状態が長く続く場合に決して中小企業者のよきこれは金融機関じやないと私は結論付けなければならん時期が来ると思うのであります。その理由は今のような代理店貸をしておることで私は非常な欠陥が生じておるのだと思う。非常に大きな欠陥が生じておる。私は若し例を挙げてよければいずれかの機会にたくさん例を持つて来て申上げますが、今日代理店制度でこの中小企業金融公庫がするならば恐らく中小企業者のよき私は相談相手じやないというふうになるのだろうと思うのですが、商工中金のように各県に一個所というような支所なり或いは何なりを設けまして直接の貸しをするというような方式を私はとることを私として研究しておる。同時に商工中金が今日相当業者から信頼を受けておることもこれはやはり経費は勿論かかることでありましようけれども、一県に一個所ずつの支所を持つておるが故に中小企業者のよき私は相談相手になつておる。かようなことを考えますときにおいてどうしてもこれは一県に一個所なり二個所なりの支所を持つて頂くような方式に一つ変えるような御研究を願いたいと私は考えておるのでありまするが、そういう点に対する中小企業金融公庫の御見解を一つつておきたいと思います。
  25. 塙金太

    参考人(塙金太君) 直接貸の問題でございますが、おつしやる通りそれができますれば非常にいいのでございますが、中小企業者の数はなんといつても非常に多い。これのよい相談役になりますためには公庫側としても相当の人数を擁しなければなりませんし、商工中金が現在二十名余り、国民金融公庫も一千名以上おる。短期間にこれだけの人数、又慣れた人を集めるということはまた不可能に近い。或る程度の時期を貸して頂くということが一つの条件であります。それからもう一つ公庫発足当時に非常に公庫を簡素な組織で小人数でやるという御要望があつたわけでありますが、その点との問題がございますので、あとは経費の問題と人の問題さえ解決できますればそういうこともできると思います。考えていないわけではないのでございます。
  26. 天田勝正

    ○天田勝正君 関連してちよつとお伺いしますが、先ほどの御答弁の中に代理店として余りいわゆるやり方のよろしくない代理店に対してはむしろ枠を与えないという方向をとるのだというお話があつたわけですが、そうなると悪い代理店があつた地方はその代理店が悪いが故に、今度は事業者は全く手を挙げざるを得ない、こういう結果に陥つて来ると思うのであります。それは甚だ不思議至極な話で、そういうことでなしに、とにかく県別なり或いは地方別なり一定の資金需要というものは、十分には行かないまでも、平均というものが当然出て来るはずだと私は思う。そういう点の調整はどうされておりますか。
  27. 塙金太

    参考人(塙金太君) 枠を与えないということは或る意味では無制限に枠を与えているという意味なのでありまして、取上げをさせないという意味ではないのであります。個々に取上げて来たものに対しまして一応こちらでそれを事前に取上げるか取上げないかをきめて行くわけであります。仕事窓口としてやらせているのであります。枠を与えるというとそれだけは自由になるという感じで先に出させてしまうのであります。先に出してあとから金を送るというこちらが受身になるわけであります。受付けてあとから相談してもらつて金を出すという形になります。業者のかたには極力御迷惑をかけないように考えているわけであります。
  28. 天田勝正

    ○天田勝正君 そうするとそういう業績が一旦悪いとなればそういうふうにすべて相談をさせてからものを決定するということになるが、別段悪いと認めるところがなければいわゆる枠を与えて、その枠の範囲では出先の代理店の自由であるということですか。
  29. 塙金太

    参考人(塙金太君) まあ自由と申しますか、一定の方針を指示してございますからその方針通りつてくれているところについては枠内で自由にやつてもらうわけであります。
  30. 天田勝正

    ○天田勝正君 そこだから先ほど来両氏がいろいろ質問されたところ(結局落ちて行くのです。こういうのはその出先の代理店が業績がいい悪いというのに、要するにあなた方のほうの方針によつてのいい悪いなんだけれども、片方は要するに資金需要者のほうから見ているのであつて資金需要者のほうから見ますと、第一に指摘したいのはその代理店に取引がなければ実際は問題にしない、先ず最初に相談の対象にもしてくれない、中小企業金融公庫の設立された趣旨というものはそうでない。その代理店というのは一定のあなた方のほうで指定した代理店なんですから、その代理店に取引があろうとなかろうとこの立法の精神ではそういうものではないにもかかわらず、自分のところへ長く取引したものでなければ相手にされない。そういうところへ帰つて来るのですが、それを御存じですか。
  31. 塙金太

    参考人(塙金太君) その点は確かにあると思います。従いまして一方において代理店を非常にたくさんこしらえて、まあ代理店の数が多過ぎるという御非難もあるのでございますが、たくさん作つているのは業者とすればどつかに取引銀行があるだろうということが一つ、そのために非常にたくさんこしらえているということ、それから一方において取引のない業者に対しても極力扱つてくれるようにという指示は絶えず出しているのでありまして、実際の統計を見ますと、初めてのお客さんをかなり扱つているところもございます。一概に取引先だけとも言い切れないものがあると思います。それから先ほど申上げましたたくさん代理店を置きましてどつかに取引銀行があるだろうということで問題を解決しようとしているわけであります。
  32. 天田勝正

    ○天田勝正君 私は関連質問ですから長い時間はとりませんが、問題は結局御両氏の指摘されたように結局この窓口の代理店なるものが金融公庫の立法の精神とは別に従来からの自分の取引或いはそれに関連する感情等がそれに加わつて立法の精神が活かしておられないというところに結局は帰着するので、その点は一つあらゆる機会に是正してもらいたい、これだけ希望しておきます。
  33. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちよと関連して……。
  34. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ちよ大臣が見えたからあとに……、それじや大蔵大臣お見えになりましたので、大蔵大臣に対するこれから質疑をお願いいたしたいと思いまするが、先刻お諮り申上げましたように、先ずじや私から、先般七月の十九、二十、二十一に開きました当委員会並びに昨日からの委員会皆様方が問題にされておりまする点を要約いたしまして先ず質問申上げ、それから時間の許す範囲内において皆様方から御質問を願いたいと思います。もうそれでやりましよう。
  35. 藤田進

    藤田進君 私は、各委員質問する立場にあるわけで、各委員質問をまとめて、委員長が代つてやるということはこれは今まで例のないことでありますから、それはやはり委員長がお尋ねになろうと思われることを委員長の責任においてお尋ねになることは結構です、取りまとめて頂く必要はございません。それで各委員もそれぞれの立場から質問を持つておりますから、大蔵大臣におかれては大変お忙しいところを御苦労を願つたわけですが、一つ今日はもう少し、伺うところによると何か四十分か五十分しか時間がない、併しめつたに開かないこの委員会で久しぶりに大蔵大臣のお顔も拝したような状態で、一つもう少し時間を頂きたい、そういうことで先に時間をきめて委員長がやつてしまつてあとはもう大臣つて行くのでは非常にこうわざわざ我々やつて来て非常に困りますので、これはお願いしたい。そのことが時間の余裕がつけばあらかじめお話合いになつた線でお行きになつてもいいですが、時間がなくて最後に駄目だということであれば非常に僭越ですが、私は従来大蔵大臣おいで願いたいと申上げていた線から劈頭に一つ僅かの時間でも許して頂きたい。いずれかそれは委員長にお任せしますが……。
  36. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 皆さんに申上げておきます。理財局の阪田君、特殊金融課長の加治木君、それから主税局税制第一課長の白石君が随行して見えております。場合によりまして時間が残ればこれらの三君のかたにはそのまま残つて頂いてもいいでしよう。じや大臣、私から……。
  37. 藤田進

    藤田進君 今の点は一応はつきりしなさいよ。
  38. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 私からお答えいたしますが、今IMFとかいろいろのものが来ておりまして或る程度以上は時間が許しませんのでこの点をあらかじめ御了承願わなければなりません。従いまして私はできるだけおりますが、大体如何に考えても一時間以上は無理だと存じます。従いまして大体それ以内でお願いいたしたいと思いますので、それで今の理財局長その他を同行して参りましたから私の責任で、答弁いたして結構でございます。さよう御了承願います。
  39. 藤田進

    藤田進君 一時間ちよつとくらい一つがんばつてもらいたい。
  40. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 先ず大蔵大臣に私から質しておきたいと思うのでありますが、この委員会で問題にして取上げておりますのは、中小企業の問題と、当面の電気料金引上げに関する問題この二つであります。この二点につきまして若干の項目に亘りお伺いしたい。  先ず中小企業の問題でありますが、この中小企業現状については今更私から説明するまでもなくいわゆるデフレ政策のしわ寄せによりまして惨怛たる状況になりつつあるのであります。極端な言葉でありますけれども、一触即発の状態であると言つても過言でないと思うのです。殊に先般当委員会の名代表が北海道或るは九州その他の地帯を視察して、中小炭鉱地帯におきましては御承知のように金券まで発行されておるような状態で非常な状況であります。そこで通産当局においてもいろいろ中小企業対策考えておられるようでありますが、結局煎じ詰めるといわゆる大蔵省といいますか政府の財政金融政策に落着する問題が多いのでありまして、それと関連して、一、二伺いたいのであります。一つは、中小企業の問類は一言にして、言えば金融、融資の問題と思うのであります。その対策の一つとして政府指定預金の引揚げということに対しだんだん考慮をされておるようであります。先ほどの企業庁長官説明を聞きますと六、七の二カ月は延長されて更に八月の延期についても折衝中という話でありますが、計画通りに行けば八月に引揚げられる資金は十六億、九月には更に又十六億の引揚げが予定されており、十一月までには全部引揚げるということになつておりますが、この中小企業現状に対して果してこういうやり方でいいかどうか、小刻みに一月、一月ということでなしにこの際政府は大幅に政府指定預金の引揚げを延期する考えを持つておるかどうか。更に場合によりましてはこの政府指定預金を増額してもらいたいという希望も各地に非常にあるようであります。これらの点について先ず大蔵大臣の御所見を伺いたい。
  41. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 指定預金の問題につきましては私どもも六、七月の両カ月に期限の到来する十六億数千万円ずつ、合計三十三億九千万円につきましてはそれぞれ四カ月ずつ延期する措置をとつたのであります。八月の分をどうするかということについても近く決定したいと思つておりますが、実はこれも御承知かと思いますが、指定預金は元の案では全部引揚げるということで実は予算を組んでありますような関係もございますけれども、その後いろ今委員長からお述べになつたような事情等も考慮いたさなければならんと考えておりますので、実情に即してやりたい。実情に即してというのはどういうことかということなんでありますが、それは更に言葉を換えて申しますと、大体七月の月は私どもが少くとも三百億くらいの引揚げであるだろうと見ておつたものが、現実の問題は輸入の減、或いは麦代金の支払等いろいろのことで、結局二十七、八億の引揚げだけにしか終らなかつたことは皆様御承知通りであります。本月八月も大体これはいろいろな見方がありますが、二百数十億の引揚げではないかと見ておりますが、併し今一方輸入その他の関係のいわゆる外為特別会計との関係もありましてさような額に逃しないかとも見られるのでありまして、これらの点をもう少し検討して見たいと思つておるのでございますが、御意向の次第もあつて決して中小企業現状に即しないことはいたさない考えでおりますので、更に言葉換えて言えば、大体延期する考え方で検討しておる、こういうふうに御了承願つて頂きたいと存じております。ただ、今申上げたように、先月のごとく三百億以上の引揚げを大体予想していたものが二十七、八億ぐらいで済む場合、こういうことが起つて参りますれば、いろいろ資金操作の関係もございますので、当然別の考えをいたさなければならんと考えております。なお大幅のということでありますが、これはやはり九月も同様な情勢に置かれておればやはり七月、八月、九月と同様な考えをいたさなければなりませんが、これも先ほど申した通り情勢如何によることでありまして、但し今の中小企業の金融逼迫の事柄はよく承知しております。その実情を知りつつこのいわゆる政府資金の吸上げ、又は撒布状況等を睨み合せて考えたい、かように考えております。それから新たに指定預金をするかどうかということでありますが、これは金融の点が丁度今委員長の言われたように、中小企業者の一番問題となつておる点は仰せのごとく金融の点が一つの問題で、あとは租税、税制の点だと思います。税制については先に皆様の御協賛で十九国会等で相当片付いておりますが、なお足らん分があるかと思つて検討いたしております。併し今指定預金の問題はもう少し大幅になるかどうかは手許の関係がございますのと、まだ只今のところではこれについてどうするかということを検討中でありまして、何分このことは決定いたしておりません。併し実情に即するところの近く何らかの措置をとることが必要だろうと考えております。
  42. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 時間の関係質問を次にどんどん進めて行きたいと思いますが、次はやはり金融の問題でありますが、この政府中小企業金融機関への出資の増額ということはできないか、そういうことを考えてもらえないかということであります。実はまあ今年度は一応貸出し得る資金が二百億ということにはなつておりまするが、月平均にしますると十七億円余であります。現在の中小企業界の現状からいたしましたならば、とてもこんなことで賄い切れるものではないということは、これはもう申上げるまでもなく、よくおわかりのことと思います。で、現に地方の声を聞きまするというと、一体公庫は金を貸出しておるのかどうかという、また表を見てもらいますると大体貸出しておるということはわかるのでありますが、地方の声を聞きまするというと、まあそんな状態でありまして、国民金融公庫のほうの様子を見ましても、まあ昨年よりずつと増加しておりまするけれども、零細業者の数が非常に殖えて来ておる、多いという点から考えましたならば、若干殖えても、比率から言いましたならば、むしろ減つておると言つても過言でないかと思うのでありまして、これら中小企業金融機関に対しまして政府の出資を近い将来に増額する意思があるかないか、又そういうことを検討しておるかどうかということについて所見を伺います。
  43. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 中小企業の金融につきましては、昨年から新たに従来ありました商工中金及び更に零細な人を目標とする国民金融公庫のほか新たに多少長期に亘る資金の供給を目標としまして中小企業金融公庫が出発したのでありまして、この三つを今それぞれの機関としてやつておりますが、これは委員長、各委員の皆様も御承知のごとくに、実は金額で一番多いのは普通銀行なんです。特に地方銀行が多いのであります。中小企業金融に対しましては地方銀行の貸出額のうち、恐らく三割二、三分というものは中小企業に対する貸出であろうと存じます。直接の御返事はちよつとあとになりますが、それから都会の銀行でありますと、これが二割ちよつと足らずぐらいになつておりますが、金額としては相当の額に上つて、恐らく現在では一兆円からに上つておるのではないかと思います。それでこれを円滑にすることが一番中小企業金融を円滑にする途だと考えまして、これは皆さんがたの御意見の次第もありまして、先月から実は政令を変えまして、中小企業に対する貸付金については滞り貸準備金を、千分の五だけつまり滞り貸準備金を積立ててよろしい。それから無税の金を置いてよろしい、更に言葉を換えて言えば保険的作用をしてよろしい、こういう意味で出しましたので、各これらの銀行中小企業に対する貸出は大口、大企業に対する貸出と比べまして、資金の千分の五だけを滞り貸準備金として無税で準備し得ることになつております。従いましてこの点は相当今後大きく働いて来るのじやないかと思いますので、ちよつとこの機会に申上げさせて頂くわけです。  それで次に委員長お尋ねの中小企業金融機関につきましては、先にちよつとこれは国会の修正で増額いたした次第もございまするが、只今のところ予算措置を伴わないと出資を増加するわけに参らんことは御承知通りでありまして、これは今後まあ、只今のところはさような考えを持つておりませんが、今後について検討し、これは毎年増加いたしておるのであります。これは来年度に至つて増加することは申すまでもございませんが、更にそれより先やるかどうかということになると、これは特別な予算措置を要する等の事情で、出資のことについては、これははつきり御答弁いたしかねます。それならば資金運用部のほうから少しそのほうに金を廻したらどうかというお尋ねとも拝察いたしますが、若しそれでございますれば、実は郵便貯金のほうは若干殖えている傾向にございますが、なかなか全体の資金運用部の金は困難なところで、これはさつきちよつと申した、つまり資金関係にも触れるのですが、地方のほうから交付税の関係で、早く百五十億ほど金を出してくれということを交渉を受けておりまして、大体地方の実情等から見ますると、相当なことをいたさなければならんと思つております。先ほど申した百五十億になりますか、百億になりますか、百二十億になりますわかりませんが、これは検討中でありますが、これが出ることになりますと、先に申しました資金の吸上げがそれだけ減ずることになりますし、それから又同時にそういつたことに対する資金運用部の金もそれだけ窮屈を来たすということになるのでありまして、そういう点から、この点はまだ只今のところは検討さして頂く、こういうことにいたしたいと存じております。
  44. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) これは一つ十分検討願いまして、適当に善処され、対策の実を挙げるよう、特に強く、当委員会としても、皆さんの要望があろうと思います。  それから次は、中小企業がこういう状態、或いは炭鉱地帯の状態から考えまして、失業問題というものが非常な、殊に深刻化して行くのじやないかと思うのであります。昨日も労働当局から来てもらいまして、いろいろ質したのであります。失業者の増大に伴つて、失業保険のあの会計も、果してあれでやつて行けるのかどうか、或いは本当の失業者になつている人の公共事業への使用という問題もありますが、公共事業、殊に当面せる失業対策としての公共事業費等が、果してこういう金額でやり得るのかどうか。又炭鉱地帯におきましては、鉱害復旧事業として、鉱害復旧事業の繰上げ施行によつて失業対策を大きく取上げて考えようとしておるようでありますが、これもいずれ大蔵当局によつて折衝、まあ、お話があることと思いまするが、こういう問題に対して、大蔵大臣どうお考えになつておりますか。炭鉱の問題に触れましたので一言触れておきたいと思います。中小炭鉱のあの現状に鑑みまして、本日はその委員のかたはお見えになつておりませんけれども、当座の、当面の問題として、救済資金として五、六億の金を融資するという考えを持つていないかということを、この前の委員会で強く質されたのであります。次の委員会で答えてもらうということになつておりまするので、これらの問題に対しまして大蔵大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  45. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 今の失業問題につきましては、私どもも、この只今行なつておる政策の下に失業者が出て来るということは誠に遺憾でありますので、これに対してはできるだけの措置を講じたいと考えております。それでまあ御承知のごとく二十九年度予算は両年度に比べて五%余計見てありますが、或いは実情これを以ては定らんようなことが起らんとも限りません。さような場合には当該省ともよく打合せの上、適当な措置を講じたいと考えております。昨日の閣議で、公共事業費の使い方とか、いろいろのもので失業者を余計吸収し得るようなことについての閣議決定を見たのでありますが、これはいずれ恐らく労働省のほうから御説明があることと存じます。これはまあ今のところ直ちに金をどうこうする問題でございませんので、その運用如何によつて失業をもつと余計就業させるというような意味での決議でございます。それで鉱害復旧費の繰上げ支給その他につきましては、実はまだ私は具体案を聞いておりません。  それから更に中小炭鉱現状はいろいろ聞いておりますが、この救済資金についても、当該省のほうからのまだ……、いろいろ事務的には折衝頂いておるかもわかりませんが、私どもがまだいわゆる閣議に付して政治的な話をするという段階まで至つておりません。従いまして、この問題は、相当北九州地方において深刻な問題であることも私伺つておりますしいたしまするので、よく当該所管者とも打合せた上で善処いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  46. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 中小企業に関しましてはもう一つ税制の大きな問題があるのでありまするが、これは今まで係官当局で大略はわかつておりまするから、それからその他不渡手形の問題であるとか、最近昨日まで銀行の割引が行われておつたものが突如として倒れるというような事態等もあるのでありまして、こういう問題についてもいろいろ伺いたいのでありまするが、他の委員質問もありまするので中小企業の問題はこの程度にいたしまして、次に電気料金の問題について一、二質して見たいと思います。電気料金の問題については、これはもう本年初頭申請がありました当時から当委員会としては非常なこれは問題にいたしまして低物価政策をとつておる政策に反するのじやないかということで非常な反対を当委員会としては続けて来たわけです。ところがその後はこのすでに物価も下る傾向が見えており、更に又それに関連いたしまして先ほどから申上げておるように中小企業一般産業界が非常な窮境になつておる、このときに当つて電気料金を上げるというのは一体どういうのかという非常な問題になつておるわけであります。ところが又一方電気事業を監督されておりまする通産当局の立場からのいわゆる今後の電源開発の促進の上から、或いは電力会社が自分の資金を造成して行く上から見れば果して今のままの経理状況でいいかという問題についても又考えて見なければならん点もあるのでありまして、非常にこれはむずかしい問題だと思うのでありますが、政府でもいろいろ苦慮されまして方策を立てられたことは我々も承知しておるのでありますが、ただここで大蔵大臣に一、二質しておきたいと思うのでありますが、この問題を解決するにつきましては、電気事業は今一番大きなコストはやはり金利であります。ところがこの問題は当局の御努力によりまして開銀融資が七分五厘が約一分下げられて六分五厘になつたのであります。併思一方造船融資等を考えて見ますというと、特別な措置がとられて三分五厘というようなことになつております。電気の開発というようなことについてはこれは国策中の国策、産業界の基本問題である、その問題に対して造船に対しては三分五厘というようなことが講じられておるのに電力、電源開発に対していま少し積極的なこの金融対策がとれないものかどうかということについて先ずこの一点を最初にお伺いいたします。
  47. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 電力料金の問題につきましては多分通産当局から御説明があつたことと存じます。大体におきまして来年三月までは現状のまま据置くと、四月からの問題を今冬料金で行くかということについてはできるだけこれを下げたいということに過日決定を見たことは御承知通りであります。そこで下げて行くについては今委員長からお話がありましたように、実は電波開発等を積極的にやつたところほど昨今のいろいろ費用が嵩むものですから資本費の増大を来たして、従つてそれがため一番苦しんでおるということは御承知通りなんであります。従いましてこれらの点について考えなければいかんと思つておるのでございますが、まあ私どもとしては実は過日の七分五厘を六分五厘に引下げたというのがまあ特別の措置をとつたつもりでございましたけれども、更に料金等の問題がありまするので、これと税の問題と必ず関連しておりまするが、若干下げ得る余地はあるのじやないか、或いはそれについて検討して見ようということで目下開銀当局のお考えもありましようが、これは船と違つて補償というようなものを出したときにいろいろ問題はありはしないかということで、いろいろ今こういう点を検討しているのであります。何で船と違うかとおつしやるかも知れませんが、実は国際的な金利が船のほうは、イギリスのほうは三分五厘についておる。実は金利の点だけについての説明ということであるからああいう措置をとつたのでありますが、併し電源開発の場合も日本の利息は相当これは六分五厘の場合も決して安いとは申せませんが、資金コストの点、いろいろの点から見ますと、この間の御承知のようにあれは火力発電に入れました金が結局五分ちよつと強についておるかと思います。従つてどの辺までこれを下げ得るかという問題について目下検討しておりまするが、若干金利についても考えなければいかんと思つております。なお税の問題でありますと、主としては地方税になつておる。いわゆる固定資産税の関係でありますが、これも又地方のほうの収入その他の関係等と併せて考慮しなければなりませんしいたしまするので、そういつた問題についても今申上げておる通り来年三月末日までは何も措置が特別に要らない状況なんです。来年の四月から料金が今よりも若干上るか、或いはつまり冬料金でそのまま据置くかどうかという問題があるのでありますから、この問題はできるだけ検討したいというのでそれぞれ打合せをしておるような次第であります。
  48. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 只今大臣が言われましたように電源開発を一番やつたその地帯が電力料金が一番高くなつておるという矛盾を来たしておる。その他いろいろ電気料金政策について矛盾があります。利息の問題についていろいろお話がありましたが、これはもう少し大臣から、この問題についてだけぐらいでも積極的というか、もう少し具体的な御答弁を願いたい。  それからこれは勿論税制の問題に関連する問題でありまして、次に税制について伺おうと思いましたが、先に御答弁がありましたので何でありますが、一つ法人税なり、或いは地方税の点でいろいろ配慮されたようでありますが、地方税は余り下げ放しでは地方財政にすぐしわ寄せするという問題も起きて来る。だから地方税を考慮するにはそれに即応したいわゆる交付税を殖やすとか、いろいろのことを考えて見なければならん。来年の三月一ぱいは現状のままだとおつしやいますけれども、そのときにこれは騒いだのではどうにもならない。丁度今頃からお互いに真剣になつて検討して頂いて初めて来年四月からの準備ができると思う。近くこれらの問題に関連して電気事業法等も次の国会には当然出るのじやないかと思う。それから又電気事業全体についてここで値上げに対していろいろの対策をして、それ大体どのくらい、そういう形で行けるかどうかということもこれは考えなければならん。電気事業の本質的の検討もしなければならんと思います。一番手つ取早いのは開銀の利息の問題と税制の問題、殊に利息の問題については造船等と比べて余りにも逕庭がありますので、どうしてもこれは或る程度考慮しなければならんと思います。大蔵大臣からこの点もう一度御答弁を願います。
  49. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 委員長のおつしやる点はよくわかります。今申上げた点で私の言葉は足りなかつたと思いますが、税の問題とか何とかということはいずれ国会にお出ししなければなりません。従いまして臨時国会か通常国会にお出しして皆さんの御協賛を願うということを申し忘れました。ただ三月まで待つという意味ではありません、それまでに国会の御協賛を願えばそれで間に合うからいという考え方でございます。この点、誤解のないようにお願いしたいと存じます。  なお只今金利の問題でございますが。実はこれも開発銀行のほうからの納付金といいますか、あれも一つの予算になつてつて、これも若干金利を下げることは予算の歳入面にもちよつと違つて来るというような問題もございます。金利を下げただけ、言い換えれば電源会社が恩恵を受けただけ国庫のほうから見れば開発銀行の収入が減る、その通り金額は同じものではありませんが、というような問題もございますので、併せてこの問題を検討いたしたい。但し金利は少し下げたいと考えております。
  50. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 質疑の通告がありますので、通告順によりまして許したいと思います。藤田君。
  51. 藤田進

    藤田進君 他の委員質問もあろうと思いますから簡単に質問します。今日日本の経済危機がいろいろ心配せられ、それが具体的に中小企業なり又その他の面に深刻な影響を及ぼしているというふうに私は考えているわけですが、この経済危機は一般の国際的な環境からも無論これを否定することはできません。朝鮮の武力統一も遂にアメリカもこれを了解しなかつたと伝えられておりますし、仏印の状態も大体収まつたようでございますし、そういたしますと、日本の特需等のいわゆる国際経済環境というものが相当変つて来る、これに対して国内のいわゆる経済政策が必ずしもどうも用意周到のうちに施策せられなかつたという批判が出ております。一般に二十九年度が金融の引締、デフレ政策こういうことでありますが、その要因は政府施策にやはりあるし、又この打開もよつて政府施策に待たなければならんということに相成つているように思うわけですが、ところが近来政府施策について与党の内部、或いは閣僚の中から表現はデフレ政策の手直し、或いは政策の転換というような形で伝えられ、最も公にせられているのは御承知の新党に関連して所々に演説会が持たれております中に、自由党の有力な財政家でありまする前大蔵大臣の石橋湛山代議士等の説は真向からどうも今の政府施策と衝突しているような言説に思うのです。そこで今日末梢的な金利とか、その他物価大系とかいろいろ問題にされておりますが、遡ればやはり政府施策は大体ここで当初大蔵大臣が財政政策の施政方針などで言われた、この一貫したところのものを今後持ち続けられるのか、或いは若干の手直しというか、政策の転換というか、この際そういつた面の検討をせられるような段階になつているのかどうか。最近の物価指数を見ますると、卸売物価についても続騰でございます。それからそのほか消費経済についてもすでに六月、七月、更に八月になりましたが、当初の予想はすでに物価が下つていなければならない、消費経済はもつとずつと緊縮、引き縮みの状態にならなければならないと、言われていたものが、相当予想と実績が食い違つているというようなことで、個々の具体的な政策については時間がございませんから申上げませんが、要するにこういう事態に当面いたして時の相当大蔵省大臣とせられては、従来の既定方針を曲げないでこのまま突つこんでお行きになるのか、或いは手直しの形で若干の再検討をせられる時期になつているのか、これが今経済界においては非常な感心を持つている事柄だと思うのです。公式なこの席上で率直な御意見を承わりたいと思います。
  52. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもは今まで政府がとり来たつた政策でよいと考えております。又これを貫くべしと考えております。従いましていわゆる手直しとか、転換と言われる誤解を与えるような言葉の下に、さようなことは考えておりません。従つて先に手直しという言葉が一部伝わつたために相当誤解があつたが、その後手直しという言葉が直されたことは御承知通りであります。ただどもとしてはそういう政策を何がために行なつているかということは、これは繰返して申上げるまでもございませんけれども、要するに国際収支の均衡を図るということが主眼になつておるのでありますから、それを図り得る時期をできるだけ早く持つて参りたい、これが念願であつて、その手段を行うために、その手段の中にいろいろ副作用が起つたり、摩擦が起るならばできるだけ副作用をなくし、摩擦を少くすることは私どもが努めてやらなければならんことだと考えておる。従いまして私どもがそういう副作用を除去し得るような方法について、或いは摩擦を防ぐような方法についてお考えが出ましたときにはこれは手直しという言葉ではない、それはもともとそういうことを避けたいのでありまするから、これを直して行くのが当然でありまするけれども、政策そのものを或いは手直しするとか、転換するとかいう考えは毛頭持つておりません。又今のお話のいろいろ批評されれば、いろいろの批評もございましよう、又個々のいろいろの人の意見もございましようけれども、私どもは多数のかたは我々がやつておる政策を支持せられておると考えておるし、又私どもはこれ以上これを極力貫いてくれという強い国民的要望も受けておる次第でありまして、これをいわゆる転換とか、いわゆる手直しとかいうことは考えておりません。ただ繰返し申上げますけれども、副作用とか、摩擦はできるだけこれを少くしたい。そういう措置についてはこれは今後ともこれを十分その措置を講ずるにやぶさかならん考えでおります。
  53. 藤田進

    藤田進君 わかりましたが、その当初の方針を貫かれるということなんですが、併し仮に電気料金の問題に関連しても、更に中小企業融資その他の救済、摩擦面の救済と今おつしやる面からいたしましても、当初のこの国会においても宜明せられた一兆円以内の国家予算、その他投融資について何らかのやはり変更を見なければこれは進まないのじやないだろうか。でありまするから方針としては変えないとおつしやつてもその摩擦面の救済の面から自然或いは補正を組み、その他の措置をなされるということでいわば基本方針を守りながらこれが崩れて行くという実態に転換するのではないだろうか、このように専門家は言つているわけですが、それらの点について摩擦面を救済するという面があつても且つ当初の一兆円予算というものはこれを補正しないし、更に財政投融資の面についても基本方針を守れるということであるならば、やはり実質的にもその方針は政策としてお守りになるということを意味いたしまするかどうか、重ねて……。
  54. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) お尋ねの点ですが、私どもは例えば今お話になつ中小企業に対する摩擦の面というものは、要するに金融面と税制面であろうと思います。従いましてこれは予算その他の措置を伴うものでも、税制面は勿論国会の御承認を得なければならぬので、とるといたしましても、この次の国会以後の問題になつて、来年度の問題になります。更に又今の資金関係、いわゆる融資関係だけについては先ほど申した通りに、すでに行なつているものは決してインフレその他の問題になるような問題ではないことは御承知通りです。私が申上げたすでに行なつたものについていわばいわゆる指定預金の期限到来の時期を延長する、更に又貸出その他につきましては、便宜を与える意味合で特に特例を設けて中小企業者に対して有利にしたこと等でありまして、これは今仰せになるようにその線を何ら離れているものじやございません。ただ少くともそういう点の摩擦を少くしようと言うにとどまるのであります。中小企業についてはそうであるし、更に失業の問題について申しますと、先ほど申した通り今後の情勢如何によつては予算措置をとらなければならぬことが起るかもわかりません。起るかもわかりませんが、申上げている通りに、二十九年度は一十八年度よりも五分、五%増加しているので、その五%の増加がどの程度に吸収し得るかは問題であります。従つて今後それが不足するような場合には、これは若干補正予算を必要とするかと存じますが、いわゆる一兆円予算を崩すものでないことは、これはあなたもお考えになればすぐわかることと思うのであります。歳入の多少の減の関係とか、或いは時期が遅れた歳出の増加を見る分とかいろいろなもの等から、又いろいろな点を先般考慮いたしましてこの実行予算を留保している分等もございますので、その点から見ましても、私どもは仮に国会で補正予算を必要といたしまする場合も、歳出面では必要といたしましようけれども、全体の一兆円予算を何ら崩すものではない、こう思うのであります。勿論その基本の線を崩すようなことをやつたのでは今までの苦労は水泡に帰しますので、さようなことは断じていたさない考えております。ただいわゆる、できるだけ摩擦を少くしよう、副作用を取除く、こういうことにとどまる次第でありまして、某本線に何ら触れるものではない。私はこれは御了承願いたいと存じます。
  55. 藤田進

    藤田進君 そういたしますと、自然ここに強い政治力、単なる行政指導では到底及ばない状態になつて来るのではないだろうか、これが今日重油の規制について若干見られる現象ですが、そういたしますと、当初のいわゆるデフレ政策を堅持せられて、これが予算その他の実施をおやりになるということになりますと、いろいろな摩擦が出つつある状態を、これをなくなすといたしましても、ここに従来のいわゆる自由主義経済といいますか、或る人に言わせれば自由放任という字句を加えて自由放任経済政策と言つておりますが、その面を或る程度計画的にというか、統制的なものにここで切換えて行かなければその施策が滲透しないのではないだろうか。若し当初の通りこれを堅持せられるとすれば、そういう政策面の、実施面の手段の方法論が変つて来るのじやないだろうかと思うわけですが、若干の統制的な傾向でおやりになるのかどうか、いやそれも従来の通りとおつしやるのか、この際お伺いいたします。
  56. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 統制的という言葉が、ちよつと私どもはいろいろな意味に使われるので、はつきりとどういう意味でと申上げかねるのでございますが、私に率直な言い方をさして頂くならば、例えば金融業者には今日自主的の規制で、例えばビルデイングに出しちやいかん、歓楽施設に出しちやいかん、いろいろなことを言つております。これは五月六日付でも私どもは通牒をいたしますし、更に各銀行地方々々に地方金融懇談会を作つて自主的にやつておりますけれども、一方で自主的にやつておりながら、どうしてどんどんビルデイングが建つたり、こういう歓楽街が賑やかになるのだということを言われることもありまして、今調査いたしておりますが、私はこれは国会でも前に申した通りに、自主的にやつてそれが効果が出て来ないといたしますならば、或る場合に法的措置をとるのも止むを得んであろうと、こういうことは前国会でも私は申したのでありますが、今後とも自主的にやつて頂きたいと思つております。その結果に期待いたしておりますけれども、併しそれのみに期待し得ない情勢に置かれれば、そういう方法を講ずるのも止むを得ん、こういうように考えております。従いまして藤田さんのおつしやる意味が計画的にものをやらなくちやならんじやないかというお話でありますれば、これは私どもは実は今度やるにつきましては、大体国際収支の目標を二十九年度で一億の赤字にとどめる、二十八年度三億一千三百万ドルの赤字を一価の赤字にとめる、三十年度にはこれを若干でも黒字にする、少しでも赤字がないようにする。従つて日本のような国か縮小的な傾向をとつたのは、こんな狭い国でたくさんの人間を養えませんから、三十一年度からは国際的均衡の線に持つて参るということを私は申しておるのでありまして、従つてその点で二十九年度中に物価の五分乃至一割の引下げを考えておるのであります。その五分乃充一割の引下げと申しますのは、言い換えまずと輸出品価格の下ることが特に期待されておるのでありまするが、個々の物件について申しますと、繊維品などが相当下つておることは申上げるまでもありません。もう十分国際競争力を持つていて、これより下ることはございません。そういうものもございますけれども、又なかなか国際競争力を持たんものもございますので、そういう方向に持つて行きたい、かように考えておるのでございます。そういう計画についてでございますれば、勿論私ども一つの計画を立ててやつておるので、それじやおよそどの辺まで持つて行こうということをやつておりますし、又藤田さん御承知のどれをどれだけ輸入するかという、いわゆる外貨予算を通じての問題でございますと、これも或る程度の統制と申しますか、割当がございますけれども、いたしておりますことは御承知通り、そういうこともございますので、私は全然野放図にやつておるという世間の批判に対しては、何ら野放図にやつていないということを申上げ得ると思うのであります。
  57. 藤田進

    藤田進君 時間がございませんのであと二点だけ重ねて一緒にお尋ねねいたします。只今の点は昨年の三月末が一億の黒字であつたものが、貿易の収支が今年は三億二十万の赤字になつたというのだから、これは約四億悪化しておることはお認めになると思います。差引四億悪化しております。これが依然として……、それが計画でなかつたものが実績として現われて来たという過去の大蔵大臣の下におけるそういつたやり方については非常に危つかしいという心配があわけでするが、併し大変な御自信のほどですが、いずれは立法によつて統制経済といつたようなことをほのめかしておられるようなことで、この点は改めて具体的にお伺いいたしたいと思います。そこで今のデフレ政策なるもののつつかえ棒というか、諸般の事情から外資の導入、端的に申上げて外資の導入ということに非常に努力というか、血道を上げておられるようですが、かと言つて、なかなかうまく進展しないようにも聞いております。軍用道路にいたしましても、愛知用水にいたしましても、開発の資金にいたしましても、曾つてはインパクト・ローンの形においてというようなことで議論せられていたが、やはりどうも日本の経済の打開にはならないのじやないかというような点を今心配いたしているのでありまして、外資導入の交渉過程にあるとは思いますが、できるだけ一つ深くこの点に対するお見通しなりを含めてお伺いいたしたいと思います点が第一と、それから第二の点は、電気料金について先ほどのお答えによりますと、先ず以て明年三月いわゆる二十九年度は従来のものを据置いて、新らしい年度、四月以降について諸般の手当をしようというふうなお答えだと思いますこれはいろいろ伝えられておりますので、午後通産大臣からも改めてお伺いすることになつておりますが、今言われる内容は電気事業全体の収支については、これは本年度ば据置く、けれども需要家の手許から言いますと、上つたり上つたりということで来年三月を待たずに冬季、夏季の料金は一本化せられるということであるしいたしますと、十月からのところと十一月からのところと、要するに本年度内に十月乃十一月から事情が変つて来る、こういうふうに伝えられているわけですが、大蔵大臣のおつしやる意味は全体の収支バランスは据置くというふうな答弁なのか、或いは要するにすべてを今の現状に本年度は、来年三月までは維持するとおつしやつているのか、そこを明確にして頂きたい。若干通産、大蔵の間に食い違いがあるのじやないかと思われるような点もございますので、重ねて補足的にお伺いいたします。
  58. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) あとのほうから便宜上ちよつと申上げておきます。  電気料金の問題は、これは御承知のごとく今のところ通商産業大臣の権限に属しておりまして、これは通商産業大臣が公聴会その他を開いて自分できめ得る事柄です。併しながら問題が多少大きいから一応私どもへ経済閣僚として相談を受けたいということであります。これは一つ誤解のないようにお願いいたしておきます。電気料金を如何にするかということは、これは通商産業大臣だけでできる構成になつております。そこで細かいことは通商産業省のほうで御答弁があることと存じますが、私ども承知しておることは、今丁度お話になつた電気事業全体としての料金については、来年の三月末日まで変りがない、据置かれる、こういうふうに私は了承しております。従いまして個々の適用については、これはその基本線が崩れることは、私どもに示された閣議決定事項と違いまするから、さようなことがあるはずはないと思いますが、全体としての話として了承していることは、四月以降の問題はいわば各料金がそのまま行われるということになるのであります、継続するというと……。併しそれではなかなか何だからでき得るだけ特に会社のほうで企業努力をもう少しする、例えば会社のほうののいろいろな経費の切詰め、或いは能率化等についての問題もございましよう、それから政府側でも多少税金の問題その他も考えて、できるだけこの影響を少くして行きたい、こういうふうな考えで賛成しておる次第でございます。  それから今の外資導入の問題でございますが、これは御承知のごとく世界銀行から今来ておりまして、又私も明日か明後日ドール氏に会うことになつております。大体におきまして向うの目標とされておるものが最初一億ドルでありまして、そのうちの四十二十万ドル借りておるわけでありますが、俗に言う六十万ドル借りることになつておりまして、それについてどういうものをどう貸すかということは要するに債権者の側に立つ世界銀行の立場なのであります。従つてこれについていろいろ向うでもおよそこういうものを、例えば日本で申しますれば、食糧増産は是非必要である、或いは電源開発も必要だ、或いは又石炭、鉄鋼等についての改善といいまするか、これも必要であるというような点もいろいろ相談を受けておりますので、これは私は相当実るものと考えております。結果を得るものと考えております。それからその次の今お話になつた軍用道路等の問題はこれは銀行の問題ではございませんので、むしろもう少しこれは別途の方面からの話になつて来るのではあるまいかと思つております。  それから一般的に外資導入について申しますると、これはできるだけ私どもも努力いたしておりまして、最近で申しますれば、東京電力が一千百万ドルか百五十万ドルでございますか、外資導入に成功いたしまして、これは火力発電をやることに相成つております。そのほかにも相当話の起つておる部分があります。これは純粋な民間の分でございます。それから更に、申しますると。FOAというものがいわゆる外資導入になるかどうか、これはFOAの関係ちよつと残された多少政治的な意味があると思いますから、これはちよつと申上げる域に達していないと思いますが。アメリカの輸出入銀行が最近少し活発に動くようなふうに組織が改められまして、或いは日本が今後各種の機械類等を購入する場合、純粋に民間の何ら政治的の意味を持たんものでありますれば、輸出入銀行で相当配慮してくれるのではあるまいか。更にそういうことを総括して申しますと外貨導入はこれからだんだん実際的になつて行くことに……私は収穫と言うとちよつと言葉が悪いのですが、今の交渉が実つて来る段階に入りつつあると存じております。但し外資導入についても、外資導入が直ちに日本の経済に作用して、それがインフレでも犯すことになつては相成りませんので、外資導入の多くは機械類その他でございますから、ほかに円資金が要りますることはこれは藤田さん御承知通りであります。これらに対しても十分配慮しなければなりませんので、そういつた今のような事柄についても私どもとしてはそれぞれ検討いたしておる次第であります。
  59. 海野三朗

    海野三朗君 私がお伺いいたしたいのは造船の三分五厘、それから電気のほうの六分五厘、又聞くところによると製鉄方面のが一割、どうして金利がそういうふうになつておるのでありますか、どうも納得が行かないのであります。その点と、今大蔵大臣は一兆円の予算であるといつて火の車の世帯を切廻しておられるのでありますが、重油の輸入関係につきまして一割の関税をかけるということが法律できまつておるのにもかかわらず、一年ごとに延期して、又二十九年度も大蔵委員のほうで関税を免除するということになつたのであります。これは大蔵大臣よく御承知でこういうことをやつておられるのかどうかということ。それから輸入原油が原油の規制をやつたために非常に窮屈になつておる見通しである、同時に価がぽんと上つてしまつて、輸入原油がタンカー・レートの引下げによつて安くなつているにもかかわらず、石油製品の値段は変化していない。こういうふうなことでは或る一部にインフレを廻しているのではないか。大体この関税を免除するというようなことは私は納得が行かないのでありますが、若し一年々々免除するならば、どうせ関税に関する法律をなくしてしまつたらいいのじやないか、こういうふうに考えるのでありますが、その点は如何ような御見解を打つておられますか。
  60. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 製鉄、電気、造船、それは皆いろいろ金利は違うのでありますが、これは実はこれらのほうに対してはいろいろな協議会がございまして、それぞれ相談をいたしまして、そのとき重要と認めるものについての措置をとるのでございます。大体におきまして資金から言いますると、長期資金海野さん御承知のように一割一分くらいが普通なんです。それを一割で採算をとつて行くというようなこと、或いは今の電気はこの前のときに、電気料金の引上げを頼んで来たのを、引上げは困るからというので、それでは金利のほうで埋合せをしようかというところから、七分五厘を六分五厘にした。造船の問題は世界的に競争しておるというよう関係もございますので、これは特別法もございますから、その結果三分五厘になつておるのでありまして、金利は肥料に対してはどう、何に対してはどうということでいろいろ分れております。分れておりますが、これは一応金利そのものについて特に政府のほうで設置しないものにつきましては開発銀行が自主的にやる、これはこの前の復興金触金庫等の例から少し懲りまして、自主的運営ということを認めまするので、そんな工合になつております。但し今国策の関係、でこれはどうしてもこうしてもらわなければならんというものは開発銀行と相談の上やることになつております。  それから今の輸入関税の点でございまするが、これは海野さん御承知のごとく極く品目が限られておりまして、これは主として大蔵省が、実際これは何も責任を回避する意味で申すのではありませんが、どういうものを許すということは大蔵省で直接の関係はございませんが、通産省その他でこういうものは今是非日本のために入れたい、それには関税がかかつて来ては困る、ちよつと一例を挙げますと、今度の火力発電に対する機械を早く入れる、そのものについて大体七割くらいは無税になるかど思う、三割くらいは国内でもできるものを入れる等の関係もありまして税があるものもありますが、そういうものはそうやつて負担を課さんほうがいいのじやないかというので御交渉を受けて、これは御尤もだというのでそういつたものについてやつておる。この間も或るところであやまつたのですが、日本が今必要としておるものを入れる。そのときに或る人がサンプル輸入だという答弁をした、イギリスへ向井君が行かれて、日本はそんな輸入をしておるからすぐ摸倣してもらつて因るのだということを言われて、非常に誤解を招く虞れがあるのでありますが、日本でできないものについて、日本の実情がこれはどうしても入れなければならんというものについては無税の措置をとつておる次第でありまして、これは全般的に何ら無税の措置をとつておるのではない、これは中には十割以上も課税しておるものもあることは海野さん御承知通りだと思います。石油の問題はお叱りを受けて、これは私どもも実はそう思いますが、前にできるだけ重油を奨励しておつた時分のことを考えますと、石炭の昨今の状況等からこういつた措置を通産当局においてとられるの止むを得んことになつたのだろうと思いますが、これらの詳細についてはよく一つ通産当局からもお聞きを願いたいと思つております。
  61. 海野三朗

    海野三朗君 もう一つ只今国際的の関係とおつしやるけれども、然らば石油などはやはり国際価格に関係しておる、造船ばかりじやない、それが去年一年間一割かければ六十九億幾らの金が入る、重油を扱つておる者は実にぼろい儲けをしておる、市価がぐんぐん上つてつて、輸入のほうは却つて安くなつておるのです。それでありますからこういうところに大きな見逃しが私はあると思うのです。でこれはよく考えて頂かなければならないと思うのです。
  62. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 承知いたしました。
  63. 天田勝正

    ○天田勝正君 私は時間がなさそうですからたつた一問でやめますが、先ほど来出ております電気料金の問題で、これは通産大臣が専管であることはこの委員会でも誤解しておりません。ところが従来電気料金値上げの問題が議論になりますと、大方通産当局が先ず反対の意思表示をし、反対をしながら結局は値上げを認める、こういう形である。ところが今度は初めから通産当局は値上げを認めてかかる、こういうことで世間ではこれじやとても処置はない。たまたま閣議で大蔵大臣が反対された、こういうことで、何といつたつて財政政策を施行しておる大蔵大臣ですからその点は相当代々も安心したわけです。私ども説明するまでもなく、御存じでしようが、電力会社は自分の資本金の八倍も借入金になつておるし、その半分以上がとにかく国の資金、そういうことをお考えになつてあなたは反対されたものだと私は考えるわけですが、実は閣議の資料等も、河野委員がやがて質問されるでしようが、河野委員が要求されておつても実はまだ出て来ない。それで私どもは、取りあえずは来年の三月まではこれでよろしいのだといつても、結局冬季料金がそのまま継続するという形ですから、事実問題とすればもう値上げを認めたと何ら変りがないのですね。そこでさつきから外資導入の問題についても藤田委員から御質問がございましたが、そういうような外資導入等について、大蔵大臣としては値上げせなくても十分見込がある、こういうお考えなんでございましようか。というのは、どうしたものが値上りになれば、あなたが先ほど来おつしやる基本方針は絶対曲げないのだ、こうおつしやつても、それは何というても官業或いは公益事業等の値上げというものは経済的に大きな響きをもたらしますと同時に、心理的に今度は非常な影響があるわけです。だからこうしたものは今の政府の基本方針からすれば絶対に動かすべからざるものだ。あなたのさつきおつしやる三十一年の拡大均衡の時期までは動かしてはならない、ほかのものは若干動いてもこのものは動かしてはならん。それにはそれだけの理由なり確信がおありになるだろうと思うのですが、その点一つお示しを願えれば結構です。
  64. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 実は私は最も電気料金の値上げを欲しない一人でございます。併しこれはまだ来年の三月までのことを……、大体四月以降の問題につきましては冬料金そのまま行つたらどうかということについて、大体そのまま行くような考え方に一応見られますけれども、できるだけこれを引下げることに努力する。これは電力会社の努力もあるし、政府側の努力もあるということで、その問題は先へ若干残しておるということに私の頭としては考えておる次第なのであります。それで今お話の点もございますが、実は公共事業令によりますと、原価主義ということがちやんと書いてありまして、その法規そのものからいうと原価をどうしても下げざるを得ない、こういう主張に対してはこれは法の手前もありまして、私ども甚だ言葉は悪いのです。が正面切つて反対もできん立場に置かれていることは御了承願いたいと思います。のみならず多少外資、導入等にも……、これはお話の点もございますが、日本の電気料金はアメリカあたりに比べれば安いのでございます。恐らく世界的に見ればよほど安いところに行つておると思います。そんなことで仮に会社の収支の面が出て来ない、そうういことになりますと、借りるのは会社が借りるのでございますから、向うのほうではそれは外資導入に躊躇するということは無論あると思われます。そういう点もございまして、今後なお一つできるだけ私どもが処置し得るの措置はいろいろ講じたいと考えております。
  65. 河野謙三

    ○河野謙三君  時間がないのですが、あと十分ほど勘弁して頂きたい。  一つ伺いたいのは、先ほど藤田委員からいろいろ根本的な財政方針に対して御質問がありましたが、それに対して根本方針は変えない、これは結局財政規模はこのままで行くのだ、デフレ政策はこのままで行くのだ、こういうことだと思うのです。それは私はいいと思いますが、ただその根本方針を貫くためにその中において絶対に今の外貨予算は規模を変えないということだと思うのですが、そういうことですか、どうですか、若しそうだとすれば先ほどもちよつと話に出ましたが、重油の問題であるとか、砂糖の問題であるとか、こういう問題に対して今の行政指導でこれは行けるわけがない、やつて見ていけなかつたら直すということを昨日も通産政務次官が言いましたが、やつて見ていけなかつたら直すとしうことは、これは砂糖なり重油の関係業者に稼がせる時を与えるだけだ、こんなことははつきりしているのです。だから我々が僻目で見れば、それらの業者のために、これはどうせ行政指導ではいかんだろうけれどもあと半年なり一年稼がしてくれ、こういうことでやつておるのだと思う、外貨の予算に弾力性があるならこれは別ですが、そういうものに弾力性を持たないのだということで、圧縮することはあつても殖やすことはない、砂糎も八十万トン、重油も五百幾ら、これ以上殖やさないと、こう言つておるのです。そうだとするならば行政上の指導で行けるわけがない。これに対してなぜもつと早く行政指導を今以上に、必ずしも私は昔の統制とは言いませんが、行政指導に代るもつと極力なものをなぜ政府はおやりにならぬか、これをおやりになる意思がないのかどうかということを先ず伺いたいのと、それから電力の問題では閣議でどういう御説明があつて、今御答弁のような結果になつたのですか。私はおかしいと思うのです。今度の電力値上げの問題も去年の今頃磁力会社から値上げの申請があつて、今年は我慢しろ、来年は何とかしてやるからということで、これが糸を引いておるわけなんです。来年の三月なり四月にどうとかしようというふうにそのときの情勢によつて判断すればいいのであつて、今から何で来年の心配をする必要があるか。去年やつた失敗を今年も繰返して又手形をとられているどうしてそういう結果になつたか。これは資料はいずれ午後通産省から出るでしようからいろいろ、専門的に愛知通産大臣の御答弁を頂きますが、電力の問題についてどうも私はわからない。同時に、原価主義と言いますけれども、原価主義ならば各九電力会社別の原価主義であるはずです、九電力会社総括しての原価主義じやない。これを九電力会社総括しての一本で上げるとか下げるとかいう扱いをするのはどういうわけか。これは、大蔵大臣はその話は通産大臣にしてくれ、おれでは迷惑だと行われるかも知れませんけれども、我々は電力の値上げについて正直のところ大蔵省を最も頼りにしておる。通産、大蔵、経審の会議においても、大蔵省がいろいろ奮闘された経過を私は聞いております。でありますからこの大蔵事務当局のいろいろな資料等も大臣はよく説明を聞いておるはずです。場合によると大臣が直接事務当局指導しておるかも知れません。そういう点で、この際私たちは通産委員だからつて何も通産省の出先機関じやないのですから、(笑声)むしろ大蔵大臣は電力の値上問題については我々の味方になつて率直に一つ意見の御開陳を願いたい。
  66. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 今お尋ねの外貨予算の関係についてはお話の通りでございまして、少くともこの昭和二十九年度の外貨予算というものはこれをもうどうこう変える余地は全然ございません。むしろ或いは例えば特需等が今予想されておるような工合に、当初七億一千万ドルと見たものが仮に六億にでもなるといたしますれば、もう少し輸入の面で圧縮しなければならんかとさえ考えております次第で、現在のところお話の弾力性を以てこれを少し伸ばすという余力は全然ございません。ただこれについて、なぜそれではそれに伴うだけのいわば統制的な措置をとらなかつたかというお叱りだろうと思うのですが、この点につきましては実はこれは御意見と違う点でありますが、私どもは私の心持を率直に申上げれば、何らその間資本家に稼がすというような意味を私は毛頭持つておりません。そういう考えは毛頭持つておりません。ただどもとすると、あの戦時中に行われたような切符制度を復活する、そういうことをやることは国民の多数のかたに御迷惑であろう、こう思つておりますので、すべて行政指導でやつておりますけれども行政指導のみで足らんようなことが起つて参りますれば、先ほど金融について私のほうの所管ですから申上げたのですが、私どもがたびたびそういう行政指導をし、今各所に協議会、懇談会を作らしてやつておるのにこれは別に法的のことを考えなければならない、この問題についてもこれは通産省の問題でありますけれども、同様なことをお互いに協議しなければならんと考えております。  それから今の電力の問題でございます。これは私どもはお聞き及びのごとくに当初新聞に発表されたのでは一割四分何厘かの値上げのものが出て参りまして、私どもはそういうことで数字的にもどこから出たのか、私はしやべつたこともないし、大蔵当局は言わないというのに大蔵省はこういうことを言つておるという批評が出たことがありますが、いろいろやりまして、とにかくこの三月までは据置くというところに了解されたことは御承知通りであります。併しお話の通りに四月以降の問題になりますと冬料金が行われれば現実の問題として上つて来るのではないかという問題になつて参りますので、これについては一方会社当局者にでき得るだけ一ついろいろな企業努力をしてもらいたい、こういうふうに考えておりまするし、政府側でもまあ今のところは税制の面と金利の面についてもう少し考えたい。こう思つておりますが、ただ御参考のために申上げますと、金利の面について考えましても例えば六分五厘が五分五厘になりましても非常に大きな数字ではありません。大音な数字ではありませんが、やはり電力に対する国家の重点的な考えからさような措置も考えなければいかんと思つて、こういうことについては各省とも打合せは考えておりますから、どうかさよう御了解願いたいと思います。
  67. 中川以良

    ○中川以良君 時間もないようですから極めて簡単に御質問申上げたいと思いますが、石炭に対する問題につきましては先般九州地方を私は視察をして参つたんでありますが、先ほど来お話があつたことく全く惨恒たる状態でございまして、殊に中小炭鉱はまさに崩壊の危機に直面しているという状態であります。この石炭鉱業の今日の危機を打開する方策、これが合理化の政策等につきしまてはいろいろな問題がございます。先ず経営者並びに労働者諸君が自発的に大いに奮発してもらわなければならんことはこれは何といつても先決問題でありますが、この対策の中に税制の問題、先ほど大臣もお触れになつたのでありますが、これに対していろいろ今日配慮をめぐらしておられることはこれはもう誠に当を得た話だと思うのでありますが、その中で鉱業設備の補助引当金即ち追加投資の損金処理、これにつきましては逐次その範囲を拡大されまして、大蔵省と通産省の間にお話合いが進んでおるのであります。ところが一方徴税の窓口における国税庁、国税局等におきましてはまだこれらは徹底していない、区々まちまちということが現地におきましてて痛感されたのであります。これらは是非一つ徹底して頂きたい。これらの経過はどうなつておるか、これに関連いたしまして鉱害の賠償引当金、これも同様に損金処理については当局が認めておるのでありますが、東京におきましてはこれは実施されておつても九州においてはこれが実施されていない、こういうふうに矛盾するわけであります。これらは大蔵大臣とされまして是非一つ早く各下部機関に徹底をさして頂きまして、これらの措置が本当に石炭合理化に役立つようにして頂きたいということをお願いをいたしたいと思います。
  68. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 中川さんにお答え申上げますが、実は追加投資の問題はまだ検討中でございまして、大体そういうふうな工合にやつてもらいたいと思つて検討しておる次等でございますので、従つて徴税当局には多少徹底を欠くような点があるのではないかと思います。これは十分一つ早く処理いたしたいと思つております、鉱害の賠償引当金のことにつきましては率直に申しまして私は存じてれりません。どういうふうになつておりますか、甚だ申訳ありませんが実は私きおくにございませんので、どうなつておるか……。
  69. 中川以良

    ○中川以良君 それから失業対策に関しまして特別鉱害、或いは一般鉱害の、事業の繰上げでございますが、これは非常にこの際是非やつて頂きたいと思うのごありますが、これが特別鉱害は十四億七十二百万円中地方公共団体及び鉱業権者の負担分が五億五千万円でございまして、一般鉱害の総額は三億二千五百万円、このうち地方公共団体及び鉱業権者の負担分は二億五十八百万円でございます。これらは到底今日の地方財政の逼迫しておる状況、又各業者の資金状況から見ましてもこの負担に堪え切れないと思います。これらに対して御融資をなさるということが真剣にお考えを頂いておるかどうか、これがなければ先般失業対策連絡協議会におきまして決定したことも実行できないということになるので、あります。これらについては是非一つ何とか融資の方途をお考えを頂きたいと存じますが、これは如何ございましようか。
  70. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 小川さん、まだ組かいことを事務当局のほうもよく聞いておらんそうであります。従いましてこれを事務当局として至急に伺いまして、そうして措置するものならできるだけ早く措置をするように努力いたしたいと思います。
  71. 中川以良

    ○中川以良君 もう一点、電気料金のことにつきまして先ほど来税制に対する折置を国会に次に出して明確にするという御意図があるようにお話があつしたのでありますが、これは誠に是非そうなさらなければならんと思いまするが、先国会の当委員会におきましても殊に地方税法の改正につきましてそれの更に修正を当委員会では決議をいたしまして、地方行政委員会に申出たのであります。固定資産税に対しましてこれをいわゆる確定税率といたしまして、そうして超過税率の適用はこれを排除しようということを考えたことと、それから更に電気ガス税に対しましてもこれは半双をすべきであるというようなことを我々は論じたのであります。然るにもかかわらず地方行政委員会におきましてはこれも細かいいわゆる電気料金に還元することにつきましては十分の研究がされておりません。従つてこれらの提案は遂に否決をされたのでありますが、今後新らしいいわゆる税制改正の法律をお出しになります際におきましても是非この国税、地方税、交付税、これらに関連する予算との関係も明確にしてこれは御検討を願いたいと思うのであります。これがなければ電気料金の一部の面だけを取上げて論じましてもこれは総括的に見ましているいろいろな面にやはり支障を来たすことになるのであります。殊に税制の問題で以て是非電気料金の値上げを抑制するということは今日最も強く叫ばれておりますので、その点は十分これらの関連性を考えられまして一つ一貫した御構想を明らかにして頂きたいと思うのであります。
  72. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 承知いたしました。
  73. 河野謙三

    ○河野謙三君 一言だけ誤解がありますから……、先ほどの重油とか砂糖の話は、その他輸入物資は全部そうですが、これは行政指導では駄目なんだ、だから何とかしないといかん、こういうことをしていると資本家に稼がせるだけだという質問をしたのです。あなたがそういうことを作為でやつておるということを言うのじやないのですよ。
  74. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) それはわかつております。
  75. 河野謙三

    ○河野謙三君 それを私は半年前から言つておるのにやらんために、その過去の半年のうちに実績において砂糖業者はどうなつたのですか、石油業者はどうなつたのです。この実績を見て言つておるのです。あなたがそういう作為ではないけれども、結果的には今の政府の政策によつてこれらの業者が、今後も過去の半年と同じように砂糖業者、重油業者がやるだけでなしに、そういうことは非常に社会悪じやないか、政治の悪じやないかと、私はこれを言つておるのですよ。そこで何で私はこういうことを言うかというと、半年前に砂糖の話が起つたときに、半年か四カ月前か知らんけれども、その当時愛知通産大臣は就任間もなかつたけれども、愛知通産大臣は砂糖はこのままではいかんから何とか家庭の消費する分だけでも規制をしなければいかんというようなことを強く主張されたことを私は知つておるのです。ところがそのときに大蔵大臣だか池田さんだか知らんけれども、その方面からこのままでいいのだ、そんなことをやつちやいかんということを育つて愛知通産大臣を抑えたという話を聞いておる。そこでそれは池田さんだか大蔵大臣だか知りません。知りませんが、そこで私は特にこれを用いておるどうするか……。
  76. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 御趣旨はよくわかります。一言申上げておきます。大蔵大臣ではございません。はつきり申上げておきます。
  77. 河野謙三

    ○河野謙三君 行政指導でこれからずつと今のままやるのですか、又経過を見るのですか、これからもう少し様子を見ようというのですか。
  78. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 私は今の御趣意はよく伝えておきます。又午後通産大臣が来ればよくお聞き下さい。
  79. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 大蔵当局まだ残つておりますから若し御質問があれば……。私理財局長に一言。今の大蔵大臣のお話で、造船は国際的の競争もあるかられ世界金利状況で三分五厘とかいうことを言われたのでありますが、国際競争ということから言えば、電気料金が若し仮に値上りになればいろいろな産業に影響して、肥料その他にも当然影響して来るのじやないかと思う。国際競争力のものにということであれば、電気が、やはり私は一番基本的なものじやないかと思うのです。電気の金利について造船はあれだけに下げたが電気はそれほどでないというこの気持がどうも我々にはわからないのですが、若し御答弁が願えれば……。私は聞き違えておるのかも知れないけれども
  80. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 開銀の金利は、先ほどからいろいろ御質問ありましたように、一割のもの、六分五厘のもの、三分五厘のもの、これはいろいろのものがあるわけであります。やはりこれは開銀のほうの資金のコストといいますか、まあ納付金等もいたしておりますが、そういうような関係も考慮いたしまして、一方借りるほうの資金の性質というようなものも考えましていろいろ檢討したわけであります。まあ結局電力等はいろいろ産業のコストに占める金利の割合が非常に多い、而も電気料金等がああいうふうなことできめられておりますので、そのほうの関係から金利というものは料金と直接的な関係にある、まあそういうような関係で特別に一般の一割という金利に対して六分五厘、これはまあ開発銀行の普通の採算の金利としてはバランスのとれる最低のところまで現状としては下げておるというような形になつております。造船関係につきましては、先ほどから大臣のおつしやつた点もございますが、要するに海運関係が非常なああいう状態になつておりまして、収支の採算が特別に悪いというような状態になつております。まあそういうような現在の状態というようなものも考慮に入れておる次第であります。
  81. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) どうも理財局長の今のお話だけじや、我々は恐らくはかの委員もよくわかられないと思うのですがね。併し造船業界がああいう状態であるからということであれば、電力界も電源開発ということはあらゆる産業の基本命題でやつて行かにやならん、電源開発をやればどうしても電気料金が高くならにやならん、電気料金が上ればそれが全部はね返つていろいろな産業、輸出物資も響いて来るということになるのだから、むしろ造船に対する金利を下げるということよりも、国としてはああいう基本の電気産業等に対してこをもう少し考えじやどうも割切れないのですが、造船だけなぜあんなに低くされて電気のほうをそれほど考慮に入れていないかということがどうも私にはわからないのです、
  82. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 電気料金関係について電力会社に対する金利が全般に非常に影響を持つということ、これはまあおつしやる通りでございまして、そのような関係がありまして電力会社に対する金利というものはまあいわば普通の場合においては開銀が貸す場合でも最低の金利というようなふうなところをきめたようなわけでありまして、現在の開銀の状態から言いますと、大体一割というような普通並みの金利を取つておるような貸出を回収いたしまして電力等のまあ基幹産業といいますか、というようなものに貸出をしておるというような資金繰りの関係もありますので、そういうような六分五厘というような低い金利の貸出が多くなつて来る関係になつております。やはりそういうような見通し等も考えまして大体本年度の資金計画等から見まして六分五厘程度が引下げ得る最低のところじやないかというようなことできめましたのです。
  83. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) もう一点。大蔵大臣は先ほど電気事業の金利については引下げるように考えるということを言われたのでありますが、これは何ですか、大蔵当局のほうでもそういう考え方の下に今検討というか作業をされておるのですか。
  84. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは大臣からもお話がございまして、どういう程度どういうふうに引下げる余地があるか、これは明年四月からのその他の電力会社のいろいろな収支の状況その他の見通し等もこれは勿論考えなければならん、それでまあどの程度引下げるというようなことによつて措置して参る必要があるか、又どの程度引下げる余地があるかというようなことを検討いたしたいというふうに考えておるわけであります。先ほど大臣からもお話ありましたように、本年度といたしましては六分五厘の金利ということで開銀行資金計画も、できておりますので、これを動かして参りますると資金計画に狂いが出て参ります。そのような関係もありますので、来年度予算、まあそれに関連する開銀その他の融資計画、そういうものと関連いたしましてこれは検討することになつております。
  85. 天田勝正

    ○天田勝正君 こういうことなんです。造船は国際金利と余り差があるというところからああいう処置をとつたのだけれども、国際金利と差があるのはあらゆる業態が皆そうなんです。日本は。若しそういう理屈なら、誰にもかれにも利子補給をやらなければならん。これが平等の原則ということになる。併し国策上どうしてもこれが必要だからという観点で私はやられたと、こう思つておる。そこでそれならば委員長が言うように、電気事業はすべての基礎なんだから、一切の、仮に造船の場合は、貿易外収入を得るために最も近道だ、造船それ自体も輸出はできるし、船舶収入という面も収入がある、こういうところに国策上必要だ、こういうふうになつたからああいう処置をとつたんだと私は思つておる。そうだとするならば、動力源、特に電気というものは一切の輸出のやはり基礎なんだ、こういうことになるからこれに更にウエイトをおいてよろしいじやないかというのが我々の考え方であるし、今の委員長質問なんです。そこでもう一つ附加えて言いますれば現在の開銀の金利を云々するということが一つでありますし、もう一つは御承知通り電力会社の借入金は三千六百億もある。だから資本金の私は八倍だと、こう申上げてあるのだが、そのうち一千六百二十何億ですか、これが開銀の融資あとこれは細かい計算は私もしておりませんが、債券発行銀行ですね、これを通じての要するに国家資金というものが大体三百億くらいあるのではないかと私は見当をつけておる。だから二千億というものはおよそ結局は国民の税金がそこに流れておると見得るのであつて、だからこの面を要するに三十六百億に仮に三十億までも殖やして行くということになれば一千六百億の市中銀行から借りておる分を開発銀行なり債権発行銀行なりに肩替りをさせることができるならば自然要するにそれだけで金利の引下げということになる。こういう点をお考えになつておりますか。
  86. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) まあこれは開発銀行関係金利は六分五厘になつておりますが、長期信用銀行その他からの分、これは債権発行額その他の関係もありまして違つて来ると思いますが、これは金利の安いほうに借替えるというような措置ができますれば勿論負担の低下になるわけでありますが、ただ開発銀行関係は御承知のように資金源が財政投融資の枠によりまして限定されておりまして、これはまあ毎年投融資計画をきめます際にできるだけそういうふうな基幹産業面も電源開発というような重要な方面にはできるだけ重点的に廻して参りたいというふうには心がけておるわけでありますが、新規開発事業というものには資金は毎年出しておるわけでありますが、既往のものまでつけかえるというところまではなかなか現状としては行かない。これは今年の資金計画はきまつておりますが、来年度以降におきましてはこれは又来年度の投融資の全体の計画を立てます場合はこれは勿論十分検討して見なければならんと思います。
  87. 河野謙三

    ○河野謙三君 今下げるかどうかいろいろな配慮をしておるというのですけれども、これは事務的配慮ですか、それとも大蔵大臣なり政府のほうからいろいろ政治的な、例えば現在の産業界の事情から電気料金をこれ以上上げられないのだ、その現在の状況の範囲内において電力会社の事業をやつて行く上において金利その他いろいろの問題がある、そういう政治的配慮も含めていろいろ考慮しているのですか、それともあなたの今いろいろ下げるかどうか検討中だというのは全く事務的の問題だけの検討ですか。
  88. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは先ほど大蔵大臣からお話もありましたように、明年四月からの電気料金をどうするか、こういう点につきましてまあ会社自体のいろいろ努力その他の問題もございましようし、その後の物価、経済情勢の推移等でいろいろ問題もございますのですが、そのときにおいて金利の引下げ或いは税制面の措置等で解釈しなければならん点がある、或いはどうしてもそういう措置が必要であるということになりますれば、やはりできる限りの措置はその方面でもいたさなければならん、こういうふうな形になりますので、そういうふうな状態考えましていろいろまあ開銀等の収支の見通し、金利引下げの問題の検討ということをいたしております。
  89. 河野謙三

    ○河野謙三君 政治的考慮も含めて検討しておられるのですか。
  90. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 政治的考慮というのがちよつとわかりかねるわけですが、そういつたような問題も検討いたしておる次第であります。
  91. 中川以良

    ○中川以良君 先ほど鉱害復旧の事業の繰上げに対する融資の問題を御質問申上げた際に、政府側からの御答弁があつたのですが、大臣がおいでになつたのあとから伺うといつてやめたのですが、何か……。
  92. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは鉱害復旧関係地方の負担になる分の融資の問題でありますが、これは実は具体的にどの程度の計画がありますか、それに対してどういう方法で資金融資をして行くかという具体的な話はまだ私どもつておりません。詳細なことは通産省から伺いまして十分検討して見たいと思います。
  93. 中川以良

    ○中川以良君 それは融資をされると  いう御意思があるわけですか。
  94. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは御承知のように地方の長期の地方債の問題になりますので、大体年度初めに全体の枠がありますので、それをいろいろの用途に従つて現在配分する協議を地方自治庁と相談いたしましてやつておる段階であります。その中からそういう資金が必要になりました場合に、新規に資金を利いて行くということは非常に困難じやないかと思います。ただ全体といたしまして先で資金運用資金の増加が見込まれる場合には、これは長期資金の……ほかにもいろいろ方法がありますが、これは検討する余地があると思いますが、これは先のことであると思います。措置するといたしましても、やはり地方団体のそういつた関係の一時の資金繰りをつけるといつた程度の措置以上に現状では困難ではなかろうかというように考えておりますが、具体的にどういうふうな需要になりましてどのような資金を必要とされるかわかりませんが、よく伺いましてやれる範囲でやるように検討いたして見たいと思います。
  95. 中川以良

    ○中川以良君 失業対策連絡協議会を特に設けられまして、各省間でいろいろ話合いになつておられるようですが、これは折角机の上でいいプランができましても、こういつた特別鉱害なり一般鉱害の繰上措置という場合に、どうしても融資がつかなければ私はこれは絵に書いた餅と同じだと思うのですが、ここでそういうような点もやはり真剣にお考えになつて頂かないと、今日九州地方の失業問題というものは非常な危険な社会問題になつておりますので、十分この点も一つ実情に対しまする認識を深めて頂きまして御考慮頂きたいと思います。
  96. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは二時まで休憩いたします。    午後一時十五分休憩    —————・—————    午後二時二十三分開会
  97. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは午前に引続きこれより開会いたします。  最初に通産局より電気料金の問題に関しましてその後の情勢なり政府でとつておられる措置につきまして先ず承わりたいと思います。
  98. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今委員長からお話がございました電気料金の扱い方につきまして前回当委員会におきまして中間的に御報告をし、又質疑にお答えいたしましたその後の経過を御報告を申し上げたいと存じます。  その後政府といたしましては経済関係の閣僚の間に懇談会を開き、或いは閣議におきましても意見を交換いたしましたし、同時に政府といたしましては与党方面においてのいろいろの意見をも十分徴しまして大体次に申上げますような結論に到達いたしたわけでございます。  その第一点は明年三月末日までは全国平均収入の単価は現行の料金ベースに据措くということが第一点でございます。それから第二点は来年四月以降の料金につきましては低物価政策の趣旨等に基きまして再検討をいたしたいということでございます。この二点を中核にいたしまして大体政府といたしましては思想の統一をいたしたわけでございます。なおそのほかに御承知のように本年の十月以降におきましては現行の電力割当制度を廃止いたしまする関係上、これに伴いまして料金制度が改正せられる点がございます。その合理的の改正につきましてはその改正後の影響については十分現下の情勢に鑑みまして調整措置をいたそうということをきめておる次第でございます。  それからなお先ほど申しました第二点の明年四月以降の料金につきましては実は前回にも縷々御説明申上げましたように電源開発に伴う資本費の増高等の状況からいたしますると今後税制上或いは金利等の点につきまして特例の措置をいたさなかつた場合を仮定いたしますると、来年四月以降夏料金というようなものをやめて冬料金制度にする程度のことは考えなければなるまい。併しこれは今後何ら他の措置を用いなかつた場合にはそうなるであろうという見通しを申したわけでございまして、要するに先ほど申しましたように来年四月以降の料金につきましては再検討をするのである。この点につきましては税の問題にいたしましても特にさようでありますが、国会においての十分の御審議も願わなければ政府だけでは結論を下し得ない問題でございますから、これを簡単に申しますれば再検討をさせて頂きたい。こういうことに相成るわけでございます。大体そういう基本的な点についての思想統一をいたしまして、こういうふうな思想統一ができましたのは実は一両日前でございますから、その基本的な考え方に基きまして、例えば料金制度を合理的に改正する場合どういうふうな現実の料金率の上の姿になるかというようなことについて作業を改めて急いでおるようなわけでございますから、何について幾らの料率になるというようなことをまだ申上げる段階に至つていないわけでございます。  概略前回以後の経過は以上申上げた通りでございます。
  99. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それではこれより通産大臣に対し電気料金問題を中心に御質疑を願いたいと思います。
  100. 藤田進

    藤田進君 あらかじめ多数の御質問があろうかと思うのですが、いろいろ委員長のところで議事進行についてお考えがあればその線に従つて結構だと思います。若しできれば私からお伺いしても結構なんですが、午前中の経緯から見て若し他にあれば私はあとで結構です。
  101. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 今別段予定されておる通告等もございませんから、先ず先に電気料金問題をやつてあと中小企業の問題をやる。その順序で……。
  102. 藤田進

    藤田進君 それではお伺い申上げたいと思いますが、この一両日間におきめになつたその内容でございますね、大きくは二つに分けて第一の点が、明年の初めといいますか、新年度から再檢討をしたいということに尽きてそれまでは全国的な収支バランスは一応据置くと、こういうことであるようでありますが、その点について通産大臣とせられてはすでに態度を御決定になつていると見ざるを得ないわけですが、この第一の全国的に収支バランスはこれを据置くということで、具体的には更に十月以降割当制度の廃止その他の制度の改廃等によつて移動があるというとこになります。需用家の立場から言いますと一体どれだけの影響が十月以降あるのか。それからその十月以降影響があるとすれば、その影響はどういう需用構成の中に響くのかという面が政治的には問題になると思うわけでありますが、この点が非常に巧みにまだ計数的な整理がしてないということをおつしやつているので答弁の段階でないということになるように心配いたしますが、併しこのアイデアをおきめになるについては、一応大まかな影響というものはお考えになつてその上でおきめになつたと解さなければなりません。そこで私お伺いしたいのは、大蔵大臣の午前中の御答弁も同様でございましたし、これは尤もだと思うのでありますが、併し全国的な収支バランスは据置くということになりましても、冬料金夏料金も若干月の差がついているのが現状だと思います。十月以降とか十一月以降とか、九電力会社については……。これは細かく考えて参りますと、あたかも電気料金は来年の三月まではこのままなんだと、いろいろ問題があつたけれども結局政府はこれを抑えてこのままで、四月以降は問題だけれども、どうなるか検討されるが、三月まではこれはまあ今まで通りだというふうに思い込むのではないか、こういうふうに思いますので、その点が実際にはどのような影響なのか、各社別に見まして……。これは収支バランスを各社別にそのまま据齪くということになれば又影響も少いかも知れません。ところが各社別に上る程度、少くとも十月以降の影響というものはやはり本年度に影響はあるだろう。その影響の度合が各電力会社別、更に電力会社の中でその需用構成によつてどういうふうに格差がつくのだろうか、現行基準にしてどういうふうな上り下りがあるのだろうかということをお伺いいたしたいと思います。先ず最初に……。
  103. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 誠に御尤もな御質問でありまして、私もその具体的な料率について各社別、或いは各対象別に御説明いたしたいのでありますが、これは実はまだできないのであります。従つて細かくお話申上げることができないのでありますが、御承知のように今年の十月以降におきましては現在の割当制度を廃止したいということで、去る七号二十日に需給調整短期の改正に伴いまする聴聞会を開きまして、これらは合体の、何と申しますか値上げとか、値下げとかいうこととは別個に、料金制度はこれに伴つて合理的に調整されなければならない。その際におきましても常識的に申しまして、全国平均としては据置きなんでありますから、先ほど申しましたようにこの合理的改正によつて起るであろう影響については十分調整するということを建前といたしまして具体的な料金率を弾き出そうという努力を今始めているわけでございます。
  104. 藤田進

    藤田進君 ですが、このアイデアをおきめになるということは、もう一つつて表現いたしますと、従来政策料金を廃して原価主義になつて、そのように法は定めて、公共事業令更に緊急措置法といいますか、という経過を辿つて来ている面から行きますと、明らかに、原価主義なのか、或いは政策料金主義なのか、或いはその折衷案なのか、非常に不明確なんであります。なぜならば、原価主義だとすれば、原価主義によつて所管大臣がおきめになる以上は、かかる影響があるが、その影響は克服してかようにきめたというものがあつて初めて最後の決断が下るわけですが、今度の場合伺いますと、まだその影響線というものはこれから操作をするということであります以上は、これは原価主義よりもむしろ政策的なウエイトのほうが非常に大きく占めている。そうすれば現行法上から見てもこれは明らかに趣旨が違つて来ているんではないだろうか、原価主義ではないんじやないだろうか、このように思つておりますので、一体現価主義なのか、折衷的なものなのかをお伺いし、まあ原価主義だと言わなければならん立場だろうと思います。一応は。原価主義だとすれば、原価を計算して初めてこれがきまるわけですね。ぱつと大まかなところをきめて、あとは計算をやろうということであつては原価主義にならないと私は思いますので、原価主義かどうかという点から一つときほごして納得さして頂きたい。
  105. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) この料金の問題につきましては原価主義を建前とすることは申すまでもございません。でこの原価主義につきましては先ほども申しましたように、本年の下期と来年の上期を通じて原価主義ということで参りますると、他に減税とか金利の調整をいたさなければ来年四月以降の半期間においては、或いはそれ以後において夏冬料金を一本化する程度において来年の四月以降料金の改訂を行わなければ、この原価主義は全体として貫けないであろうというのが私ども考え方なんですが、先ほど申しましたように、来年の四月以降のことについてはこれは十分再検討をしてそういうことにできればならないように税制なり金利面において、更に検討をさせて項きたい、こういう考えでおるわけでございます。  それから第二の点は、いわゆる電力需給調整規則による電力割当制度の廃止に伴いまして料金制度を合理的にこの際改正をいたしたいというのがこの十月或いは十一月以降の問題でございます。でこの場合におきましてその料金制度の改正に伴いまする具体的な料率のきめ方についてはこれによつて起るでちろうところの影響についてはその影響を十分に調整し得るような程度においてその合理的な調整を図りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  106. 藤田進

    藤田進君 いや、今のお答え頂きたいのは、原価主義で弾かれた今度の措置なのか、十月以降は割当は廃止する、これは料金制度ではないんですね、割当を廃止するというのは需給調整規則の改正といいますか、そういう面であつて、料金は別の分野だと思うんですね。そこでこの制度を改正せられて調整措置を応じるということと、今問題になつております料金値上げの、値上げになるのかどうか知りませんが、お尋ねするわけですが、この点とは一応分野が違つて来ているわけで、現行言われているのは原価主義だと、ところがその原価主義はお認めになつているのかどうかということですね。而も原価主義を認めるということになれば、その原価計算をして過般は六・八%という報告をせられております。ところがそれによると二%でしたか何でしたか価下げをしなければならんという会社もできるんだという表が出て来た、こうなんですが、今度は割当制を廃止して全国的な収支のバランス、つまり需給ではなくて、収支バランスはこれを一応据置く、二十九年度はそのままにしておいて来年度四月から再検討したい、こうおつしやるわけですが、その中味が一体私ども電気料金が上つて払うことになるのかどうかですね、十月以降或いは十一月以降その点は計数だから計算してないからわからないとおつしやるけれども、そうであればこれは完全な政策料金になつてしまうのではないか。若し原価主議であればかくかくの数字でこうなつたからこういうふうな措置を講じたいという政府行政措置というものが発表せられなければならんのですが、その点が今伏せられておりますから、私は原価主義であるのかないのかという点ですね、これが先ず第一。で原価主義でないとおつしやればこれは又問題は別です。原価主義だとおつしやれば、原価主義はかくかくな原価計算に基いて二十九年度の収支バランスはこれを据置いてやつて行けるんだ、そして収支バランスは全国平均だとおつしやつていますから、そうすると電力会社は九つあるわけで、各社別についてどういう収支バランスになるだろうか、で各社別の収支バランスが大よそわかればその各社の内部で今度は一体大口がどうなるのだろうか、一般電燈料金はどうなるのだろうか、今何か電燈では東京で、幾らですか、一割何ぼか上ることになるとか、いろいろ伝えられていて、その点を聞きたいということで、暫時まあ聞いて行きたいと思うのですが、先ず原価主義の点から発して今申上げた諸点についてお伺いしたいと思います。
  107. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、原価主義をとつて参る建前でございます。それから第二には、その全国平均として現行料金べースで来年三月までは行ける、こういう見通しをつけましたが、同時に、これはちよつと余談を申上げて恐縮なんでございますが、何も今来年四月以降のととを言わんでもいいじやないかという御議論もあるかと思いますが、それに対しては、私は非常に正面に考えまして、原価主義で言えば来年の四月以降の夏料金をおおむね現行の各料金の程度に全国平均でベースを上げれば、原価主義で全国、の総平均の収支バランスがとれる、こういうふうに考えましたので、料金の改訂は原則的に来年四月以降でありますが、併し何時にそれをもやりたくございませんから、料金の改訂は、そこで来年の四月までの利に、十分税制なり、金利のほうで一つ方面の御協力が願いたい、こういうふうに申上げておるわけであります。  それからその次の問題は、本年の十月以降に割当制度を廃止する、これは成るほど割当制度の廃止はそれ自体料金の問題ではございますまいが、併しそれに関連してどうしても料金制度を変えねばなりません。そこで料金制度を変えなければならんが、その変える場合におきまして、やはり私はできるだけ結果において上るものを少くしたい。これは会社別により、或いはその制度の改正の結果によりまして上るものも若干はございまするし、下るものも若干はございます。これはこれからの計算でまあ伏せているわけではございませんで、これから今計算を始めているわけでありますから、恐らくどんなことをいたしましても、二、三週間以上はかかるだろう、来月早々にでもこの全体の料金表というものが全部完成することと思いますので、それによつて又御批判を頂きたいと思いますが、私の今常識的に出て来るのであろう結論は、想定いたしておりますのは、例えば電燈、定額電燈のごときは東京都内の場合などはむしろ現行料金よりも下ると思います。中には上るものもございましようが、そういうものについては十分合理的な調整を加えたい、こういうふうに考えておりますが、これは、原価主義を薙前とする考え方と相矛盾するものでは私はないと、こういうふうに考えておるわけであります。
  108. 藤田進

    藤田進君 いや、問題はですね、端的に申上げて、来年四月以降は夏冬料金が一本化されるという一応のアイデアを以て再検討をする、こうなつて、いわばペンデイングの形のように聞くわけですね。来年四月以降のことを御決定になつているわけではない。そうすると、火急な問題としては、国民経済に与える影響の問題ですから、明年四月まで一体料金というものは今のままなのかどうか、よく聞いて見ると、割当制をこれはなくしてしまうということで、これに関連して料金は変つて来るとおつしやる、その割当が東京電力では定額については下るだろうとおつしやつて、非常に弄ぶわけですが、従量制のところはかなり上る。そうして又大口、何といいますか、節電したところがなんだか非常に高くなつて、なんだか節電しないところが安くなるというようなことも伝えられておるわけですね。来年四月以降のことはわかりました。一応再検討するということで、これはまだ未定の問題で、一応まあ通産大臣考えとしては四月以降かくかくにせざるを得ないだろうという程度のことのようにも思われるわけで、これは電力会社から言えば、通産大臣を信頼して、明年四月以降は相当上げてもらえるわいという楽しみを持つだけのことで、これはそうならないかも知れない。これは国民需要家にとつてはあんまり上らないほうがいいのだが、決定しない以上は来年三月までの問題ですね、この三月までの問題を、僅かの期間のようですが、これで若し上つて、実績を、既成事業があるというと、四月以降大きな影響がこれに積み重なつて来ますから、そこで問題は、定額が下るだろうとおつしやる見通しが、十月以降定額が下る、割当制度がなくなる、そうして収支バランスは一応そのままで抑えるということになれば、その一般電燈料金というか、小口零細需用家というものからの収入のほうは大体六割ぐらいじやないかと思うのですね。そうなると、この下つて来たものの影響というものは、かなり個別的な大口需用家なんかに影響があるだろうかないだろうかという点を、これが今計算で三週間かかると言つて、どうも説明せられないから私は疑問に思うのですがね。こういうことをきめる以上は、そのことは一応計算を弾かれて、これだときめなければならんところだと、原価主義だとおつしやるのですから、原価を弾いて初めて収入にお考えになつておるのでしようから、原価主義ならば、その点が伏せてあつて、よくまあこういう結果がぱつと出たかなあと思う。割当制度をやめて、そうして定額は下る、定額は下るというそれ自体が計算なさつておる証拠なんですよ、これは。そうでなければわかりませんからね。どういう影響があるか、これははつきりして下さい。先ず第一に。
  109. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは何遍も申上げるようでありますが、その基体的な何といいますか、タリフの計算はまだできていないのであります。ただ私がさつき申上げましたのは、出て来るであろうという私の予想の一例を予感として申上げたのでありまして、どういう料率になり、それがどういう影響になるということは……、従つて本日のところは御説明ができないのであります。要するに、基本的な考え方をこういうふうに取りまとめただけであります。それからこの点は十分おわかり頂けておると思いますが、来年四月以降においては、何にもしなければ原価主義の建前から言つて、夏冬料金一本化ぐらいはしないと辻褄が合わない、こういうふうに考えるのでありますが、何にもしないのではなくて、そうならないようにこれからいろいろの面で是正措置を講じたい、こういうふうに考えておるわけでございまするから、上げると、一本料金にしてしまうことをきめたわけではございませんので、その点はくどいようでございますが、念のために附加えて置きます。
  110. 藤田進

    藤田進君 わかりやすく言つて、定額とそれから従量制ですね。一般電燈の場合に、それが定額は下るだろうとおつしやつておるわけです。東京をサンプルにいたしますと、下るだろう、従量は下るのか上るのか、それから大口需用家の場合には、東京の場合で結構ですが、東京、電力の場合に大口需用家は上るのか下るのか、十月以降、これは来年度でなくて。こういう点。それからもう一つは、来年度については言及したくないのですけれども、これはまあ全く一応のめどであつて、これはきめたわけではない。その他の税制、金利等によつてカバーできれば夏冬、料金を一本化することは、これも無理したくないというようにも聞えるわけであります。世上発表されておるのは、やつぱり夏冬料金をやめて、やはり冬料金一本ということに伝えられておりますから、その点もう少し明確に第二の点御説明して頂きたい。
  111. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 別えば東京電力の場合において、何か下るであろう、何については若干上るであろうというようなことについてはいま少し計算をいたしましてからお答えをすることにいたしたいと思います。それから第二の点は、実はこういう経過を辿つておりまするので、多少世間への伝わり方も区々であつたのでありますが、先ほど申しましたように、私ども政府といたしましても、縷々従来のいろいろの機会にも申上げたつもりでございますが、何とかして値上げはしたくない、併し原価主義ということは貫いて行きたいということに非常にむずかしい、申上げるまでもないむずかしさがありましたためになかなか結論が出なかつたのでありますが、漸く落ちつきましたところはともかく来年三月までは平均としては上げないということ、それから来年三月まで平均として上げないということで而も原価主義で計算すれば、たまたま夏料金というものをやめれば来年というか四月以降六カ月洲においてこの原価収支のバランスが充たし得るようなところにたまたま落ちつくであろうということが経済閣僚懇談会の結論として一つ出て来たわけでございまして、その結果経済閣僚懇談会の研究の結果としてはこの意見が出て来たというわけで、それが報道されたわけであります。それからその後更に研究が積まれまして、できればこういう研究の結果としてそうなつたことはその通りだけれども、これは一本化しないで済むものならしないで行く努力を改めてやろうということで改めて再検討をして、そして税制なり、金利の上でできるだけのことを考えて、国会もそれまでの間においては十分御審議を願える期間があるから、要するに来年四月以降は無決定というペンデイングな状態にして更に研究を積もうと、言いうことにだんだん話合いがまとまつて参つたようなわけでございます。
  112. 藤田進

    藤田進君 非常にどうも通産大臣何ですね、あの今の、わかりやすく言つて余り理窟つぽく堅苦しい質問ではなくて、端的に申上げれば下るところもあるわけなんでしよう、今度の割当制をなくしますと下るところは全国的に見るとか知りの部面になるだろうと思う。そうするとそれは全体の収支バランスは一応抑えるとおつしやるわけですから、そうなると下る、つまり収入から言うと赤字になる方面の、補足される、今度上る面ですね、来年上るだろう、これは十月以降ですよ、再来月からですね、それはどこなんでしようかね、どこが上りますか、そこが聞いて見たいところなんですね、下るところを用いて非常にこれは楽になる、デフレ政策の結果かなと思うわけですが、併しそうでもないようだから……。
  113. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) それは先ほど申しましたように私の推測の一例を申上げたので、勿論上るところもございましようが、併しこれはその制度自体が変りますから、なかなか比較も非常に困難だと思います。
  114. 藤田進

    藤田進君 いやいや現行と比較すればいいのです。
  115. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) その現行との比較も、こういうものはこうなりますということもまだできておりませんので、これ以上は想像を混えてお答えしないほうがいいと思いますし、実際できないのでありますから。
  116. 藤田進

    藤田進君 電気料金について許認可事項として通産大臣がこれだと、これでやれというわけではないのですね、これは。申請があつて、それに対して却下せられてこれは駄目なら駄目、その間に政治的な折衝としてこれは駄目なんだけれども実はこうこうだ口頭説明でも結構ですけれどもね、かくかくだということになつて最終的にはやるわけじやないのですか、現行法から言えば……。申請は飽くまでも元にしてこれを認可するかしないかの問題になる。併しこれがなかなか従来の、何も愛知通産大臣のときだけじやありませんが、従来いつの通産大臣の場合でもまあ申請があり、そしてこれに対して通産当局の意見があり、その間政治折衝をして形式的には一応取下げて、補正して出したとか、まあ再審査したとかいういろいろの形で形式は整えておるのでありますが、これは単なる形式であつて、実際面はやはり通産大臣のところでこれはいかん、こんなに一四・四%なんか駄目だ、六・八%が適当だが、併しそれもいろいろ問題があるから政策等の関係一つ、夏冬料金を四月以降これはやめて冬料金一本にする、その間割当制はやめる、そうすると、ぱちぱちと弾いてこうこうこうなるというようなところになつているのじやないだろうかと思う、今度の場合も……。そうなつているとすれば全然計数を弾かないで、何遍も申上げるようですが、何も弾かないでこれは割当制を廃止してしまうのだ、その他若干の手直しをしてやればそれで来年三月まではそれで行くのだとおつしやれば、我々から言えば必ずもつと細かい計数があつて先ず三週間かかるものもありましよう、具体的な事業それぞれについての影響線というものはそれはありましようが、大体収支バランスをこれで抑えるんだということがきまる以上は、収支バランスを抑えるためにはどういう影響があるという、これは計数がなければこのアイデアは出て来ないわけなんですよ、出て来ない、どうしたつて。だからその点から下るところがあるとおつしやるからは上るところがあるに違いない。まあこれを聞きたかつたわけです。これは何遍言つてもなかなかお答え頂けませんので、これ以上時間がたつばかりですから次に移りますけれども、そういたしますと十月以降が仮にかくかくの問題だと、それから明年四月以降は夏冬料金一本化すると、こういうふうになつて来ますと、午前中大蔵大臣の御答弁によりますと、これはまあ飽くまで今度の政策は一貫してこれを貫きたい、これは物価の問題が先ず第一にございましようが、すべての財政政策、投融資、すべてはもう多少は摩擦のある点を若干考慮するとしても予算の規模においてその他これは貫いて行くということは非常に力強く大きな声で言われたわけです。これは国務大臣とせられて通産大臣も同様であると思うわけですが、それだとこちらの関係から物価政策その他そういつた関係から明年度以降、私はこの問題は今年度であると思いますけれども、これらとの関係説明がどうなるかということが先ず第一であります。  それからもう一つの点は、時間がありませんから、同時に二、三点お聞きします。政策面との競合はどういう解決になるのかというのですね。それから第二の点は、若し夏冬料金を一本化せられる、そうして安いほうの料金に一本にせられるというならこれは余り需用家にとつては問題でない、けれども火力料金というふうなそういつた高い値段のものに揃えようということは簡単に言えば問題になるような気がする。高い料金になるのだとすれば、これが引上げの際において従来冬の商い料金の需用家であつた場合においてはもともとそうだということになるかも知れませんが、併し農業、これは灌漑用水もございます、それから或いは秋その他の脱穀等々の動力使用もございます、その他水道等ですね。この夏料金、安い料金で使つていた人が年間を通じてそのウエイトが大きかつた、季節的にそういう偏在した需用家にとつて問題が起きるのじやないか、これでは……。予算上の措置が必要になつて来るだけの大きな影響があるのじやないか、こう思うわけですが、この点はどういうふうに調整せられるのか。これが第二の点であります。  それからこの料金問題に関連して電源の開発といい、又今の電力会社を含めん電力業者といい、これは私は非常に重要な問題だと思う。重油の問題だとか、或いは砂糖の問題とか、午前中もいろいろ、言われております。これは政策の浸透が予期せられたように行つてないのじやないか、そう疑いが持たれます。無論当面の政策に関連いたしますが、当面の電気料金の問題についてもこのままでうまく行くのかということを再三通産大臣にも申上げたように思つておるのですが、電料金の問題はただ料金の認可というだけでうまく行くのかどうか、私は行かないと思つておるが、その点行かないとすれば開発、電力会社の発生電力の処置をどういうふうに、当面考えて見たいというのが先刻の答弁でしたから、お考えになつておれば一つお答え願いたい。  それから第四の点でありますが、夏冬料金一本化にしますと、これは私の予想ですけれども、企業経営の面から言うとおかしなものになるのじやないか、半期は赤字、半期は黒字でどちらかというと、赤字の期が先に来るのじやないか、会計年度から言うと……。そういつたようなことの処理が資金計画なり何なりでそういうふうなことがどういうことになるものだろうか、こういつたような点、無論お考えになつてのことでしようが、こういう措置がどういうふうに御処理せられるのかという点であります。  それから第五の点でありますが、大蔵大臣も午前中しばしば言及せられておりましたが、税制なり或いは金利なり、こういつた面の措置と併せて夏冬料金というこことで御答弁は決して食い違つていないように思いますけれども、そうすると当該企業経営の合理化ですね、この合理化ということについては最近非常に合理化せられて、無人発電所というかそういつた所までできるぐらい人的には合理化の限度に来ている。そうするとその他の合理化といつても、なかなかこれはロスの軽減というのは大きな問題だと思うのですが、これもなかなか以上特段な合理化ということもむずかしいように思う、併し政策としては合理化の面に政府は大きな期待をかけられておいでになるように伺うわけです。そうすると、その合理化の具体的な御期待になつている面はどういう点なのか、以上五点お伺いいたしたいと思います。
  117. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 第一の全体の政策との関係は、先ほど来申上げておりますように、来年四月以降の場合におきましても現行の条件の下において原価主義を貫いて行けばせめて夏料金を冬料金に一本化するぐらいのことはしてもらわなければ原価主義は貫けない、こういうふうに考えるのにかかわらず、政府全体の協議といたしましては、そうならないようにできるだけの努力を税制面や、金利面で図ろうということを改めて再確認しておるようなわけでございますから、そういう趣旨で全体の低物価政策とできるだけ歩調を合せて行こうという趣旨はれ酌み取り頂けるかと思います。  それから第二の、仮に夏冬料金一本化した場合には高いほうへ一本化されるのであるから、その際電力の需用対象別にすれ偏在的ないろいろ影響が起るのではなかろうかと、こういう御指摘でございますが、これは御尤もな点があると思います。それでこの問題についてに、割当制度の廃止、料金制度の改善ということと併せまして、そういうことが仮に夏冬料金一本化で高いほうに鞘寄せをするという場合におきましては、十分料金制度の上で考慮しなければならない点であるかと考えます。  それから第二の、電力行政をどうやつて行くか、これはひとり電力料金の問題だけではない、こういうお話でございますが、これに対しましては前国会のときに、御承知のように政府側としては電力事業法の法案を作りまして、国会の御審議を願いたいと思つておりましたが、いろいろの関係で遂に間に合いませんでした。この次の通常国会の際には是非とも電気事業法を制定して頂くべく諸般の準備を現在進めつつあるような次第でございます。それから将来の電源開発会社の運営方針というようなものにつきましては、例えば佐久間の発電所もだんだん完成が近付いていますが、それらとも睨み合せてそれまでには十分具体的な改善方針というものを決定するようにいたしたいと思つております。  それから第四点の夏と冬の料金が仮に一本化されるというようなことになると半期ごとで収益が不均衡になる、会社の経理が円滑に行かないであろうと、この点も私は御尤もと思います。この点も若し、前提として若しがどうしてもつくのでありますが、一本料金というようなことが考えられる場合におきましては、例えば課税上の特例といたしまして主として償却の措置等について格別の措置をとるというような点につい考慮を払わなければならないと考えております。それからなお夏冬料金というような問題だけでなく、仮に若し料金制度というようなものを将来の姿としてできるだけ簡素で一本にするというようなこともよろしいのであるというようなことが仮に考えられるといたしまするならば、電力会社の経理の関係から申しましても、上期、下期と分けることがいいか、一年度間を通じての経理とすることがいいかというような点についても、これは将来の研究課題の一つになることかと考えておるわけでございます。  それから第五の料金の問題に関連いたしまして画力会社の合理化に対して非常な期待を持つておるようであるが具体的にはどういう考えかというお尋ねでございますが、これは御指摘がございましたように、ロスの軽減とか、石炭の節約とか、その他いわゆる経費の節約方法等につきまして、その幅は大きな期待ができるかどうかは別といたしまして、他の会社や公社、或いは個人の事業等につきましても非常な現在努力が傾けられておるところでございますから、電力会社においてはその公共的な使命から言つてもできるだけの工夫をこらして経費の節減に努めて参りたいというふうに考えております。なおそのほか、或いは機械化について、或いは労務能率の向上、これらの点についても陳腐な言いようでございますが、なかなか努力の余地が多いのではないか、こういうふうに考えておりますので、それらの点について電力会社側からの、できるならば労使両面からの自発的な協力というものが望ましいものである、こういうふうに考えておるわけであります。
  118. 河野謙三

    ○河野謙三君 暑いから一つあつさりとやりますから、大臣からも簡単に御答弁いたいと思います。今いろいろお話のようなことをすでに電力会社には通産大臣から説明をされて、電力会社からも了解を得た、こういうことになつておるのですか。
  119. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは大体電力会社側も了解をしておることと存じております。
  120. 河野謙三

    ○河野謙三君 了解しておる……過日新聞にも電力会社は今度の政府方針を了解したと、こうあるのですが、了解したという内容は夏冬一本にして来年は行こう、そういう考えだ、そこに私は重点があるのじやないかと思うのですが、今度割当を廃止したという点ではなくて夏冬一本で来年は行く方針をとろうということを今非常にペンデイングのようなことをおつしやいましたけれども、それもややもう少し十分期待を持つて差支えない程度に電力会社に御説明があつたのじやないですか、そうでなければ何を電力会社は了解したか、電力会社は政府方針をおおむね了承したという、その了承した内容は何でありましよう。
  121. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 電力会社の関係におきまして了承の内容は何かとおつしやる点でありますが、私が今重重御説明いたしましたような点について了解をいたしておるものと私は考えております。
  122. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと夏冬一本という問題は、これはすべてこれから企業の合理化その他いろいろやつて見て、そうして来年の三月のところへ行つてもう一遍お互いに再検討してきめよう、こういうことなんですね。私がくどく申上げるのはこの間も申上げたように、これは通産大臣非常に迷惑でしようけれども、この問題は去年から出発している、去年値上げのときに来年は値下げしてやるから暫らく待て、こういうことで証文の取り交しはないけれども、そういう相互の関係において政府と電力会社との関連において今日まで来たことが非常に電力会社にすれば不満なんですね、政府が非常に不信行為をやつた、こういうことだろうと思うのです。そういう前例もありますから、この際は私はそのいい悪いを言うのじやない、やはり余り自信のないことは、余り大きな期待をかけるようなことを……その場限りで、来年に問題を引延ばさないほうがいいだろう、こういうことなんですよ。そういう点は大丈夫なんですね。
  123. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) その点私もざつくばらんに、申上げますが、先ほど藤田委員からのお話の中にもちよつとございましたが、これは単一現行法制の建前で一月二十日に申請が出ておりますから、実際上よく相談いたしまして、料率まで弾きまして、そうして改めて十分当局側と電力会社とが腹を打開けて、そうして出て来るところの申請に対して認可するという恰好になるわけでございまから、これから了解をはつきりそういう形式においてとりつけるという場合もございますと思いますが、只今のところは原則的な考え方について了解を得ている、こういうふうに私は考えております。  それからそんなに過大な期待も持つていないと思いますし、むしろ率直に言えば、電力会社としては非常に不満な点もあると思いますが、これは併し私どもが大所高所から考えて、電力会社といたしましても難きをしのんでこの基本的な考え方には了承しているものと考えております。
  124. 河野謙三

    ○河野謙三君 新聞に私は出ておりましたから申上げるのであつて、新聞がでたらめだとすればそれまでですが、新聞によりますと、政府方針は、電力会社は了承したという。了承したという以上は内容があるわけですその内容は、いろいろ聞いて見ると、どうも余り内容がない。何もまだきまつていない。ところが新聞のほうには了承したと書いてあるので疑問が起つたので合申上げたので、まあ愛知さんの人柄は、いつでも申上げますが、私はよく承知しておりますから、決してそんなにあなたのおつしやることに間違いはないと思いますから……。  そこでもう一つ伺いたいのは、原価主義とおつしやいますけれども、これは勿論今の制度から一言つて、原価主義である以上は、政府は責任をとつてやらなければいかん。ところが今度割当制を廃止して、どこか下るところもあるし、上るところもある。それからどこが上るか下るかまだわからん、その結果、電力会社がプラスになるかマイナスになるかわからんということじや、これは原価主義というものは出て来ないと思うのですが、これだけのものはなくてはいかん、これだけのものは保証してやる、この範囲において上げ下げがこうなつてつてこうだという結論がなければ、原価主義というものに対して政府が電力会社に保証したということになつていないと思うのです。そこの点は、非常にむずかしいのはわかりますよ、これは割当をやめて、今度はいろいろ細則をきめて、それによつて事業別におれのところはどうなる、こうなるということをやつて、それを積み上げて行つて、その電力会社が収入が幾ら、支出が幾らで大体原価が見合う、こういうことになるのですが、その順序は非常に、手間取り、従つてそれまで持てないというところで大つかみでやられたと思うのですけれども、大つかみにしても一応今度割当制を廃止することによつて電力会社は一体プラスになるのですかマイナスになるのですか。どこの会社がプラスになつて、どこの会社がマイナスになるのか、この点の大体のつかみは出ていないのですか。
  125. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 先ほど藤田委員質問にもございましたが、原価主義からスタートしておりますので、各社とも原価に基いていずれも決定する、こういうことになるわけであります。今度のやつはその前提といたしまして、下期の料金収入を合体として据置くということで電力会社が下期に受取るべき電力料金の総収入はこれ以上は上げない、現在のペースで据置く、これが一つの前提であります。併し、全体としてそれでありますけれども、各社別に見ました場合には、開発の申請等の如何によりまして、おのずから原価にかなりの相違を来たしております。従つて全体の収入を超えない範囲内において、その範囲で各社の原価に応じてこれは又料金を弾き出すわけであります。従つて各社別に申しますと、各社別に基いていずれも原価に対して収入がマツチする、こういうことになりますが、それは全体として下期の収入を超えないということでありまして、各社別にそれぞれ現在のペースと比べますと上るところも下るところも出て来る、これは止むを得ないところであります。それから下期は上げない、それじやその赤がどうなるか、こういう問題でありますが、これは一応低物価政策の趣旨から言いまして、先ほど大臣がいろいろ甲されました通り金利或いは税金等の措置、或いは企業努力等によりまして、更に一層原価が引下げられれば、下期のベースそのままでも、来年の上期も今年と同じように据置く、こういうことができるわけであります。そういつたような条件が充たされておりませんから、従つてそういうものが不確定でありますので、一応現在といたしましては、下期のベース計算だけはして見る、そういたしますというと年間、今年の下期と来年の上期ととりますというと、大体のところが全体の、原価に合う、こういうことになりましたので、大体原価主義をとりまして、而も下期のペースで据置くということで一応辻褄が合う。併し更にこれを来年の四月以降の問題を論ずる場合は、それを更に下げるようにいろいろな措置を講じなければならん、合せてそういうことは考えなければならんと思います。従つていろいろな前提がございますけれども、全体としては下期が据置で、而も各社別に申しましても全体的に申しましても、年間の想定の下におきましてはこれは原価に合う。こういうふうなことてあると思います。大体そういうふうな非常に大ざつぱな計算でございますが、そういうふうな点で一応の確信を得たわけであります。
  126. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は原価主義の対象というものは、各独立した九つの電力会社が、企業別に原価主義というものはとるべきであつて、その九つを一つにまとめて原価主義をとるということは間違いだと思います。とれないと思います。それはどうなんですか。独立した企業体ごとの原価主義なくちやいかんと思いますが、どうなんです
  127. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) それは今申上げました通り各社別に原価に合つた料金になるわけであります。トータルにおいては下期の料金の総収入は、現行ベースよりは上らない、こういうことになるわけであります。
  128. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、各九つの電力会社で、大体どういうものが上つて、どういうものが下るということは、藤田さんの質問と重復するけれども、どうしても出ていると思う、大つかみのものが出ていると思うのですが、どうなんです。もう一遍聞きますが、それはここに出てなければ愛知さんの責任で、やられる硫安の価格をどうしてきめます。硫安の秋肥はもう始まつている。硫安需給調整法によつて、硫安の公定価格は本来ならば八月一日にきめなければならん。それを法律の施行が、遅かつたから今大騒ぎをやつて、何とか九月の一日までに間に合せるといつている。電力というものがペンデイングになつて、硫安の、原価というものは出ますか、絶対に出ない。電力が遅れるから九月は暫定措置できめておいて、電力が上つたら又十月になつて公定価格を直そう、そんなわけに行きません。役人がそんなことを考えたらとんでもない。硫安において秋なら秋という短い一カ月なり二カ月の肥料時期において、九月の公定価格は八百五十円、十月になつたら八百三十円ということは絶対できません。そんなことはできない。電力がきまらなければ公定価格はきめない、従つてあの硫安の公定価格というものは秋肥には適用しない、来年の一月まで待つということならば別であります。別でありますけれども、電力の問題をそういうふうにしておいて、硫安の公定価格をきめるということはできないと思うのです。硫安だけの問題じやありません。あらゆる出題でそういう問題が起つて来るのであります。
  129. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今の河野さんの御意見でありますが差当つてきめなければならない硫安の価格の決定に際しては、私は今回の問題は別に考えてよろしいのではないかと思つております。  なれからなお又その次の問題といたしましては、先ほど申上げましたように更に合理的な調整ということを、原価主義の建前の範囲内において私は考えられると思つております。
  130. 河野謙三

    ○河野謙三君 今の取りあえずば、硫安の場合は今のままでいいというのは、要するに硫安に関しては、割当制度を廃止しても硫安工業、特に硫安工業に対しては、従来までの各地区別になつております従来の肥料工場への電力の料金というものは、改訂せずに行く、こういうことですか。そうでなければあなたのおつしやることは、どうしても私は納得行かない。
  131. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 改訂をせずに行くというのではございませんで、改訂をせざるを得ない場合におきましても、その点は十分考慮するということで解決ができるのではなかろうかと思います。
  132. 河野謙三

    ○河野謙三君 少ししつこいですけれども、具体的の問題になりますが、改訂をしないとは言わない、するかも知らん、改訂をすればすぐに大きく響きます。この間の六・八%の場合でも、大体硫安コストは私の計算では大体一割響きます。仮にそれがもつと低いところの三%、二%にしても川当響くのです。それを今の電力料金で公定価格をきめて、電力料金はこう上つたけれども、秋肥だけのことてあるから、お前たち我慢しろ、それはこうやつてもらえば一番いいのです、硫安会社と政府の間にそういう了解がつけばいいのです。併し又電気料金が上つた場合に又公定価格を上げるということは、実際問題としてできませんよ。そういうことはどうなんです。実際問題として流通市場ではできない。
  133. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 私から申上げますが、今度下期は先般申上げました六・八%の位上げというものはゼロになつておるのでございます。従つてあのときいろいろな影響調べ等の資金も差上げましたが、あれに比べますと、全体的には値上率は非常に低い。従つて肥料等に対する影響も、仮に割当は撤廃いたしましても、それだけ幅が狭くなるのではないか。それから殊に今度の場合におきましては、現状の場合よりか値下りする地区もございますが、場所によつては今度新らしい原価で上り方が開きまするので、かなり値上りになるところもございます。併しその値上り値下りの開きということは、六・八%のときに調べました大体あのカーヴで行きます。例えば東北、北陸、中部とか、原価の比較的高いところは上ります。それから関西、中国といつたようなところは下る。こういうようなカーヴになるのですが、従つて全体的に現状の地区別の工場の例えば硫安用の電力の料金を現在のまま据置くということにいたしますと、東北ではほかの産業に比べて不当に安くなる、或いは又関西におきましては高過ぎるというふうなことになつております。従つてどもはこれをどういうふうに調整するか、今後の問題でございますけれども、一応地区別にほかの産業とのバランスを考えなければならない。従つてほかの産業が全体的にレベルが上る場合には、硫安といえども、これはお付き合い止むを得んのじやないかというふうなことになつております。但しその代り或る程度下るところもある。従つて全体的にレベルができるだけ上らないようにしたいというふうに考えております。これは最終的な結論は出ておりませんから、はつきり申上げられませんけれども、そういう点をやはり考慮する必要があると思います。
  134. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうすると簡単に結論だけ伺います。六・八%上げたときには相当大きく響いたけれども、それは今度はゼロになる。今度割当制度廃止によつての影響で、この結果は場所によつて下るところもある、場所によつては上るところもある。それをプラス、マイナスすると大体平均すれば大したことはない、こういうことですね。大したことがないから、仮に上つても大したことはないですから、それは電力の今後におけるところの上り下りの問題は仮にどう出て来ようとも、ここで通産、農林省で公定価格の決定を急いでおります。これは恐らく九月一日を目標にやつているのでしよう。九月一日にきまつたと、その後における実質的な割当制度底止によつて細則がきまつて、硫安用電力の料金が上つたり下つたりきまつた。その結果平均がどうなろうとも、電力料金の変更によつてこの公定価格を左右しない、変更しない、こういう結論なんですね。それならばいいのですよ、私は。
  135. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 単純にそういう結論にはなりませんと思いますと申しますのは、まあできるだけ電力料金のほうも早くきめたいと思いますが、先ほど申しましたように地区別に違いますので、私は硫安の価格がどういうふうにきめられるか知りませんけれども、成る地区は或いは上るかも知れませんし、或る地区は下るかも知れません、電力料金が。併し全体としまして硫安用或いは肥料用の電力というものはできるだけ抑えるという、こういう方針には変りございませんけれども、地区別に見て上つたり下つたりする場合に、果してそれが硫安の価格の決定の場合にはどういうふうに作出するかということはわかりませんから、単純にそうなるということは、私自身としては言えません。
  136. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、これは通産大臣に御答弁願うより仕方がないのだが、公定価格の決定は硫安の価格がきまるまで待ちますか。電力料金の具体的価格のきまるまで待ちますか。それともそれが待てないから一応きめておいて、今の局長のお話のように値上り値下りがあつても、それは全体から見れば大した影響力を持たないから、これは現在の電力料金によつて計算したところの公定価格そのものでずつと本年の秋までやるということなんですかね。それは硫安の公定価格の決定を延ばすのか、それともあとの電力料金の値上りによつてあとに起る問題は、これは硫安工業に吸収するのか、どういうことなんですか。どちらですか、この二つのうち……。
  137. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 硫安の価格の公定を延ばすことは適当でないと思います。従つてこれはきめて頂きたいと思いますが、電力料金とこの公定価格との関係につきましては、審議会等におきましてもすでに活発な御議論もございますので、十分議を尽しまして、少くとも結論において御懸念のようなことのないように私はいたしたいと思いますが、今確定的なお答えをするだけの用意をいたしておりません。
  138. 河野謙三

    ○河野謙三君 いや、何百何十円という問題じやないですよ。私はこれは具体的の問題で、まあ愛知さんも御承知のように、秋の肥料のときが非常に間近い。今からぽつぽつ始まつて十月の初めには秋の肥料の取引は終る。そういう際に九月一日に公定価格がきまつて九月の末に電力料金がきまつた。そこで影響があるから公定価格を直そうとしても、これは実際問題として市場を混乱させるだけで問題にならない。それは実際できない。若しできるという役人があれば、実際の生きた取引を知らん人なんです。できないのでありますから、だから公定価格の決定を遅らすか、さもなければ、決定を遅らすわけに行かんから、きめた以上は、僅かな問題であるから、各硫安企業に、この電力料金によつての影響は自分の企業に吸収させる、こういうどつちかはつきりさせなければいけませんよ。これは審議会とかなんとかいう問題じやない。これははつきりしなければいけない。これ以外に間の議論はないはずなんですよ。これは一体どうなんです。
  139. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) いずれかに至急意見をきめたいと思います。
  140. 河野謙三

    ○河野謙三君 それからもう一つ、この前払伺つたのですが、割当制度を廃止する。私は割当制度を廃止させるという意味がわからない。何のためにやるかわからんですが、一応廃止するとして、十月一日に廃止するということに決定したのですか、決定しないのですか。十月一日というのは決定ですか。続いて申上げます。今のようなあなたのほうの計算等の問題もあるから、十月一日を十二月にするとか一月にするとか、割当廃止の時期を延ばすということは考えられないのですか。十月一日にきめたというなら、どうして十月一日に絶対的にやらなければならん理由があるか、その根拠を具体的に御説明願いたい。
  141. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 割当制度に対しましても先般聴聞をいたしましたが、これを廃止するということに対しては大部分の賛成を得ております。なぜかと申しますと、現在の割当制度は例えば大口丙のごとき、毎期通産省のほうで割当をいたしておりますものはまだ或る程度実情を考えられますけれども、その以外のものにつきましては、すでにもう二、三年前の実績になつておりましたものを基礎にいたしまして割当率が出るようなことになつております。従つてその間に非常な不公平がございまして、なお且つ通産省で割当をいたします分につきましても人為的なものが加わつて、それに対するいろいろな批評がある。従つて全般的に申しまして、できるだけ早く割当制度を撤廃したい。併し電力の需給関係から申しまして、現在までは撤廃できる時期にはなかつた。それで止むを得ず今日まで来ておりますが、大体昨今の事情か申しまして、二段料金制をとりますならば割当制度を撤廃しても支障がないというので、割当制度廃止に対するいろいろな案を作つております。従つてそういう点から考えまして、できるだけ早くきめたい。併しできるだけ早くと申しましても、八月、九月には間に合いませんし、十月一日が下半期の初まりでありますので、十月一日にやりたいということでございます。併しこれは最終的な決裁が得られたわけではありませんが、大体そういうふうに私は考えております。
  142. 河野謙三

    ○河野謙三君 然らば通産大臣に伺いますが、今の割当制廃止を十月一日に最終的に決定してないとおつしやるならば、通産大臣として今のような割当制廃止によつて起るところのいろいろな具体的な変化、この問題をできるだけあなたの手許へ取寄せて、そうしてこの割当制廃止によつて、各物資別に、どういうふうなコストの影響を及ぼすということが、最終でなくてもいいけれども、或る程度のものを押えて、今日のように、全くわからないというのじやなくて、抑えて、そうしてから実施するというために十月一日を私は徒らに延ばすというのじやない、十一月に延ばすとか、十二月に延ばすとかいうことはこれは非常に意義があると私は思うんですが、一体どうなんですか。それを通産大臣はやはり今局長の御説明のようにそういうことはわからんけれども、とにかく十月一日にやるんだ、こういうことなんですか。
  143. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましては先ほども卒直に申しましたように、具体的な料率とその影響度ということを本日まで御説明できないことは非常に私としても遺憾に存じます。これは当局は勿論でございますが、電力会社側の徹底的な協力を求めましして、できるだけ速かにその資料を集め、且つそれを国民的に御批判願い得る状態にいたしておきまして、十月一日に実施いたしたいと考えております。と申しますのは、只今局長から申上げました通りでございますが、十月が時期として最も経理上その他の点から申しましてもよい時期であると考えたからでございます。  それから御承知のように、一部の会社では十月から冬料金に入ることになつております。それらの関係も総合いたしまして、できるだけ私どものほうの事務局で十月一日に実施するようにいたしたい、かように考えておるのであります。
  144. 河野謙三

    ○河野謙三君  私はこれは希望を申上げますが、愛知さんは通産大臣であると同時に経審長官でありますが、経審長官としての私は愛知さんの考え方は又違つて来ると思う。通産大臣の愛知さんというのと、そこをちやんぽんにして考えた場合に私は単純に今十月一日ということについてはこれはもう少し私は御考慮を願いたいと、私はこれは証拠です。  それから最後にこの割当制廃止によつて事務が非常に私は簡素化されると思います。この前申上げましたように、これは具体的に話がきまつたのだからその場合に、一体どのくらいに事務が簡素化されて、どのくらい定員をこれは減らすことができるか、こういうことはもうすぐ私は出て来る。これはむずかしい計算じやありません。現実に割当事務をやつておるんだからそれが廃止された、廃止になつた場合には十月一日以降はどうなるか、残務整理は別として、どうなるかということ、です。その結果行政上どういうふうなことになりますか、これを一つ伺いたい。
  145. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) その前にもう一つお答えしておきますが、割当制度廃止による影響を調べろというお話でございますが、これは実は先般お配りいたしました六分八厘のときの影響調べの中にもすでに割当制度を廃止して而も六分八厘上げるという両方合せての影響調べがございますが、一応割当制度廃止、についての影響も考慮しておるということは申上げることができるの、ではないかと思います。  それから今の点でありますが、現在実際に割当しておりますのは、いわゆる三十キロワツト以上の大口の丙の契約でありまして、これは数は全国で五、六百程度で、そう多くはありません。これを本省と地方局でやつておるわけでありますが、いずれもこれはほかの仕事と片手間にやつております。例えば一つの工場に割出をします場合には先ず電気のほうの面からいたしまして、私どものほうの、系統の公益事業局でありますとか、地方の公益事業部におきましては、これは需給関係からいたしまして一応の数字なり割当をするわけであります。それから需用の面から需用者を管轄するほうのいわゆる原局のほうにおきまして各需用家に対してどういうふうな数字を割当てるべきかというふうな計算をやるわけでありますが、そういうふうにいたしまして各方面と協力して割当をすることになつておりまして、従つて例えば公益事業局の需給課におきましては、単純に割当だけの仕事でなくて、それ以外の需給計画そのものの仕事がこれは非常に大きな仕事がございますが、これを一方においてやつておるわけであります。或る時期々々にはそれと合せて割当についての仕事もする。それから原局におきます場合には、例えば肥料行政ついてのいろいろな仕業あるわけであります。ふだんからの肥料行政に関する実際実情に関する知識を今度は電気の割当の際に使うとかいうことになつておりまして、電力の割当だけに関する人員が幾らかということを単純にどうも弾き出すわけに参らないわけであります。無論おつしやる通りにその部分の仕事がなくなれば或る程度それだけの手数が省けるということはこれは申上げられますけれども、その他の仕事もございますので、全体としてそれじや人間が幾らになるかということはちよつと今すぐに申上げられないのであります。
  146. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は幾ら首切れというような注文をつけておるのじやないのです。役人の首を切るほど悪趣味じやないのです。そうじやなくて、当然割当という複雑な事務がなくなれば、平たく考えてそれだけ仕事の分量が減るからそこに当然人の整理の問題が考えられておるのだろう、こういうことを伺つたわけです。私は幾ら人間を首切れという注文をつけるのじやない。誤解を招くから取消してもらいたい。そこでそれと、今の局長の御答弁だと、大体割当事務はほかの仕事と同じで、仕事の分量はむしろ大したことはないから割当制度を廃止してもあなたの局では大して人の問題は増減をすることはない。増は起らないだろうが、減も起つて来ない、こういうことなんです。それならばそれでいいのですよ。
  147. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) それだけ考えますと、それはそれだけ分量が減ることになりますが、私のほうはいろいろな新らしい仕事考えますし、又現在受持つております仕事の中でも大事なことを先にやるというようなことをいたしておりますので、従つて片方が減れば又今まで暫らく遅れておることを始めたということになりますので、現実にはそう増減は起らないのじやないかと思います。
  148. 海野三朗

    海野三朗君 私は通産大臣にお伺いいたしたいのでありますが、先ほど大蔵大臣に伺つたのでありますけれども、どうも私は一つもぴんと来ない。造船のほうが三分五厘で電気のほうが一分下げて六分五厘、そうして鉄鋼のごときは一割というような利子のあり方では、通産行政の立場から、又経審長官としてどういうふうにこれをお考えになつていらつしやるか、その先ず御所見一つ承わりたい。
  149. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは誠に御尤もなことでございまして、経審長官としてもさることながら、私はこれも率直に申上げますが、現在通産大臣といたしまして貸出金利が非常に高い、総体的にその負担が事業に対して非常な負担になつておるということを常々痛切に感じております。概して申上げますると、戦争前においても日本の金利は高かつたのでありますが、大体英米の貸出金利は信程度であつた。それが最近におきましては三倍以上であるのみならず、デフレ経済政策の下におきましては金利の負担というものが総体的に非常に加重されておるわけでございます。従つて私は造船の三分五厘が基準になるかどうかは別といたしまして、特に電力の開発に伴う資本費の増嵩を来たすような金利につきましては、少くとも現在よりは一分以上は下げてもらいたいものであるということを通産省としては考えておるような次第でございます。  それからなお只今造船のみならず鉄鋼その他の例もお引きになりましたが、これらの点については総体的に金利の系列をもう少し合理的なものにしてもらいたいということで、これらの点については経済審議庁の立場においてなお十分大蔵省その他関係方面とも只今も実は新たに展開する政策の必要性の有無等についても研究いたしておりますが、それらの際におきましても十分そういう点を考えて参りたいと思つております。
  150. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は質問じやないが、ちよつと、昨日委員長を通じて要求しました電力料金の今度の方針決定について閣議にかけられたのですが、その際の資料というようなものを御提出願いたい、こういう要求をしたのですが、未だに来ないのですが、これはどういうわけでしよう。
  151. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 実はこの委員会の冒頭にお断り申上げましたのございますが、開議には実は全然資料は配付いたしておりません。それからその前の同僚懇談会のときに配付した資料がございますが、これはいささか古い資料でございまして、内容は先般七月十九日のこの委員会に配付いたしましたものの中に入つておるようなもの、それからその後それにつきまして私が説明申上げましたような説明文、こういつたようなものでございまして、どうも今ここへ出しましてもいささか陳腐のような感じがいたしますので、実はあらかじめ差控えた次第でございます。お断りをいたしておきます。
  152. 河野謙三

    ○河野謙三君 私はそれは納得しません。あなたのほうでこの前出された六分八厘の資料はありますよ。その後において第二次補正というようなことで大蔵、経審、通産三省の協議もあつたはずです。その結果五分何ぼの問題にその後更に発展して閣僚懇談会で夏、冬一本にしたい云々というようなことがある。こういうものについて資料がないはずはありませんよ。そういうことはどうも私は如何に素人で、玄人の人はもつとピンと来るのでしようけれども私のような素人にもいささかおかしいと思うのですが、それはどうなんですか。
  153. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 六分八厘に対する我々のほうの計算はございますが、配付したような資料は全然ございません。
  154. 河野謙三

    ○河野謙三君 配付したようなものはなくてもそれなら積極的に第二次修正ができるまで例えばロスをどう見るとか、さつき愛知さんが御説明なつた石炭の消費量をどうするとか、石炭の単かをどうするとかいろいろな問題を積み上げて行つて電力資本四百何十億に対して、百二十何億は節減できそうなもの、資本に対して三六%できそうじやないか、そういうものがあるでしよう。そういうものでも私は頂きたいと思うのですが。
  155. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) それは我々のほうの計算はございますが、先ほど申しましたように、どこにも配つておりませんので若しも御要求がございましたら改めて調製しなければならないのです。
  156. 河野謙三

    ○河野謙三君 それ以外のものでもできるだけ素人に御親切に御配付願いたいと思います。
  157. 天田勝正

    ○天田勝正君 海野さんが、質問されておりますが、その金利の問題ですが、これはえらいアンバランスである。ところが造船のほうはまあ諸外国の例と比較して特に日本が高い、こういう話なんですが、実際金利というものはこれはもう造船と言わず何と言わずすべてこつちが高いのです。そこで外国で安いのに、それにバランスを合せるようにするために造船等では利子補給等の処置を講ずる。ただそのバランスを合せるためにそういう処置をとるというならばすべてのものにそういう処置をとらなければならんということになつてしまつて、併し国の施策とすればおのずからやはり緩急があるし、国策上より重視しなければならんものにまあ厚きを加えると、こういうことで、私ども意見は別ですよ、そういう政府の見方でとにかく取りあえず造船にああいう利子補給の措置をとつた、こういうことだろうと思います。そういう観点からいたしますと、私どもからすれば電気は然らばあらゆる産業の基本ではないか、例えばまあ、つまり輸出という問題を考えて見ましても船それ自体も輸出できると何時に国内の船舶を増すことによつて貿易外収入を得ると、こういう最もいわば手つ取早い外貨収入の途である、こういうことであろうけれども、然らば電気のほうはと言えばその他すべてもろもろの輸出に一切関係がある、こうなるから我々は電気はむしろ他のすべての産業よりも優先的に利子を安くするならば、最も早い機会に安くしなければならんものだ、こういう考えが第一基本的にあるわけです。それが大臣の言うように取りあえず一応はというお話がございましたけれども、これは金利の面と共に私はこの際お聞きしておきたいのは、政治的な力によつて一方金利を一分なり引下げても現在開銀の融資が今年の計画で一千六百六十二億円、過日申上げた通りです。そうすると三百億くらいこの融資の枠を若し減らせば一分の引下げのごときはもう消えてなくなる、こういうことになる。逆に現在電力会社は三千六百億の長期益金を借入れておるわけですからそこで今一十六十億の開銀融資を市中銀行から借りておる分を肩替りして仮にこれがどういう処置かで二千五百億くらいに若しできるとすれば仮に金利のほうを下げないで、下げるということは国庫収入にも弾いて来るわけです。どうせ納付金という形で……、そうして下げなくてもやはり実際に下げたと同じ効果を挙げ得る途はあるじやないか、一方金利を一分下げたり、又たとえ五百億でなくても二百億でも市中銀行の分を開銀に肩替りさせるという措置をすれば更に二重の効果がある、従つて資本金の増加にはならない。こういうことに私はなろうと思う。そこで先ず第一の質問はさつき大蔵大臣が来まして六分以下にも実は下げるよう努力をいたしたいという話でありました。そこでそれにはなお更もつと通産大臣がその向きで大蔵省に迫るということがなければなかなか一分もこんなんということに結果的にはなつて来るだろうと思う。その点の御所見は如何ですか。  それから一千六百六十二億の開銀の枠を絶対確保しての金利の引下げであるのか、むしろ更に進んで、開銀融資を一千八百億なり二千億なり多少とも伸ばして行くという気持があつてのお考えでございましようか、その点承わつておきたい。
  158. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 全く御尤もでございまして、実は今回の料金問題の処理の一つの焦点は私は金利問題にあると思います。私ども何カ月間に亘りまして努力して参つたような次第でございますが、遺憾ながら私として十分の成果をまだ挙げるに至つておりませんので、今後努力をいたさなければならんと思つております。それからなおこの点についてはこれは理窟にはならないわけでありますが、世銀の関係の火力借款の金利が五分五厘の電力会社としての負担になつております。これも非常にざつくばらんに申上げるのでありますが、下げたくないほうの理論的根拠として世銀からも借りておるのが五分五厘でないかというようなわけでそれが一つの既成事実になつておる点がいろいろ折衝の際に非常にまずいことになつておる。併しそういうことはもう言つておられませんので、なおこの上とも十分の努力をいたすべきだと考えております。  それから開銀の資金の枠の問題も誠に御尤もでございまして、私も実はこの開銀融資の枠が三十年度にどのくらいになるであろうかということは今早計にちよつと見込がつかないと思うのでありますが、併し電力開発についての割合からいつて市中金融より開銀のほうの融合を総体的にできるだけ拡げたい、このことだけは絶対にやりたいものだと考えております。
  159. 海野三朗

    海野三朗君 只今の鉄鋼も私はその一例として出したのでありますが、今日電力会社の投下資本は非常に大きい、つまりダム工事に金がかかる。そのダム工事の正慶なる部分を占めるセメントのごときは今日トン二千円ずつも儲けておる。セメントは幾ら造つてももう余りはしない状態であります。ほかの石炭などが値が下つておるにもかかわらず、セメントは殆んど下げていないのであります。こういう点について通産当局ではどういうふうにお考えになつておるか。セメントは相当大幅に下げ得ると思うのであります。そうすればダム工事の経費などはよほど軽くなるのではないか、こういうふうに思うのであります。セメントにつきましては専門の立場から申しましても今日セメント事業だけが黒字であります。鉄鋼などは三百に今一千万円ずつの金利を支払つておる。例えば富士鉄のごとき月三億円の金利払つておる。その金利が生産費にかかつております。それでありますから外国と対抗できない。つまり値が高いというのはこの金利が高いというところにあるので、それは金利が高いために生産費が高くついておる、そういうところの根本を是正する意味からしてもこの金利のことは非常に重大な関係があるのじやないか、先ほど大臣はこの造船のほうは世界的な海外との関係があると、こう言われましたけれども、それでは鉄鋼はどうですか、私は重ねて申したい。同様にそういうふうなあり方では幾ら輸出々々と言つても生産費が高くつく、生産費が高くつくのは何かと言うと金利がうんと食つている、そういうところについては経審長官として、又通商産業大臣としてどういうふうにこれはお考えになつておるのであるか。セメントの値段はあのままでよろしいのかどうか、私はその点を承わりたいと思います。
  160. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) セメントの問題につきましては、政府でも非常に重大な関心を持つていろいろと工作をして参りましたが、ここ一両日中に先ず第一のステツプといたしまして公共事業関係、役所の関係で申しますと建設省の関係の分についての納入価格について或る程度の値引きをすることに業界との間に話合いがまとまりつつあります。恐らくここ一両日中に発表できると思います。これを第一のステツプといたしまして漸次業界に協力、自省を求めることは勿論でありますが、同時に納入のやり方や方式等についても改善すべき余地が相当あるようでございます。それから需給の関係から申しまして、更に供給を増加する必要もあろうかと思います。その方面の対策も総合的に併せまして御趣旨に副うようにいたすように手配をいたしております。  それから金利の点についてもう一つ、これは経審の立場から申上げたいのでありますが、私どもの研究といたしましてはとにかく開発銀行その他の政府関係機関は別でございますが、その他一般の金融機欄にいわゆる自己資金とでも申しましようか、資金源を豊富にするということが何よりも基本事じやないか、そのためには当分の間思い切つて預貯金或いは保険というようなものについて税法上思い切つた徹底した措置を臨時立法としてでもとりまして、そうして預金が集まつて残ることをやりやすいよりに、或いは預金吸収のためのコストを低下させるような根本的な態勢をとつては如何かと考えまして、これも現に関係省に交渉を始めておるような次第であります。
  161. 海野三朗

    海野三朗君 今日の新聞を見ると二%ぐらいというようなセメントの値引きがちらと見えておるようでありますけれども、二%どころじやなく、とにかくトン二千円くらいも違うのですから、トン二千円は儲けております。それが一つのダム工事に対しまして使うところの量というものは何万トン、何千万トン使う、そういうところを大幅に手を入れたならばもう少しよく行くのじやないか。それから今度はセメントの輸出につきまして値をずつと下げております。ところがそれは赤字輸出であると言う。何嘘つけ、これは儲けておるのです。そういうふうなところに今日デフレ政策、デフレ放策と政府当局が言うておられるけれども、一方においてどんどん金廻りがよくなつておる方面もあるのです。そういう片手落ちのところがたくさん見えるので、それでそのうちの一つのセメントをここに議題に出したわけでありますが、そういう点を何とか通産当局としては打つ手はないものでしようか。その価格なんぞにつきましてはどうなんですか。それをお伺いしたい。
  162. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 御承知のように価格について直接に法令を出すというような、或いはストツプ令を出すというような考えはございません。やはりこれは企業のほうの自主的努力、或るは財政金融政策というようなことが総合して結果が出て来ることが一番自然な成行きで、最も望ましい方策と考えております。併し只今のセメントのような、現在においては全く特異な現象を起しておりますようなものについては、事実上行政指導等の方法によつてこれの引下げの勧告をいたすという考え方でございます。なお只今今朝の新聞で二%云々ということが出ておりましたが、只今どもが業界と話合いを進めておりますのは、いま少し幅が広うございます。これは第一のステツプであるということで進めておるわけでございまして、漸次御希望に副うような線に近付いて参るかと考えております。
  163. 海野三朗

    海野三朗君 もう一つお伺いいたしたいのであります。それはちよつとこれは方面が違いますけれども、書物でございます。外国の書物の輸入に関することですが、技術に関しての科学書とか、それから医学方面、そういう方面のものを輸入したいというときには、二割五分の担保を積まなければならぬ。二割五分の担保を積ませられたのでは、つまり学校あたりでは貧乏でありますから、図書館なんぞにしても余裕はないものですから、この二割五分の担保というのは、どうも私どもは納得が行かない。つまり二割五分というのは、思惑輸入を防ぐというせいかと思うのでありますけれども、元来科学書などについでは、思惑などはあり得ベからざるものですから、従来通り五%くらいの担保に戻してもらうことができないものでしようか、こういうことでございます。つまり今日どうしたつて外国の書物、これは儲けのために入れるのではなくて、日本の科学技術の向上のため是非必要なものなんであります。それでありますから、これは二割五分の担保なんと言わないで、もとのやつぱり五%くらいにして頂く必要があると私は思うのでありますが、この点に対して通産大臣どういふうにお考えになつていらつしやいますか、御所見を承わりたいと思います。
  164. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今お尋ねの点については私もちよつと今記憶いたしておらないのでありますが、これは一般的に輸入金融の引締等に関連いたしまして、保証金或いは担保金の率を拡げましたので、その一環として学術書籍等についしもさようなことになつているのではなかろうかと想像いたします。この点は調べました上で何らかよい方法があれば改善するようなことを考えて見たいと思いますが、先ず以て事実を早速調査いたします。
  165. 天田勝正

    ○天田勝正君 これから質問することは、現在施策がなければないで……、とにかく差迫つたいろいろな問題ですからお気付きにならなかつた点も、それは確かにあるのが当然であります。それは直して頂けばよろしいのであります。そのつもりで質問いたします。  それで第一の質問は技術問題なんですが、これは単に電気料金問題だけに関するのではなくして、あなたの一般の所管に関するものと思いますが、実は昨日私どもの中部地方を廻りました調査報告を申上げて、古池政務次官もおいでになつた席なんですが、その中に特に今度は技術問題についての報告も実は申上げており、後ほど時間があれば一つ御質頂けば幸いだと思うのでありますが、実は私ども佐久間ダムを見まして第一に気付くことは、アメリカのアトキンソン会社と、それからこちらの間組、熊谷組とが共同契約をして技術者の派遣を求めておるわけです。この給料を見ますると、大体三十人来ておるのですが、それの給料だけで私の計算では毎つき一千百万円くらいあります。これは厖大な額なんです。そうしてそれは住宅とかその他の出費は又別でありますけれども、そういうものを加えれば更に厖大な額になると思うわけですが、いずれにしても毎月一千百万円の技術指導費を面接給料として払つている。なお且つ、その人たちの来朝を求める程度に日本の技術が遅れている、こういうことになる。これは由々しい問題なんであつて、ところがさて、今度は機械のほうから言いますと、鑿岩機のロツドは忽ち日本のは欠けてしまう、それから先のドリルは磨耗してしまう、こういうことなんです。例をたくさん申上げませんが、とにかく比較にならん。そして日本の技術者は、仮にこちらの性能が五分の一以下であつても日本のものを使いたいということを所長以下口を揃えて言つているほどです。ところが技術一般がどうしても措置のつかないほど離れているならこういうことを申上げない。ところがその直後大同製鋼へ行つてこういうことを話したところが、それはすでに解決しているということで、現場に大同製鋼から技術者を派遣して調査して、忽ちそのロツドの欠けることを直したという状態である。このことを現場でも認めておるわけです。そこで私は、いわゆる日本の研究所等におけるところの潜在技術というものは相当優れたものがある。これは各研究所の調査報告を見ましても、これも世界一、これも世界最高水準に行つているという報告ばかりなんです。だから研究所の段階においては、日本の技術というものは相当優れておるが、これが一般市販されるというときになると、料金の関係かどうか知らんけれども、相当落ちたものが市販される。いざ現場に連絡がつけば、直ちに、一月ぐらいのうちにやはりこれに劣らざるものが持ち込めるように、潜在的にはなつておる。ところで今申上げたことが仮に解決いたしますれば、仮に電源開発の問題でも、資本金が非常に私は低くて済むようになり得ると思う。これは電源ばかりの問題じやないのですが、そこで私は通産大臣としては特にいろいろな研究所を最も余計所管しておられる大臣だと思うので、こういう面に、一体現場と繋がりのないような研究の仕方が隘路になつておるのだから、直ちに現場と繁がりのあるような指導をしてもらわなければならんと同時に、現在一体そういう点について、どういうような指導をなさつておるか、こういうことを一つ承わつておきたい。
  166. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今佐久間ダムについてのお話がございましたが、実は私もこれはまあ、聞いておると言つてはあれでございますが、相当、これは一つのテスト・ケースとして、今後どう考えて行けばいいかということの、非常な参考になる事実であると考えております。只今又それに関連して、工業技術の対策のお話がございましたが、丁度私も、実はその点に、通産省全体といたしましても着目いたしておるわけでございまして、今後改めて力を入れるべき工業技術の振興対策として、大体こんなふうなことを考えておるわけでございます。それは目標としては申すまでもございませんが、輸出の振興でありますとか、或いは自給度の向上に資したいというような大目標のためでございますが、それらのために特に一つ日本としては、工業技術の振興に重点を置きたい、最近例えば発明の奨励とか、新規技術の応用化、実用化というようなことにだんだん力を向けて来ておるわけでございますが、更に一段とこれを推進したい。それから科学管理技術の確立とか、工業の標準化の推進というようなことをその中の枢軸といたしまして、更に具体的な措置を一段と前進させたい。これはまあ行政上の問題といたしますと、相当の予算を伴う問題でございますので、それらの点を考えますと、来年度予算の編成の時期もだんだん近付いて来ますので、通産省として改めてこういう方面に力を入れて行きたい。たまたまこういうふうな考えを持つておりましたので、その一端を御披露申上げる次第であります。
  167. 天田勝正

    ○天田勝正君 こういうことは、将来お互いに気を附けていろんな施策の面に注意しておけばいいのであつて、私はその答えで満足する。ただ希望だけ申上げておきますが、技術面上によつて資本金の減を図る、こういうことは、余り今まで政治上に論議されなかつたと思うのです。これも一つの例ですが、例えば国立の林業試験場等の発表で見ましても、例えばベニヤ板等が三年間あの屋根の土に放置しておつても、何らはがれるようなことはないということが発表されているのです、研究所の報告で。然るに我々が市販されたベニヤ板を買えば、一遍雨がかかつたら全部形もなくなるというのが実情です。潜在技術がありながら、その技術を更に工業の面に活用されてないところが問題なんです。これは政治的にあなた方の挙足をとるとかなんというのではなしに、日本全体の施策の面でも非常に損をしているので申上げているので、愛知大臣のおられるところで積極的に手をつけて頂きたいという希望を申上げておきます。  もう一つだけお伺いいたしますが、これは先般も御質問申上げて、実ははつきりした答えが出ないままで時間がなくて終つた問題ですが、現在の九電力会社の発電所等の帰属をきめる基準が、二十三年の六月か九月あたりの実績できめられおつた、そこで、ところがその後非常に需用が急速に伸びておる会社と、そう伸びない会社が自然出て参りまして、そうして急速に伸びたところは、止むを得ないから、帰属がないから電源開発をやる、ところが電源開発が、水源はあるけれども電源開発として適地でないところが実際今残つておるということから、ますます以て水力開発の資本金の増を来たしておる。こういうことが結局今日の電気料金値上げの、水力発電によるところのコスト高、こういうところへ来て、今度の申請等にも実はなつておる。それから現地に調査して見ましても、今においては建設費が水力より逆に火力発電のほうがむしろ安くつくということになつておる、特に重油専焼にすれば、あと出て参ります電気等も却つて水力発電よりも安くて済む、こういう事実がここに現われて参つたわけです。そこで過日も再配分のお考えがあるかどうかということを御質問申上げたのですが、明確な答弁は得られなかつたのです。併し実際には一旦ああして九電力に帰属したものを、今更発電所を再配分と言つてみたところで、事実上はできない、できないからどうするかということがここで問題なんですが、それでは水力ならば必ず安いのだということで、例えば北陸のごときものを無理やりにお前のところは水力だから安くていいという式にすれば、更にアンバランスがより加わつて来るのではないか、だから逆に、今日は、今開発しておる火力は水力よりも安くつくのだという観点に立つて、今度は料金なり何なりの方面でこれは考慮する必要が私はあるのではないか、こう思いますが、大臣如何お考えですか。
  168. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 先ほどの潜在技術の問題は、誠に御尤もでございます。是非御趣旨のようなことに私どももこれからの施策を進めて参りたいと思います。  それから九電力の問題、特に再配分等についての問題につきましては、私も現在責任の立場上、軽々に個人的な意見を申上げることも如何かと思いますので、十分一つ研究させて頂きたいと思います。まだ明確なる答弁を申上げるまでの決心はつきかねておりますので、御了承願いたいと思います。
  169. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 私は電源開発問題について少しお尋ねしたいと思います。先般新聞紙上で拝見したのでございまするが、今回新任されました小坂電源開発総裁の談としまして、現在福島県下の田子倉発電所でございますが、すでに準備工事に着工しておるのが、いろいろの理由のために当分工事を中止するというような説が出ております。そのほか新規着工の分も一時延期するような説が出ておつたのでありますが、政府の御方針として最初の五カ年計画の案が変つたのでございまするか、その点をお伺いしておきます。
  170. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 実は過般新聞で私も見ましたが、小坂総裁の談として伝えられました点について、私どもはこういうふうに見ておるわけでございます。要するに、資金的な問題とか、或いは補償の問題とか、いろいろこの電源開発計画につきましては既定の五カ年計画の年次計画の推進の途上においてむずかしい問題がありますことは、今更指摘するまでもないわけでありますが、そういう際に、余り無理をして遮二無二やつつけるということよりも、十分事態の成行きを見据えて一つ一つ着実に進めて行きたいと、こういうような思想でああいう話をされたものと思うのでありまして、例えば田子倉を中止するとか、繰延べをするとか何とかいうことを決定をしたということは事実全然ございませんし、政府もさようには考えておりません。
  171. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 そうでありますならば、各九電力会社について検討して見ますと、本年は予算の割当が少いために、新規の工事は一カ所も着工できない、ただ継続事業をやつて行くだけのものであると……、これも本年中には大半完成することを思いまするが、これが新規工事が始まりませんと、ここにたくさんの技術者なり、その工事の機械なりが遊びになり、又多数の労務者が失業することになりはしないかと、かように思うのであります。昨日も労働次官から話を承わりますと、あらゆる産業の不況のために何百万の失業者が出ておる。と、失業保険を受取る者だけでも、三月には三十九万、五月末には五十八万と、月に十万ずつくらい殖えておるわけであります。この失業者が今日では七、八十万になつておりはせんかと想像するのでありますが、五月の末の失業保険を換算しましても月に二十五億、一カ年三百億の失業保険料を支払うということになりますと、今後失業者が殖えて行けば四百億も五百億も失業保険を支払わなければならん状態になるのじやないかと思いますが、こうなりますと、思想上にも影響すると思います。又多数の労務者が、この電源開発が今年中で大体中止になつたならば、相当の失業者が出まして、この失業者が非常な迷惑をするのじやないかと思いますが、それについて政府方針は如何なる御方針でありまするか、承わりたいと思います。
  172. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 電力開発の計画につきましては、五カ年計画が御承知のようにございまするし、それから本二十九年度におきましても、九電力会社の担当の分はそれぞれ一社一カ所ずつは新規の開発をも認めて進行しておるような状況でございますから、これを三十年度に全部ストツプするというようなことは毛頭考えておりません。先ほども小坂さんのお話を聞いて申上げましたように、特に財政資金の調達の見込やその他の関係から、多少当初予定した五カ年計画をスピードダウンするとか、多少時期が遅れるとかいうようなことは或いはあるかも知れませんが、これは何としても建前として前考えました通りに推進して参りたい、こういうふうに思つております。
  173. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 この資金の面でございまするが、各電力会社におきまして自己資本でやるというと、一割二分の配当をしますと仮定しますならば、三割の収入がなければいかんわけであります。到底この電力問題のやかましいときにそういう三割からの利益の挙るような採算は立ち得ないことだと思いますが、これについては何としてもやはり政府の五分なり三分なりの低利を融資することが必要なことだと思いますが、その融資問題について政府の御意見を承わつておきたいと思います。
  174. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは先ほど来の料金問題のときにも申上げましたように、私も全くこれは御同感でございます。この電源開発を催促して参ります上においては、金利の低減、或いは更に進んで資金融資についても、相当政府として、何と申しますか、援助が必要でもございましようし、又自己資本の調達、社債の募集等についても、やはり料金については原価主義の建前をはつきりさせるというようなことがどうしても必要なのでありまして、そういう諸般の方策を併せて、資金計画が曲りなりにも充足できますように、この上とも努力いたすべきであると考えております。
  175. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 最後に私電力問題で一言伺つておきたいのでありまするが、昨日の中部、北陸を視察された高橋君からの御報告によりましても、この水火力の調整金の問題について意見が出ておるのでありまして、これは我々としても何回かこの委員会で論じましたように、最も開発した地帯が却つて料金を高くしなければならんというような事態に入るというような非常な大きな矛盾がありまするのと、同時に火力地帯におきましては、石炭の値下り等によりまして事情が非常に変つておるわけなのであります。六分八厘程度の値上げだと、西のほうは所によつては料金を下げてもよいようなところも出るというような事態にまでなつておるのでありますから、かような事実を基にいたしまして、一体今回の割当制度廃止並びにそれに伴う料金変更等の事態が起るわけでありますが、こういう事態を中心にして、水火力調整金の問題について政府当局はどのように考えておられるか、私はたびたびこの際思い切つてこの制度はここで打切るべきではないかということを再三要望しておるのでありまするが、この事情変更に伴う政府考え方を承わつておきたいと思います。
  176. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今委員長からお話の点でございますが、政府側といたしましても、水火力調整金制度いとうようなものは、できるだけ速かに撤廃すべきが適当であると考えております。で、今回の料金制度の改正に当りましても、従来よりもできるだけその額を少くするように考案をいたしたいと考えております。ただ、一挙にこれを狭めますることは、他地域或いは他社についての影響等も、申すまでもございませんが、相当ございまするので、理想としては成るべく速かになくすべきであると思いまするが、この際としてはそのところはできるだけつ額を少くするということで案を考えで見たいと思つております。
  177. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 重ねもう1点伺いたいのでありまするが、できるだけ額を少くするということは、あれはたしか五カ年計画でありましたが、だんだん漸減することにはなつておるのでありますが、そのとききめられた率よりもつと減らすという意味でありますかどうかということ。  それから他地域に影響があると言いますが、九電力会社のうちでどこに対して一番問題が残るのかということを併せて承わりたい。
  178. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 一番影響のありますのは九州でございます。大ざつぱに申しますというと、九州の取分を東京から出して来るというような実際上の結果になつておりまして、その他の地区はいろいろやり取りがございますが、割合に金額的には小さいのであります。従つてこれを仮に非常に大きく削減いたしましても、或いは撤廃いたしましても、一番大きく現われるところは東京が割合に得をして九州は非常に影響が大きい。九州の世帯と東京の世帯と考えますと、その影響は東京が利得するところは割合に薄くて、九州のほうには大きく響くということになりますので、九州にどういう影響を与えるかということは十分考えなければならんと思つております。  それからは五カ年間に撤廃するということになつておりますが、現在申請になつておりますのは、八分の二・五を差引きまして、八分の五・五を残すという案になつております。これを更にもう少し拡げまして、八分の三・五になりますか、四になりますか、できるだけ拡げて、残つたところはこの次の改訂のときには一挙に撤廃できるようにいたしたいと考えております。
  179. 高橋衛

    ○高橋衛君 電力問題に関しまして、先般私ども中部、北陸地方を視察調査をいたしたのでありますが、その際北陸電力当局の話によりますと、電力料金をそのまま据置きにし、且つ電力調整金並びに他電力会社に対する売電単価を同一にすると仮定すれば、本年の九月末の決算においては北陸電力は二億五千万円の赤字になるという報告を聞いたのであります。先ほど来電力については、現在の法制上の建前から言えば原価主義による、原価主義ということは各電力会社個々についての原価主義であるという建前から申しまするならば、北陸電力会社自体について如何なる措置をとつて今回の措置を合理化すると申しますか、善処することができるか、その点について具体的に一つ説明をお願いしたいと思います。
  180. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) これは北陸に限らずほかの数社に対しましても、下期だけを見ました場合には措置をとりますので、赤字が出るところかかなりございます。で全体的に見ましても、下期は総額において相当な赤字が出る割算になるわけでございますが、結局計算上におきましてはその赤字は来年の上期に埋めるということになつているわけであります。来年の上期に埋めるためには、現行の各ベースのままで行くか、それともそれを下げるためにいろんな方策を講じまして夏ベース近くまで戻すかといういろいろな方法はあるわけでありますが、いずれにいたしましても下と上を通じて原価主義が貫いて行けるようにということを考えておるわけであります。そうしますと問題は下期における赤字の処置でございまして、これを繰延計上するということができるかできんかの問題でございまして、なかなかこれはむずかしいだろうと思いますが、結局金融上の問題もございますそれから決算の処理といたしまして、これを赤字として計上せずに通常の経理をいたしますためには、例えば償却等を上期のほうに持越す、その場合償却を減らすことによつて税法上の特典その他説法上の取扱が違つておりますと目的を達しませんから、その点でできるだけの方策を講じたい、こういうふうに考えております。
  181. 高橋衛

    ○高橋衛君 御承知通り北陸電力は冬季における料金とコストが全然同一になつておるのであります。従つて上期下期を通じての調整もなかなか他の電力会社のように行きにくい点もあるだろうと思います。  いま一つ電源開発計画については、増資によるところの、資金というものもたくさん出ておると思います。その増資というのは成る程度の配当と、単に配当が外面的にできるということのみならず、その会社が実質上配当を正規のベースにおいてなし得たのだということであつてはじめて増資が期待できるかと思うのであります。その点についてはやはり当局としては相当に自信を持つておられるかどうか、この点御答弁を願いたい。
  182. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 実は増資はこの下期十月頃に三分の一増資をするという考え方で進んでおりましたが、現在までこの問題は延びております。又下期据置ということになりますと、年間ベースにおいては採算がとれるとしましても、下期の増資ということは非常に困難になるのじやないか、従つて若干大事をとりまして十月の増資を一月くらいまで延ばして行きたい、併し一月まで延ばしましても、果して一月に全部できるかどうか甚だ疑問ですが、少なくとも一月まで延びるということはいろいろな資金計画の面から言いましてそれだけずれることになりまして、若干の影響があるかも知れませんが、これは或る程度止むを得ないと思います。
  183. 高橋衛

    ○高橋衛君 いま一点くどいようでありますが、いわゆる財政投融資では電源開発会社に対する開銀の融資は二十五億円だけ削つております。而も一方増資によるところの資金もそういうふうに実際上相当に困難だと予想される、とすれば実質的にはどの程度のいわゆる工事のスロー・ダウンがなされるか、或いは経費の節約等によつてそれがどの程度カバーできるか、それについての見通しを伺わせて頂きたい。
  184. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 開銀融資の削減につきましては、今年の初めに大体そういうようなお話もありましたし、かたがたデフレ政策等も関連いたしまして年度当初に電力会社に対しましては、開発工事については一割だけ節約するようにということを申入れたわけでございます。で各社ともこれにつきましては相当困難なようなことを育つておりましたが、その後電力会社並びに請負業者もいろいろ努力いたしまして、現在の見通しにおきましては一割近くの節約はできそうでございます。従つてその意味の計画は大体遂行できると思いますが、今新たに増資の問題が出ましたので、それまで併せてこの節約の中に吸収できるかどうか、できなかつた場合にはどうなるかということは少し又推測を新たにしなければならんと考えております。
  185. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ではこれで電気料金の問題は終りまして、中小企業問題の質疑に入りたいと思います。順次御発言を……。
  186. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は昨日の総合燃料対策の際に質問すべきであつたかも知れないのでありますが、実際は中小企業の面に非常に大きな関連のある問題でありまするから今日に譲つたわけであります。それは重油の消費規制が仄聞するところによりますと、大企業に相当量確保されて、そのしわ寄せが中小企業に来ておると言われておるのでありまするが、これが事実といたしますれば誠に由々しい問題でありまするので、私新潟県下の百二十九工場について調査をいたしましたが、各部門において平均三〇%程度のコスト高となる予想がされるのでありまして、恐らくは他の府県においても同様なことが推定できると私は思うのであります。戦後において品質の向上とコストの低減のためにあらゆる努力をいたしまして改良、研究を行なつて、多大の設備改善をいたしまして、その効果が漸く現在現われて企業的に採算も辛うじて維持できるようになり、輸出の面にも大きく浮び上つて参つたのでありますが、未だその設備の改善費の償却等も殆んど行われておらないという矢先に、この重油の消費規制によつて又又設備の変更をしなければならないというような事態に立至つておる。このことはデフレ下におけるところの金融の逼迫の現況においては到底でき得ることでもありませんし、中小企業の前途に大きな暗影を今投げかけておるのであります。殊に規制の実際の面においては、大工場はとにかくといたしまして、中小工場にとつては、出荷の指示においても、明確な業種の指示と販売励行が行われない限り、削減はおろか、殆んど重油の入手は不可能だという状態に陥るのじやないかと思うのであります。この意味において消費規則が如何なる方法において行われておるか、業種別に如何ようになつているかを第一に伺つて見たいと思うのであります。
  187. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 重油の消費規制の問題につきましては、前々からお話申上げておりまするごとく、大体当初の計画といたしましては、十月一日以降には或いは法規的根拠による消費規制をお願いしなければならんかも知れないということを予告いたしながら、事実上の行政指導と申しますか、によりまして、業界の協力を求めながら、一方輸入量は本年の三月末にきめました輸入計画に従つて輸入しながら出荷の制限をして、業界の協力を求めつつあるわけであります。六月頃の状況でいたしますと、当局の見込よりは多少上廻つておりますけれども、業界の消費面の協力の度合が相当進んで参つて来ておるように見受けております。今後なお慎重に事態の推移を見て、この根本的な考え方を推進して参りたいと思つております。その考え方といたしましては、問題になりますのは、煖房用、厨房用というようなところは規制するけれども、農村、漁村というようなところの絶対重油でなければならんところの需要は確保して参りたいという考え方であります。その際において特に中小企業をいためつけるということがないようにしたいと考えておりますことは、当然のことでありますけれども只今細かく御指摘されましたよう点についていろいろと御懸念があるようでありますから、そういう御希望や御意見を十分伺いながら、今後の措置について調整を加えて参りたいと考えております。  それから只今鉱山局長が来ておりませんので、各業種別に需要の見込をどのくらい見ておるかということについて、私ここに手許に資料を持つておりませんが、別に御説明申上げることができるかと存じます。
  188. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私が調べました二、三の例を一つ申上げまして、御参考に供したいと思うのであります。勿論只今大臣がお話になりましたように、行政措置によつていろいろこの要するに規制をいたましておるというようなことでございまするので、恐らくその行政措置というものが非常に行過ぎを来たして、おるのではないかとも考える点もあるのであります。何となれば、いわゆる石油販売業者において、これは将来非常に大きな規制があるのだというようなことからして、或い、その売惜しみをしておるのであるかも知れません。又私が冒頭に申上げたように、大企業に対して相当量何らかの形において多量に供給いたしておるために、小企業に対して非常に少い額しか行渡つておらないというような、これは要するに末端の業者の間においてそういうふうなことがあるかも知れませんが、現在新潟県における百九十二の中小工場に対しまして、二十八年度の実績は一万五十キロリツターあるのであります。少し数字が違つておりますが、大体一万五十ととつて頂いて、一万五千キロリツターあるのでありますが、二十九年度の需要見込を考えますと、これは相当に消費規制を考えての面であります。これを重油を使わせましたら、恐らく二万キロリツターぐらいになりますけれども、非常に消費規制をすることを考えましても、一万二千キロリツターはどうしても必要な状態になつておるのでございます。ところが今まで四月、五月、六月、三月間において実際に中小企業に渡つているのは二万五千キロリツターしかないのであります。そのほかに農村、漁村のものは別でございますが、そういうふうな数字がここに現われて来ておるの、でございます。これは恐らく行政措置のやり方がどういうふうに行つておるか知りませんが、業者の売惜しみとか、その他の問題がここに大きく浮び上つて来ておるのではないかというふうに考えられるのでありますが、この点は一つ是非私から希望として申上げまするが、徹底的に一つ行政措置のこれを、行過ぎと申しますか、或いは行政措置が余りきき過ぎたといいますか、そういうことのないように、この際一つお願いを申上げたいと思います。なお私は各業種別に一つ、二、三の重油と転換をいたしておりまする工場がどういうふうに、実際今重油の規制をされておるためにどんな結果を生んでおるかという二、三の例を申し挙げて見たいのであります。いろいろの事業がございますが、特に輸出産業の面について考えて見ますると、新潟県におきしまては、洋食器……ナイフ、フォーク、スプーン、洋食器の生産が大体月間一億円ぐらいあるのでありますが、その中の七千万程度は今日輸出をいたしております。その輸出の面におきましても、最近における重油の使用によりまして辛うじて採算がとれて輸出をやつておるというような状態にあるのでございまするが、これが重油の消費規制によりまして、石炭に代るというようなことになると、全く輸出がここにできなくなるというのでございます。年間におきまして洋食器だけで一万三千キロリツター程度の重油を消費しておるのでありますが、これを石炭に切換えますると、コスト高が、大体一五%コスト高になります。それから燃料費だけを考えますときにおきまして、石炭と今の重油との燃料費だけを考えますると、燃料費だけで約三・〇%違う、生産コストの最後におきまして十五%違う。而も御承知通り重油でやりましたと、それから石灰でやりますると、これは私が申上げるまでもなく、もう鉄材におけるところのいわゆる熱し方が違いまするために、加工に非常に大きな違いができるというようなことで、恐らくここにこの重油の規制をされまして、そうして中小企業にそのしわ寄せが全部行つた場合におきましては、洋食器の輸出はぱつたりとまることになるのであります。又大工道具というようなものが、これは随分輸出が出ておるのでありますが、大工道具におきましても、非常に大きな影響があるのでございます。これは重油を石炭に切替えました場合におきましても、やはり一割五分ぐらいのコスト高になります。而も熱関係におきましては、焼入れ等において非常に大きな仕事の煩瑣ができるというようなことにも相成るのであります。又家庭金物におきましても同様な結果が起るのであります。かような点を考えますときにおきまして、中小企業に対する重油の消費規制は、どうしてもいま少しく考えて預かなければならん、特に輸出産業に対する洋食器等に対しましては、特別な措置をお考え願わなければ困ると思いますが、この点ついて如何でしようか。
  189. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申上げましたように重油の規制に当りましてはつきり原則的に申上げ得ることは、中小企業を差別待遇するものではない、こういうことがあつてはならないということを先ず第一に考えております。  それから第二に、実は私も迂闊でありましたが、只今百九十二の工場で一万五千キロリツターの実績のところに僅か千キロリツターというようなことは迂闊でございましたが今初めて伺いました。早速これは調査をいたしまするし、又必要の場合に当局側として斡旋する用意も持つております。  それから今お話の輸出向きの洋食器等についてはこれは実は私も先般新潟県下に出張いたしましたときに業界からも訴えられたところでございますが、例えば協同組合の共同購入とか、全体の所要量が何と申しますか権威を以て想定いたされますような場合に共同購入の方式による等によりまして当局の斡旋によつて必要なものを最小限度に確保するというようなことは工夫の余地があると思います。それらの点について今後十分に検討いたしたいと存じます。
  190. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 なお一つ希望意見として申上げておきますが、若しこれが今日のような重油の供給量でありますならば、どうしてもやはり石炭に再転換をしなければならないというようなことになりますと、やはり転換資金が厖大なほどかかるのでございますが、そのようなものに対しまして何らかの金融措置をお考え願いたいと思うのでありますが、その点は如何でございましようか。
  191. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) この点は転換の必要の度合ともちもちに考えなければならん問題だと考えるのでありまして、現在のところは再転換のための金融を十分政府側において斡旋の用意があるということまでは申上げかねると思いますが、両方の状態をよく見合せまして適宜な措置がとり得るようにいたしたいと思います。
  192. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 重油の問題はその程度にいたしておきまして、いま一つお願いを申上げたいと思いますことは、今日の零細工業と申しますか、中小企業と申しますか、むしろ零細工業と言つたほうが私は穏当であると思いますが、その工場は殆んど今日税金問題に対して非常に困り果てておるのでございます。税金の問題は再三皆様からの御要望や意見或いは陳情等ありましたので私はその点は一応おきまして、ちよつと通産大臣質問することは当を得ないかも知れませんが、中小企業の切実の問題でありますから一つお聞きおきを願つて、この問題を何とか解決をする方法はないかと思うのでありますが、これは税金とは多少違いますが、保険の問題であります。  御承知通り工場には健康保険、失業保険、労災保険、それから年金保険というような四つの保険がございます。これはそれぞれによつて工場主とそれから働いておる者と両方から出ておるのと、工場主が全部負担しなければならんものとございまするが、五人か十人或いは十五人くらいしか使つておらない工場が同じような支出をする四つの手数を持つておる、而もこれは労働省所管或いは厚生省所管というふうに所管その他が違いますために徴収官もおのずと違つておる、それが日ごと夜ごとに徴収に来て、五人や十人、十五人で働いておるところに来て日ごと夜ごとに催促をしておる。こういうような状態中小企業に対しまして非常に金の高よりもその繁雑さとその応対のために非常に困つておる状態が現実の問題として大きく浮び上つておるのであります。こういう問題に対しましては大臣に直ちにこれをどうこうせいというわけではございませんが、行政の機構の改革の場合等におきましてこういう保険は一本乃至二本に一つすつかりまとめてしまつて、そうして徴収するところも一カ所か二カ所にこれを一つ整理をいたしまして、そうしてやつて頂くような方策がないかということがこれは中小企業から相当切実な問題として我々に陳情があるところでございますが、これは直接通産大臣の御関係でないかも知れませんが、中小企業の困る点を一つ申上げたのでございますが、よろしくどうぞお願いいたします。
  193. 海野三朗

    海野三朗君 只今の西田委員質問に関連しておるのでありますが、重油を石炭に換えさせるという、そういうふうなこと、つまりカロリーと温度との使いわけについての研究が甚だ未熟であると思うのであります。このことにつきましては私が昭和二十四年以来再三通商産業省の指導課にも行つて縷縷述べたのでありますが、どうしてもその方面には研究費の補助を出していなかつたのです、最も大事なのがそれです。つまりカロリーだけで重油がなぜいいかと申しますと、一グラムの発熱量が一万カロリー以上であります。ところが石炭は六千カロリー、それならば重油一グラム使うところ石炭二グラム使つたら二掛ける六で一万二千カロリーになるじやないか、カロリーだけを考えますと重油を石炭に換えて一向差支えないことになるのです。ところが事実は重油というものは一万カロリーというものは高熱源を得られるのであります。石炭のほうもカロリーは低くても高熱源を得るという実験もやらなければならない。そのことについて私は数年来野におるときに非常に努力したのであるけれども、通産当局の研究補助費を担当する人が少しもこれを理解してなかつた。今日通商産業省としても研究補助費の配布については前以て通商産業委員会に資料を提出して予想を示されることが必要ではないか、ただ自分のほうの研究に引きずり込もうというようなことをやつておるから今日カロリーの問題、高温度、高熱源を得るという問題について困つておる。その根本は何かというと、只今西川委員からお話がありました重油転換の関心であります。先日も大臣に申上げましたが、弱粘結炭を以て壊裂強度の相当大きい強粘結炭に劣らないコークスを得る方法というものはすでに八幡製鉄所において数十年以前実験室では完成しておる。ところがそれの工場実験というものが行われていない。そういう方面に研究補助費を出して強力にこれを推進して行かなければならないかと思うのであります。年々の研究補助費はまあ僅かの金でありましようけれども、重点的におやりになるのでありまするが、前以て国会のほうにその資料を提出して頂きたい、そうしてやはり我々の意見をも徴して頂きたいということが一つ。  それからもう一つは先ほども中小企業庁長官にお伺いしたのでありますが、中小企業金融公庫あり方を見ますというと、本来の趣旨にずれた貸方をしておるのではないかと思われる。例えば医者のほうに盛んに金を出しておる、或いは旅館業に出しておる、そういうものを救うための中小企業金融公庫じやなかつたと私は思うのであります。それはなぜそういうことになるのであるかと申しますると、今日の中小企業金融公庫あり方が悪いのであると私は思う。それはどういうふうなあり方がいいかと申しますると、私考えまするのに、この事業に対しての借りたいという申込がございます。その申込が地方窓口では取捨選択して、いや僅かだから駄目だとか、それは駄目だといつて突返すのが非常に多いのであります。それを中小企業金融公庫のほうでは一向御存じない。そんなことでは今日中小企業現状を把握することはできないのである。それでこれはそれをどうすればいいかと申しますると、この中小企業金融公庫といたしましては、そういうような申出がたくさんあるならば一旦これを引受けておいて、この中でこれが重点的に必要である、これが必要であるというものを取捨選択して、この中からわれわれ選んでくれ、審査してくれということをやはり地方窓口に内示して、それで、窓口のほうでよかろう、悪かろうということで初めてこれを採択するようにしなければならないのじやないか。で、もう少しこの中小企業といたしましては、この貸付方面に本当のノーレツジ——知識というものを働かせなければならない。ただ窓日に金を出してそして貸すというならば偉い人たち中小企業庁におる必要はない。そんなことなら丁稚小僧でもわかる。私はもつとお役人人たちの頭を働かせて頂いて、今、現在の日本の中小企業を救うために、こういうような事業、こういうような事業、こういうような事業というようなことをやはり取捨選択をして、その中から地方窓口によく調査、させて選ばせるようにしなければならないのじやないか。で、そういうふうなあり方になつていないのですから、今日。その点について大臣はどういうふうにお考えになつておられるか。今日の現状でよろしいとお考えになつておるか。私は国民金融公庫もございますし、そのほかにもつとたくさんそういうふうなものがあるのだけれども、ここに中小企業金融公庫の生れたる本来の趣旨を没却されないようにありたい、こういうふうに考えます。そのことについての大臣の御意見を承わりたい。
  194. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 燃料の問題でカロリーと高熱源等についての研究の問題でございますが、これは一つ十分皆様方の御意見も伺いまして、その研究に邁進いたしたいと考えております。実はこれはほかのことを申上げて恐縮でありますが、総合燃料対策については衆議院の通産委員会等におかれましても小委員会等を設け、いろいろの方面から御検討を下さいましたことが、私どもの従来の研究に非常に役立つておるのでございますが、当委員会におかれましてもそういうような方法その他におきまして当局を大いに御鞭撻、御指導願えれば、私どもといたしまして誠に仕合せ、あると思います。従来において海野先生の折角の御忠言も取上げなかつたという点がございましたならば、この点非常に遺憾と存ずる次第であります。  それから中小企業公庫の問題でございますが、これは私もいろいろの観点から研究しておるのでありますが、前回にも申上げたと思いますが、この公庫貸付やり方が原則的に代理貸であるということから、いろいろの積極、消極両面の御批判があるのじやないかと考えておるのであります。併し、さりとて今の代理貸の制度をやめて直接の自分の窓口を持つということになれば、十数億というような経費が差向き必要になるというようなことから、痛し痒しの関係もございますが、只今の御意見のございましたように、一つ中小企業庁といいますか、通産省としても少くとも現在の機構の下においてももう少し大所高所からこの貸出が利用され得るように指導するという観点において、積極的な一つ努力をいたすべきだと私も考えます。それから旅館業その他のお話がございましたが、これも或いはお言葉を返すようになるかもわかりませんが、実は当初この中小企業公庫を作りますときには、そういうものは貸付の対象に入れたくなかつたのでございますが、その当時国会方面等からも非常な御要望がありまして、そうして又宿屋が別に悪いというわけでは決してございませんが、ほうぼうの業種から非常な御希望がありましたので、自然にこれが非常に殖えてしまつた。そういうようなところから、只今御覧になりますと、一見すると不要不急のところに出ておるかのようなお感じもなされるかと思いますが、これは時期によつて改善されて行くべき問題である、こういうふうに考えておる次第でございます。
  195. 海野三朗

    海野三朗君 今大臣のお話伺いましたが、この研究補助費の配付は成るべく前以て一応資料を出すようにして頂きたいと私は思うのです。で、今度これにこういうふうに貸すつもりだということについて私は今お願いをいたしたい。ここに貸してしまつたんだというんじや駄目だ。その前に今年度はどこどこにこういうふうにやりたいつもりだということの資料を提出して頂いてお示しを願いたい、こう思います。
  196. 河野謙三

    ○河野謙三君 中小企業につきまして掘下げていろいろ御意見も伺つたんですが、この前いろいろお願いして資料もまだ揃いませんので、従つて私も……。一部頂きましたがまだ揃いませんので、それは又次回に譲りまして、私は今日時節柄暑いから大ざつぱに一つ簡単に大臣に貿易政策と申しますか、特に加工貿易についてどういうふうにお考えになつておるかということを伺いたい。と言いますのは、大臣も御覧になつたかもわかりませんが、私は今から半年くらい前でございますが、外務省の情報局で飜訳しました英国の或る新聞に出ました論説で、我々の将来を考察するという題目の本を見たんです。それによりますと、非常に私は示唆を受けたのですが、従来日本の国と同じような状態に置かれておる英国において、加工貿易本位の国策を立てておつたところが、戦前と違つて戦後におきましては、原料資源の供給力よりも工業力のほうの発達進度のほうが早いので、従つて、原料高の製品安になつて来ておる。今後はますますその傾向が激しくなるであろう、従つて戦前に植民地から原料の供給を仰いでそうしてこれを加工して、その収入によつて、英国の財政なり経済を保つということは考え直さなければいけない。結論として加工貿易一点張りの英国の国策というものは修正しなければいかんというのが、大体将来を考察するという論説の結論だつたわけです。私はそれはとつて以て日本の政治家が十分参考として考えなければならん問題じやないか、こういうふうなことも私は思つたのです。そこで過日まあ貿易々々と言いましても、特に加工貿易の場合にはもう少し将来、今英国の人が言うように、原料高の製品安が続くんだ、加工貿易は困難だという前提に立つて考えました場合に、特に雑貨等の生産をいたしておるところの中小企業につきまして、質的内容をもう少し検討しなければいかん。そこで外貨割当等も物資別にもう少し再検討しなければならん。こういうことだつたんですが、まあ甚だ前置きが長くなりましたが、大臣に日本の貿易政策と申しますか、特に加工貿易につきまして、やはり今英国の或る人が言つておるようなことを、将来を考える場合の前提としてあなたもお考えになつておるかどうか、これを私は承わりたい。
  197. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 只今のお話、それからその英国の人の見方というようなものについて私も非常に同感されるところがあると思うのです。殊に現在のように日本が緊縮政策をとつておりますようなときには特にそれが思い合されるわけでございまして、原料高の製品安ということがともすればもう非常な問題でありますので、そういう点で私どもは今日のところ余り当面のことばつかり考えないで二、三年小くとも先のことを計画的に考えて見ようということで、まだ十分細かく分析して御説明するまでに至つておりませんが、大体昭和三十二年度で十七億四十万ドルくらいの輸出は正常な努力によつてできる、飜つてそのためにはどういう産業政策をとつたらいいであろうかということについての大体のところをまとめましてこの次の当委員会くらいでは御批判を願えるかと思つておりますが、その際にも今申しましたような考え方は或る程度取入れておるつもりでございます。
  198. 河野謙三

    ○河野謙三君 この次の委員会と限りませんが、できるだけ早い機会に一つそういう基本問題でお考えを伺えればそのときにいろいろ御質問もしたいと思います。が、ただ現実の問題として私今朝頂きました通産省の中小企業の加工貿易振興のためにというこの本を見ましても、これはもうすでに国外に資材材を仰いでおるところのものは三州以上にも上つておる、ところが国内一般の物価の上昇は二割だということで、ここにもすでに数字が出おるように、この傾向はもつと激しくなる、こういうように思いますので、これは一つ是非御検討の結果御説明願いたいと思う。それは大きく一つ又伺つてあとにいたしまして、今日は差当つての問題で午前中大蔵大臣にも申上げた例のあの砂糖の問題ですよ、重油の問題とからんで。どうも私は砂糖にしろ、重油にしろ、今までまあ行政指導でやつて何とか乗切れるだろうということで来られたと思いますが、これはもうすでに行政指導と始められまして現在までの経過においても、それぞれ関係の業者に仮に免税措置をとりましても、税金を含めたものまでも関係の業者に吸収されてしまつて消費者のためには何もなつていないですね。これはもう根本的に需給関係が乱れておる。殊に砂糖のごときは八十万トンに減らす。これは足りないにきまつておる、これはどうやつたつて実際。こういう点につきましてかねてこの砂糖の問題があつたときに愛知通産大臣は、私の耳に入つたのでは、政府の内部のいろいろの砂糖問題の論議のときに通産大臣は、あなたはもうこれは行政指導くらいじや駄目なんだ、例えば家庭用の砂糖くらいは何とか一つ規制しなきやいかんという強い主張をされたそうで、私は非常に共鳴しておつたんですが、まあいろいろ政府内部他の人の意見もあり、党のほうの意見もあつてあなたの意見通り行かなかつたことは私甚だ遺憾でありますけれども、その後今日まで経過して見てあなたが御心配になつ通り経過を通つておるわけです。ここでもう何とか私は重油とか、砂糖とか、その他のこの種に属するものは消費規制よりももう一段と何か強いものに置換えて、一遍に一足飛びに公定価格にしないまでも、何かもう少し別の手段に移行されなければこれは私はいかんのじやないか、こう思うのですが、どうも昨日もいろいろ聞いておりますと、もう少し模様を見てみよう、もう少し模様を見てみよう。模様を見ておる間に、これは今朝も大蔵大臣に言つたんですが、模様見ておる期間において誰が利益するかというと、関係の業者だけが利益するわけです。消費者には少しも砂糖は安くならない。重油もちつとも安くならない。こういうことなんですが、これは通産大臣も現実の問題を眺めてもう少し模様を見て行政指導で好転するというお見通しでございますかどうか、この点伺いたいと思います。
  199. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) どうも過去においていろいろ私も実は考えたのでございますが、その当時の私の気持を申しますと、ともかく外貨予算の編成につきまして砂糖について大体八十万トンは入れられるであろう、その声が伝わりますると、大体需給のバランスは将来はともかくとして今のストツクの関係その他からいたしまして今後一年間に八十万トン入るということであれば、ということで当時市場が大分沈静いたしました。できれば統制措置などはとりたくないというのが現政府内の一般の空気でございますから、暫らく様子を見ることにして今日に至つておるわけであります。これが偽わらざる経過でございます。  それから重油に対しましてはもう前前から、お話しておりまするように、それこそ電力料金の来期の問題ではございませんが、このままで行けば十月一日からどうしても法規による規制をせざるを得ませんぞということを三月末から予告して参つたわけでございますが、この方は砂糖より一歩前進しておるのでありますが、今政府全体のあれとしてこの両者についてはつきりとこういう統制措置をいたしますということはまだ申上げる段階ではないと思います。もう少し私もやつぱり研究さして頂きたい、もう暫らく静観さして頂きたいと思います。
  200. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は大体通産大臣が意図しておられるところはわかつておるのです。と申上げて、ぞれは違うと言われるかも知れません。私は大体今私が希望しておるようなことを考えておられるのじやないかと思うのですが、これを一つ推進されることについて、これはここに委員長もおられますけれども、当委員会としてもこれは十分この問題につきましては政府だけに任せないで、やはり十分検討の結果愛知通産大臣の意図が我々委員会意見と一致するならば、大いに私は愛知通産大臣を力付けろということは、単に通産行政だけの問題じやなくして、国民経済全体に大きな関係があるので、この点は特に委員会においても砂糖、重油その他これに類似するものにつきましては行政指導から一歩前進して如何なる方法をとつたらいいかということについてはこれを課題にして一つ十分御検討を願い、又我々も検討する機会を与えてもらいたい、こういうふうに要請します。細かい点は次回に資料を頂いた上で御質問いたします。
  201. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 河野委員に申上げたいと思いますが、この委員会が終りましたあとで次回の委員会をいつ開くか、又どういう問題を取上げるかというようなことを御相談申上げたいと思います。
  202. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 この際ちよつとお尋ねしたいと思いますが、可燃性の織物の問題についてその後のアメリカにおけるところのこの問題に対する推移に関しまして何か情報が入りましたらばお聞かせ頂きたいと思います。
  203. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 可燃性の織物については前回当委員会におきましても経過を率直にお話申上げた通りでございまして、上院におきまして希望のような修正案が通過いたしました後下院においてはかばかしい進捗は見られずに憂慮しておりまして、こちら側は勿論でございますが、在米の官民が、又米国政府当局もこの打開に努めて参つたわけであります。実は先ほど入手いたしました情報によりますと、昨三日にいたりまして下院の商業委員会においては燃焼テスト基準の現行四秒未満から三・五秒未満に短縮する修正案が通過した模様であります。これによりますとスカーソの除外はなお実現を見ていないのであります。併しながら難関と見られておりました下院の商業委員会をともかく修正案が通過いたしましたことは我々に明るい希望を与えるものでなかろうかと存ずるのでありまして、引続いて下院の本会議域いは両院協議会における有利な展開を期待いたしたいと考えるわけでございまして、この上とも米国会の理解ある態度を期待し、最後の努力を展開いたしたいと考えておる次第であります。
  204. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) アメリカの国会の会期が問題でございますが、先般までのお話では延長されて七月一ぱいであるということであつたのでありますけれども、八月に入つても更に継続されるのですか。
  205. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 更に延長されたようであります。なおこれらの点につきましては詳報がまだ入りませんので、取りあえず今報告申上げました次第でありますが、なお詳細が判明するにつれて是非御連絡申上げたいと思います。
  206. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 貿易に関して通産大臣ちよつとお伺いいたしたいと思います。先般新聞で拝見いたしますと、愛知通産大臣は貿易の振興に関して商社の合同とか或いは専門商社の強化を図るというようなお話があつたのでありますが、商社の合同というのは、今具体的に多少商社間において話合いのあるのをその合同を進めるように側面的に援助されるのか、或いは積極的に通産省がこれとこれと合同して、そうして強力な商社にしたほうがいいというようなお考えの下に積極的におやりになるのかどうか。それから単独の専門商社を強化するというのはどういつた種類に対して専門商社を強化されるか、その点について……。
  207. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 貿易商社の強化統合の問題は、私といたしましては実は前々から考えておりましたことでありまして、輸出振興の措置はこれなくしては実現はなかなかむずかしいと考えております。それで只今のお尋ねの点でありますが、さりとでこれは当局側が指示したり、命令したりして行わすべき問題でありませんので、それぞれの商社には伝統もあり、得意とするところもあり、又経理状態等もそれぞれ違つておりますから、併し何よりも必要であるのは、政府が協力の手を差延べなければならないと思いますのは、例えば合併する際に起る不良債権等の問題の処理なんかあります。これらについて原則的に日本銀行大蔵省側の了解をとることができましたので、今後の問題としては、いわゆるケース・バイ・ケース、どれとどれとを合併せよというようなことを当局側が申すわけではございませんが、さりとて全然ほつたらかしにしておけばそういう点はなくて、済むかも知れません。そこのところは誠に微妙なところでございますが、必ずしも商社間に話合いがすでにないものでありましても、これはどうかと思われるものにつきましては事実上リコメントするといいますか、そういうような措置に出ることもあろうかと思います。それからその統合、合併の場合には、いわゆる総合的な商社、総合商社だけできることを期待しておるわけじやございませんて、例えば専門商社でございましても、小さいものが寄り合つて大きいものになろうというようなことにも援助の手を差延べて然るべきではないかと、こういうふうに考えております。
  208. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 この貿易に関して今お話のあるこの資料を頂きました。加工貿易の問題も最も必要な振興策の一つだろうと思いますが、従来の戦前の我が国の貿易はいわゆる出先貿易とでも申しますか、外国に支店を置きましてその間において貿易をして相当収益を挙げたように私は考えるのでございますが、現在の状況では各商社が同じ所に幾つも幾つも支店とか出張所を出しておつて、世界各国にその支店が分布されてない状況でございます。今度商社がそういつた統合をされれば従つて支店を一カ所に幾つもというようなことがなくなるわけでございまして、その余力が恐らくほかの都市に置かれることと思うわけでございますが、そういつた場合に、その支店の措置というようなときに、通産省としては資金を特に見てやるとか、そういつた考えはあるわけでしようか。
  209. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは海外に支店を出しまする場合に、日本から送金をしておるというような場合には、これは何らかの統制の措置等もございましようと思います。同時に統合して海外に支店を設ける場合には金を世話をするかというお話でございますが、これはできないと思います。ただ為替管理上その他或る程度の便宜を供与するということが可能だと思います。  それから今お示しのように、現在在外商社を見てみますると、確かに或る地点だけは不必要にたくさんありまして、全体として総合的な配置分布状況は極めてまずいことになつております。従つて例えば商社の合併と相照応して必要と認められる地点に支店を設けるというような場合におきまして、それに要する費用を消極的に償却上便宜を与えるというようなことは、これは従来もやつておりますが、今後もやつて行けると思います。
  210. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 最後にもう一つお尋ねしたいのですが、生糸の貿易に関してでございますが、この生糸の貿易に関しましては、いろいろ輸出振興に対しまして、例えば先般案として出ました青木一男さんの作られました青木案とか、それから最近では大阪の商工会議所の会頭の杉さんの名前で杉案というのが出ておるわけでありますが、みんないろいろ特徴があるわけでありまして、これに関しましては業者としましてはいろいろ非常に心配しておるわけなんでございますが、通産省としましては生糸に関しましての輸出に対する輸出増進の計画というものは現在おありになりませんでしようか。その案をお示し願いたいと思います。
  211. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) その生糸の輸出の振興については今のいろいろの具体案を事務当局でも考えておりますし、それから業界にもお願いして案を作つておるのでありますが、まだこれはいいというような最終的なものはできておりません。併し政府としては生糸の輸出についてはどうやつたらば一番いいかというようなことは最後の一つの課題として早く結論を出し実行に移りたいと考えております。で、只今お触れになりましたが、青木案その他の案も非常にいい点があると思うのでありまして、御承知のように生糸の問題は農林省と通産省の両方が関係があつて従来の生糸の直接の補助金、或いは輸出奨励についての措置などは農林省のほうの予算になつておるのでありますが、これらの点についても通産省としてももう少し積極的な手を打ちたいものだと考えております。で、これは成案を得次第又御説明申上げたいと思つております。
  212. 河野謙三

    ○河野謙三君 いつも資料を要求して投入いじめをして甚だ申訳ありませんけれども、これはいつも申上げておるように素人でありますから……。その資料というのは輸出価格と生産者価格との間が非常にあり過ぎると思うのです。特に中小企業関係の雑貨の場合にそういうものについて輸出価格と生産者価格との開き、これらの調査がありましたらどのぐらい今まで不合理な中間経費というものを取られておるか、その同じ中間経費でも国内の問屋さんが取つておるものと、輸出業者が取つておるものと、又輸入の場合にも、私は一つ例を申上げると、農林省関係の輸入食糧の場合にも非常に輸入業者が不当な搾取をして、例えば農林省から一定額の輸送賃をもらつておる。その場合に弱小の艀業者からリベートを取つておる。又倉庫業者から、政府からたつぷりもらつておるにもかかわらずリベートを取る。現に私の地元の横浜ではリベートを余り取り過ぎて刑事問題までも起きかけた。これはその後消えちやつたが、どういうことか知らんけれども、そういう問題も現にあるのです。そういう問題をあなたのほうで堀下げたものの御調査があれば頂きたいと思います。この点にもやつぱり掘下げて行かなければ輸出価格も安くならんし、又中小企業も助からんと思います。こういう御調査ができておりましたら一つ輸出価格と生産者価格との開き、又輸入原価と国内のそれらの販売価格との開き、こういうものの御調査がありましたら一つお調べ願いたい。私は個々のものについては私個人の努力で幾らか調べておりますけれども、通産省にありましたら一つこの次の、一カ月間があると思いますから、この次までに御提出願いたい、こう思います。ございますか、これ。
  213. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) できるだけそれでは一つ努力いたして見ます。
  214. 河野謙三

    ○河野謙三君 大体雑貨等の場合は三割、四割取られておるのは珍らしくないのですね、生産者と輸出価格との間の開きは。そういうのはたくさんあるのですよ。ひどいのはもつとひどいのがある。そういうものに対して何らか一つそういうものを調査された結果、我々もまあ勉強さしてもらいますが、それをつかんでその上で今の松平さんの輸入商社の統合の問題とか、強化の問題、又余り強化し過ぎちやつて輸入業者がピンはねばかりやられても困るし、そこらのところをやはりそういう資料を大臣がお持ちになつて初めてそこに一つの政策が立つと思いますので、是非この点はお願いしたいと思います。
  215. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) よろしゆうごいざいますか。  それでは最後に、私先ほどの、例の水火力調整金の問題ですが、私は先ほど大臣は二十九年度も更に含めて三十一年度にはもう全廃の方向に打つて行きたいというふうに聞いたのでありますが、その通り承知しておいてよろしゆうございますか。
  216. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 三十年度とまでははつきり申上げなかつたのでありますが、できるだけ尽力するようにいたしたいと思います。
  217. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) できるだけですが……。  ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  218. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記を始めて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十九分散会