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政府委員(
小林與三次君) これは実は極めて簡単でございまして、提案理由の
説明で尽きておると思いますけれども、念のために簡単に御
説明申上げます。
第一点は、
地方公務員法の二十二条を改正いたしたのでございますが、この二十二条によりますると、すべて公務員につきましては、採用並びに昇任の場合につきまして条件附という制度が実は公務員法でとられておるの。ございます。その
意味は、最初採用した場合におきましてはどういう者かわからん、使
つて見てその模様の如何によ
つて正式採用にすると、こういう建前に公務員法がな
つておるのであります。そこでその条件附の期間の間は、いわゆる分限、身分の保障の
規定が働いておりませんので、その間ならば自由に退職を命じたり、その他の処分ができることにな
つておるのでございます。ところがこの採用につきまして、この条件附の制度をとるということは、それは理論上も実際上もその必要がございますが、従来使
つておる者を単に昇任させる場合に、条件附にして六ヵ月間身分を不安定にしておくということは、実際から申しまして必ずしもそぐわない面があるので、昇任の場合は条件附という制度をやめまして、すぐ正式に昇任できるような遂にする、新らしく採用する場合だけ条件附採用という制度をと
つたほうが実際に合うのじやないか、こういうのでこの二十二条の
規定を改めることにいたしたのでございます。この点は国家公務員法も同様な
考え方で直さなくちやいかんというので、実は同じ歩調で改正が
考えられておるのでございます。
それから次の四十九条の問題でございますが、この四十九条は不利益処分に関する
規定でございまして、任命権者が不利益処分をや
つた場合におきまして、それぞれこれについて審査の請求の途が開かれておるのでございます。そこで問題は不利益処分の手続でございますが、通常の場合は、不利益処分を行いますとき、公務員法四十九条に
規定がございますが、理由を記載した
説明書を交付してやることにな
つておるのでございます。その場合におきましては、その処分を受けた者が審査の請求を人事
委員会なり公平
委員会なりに
提出する場合におきましては、
説明書の交付を受けた日から三十日以内に審査を請求できるという審査請求についての時間的の制限を置いておるのでございをます。これは普通の訴願とか訴訟と同様でございまして、いやしくも処分があ
つたら、その処分は適当な期間に確定させることが適当と認められますので、こういう
規定がしてございます。ところが現在の四十九条二項によりますと、不利益処分等任命権者が
考えておるのじやない普通の処分をした場合にも、職員自身にして見ると、如何にも腑に落ちない、自分に不利益な処分を受けたのではないかという場合が実はあり得るのであります。特に横の移動をや
つた場合などにはそういうことがありまして、そういう場合に職員は不利益な処分を受けたと思
つた場合に、任命権者から
説明書の交付の請求ができることにな
つているのであります。この
説明書の交付の請求を受けるのに、実は現行法では期間の制限がないのであります。その結果、実際の例もございますが、半年も一年もた
つてから、どうもあの異動は変だ
つたということで
説明書の交付を請求しまして、その
説明書の交付を受けてから改めて人事
委員会なり公平
委員会に処分の審査を請求する、こういうことが実例上も行われているのでありまして、これは如何にも
一般の身分上の問題をいつまでも不安定にして、一年もた
つてから思い返したように、あれは妙だ
つたというようなことでは、人事の管理上適当と認められませんので、こういう場合に
一つ期間を入れたらどうだろうというのが今度の改正でありまして、処分を受けた日から十五日以内に
説明書の交付の請求ができる、そうしてその
説明書の交付があ
つてから三十日以内に処分の審査の請求をやるという建前に直したのが今回の
規定でございます。こういうことによりまして、人事の身分上の
関係が適当な機会に確定する、それと共に本人に対しても、十二分に本人の利益になるだけの、本人が不利益にならんような、
措置について文句を言えるだけの期間を十分に保障しながら
法律関係を適当な機会に確定させたいという
趣旨が四十九条の改正でございます。
それからあとはこの附則の問題でございますが、附則の実質上の改正はそこの三項でございまして、附則の三項は例の臨時待命の制度でございますが、今度国のほうにおきましても、国家行政機関職員定員法の改正によりまして、行政
整理その他のことを行う場合におきまして、いわゆる臨時待命という制度を制度化することにいたしたのでございます。そこで現行法におきましても、特に定員なり予算なりを超過する場合におきましては、職員の解職、免職が自由にできるのでございますが、国家公務員におきまして臨時待命の制度を作りまして、
一定の期間そのまま俸給、身分を継続させながら、その期間経過後退職の効果を発生させる、こういう制度をとりましたので、これは個々の職員といたしますれば、若し行政
整理の必要が実際あるものとすれば、そうしたやり方のほうが個々の職員の利益になるわけでございますので、国の公務員と同じ制度の途だけは
地方についても開いて置く必要がある、こういう
考え方でこの制度を
地方にも適用できるような途を開いたのでございます。併しながら
地方公務員法の建前上、具体的な問題は
地方に任したほうがよいので、制度として臨時待命を命じ得るということにいたしまして、あとは全部
地方が条例で定めることができるようなことにいたしているのでございます。
あとは、実費上の改正はその三点でございまして、その三点の施行期日を書いたのが今度の
規定でございまよす。