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1954-04-16 第19回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十六日(金曜日)    午後二時九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            堀  末治君            館  哲二君    委員            伊能 芳雄君            伊能繁次郎君            高橋進太郎君            小林 武治君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            笹森 順造君            加瀬  完君    衆議院議員            加藤 精三君            床次 徳二君   国務大臣    国 務 大 臣 塚田十一郎君   政府委員    自治政務次官  青木  正君    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君    自治庁財政部長 後藤  博君    通商産業省公益    事業局長    中島 征帆君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   —————————————   本月の会議に付した事件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○入場譲与税法案内閣提出衆議院  送付) ○地方財政平衡交付金法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送  付) ○地方財政法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  先ず入場譲与税法案、次に地方財政法の一部を改正する法律案、この二法案議題に供します。同法案衆議院から修正議決送付されておりますが、この修正案に対しまして、衆議院加藤精三君から修正案についての提案理由説明を聞きます。
  3. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 提案者を代表いたしまして、入場譲与税法案に対する修正案理由を申上げます政府提案にかかる入場譲与税法案に対する衆議院における修正につき、その趣旨を御説明いたします。  御承知のごとく、本法案と表裏の関係にありまする入場税法案に対しましては、衆議院において税率の引下げを主な内容とする修正が加えられることになつたのでありまして、その結果同税の本年度における収入額、従いましてその九割に相当する譲与税額が当初予定した額に満たなくなり、自然地方歳入欠陥を生ずる場合が予測されるに至つたのであります。  かような事情に照応しまして、昭和二十九年度入場譲与税総額予定額百七十二億八千万円に不足する場合、その不足額を国の責任において補填すると共に、同年度における各讓与時期ごとの讓与額につきましても不足を生ぜしめないよう措置することを、法律に明定しておきたいと思うのであります。  けだし、現下の都府県財政は、おおむね極めて逼迫した状況にあり、本年度における歳入欠陥を生ぜしめないよう措置する必要があることはもとより、年度間の各時期における収入にも欠陥を生ぜしめないよう、これに対処する万全の措置を決定する必要があると認められますので、この修正案を提出した次第であります。で、是非この関係を御了解頂くために、大体入場税法交付税及び譲与税配付金時別会計法修正関連して、簡単に申上げたほうがいいのじやないかと思います。  入場税法の主なる修正点は御承知のごとく第四条でございまして入場料金が一人一回について五十円以下でおるときは入場料金の百分の十というふうに原案よりそのランキングも少し上げまして、この税率を十%ずつ下げて行つているのでございまして、この改正一つある。次に交響楽とか器楽とか声楽、オペラなどの入場につきまして、原案料金が一人一回七百円を超えるときは百分の四十で、それ以下のときは百分の二〇でありますが、これを画一に百分の二十にした。即ち、相当程度の高い外国の演奏者の場合でもいずれも百分の二十にするという文化奨励のための修正であります。  次に、第五条の入場料金が一人一回について二十円以下であるときは入場税を課さないという規定につきましても、これは第一種の場所の場合は除外する、第一種の場合についてやるという修正です。そのほかは公布時期の修正でありますが、そうした修正が先ず入場税本法のほうでありましたわけです。でこの入場税の組織は入場税国税としてとりまして、それを交付税及び譲与税配付金特別会計という新らしい特別会計を新設いたしまして、それに地方交付金やそれから揮発油譲与税一緒入場税の百分の九を入場税譲与金として特別会計一緒に突つ込みまして、そうして人口按分で配付するという仕組になつておりますので、地方収入になるまでの間にはどうしても特別会四計を通らなければならないわけてあります。特別会計に入れることは従来と変りありません。入場税税率を下げることによりまして、地方歳入が減少することの対処策といたしまして地方財政予定の百七十二億八千万円の収入が得られない場合は国の責任で補填する。その方法は第一段階には交付税法関係になりますが、第一段階では交付税法修正によりまして、入場税のうちの十分の一は徴税費その他徴税の意欲というような関係から、十分の一は国の一般会計に留保して雑収入として受取つているのでございます。足らないときにはその十分の一、即ち十九億円の部分を使うことになるわけでございます。なおそれで足りなくなりましたときに一般会計から交付金特別全計へ補填することになるのでありまして、その前者の関係修正後の特別会計法の第五条及び同法附則第二項の関係になります。それから後者の一般会計から繰入れまする関係修正後の特別会計法附則の第三項の関係になりますので、それぞれ御参照を願いたいのであります。  なお本年度内の金繰りにつきましては、交付税及び讓与税配付金特別会計法における一時借入金規定がございます。それが特別会計法附則の第六項から第十項までを御参照願えれば仕合せであります。それで特別会計予算総則の第六条には二十億円の限度までこの特別会計一般会計から一時借入を行うことができることになつておりまするので、この交付金特別会計昭和二十九年度に限り、この会計において支払上現金に不足のあるときは、この会計の負担において一時借入金をすることができるという規定を活用いたしまして、そうして年度の或る時期における資金収入欠陥を補うのに遺憾なからしめる趣旨でございます。  次に地方財政法の一部改正法律について御説明申上げます。政府提出地方財政法の一部を改正する法律案の第三十六条をお開き頂きます。第三十六条には「第十条七号の二の規定及び同条第八号の規定母子手帳に関する部分は、当分の間、適用しない。」とあるのでありますが、これはすでに衆議院を通過して参議院に送付せられておりまする補助金等臨時特例に関する法律案における規定関連を持つ問題として、同法案の当分の間適用しないという字句を、昭和二十九年度に限り適用しないことに改めたのであります。なお附則において、本法施行の時期を四月一日としているのでありますが、すでに年度を経過しております関係から、これを公布の日から改めるということにいたしまして、その適用区分を明らかにしたのであります。地方財政法本法を御覧頂きますと、第十条に「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であつて、国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためにば、なお、岡が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げるものについては、国が、その経費の全部又は一部を負担する。」、そして義務教育に従事する職員その他を列挙してございます。第七号の二に母子相談員に要する経費という規定がございます。又、八に非常に沢山の項目になつておりますが、妊産婦及び乳幼児の保健指指導母子手帳児童相談所児童一時保護所身体障害児保護児童福祉施設並びに里親に関する経費、この母子手帳の分だけ、地方財政法の三十六条で当分の間適用しないとあるのであります。これは二十九年度に限り適用しないということになるわけであります。又第七号の二の母子相談員に関する経費というのも、これも当分の間とあるのを二十九年度に限り適用しないということになつたわけであります。その関係は、補助金等臨時特例などに関する法律修正案を見ればわかるのでございますが、これは殆んど全部の条文につきまして、当分の間とあるのを全部削除いたしてありまして、一番最後の附則の末尾第五項に、「この法律は、第十八条の規定を除くの外、昭和三十年三月三十一円限りその効力を失う。」としてございます。限時法にしておりますので、二十九年度に限り適用しなくなるのと足を合せたいというわけでございます。  以上修正部分説明提案者に代つていたしましたが、何とぞ御審議の上御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今加藤精三君から修正案説明がございましたが、入場譲与税法案及び地方財政法の一部を改正する法律案のこの修正案質疑に対しましては、次回に譲りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは、そのように取計らいます。   —————————————
  6. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、同法案衆議院において修正議決されて参つておりますが、この修正案に対しまして、床次徳二君から提案理由説明を聞くことにいたします。
  7. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) それでは地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案に対する修正案提案理由を御説明申上げます。今次政府提案にかかりますところの地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案に対し、衆議院で行いました修正点についてその理由を簡単に御説明申上げたいと思います。  御承知通り、本法案によつて新たに誕生せんとするところの地方交付税制度におきましては、その総額国税たる所得税法人税及び酒税収入額のそれぞれ一定割合として法定せられておるのであります。その結果、地方財政安定性並びに自主性は、従来の地方財政平衡交付金制度に比し、一段と高められるであろうことは一応期待が持てるのでありますが、併しながら、その一定割合が平年度百分の二十、昭和二十九年度分百分の一九・六六と定められている点につきましては、地方財政の現状に鑑みまして、甚だ不十分であると考えざるを得ないのであります。本年度におきましても寡少でありますることは勿論でありますが、すでに国の予算も成立しております関係上、簡単には措置し得ないといたしましても、少くとも昭和三十年度以降につきましては、今日においてあらかじめその割合を百分の二十五程度に引上げておきますることが、地方財政健全化のため極めて必要であると思つておるのであります。即ち第六条の規定のうち、百分の二十とありますのを百分の二十五にいたす修正であります。近年におけるところの地方財政窮乏化根本原因は、国と地方との財政の均衡という問題について、相当ゆがみがあるということを考えますと同時に、半面におきまして国の策定する地方財政計画がその規模を不当に圧縮しているところにあると断定せざるを得ないのであります。この面の是正が行われない限り、地方財政の健全な運営を期待することは、百年河清を待つに等しいと思うのであります。今、昭和二十九年度財政規模を基準とし、物価の変動、税の自然増収などの要因を暫く度外視いたしまして、昭和三十年度財政規模を正常な基礎の上に策定するといたしますと、先ず既定財政規模是正につきまして二百九十四億円を要しまするほか、今般衆議院におけるところの地方税修正によりまして、地方税における個人事業税基礎控除その他減税による減収九十二億円、平年度化による減収五十五億円、それからなお衆議院におけるところの修正による入場譲与税額の減少を見ますと、六十億円等の要素が加わり、行政整理完了に伴うところの百億円程度の減額を見込みましても、結局地方交付税に財源を求める額は千五百三十八億円程度になるものと推計せられるのであります。この額は大体平年度所得税法人税及び酒税収入見込額の二五%となるのであります。かような算定の基礎の上に我々は一応妥当なる線といたしまして、百分の二十五という割合考えておる次第であります。なお只今申上げました数字のうち、入場譲与税減税ということを考慮いたさない場合におきましても、将来におけるところの公債償還額の増加というものが相当加わつておるのでありまして、大体この程度数字は是非とも必要であるということが考慮せられておるのであります。なお只今申上げました修正措置に加えまして、過去の赤字を解消するために地方財政再建整備計画を早急に実施することができましたならば、昭和三十年度以降の地方財政というものはおおむね赤字発生要因から解放せられまして、健全な運営が期待し得ると思つておる次第であります。  以上簡単に修正趣旨を御説明申上げました。何とぞよろしくお願いいたします。なお、これに関する資料といたしましては、まだお手許に参つておらんかと思いますが、一応計算を出して見まして、配付いたします。後刻お手許に参ると思いますが、地方財政計画是正を要する事項に関する調べといたしまして、只今大ざつばに説明いたしましたことを頂日別に算定いたしたものを差上げたいと思つておる次第でございます。なお、平年度における地方財政の推計に関する調べ、これは二枚になつておりますのを、後刻お手許に差上げます。よろしくお願い申上げます。
  8. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今修正案に対する説明が終りましたが、同法案修正案を含めました法律案に対する質疑に対しましては、次回に廻したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 内村清次

    委員長内村清次君) 御異議ないものと認めましてそのように取扱います。   —————————————
  10. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案議題に供します。この法律案に対しましては、前回修正案説明床次君からございましたが、この修正案質疑に入りたいと存じます。
  11. 小林武治

    小林武治君 衆議院修正の中の遊興飲食税の問題ですが、その中の宿泊料に関する問題で、一人一泊の宿泊料金が四百円から七百円までの金額の範囲内で当該旅館のこれこれと、それには遊興飲食税を課すことはできない。この意味が私どもには理解しかねるのでありますが、要するに四百円乃至七百円までの宿泊料は完全に免税になるということでございましようか。
  12. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今質問になりましたものは、旅館宿泊料におきまして、部屋代部分を取上げまして、これ刀普通の宿泊、必要な生活、その他事業上の必要において行いますところの普遍の宿泊につきましては、免税をするという建前をとりました。従つて今日の相場から見ますと、部屋代が四百円、地方によりましては相当違いますので、高い所は七百円というものも仕方がない。これは政令の定めるところによりまして段階を付けまして、この分は免税にするということにいたしておるのであります。これ以上の宿泊になりますと、普通宿泊よりも多少消費の強いものであるように認めて、区別をいたした次第でございます。
  13. 小林武治

    小林武治君 そうすると、七百円以上になるものは、いわゆる基礎控除のようなものは全然なくて、全部について課税するのですか。
  14. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) さようでございます。
  15. 小林武治

    小林武治君 この辺の書き方が私ども非常に理解しにくいし、又徴税上も非常に困るのじやないかと思いますが、そういたしますと、基礎控除というような観念がなくて、宿泊料金と称するのは部屋代のことだけになるのですか。
  16. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) それは都歴代だけを押えまして、今日一泊の中に部屋代食事朝晩二食付というのもありますが、部屋代部分だけをここに対象として考えます。
  17. 小林武治

    小林武治君 どうもそういうことでは宿泊料金という言葉がよくわかりませんが、ちよつと自治庁にお尋ねいたしますが、それではよくおわかりになりますか。
  18. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 只今床次委員からお話になりましたように、そのような実態を政令なり何かなりで明確にするようにする必要があるだろうと思います。
  19. 小林武治

    小林武治君 どうも頭が悪いのかも知れませんが、全くどうもどういうふうに明確にされるか、ちよつとわかりませんが、重ねて私お尋ねしまするが、要するにはつきり言えば、部屋代に該当する部分が七百円以下のものだけは免税して、飲食代に相当するものは免税しない。それからして七百円を部屋代が超過するようなものはあらゆる場合に免税はしない。こういうふうな結論になりますか。
  20. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 部屋代飲食とは別々にいたしまして、飲食につきましてはこの前の項によりまして、飲食の場合の規定がありますので、従つて飲食のほうがいわゆる遊興に当らん程度でありまするならば、その分はその分で以てやる、かように考えております。
  21. 小林武治

    小林武治君 前の飲食は、これは飲食する場所を大体指定しておるので、旅館等飲食がやはりこれに入るつもりで規定されておるわけですか。
  22. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) これは従来の取扱もありますので、旅館におきましても遊興いたしまする場合、遊囲の飲食もあるわけであります。この点はそれぞれ内容によつて分けております。かように考えております。それは一つ政府委員に実情をお話願います。
  23. 小林武治

    小林武治君 どうもそうすると改めてお聞きいたしまするが、この四に書いてあることは、部屋代に該当する部分だけのことが書いてあつて宿屋で以て例えば朝晩飲食をする、要するに食事をする、その食事には課税する、こういうことに了解して差支えありませんか。
  24. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 一つの問題は、宿泊料金とは何を言うのかという問題でございます。それにつきましては、朝夕二食付で宿泊料金をきめておりまする場合は、慣例によりまして、一の部分朝食代、三の部分夕食代、六の部分宿泊代に当つておるというようなことを明確にする必要があるだろうと考えております。第二の飲食のほうに課税するかどうかという問題につきましては、今度の修正案が成立します場合には、第二項で大衆飲食店における百二十円までの飲食には課税しないということになつておりますので、宿泊料金につきまして遊興飲食税が課されないような大衆旅館でありまして、大衆飲食店と同じ扱いができますものがありました場合は、同じような扱いをする必要が生じて来るのではないだろうかというように考えております。これも大衆飲食店についての政令定め方の問題ということになつて参ろうと思います。
  25. 小林武治

    小林武治君 どうも今のお考えは私納得できません。大衆飲食店というのは、おのずから飲食店であつて旅館とは全く別個のものであると思うのでありまして、この書き方をそのまま読めば、私どもただこれを平面的に読めば、七百円までの宿泊料金、要するに宿屋が七百円の料金であれば全部免税というふうになるのでありまして、さつきお話では部屋代に該当する部分が七百円ならこれだけ免税するとすれば、部屋代のほかに必ず飲食をしますから、朝夕食事をする、その食事には課税するというのが私はここに書いてあることではないかと思うのでありまして、前の二の項で大衆飲食店がどうこうということは、旅館には何も関係のないことで、若し又そういうことを政令で定めるということになると、私は法律趣旨に全然副わないことになると思うのであります。若し自治庁がそういうことをされるならば、私ども適当にこれを修正しなければできないというふうに考えるのであります。
  26. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お考えの点は全く同感であります。ただ飲食の点につきまして、全部課税されるのか課税されないのかという御質問がおありのようでありましたので、課税をしない場合には大衆飲食税と全く同じような形のもので政令で定められる範囲に入つて来なければならないだろう、かように申上げておるわけであります。簡易食堂簡易旅館を兼営しているような場合についてはあり得るのではないかというふうに思うのであります。そういう例外的な場合を考えまして申上げたわけであります。
  27. 小林武治

    小林武治君 そうするとこの四の関連では、要するに飲食代には課税するのだ、こういうふうにここに書いてある、こういうふうに私は了解しますが、それでよろしゆうございますか。
  28. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) これは私からお答えするのは適当ではないと思うのでありますが、ただ衆議院におきまする床次委員中心にした小委員会におきましては、そういうような考え方議論されておつたように拝聴しております。宿泊は特殊なものなのだから、これにまで遊興飲食税をかけるのは穏当でないという考え方中心であつたように思います。
  29. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は普通飲食普通宿泊宿泊と書いてありますが、これは泊るだけの分を特に抑えまして、従つて部屋代において四百円から七百円ということを書いてあります。飲食の分に関しましては、直接関係はございませんが、前の大衆飲食におきまして百二十円という規定があります以上は、少くともこれから上のものは課税対象になる、かように思います。
  30. 松澤兼人

    松澤兼人君 今問題を整理して考えてみると、先ず普通一泊幾らという、一泊二食付き幾らという料金規定方法を変えまして、部屋代幾ら朝飯幾ら、晩飯幾らと、こういうふうにすることが先ず第一だと思うのであります。そして部屋代部分に対しては七百円までは免税する、そしてその次の問題は、晩飯と朝飯とを幾ら幾らと、こうした場合に、その全額に課税するのか、或いはこれを遊興的な意味のない単に大衆食堂における食事と同じようなものとして、百二十円なら二十円までは免税するというようなとにするのか、どうも床次君の御意がよくわからないのですけれども、館の食事も下に大衆食堂みたいなもがあつて、そこで一食百二十円の食をとつたという場合はそれは免税にると思う。そうでなくて座敷で取つ食べたり、或いは酒ぐらい出るかもれないが、こういう場合に取らないか、取るのかということがはつきりないように思う、如何ですか。
  31. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は大体当初から議論がありましたが、部屋代の大体七百円と申しますると、来の習慣から見まして、二食付きの四百円ぐらいまでというものに匹敵するのではないかという議論もあつたであります。ただ立て方から申しまと、いろいろありますので、単なる屋代というものだけをここに挙げまて、その分だけは非課税にするといふうにいたしまして、今までのよう規定郡席代の場合を飲食に見ているという習慣もあるかも知れませんが一応宿泊におけるところの部屋代とうものだけを分離いたしまして、これだけを捉まえてここに対象とする。これが取扱上便利なのではないかというふうにいたしまして、部屋代の分だけここに書いたのです。飲食の分につつきましては、この場合日は規定してございません。
  32. 松澤兼人

    松澤兼人君 規定していないということが、小林君もさつき言つたように、飲食部分免税しないのだ、取るのだという建前なのか、或いはその飲食がいわゆる遊興的なものでなくて、極くあつさりした最小限度のもであるという場合には、大衆飲食店における百二十円までのものであるならば、そいつは免税するというのか、館において食事する限りにおいては安いものでもやはり取るというのか、このところをはつきりして……。
  33. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) その点は余り審議しておりませんでしたが、前の飲食関係から見ますと、百二十円までは減税するということは明らかになつております。
  34. 小林武治

    小林武治君 私は今床次さんがおつしやるような常識的に言われるならば、宿泊料部屋代に該当する部分がその範囲ならその部分に対して免税する、こういうふうに常識的な宿泊料というのは今は飲食も入つております。通常の日本旅館においては宿泊というのは大体一本としておる、こういうふうに思うのであります。私は自治庁が言つたこれで規定ができるか、よくわかるかということを特に聞きたいのでありますが、もう一つそれで部屋代が八百円になればもう全然免税にならん、こういうおつもりなんでしようね。だから基礎控除という観念全然ないわけですね。
  35. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点はいわゆる止むを得ない宿泊に対して税をかけない、こういう趣旨であります関係上、それぞれの場所におきまして、比較的高い所、宿泊料の高い地でありますれば、これは七百円なり百円に近い限界で認めなければならない、又地方で物価の安い所でありますれば、四百円程度ならば、普通の宿泊程度はこれで役立ち得るものです。従つてそれぞれの区域によつて線を引きます。それから上のものにつきましては、これは課税をするというつもりでおります。従つていわゆる免税点控除という考え方です。
  36. 小林武治

    小林武治君 一体今の地域的にこういう差別ができるかどうか、これは自治庁のお考えを伺いたい。
  37. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 地域的に区分するという問題は非常にむつかしい問題だと思つております。衆議院議論がありましたときもそういう意見によりまして、むしろ金額を一律にすべきじやないか、事務的な立場から申しますと、そう主張したいのであります。そうしますと、地方財政の現状から言いまして、高いところで金額をきめるわけには参らない。仮に四百円なり五百円なりできめました場合には、東京あたりになつて参りますと、非課税対象になるような旅館が殆んどなくなるのではないか、やはりそういうところにおいても非課税対象になるような旅館を設けたいのだ、こういう議論もございまして、最終的にこういうふうになつたわけであります。若しこの案が成立いたしました場合には、人口の段階なり何かで市町村の区分を設け、その区分に従つて金額を定めておきまして、これを標準にして府県が条例できめるというような措置でもとらざるを得ないのじやないだろうかというふうに考えております。
  38. 小林武治

    小林武治君 このままにしておきましても、例えば二千円の宿泊料を取つても、七百円たけが部屋代だと称してそれだけ免税になる、そういうこともあり得る。宿屋で勝手にきめればいいわけですね。だから私は一種の場合の基礎控除のような関係にもなり得る。部屋代幾らにしなければならないということは、旅館が勝手にきめますから、そういうことにもなり得るもの、だと思います。従つて七百円というものはすべての場合に、二千円の宿賃を取る場合にも、部屋代は七百円と言うて基礎控除みたいな恰好になり得るというふうに考えられるが、それでもよろしいか。
  39. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今の点は先ほどもちよつと申上げたのですが、部屋代が七百円だと、全体の宿泊料はその場合千四百円、或いは一、 三、六というような割合で現在の慣行が大体行われておるそうであります。その慣行というものから見ますと、部屋代が四百円なり七百円なりということであれば、普通に考えられるところの宿泊料というものの線は押えられる。従つて宿屋の経営から言いますと、不当に部屋代だけ安くして脱税を図るということは、今までの慣行からいうとそれはできない。大体部屋代というものがそれぞれの地方においてきまつておる。事実上価格においてはきまつておる。今後におきましても、政令等によりましてきめまするならば、おのずから標準がきまる。かなり賛沢な旅館でありながら、殊更部屋代を安くするというようなことは、只今申上げまする条例或いは政令の枠からきまりまして、そういう脱税方法はできないのではないか、できないように規定もできるのではないか、かように考えております。
  40. 小林武治

    小林武治君 今のお話は、立派な旅館部屋代がありますが、田舎の旅館などはさようなことを言うておる旅館は余りない。私のところは部屋代幾らです、というようなところはなくて、みんな一本の宿泊料、そういうことになつているのが通例であります。従つて私は、これはもう例えば府県の徴収の場合にも、大体自治庁のお定めになる場合も、極めて困難な事情を生ずるというふうに思つておるのでありまして、この規定そのものの書き方が非常な誤解、困難を生ずるものというふうに私は心配しておるのであります。御説明によりまして、意図されたところは大体わかつたのでありますが、さような考え方で、要するに結論的には部屋代だけで飲食代はすべて課税をする、而して大衆飲食店のことをこちらへ持つて来て、これを適用するというようなことは、私はこの上ではできないというふうに理解しておりますし、その点はたとえ政令でお定めになりましても、飲食店とこれは簡易旅館というような極く一部分のものはこれを今後尊重される場合もあり得ると思いますが、そのほかでは私はないと思う。従つてその改正の問題は、部屋代が七百円までのものは免税されるが、その爾余のすべての飲食その他に対しては課税されるものと、こういうふうに理解をせざるを得ないものでありますが、その点については、もう一度私は自治庁考え方政令その他の関係でお聞きしたいと思います。
  41. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 只今小林さんのおつしやいましたように我々も理解しておるわけでありますが、なお宿泊料金のきめ方の問題でありますが、朝夕二食付でありますとか、或いは夕食付でありますとか、そういうことで宿泊料金をきめております場合には一、三、六のような割合で何をするのだ、併し朝食代幾らで、夕食代幾らで、宿泊料幾らというふうにきめて行きます場合は、その宿泊料をとるということになつて来るわけであります。旅館の明示する仕方によりまして、食費をこめてきめます場合もございますし、別々にきめる場合もあるわけでございますので、それは旅館のきめ方に従つたらいいのではないかというふうに思います。
  42. 小林武治

    小林武治君 一体かような規定で以て減収額がどうして出たかということを聞きたいのであります。一応自治庁減収額を立てて積算された場合の……。
  43. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 遊興飲食税の税額につきまして、旅館から上つている遊興飲食税額が幾らである、料理店から上つている遊興飲食税幾らであるというふうな計算をいたしております。旅館宿泊にかかわります部分のうちで、これに該当するものが何割あるか、それを一応我々は六割程度この関係課税になつて来るのじやないかというふうに推定をいたしまして、減収額を算出しているわけであります。
  44. 小林武治

    小林武治君 まだこれは政令その他で以て……要するに殆んど大部分不確定部分であると思つております。それでも減収が出されておるが、まあ自治庁も非常に大胆であると感服いたすものでありまするが、私どもはなおできれば、一つどういう政令をお考えになつておるか、できるだけ早く示して頂きたい、かように考えております。一応この部分についての質問を終ります。
  45. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 修正案提案者に伺いたいと思いますが、遊興税とからんで修正案を出されたように承わつておりますが、少くともこの修正案のできたことによつて、平年度において九十二億円、二十九年度において十六億円という減収になるわけです。これについては提案者考えとしては、これはどういうふうにして処理すべきであるかというふうにお考えですか。
  46. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点はお手許財政計画を差上げておりますが、修正案によるところの財源の移動は、大体全部地方税範囲内において賄えるように考慮しております。お手許に行つておりませんでしようか。修正案による財源移動調というものがありまして、直接修正部分によるものが本年度十六億ばかり、それから平年度において九十二億ばかりの赤字になりますが、その赤字部分に対しては、政府の考慮しておりますところの入場税国税移管、これを取りやめることを前提としてこの案ができておつたのでありまして、従つて入場税国税として移管しないということになりまするならば、十六億は出て参ります。むしろ余りがあるということに考慮しております。なお入場税自体の調整につきましては、すでに申上げましたごとく、タバコ消費税をもちまして調整いたしましたならば、十分財源の調整はできる。従つて大体この修正案によりましては、本年度におきましては、国庫にも迷惑をかけずに、地方財政自体におきましても、不均衡の是正をしながら、十分償い得る。かように考えておる次第であります。
  47. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 入場税国税に移管しなければ、他方税の分については成るほどバランスがとれるようになるかも知れませんが、結局減税をしたということについては、国税地方税を通じて減税をしたことは事実なのでありますが、減税したものが国税地方税を通じてどうしてもそれだけ減収になる、ということになるのじやありませんか。
  48. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 国税に移管しまするところの地方税に関しまして、これを移管しなかつた場合は、やはり政府提案いたしましたごとき、政府原案入場税税率をそのまま使用いたしまして、これを行うという前提の下に計算をいたしまして、財政計画上赤字を出さないという何になつておるわけでございます。この点は相当増収分も考慮いたしておりますものですから、収支大体償う。一番大きな予定以外の収入申しますのは、いわゆる第三種入場税政府案で全然落されている。二十億違つております。それが入つて参りますために余裕が出て来る。さように御覧頂きたいと思います。
  49. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 二十億の第三種入場税というのは二十九年度においても平年度においてもそう変りはないわけですね。ところが平年度で九十二億ここで減収になれば、このものを国税から穴埋めしても、別の国税の方へ穴があくことになるのじやありませんか。
  50. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 平年度の分、三十年度以後に関しましては、私ども別個に考慮しておりまして、更にこれを是正するために、本日御説明を申上げました地方交付金交付税改正によりまして、その他の赤字も合せまして三百億円ぐらいの補填はしなければならない。これは交付税率を百分の五上げまして償うべきである。かように考えておる次第であります。  なおこの交付税の場合におきましては、先ほどちよつと申上げましたが、入場税政府案に対します過般の修正案によりまして、更に多くの赤字を、七十億ばかりの赤字が出ておりますが、そういうものを見ましても、少くとも三百億以上不足である。なお将来公債の償還等を見ますならば、百億ぐらい要るのじやないか、四百億ぐらい考えられる。政府が明年度におきまして別個の制度改革を行わないならば、当然これは交付税で見るべきであろう。さように考えまして、交付税のほうも同時に今回修正いたしておる次第であります。明年度予算前におきまして特別の措置が行われますならば、この点は別個に考えてもよろしい。今の前提ならば、百二十五億は取つて置くのが地方財政のために必要である、それぐらい財源の偏在是正を行なつてもむしろ適当であろうと、私どもはかように考えております。
  51. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 そうすると、もつと簡単に今のこの段階において申上げますれば、二十九年度において十六億円不足が出る。これは隠したと言つてもいいかも知れませんが、第三種の入場税を二十億を以て当てれば、とにかくカバーできる。ですから隠された財源で減税をやつたということに考えていいわけですか。
  52. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) これは隠されておる財源ではなくして、政府が放棄しておる財源です。
  53. 加瀬完

    ○加瀬完君 提案者の御説明を承わりますと、その前提条件として、国の予算のしわが地方に寄せられておる。地方財政自主性が失われておる現在、是正が行われておらない。再建整備計画がない。併し予算も成立しておるので、その範囲内において可能な最大限の修正をしたのだと、こういうような冒頭の御説明があつたわけでございます。でそういう立場で修正されました個々を拝見いたしますと、確かに我々は妥当な点を認めますが、併しその結果を見れは、伊能さんから只今もお言葉がありましたように、税収入の相当な減収を来たしておるわけであります。そうなつて参りますと、先ほどの前提条件でありました地方財政自主性でありますとか、或いは又再建整備計画でありますとか、そういう地方財源を充実するという目的は、この修正によつては甚だしく遠退いて来ておるということも言えるのじやないかと思うのです。少くも地方財源の充実を図るということであるならば、独立財源をもつと増大しなければならないということは、輿論の一致しておるところであります。その独立財源であります入場税といつたようなものを、国のほうに移管されたままの形を認めた上で修正をするということは、結論においては初めの前提の財源充実ということにはならないことになろうと思うのであります。その点、大変今までのかたの具体的な問題に対しまして、抽象的な問題で恐縮でありますが、この修正の立場に立たれましたかたが、修正可能な最大限の修正と申されるのでありますが、地方税制がこのたび改正される一番の目的でありますところの地方財源の充実というものには、何らならないところのように思われる。最大限の修正というもので初めおつしやられた四つの大きな目的というものを達しられるとどうしてお考えになるか、その点について先ず伺いたいと思います。
  54. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今お尋ねを受けたのでありますが、私どもが地方税修正をいたしましたのは、入場税は国に移管しない。それが地方税として一番大事であるというふうに考えております。移管しないという建前の下にこれを作つております。その後に、実は入場税法案衆議院において多数を以つて可決されました。委員会におきましては、地方行政委員会におきましては入場税は移管しないという建前をとつてつたのであります。その後になりまして、この地方行政委員会の方針と、反した決定が本会議において行われたという事情であります。従つて、この修正案自体におきましては、地方税全体といたしましては、入場税も移管しない建前を以てできております。従つて修正案について申上げますと、入場税に関した部分と関しない部分と、二つ提案せられておつたのでありますが、結局におきまして、事後の変化によりまして、入場税に関した部分は、当初予定いたしましたところの修正案衆議院においては認められなかつた入場税に関しない部分事業税から固定資産税に至るまでのその他の一般の地方税、この分は修正案通り可決されたということになつております。私どもの企図いたしましたところについては、半分は実現したけれども、半分は実現せずして参議院のほうに送られたという結果になつておる。この点を私どもは甚だ遺憾と思います。なお十六億の財源についてお話でありましたが、私は十六億くらいのものは、地方税の全体の自主性確保という点から見て、非常に有利であるというふうに考えておるのであります。先ほども申上げましたが、政府において一応放棄した形になつておりますところの第三種入場税というものを活しておるという点において、無駄がなかつたという点を一点において認めるのでありますが、最も大きな自主性を確保するという点におきましては、入場税地方に確保する。この点は私はやはり私どもの修正案のよいところであつたと思つております。ただ遺憾ながらそれが外されたということは、自主性という点につきましては、非常に大きなゆがみが来たしたという点については、質問者の御意見と私は同じように思うのであります。甚だ遺憾に思うのであります。
  55. 加瀬完

    ○加瀬完君 御説明よくわかるのでありますが、只今説明によりましても、最大目的を地方財源の充実というものに置きまして、少くも入場税といつたような独立税は地方に残すという立場で他の面の修正をしたのだ、こういうお話でありますが、それならば現実におきましては、入場税というものが国のほうに移管になつてしまつたのだ。そうすると、入場税というものを切して残された他の修一正というものだけここに我は審議をいたしつておるわけでありますが、提案者のお立場に立ちますときに、入場税を除いてしまつた他のものの修正だけで初めの御意思というものが活きておるのか、どうか。こういう点が一つの点であります。  もう一つは、入場税というものが国のほうに移管になつてしまつた。それならば、特別な独立財源というものが非常に稀薄になつて来る。この穴埋めというものを全然考えないで、入場税を取られてしまつたままの修正案というものが、提案者の側といたしましては、初めの意図と食い違いを生じておるというふうにはお考えになつておらないか。似たような問題でありますが、分けまして、二つの点をお伺いしたい。
  56. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今のお尋ね、第一の問題につきましては、この入場税を除きました部分につきましては、実は衆議院地方行政委員会といたしまして、殆んど各委員の意見の一致をみたところであります。程度の差はありまするけれども、大体の方針について皆さんの御賛同を得ておる次第であります。従つて入場税の問題が如何ようになりましようとも、前段の分はこれは是非とも実行いたしたいと、かように考えておる次第であります。なお、その前段の分だけの修正によりましても、ここに十六億赤字が出るのじやないか、私はこの赤字は大したことと思つておりません。額から申しますと、全体から申しますると、やはりこの程度赤字を出しましても、地方税のためにはよいものだと思つておりまするが、なお税法の施行時期如何によりまして、この点は赤字が埋つて参りまするので、即ち地方税のうち入場税の新らしい修正案による実施が一月遅れますると、その分によりまして十三億ばかりのプラスは出て参りますので、この何と申しますか、前段の部分修正案のみによりましても、私は円滑なる地方財政が運用できるものと思つております。  それから入場税国税移管が実行されてしまつて修正案意味がなくなるではないかというお話でありますが、私は修正案として完全を欠いたという点は遺憾に思うのでありますが、併しさりとて全般の修正案全体を御破算にするべきものかどうかということにつきましては、別個でありまして、先ほど申上げましたように入場税の問題が、地方税存置が実現いたさなくても、前段の修正案はこれは行うべきものである。これは強い意向が衆議院地方行政委員会においても認められておつた次第であります。その場合におきまして、さような結果におきまして、この前段につきましては、入場税部分と異りまして、依然として修正案通り生きておる、かような次第でございます。
  57. 加瀬完

    ○加瀬完君 この入場税を除いてしまつたあとの修正というものを、御説明のように個々に見るときにはいずれも妥当な点でありますので、この個々の点について我々は妥当でないというふうにこの問題を考えているわけではないのであります。併し全体の構想から見るときに、地方財源の充実という大きな目的に立つて税制改正がされようとしておりますときに、その大きな目的の財源充実という点から考えるならば、個々に見てそれが修正が妥当であろうとも、税収入そのものを大巾に減じて来るということでありましては、それを補う何かがなくてはその修正というものもそのまま認めるわけには行かんという見方も成り立つのじやないか、そういう点についてその後の情勢の変化がありましたのですけれども、修正者側にとりましては、何ら御考慮される点はないのでございましようか。
  58. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 問題の点は修正案が成立しましたのちの現象でありますので、当時においては予測しておらなかつたことでありまするが、この点は又参議院は参議院の立場におきまして、十分御批判を頂けるのじやないかと思います。ただ修正案を出した者の立場からいたしまして、入場税国税移管について意見を言えとおつしやるなら、私は入場税国税移管はよろしくない、入場税国税移管を実施いたさなくても、同じことが完全に地方税範囲内においてできる、而も入場税地方に残しながらできるのであるということを申上げたいのであります。  なお、もう一度重ねて申上げますならば、入場税を成立せしむるために二度目の減税政府原案にすでに減税が行われておつたにもかかわらず、更に減額修正してこれが衆議院を通過しておるのであります。そのために七十億はかりの新しい地方財源に赤字を殖やしておる。これに対してましては、国庫において特別なる措置をする道を講ぜられておるのですが、いずれにいたしましても、その減税ということに対しましては他の財源を以て充てておる。こういう点見受けるのでありまして、この点は私どもは修正案提案いたしました者の立場から申しますと、甚だ遺憾に思うのであります。むしろ地方税全体の体系から言いまして、今日六、七十億の減税を行い、これを一般財源から補うというような措置は、他の税の軽減の釣合等から見ましても、いささかどうであろうかという気持はいたしております。若しも今日新たに六、七十億円の減税財源があるならば、まだまだ一般の地方税の中で以て減税をしたいものがあるということはお互いに考えられることだと思います。
  59. 加瀬完

    ○加瀬完君 自治庁に伺いますが、昨日大蔵大臣の説明でも、そういつたよう収入減の面を国庫収入の十九億、或いは又地方借入金等の二十億の支出によつて補うというふうな説明があつたのでありますが、恐らくそれだけ出してもらつたところで地方財源の貧困が一挙に解決できるということにはならない。従つてどうしても税の増収というものはこれはもう図らざるを得ない。そこで結局税率は下げたけれども、いろいろな形においての強制取立みたいな形になつて税率は下つたけれども、結局払つた税金は非常に多くなつたというような形になつて現われては来ないか。そういう心配は絶対にないか、そういう点について伺います。
  60. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 地方税の面におきましても、事業税や固定資産税が減税をしております。減税をした結果、減税しない前よりはそれだけ減収になるという計算をしておりまして、減収になりました地方税を以て全体としては地方財源が過不足なしでやつて行けるだろうというふうな財政計画を立てましたので、特に従来よりも苛斂誅求が余計行われ、或いは強制負担金が余計殖えるというようなことにはならないと思つております。
  61. 加瀬完

    ○加瀬完君 それはないと御説明なさることは御尤もでありますけれども、例えば遊興飲食税にいたしましても税率を下げる、或いは非課税範囲を拡大するといつたところで、各地方団体は税をたくさん取りたいのでありますから、割当の調整というふうな形で結局総額そのものはさつぱり下して来ない、そうすると税率は下つたけれども、払つた税金は余計になるというふうなことが今までもこういう例がたくさんあつた。こういう問題について万さようなことはない、税率を下げた結果が大衆の上にも必ず現われるということをお約束できるのでしようか。
  62. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今の御質問入場税についての御質問でございましようか、それとも……。
  63. 加瀬完

    ○加瀬完君 それは一つの例を挙げれは……。
  64. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 全体的な問題であるといたしますれば、減税によつて相当の減収が生ずる。その半面たはこ消費税等によりまして穴埋めをするというふうな財政計画にいたしておりますので、減税いたしましただけでも、少くとも従来よりは財政面が円滑に行くのじやないか、減税をした結果それが逆に強制負担金に肩代りするということは絶対にさせないというふうに考えております。
  65. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 修正提案者一つ伺いたいと思いますが、それは遊興飲食税の問題で、これは、どなたか或いは御質問なさつたかも知れませんが、現行沖ではとにかく政令で指定した大衆飲食の場合に、これは一人一回の料金が百円以下で且つ一品の価格が五十円以下である、こういうふうなのを今度一紙して修正では一人一回百二十円以下の飲食を非課税とする、こういうふうになつたわけでありますが、これはこの非課税問題は、前の修正のとき、いわゆる現行法のときでも、随分これは問題になつたのでありましようけれども、今回はそういう非常に複雑な点をはつきりまとめて一人一回百二十円以下、こういうふうにきめられたことは、私はすつきりしていいと思うのでありますが、そこでこの一人一回百二十円以下というもの、この基準をきめるということはなかなかいろいろな面から考えてみて決定しかねるということであろうと思うのでありますが、百五十円以下というふうな考えを持つておるところの人もあるのであります。これを百三十円にされた考え方ですな、それをちよつと伺いたいと思うのですが。
  66. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は、趣旨におきましては普通の主食、或いは主食に類する飲食というものは非課税にしたいという考え方が端本であります。その場合に主食の値段が幾らでいいかという点で、百五十円になつたほうがいいという希望もありまして、例えば一例を挙げますと、すし屋さんのごときは百五十円一人前、それくらいがよかろう、そうしてもらいたいという希望もあつたのでありますが、併しまあいろいろ大衆飲食店等の主食を見て頂きますならば、今日のところ百二十円以上であつて大体いいのではないか、これが無税になりまする関係上いいのではないか。税がかかれは百五十円ということになるかも知れませんけれども、税がかからないとすれば百二十円で押えるということで、まあ今の消費生活などを考えていいのではないか、かような立場で百二十円ならその目的を達するであろうという気持であるわけであります。  なお喫茶のほうの関係は、喫茶でも主食に類するものを食べるのではないか、パン等近頃大分食べますので、こういうものは主食に類するものとして大体百二十円までの減税をみている。単なる喫茶というものは百円以下で押えるという形、まあ根本的な考え方はそんなところから出て来たのであります。まあ百二十円なら主食或いは主食の類するものは一応食べられます。そに程度のものならば生活の必需品として課税から外すべきではないか。かように考えております。
  67. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そうしますと、何かいわゆる物価水準とか、そういうふうなもの、科学的なものによつて一応考えられたのではなしに、大体このへんが手ごろだろうということになりますか。そういうふうにおきめになりましたか。
  68. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は前の大衆食堂その他の例を見まして、現行行われておるものから見まして、この程度のものがふさわしいのではないか、別に計数等につきましては特に算出してはおりませんが、現在大衆食堂におきまして何しておりますものを参酌いたしますと、この程度でよくはないかというので、この数字なつたわけであります。
  69. 小林武治

    小林武治君 もう一つつておきたいのでありますが、衆議院修正では発電施設等に対する課税の遡及を取りやめておるのでありまするが、これは地方財政における大きな影響があると同時に、私聞くところによると、電気料金は値上げをしなければならん事態であるが、かような地方税を軽減することによつて料金の値上げを或る程度抑えるというふうな建前政府の方針であるように聞いておるのでありまするが、料金等に対する関係等を考慮してこの改正をされたかどうか、お伺いします。
  70. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 電気設備の課税の問題は相当慎重に委員会でも考えたのでありまして、当初はほかとの関係もありましたものですから、或る程度まで電気事業関係のものにつきましても、若干の負担は止むを得ないという数字を出したこともあります。ところがその当時、それがどのくらい影響するかと申しますと、パーセンテージにしますと、二・二%くらい影響はあるようであります。他の観点から見ますると、それくらいのものは電気事業に負担してもらつてよいじやないかという意見も相当強かつたのであります。併し少なくとも現状の電気料金を維持しようという、成るべく安くしようというときにおきまして、若干でも値上の口実を与えるということは好ましくなかろうということになりまして、結局電気事業に関するものにつきましては、全部影響のありますものを中止いたすことにいたしました。従つて遡及の分も電気事業に関する分は遡及いたしておりませんので、その他のものについて規定が若干残つておる次第であります。
  71. 小林武治

    小林武治君 そうすると、私は通産省のかたに伺いたいのでありますが、今度の税法の修正などは電気料金の調整には何ら触れておらない、こういうふうに解釈されると思いますが、その点について伺います。
  72. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 只今床次委員からお話通りに、当初衆議院におきます審議のときに、電気事業に関します政府案による地方税の軽減がだんだん又逆戻りするような意見が出ておりましたが、結局におきまして本修正案におきましては、政府原案通りに戻つております。従いまして当初我々が期待しておりました程度減税は、本修正案においても期待しておるわけであります。但しこれは法人等を一含めまして、税法全体といたしまして或る程度の緩和措置になつておりますけれども、それによつて電気料金の値上げが全然必要にならないという程度になつておらないことは、前から申上げた通りであります。
  73. 堀末治

    ○堀末治君 私は修正案提案者に対しまして、根本的の態度について少しお尋ねを申上げたいと思います。それはこの提案理由説明にございます、第一に四点を挙げておられるのでありますが、その第一点は一兆円の予算のしわが地方財政に寄せられておるということを感ぜられておる、こういうことも言うておられる。そうして僅かに百五十億認めるに過ぎないとか、こう申しております。第二点は、地方財政自主性の確保が税制改正の目標でなければならないが、本改正はむしろ自主性を弱化する方向にあること、こういうことなんです。そうしていろいろここに内容を御説明になつておられる。その次に地方財源の偏在是正という問題について、これも根本的な御意見が載せられてありますし、続いて第四点には財政計画の策定並びに税制改正に当つてはその前提として地方財政の窮乏に対処するため、財政の再建整備計画の樹立が必要である、こう言うて、どちらかと申しますと、政府提案地方財政改正法案に対して、痛烈な批判をなさつておられる。一種政府に対する不信を鋭どく突つこんでおられるように見えるのでありますが、一体根本の考え方はどういうところにございましたのかどうか、ということをお尋ねしたいと思います。
  74. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今の点は誠にその通りでありまして、私ども地方財政の将来につきましては、只今挙げましたところの四つの点が実現さるべきであると思つております。併し本年度はいろいろな事情もありまして、これが困難であるということを 縷々述べてありますが、かような観点でございまして、少くとも本年も善処いたしまして、明年度以後、成るべく将来におきましては完全な形にこれを持つて行きたいと思つております。従つて先ほども提案理由を御説明申上げましたところの交付税改正のごときもその一環であるということを御承知おきを頂きたいと思います。なお議論になりましたところの入場税地方税にそのまま存置するということも、その一つの問題であろうと思います。なお、できるならば将来自主的財源をもつともつと殖やすこともいいのではなかろうか。たばこ消費税も増率する問題もあろうかと思いますし、或いは酒の消費税を更に若干配付するということも考えられていいかと思つておりますが、いずれもこれは将来の問題として残されておる。併し現下におきまして、実は政府原案を通さないということになると地方団体が非常に困ります。今度の地方税法案は、大体従来の案よりも減税になつております関係上、是非ともこれを通過させておく必要があるのであります。従つてその範囲内、かなり狭い範囲内でありますが、その範囲内においてできる限り均衡をとり、形をよくいたしまして、修正案を成立せしめたようないきさつでございます。
  75. 堀末治

    ○堀末治君 塚田大臣にお尋ねいたしますが、折角政府がいろいろ心配して出されたこの地方税改正案に対して、こういうような痛烈な一種不信任案的な四項目を挙げられて大修正を加えられたということに対しては、大臣はどういうふうにお考えですか。
  76. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘になつておる考え方に別に異論があるわけではありません。併し私どもは政府が出しておるものが、御指摘になつておるようなものになつておるとも必ずしも思つておらないのでありまして、私ども同じ考え方から問題をもつといろいろに検討した結果、修正案というものに、ああいう工合に落付いた。若干感じの違つて、と申しますのは、私はこういう感じじやないかと思うのでありまして、私も自治庁長官としてものを考えますると同時に、やはり国の財政全般を考えるという気持と両方あるわけでありますが、そのどちらに重点を余計置くかということが、この問題の判断に大分具体的に近付いて来るのではないかと思います。私も地方財政だけを見ておりますならば、もつと独立財源が余計欲しいし、余計欲しいとなると、国からのいろいろな譲与税、交付税もどうしても総額がもつと欲しいという感じがあるのであります。それをどこから持つて来るかということになれば、或る程度抑えなければならんという感じも出て来るわけであります。それからもう一つ感じが違つて来たのは、地方が非常に財政窮乏しておるということに対する認識、どこに原因があるかということがもう一つ恐らく違つて来るのではないかと思うのでありまして、私も政府側がいろいろに財政措置をそこへ十分にしておらなかつた点も若干ある、そういう点はできるだけ是正しなければならないと、こう思うわけでありますし、併しそれと同時にやはり地方もよほど締めて頂かないと、今日の国民の要請であるところの財政の緊縮、併せて国民負担の軽減という要請はなかなか合致しないのではないかというように考えますと、余りゆるやかに地方財政計画というものを立てるということも、必ずしも本当に国を心配するゆえんではないという考え方が総合的にはなりまして、私どもとしては政府案のような線が一番いいのではないかと、こういう考え方をいたしたわけであります。
  77. 堀末治

    ○堀末治君 提案者にお尋ねをいたしますが、今の四つの観点から修正案が出されておりますが、私は四つの観点に立つて修正は、少しくロジックが合わないのではないかという感じがいたしますが、如何でしようか。それは大体言うと、この改正案は自主性を弱化する、百、五十億に対してはその措置もしてない、いろいろこういうような事例を挙げられておりますけれども、この通り減税をすることは、納める人にとつては誠に結構なことですが、減税そのものには私は決して反対はいたしませんけれども、いろいろなこうして減税をしたばかりに、先ほど来他の委員からも御意見がありました通り、いろいろと財源に欠陥が出ておる。いろいろ又私も内容を聞いたこともございますが、いわゆる入場税の問題等についても、修正案をめぐつて随分衆議院では論議も交されたことも承わつておりますが、それらについても随分政府案と修正案との財源の間に意見の相違があつたということを聞いておるのであります。いろいろなことで大分地方財政減収を来たすということでありますというと、どうも今度の修正案は前の四つの観点といささか背馳しているというような感じがいたしますが、その点如何でございましようか。
  78. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 只今お尋ねがありました、修正案において相当減収になるのではないかという御懸念であつたのでありまするが、この点は先ほどもちよつと御説明申上けたのでありますが、修正案によるところの財源の見通し、これを御覧頂きますならば、修正案そのものによつて減収を来たしていない、予定いたしました減税を実行いたしましても、地方財源の歳入には迷惑はかけないという立場で作つたのであります。入場税国税移管いたしますのを取りやめますと、十九億国庫に入るものが入らなくなつて来たという点が欠点と思いまするが、併しこの点は徴税手数料とも関係いたしまするし、国庫といたしまして殆んど考慮しなくてもいい数字ではないかと私は考えております。特にそれを申上げましたのは、爾後におきまして、更に修正せられました入場税減税を実施されました。これは修正者は私どもと全然別個な立場において行われたのでありますが、このほうは七十億という赤字を平然として作つておられるのであります。この数字と私どもの数字と比較してとつて頂きますならば、我々の修正案が決して不当に地方財政赤字を作るものではない、殊に国に迷惑をかけるものであるということは全然私はないと考えております。
  79. 堀末治

    ○堀末治君 君この点自治庁の見解は如何でごさいましようか。
  80. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 私は先ほど申しましたのは、政府原案について申上けたのでありまして、従つて政府原案の気持というものは先ほど私が縷々申上げた通りであります。その後いろいろな事情で国会側において御修正になり、私も万般の事情上止むを得ないという考え方において、或る程度是認はいたしたわけでありますが、私は地方財政というものを本当に地方財政だけで考えるならば、本当は地方税というものを種類も余計にし、税率もかなりに大きくするということのほうが、地方財政の立場から健全にするというのが一番私は正しい方向だと思う。併しやはり国民負担ということを考えればそうも行かないものですから、おのずから或る限度で押える、それで足りない部分は国から持つて行く、そうなりますると、国税全般、国民負担全般の問題でありますから、国の中央の需要と地方の需要と含めた判断に立つておのずから問題を検討して行かなければならない。そうなると、偏在しておるものがあれば或る程度偏在是正をしなければならないし、それでなお足らないものは国税で取つたものを地方へ廻して行くという結論になつて行くわけであります。ですから私の気持を率直に申上げますならば、本当に国会側の御修正地方財政を御心配頂くならば、減税部分はなしにして、殖やす部分だけやつて頂ければ有難かつたと、こういうふうに率直に感じているのであります。併しこれは率直に感じているだけであります。併しここに減税なつ部分は皆反対だということになると、そうではないのであります。賛成できる部分もあるのでありましてこの辺は考え方 の違いでありますから、別に衆議院委員会において御修正なつたことをとやかく申上げるということはありませんが、感じ方はそういうことであります。
  81. 堀末治

    ○堀末治君 それで、減収問題についていろいろ批判が出ておりますし、床次さんからも決して減収にならないという御説明がありますが、これに対して自治庁はとう御覧になつておりますか。
  82. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 床次さんからお答えになつておりますことを承わつておりますと、床次さんが当初修正案としてお出しになつた場合の措置、それと今度衆議院を通過して来た案における措置と二つに分けてお答えになつているようであります。十分おわかりだと思うのでありますけれども、床次さんのお話になつております床次さんの案におけるバランスはこれは合つていたと思います。それは御説明によりますと、入場税徴収額の一割を国へ納付しなければならない。それが地方税に留まつた場合には、地方の財源になるわけでありますから、十数値の減収が生じましても、入場税地方税存置によつて埋めることができる、こうお答えになつているようであります。その通りだと思います。それから現在の案においてはどうなるかということにつきまして、先ほど来床次さんのお話を伺つておりますと、これでは十何億の穴があいて、他面入場譲与税が百七十二億八千万円だけは確保され、入場譲与税法の改正によりまして、入場税収入の如何にかかわらず入場譲与税は百七十二億八千万円だけ国から補償される。ところが入場税国税移管が遅れれば遅れて来ただけ入場税収入地方の財源になつて来るのだ。これが一月遅れれば十数億円になる。現に一月遅れているじやないか、それでもバランスが合つているじやないかとお答えになつております。それもその通りであります。それができますれば、現に衆議院を通過した法律案におきましてはその通りであります。その措置がいい悪いということはございましようけれども、お話になつている点につきましては、我々もそのように考えております。
  83. 堀末治

    ○堀末治君 この入場税の問題は随分衆議院では議論があつたそうであります。つまり政府のほうの見方は、このままでは入場譲与税は大いに欠陥を生ずる、それから修正側のほうではこれは取つてみなければわからないし、必ず取れるというような議論を随分交わされたように聞いておりますが、その辺如何でございましようか。
  84. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) それはまさにその通りなんであります。私どもがこの政府原案で計算をいたしました税収の見積りというものを、又その計算を基礎にしてやりますと、どうしてもそんなには取れないというように強く感じておるわけでありますけれども、これは御修正になる側のかたがたがそれほどではないというわけで、大分意見の食い違いがありまして、初めの頃は全然減しないというような御意見さえあつたのでありますが、併し結局はそうは言い切れないというようなところまでは考え方が変つて来られたようでありますが、併し、なお我々の感じとは大分まだ違いがあるようであります。
  85. 堀末治

    ○堀末治君 修正なすつた委員のおかたと政府考え方とは、どつちかやつてみなければわかりませんが、政府の見方通りに持つてつて減収を生じたということになつた場合に、どういう措置をなさるわけですか。
  86. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは減収を生じたというもので、二十九年度にすぐに響いて来るものとそうでないものとがある。二十九年度に響いて来るものは、私の考え方としては最終的にどうしてもそれが見積り通りに行かないと、現実に減収して、例えば入場税減収によるものにしましても意見の食い違いがあつて、今の考え方、先ほど提案者の御説明にございましたように、先ず国に譲与する一割、次に二十億の借入金ということで穴を埋めておいて、百七十二億八千万円は確保するということになつておりますが、これでもなお借入金によつた分はどうせ年度を越して穴を埋めなければならない。それも来年度不足が出て来るわけですからして、仮に併しその二十億でもなお足りないということになると、入場税減収による部分は明らかにこれは二十九年度不足を生ずるから、これはそれについては当然国が措置をすべきものである、こういうように考えております。そういうふうにして全体として二十九年度にすぐに減収の結果が出て来るものについては、私は当然これは措置をしてもらわなければならないと考えております。三十年度以降の分につきましては、政府の当初の考え方では一応そういう工合に意見の食い違いがあるからして、二十九年度政府原案、それに対する国会の修正案、そういうものを総合して運営してみた結果について、一つもう一度考え直そう、こういう考え方をいたしているわけです。
  87. 堀末治

    ○堀末治君 これは質問が逆になつてしまつたのですが、若しも入場税をあの通り税率を下げたために皆様がたのお見込みの通りに行かないということになりますと、政府に跡始末をさせようという大体のお見込みで税率を引下げたわけでございますか。
  88. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は実は違うのでありまして、私どもの修正案によりましては、大体入場税は国に移管しない建前で実は出しておつたのであります。その後入場税のほうは衆議院の大蔵委員会のほうにおきまして、自由党と日本自由党との共同提案によりまして入場税修正が行われました。従つてその譲与税のほうの修正衆議院地方行政のほうにおきましては、自由党のほうにおいて修正されまして、先ほど提案理由たけ御説明されたような事情であります。建つて私どものほうとは、大分その点入場税そのものの扱いにつきましては全然逆な立場に立つているというふうになつております。
  89. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 もう一回提案者に伺いたいのですが、さつき入場税をつまり国税に移管されなければ、国の十九億二千万円というのが地方庁に入るから、それで十六億くらい減つてもカバーできる、バランスが保てる、こういうお考えつたわけですか。
  90. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 入場税に関する財源の移譲につきましては、入場税国税移譲をやめる、たばこ消費税の課税を制限した財源移譲、これがありまして、これによりますと、大体財源のほうは全体いわゆる均衡是正まで入れまして、バランスがとれるつもりでおります。なおそれ以外の財源につきましては只今お話がありましたが、先ほど私が申上げましたが、第三種の入場税というものが今まで地方税から除外されて、これが法定外特別税としてとればとれる形になつているのでありまするが、その分が二十億ある。従つてその分から申しましても十六億くらいのものは埋め得るということを申上げた次第であります。
  91. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 法定外の入場税というのは、そのお考え一緒法案提案するというお気持だつたのですか。第三種入場税ですね。そういうお考えであれば、法律としてそういう税法案を作るというお考えはなかつたのですか。
  92. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 修正案の際におきましては、第三種の入場税は当然従来通り残しておく、但し第三種の中におきまして、この中にちよつと説明が入つておりまするが、麻雀とか或いは球突き等のごときもの、それからパチンコ、これは従来非常に不合理であつたと思います。今度地方税修正いたしまする以上は、もつと合理的な基準によつて、而も徴収の完全な方法に改めるのがよかろうと思つたのでありまして、従つてこの修正案の中におきましては、特にこの麻雀、パチンコ、それから球突きにつきましては外形標準をとりますと同時に、いわゆる免許制に近い趣旨を取入れまして、営業の免許を届け出ます場合におきましては、やはり納税をしていなければいけない、滞納しておるときには免許は得られないという関連性を持たせまして、確実に納めさせる、而して税額は従来収入いたしましたものを確保できるようにいたしております。今まで業界のいろいろ話をきいておりますると、納期になりますと名義を移転してしまつて、税金を納めないという脱税が非常に多い。このためにまじめな者が損をするということを聞いておつたのです。従つてその点はこの際地方税法改正のときに改めて行きたい。その規定を附加えまして、実は修正の中に入つております。お手許に差上げました修正案もその趣旨が入つております。なお、修正の場合にはそういう形におきまして、当然入場税として確保できたわけでありますが、政府案によりまするならば、これは結局法定外特別税として取らなければ、各府県は取る途がなかろうということになると思うのです。この場合におきまして、府県によりましては手数料を認めまして、これを取る場合もあるし、或いは財源の豊かな所におきましては、取らないという所もあるかも知れない。そうなると同じ業種の間において非常に不合理が出て来る、かように考えております。それからなお入場税を国に移管しなかつた場合におきましては、一割の手数料は当然これは浮かんで来る、十九億はそのまま地方に返つて来るわけでございます。
  93. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 塚田長官にもう一回、さつき委員からもお伺いした関連したことで、或いは重複するかも知れませんが、今の修正案をこのままで行けば、本年度はつまり十六億円不足財政計画の上に出て来るわけです。財政計画についてどういうふうにしようというようなお考えがあるのか、この案がこのまま通るとした場合に、入場税の問題はこれは別として、この今の地方税体系として十六億円の二十九年度における不足になつて来る、その財政計画によつて説明しないというと、これは知事会やら市町村長会やら盛んに大騒ぎをすることになるので、その肚構えだけ承わつておきたいと思います。
  94. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ御説明を申上げることはどのようにでも申上げられると思うのです。例えば先ほどから御議論になつておりましたが、今の入場譲与税関係が時期的にずれたものからでも相当の額が出て参ります。尤もこれも今それが出て来るからというので、入場譲与税法案の国会側の、衆議院側の修正を又更に修正されて、この百七十二億八千万円が減額されるようになれば、これ又何にもならなくなる。それから又第三種のものまでも今のままで私どもとしては法定をすれば、法定をしてもいいという考え方でおるわけです。法定をすればそれだけ財政計画の中に入れられるわけでありますが、併しこれは本当は先ほど床次議員が放棄したとおつしやつたのでありますけれども、実は放棄した意思はないので、よく承知しておつて、これくらいはまあゆとりをとつておいて、法定外のものとして取つておきたいというくらいの感じを持つてつたのであります。ですから本当はそれだけ新しいものがプラスになるというわけには行かないのでありまして、ただ法定をすれば形式的にははつきり財政計画の上に乗るということになるのであります。ですから実質的にはやはり修正が行われて、我々の計算通り減収になれば、十六億というものはそれだけ地方財政にとつてはマイナスになるという考え方をせざるを得ないわけであります。
  95. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 そうすると、やつぱりどういうふうにしてくれるかということを、それは当然迫られると思いますが、何とかしなきやならん。財政計画がこれだけ赤字を出しているのですから、こういうふうにするのだというお考えを我々にも説明をして頂かんと、このまま通すなら、どういう説明で通したのか、必ず我々聞かれるのです。
  96. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ国会修正から出ておる法律でありますから、希わくは国会側において併せて御修正頂ければ非常に有難いのでありますが、若し御修正がなくて、最終的に国会側のこれに対する御決定が行われれば、別の機会に何とか考えなくちやならんと、こういうふうに考えております。
  97. 小林武治

    小林武治君 先ほど発電施設の問題が出たのでありますが、これはまあ要するに考え方としては、地方の町村の犠牲においてこの電気料金を或る程度維持しようと、こういうふうな考え方でありまするが、これは自治庁としては或る程度違論を持たれたに違いないと思うのでありますが、その事柄は或る程度臨時的に、私は読んでおりませんが、期限が付してあると思いまするし、なお課税価格につきましても相当に減額をしておる。要するに地方町村の税収入を犠牲にして電気料金に資しておると、こういうことになると思うのでありまするが、私はかような考え方は飽くまでも臨時的なものでなければならないと、こういうふうに思うのでありますが、その点は自治庁はどういうふうにお考えになつておりますか。
  98. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 考え方の基本は小林さんがおつしやつたのと全く同じでございます。ただ軽減措置につきましては、二つに分けて考えて頂きたいのでありまして、発電施設でありますとか、鉄軌道でありますとかいう巨大な固定資産につきましては、新らしく取得されました場合には最初の五年間は三分の二を軽減する。あとの五年間は三分の一を軽減する。十年あとは普通納税で徴収して行く。これは臨時的な措置じやございません。恒久的な制度として考えておるのであります。  第二に、昭和二十九年度の分に限りまして、最近五年間に設置されました発電施設につきましては六分の五を軽減する。従つて六分の一の税率課税をして行くというような措置をとつております。これは全く今年の特殊な事情に嫌みます臨的時な措置でございます。
  99. 小林武治

    小林武治君 地方の今の発電施設の所在する町村の税収入を、二十九年度を見ますると非常に大きな変動があるのでありまして、これは償却資産のほうを何するということと同時に、基準財政需要の百分の二十とか、三十とか、このことによつてもこの点が非常な大きな影響を受けておるのでありますが、私は突然地方の町村の収入にあのような巨大な変動を与えるということは非常に私は不合理であると思う。而してこれをほかの方法で見会うとしましても、極めて不十分なものであると思うのでありますが、かような大きな租税収入の変動というのは町村の財政需要に非常な大きな影響があるのでありますが、特別な考慮をこれについて払われておりますかということをお聞きしておきたいと思います。
  100. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話のような変動を与えるということは好ましうございませんので、当初は過去の取得にかかる発電施設に対しましては、特殊な軽減措置は行わない。これから取得されるものについてだけそのような軽減措置を行なつて参りたいというふうに考えておつたわけであります。併しながら電気料金をめぐります特殊なる事情から全くやむを得ない措置といたしまして、過去に遡つて適用し、而も昭和二十九年度分に限りましては六分の一というふうな措置をとらざるを得なくなつたわけであります。従いましてこのような特殊な措置の適用を受けます市町村の財政につきましては、第一には地方財政平衡交付金制度の運用によりまして、基準財政収入額がそれだけ減つて参りまするので、半面交付基準額が増額し、交付される地方財政平衡交付金の額が多くなつて来る、こういうような措置で成る程度救われるのじやないかというふうに思つております。  第二には、発電施設のありまするような所におきましては、相当多額の固定資産を関係市町村に配分されておつたと思うのであります。そういう場合には配分される額がそれだけ減るなり、或いはその適用を受けないようになつて、多少苦痛が緩和されるのじやないかというふうにも思つております。  第三には、従来から継続して、いろいろな事業をもくろんで参りましたものにつきましては、この制度上の激変によつて受けます計画の挫折に対しましては、或いは地方債の問題なりその他の問題につきましてこれを緩和するような措置を講じて参らなければならないというふうに考えておるわけであります。
  101. 小林武治

    小林武治君 私は衆議院が最初これに対する遡及をやめるということを、言われて、極めて私は正論に戻られた、こういうふうに思つたのでありますが、この点の説明がないということは非常に私はどうかと思うのでありますが、私はこの全体の問題のために部分を犠牲にするという、こういうような考え方は極めて不適当であると思います。この救済につきましては自治庁として特段の考え方をしなければならん、そういうふうに思つております。それにつきまして、もうすでにやつた、やつたということは極めて形式的でありまして、私は今の町村の非常な悲境というものを救済するに至つておらんと思うのでありますが、今後これらに対して私は特段の一つ自治庁としても考え方を特に要望したいのであります。
  102. 石村幸作

    ○石村幸作君 委員長ちよつとお伺いいたしますが、この詳細な逐条と言つてはおかしいが、細部に当る質疑はほかに機会がありますか。丁度床次議員もおいでになつておるから概念的なことをちよつと参考にお聞きしたい。  先ほど来話を承わつておると、入場税の問題が大分問題になつておるが、入場税国税移管という政府原案に対して反対されて地方税に残す、そういう原則の下にいろいろ修正をなさつたそうですね。
  103. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 地方税修正の中には入場税以外のものも含まれております。その部分とそれから入場税部分と両方入つております。数学的には関連をしておつたのであります。自主性を残すという意味におきましては入場税が今年は一番大きな役割を果しておる。将来においては又いろいろの点があろうと思いますけれども、本年度におきましてはこれに重点が入つておることは御承知通りであります。
  104. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで入場税を国に移すという、これは遊興飲食税国税に移すことと同じように主なる理由は税源の偏在是正、これを是正する、偏在を是正するというのが主たる目的のようである。そこでこの修正提案者入場税を国に移すことに反対だというのは、偏在是正というものに関連してどういうふうにお考えですか。
  105. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は政府入場税を国に移管しまして偏在を是正せんとしておるのでありますが、私どもは今与えられた条件におきましては、たばこ消費税につきましても優にその目的を達し得ると考えまして、修正案の中にその事項がありまして金額的に申しましても殆んどたばこ消費税を以て数字はとんとんであるという大体の見通しを得まして、それならば自主性を残したほうがいいということで入場税は国に移管せず、地方に残したいということになつたわけであります。根本的な考え方から申上げますならば、この前提の下に先ほど申上げました地方制度審議会、税制調査会のごとき、地方財政の枠を相当多分に見ておる、三百何十億殖やすということは、特に十分とは思いませんが、あの程度の増額がありましたならば、いろいろの前提の下に移管ということも成立つのではないかと思つてつたのであります。併しながら、今回の措置入場税だけは移管せられておる。併し大前提は大分あの答申案とは違つておる。或いはたばこ消費税その他の取扱におきましても大分変つておる。答申案と比べますと、相当自主性がなくなつておる。その中へ持つて行きまして、更に入場税国税に移管しようというのでありますから、およそ私は答申案とは距離が遠いと思つておるのであります。その立場におきまして自主性を残す、尊重するという意味におきまして、できるだけ入場税を残したい。併しこれが偏在是正という立場から言つて効果がどうかと申しますと、先に申上げましたように、数学的には殆んど同じ効果を収め得るのであります。従つて今年は入場税を移管せずして、地方税としての自主性を残しながら全体のバランスをとることがよろしいという結論になつて、あの修正案なつた次第であります。
  106. 石村幸作

    ○石村幸作君 こう解釈してよろしうございますね。地方制度調査会であれが論議されている内容を見ましても、案としては今度の税制全体を根本的に動かす、それが主として偏在の是正ということに終始されたように思われます。床次さんの御意見としては、たばこ消費税のごときもので偏在が、国と地方との調整がとれる、又地方間の偏在もこれによつて調和ができれば、特に自主的な地方財源を国に取らなくてもいいんじやないか、こういう現在お気持である、そう解釈してよろしうございますか。
  107. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) その通りであります。十九億という徴税手数料もかかりますが、これは従来通り置いたほうがむしろその今は便であろう、かように私ども考えておるのであります。  なお、石村委員も私も当時調査会に関係をしておりましたので、よく内輪の事情はおわかりだろうと思いますが、地方財政の立場から申しますると、でき得る限り将来の地方の自主的な事務申しますか、固有の事務をできるだけ豊富にしたい。なお、過般政府が報告せられましたところの、あの昭和二十七年度の決算報告書でございますか、あれを御覧頂いてもわかるのですが、国の財政地方財政を比較しまして、雲泥の相違がある。片方相当繰越金をして超過財源があるにかかわらず、地方におきましては全く繰上充用をいたしましても赤字が殖えるという状態でありまして、この点はもう少し同じ国、地方財政にいたしましても、バランスを直す必要があるんじやないか。従つてできるだけ地方に同じ仕事をやらす場合におきまして、又財源にいたしましても、地方をもう少し大きくいたしまして、半面におきまして国のほうはそれだけ削りましてもいいのではないか、こういう感じをしておりまして、基本的にはなお私ども疑いなきを得ないのであります。その点も衆議院地方行政委員会におきましては、相当強く論議せられたということを併せて申上げておきたいと思います。
  108. 石村幸作

    ○石村幸作君 観念的な、概念的な何はわかりました。有難うございました。  長官に同じようなことかも知れませんが、地方財政地方税、これを手をつける場合に、先ほど申上げました通り、どうも財源の偏在是正、これがはやり言葉のように言われておる。これは尤もなんです。今回入場税だけが国に移つたのですが、長官はこの入場税が偏在是正の名目の下に国税に移つた、これが地方財政上から見て適当であつたかどうか、本当のお気持を一応示して頂きたいと思います。
  109. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは今結論を先に申上げると、政府がそうすべきであるという結論をして、どうもああいう成案になりましたのですから、私は適当であつたと思います。ただこういうことを申上げますときに、なおあと若干附言して申上げておかなければなりませんのは、全体として総合的に判断を比する、そういうことになるのでありまして、入場税というものの税の性格や、そういうものから判断をしてみますと、私はおのずから別の判断が出て来ると思います。入場税等を特に取上げて是正をしなければならんということは、全体として見て地方税自体、地方税税率で大体偏在をするから、国民負担は殖やさないで、或る程度地方団体の貧富の差をなくして仕事をやらして行くという場合には、或るものは国が一応取上げて再配分するという形も止むを得ないと思います。更に今日の今の地方のいろんな制度の上では御承知のように平衡交付金全部にまとめられないで、相当たくさん紐をつけたものがあるわけでありまして、その中に例の義務教育費の半額国庫負担というものがあつて、あれで以て偏在を更に大きくしておる面があるものですから、そういうものを総合的にみてみると、やはり相当程度是正をしないと無駄が出て来るという感じがあるわけでありまして、従つて私は今のいろいろな地方制度、そういうものを国と地方との相関の関係の上において、制度そのものからみれば、やはりああいう措置をしないと余計無駄が出ていけないんじやないか、こういう考え方をいたしておるわけであります。
  110. 石村幸作

    ○石村幸作君 そうおつしやられるでしようが、その偏在是正をどこまでもやつて行かなければならんといたしますと、これは入場税だけの問題ではなくして、遊興飲食税の問題もありますが、そのほか事業税にしろ、特に住民税にしろ、又固定資産税、こういうものはみな偏在しておると思います。事実しておるわけです。そうすると原則の理想の通りやるとなると、これは今の地方税の大きなものはみな国に取上げて、そうしてその一部を引離してそれからそれを地方に配分する。それが一番理想でしようが、併しそうやつたら、それに近付きつつあるが、そういたしますと、もう地方財政自主性というものは根本からなくなる。どうも私は腑に落ちないので、さつき小林委員が話された固定資産税の中の償却資産、特にこれは町村に多いのですが、まだ市のほうでも相当あると思います。これは工場の償却問題と、それから町村ですと発電施設の問題がある。これの今回の措置も、名は偏在是正ということになつておるのでしようが、どうもこれはまだ腑に落ちないが、これは詳細の正質疑のときに一つ突つ込んでお伺いいたしたいと思います。結局その偏在を是正しなければならんと言うのですが、私がここにお伺いしたいことは、偏在がよいか悪いかという問題を解決しなければいかんと思う。それでこの偏在が悪いから徹底的に是正してしまえ、均しちまえと言うと、この地方税の主なものはみな国に取上げてしまう。さつき申上げたそれは地方自主性を壊すということは恐らく御同感して下さると思う。そこで偏在是正というと、そうすると或る意味において富裕だ、こう言うのですけれども、各県の状況を見ましても決して金が余つておるわけではない。贅沢に使い過ぎておるというわけでもない。やはりそういう県なんかを見ましても、又市を見ても町を見ても、町は何ですが、県市はやはり単独の事業面において、例えば学校とかその他の施設等全部非常に困つておる。そうすると、偏在是正ということにおいては、事実の財政面とそれから法的な財政面とがつちり合つていないという点もある。そういうようなことを総合してみまして偏在……。これはもう一つ附加えますが、税源が非常に偏在している、余計税金が取れるというような、又そこの地方の何と言いますか、その源泉財源に対して、財源の又行過ぎに対して非常な努力をしてそういうふうになつて来ている。まあこういうふうなことも認めておる。そういうようなことを考えると、偏在をどこまでも是正する、偏在が悪いということになると、そうすると収入がよくなつて来たものはなお悪いということになる。これは取上げて皆んな貧乏にしてしまえ、(笑声)こういうことに結局なるのですが、長官如何ですか。
  111. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) その点は実は昨日の連合審査会のときもちよつと申上げたわけであります。私どもも石村委員の御指摘のように考えておるのでして、一番地方財政の立場からいいことは、或る地方税として適切な税目で全部取上げる。取れるものを取る。併しながら富裕団体は相当偏在是正というものをいたしませんければ、かなり豊かにやれるでありましよう。それから足りない所はそこにだけ国から補給をしてやるということが一番望ましいと思います。その場合には国、地方を通じて税負担というものが相当殖えますから、そこで別の観点から国民負担は余り殖やさないという観点をもう一つ入れてやつて来ると、国から足りない分を継ぎ足す分はその程度に抑えて、一部分は持つて来て偏在是正という形で、総額地方財政としては殖えないのだが、総体的に貧弱なところは殖えて行く、こういう形。従つて是正という考え方はどこまでもやるということでなしに、今日のまあ国全体の国民負担、それから国全体の財政需要という面から見て止むを得ないという範囲で辛抱するという考え方であります。従つてまあ今度のこの入場税のほかに事業税などは幾らかやはり偏在を是正しております。そのほかにも幾らか偏在是正措置をしたのもありますけれども、これは今度いろいろの措置をしてもなお且つ偏在というものは相当残つておるのであります。これは細かく一度お聞きしたいと思うのですが、私は偏在は残つてつてよろしいはずのものだ。やはり税金がたくさん上がるところには需要が余計あるのだからして、それはあつてもいいのだが、ただそれが余りにどの税も皆同じように偏在するものたから、その度の激しいのを、今日の国の財政状態の止むを得ないというところで辛抱するという考え方である。  それから非常にしばしば衆議院委員会において問題になつて、私もまあしはしば伺つている点で、国に非常に財政にゆとりがあるという御意見がしばしば出るのでありますが、これは実はよほど気を付けてものを考えておりませんと、国の場合には財政にゆとりがありましても、それは支出には廻らないのでして、支出の面は予算でかちつと出て参るわけです。従つてゆとりがあればこれはゆとりの性質によつて減税に向けられる。又翌年度以降において更に必要なものがあれば、その方向に支出予算を組んで向けられるという形になつておるわけです。ところが地方の場合には、予算を組みますのは個々の自治団体なんでありまして、それを国が総括してみて財政計画を立て、このくらい足りないだろうというので交付税の率をきめる。今までの例で行きますならば、交付金の額をきめておるのでありますが、よほど気をつけて組んで参りませんと、出せば出しただけがそのまま地方予算の形になつて組まれて、そこから地方財政の厖大化ということが出て来るということがある。一つどうしても足りないということを考えると同時に、やはり余り厖大になつてはならないという点も自治庁として地方財政考えるときには併せて考えなければならないので、その両面の考え方の調和をとりますのに非常にまあ私も苦労いたしますわけなんです。ただ十分にさしてやればいいということでありますならば、さつきちよつと申上げましたように、もつと税率がかかつても、どんどんおとりになるならば幾らでもおとり下さいというふうにして差上けるという工夫もあると思うのですが、やはりそうは参らない面があるのではないか、こういうふうに感じておるわけであります。
  112. 石村幸作

    ○石村幸作君 意見になりますから、もう言いません。
  113. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかにありますか。
  114. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 ほかに御質問がなければ、たつた一点提案者に伺いたいのですが、自動車の問題なんですが、前回の国会のときに、衆議院では自動車税について政府提案よりも著しく増加なさつたという事実があつたと思うのですが、今回僅かながら衆議院においては政府提案のものを減らされて修正をされたについて何か事情がおありかどうか、その点伺いたいと思います。
  115. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 前回の衆議院の自動車税の修正は、たしか政府原案は一律に五割になつておりましたけれども、その税額を確保する範囲内において各自動車の種類によりまして均衡をとらせるというふうにいたしたつもりでありまして、たしか大した税額でもなく、単に計数上の差が出たにとどまると思うのです。趣旨は五割の範囲内においてバランスをとるという趣旨つたと思います。今度の場合も大体政府の案の中におきまして、総額は別に変える趣旨はなかつたのでありまするが、ただ考え方といたしましては、自家用と営業用とは若干差をける。それから軽油を急激に上げるのはこれは無理ではないか、それは多少緩和する。政府案でも多少緩和しておりましたが、これをもう少し緩和してもいいのじやないかという段階を考慮いたしまして、大体の数字につきましては従来の予定された枠内で操作しておつた、その程度に私ども考えております。
  116. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 御修正について各業種別の業態調査、或いは収益率その他について十分の御検討を遂げられた結果でございますか。
  117. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は各協会その他からいろいろと営業者の立場、或いは自家用の立場において陳情を承わつております。この陳情をされましたものを総合いたしまして、只今申上げました原則で以て一応整理しただけでありまして、あと細かく個々のものがどの程度になるかということについては、なかなかこれはいろいろ見方によつて数字も違うようでありますので、大体達観いたしましたところ、こういうような結論になつたわけであります。
  118. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 そうすると、各業種別について詳細な収益率、事業の実態なんかについて一々細かくお当りになつたというわけでもないということでございましようか。
  119. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 業種別に見るというところに参りませんで、営業用と自家用の立場だけはこれは大体見て参りました。個々の業種によりまする収益率等はこれは見てありません。先ほど申上げましたような達観的な立場において、大体原則を先ほど申した自家用と営業用との差を付ける。それから軽油の分を若干食いとめて、而も全体の枠内においてそれが取れるようにしたらいいじやないかという原則の下に事務的に整理をしたという形であります。
  120. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 それで今回自動車関係については、物品税或いは揮発油税、その他固定資産税等各般の増税があるのですが、それらの増税を今度の自動車税、この税金との均衡その他の睨み合せは衆議院においてはおやりになられたかどうか。
  121. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) その点については、政府提案についていろいろ伺つたのでありまして、むしろ私が申上げますよりも、政府から全体として答弁を頂きまして、私はその枠内において只今申上げたような原則によつて整理した、こういうふうにお考え頂いたほうがよいと思います。
  122. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 最後に、揮発油以外の燃料を使用するものについてでありますが、そのうち一番大きなものは軽油の問題だと思います。軽油自動車については政府としては別途輸出振興、その他軽油自動車の自動車生産事業の助長育成について特段の配慮が払われておるのですか。一方自治庁関係においては、その点は別途政府にお伺いしたいが、衆議院として、輸出の面において特に政府がディーゼル用自動車についての助長育成の問題と、今回の値上げについて均衡をとつて、その点まで配慮をされて今回のディーゼルの値上げについての査定をお考え頂いたでしようか。
  123. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 軽油に対する増税が急激であるという点は避けたいという趣旨でございまして、これが担税力があるという点につきましては、政府も十分説明しておるわけであります。ただその程度をどの程度にするかという点において、若干衆議院において緩和したということでございます。
  124. 松澤兼人

    松澤兼人君 提案者にお聞きいたしますが、このまあ入場税の問題は別としまして、他の地方税関係で軽減になつておる。その結果は余り地方財政欠陥が生じないだろう、まあ楽観的な見方ですが、併し議論としましては、いろいろと赤字なり或いは財政計画に変動を生ずるということも考えられないこともない。若しもそうして地方財政計画欠陥が出たときには、これは全く政府考えに任してしまつて政府が適当にやつてくれればいいというお考えでありますか。或いは財政計画に対する見通し、一つまあ結論的にお聞かせ願いたいと思います。
  125. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) 先ほども申上げましたが、実は修正案入場税の移管を取りやめることをも加えまして、全国的にバランスをとつてあるつもりでありまして、この程度ならば本年度においては大して迷惑をかけない。なお今後伴うべきものは、明年三十年度以後につきましてはそれぞれ考慮したいというので、交付税法等の改正におきましても税率を上げておりまして、地方財政としての立場は十分確保しておつたつもり、予定しておつたつもりであります。ただ遺憾ながら別途の委員会におきまして入場税の処置が変りました。このほうでは相当の欠陥も出ている。その欠陥に対しては国費を以て、一般歳入を以て補うという附帯条件まで付けられておる。まあその点から考えますると、当初私の考慮いたしましたところの修正案が半分になりましても、それによつて生ずる赤字というのは僅かな赤字である。数字的に申しますと、片方は七十億に近いものが予定されておるのであります。それとこれとを比較して頂きますならば、私どもの考えましたところがさほど大それた赤字を来たすものではなかろうということは、御了解頂けるのではないか。なお入場税等の今日時間のズレによる収入等もあります。或いは第三者の入場税の問題等もあるかと思いますが、まあそれほど地方には迷惑をかける問題でなくして、むしろ地方の自主的財源はこの入場税を国に取られるより遥かにこの案のほうが好ましいものであるということについては、これは異存のないところだと思つております。
  126. 松澤兼人

    松澤兼人君 大体まあ入場税関係以外ですと、大した赤字も生じない。何とかやつて行けるというふうに了解してよろしうございますか。
  127. 床次徳二

    衆議院議員床次徳二君) この点は、現在出ておりまする十六億というものは、入場税関連しでこれは埋まる予定であつたのであります。それを修正しましたときの立場と違いまして、別途の立場から修正せられておりますので、今この赤字をどうするかということは実は私どもの申上ぐべき筋合いじやないのじやないかと思つております。これはむしろその後において入場税移管を実現せられたかたがたから意見を聞いて頂きたいと思います。
  128. 松澤兼人

    松澤兼人君 先ほど自治庁長官がやはり修正者というほうの立場からこの赤字の問題は考えてもらわなければならん、こういうお話でありましたので、今提案者床次君の話を聞きますと、これは別個の問題であるからして、自治庁なり或いは自由党なりのほうで考えてもらわなければならんというお話なんですが、結局まあそれは二十九年度不足になる分は結局三十年度で清算するということ以外にはお考えにならないのか、或いは年度の途中で不定ということが確実になれ、は別途考慮するということでありますか、その点如何ですか。
  129. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 今のおよそ十六億の部分につきましては、床次委員が代表して御説明になつております改進党の改正のお立場では、まさにその通りでありまして、別の面でそれがカバーできるという意味において財政計画上は欠陥がなかつたのでありますが、大蔵委員会におきまして、又政党としましては、自由党とそれから日本自由党の修正案がその入場税部分だけを元へ戻して参つたわけであります。そうして仮に減税をしたという形になつたものでありますからして、併せてどちらも減税という形、減税部分になるが、残つてしまつた入場税から来る部分だけは譲与税法の修正で二十九年度だけはこういう形で確保するということになつたのでありますが、従つてこの地方税修正自体から来る十六億の部分措置されずに済んでおるわけであります。これはまあ私どもが国会側において御考慮願えればというのは、この入場税国税移管が実現しなかつたというかたがたと、それからして双方に若干ずつ責任が出ておるわけであります。(笑声)ですから、まあ参議院にでもお考え願えればという感じで申上げたわけです。すでにそういうことは安算のことでありますから、御修正頂かなければ、政府として答弁すべき事柄ではないのでありますし、又政府として当然措置すべき事柄であるという場合には、自治庁長官の私としては、二十九年度中に何とかしてこれを措置しなければならない、こういうふうに考えております。
  130. 松澤兼人

    松澤兼人君 二十九年度中にですか。
  131. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) ええ。
  132. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかにございませんか。  只今審議しております修正案につきましては、今後は修正案を含めました政府原案一緒に審議することになりますが、実は提案者に対しては今日一日で打切りたいと思いますが、提案者の御出席はそういうような取扱いをしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 内村清次

    委員長内村清次君) じやそういうふうにいたします。それじや有難うございました。   —————————————
  134. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは次に御相談申上げますことは、これはこの前の委員会のときに御相談申しました町村合併促進法の一部改正案でございますが、これが大体原案が出て参りましたから、これを懇談的に原案説明をして頂きまして、できれば地方行政委員全体の提案者なつ提案として出したい、こういうようなことでございますから、これから一つそういうふうに取扱いをしたいと思います。  速記をとめて下さい。    午後四時二十九分速記中止    —————・—————    午後四時五十三分速記開始
  135. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時五十四分散会