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1954-03-09 第19回国会 参議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月九日(火曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            堀  末治君            館  哲二君    委員            伊能 芳雄君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            加瀬  完君   委員外議員            市川 房枝君   衆議院議員            中村 高一君   国務大臣    国 務 大 臣 塚田十一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   —————————————   本日の会議に付した事件議員派遣要求の件 ○公職選挙法の一部を改正する法律案  (閣法第七号)(内閣送付) ○公職選挙法の一部を改正する法律案  (閣法第七五号)(内閣送付) ○公職選挙法の一部を改正する法律案  (市川房枝君外一名発議) ○政治資金規正法の一部を改正する法  律案衆議院送付)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今より地方行政委員会を開会いたします。  議題に入る前にお諮りしたいことがございます。先ず議員派遣に関してでございます。去る三月四日町村合併促進に関して議員派遣を行うことを決定いたしましたが、この際併せて警察制度に関しても実地調査をすることにしては如何かと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) なお、本件に関しまして、派遣委員の選定、派遣地その他の手続に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) それではさように決定をいたします。   —————————————
  5. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは公職選挙法の一部を改正する法律案閣法第七号)、学生等の住居に関する点を主とした法律案でございますが、これの提案理由を聞きます。
  6. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 最初に学生生徒選挙権の所在に関する部分の公職選挙法の一部を改正する法律案を御説明申し上げます。  御承知のように、学生生徒住所認定に関する政府取扱に関しましては、世上種々論議を引起したのでありますが、政府といたしましては、何らかの立法措置をとることによりこの問題の解決を図ることが適当であると考え、その具体的内容については選挙制度調査会に諮問し、その検討をお願いいたしたのであります。  選挙制度調査会は、昨年十月二十一日以来約二カ月に亘り、慎重に審議されました結果、十二月十七日に、「現在における学生保安官等生活実態に鑑み、公職選挙法中に「修業のため寮、下宿等に居住する学生生徒又は営舎内若しくは船舶内に居住する保安官若しくは警備官住所は、その居住地又はその営舎若しくは定けい港の所在地にあるものと推定する。但し、郷里を住所として申し出た場合は、この限りでない。」という趣旨規定を設け、これらの者の選挙権行使及び住所認定を容易ならしめることを適当と認める。」旨の答申政府提出されたのであります。政府といたしましては、この答申を尊重し、ここにその趣旨を具体化するため、この法律案提案いたした次第であります。  次に、この法律案概略について御説明いたします、第二百七十条第二項の改正規定は、公職選挙法上の住所に関する要件を認定するに当つては、引き続き三カ月以来修学のため同一市町村区域内にある寮、下宿等に居住している学生生徒については、引き続き三カ月以来その市町村区域内に住所を有するものと推定することといたしたものであります。このような推定をすることは、選挙制度調査会答申にもありますように、現在における学生生徒生活実態から考えて妥当でありますし、又これらの者の選挙権行使及び選挙管理委員会住所認定を容易ならしめるという大きな利点もあるのであります。併し、すべてのこれらの者の住所修学地にあると推定されることになりましては、却つて住所実態から離れてしまう虞もありますので、学生生徒が、父母その他の親族が現に居住している他の市町村区域内に住所を有するものとして当該市町村選挙管理委員会に申出た場合には、この推定規定適用されないことにしたのであります。これらの申出をした者については、市町村選挙管理委員会が個々に具体的事情を判断して、申出た地に住所があるかないかを決定することになるわけであります。  第三項の改正規定は、営舎又は船舶内に居住する保安官又は警備官について、第二項と同趣旨規定をいたしたのであります。これは、これらの保安官又は警備官生活実態を考え、寮、下宿等にある学生生徒と同様の取扱をいたすことを適当と認めたからであります。  第四項の改正規定は、第二項及び第三項の規定は、これらの推定規定適用が排除される場合を申出のあつた場合にのみ限定し、その他の方法によつて反証を挙げて推定を覆すことを認めない趣旨であるかのように解される虞がありますので、念のために設けた規定であります。  その他の改正規定は、いずれもこれらの規定の新設に伴う規定整備及び経過規定であります。  以上がこの法律案提案理由並びにその内容概略であります。何とぞ慎重御審議上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。   —————————————
  7. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案閣法第七五号)、教育委員任期に関する件を主とした法律案でありますが、その提案理由を聞きます。
  8. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 次に、教育委員会委員任期等に関する公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして御説明申上げます。  教育委員会委員につきましては、御承知ごとく二年ごと半数ずつを改選する制度がとられておるのでありますが、このようにいたしましたのは、教育委員会発足の当初におきまして、選挙ごと委員が一斉に交代することに伴つてもたらされる施策の急激な変化を回避することを主眼としたものと考えられるのであります。併し、今日におきましては、教育委員会制度発足以来すでに六年を経過いたしており、その運用の経験に鑑みますときは、そのような観点から半数改選制度を維持することは積極的理由に乏しいと考えられるのみならず、現在の地方公共団体選挙におきましては、他に半数改選制度をとつているものがありませんので、これに対する選挙民の理解が薄く、投票の熱意を殺ぐこととなつて選挙民の意思を十分に反映することができない憾みもあるように見受けられるのであります。政府といたしましては、これらの事情検討し、かたがた地方財政上の負担軽減の一助ともなることを考慮いたしました結果、教育委員会委員半数改選制度を四年ごとに一斉に改選することに改めることとし、ここにこの法律案提出いたした次第でございます。  次に法律案内容概略について御説明申上げます。公職選挙法第三十三条の改正は、教育委員会委員半数改選制度を廃止して四年ごとに一斉に改選することとするためのものであります。公職選挙法のその他の規定改正は、これに伴い定例選挙の期日、繰上補充及び補欠選挙等について技術的な規定整備をいたしたものであります。  附則第二項の規定は、教育委員会現任委員のうち任期満了が早く到来する半数委員任期を二年延長するものであります。これによつて現任委員全員任期満了を同一時期となるようにし、次の選挙からは一斉改選が行い得るようにいたしたのであります。  附則のその他の規定は、必要な経過措置及び関係法令整備であります。  以上がこの法律案提案理由並びにその内容概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決下さらんことをお願いいたします。   —————————————
  9. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に公職選挙法の一部を改正する法律案(参第五号)、市川房枝君外一名発議連座制強化に関する件を主とした法律案でございます。市川房枝君に提案理由を伺います。
  10. 市川房枝

    委員外議員市川房枝君) 只今議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につき、その提案理由及び内容のあらましを御説明いたします。  政界の腐敗は、政治と金との結び付きに由来し、そして、選挙のために巨額の運動費用を調達しようとすることが、このような結び付きの生ずる大きな原因一つをなしているのであります。そこで、金のかからない選挙ということが前から唱えられて来ましたが、残念ながらその実が上つていないのであります。これは根本的には選挙民の自覚の如何にかかる事柄ではありますが、ここに公職選挙法改正して、いわゆる連座規定強化し、併せていわゆる公民権停止を厳しくして、法律の面から選挙公明にし、政治と金との悪因縁を断ち切る一大原動力としようと思うのであります。  御承知のように、現行法は金のかからない選挙を目指して選挙運動費用最高限度を法定し、この制限額を超えて支出したとき、及び出納責任者収支報告書提出義務違反により処刑されたときには当選を無効とし、又、選挙の適正を期するため、当選人選挙犯罪及び総括主宰者買収事犯に対しても当選無効を以て臨み、更に、選挙犯罪により処刑された者に対しては選挙権及び被選挙権を一定期間停止することとしているのであります。併し前者の当選無効にはいわゆる免責規定があり、後者のいわゆる公民権停止には裁判所情状によつて全く停止せず又は停止期間短縮することができる旨の規定が附されているのであります。  従つて、右の理由による当選無効は、当選人自身選挙犯罪の場合は言い逃れがきかないので別として、いわゆる連座の場合は選挙運動総括主宰者出納責任者選任監督につき、相当な注意がなされていなかつたこと等が立証されて初めて当選人当選が無効となるのであり、而もその立証は、事柄の性質上甚だしく困難なので、この連座規定は骨抜きになつているのであります。そこで、このいわゆる免責規定を削除することにより連座制趣旨を実効あらしめると共に、出納責任者買収事犯をも当選無効原因に加えようとするのが改正の第一点であります。  こうすることによつて、実質的にはみずから制限超過支出買収をやりながら、選挙運動総括主宰者出納責任者選任監督につき相当な注意をしたという言い逃れをすることによつて、一切の責任をこれらの者に負わせて、みずからは免れて恥なしとするということはできなくなるわけであります。併し、半面これらの者の選任及び監督につき深い注意を払つていたのに、これらの者により制限超過支出買収が行われ、その結果当選人がその当選を失うことになる場合もあり、当選人には気の毒なようではありますが、これは、いわばその当選人選挙運動のためのチーム首脳部選挙運動ルールに違反したものであり、そのチームを失格とすることはこのルールの遵守を保障するためには許されるべきであると考えるのであります。更に言うならば、これらの違反行為がなかつたら、当選人当選していなかつたかもしれないのであります。  改正の第二点は、如何なる情状があろうと、いわゆる公民権停止規定適用しないことはできないものとし、又、停止期間短縮についても現行法により認められている短縮期間をその二分の一を限度とすることに改めたことであります。もともとこの公民権停止規定は、選挙犯罪者一定期間選挙から遠ざけることにより、選挙の公正の確保に資するためのものでありますが、この趣旨を徹底させようとするものであります。なお、これまではその選挙以外の選挙による公職にある者、例えば国会議員選挙の際に地方議会議員選挙違反により処刑されたときにも、裁判所による公民権停止規定適用の宣告により、その公職地位を失わないことができたのを、これによりそのようなときは必ずその公職地位を失うことになり、この面からこれらの者の選挙違反を防ぐ効果も期待しております。  これらの改正の諸点は、昭和廿七年の夏結成されました公明選挙連盟の主張して来たところであり、又、自治庁が去る十五国会及び今国会提出した公職選挙法改正に関する意見の中にも取上げられているところであります。  又、今次の汚職事件の続発から、一般世論もこの連座制強化等による選挙公明を強く要望しておりますので、何とぞ慎重御審議の上、速かに可決されるようお願い申上げます。   —————————————
  11. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案政党等に対する寄付制限に関する点を主といたした法律案でありますが、衆議院第十号、中村高一君外十九名提出中村高一君から提案理由を聞きます。
  12. 中村高一

    衆議院議員中村高一君) 只今本委員会に付託されました政治資金規正法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申上げます。  政治公明且つ適正な運営を確保するために、政党その他の政治団体に対する政治献金或いは寄付につきまして、適切な規正を行うことの必要なること、今日ほど痛切に感じられるときはないと思うのであります。  現行法規の下におきましても、すでに公職選挙法により、国と請負その他特別の利益を伴う契約当事者が、選挙に関して寄付をすることを禁止し、又選挙に関して匿名の寄付又は本人の名義以外の名義を用いて行う寄付等を行うことを一切禁止しており、更に政治資金規正法におきましては、政党その他の政治団体に対し右のような寄付をすることを禁止しているのであります。併しながら、これらの規定は「選挙に関し」という条件が附せられておりますと共に、「特別の利益を伴う契約当事者」というような解釈についても疑義なしとしないわけであります。従いまして、これらの点について再検討を加え、更に国から特殊の利益又は援助を受ける等、国に対し特殊な関係にある会社その他の法人から政党等に対して行われる政治献金を禁止することが、現下の事情に鑑み政治公明化を期する上において特に緊要と考えられるのであります。右のような理由に基きまして、次の点について適切な措置を講じようとするものであります。  先ず、国が直接又は間接に補助金助成金等を交付し、又は利子補給損失補償等財政援助を与えている会社その他の法人、或いは国が資本金を出資し、又は借入金の元金、利子を保証している会社その他の法人或いは国又は公共企業体と特別の利益を伴う契約当事者である会社その他の法人等から政党等寄付を受けることができない旨を規定することとしたのであります。  次に政党等が右のような会社その他の法人からだけでなく、これらを主たる構成員とする団体又はその連合体からも寄付を受けることを禁止することとしたのであります。  更に右の会社その他の法人又はこれ等の団体若しくは連合体から、その禁止に反して政党等寄付を受けた場合において、何人がその責任を負うべきかについて規定を設け、この場合においては政党等代表者又は主幹者会計責任者その他の責任者当該違反行為をした者は処罰されることとしたのであります。  以上のような点につきまして、政治資金規正法の一部に所要の改正を加えるため、この法律案提出したのであります。何とぞ御審議上速かに御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
  13. 内村清次

    委員長内村清次君) 以上、選挙関係の四法案提案理由説明聴取を終りましたから、あと公職選挙法改正に関する小委員会において十分審査をお願いし、結果を御報告頂くことにいたしたいと存じます。
  14. 石村幸作

    石村幸作君 これは衆議院参議院とどちらが先議になつておりますか。
  15. 内村清次

    委員長内村清次君) 参第五号、市川房枝君外一名提出公職選挙法の一部を改正する法律案連座制強化に関する点を主とした法律案、これだけが参議院のほうが先議でございまして、あとは皆衆議院のほうが先議になつております。
  16. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 ほかは予備審査ですか。
  17. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかは予備審査でございます。
  18. 堀末治

    堀末治君 先ほどいわゆる国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案提案なつたのでありますが、これも成るべくならばできるだけ近いうちに一つ提案理由を聞きまして、恐らくこれも今の小委員会にかかると思いますから、成るべく早く提案理由説明を聞いて、小委員会にかけるならかけるようにお取りきめを願いたいと思います。
  19. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今堀委員から言われました本日付を以もまして、国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案、これはまだ今日は公報に載つておりませんから、実は提案理由説明をこの次に廻したわけでございますが、只今言われましたようにこの提案理由説明を聞いた上で、公職選挙法改正に関する小委員会審議せしめて、その結果を報告せしめるということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 内村清次

    委員長内村清次君) ではそのように取計らいます。
  21. 堀末治

    堀末治君 選挙関係する法案は、これより出ないというお見込ですか。
  22. 内村清次

    委員長内村清次君) 大体小委員会を設置しました目的といたしましては、まだほかに重要な目的があるわけでございまして、それは各党間でこの際公職選挙法改正しようじやないか、こういう空気があるようでございますからして或いは衆議院特別委員会でそういうようなことが併せて考えられておるから、まあどの党からの改正案が出て来るかわかりませんが、或いは各党が持寄つた改正案が出て、そして公職選挙法の一部を改正するというような大きな改正がありはしないかという動きのために、この小委員会の設置も一応考えたわけでございますから、そういうようなことが今国会にほかに出はしないか、これは心組として小委員会でも待つていて頂きたいと思います。
  23. 堀末治

    堀末治君 かしこまりました。そういうことでお尋ねいたしたのであります。
  24. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは地方行政委員会をこれで閉じまして、あとは小委員会に変ることに取計らいたいと思いますので、閉会いたします。    午後二時三分散会