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1954-05-18 第19回国会 参議院 大蔵委員会 第44号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月十八日(火曜日)    午前十一時三十三分開会   —————————————   委員の異動 五月十四日委員岡田信次君辞任につ き、その補欠として西川甚五郎君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            藤野 繁雄君            小林 政夫君            東   隆君    委員            岡崎 真一君            木内 四郎君            白井  勇君            山本 米治君            前田 久吉君            三木與吉郎君            野溝  勝君            堀木 鎌三君            平林 太一君   政府委員    大蔵政務次官  植木庚子郎君    大蔵省主税局長 渡辺喜久造君    大蔵省理財局長 阪田 泰二君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国における国際連合軍隊の地  位に関する協定実施に伴う所得税  法等臨時特例に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。  日本国における国際連合軍隊地位に関する協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律案議題といたします。本案内容説明を願います。
  3. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 御説明申上げます、国連軍隊日本に駐留することに伴います関係につきましては、別途、条約案がございまして、御批准を仰いでいるわけでございますが、それに伴いまして、一応必要な措置だけをこの特例に関する法律規定したいというのが、この法律案の提案の趣旨でございます。考え方としましては、大体、行政協定の例にならつておりますが、どういう場合に税金を免除するかという関係につきましては、行政協定の例にならつておりまして、第三条に一応規定してございますが、大体行政協定規定をそのまま準用するということによりまして、第三条の一項におきまして、その免税関係規定を準用いたしますとともに、免税を受けた物品が他に用途変更等に伴いまして転売される場合におきましては、これは行政協定でも課税のことをやつておりますが、それと同じ措置をとる趣旨におきまして、第二項におきまして、そちらのほうの規定を準用することとしておるわけでございます。それから第四条でございますが、これは国連関係軍隊、或いは構成員軍属、その他の者が輸入した物品に対します関税或いは酒税、砂糖消費税物品税揮撥油税等の問題でございますが、これらにつきまして免税する規定、これ又行政協定の場合と同じように扱う意味におきまして、行政協定関係の法宜を準用するように一応規定してございます。それから、第五条は、国税犯則取締法等特例に関するものでございますが、これ又、行政協定における同じ扱いをするつもりでございまして、行政協定に伴う田税犯則者取締等臨時特例に関する法律規定を準用する。それかうらバコ専売法関係でございまするが、タバコ専売法塩専売法につきましても、これ又、行政協定と同じ扱いをする意味におきまして、行政協定における規定をそのまま準用する。以上がこの法律規定でございまして、総体といたしまして、行政協定と同じ扱いをする意味におきまして、一々規定を書くのも一つ考え方でありますが、同じ扱いだという意味からしまして、行政協定に伴う臨時特例法をそれぞれの条項に従いまして、準用することによりまして、この扱いをして行きたい、かような意味におきましてこの法律案を提案した次第であります。
  4. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 質疑を願います。  それではちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  5. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をつけて。
  6. 野溝勝

    野溝勝君 只今議題になつておりますどうも長い肩書のある法律案で、今の御説明だけではよくわからんのですが、こういう臨時特例法律案をどうしても出さなければならんのですか。若し、こういう特例法律案を出すということになると、ここに独立国家としての日本政治経済自主性がないように思われるのでございますが、これは日本政府が自発的にやつた法律案ですか。或いは行政協定等々による結果、こういうものを出きなければならんようになつたのですか。その点を一つお伺いしておきたいと思います。
  7. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) この特例法関係規定しておりますのは、二色に分れ得ると思います。  その第一の種類に属します分は、国連軍関係の、或る特定の事項につきまして税金を免除するという関係の、一連の規定でございます。この関係は、実は、条約の中に、それぞれそれと同じような規定がございまして、改めて法律規定するのもどうかという議論もあろうかと思いますが、条約だけで見ますと、多少その内容が漠然としておりまして、はつきりしていない点もあるものでございますから、それを明確化する意味におきまして、行政協定のほうにたまたまそういうような法律規定もございますので、これを準用しよう、こういう意味規定でございまして、国連協定が一応成立します限りにおきましては、その条約に基いて、そうした種類免税はしなければならないという国際的な法則があるものと思つております。第二の種類に属しますものは、例えば、国連軍が、今申しましたような関係で、免税を受けて輸入した、それを国内のほうに用途変更して売却するというようりな場合におきましては、普通の輸入と同じように考えられますから、関税も徴収すべきじやないか。或いは消費税も徴収すべきじやないか。この関係条約の中にははつきり謳つてございませんが、条約のほうには、そういうふうな用途変更をしてはならないという規定はございますが、用途変更をした場合にどういうふうな措置をするかということがございません。従いまして、そういうような用途変更をした場合におきましては、承認を受けないでやつた場合には、相当罰則が適用になるのだということは、やはり国内法規できめる必要があるわけでございまして、そういうようなものは条約の中には入れ切れませんので、法律の中に入れる。  大体その二つのものがこの準用している法律の中に入つているわけでございまして、事の起りが大体条約のほうから出発しておりますので、条約が一応締結されますと、それに随伴しまして、こうした種類法律はやはり制定する必要があるのじやないかと考えておる次第でございます。
  8. 野溝勝

    野溝勝君 随分多くの輸入免税するらしいのでございますが、いわば輸入免税特例法ともいうべきものだと私は思うのです。こういうことをいたせば、日本産業にどういう響きが来るか、こういう点について検討したことがありますか。その点をお伺いします。
  9. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) いろいろ免税規定がございますが、免税対象になつておりますものは、結局、軍隊自身が使うもの、或いは軍隊構成員が使うもの、その家族が使うもの、こういつたような種類に限定されておりまして、その人たちが当初その目的輸入したのが他に流用されたといろ場合におきましては、先ほど言いましたような、いろいろ罰則的な規定もございますわけでございまして、従いまして、国連軍がこちらにいるから、それに伴つて輸入ということになるわけでございまして、その限りにおきましては、日本国内産業に全然影響がないとも言い兼ねると思います。と言いますのは、まあ国連軍がこちらにいても日本国内のものを買つたらいいじやないかという意味から言えば全然影響なしとも言い兼ねますが、結局まあ国連軍がいる、従つてその本国からいろいろな物資を持つ集る、その場合においては税金をまける、こういう趣旨でございますので、国内産業にこれが大きな影響を及ぼすという性格のものではないと、かように考えております。
  10. 野溝勝

    野溝勝君 そんなに大きな影響を及ぼざぬものと思うと言うけれども、主税局長も御承知の如く、日本経済の危機ということには貿易の行詰りが大きな原因であることは私が言うまでもないと思います。特に、日本のような資源のない、原料のない国が貿易をやる場合は、何としても安い原料を入れて、それを加工して、今度は輸出するという加工貿易になるのです。そういう点で、非常に今のところバトル法等によつて貿易が或る程度制限され、このために日本経済は非常な障害を受けておる。更にその上に外国から来るものに対して、外国国連関係といえども軍隊並びに家族の使用するものが輸入免税するというようなことになりますならば、一層私は国内産業というものが圧迫されて、それで国内産業が行詰りを来たし、その結果は失業者が生じ、さもなくば低賃金、こういう犠牲のしわ寄せがだんだんと労働階級或いは日本民族産業にやつて来るわけです。こういうことに対して一体どういう調節をして行こうというのか、又そういうことについては全然心配ないと考えておるのか、この点一つ渡辺さんからお聞きしたいと思います。
  11. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 現在国連軍日本に駐留しております人数は、大体五、六千人の人だというふうに聞いております。朝鮮における事変の関係で、講和条約が締結されたのちも駐留しておるわけでございますが、結局このこと自身につきましては、これは国連関係条約の問題が議論対象になるわけだと思いますが、結局その人たちが、或いは軍の仕事の関係で軍として輸入する、或いはその人たち及びその家族の使用に供するために輸入する品物、そういうものに対しまして、行政協定の場合と同じような取扱をしようというわけでございまして、その意味からしまして、その量的な見地から見ましては余り大きな数字じやないというふうに考えております。この免税額数字は一応ございますが、それによりますと、二十七年四月二十八日から二十八年四月までの期間におきまして、約一年でございますが、関税額で二億七千九百万円、内国消費税額で、三億四千九百万円、それから二十八年五月から十二月までしか数字はございませんが、関税額で一億七千八百万円、内国消費税額で一億四千百万円、なおこの関係輸入された品物金額でございますが、二十七年の四月二十八日から二十八年の四月までで五億二百万円、二十八年五月から二十八年の十二月までで三億一千万円、こういうような数字になつておりますので、野溝委員の御心配になりますような内国産業についてそれが大きな圧迫になるといつたことは考えなくてもいいじやないかというふうに考えております。
  12. 野溝勝

    野溝勝君 そこで私は、これは日本吉田政府外交政策から必然的に結ばれた両条約、それが発展してかような法律案が出て来たのですから、あなたといたしましては心にもないような意見を吐かざるを得ないと思うのですが、今のような答弁は渡辺主税局長としては非常に私は考えさせられる点がありはしないかと思う。と申しますのは、現に当委員会においてもたびたび物品税の問題並びに関税定率の問題等々に対して、外国から入る洋紙並びにパルプ等輸入の問題、この関税率の低減の問題ですら相当物議をかもし相当問題を起しておる。日本民族産業並びにそれに関連を持つ労働者等々に非常に影響を持つておることは、私が申上げるまでもなく渡辺局長身を以て経験されておることと思う。然るにいわんや、これらの日本民族産業影響を持つ品物が、たとえ量的数字が五、六千人であつても、これが扱うところの価額並びに影響というものは非常に大きいのである。ここにも私は、いわゆる一種の人種差別と言いましようか、経済差別が出て来ておると思う。だから日本経済平等などにおきましても、こういうところに完全独立でないという点と非常に不平等な条約であるということを申すのである。こういうことが延いては日本経済全般に大きい影響を持つのでありまして、こういう点に対して主税局長は大した影響はないと言いますが、私は影響があると考えております。こういう点について飽くまでも日本民族産業影響がないと言い切れるかどうか、こういう点について一つお伺いしておきたい。
  13. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 国連軍日本に駐留することがいいか悪いかといつた点につきましてはいろいろ議論があると思つておりますが、一応国連軍が駐留するということが条約できめられました場合におきましては、その国連軍人たち本国からいろいろ軍隊に必要な品物を持つて来る、或いは構成員又はその家族の消費する品物を持つて来る。こういつた場合におきまして、その場合における関税なり消費税なりを免除するということは、国連軍が駐留しなければそういう品物は入つて来ないわけでございますし、日本経済ちよつと孤立したような経済一つそこにできるところに問題があろうと思います。その島の中の問題で終つてしまうわけでございまして、そこから日本国内品物が流れるとか何とかということは、これは考えていないわけでございますし、そういうことがあればいろいろな罰則もそこで考えよう、こういうわけでございますので、その限りにおきまして日本経済そのものに及ぼす影響が大きいということは考える必要がないのじやないか、かように考えております。
  14. 野溝勝

    野溝勝君 抽象論的なことを言つて見てもわからんのですが、実際は関係はあるのです。例えばあなたは罰則々々と言いますけれども、罰則と言つて見たところで、安政年間安政五年当時の、あの当時の条約における罰則とは大体違つて、今日の条約などにおいては、治外法権の問題などについても殆んど……、外国の大使、公使とか領事とかいつた諸君だけでなくて、家族全体までも犯罪を犯した場合に日本裁判にかけることができないような状態になつているのですから、そういう点は特権ですよ。私は外国人罰則を適用すると言つて見たところで、日本の何といいますか、裁判権などは非常に過小になつておるのでございますから、そんなことは徹底できないと思います。そこで、外国国連軍関係諸君だけの使用するものである、こう言いますが、あのPXあたりに出るものは、どういう関係で、ああいうところに出ておるのか、どういうふうに……、一体日本人にも売つておるのでございますけれども、ああいう関係はどういう事情になつておるのですか。一つお聞かせ願いたい。
  15. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) PXで売つております物は二色あるわけでございますが、一つ輸入された品物一つ日本で造られた品物、この二色あるわけでございます。輸入された品物につきましては、今ここで議論されておりますようなものと一番近い関係にあるわけでございますけれども、いろいろな消費税がかかる。問題はそれが横流れしたときにどうかという点でございますが、米軍関係行政協定関係で現在やつておりますが、米軍におきましても随分関心を持つておりまして、かなりやかましく取締つておるようでございます。日本国内法だけの処罰では、むしろ例えば「たばこ」の横流れ等につきましては罰が軽過ぎるから、更に軍のほうとしては重い処罰をするというような話も、そういう意向であるというような話も実は聞いております。現在におきまして、これは主として米軍関係のほうが、人数も多い故もありまして、いろいろな問題がそこに出て来ていると思いますが、ここに準用しておりますもとの法律によりまして、一応国内犯罪として検挙した場合は、二十八年の一月から十二月までの間に百二十三件、犯罪人数が百九十七人、物件価格で九百万円、全体として見ますと或いはまだ非常に少いものかも知れませんが、相当のやはり処罰をこちらのほうでやつているというのが現状でございます。いろいろ行政協定関係の問題につきましては人数も多い。従いましてその金額も大きいという関係で、いろいろな問題があるわけでございますが、一応米軍関係におきましても相当熱心に取締つてくれておりますし、こちらのほうにもそれぞれの規定がございまして、できるだけの措置は講ずる。今後においてもそういうふうに努力して参りたい、かように考えておる次第でございます。
  16. 野溝勝

    野溝勝君 質問をこれから継続するのでございますが、更に重大なる疑義もありますから、後刻政治的責任者である小笠原大臣に来てもらいまして、一、二の点を明らかにして見たいと思いますから、さよう委員長においてもお取計らいを願いたい。  そこで渡辺さん、この法案を作るときに憲法との関係において何か矛盾が、疑義が起るというようなことは余り感じたことはありませんか。
  17. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 我々のほうも相当熱心に勉強したわけでございますが、どうも野溝委員のおつしやること、ちよつと私よくわかりませんが、憲法の問題と特に疑義というと、どういう点を御指摘になつているのか、ちよつと理解できないのでございますが、いろいろな問題が議論されていることは我々も知つておりますが、まあ国連軍との協定が一応国会で御承認になるということになれば、それに随伴しての問題であるという意味におきまして、特に憲法上の問題もあるといろふうには我々は考えていないわけでございます。
  18. 野溝勝

    野溝勝君 例えば国連軍関係における協定ができたから、それに随伴しての法案であるから差支えないものであると思うというようなことは、どうも余りに私は通俗的な表現でありまして、実際その条文を作る場合、法律を作る場合には、そういう疑義が起つたという場合は、十分省議等におきまして、特に新進の官僚と言いましようか、中堅局長級が揃つておるのでございますから、むしろそういう点に対する疑義は起らないように、あなた方から注意をし、並びに法律の制定に当つて十分注意をしてもらわなければならんと思います。私かう申上げるまでもなく、さようなことを聞くのは、憲法第九条に、御承知のごとく最後において「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」いわば陸海空と言うような交戦力に対しましては、それを支援するがごとき、又関係を深めておるがごとき法案を出すべきでなしに、又、文字などの表現につきましても、私はむしろ留意しなければならないと思つている。然るに本法の第二条を見ますると、「この法律において左の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。一 国際連合軍隊 日本国における国際連合軍隊地位に関する協定第一条に規定する国際連合の諸決議従つて朝鮮軍隊を派遣しており、又は将来派遣する国で、その政府が同協定の当事者であるもの(以下この条において「派遣国」という。)の陸軍、海軍又は空軍で、当該国際連合の諸決議に従う行動に従事するために派遣されているものをいう。」、こういうように、交戦力を明うかに規定しておるような表現条文ですね。こういうことが私は憲法の第九条の末項に触れないかという点において、憲法上において疑義起りはしないかというようなことが考えられたり話題に上つたことはなかつたかということを、先ほどお聞きしたわけです。
  19. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 全体の関係におきまして、憲法との問題はいろいろ議論がなかつたわけではございませんが、ここに使つております条文は、実は条約のほうで使つております用語をそのまま使つたわけでございまして、結局、政府といたしまして、この条約を結ぶこと自身憲法に違反しない、こういう見解をとつておりますので、それに随伴する場合に、法律におきましてやはりこういう表現を使うことも、別に憲法違反ということになるわけではあるまい、こういうような結論に達したわけであります。
  20. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると、これは国連協定及び条約を参照にして作つたのだということを言われておるのでございますが、どうもこういう特権を与えなければ日本MSA資金受入等もできないような羽目に日本政府は陥れられたと思うのでございますが、併しよくこれを検討してみると、私は経済的不平等が具体的に裏付けられるような気がしてならないのです。だが、軍隊だげでなく、この法文から見ると、国連関係軍隊だけのように範囲が、先ほど主税局長お話によりまするというと、この特権待遇を受ける者は軍隊だけでない、家族も含むという、この家族も含むというのは、これはなんですか、結局どういう気持でこの家族まで入れたのですか。条約から見れば軍隊だけでよさそうなものでありますが、この条約にない家族配偶者等を入れておるのは、どこからこれは引張り出して来てこういうものを加えたのですか。
  21. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 条約の十二条の二項を御覧願いますと、「国際連合軍隊構成員軍属及び家族」というふうに規定されておりまして、結局、家族がやはり所得税なら所得税課税を受けない、こういうふうなことが条約自体に書いてございます。そこでこれを受けまして、行政協定の場合にも同じでございますが、それでは家族とは何かという問題もありますが、これにつきましては、やはり条約のほうに、「家族とは」、これは第一条のG項でございますが、「次の者で日本国内にある間におけるものをいう。」「国際連合軍隊構成員又は軍属配偶者及び二十一歳未満の子」、それから「国際連合軍隊構成員又は軍属の父、母及び二十一歳以上の子で、その生計費の半額以上をこれうの者に依存するもの」、一応条約の中でそれぞれ規定してございますが、法律におきましてはいわばこの条約と結び付いての法律でございますので、そうしたものの形におきましても条約考え方をそのままとつている、こういう次第でございます。
  22. 野溝勝

    野溝勝君 この法案を策定するときに、一応、財政委員会と言いますか、日本財政金融団体等があるのでございますが、そのほうとの間における何か意見交換と言いましようか、会合などが、この法案策定に当りましてありましたか。
  23. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 非常に恐縮でございますが、財政委員会という意味はどういう……。
  24. 野溝勝

    野溝勝君 例えば日本国内に、財政団体金融団体と言いますか、財界方面の、まあ同友会とか或いは日経連とか、そういうような諸君との間に意見交換なんかやつたことがあるのですか。
  25. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 問題が問題でございますので、特に経済団体意見を聞いてどうこうということは別にいたしませんでした。
  26. 野溝勝

    野溝勝君 この法律案は、結局、条約並びに協定等を骨子にして策定したというお話でありますが、この条約の続く限りはこれをやはり続けて行くというふうに考えておるのでございますか。
  27. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 冒頭に申上げましたように、免税関係規定条約自体に一応骨格的には入つておるわけでございます。それの細目的なものをこれに規定している。同時に条約のほうでは、例えば横流しをしてはいかんということが書いてある、その場合に横流しをしたらどういうことになるかということがこの法律規定しているような性格のものでございますから、条約効力を持つている間はこの法律効力を持つ。と同時に、効力を失えばこの法律も、過去における事例についての効力はとにかくとしまして、将来の事例につきましては効果を持たせる必要はなくなる。こういう性格のものであろうと存じております。
  28. 野溝勝

    野溝勝君 本案の第三条に2というのがありますけれども、1がないが、これはどういうふうに2と出したのですか。
  29. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) これは法文の体裁でございまして、或いは法制局のほうから御説明するのが適当かも知れませんですが、一応現在提案されておる各種の法律におきまして、第一項目というのは、これは今の御指摘で言いますと、第三条でありますと、第一項のほうは別に特に1という項目であるということを表示する意味数字を用いませんで、二項、三項とございましたときに、その2を使つている。こういうわけでございまして、数字の表示がございませんのが第一項である、こういうことで一応法文自体ができておる次第であります。
  30. 野溝勝

    野溝勝君 これはやはり以前からそうでしたか。戦争後というか、アメリカ政策でございますか。
  31. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 別にアメリカ政策とも思いませんが、できるだけ法文をわかりやすくしたい、そのためには、項がたくさんあります場合に、第何項ということを引く場合に、何もこういうふうに表示がございませんと見にくいじやないか。我々も実際の仕事をやつておりまして、いちいち前のほうから勘定して行つて、二項、三項の場合はそれほどでございませんが、相当項数が多うございますと、これは何項目だろうというふうに数えなければちよつと一見わからないというので、こういうような数字を使いまして、前から、号のときには一、二と、普通の漢字で号を付けておりますので、漢字というのも、ちよつと号との関係がございますので、算用数字を使つてこういう項を示し、法文を見る上におきましても非常に便利なものじやないかと考えております
  32. 野溝勝

    野溝勝君 これは子供臭いような質疑ですけれども、これはおかしいですよ。こんなことまで真似しなくてもいいと思うのです。日本は十分考えなければならん。例えば第三条を見て御覧なさい。二項ぽつきりになつておるじやないか。三項が付いておるなら想像もできますけれども、二項だけ出ていておかしいですよ。こんなものがアメリカ式の教養というなら直したほうがいいです。実際こんなことは馬鹿げていますよ。これは何と言いますか、むしろ法制局長に私は申上げておきたい。法制局関係は来ておりますか。これはあなたばかりどうということは言いませんが、法文の体裁で各省ともこのようなことをやつておるらしいが、馬鹿げていますよ。誰が説明したつてちよつとわかりませんよ。そう言われてみれば成るほどこれが一項に値いするものかというふうに考えるのですが、二項だけぽつきり出ておるでしよう、こういうようなことは、これは余りにもアメリカ盲従だよ。こんな体裁は即刻直したほうがいい。子供臭いような意見でございますが、むしろ主税局長から今日こういうような意見があつたということを法制局に話して下さい。  次に、第一項ということになるのでしよう。その末のほうに「アメリカ合衆国との間の安安保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律規定を準用する」。これは私まだよく検討しておらんのでございますが、「所得税法等臨時特例に関する法律」というのはどういう点ですか。主なる点をちよつとお話願いたい。
  33. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ず第一に、所得税特例といたしましては、軍隊構成員軍属、これらの家族の人につきましては、所得税課税しない、これが特例の第一でございます。それから第二は、やはりそれらの人々に対しましては、相続の事実がありましても相続税を課税しない、これが第二でございます。第三の通行税の関係でございますが、これは軍隊構成員が、軍隊の用務を遂行するために汽車等の乗客となる場合において、行政協定の場合でございますと、「合衆国軍隊の権限ある官憲の発給する当該用務の証明書の提示があつたときは、当該構成員については、通行税を課さない。」通行税の場合は非常に限定して、そういうふうになつております。それから印紙税の関係でございますが、印紙税におきましては行政協定の場合を準用しておりますが、行政協定の場合を申上げますと、「合衆国軍隊及び軍人用販売機関等が発する証書及び帳簿については、印紙税を課さない。」こういうことになつております。それから物品税の場合でございますが、この場合におきましては、「政令で定める手続により所轄税務署長の承認を受けて製造場から移出する物品税法第一条に規定する物品で左に掲げるものについては、政令で定める手続により、物品税を免除する。合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が合衆国軍隊の用に供するために購入するもの」、こういうことになつております。それかう揮発油税につきましては、やはり物品税と同じような規定で、所轄税務署長の承認を受ける必要があるのでありますが、「合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が合衆国軍隊の用に供するために購入するもの」、この場合は揮発油税を免除することになつております。それから奢侈繊維品税の関係につきましてこれはやはり同じように、「合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が合衆国軍隊の用に供するために購入する」原材料を、この場合には免税対象にしております。それから最後に入場税の関係でございますが、入場税の関係におきましては、「軍人用販売機関等で、入場税法第一条に掲げる場所」、これは映画館とか劇場とかそういう場合でございますが、そのうち「合衆国軍隊の直接管理に係るものについては、入場税を免除する。」そういうような一つのしぼりました関係で、軍隊に直接関係のある行動について、或いはそれに特に必要な物品についての税金を免除する。こういうような考え方に出ております。
  34. 野溝勝

    野溝勝君 直接軍隊関係のあるという場合ですが、奢侈品などは軍隊とどういう関係があるのですか。
  35. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 繊維消費税課税されると予定されておりまするようなものについて、軍隊とどれだけの関係があるかということは、我々もよくわかりませんが、まあ余り現実問題としてはそうたくさんあると思つておりませんが、若しあつた場合におきましては、やはり同じような考え方で許されていいのじやないか、多少原則にこだわつたきらいがあるかも知れませんが、若しあつた場合にはやはり同じような扱いをすべきではないか、こういう考え方で出ておるわけであります。
  36. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  37. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十四分散会